ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR

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ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR - (2019/10/22 (火) 18:15:04) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/11/24(水) 17:52:25
更新日:2024/01/14 Sun 03:46:35
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『片羽』の言葉で物語の幕は上がる



ナムコのフライトシューティングゲーム・エースコンバットシリーズの第6作。


あらすじ


ベルカ公国─かつての雄武国家。
1980年代、未曽有の経済危機に陥った公国では、正統国家復古を掲げる極右政党が政権を獲得する。

1995年3月25日、ウスティオ共和国に眠る膨大な天然資源発見を機に、ベルカ公国は周辺国への侵攻作戦を開始する。

「ベルカ戦争」の開幕である。


エースコンバット5の15年前のベルカ戦争を描いた物で、5では少し触れる程度だったベルカ戦争で何があったのかが明かされる。
また5のハートブレイク・ワンやフッケバイン、グラーバクやオヴニル、空母ケストレルが(チョイ役だけど)登場したり、
SPミッションでは条件を満たすとあのメビウスの名を冠するF/A-22Aと戦えたりと、シリーズファンには嬉しい演出も。



テーマは「エースによって語られる、エースの生き様」
であり、空戦の割合が大きく敵のエース部隊が多数登場するのが特徴。
その分ストーリーを通して活躍する名有りキャラは少なく、主人公と戦ったエースたちへのインタビューという形のムービーが挿入される。

また、ミッション中の行動によって「マーセナリー」「ソルジャー」「ナイト」の三つのスタイルに分類され、各ルートで登場する敵エース隊やセリフが変化する。


楽曲はお馴染みのオーケストラやギターサウンドに加え、フラメンコの要素を取り入れている。
相変わらずクオリティが高く、特にラスボス戦で流れる『ZERO』は名曲と名高い。




登場人物


  • サイファー(Cipher)
主人公。相変わらず無口で素性不明な主人公だが、どうやら若い男であるらしい。
ウスティオ空軍第6航空師団第66飛行隊所属、ガルム隊の1番機。
戦況をひっくり返すほどの凄まじい活躍を見せ、敵味方から畏怖と敬意を込めて『円卓の鬼神』と呼ばれるようになる。
TACのサイファーはヒンドゥー語で0の意味。

本名ラリー・フォルク。
『彼』の相棒であり、敵であった男。彼の言葉で物語は幕を上げる。

片方の翼を失いながらも生還した経験を持ち、『片羽の妖精』の二つ名で呼ばれる腕利きのパイロット。ちなみに乗機はF-15Cである。
ガルム隊の2番機としてサイファーと共に活躍するが、次第に戦争の意義を見失っていき…。


パトリック・ジェームズ・ベケット、略してPJ(趣味はポロ)。
ウスティオ空軍第6航空師団第4飛行隊、クロウ隊3番機。後にピクシーの後釜のガルム2となる。F-16Cに搭乗。

ガルムの二人の活躍に憧れ、戦争を終わらせるために戦うという理想主義者。
そんな彼は基地で待っている彼女に戦争が終わったらプロポーズするつもりのナイスガイである。

関連項目:死亡フラグ


敵エース部隊

本作最大の特徴は敵対するエース部隊である。
最新作まで含めたシリーズでも最多数となっており、登場演出も全て違うものが用意されている。

ベルカ

何れも色が部隊名となっている。(部隊名後は登場するミッション)


●ロト隊(第2航空師団第52戦闘飛行隊)M3
デトレフ・フレイジャーが率いる部隊、機体はEF-2000×4・機首の赤い塗装が特徴。
デトレフの顔立ちの良さと名家出身なのもありプロパガンダ部隊としての意味合いが強い。
使用機体の性能とこちらが1週目で使用できる機体の性能差から初心者の鬼門でもある。


●グリューン隊(第10航空師団第8戦闘飛行隊)M3
ベルンハルト・シュミッドが率いる部隊、機体はF/A-18C×4・緑を基調とした迷彩。
ベルカ空軍内でも厄介者が集う部隊だが隊長が輪にかけて厄介者なためうまく統制ができている。


