SLAM DUNK(スラムダンク)

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SLAM DUNK(スラムダンク) - (2023/11/28 (火) 14:46:40) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/12/30 Fri 17:41:52
更新日:2024/03/07 Thu 06:00:13
所要時間:約 12 分で読めます






バスケに懸ける

男たちがいる…



『SLAM DUNK』は井上雄彦によるバスケット漫画。
週刊少年ジャンプにて1990年~1996年に掲載された。コミックスは全31巻。後に完全版も発売された。

【概要】

当時はまだマスコミなどの扱いも小さかった日本のバスケットボールの発展に貢献した超人気作。
日本においてバスケットを一躍メジャースポーツにした立役者でもあり、連載終了から10年以上を経た現在でもバスケットをやっていて知らない者はいないと言われる程の知名度を誇る。

ジャンプスポーツ漫画お得意のトンデモ必殺技などを殆ど用いず、「綿密かつリアルに描かれたシナリオ」「迫力のある画」「スポーツに限らず競技の経験者なら共感できる心理描写」「練習の楽しさや上達のうれしさ」「友情とは違った形で描かれるチームメイトとの信頼」といった要素がが大ヒットし、
「バスケット漫画はコケる」という編集の評価をはねのけ、日本を代表する名作へとなり、プロ選手にも愛読者が多くいる。
日本どころかその国外でもその人気は高く、特に中国では絶大な影響力を持つ。
本作のヒットでバスケット人口が増えたのだが、日本バスケット協会は「ミーハーが増えただけ」と冷ややかな目で見ていたのに対し、
中国のバスケット協会はスラムダンク人気に便乗して普及を推し進め、同国が日本を抜いてアジア最強の座に就く原動力としたのである。
韓国でもカーリングの選手、金恩貞(女性)のあだ名「メガネ先輩」の由来になるなど、同作の影響は現在も非常に濃く残り続けている。
かつて井上は「スラムダンクに影響を受けてプロになる人が出てくれたら嬉しい」という趣旨のことを言っていたが、日本人のみならず外国にすらそんな人が出てしまうほどの作品となった。

ジャンプ歴代で4作品しか達成していない巻頭カラーでの終了*1、初版部数歴代1位達成*2と、日本を代表する漫画作品としての金字塔も樹立している。
そして最終回で表紙を飾った作品は、現在のところ本作と『こち亀』だけ。あの『ドラゴンボール』でさえ巻頭カラーはもらえたが、表紙には出られなかったのだ*3
そのラストシーンのあっけなさなどもあり、「スポーツ漫画の金字塔」として現在も語られ続ける不朽の傑作。
この作品が影響を与えた漫画家も非常に多く、公言しているだけでも村田雄介、濱田浩輔、川田、野田サトル、小山宙哉など枚挙にいとまがない。

また、現在も連綿と発売されている、大判印刷・カラー再現といったいわゆる「完全版」を週刊少年ジャンプの中で初めて出した作品でもあり、こちらの発行部数は未だにトップである。


外伝やスピンオフといったものが一切ないまま四半世紀もの時間を過ごしてなお非常に人気の高い傑作で、現在でもアニメのオープニングシーンで使われた踏切への聖地巡礼が絶えない。
2022年の映画「THE FIRST SLAM DUNK」は当初こそ声優の交代などをはじめとした要素から「賛否両論」とされたが、久々に来たスラムダンクの公式供給ということも手伝ってファンからの評価はとても高いものだった。
実際に見た人の感想はおおむね高く、「ディスっているように見えてよく見たら1994~5年の劇場版だった*4」という回りくどい持ち上げ方をする人もいるほど。
そしてこの漫画の特異なところは「非オタクの一般人や芸能人にも熱烈なファンが多い」というところで、よほどコアな愛し方をしていない限り「スラムダンクが大好き」程度ではオタクとはみなされない。
こういう作品なので、ぽろっと出てしまったセリフを会社の上司が拾ったりするということも割と起こる。

「まだ慌てるような時間じゃない…」
「その試合は仙道負けてるぞ」


もちろん難点もある。たとえば「トンデモ必殺技がない」ということはキャラの個性化が非常に難しいということでもあり、試合運びがどうしても似通ってしまう。そのため「似た試合が多くてつまらない」と評価する人もいる。
また、連載当時に本誌で追っていた人に多い意見が「試合の進みが遅い」というもの。「いつまでヤマオー続くんだよ」と割とうんざりする人が多かったという*5
後のバスケ作品がスラムダンクと比べられ、特に好きな作品がスラダン信者に不当な評価を受けたせいで「オッサンオバサンが聖域化させてる昔の漫画」と嫌う、なんてこともまったく珍しくない。
この辺は単なる好き嫌いの問題や当時の感想であり、別に嫌いなあなたの感性がおかしいわけではない。実際「合わない人にはまったく合わない」というのは当時から言われていたことである。

