SCP-040-JP

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SCP-040-JP - (2017/05/24 (水) 14:14:44) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/11/25 (金曜日) 15:36:02
更新日:2023/12/02 Sat 19:43:06
所要時間:約 5 分で読めます





寂しがりやの野良猫は、ずっと見つめ合う誰かを探していた。


SCP-040-JP とは、怪異創作コミュニティサイト「The SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。
項目名は『ねこですよろしくおねがいします』。日本支部によって生み出されたオブジェクトであり、オブジェクトクラスは「Safe」に指定されている。

SCP-040-JPは、幅が約5m、奥行きが約4mの木造の井戸小屋だ。
小屋の出入り口には南京錠がかけられていたが、鍵が破損した事によって出入り自由となってしまい、その結果として発生した異常によって財団に探知され、収容された。

小屋の中に入ると、古い年代に造られたと推測される石造りの井戸があり、小屋の中にはねこがいます

井戸の深さは、本来の用途からはありえないほどに深く、ねこがいます

ねこです、よろしくおねがいします

探査機を用いた調査を行なった結果、小屋の中にはねこがーーー



【 ミーム災害が発生しました 】




よろしくお願いします

メ モ



SCP-040-JP - ねこですよろしくおねがいします
by Ikr_4185
http://ja.scp-wiki.net/scp-040-jp


この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。


































現在、SCP-040-JPの発生源である井戸小屋は中尊寺金色堂のように上から収容施設をかぶせることにより外界から完全に隔離されている。
しかし、このオブジェクトの本質は井戸小屋そのものではない。

SCP-040-JPの本質とは、ずばり井戸小屋の中を覗いてしまった人物を中心として発生する重篤なミーム災害なのだ。
このオブジェクトに関する初期の報告書もSCP-040-JPに由来するミーム汚染に感染した結果、それ自体がミーム汚染をばらまくSCPとなってしまった。

その結果、最終的にはSCP-040-JPを研究していたサイト-8120そのものがミーム汚染の発信源に変貌するという、とんでもない事態に陥ってしまったのである。
何とかこの事態は収束し、以後この報告書を読む前には対抗ミームの接種が義務付けられた。

では、井戸小屋の中をのぞいてしまったことによる異常とはいったい何なのだろうか?

ここに、当記事の第一執筆者がミーム災害に感染し、搬送された直後の音声記録を文章化したものを添付しておくので、興味のある方は内容を確認してほしい。


+ 文章を閲覧する
いやぁ、配属早々大変な事になってしまったね、新人研究員君。

残念ながら、あの人はミーム汚染を発症してしまい、搬送されたよ。

恐ろしいオブジェクトでしたね、か。
確かにね。

では、あのオブジェクトについておさらいしておこうか?

SCP-040-JPは、とある県の某所に存在している井戸小屋だ。

井戸小屋、というだけあって小屋の中には井戸がある。
そして、その井戸を確認しようとして小屋の中を一目でものぞき込んでしまったら最後、その人は『小屋の中に猫がいる』という幻覚に憑りつかれることになってしまうんだ。

しかも、その猫というのがそこの壁に掛けられたカレンダーの写真みたいな可愛い姿ではなく、無毛で、鼻と口を欠いたのっぺりした顔に人間そっくりの目が付いた歪な姿をしているそうなんだよ。
そんな顔の奴が、一時期流行ったトリックアートの『振り向きドラゴン』みたいに、どの方向から見てもこちらを真っ直ぐ見つめてくる様に見えると報告されている。

この段階で記憶処理を施さないと、幻覚はさらに悪化してその人の視界に入るすべての猫がさっき言ったような珍妙な姿に見えるようになってしまう。
そして、「自分を取り巻く暗闇の中にあの猫が潜んでおり、こちらを常に見ている」という更なる幻覚症状に憑りつかれることになってしまうんだ。

さて、このオブジェクトの最も厄介な点だが、それは「猫がいる」という幻覚に取り憑かれた犠牲者が、周りの人間に「猫がいる」ことを積極的に伝えようとし出してしまう点だろうね。

実は、この「猫がいる」という情報そのものに重篤なミーム汚染が含まれていて、絵や文章、写真など情報伝達に用いられるそれこそありとあらゆる手段を媒介として「猫がいる」という情報をばら撒こうとしてくるんだよ。

