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望む望まないにかかわらず私たちは存在している。
望む望まないにかかわらず私たちは存在している。
望みに望んでいたがために私は今存在している。
望む望まないにかかわらず私たちは存在している。
望む望まないにかかわらず私たちは存在している。
望む望まないにかかわらず私たちは存在している。
望む望まないにかかわらず私たちは存在している。
望んではなかったが私は彼らの様に存在している。
ざいだんの いしずえとなれ ひとはしら
先ずは、この儀式によって顕現する怪物の正体について説明しよう。
実は、儀式によって顕現するのは怪物などではなく、日本神話に登場するとある神様のコピーである。
コピーの神様を顕現させる方法は、以下の様なものとなっている。
- 儀式手順を知る複数の人間が互いに手をつなぎ、閉じた円形の陣を組む
- 陣形を構成する儀式参加者が、全員自身の右方に向けて移動する
- [財団によって提示された祝詞を唱える]
- 陣形内の儀式参加者の肉体が融合を開始する
この儀式の結果、顕現する神様の全長は儀式参加者の平均身長に参加人数の三乗根を乗じた数値に比例する。
勿論、表向きの報告書にも記載されている通り、神様の体は儀式の参加者と周囲の物体が混ざり合ったものであるため強度的にも問題はない。
しかも、その強度は吸収された儀式参加者それぞれの現実強度を単純に加算した値と等しいため、儀式に参加する人数が多くなればなるほど強度が増すことになり、大人数で儀式を実行されてしまうと財団の技術を持ってすら調伏が不可能な神様が顕現する事になってしまうのである。
また、この神様は周囲の環境に対して大規模な影響を及ぼすことが可能であり、その気になれば島や陸地の再配置といった現象を発生させることが可能だ。
これらの情報から、財団はこの神様の正体を日本神話における国産みで有名な神様、伊邪那岐命と伊邪那美命と共に地上に出現したとされる神格、『ヒトハシラノカミ』ではないかと推測している。
この神様は、伊邪那岐命夫婦の国産みを手伝った後、伊邪那岐命によって破壊され、国中に降り注いだ肉片が人間の元となった…と日本神話には記載されているのだ。
財団が、この神様と本格的に関わることになったのは、第二次世界大戦終結後、蒐集院がアメリカ資本であるSCP財団の傘下に入らないかと要請を受けた際、それに反発した蒐集院の幹部3人が和歌山県沖に当時存在していた淤能碁呂(オノゴロ)島へと逃亡し、件の儀式を実行して島民を含む約7万人を道連れにヒトハシラノカミを顕現させたことがきっかけである。
当時から最先端の科学技術を所持していた財団であるが、物理攻撃の一切通用しないこの「対財団用必殺兵器」と化した神様には流石に歯が立たず、絶体絶命の危機に陥ってしまったのだ。
この事態を受けた財団は、最高意思決定機関であるO5評議会の協議の結果、財団との併合に好意的だった蒐集院のメンバーを好待遇で財団に雇用するのと引き換えに、迫り来る「対財団用必殺兵器」を調伏するための作戦を指揮してもらうことを決定した。
そして、財団と蒐集院の連合軍は畝傍型重巡洋艦耳成、香具山の2隻と数多くの人員の命と引き換えに「対財団用必殺兵器」の調伏に成功したのである。
その後、財団は持ち前の技術を駆使して徹底的な情報の改ざんを決行し、惨劇の舞台となった淤能碁呂島の情報そのものを含む今回の騒動に関する全ての情報を隠滅してこの忌まわしい事件に決着をつけたのであった。
全てが終わった後、財団は蒐集院との約束を『オノゴロ-45協定』という形で締結し、財団の傘下に入る事に肯定的だった蒐集院の人員を財団日本支部の理事として雇用した。
そして、蒐集院が管轄していた地域を81の区域に分割し、ヒトハシラノカミことSCP-1945-JPと共にその管理を新たに発足した財団の支部へ移管することにしたのであった。
こうして、財団の日本支部が誕生したのである。
このように、財団が日本に進出する礎となったSCP-1945-JPであるが、実は財団は儀式で顕現する神様を【礎】として有効利用する方法を見つけ出している。
それは、《世界が大規模な収容違反にさらされているなど何らかの危機的状況に陥った際にこの神様を財団以外の人間を依代として顕現させ、神様の持つ能力と物理的な強さを駆使して世界崩壊の元凶を調伏し、その後世界を再構築する》というものである。
この、世界を再構築するための日本独自のシステムは『ガニメデ・プロトコル』と呼ばれ、世界崩壊と共にSCP-1945-JPを顕現させる手順が財団内に送信される手はずとなっているのだ。
本文書はO5評議会より発令されています。
現在、大規模な収容違反、もしくはKクラスシナリオが進行中です。O5評議会は現在の状況を収拾することを断念し、ガニメデ・プロトコルの実行を決定しました。
この様な文章が、世界に通達されない事を祈るばかりである。