SCP-2466

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SCP-2466 - (2020/02/16 (日) 21:46:32) の編集履歴(バックアップ)


登録日: 2016/12/16 Fri 15:57:37
更新日:2020/12/11 Fri 20:13:35
所要時間:約 9 分で読めます






Slay Dragon Save City



SCP-2466はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)。
オブジェクトクラスはSafe。
項目名は『Slay Dragon Save City(ドラゴンを倒して街を救おう)』。


概要

SCP-2466の本体は「とあるテキストベースのゲームが入った」スマートフォン。
このスマートフォンを起動して、ゲームを起動すると、「Slay Dragon Save City」という文字が浮かび、
テキストベースのゲームをプレイすることができる。

だがなんとこのテキストベースのゲームをプレイすると、
カリフォルニア州█████████の10-12名の住民がその敵キャラクターの使う技コマンドに応じて
特定の行動を取り出してしまう。
基本は通常同じ技に対しては似た行動を取るのだが、一部の日には別の行動に切り替わることがある。

スマートフォンの制作元は…

ん?ザ・ファクトリー?ワンダーテインメント博士?ゲーマーズ・アゲインスト・ウィード
ああ、SCiP作りそうな人たちだもんね、でもこれは違います。
制作元はサムスン。Android OSの入ったGalaxy S5。
サムスンが要注意団体というわけはもちろんありません。

で、このテキストベースのゲームなのだが、どういうゲームなのかというと…。


SCP-2466-1はテキストベースのゲームで、ユーザーはポケットモンスターシリーズのキャラクターの一つ、「メガリザードンX」 の1実体と戦闘することになります。



(SCP-2466の記事より引用)
ポケモンじゃねえか!
もちろんプレイヤーサイドもポケモン(ポケットモンスターXに登場するポケモンから選択される)を使ってメガリザードンXを倒すことになる。
ちなみに記事にはちゃんと
SCP-2466-1のテキストベースインターフェースでは明確ではありませんが、メガリザードンXは青と黒の体色を持つ欧州のドラゴンを模した、高さおよそ1.7メートルの生物です。
とメガリザードンXの特徴が書いてある。
このメガリザードンXは「りゅうのまい」「はねやすめ」「フレアドライブ」「ドラゴンクロー」を覚えていて、これでプレイヤーのポケモンと対戦するわけである。
そしてメガリザードンXの1実体が倒されると、新たなメガリザードンXの1実体と勝負させられる。
こちらもポケモンがひんしになると新たなポケモンが繰り出される。
エンドレスなのだが、プレイを中断すれば街の人への影響はなくなるためかSafe。
ただしプレイを中断するには本体の電源ごと切らなければならない(アプリを中断しようとしてもできない)。

ご存知の通りメガリザードンXのこうげき種族値は130もあり、竜舞からフレドラやドラゴンクローをされると並のポケモンでは簡単に消し炭にされてしまう。
おまけにこちらのポケモンは「X」にて入手可能なポケモンからランダムに、それも習得可能な技をランダムに習得したものが選出される。恐らく特性もランダムだろう。
要するにヤヤコマだのコイキングだの貧弱なポケモンが出る事もあれば、バンギラスのように対抗出来そうな強力なポケモンでも技が貧弱で話にならない可能性もあるという事。
まともにメガリザードンXと戦えるポケモンが選ばれることは殆ど稀であろう。参考として「X・Y」のカロスずかんは全部で455匹となっている。

一応このAIがどうやら馬鹿らしく、頻繁に指示ミスをするらしいので、隙をつけば倒すことも可能。
そもそもお互いに瀕死になってもデメリットもないので、仮に弱いポケモンがでてしまっても何度も挑戦すればいつかは倒せる
……のかもしれない。最悪でも「もうどく」状態になればいつかは倒せるようになる訳だし。
そもそも勝つメリットが存在しないが。


SCP-2466に入ってる上記のゲーム(SCP-2466-1)は他のスマートフォンでは起動しないが、
SCP-2466から消した後再インストールすることは可能だったらしい。
なおメガリザードンXはこの報告書中、ちゃんと「メガリザードンXの1実体(an instance of Mega Charizard X)」と書いてあり、
「SCP-2466-3」みたいなナンバリングはされていない。(SCP-2466-2は住民の皆さん)
そのせいかこの報告書の元ページは非常にシュールである。

メガリザードンXのわざとそれに対応する行動

わざごとに特定の行動を住民がとるが、観測されるパターンとは異なる行動を取ることがある。
なお以下のデータは財団にスマートフォンが収容される前に起きた事例ばかりであるため、
もしかしたら違う技を使っているパターンや関係ない場合もありえる。

  • りゅうのまい
住民が集まりだして一糸乱れぬ動きで英語版ポケモンのオープニングテーマ曲「Pokemon Theme」を踊る。
これを15分間続け、その間ゲームは一切の操作が不可能になる。

なおORASの発売日には一人はトランペットを吹き出し、もう一人は集まった教会を水浸しにしようと試みた。
ORASのリメイク元であるRSEのBGMがトランペットが目立つからだろうか?
そして水浸しにしようとしたのはカイオーガにちなんでだろうか?

