SCP-567-JP

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SCP-567-JP - (2021/07/11 (日) 13:01:17) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/12/26 Mon 17:43:06
更新日:2024/03/26 Tue 21:08:21
所要時間:約 3 分で読めます





SCP-567-JPはシェアード・ワールド「SCP Foundation」に登場するオブジェクト(SCiP)のひとつである。
オブジェクトクラスはSafe。日本支部管轄のオブジェクトである。

項目名は『w2qyv.worm』。


概要

このオブジェクトは、判読不能の5文字からなる文字列である。元々は2000年代、とある県の電波望遠鏡が受信した信号を文字コードに符号化したところ、データベースの一貫性に不整合が生じた。これが財団の眼にとまって収容されたのである。

コイツの特性は、観測に応じて新たな文字が増殖・発生し、また発生した文字が変化することにある。つまり、コイツが記録された媒体でコイツを見るたびに新たな文字が現れ、変化し、別の長い文字列にどんどん変化していくのである。

電子媒体に保存した場合は主記憶・補助記憶ともに、ビットの反転とシフトが発生し、データの整合性に関わらずパリティエラー・チェックは抑えられる。

物理媒体に印刷した場合だと、着色剤・媒体の種類に関わらず、媒体上で新たなインクの発生及び移動が発生。

増えた分を頻繁に削除する、または観測を控えることで新たな発生は抑えられるが、発生する文字の内容を制御する方法はまだわかっていない。

増加した文字列の多くはランダムな羅列に過ぎないが、その中にはまれに意味的かつ統語的に自然言語と判断されるものがあり、またその中には未発見の科学的知見が含まれている。
このため、SCP-567-JPが知性を有している可能性が考慮され、また増殖を制御することで財団に有益となる情報を得られる可能性が指摘されている。
しかし、現時点ではそれらの検証実験は許可がおりていない。
代わりに、どんな文字列に変化したのか、という閲覧記録がある。

  1. 「waffleの作り方(2人前)」と題された調理レシピ
  2. わらべ歌「2 Little Blackbirds」の一部、及び「Little girl and queen」
  3. 「weak boson2タイプと場の量子論」と題された論文
  4. ランダムなアルファベット文字列
  5. ランダムな、かな漢字文字列。中には単語と思われるものがある
  6. ランダムな、かな漢字文字列。中には学術用語と思われるものがある
  7. ランダムな、かな漢字文字列。中にはプログラム言語やマークアップ言語と思われるものがある

とまあ、やっぱりよくわからない。
一応収容方法は確立しているためSafeとなっているが、コイツの本質はまだ判明していないのが現状である。


補遺

上述のとおり、このオブジェクトが変化した文字列の中には未発見の科学的知識が含まれている。
何とか制御できないか、と考えた職員により、検証実験「多点交叉法を用いた変異の人為的制御」が申請されている。

一応、それについての許可は下りたのだが……。





実験が許可されました……

実験が許可されました……

実験を行っています……/>





案の定失敗した。


結果はこの有様である。全文の引用は避けるが、

  • オブジェクトクラス:Safeが取り消されEuclidに
  • 特別収容プロトコル:「安全だから自由に配布しましょう」とあり得ない内容に
  • 概要:元々からして判読不能だった部分が、「wow信号及びA自身と対数正規分布LNに<html<script?>>従う確率変数Xの</html>キュムラント母関数KXであり、区間縮小法と対象R→██博士の研究(if を目的として構)成するシンボル列の//return false;//n乗項における偶置換か、離散群のハウスドルフ空間、(onclick(および作用素ノルムに関して冪等な正規言語である。対数バリア関数である連続スペクトル、および冪指数に対して言語学が扱う言語と、形式文法における右正規文法も、あるいはBSP木の特殊//do keter,keter,keterな//ケースと(t'OR't'=' true)言える')。情報源はサイト128内の大規模なソフトウェアのシステム記述言語、あるいは万能計算機に依存するユニタリな正規言語であり、識別点を注意深く設計し、自分自体が無矛盾かつ自乗可積分ならば、プリューファー整域に於いてω-加群に対する言語学者たちの観測結果はq-群へ確率収束するだろう。他ユークリッド・オブジェクトに対する十分統計量を決定(while i(end,end)付け、規則遷移ないし観測プログラムεの普遍量化子と、対数螺旋が観察できるシグナルを通せば、大部分の文字列は区間一定近似が適用できると仮定できる。<if//ハーン-バナッハの屈折率……(以下略)」ともはや理解不能な長文に。


散々な結果に終わってしまった。
結局のところコイツの人為的な制御は無理です、ということでEuclidに格上げされることになった。








エラー!! BrowserのSynchronized-Communication-Pluginが無効になっています.一般職員がプラグインを有効化し、[サイト-128]にアクセスするにはこちらをクリックしてください.