例えば、【イラストで伝えてみよう→見事に感染しました】、【録音した音声ならどうだ→やっぱりダメでした】みたいな感じに、対抗手段を取ろうとすればするほど感染経路の拡大に貢献してしまうという皮肉な事態に陥ってしまうんだ。

そして、「猫がいる」という情報に触れてしまった人物もまた、即座にミーム汚染を発症して猫をいびつな形で見てしまい、その情報を拡散するようになってしまう。
だからこそ、サイト丸ごと一つがミーム災害に感染してしまうという、通常ならあり得ない事態に陥ってしまったんだよ。

因みに、小屋の中を無人機を使って探索したことがあるんだけど、猫どころかミーム汚染につながるいかなる手がかりも発見できなかったそうだ。ただ、1000メートルをゆうに超える深さがあったらしく、どうも内部の空間が歪んでいるんじゃないかと言われている。
そして、その時の映像や、小屋を撮影した写真などではミーム汚染を発症することがないことがわかっている。

以上が、 SCP-040-JPに関する情報だよ。

ん?
さっきからなんでカレンダーをじっと見つめてるんだ?
…まさか!?

そこから動かないで、一言も喋らないで!!



万が一、上記の文章を閲覧してミーム災害に感染した場合は、必ずセクター-8120-煤で処置253-"柳煤"を受けていただきたい。
ちなみにミーム災害事件の後に追記された、資料室を管理する職員からの忠告がこれ。

この様な失態を二度と繰り返さない為の対ミーム処置です。
報告書提出の際はこの処置を必ず行うようにしてください。
よろしくおねがいします。

……大丈夫だと我々は信じている。



ちなみにミーム汚染の拡散の際、この影響を伝播させるためのキーとなる言葉は、ずばり「よろしくおねがいします」。
文書に書けば多少不自然でも一度は読んでしまうし、会話の中ならばごく自然に織り込める挨拶の言葉であるため、回避するのは難しい。


SCP-040-JPが関係している主なTale

Taleとは、SCPを題材にした二次創作小説のことである。

「 烏丸教授の特別講義: 情報災害とミーム異常 ~認識を正常に保つ方法~  」

烏丸(からすまる)虎教授の主催する「ミームとミーム災害に関する講義」に、自身もミーム災害に関する講義を行ったことのある針山博士がなぜか出席するというTale。
講義の終了後、烏丸教授に呼び止められた梶山博士は、烏丸教授にSCP-040-JPに関する相談を持ち掛ける。

話を聞いた烏丸教授は、先ほどの講義の内容を引き合いにミーム災害に対抗する手段について堀山博士へ語り始め…という内容。

…なお、すでにお気づきの方もいると思われれるが、はに山…ではなくて、もう下の名前で呼ぼう。栄治博士の苗字そのもにも「正しく覚えられない」というミーム災害が含まれている。


「 ねこより 」
『ねこ』の独白。

ねこはどこにでもいるねこはいます。そこにねこはいますのに、ざいだんのひとはねこをつかまえません。ねこはそこにいます。ねこはどこにでもいます。


「SCP-374-JP事案-1」
SCP-374-JP「秘密結社キャッチ&リリース」の実験にて起きたSCP-040-JPの収容違反。
この魚人間たちの誘拐ターゲットになった東博士が曝露者であり、それを魚人間たちに感染させてしまった結果……。


余談

このオブジェクト、覚えやすい上にキーワードが自己紹介の文面であるため、SCPwikiを除くSCP関連の動画やサイト(当アニヲタWiki含む)でしょっちゅう改変する形で使われている。
その中でも、なぜか同作者の執筆した緋色の鳥ことSCP-444-JPと混ざっていることが多い。



追記・修正はミーム災害に感染していない方にお願いします。ねこでした





SCP-040-JP - ねこですよろしくおねがいします
by Ikr_4185
http://ja.scp-wiki.net/scp-040-jp


烏丸教授の特別講義: 情報災害とミーム異常 ~認識を正常に保つ方法~
by transistor_K
http://ja.scp-wiki.net/karasumaru-s-lecture-of-meme

ねこより
by boatOB
http://ja.scp-wiki.net/nekoyori
この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

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