●インディゴ隊(第7航空師団第51戦闘飛行隊)M3
デミトリ・ハインリッヒが率いる部隊、機体はJAS-39C×4・塗装は藍のラインが特徴。
隊長がベルカ騎士団の末裔のため騎士道に重んじた戦いをする。
エース部隊の中で唯一戦中は全員生存している部隊でもある。*1


●ゲルプ隊(第5航空師団第23戦闘飛行隊)M6
オルベルト・イェーガーが率いる部隊、機体はSu-37×2・緑迷彩に翼端などは黄色塗装。
ライナー・アルトマンとの2機編成で息の合った戦法と部隊章から番のカワウとも呼ばれる。
後述の同じ2機編成のエスパーダ共々隊長が戦死するため作中では2番機がインタビューに応じている。


●シュヴァルツェ隊(第13夜間戦闘航空団第6戦闘飛行隊)M10
ドミニク・ズボフが率いる部隊、機体はMig-31×8・黒と赤のツートン塗装。
督戦部隊なため公にできない任務が多かったのか情報が抹消、隊員経歴も真っ黒で身分偽造で入隊したものまでいる。
ドミニクもインタビューに応じているがその時の職業は密輸業者である。
なお登場ミッションではフッケバイン・ハートブレイクワン・難易度エース限定ではグラーバクなどのファン要素が盛り沢山である。


●シュネー隊(第22航空師団第4戦闘飛行隊)M10
エリッヒ・ヒレンベランド率いる部隊、使機体はF-14D×4とEA-6B×1・グレー基調で一部白塗装。
開幕からミサイルが飛んでくるだけでなく電子戦機でレーダーをつぶして更にロングレンジ攻撃を行ってくる。
多くの戦果を挙げている部隊であるがエリッヒ自身も被撃墜王であり、B7Rで撃墜された後も三日かけて基地に戻ったり
出世欲がなく部下からの信頼も厚く、ジョギングが趣味など某空の魔王のような人物でもある。
登場ミッションはエースでオブニルが登場するが5のグラーバクの塗装や機体はオブニルのものであったことが判明。


●ズィルバー隊(第51航空師団第126戦闘飛行隊)M10
ディトリッヒ・ケラーマン率いる部隊、機体はケラーマンのみF-4E他はF-16C×4・白のトラ柄迷彩。
ケラーマンは現役には「銀色のイヌワシ」の異名で馳せていたが訓練教官として一線を退いていた。
が戦況悪化に伴いアカデミー出たての生徒と共に前線へと駆り出される。
なおこのズィルバーは3代目であり初代は現役時代にケラーマンが率いていた部隊。
2代目は彼が退いたあと残った隊員たちが引き継いだ部隊だが戦死者や負傷者増加によって解隊されている。
難易度エースではReiherというネームド機が登場するがこちらは余談で解説する。


●ゴルト隊(元第18航空師団第5戦闘飛行隊)M16
アントン・カプチェンコ率いる部隊、機体はSu-47×8・黒いトラ柄迷彩に一部黄色塗装。
カプチェンコは現役時代には「金色の啄木鳥」の異名をとっていたが、一線を退いた後は軍の技術開発者になっている。
隊員は戦死や戦後に死亡、服役、行方不明*2などしているため唯一隊員のインタビューが一切ない。
カプチェンコは技術者になった後は作中でも猛威を振るうエクスキャリバーやXB-0、V2などの開発に関わるだけでなく、
ケラーマン同様戦況悪化で前線復帰後率いた部隊共々戦中に行方不明になったことから、クーデター組織の中心人物とされている。
なお上記のケラーマンとは同じトラ柄でも色の違いや部隊名・異名など色が対極なもの、両者の年齢も近いことから*3
ライバル関係にあったのではないかとされている。