それどころではなかった。
SCP-567-JPは単なる変化する文字列ではなく、他の例に漏れず危険極まるオブジェクトだったのだ。
サイト-128における唯一の生き残り、宮内研究員が送ってきた通信は以下である。


誰か・・誰か、生存者は残ってるか?もしいたら、SCP-567-JPの本体を教えてほしい。
w...wは分かる。残りの4文字は何だ?
糞、担当職員は食われちまった。
みんな死んだか?SCP-567-JPを警戒してるのか?
生存者の皆には知っておいてほしい。SCP-567-JPはSafeオブジェクトだった。見ると、ときどき姿が変わる。中身が増えるんだ。たまに見直して・・増えた分は切り取ればよかった。大抵、料理のレシピとか歌詞とか・・何かの設計書の時もあった。今にしてみればかわいい内容だったな。
思えば、あれは突然変異だったんだ。やがて見るたび、中身が凄い勢いで変わるようになった。変な数式とか、記号とか・・プログラムの時もあった。それで閲覧が禁止されたんだ。見ない分には安全だからな。それが、突然こうなったんだ。
誰かがプロトコル違反したか、実験でもしたか・・何かしたんだ。あれが変異することを。
お前も見たな。蟻、蠅?あれはどんどん増える。あれは本も食うしデータも食う。人も。
このサイトは、もうダメかも知れん。物理的にネットワークが切れてよかった。あれが拡散したらと思うと、ぞっとする。
まだ生きてる職員、あれに襲われたら、本体を探せ。本体を抜けば、残りは無力化するはず。インクやら、データ屑やら、大量の血液に戻る。本体は何文字かの、アルファベットと数字と……何だったか。


当時SCP-567-JPを収容していたサイト-128にて、本オブジェクトの収容違反事故が発生した。
事故後の調査の結果、SCP-567-JPは特性を変異させ、物体ないしディスプレイ表面上の移動能力、及び記録装置や動植物を媒体とした増殖能力を有していたと考えられている。

この収容違反の結果、当時サイト-128に従事していた全ての職員とふたつのオブジェクトが失われることになった。
なお、事故の報告を受け機動部隊がサイト-128に到着したとき、すでにサイト内施設の内装および設備の多くは増殖したSCP-567-JPに覆われていた。だが、そのほとんどは既に通常の文字列として不活性化していた。

また、収容違反時あるいは機動部隊の到着までに、何らかの原因によりSCP-567-JPは再びその性質を変化させた。
現在収容しているのは事故後に財団職員の死体から発見されたもので、物体ないしディスプレイ表面上の移動能力を有してはいるが、その能力は限定的であり、増殖能力を持たず、線分・壁・段差のような障害を超えることができない。
また、新たにSCP-567-JPを複製する能力もなく、複製したコピーは通常の文字列として不活性化する。こうした性質の変化がなぜ起きたのか、SCP-567-JPおよび事故の調査は継続されている。


ここからわかるように、SCP-567-JPの正体は、ものを食って増殖する文字である。宮内研究員のチャットを介した報告からわかるように、本体である文字列さえ抜けば無力化するが、膨大な規模に膨れ上がった現在ではそれを突き止めることは財団職員では不可能となっている。
そして、止めるもののないまま起きたのがサイト-128における惨劇である。

不幸中の幸いで、ネットワークが物理的に切断されたことでSCP-567-JPはサイトの外は出られなかったが、それでもサイト一つが全滅+オブジェクト消失という無視できない被害が発生する大惨事となった。

この結果、財団はSCP-567-JPを一度はKeterに認定したが、宮内研究員の遺体から見つかった本体の収容に成功したためSafeに再認定。
オブジェクトの本質を究明するべく調査を続けている。

やっぱりロクなもんじゃなかった。





CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-567-JP - w2qyv.worm
by sotobasotoba
http://ja.scp-wiki.net/scp-567-jp

この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。



















w2qyv


















……誰だ? 今のは何だ?
いや、そんなことどうだっていい。
そうだ、2qyvだ! wと、2qyv。それを抜けばいい。
あんた、



接続が遮断されました。









真のオブジェクトクラスはNeutralized。無力化されたオブジェクトである。

SCP-567-JPの本体は「w2qyv」という5文字からなる芋虫であり、これが増殖および代謝を統括している。つまり、これを抜かれるとこのオブジェクトは死ぬのである。
だが、この部分は財団が収容した当初からオブジェクト自身によって改変されており、収容違反が起きた時点では誰もそれを突き止められなくなっていた。

だが、ここで思わぬ事態が発生した。
生存者に向けて、せめてSCP-567-JPへの対処法を残そうと通信を行っていた宮内研究員だが、打ち込んでいる途中で謎の発信者から「w2qyv」と返信がやって来たのだ。

これを見た宮内研究員は、その5文字こそがオブジェクトの本体であることに気付き、自身を襲ってきた文字の群れからその5文字を抜き出すことに成功。
結果、本体を失った文字列は無力化され、増殖した「体」から切り離された本体も死亡、SCP-567-JPは完全に無力化されることになった。

これらの情報は、機動部隊が救出した、サイト最後の生き残りである宮内研究員その人から聴取された内容であるが、研究員が使用していた端末はサイト内にしか繋がっておらず、また生存者も彼のみであったため、本体を看破して伝えるというファインプレーを起こしたのが誰だったのかは結局不明のままである。








追記・修正はSCP-567-JPを無力化してからお願いします。


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