また同じく2014年の12/05にはフラッシュモブとしてダンスが行われ、
アプリの非影響下の住民が混ざって踊りだした。

  • はねやすめ
住民が近くの樹にのぼって三時間不安定なポーズで睡眠を取る。
これでおちたりして怪我することは稀であるという。あるにはあるんだ…。

2014年10月25日にはちゃんとのぼったが10分ですぐに降りるという行動が三回見られた。

  • フレアドライブ
住民が自分に何かしら着火して近くの個人に突撃する。
…自爆テロ強制してないかこれ。フレアドライブってそういう技だけど。

なお2014年のハロウィンにはウィル・オ・ザ・ウィスプに火をつけて近くの人に投げつけたことが判明している。
パンプジン「訴訟も辞さない」

  • ドラゴンクロー
住民が鋭利な武器を手につけて近くの人に襲いかかる。
すでに鉤爪を持っている場合(衣服やそのへんの動物からちぎりとるって意味で)や鋭利な武器を持っている場合はそれを使うが、
一番多いのは『指骨の先端が鋭利なものとなるように指の一部を切断する手法(原文ママ)』らしい。痛そう。

一度2004年の『キルドーザー事件』を模して、ブルドーザーをセメントや鋼板を取り付けて改造しようとしていたらしく、
財団がそこに派遣されて住民を勾留した。

ちなみにキルドーザー事件とは、2004年6月4日にコロラド州グランビーで発生した改造ブルドーザーを用いた大規模な建築物の破壊事件である。
実行犯は町の景観のためにコンクリート工場を建設することに反対していたが、彼やその支持者が新聞で批判され、支持者や恋人が彼の元を離れる中、
ブルドーザーを購入して改造し、鉄とコンクリートで覆って防御力を上げ、コンクリート工場や市役所や新聞社、はては市長宅までぶっ壊した。
内部からカメラで外の様子を確認できるようにしていたらしく、更に拳銃を持って入り、ブルドーザーの内部から溶接で出られないようにして
死ぬ間際に復讐した話である。ただし操縦者が気をつけたのか、死傷者は拳銃自殺した操縦者だけだった。

わざが不明な事例

2014/11/01には高校のポケモンクラブのメンバーが空の教室に押し入り、その教室にあったものを手当たりしだいに破壊している。
メンバーたちは「意識的に行ったものではない」と釈明しているが、技がよくわからなすぎるためアプリの影響下だったかがわかっていない。

2014/12/27-28にはルネッサンス・フェアの参加者から影響者が選択され、複数のわざを実行したパターンがある。
だがそのフェアのおかげで財団職員は苦もなく取り押さえられたとか。
ちなみにルネッサンス・フェアとはエリザベス朝時代の英国を模したファンタジー要素を含む仮装フェスティバルのこと。
これを見て財団は「封じ込め失敗」の際にはルネッサンス・フェアを当地で恒久的に行うことを計画している。

余談

なぜポケモンなのかということについて、Communism will win氏は裏設定を解説している。
どうやら「この街には異常存在がいて、それらから住民を守るために作られたアプリ」を想定したそうな。
だがその人は自分でオリジナルのゲームを考案するのがめんどくさかったので、代わりにポケモンを真似したらしい。
結果として起動しなければ住民たちが影響下におかれなくなったので、この人の試みは成功したのかもしれない。
もしくはそういう異常存在がいると思いこまされて作らされた可能性はありそうだが。まあ裏設定を考察してもあまり意味はなさそうなのでこの辺で。

メガリザードンXなのは何故なんだろうかと思うが、恐らく元からドラゴンを持つポケモンだと「りゅうせいぐん」を覚えてる可能性が高いからという可能性がある。
隕石がおっこちてきたら下手すりゃ上記のような惨状では済まなくなるだろう。
単純に考えるならリザードン自体知名度が高く、メガシンカ形態なら強力なドラゴンとして印象づけやすいうえ、「黒くて炎を吐く」とわかりやすく敵役のドラゴンっぽい風貌をしているからかもしれない。
悪タイプのドラゴンならまさしくX・Yにも登場するサザンドラはいるが、選ばれなかったのはあちらは少々見た目が普通のドラゴンっぽくないせいだろうか。


ポケモンのせいでシュールではあるものの「機械の指示通りに住民が狂いだす」というのは非常にホラーであり、
ちゃんとSCP創作としては面白いシロモノになっている。
ある意味では身近なクリーピーパスタ(創作都市伝説)としてはじまったSCP世界の原点に立ち返ったオブジェクトといえるだろう。
ちなみにこの人はかつて図書館だったSCP-2602や反トランプデモ用のオブジェクトSCP-2826を書いたりしており、
シュール系ながらもどこか恐ろしいオブジェクトを生み出し続けている。
なおアカウント名がやばすぎるからか他のメンバーからはScantronと呼ばれているようである。

全くの余談だが、メガリザードンXの育成論について調べると某攻略サイトに投稿された全く同じ型の育成論がすぐにヒットする。

なお後に『ポケットモンスターサン・ムーン』ではKeterグm…キテルグマというポケモンが登場している。
まあ英語名は『Bewear』なのであまり関係ないが。

また、「エーテル 財団 」なる、ポケモンの 保護 活動を行う慈善団体だが実は黒い裏がある集団も登場した。
それらと因縁のあるウルトラビーストと呼ばれる種は「UB-○○○」とコードネームで呼称されている。
……なんだか聞いた事のある話しだなぁ。





CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-2466 - Slay Dragon Save City
by Communism will win
http://www.scp-wiki.net/scp-2466
http://ja.scp-wiki.net/scp-2466

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