オーシア

どちらもオーシア国防空軍所属時はF/A-18Cを使用していた

●ウィザード隊(元第8航空団第32戦闘飛行隊)M16
ジョシュア・ブリストー率いる部隊、機体はYF-23×4、XF-16XL×4・塗装は寒色迷彩に青のライン。
青い魔術師と称されるエースでガルム2のラリーとは旧知の仲で彼の手引きによって離反する。
登場デモでは他の部隊と違ってXF-16XL4機しか出なく一定時間経過後YF-23が奇襲してくる。
隊員の多くは戦後死亡や服役しているためインタビューは服役中のブリストーが受けている。
なおこの部隊と交戦すると次のアヴァロンダム戦ではアンソニーが演説を行う。


●ソーサラー隊(元第8航空団第32戦闘飛行隊)M16
アンソニー・パーマー率いる部隊、機体はF-15S/MTD×8・黒・白・藍の三色で翼は実機のNASA塗装のような塗装
ジョシュアと共にクーデターに参加しており組織の中心人物の一人とされていた。
なおM16はいずれも試験機・試作機ばかりだったりする。


サピン

ベルカ戦争時は友軍だったが終結後クーデターに参加

●エスパーダ隊(第9航空陸戦旅団第11戦闘飛行隊)M15
アルベルト・ロペズ率いる部隊、機体はJ35、Rafale Mの2機・赤基調に黄色のラインと黒
隊長機と僚機がズィルバー以上に世代が異なっているが回避機動を主にしておりその機動からロペズは灼熱の荒牛とも呼ばれる。
僚機マルセラ・バスケスとは恋仲であったことが匂わせており、ロペズがブリストーと意気投合したことでクーデターに参加。
スタイルによって要因が異なるがロペズは死亡するためマルセラがインタビューを受けている。
なお先にJ35を落とすと性能的にも上なRafale Mが鬼機動をする。


用語


  • ウスティオ共和国
旧ベルカ連邦領だったが縮小政策を受け独立した。小国ながら高い工業力を持っている。
モデルはチェコと思われる。
現実とストレンジリアルの世界地図を見比べると分かりやすいが、ベルカとウスティオの位置関係はドイツとチェコとほぼ同じである。
ベルカの侵攻を受けて一週間で国土の3/4が制圧され、国軍が壊滅するというシリーズでも類を見ない崖っぷち状態からスタートする。
オーシア、サピンとの連合作戦と、急遽再編した外国人傭兵部隊に一縷の望みをかける。


  • ベルカ公国
オーシア大陸北東部にあるオーシアやウスティオの隣の軍事国家。モデルはドイツ、特にナチスドイツと思われる*4
5でも重要な役割を果たした国だが、今作ではそこに至るまでの経緯がクローズアップされる。
長年続いた領土拡張政策と軍拡の代償により80年代から深刻な経済恐慌に見舞われ、この頃からウスティオを始めとした一部の東部領土を独立させ始める。
しかしそれでも財政難は好転せず、この混乱のドサクサに紛れる形で極右政党が政権を握り、「伝統の強いベルカ」を再現すべく、
1995年4月、独立したりオーシアに割譲したかつての自国領土へ向けて侵攻を開始する。
その精強な国軍の奇襲攻撃により、各国は一度は壊滅的被害を被ることになる。

纏めると、
拡張主義→経済危機→連邦の一部切り離し→相変わらずの不況→極右政党の台頭→周辺に攻め込む
と、泥沼コースまっしぐらな国。その高い工業、軍事力により本編開始時はかなり優勢。
騎士団をルーツとする軍、とりわけ「伝統のベルカ空軍」と評される空軍は非常に精強で、多数のエースたちを擁する。


  • B7R
ベルカが絶対防衛戦略空域と設定している、ウスティオ北西部に位置する直径200kmの円形のエリア。
埋蔵資源を巡って昔から争いが絶えず、今作でも最も激しい戦場の一つとなる。
地下に埋蔵される鉱物資源が発する磁場によって多発する通信障害でベイルアウトした際の救出が難しく、
また、その地形から陸路からの救出・自力での帰還も困難。オマケに敵同士で会話が出来るほどに通信が混線してしまう。
……といった状況から、普段以上にパイロットの技量が試される。