ただし、もしこれを読んでいるアニヲタが食わず嫌いだったらぜひ読んでみてほしい。そして現在もなおバスケ漫画の傑作と呼ばれる所以を味わってもらいたい。
三井が仲間になるあたりは作品的にも大きなターニングポイントとなり、そこから一気にバスケ漫画として面白くなってくる。だいたい海南戦あたりから「次の巻が読みたい!」という気分が抑えきれなくなるはず。
そしてこの漫画を読んだ後、他のバスケ漫画も読んでみよう。きっとその作者が、偉大な先駆者との違いを描こうと腐心する跡が見て取れるはずだ。


アニメ版

TVアニメ版は1993年10月16日~1996年3月23日にかけてテレビ朝日系列で放送された。全101話。制作は東映動画(現・東映アニメーション)。基本的な放送時間(スペシャルなどを除く)は土曜日19:00-20:00*6

アニメ放送時には劇場版も4作制作され、東映アニメフェア内で公開。更に2022年には井上雄彦が監督・脚本を務めた新作映画が公開された。
SLAM DUNK 1994年3月12日公開
SLAM DUNK 全国制覇だ!桜木花道 1994年7月9日公開
SLAM DUNK 湘北最大の危機!燃えろ桜木花道 1995年3月4日公開
SLAM DUNK 吠えろバスケットマン魂!!花道と流川の熱き夏 1995年7月15日公開
THE FIRST SLAM DUNK 2022年12月3日公開


【あらすじ】

中学時代、50人の女性に振られた不良・桜木花道。
そんな桜木は高校で赤木晴子に一目惚れ。
晴子に近づくため、誘われるままバスケ部に入部した桜木は徐々にバスケットボールそのものに夢中になっていく…。


物語は

バスケ入部

陵南戦

三井編

神奈川県予選

決勝リーグ

全国大会

と進んでいく。


【登場人物】

※CVはTV版/THE FIRST SLAM DUNKの順。

湘北高校

CV:草尾毅木村昴
赤いリーゼント頭の主人公(のちに坊主頭に)。湘北1年7組。
高校で出会った晴子に一目惚れし、近づくためにバスケ部に入った。
しかし少しずつバスケそのものが楽しくなっていき、持ち前の身体能力と根性で屈指のリバウンダーになる。背番号は10。ポジションはPF。
強い相手にぶつかることでその才能を開花させていく素質の持ち主。試合の中で急成長していく姿は、敵チームの選手はおろか監督、それどころか安西先生すらも戦慄するほど。
一方でそんなに強くない相手をぶつけられると完全に調子が狂ってしまう。作中では最後まで「シロート」であり、しかしそれゆえに底の知れないところを持っていた。

CV:緑川光/神尾晋一郎
湘北1年10組。花道の(恋とバスケの)ライバル。長髪でクールなイケメン枠だが、根っこは非常に熱い負けず嫌いな男。
一年生ながらスーパープレーを連発するスタープレイヤーで晴子をはじめ、女子の憧れの的。しかし、本人はバスケット一筋。背番号は11。ポジションはSF。
マネージャーの彩子は中学時代の先輩であり、今でも彼女には頭が上がらない。
非常な寝坊助であり、授業でも寝てばかりいる。そのためしっかり追試組。顔は賢そうなのに。
ワンマンプレーヤーなのが弱点だと言われつつも、それがどうしたと言わんばかりのスーパープレーでこれを覆していく。

CV:梁田清之三宅健太
湘北3年6組。バスケ部キャプテン。身長197cmの巨体を持つ通称・ゴリ。
誰よりもバスケへの熱意は強いが、その熱意ゆえにチームメイトとの温度差が生じてしまい、実力のあるチームメイトにも恵まれずに苦汁を嘗めていた。
3年生になってようやく人並み外れた上に熱意についてこれるチームメイトを4人も得て、全国制覇へと突き進む。背番号は4。ポジションはC。湘北バスケ部ムチ担当。
老け顔の巨漢でバスケにストイックな姿勢なので意外だが成績は優秀で、それを驚いたバスケ部員に対して木暮が「頭いいんだぞあいつは」と言う一面がある。
その後問題児ぞろいの4人(と柔道部の青田)に追試対策の合宿を開いたりと、キャプテンであると同時に面倒見のいいリーダーとしても活躍する。