そこには上座も下座も無い。所属も階級も関係なくただ実力だけが全てを決める世界。故に『円卓』の通称で呼ばれる。
「交戦規定はただ一つ、“生き残れ”」


超兵器

シリーズ定番の超兵器も多く登場し、ベルカの技術力もあってかその幅は広い

●エクスキャリバー
弾道ミサイル防衛構想の下考案されたもので全高1,000mにも及ぶ超高層レーザー兵器。
6基もの照準施設で的確な攻撃が可能で反射鏡を搭載した人工衛星や航空機を介することで1200kmにもおよぶ射程を確保している。
ベルカ戦争では多くの航空機に損害を与えたがガルム隊によって破壊された。


●XB-0
ベルカ軍で建造されたがクーデター組織に強奪・運用された重巡航管制機。
全幅約500mという巨大さを生かして空中空母や空中管制機、輸送機としての利用も計画されていた。
クーデター組織によって停戦協定が結ばれた都市を爆撃した後、ガルム隊のホームであるヴァレー空軍基地も爆撃し損害を与えたが
被害を免れたガルム隊によって直掩のエスパーダ隊が撃墜された後、XB-0も撃墜された。


●V1
5のプロローグなどで解説されたベルカ国内で使用された核兵器でM12で使用される。
だがのちに手りゅう弾型のレディオアクティブ・デトネイターという兵器があることも判明し使用されたのがどちらかはっきりしていない。
凶鳥フッケバインの異名を取ったヴォルフガング・ブフナー大佐はこの兵器使用を拒否し脱走している。


●V2
初出は5であるが今作でベルカが開発していた核搭載大量報復兵器で戦後クーデター組織によって開発が続けられていたことが判明。
劇中ではアヴァロンダムから発射されADFX-02が管制をしていた、最終的にはADFX-02が撃墜され空中で爆発した。


●ADFX-01/02 モルガン
試験開発した全天候多目的戦闘攻撃機で01はオーシアによって、02はクーデター組織によって完成された。
戦闘機搭載可能なレーザー兵器(TLS)、多用途炸裂弾頭ミサイル(MPBM)、電子妨害ポッド(ECMP)など多彩な装備を搭載可能で
TLSは後に発展型のADF-01ファルケンに、MPBMは改良されシンファクシ級潜水艦のSDBMになっている。
01ではいずれか1つの搭載しかできないが02では全ての搭載が可能なうえTLSは正面にも照射可能、ECMPに至っては電波妨害どころ
ミサイル、機銃ですら逸らせる超兵器となっている。


余談

ズィルバーの解説で触れたReiherはエーリッヒ・クリンスマンというパイロットが搭乗するが戦後の経歴が不明となっている。
だが塗装、機体はまんま黄色中隊のSu-37で年齢も25と若く、ベルカ戦争時にベルカ人以外の傭兵などもベルカ空軍に属していた。
2のリメイクである3Dでエルジアのベテランエースが自国に若いエース候補がいるという発言、更に黄色の13の撃墜数よりも部下を
連れて帰ることを誇りにするという元ネタとされるエーリッヒ・ハルトマンと名前が似ていることから黄色の13の可能性がある。
もちろん公式回答はなく前作の5でも黄色中隊の機体は出ているのであくまで憶測の域をでないものではあるが…


『円卓の鬼神』


ベルカ戦争を駆け抜け


畏怖と敬意の狭間で生きた戦士


『彼』はたった数ヶ月の間だけ


空に存在していた


その後の消息は不明


ついにその人間性までは


迫る事が出来なかった


ただ『彼』の話をするとき


皆少し嬉しそうな顔をしていた


それが答えなのかもしれない








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