CV:塩屋翼/仲村宗悟
湘北2年1組。身長は168cmと低いが、県内屈指のスピードを持つPG。
リーダーシップもあり、山王戦ではチームメイトを叱責する場面があるのだが、一方で挑発に非常に弱く、豊玉戦ではラフプレーとトラッシュトークで冷静さを欠く描写がある。
赤木、小暮の引退後は新キャプテンを任されるも、三井が居続けるせいで煙たがっている。
マネージャーの彩子に惚れており、同じく彩子に惚れた花道と意気投合。背番号は7。

CV:置鮎龍太郎/笠間淳
湘北3年3組。元バスケ部。バスケ部を潰そうとする不良だったが、恩師、安西先生を前に『バスケが…したいです…』と泣き崩れ部に復帰。
ブランクゆえに、スタミナには不安があるが、高い能力を持つ。特に3Pには絶対の自信を持つSG。背番号は14。

  • 木暮公延
CV:田中秀幸/岩崎諒太
湘北3年6組。副キャプテン。通称メガネ君。
中学からの赤木のチームメイトで、全国制覇の夢を信じ続けている。厳しい赤木とは対称的に温和で常識的。
背番号は5。湘北バスケ部アメ担当。学業成績は優秀なようだが、意外にも赤木には及ばない様子。
スターティングファイブが天才的な素質を持つ中で、努力とバスケ愛だけでバスケ部に残り続けたという一般人枠。
実力自体はかなり高いのだが、この漫画は敵も超高校生級ばかりなので……。
彼と赤木が引退してしまった後、バスケ部の実力は大幅に落ちたと思われる。
ちなみに「おい、切符買っとけよ」は彼ではなくリョータのセリフである。

  • 彩子
CV:原えり子/瀬戸麻沙美
苗字不明なバスケ部のマネージャー。湘北2年1組。厚い唇とソバージュヘアが特徴的な姉御肌。
桜木が頭が上がらない数少ない人物であり、彼をハリセンでしばきながら基礎トレを叩きこむ。
リョータに惚れられており、普段は彼のアプローチをすげなくあしらっているが、内心は憎からず思っている様子。
流川とは富ケ丘中の先輩後輩の間柄。学業成績は優秀であり、湘北バスケ部優等生軍団の一員。
名字は最後まで判明しなかった。

CV:平松晶子/坂本真綾
ゴリの妹で花道の想い人の湘北1年生。しかし、本人は流川に惚れている。
不良の花道たちにも分け隔てなく接する優しい性格。松井と藤井という友人がいる。

  • 水戸、野間、大楠、高宮
CV:森川智之/小林親弘(水戸)・幹本雄之/松田健一郎(野間)・林延年(現:神奈延年)/福西勝也(大楠)・塩屋浩三/こばたけまさふみ(高宮)
花道の不良仲間(通称・桜木軍団)。花道の応援(兼からかい)のため湘北の試合に駆けつける。

CV:西村知道/宝亀克寿
湘北バスケ部監督で、非常に穏やかな人物。
桜木が「オヤジ」と呼んでふくよかな二重顎をタプタプしても気にしないが、かつては非常にスパルタンで「白髪鬼(ホワイトヘアーデビル)」と恐れられていた。
そんな彼の信条は「あきらめたらそこで試合終了」。木暮と三井は彼をしたい湘北に入学しており、荒れていた三井を救ったのも彼の存在であった。
現在の白髪仏(ホワイトヘアーブッダ)の人柄を作り上げた背景には、ある苦い過去が関係しており…。

  • 青田龍彦
CV:梅津秀行
湘北3年5組。柔道部主将。
赤木の親友にしてライバルであり、小学校の頃に晴子に一目惚れした男でもある。晴子からは「たっちゃん」と呼ばれている。
事あるたびに赤木と全国制覇を競い合う中、桜木を「百年に一度の逸材」と見込み柔道部に引き入れようと目論む。
小学校時代から中学の卒業式までの晴子の写真を宝物として持ち歩いており、桜木を柔道部に入部させるために利用したことも。


その他の高校

CV:大塚芳忠
県内ベスト4の強豪・陵南高校の2年生でエース。
マイペース(というか時間にルーズ)だが、コート上では県内屈指の実力とリーダーシップを発揮する天才。

  • 魚住純
CV:岸野幸正
陵南3年生でキャプテン。身長202cmの巨体を持ち『ビッグ・ジュン』の異名を持つ。赤木にとってライバルともいえるプレイヤー。実家は板前。
優れた巨体を持つが赤木にやり込められてきた過去の持ち主であり、それゆえに赤木の苦戦をもどかしい思いで観戦する。
赤木にも増してものすごい老け顔と巨体であり、山王戦では河田に「赤木の父親か…」と間違えられるシーンがある。

CV:緑川光
ディフェンスに定評がある。通称・3年の池上。

  • 福田吉兆
CV:石川英郎
陵南2年生。キレて監督に手をあげてしまったため部活禁止となってしまったが、県大会の決勝リーグから復帰。ディフェンスはザルだが、オフェンスは天才的。

  • 相田彦一
CV:小野坂昌也
陵南1年生。偵察や試合観戦によるデータ収集が得意。バスケット雑誌の記者をする姉の弥生(CV:永島由子)がいる。
口癖は「要チェックや!」「アンビリーバブルや!」。

CV:江川央生
神奈川16連覇中の王者、海南大付属のキャプテン。神奈川No.1のプレイヤー。
赤木を上回るパワー、宮城を上回るスピード、仙道のディフェンスを突破するドリブル、土壇場のリーダーシップをあわせ持つ冷静な選手だが、老け顔は気にしてる。

CV:林延年(現・神奈延年)
海南2年生。神奈川県の一試合最多平均得点を持つ3Pシューター。
もともとはセンターだったが監督に線の細さを指摘され、SGにコンバートした。3Pラインのさらに遠距離からでもシュートを決めるほどの正確さを誇る。

  • 清田信長
CV:森川智之
海南1年生。流川をライバル視するルーキー。
花道並みに試合中の態度は悪いが178cmの身長でダンクを決めるなど実力は本物。

  • 藤真健司
CV:辻谷耕史
県内2位の強豪、翔陽の3年で、監督兼キャプテン。
牧に匹敵する実力を秘めたPGだが、監督として指示を出す必要があるため試合開始からコートに立てないでいる。
シュートのタイミングにクセがあり、ジャンプシュートというよりジャンピングシュートに近い打ち方をする。

  • 花形透
CV:風間信彦
翔陽3年のエースセンター。身長197㎝のメガネ。
藤間不在のコートを仕切るスタープレイヤー。長身にもかかわらずフェイダウェイなどのトリッキーな技も使いこなす。

  • 南烈
大阪の古豪、豊玉のエース。
相手チームのエースにファウルに見せかけヒジを当てる『エースキラー』。実家は薬屋。

  • 岸本実里
CV:田中一成
豊玉3年生。南とともにチームの中核をなすPFだが、敵チームに暴言を吐いたり挑発的なパフォーマンスをするなど作中一のDQN。

  • 深津一成
CV:奈良徹(THE FIRST SLAM DUNK)
高校最強、山王工業のキャプテン。ポジションはPG。語尾に『べし』や『ピョン』をつける。

CV:かぬか光明(THE FIRST SLAM DUNK)
山王3年生で日本の頂点に立つC。赤木を遥かに上回るCをこなすだけでなくPFやSFもこなせる。桜木からのあだ名は「丸ゴリ」。

CV:武内駿輔(THE FIRST SLAM DUNK)
山王2年生でエース。南曰く、日本でNo.1のプレイヤー。流川さえかなわない最強の敵だが精神的なムラがある。北沢ではない。

  • 野辺将広
CV:鶴岡聡(THE FIRST SLAM DUNK)
山王3年生。リバウンドの天才。

  • 一之倉聡
CV:岩城泰司(THE FIRST SLAM DUNK)
山王3年生。ディフェンスの天才。

  • 松本稔
CV:長谷川芳明(THE FIRST SLAM DUNK)
山王3年生。沢北に次ぐエース。

  • 河田美紀男
CV:かぬか光明(THE FIRST SLAM DUNK)
山王1年生。雅史の弟。気弱な初心者だが、210cm、130kgの巨体ゆえに止めるのは困難。






頑張ってwiki篭り君
この追記をやり遂げたら
待ってるから―――
待ってるから―――
大好きなランキングが待ってるから

「アニヲタですから」

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