Z(マジンサーガ)

「Z(マジンサーガ)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

Z(マジンサーガ) - (2020/07/23 (木) 00:57:09) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/12/11(土) 02:31:58
更新日:2023/03/17 Fri 22:32:45
所要時間:約 6 分で読めます




■Z

“Z”或いはマジンガーZは永井豪の漫画作品『マジンサーガ』に登場して来る存在

主人公、兜甲児神の鎧“マジンガーZ”を身に纏い、一体化する事で誕生する全能の者である。

元祖スーパーロボットと呼ばれた「マジンガーZ」をリメイクしたキャラクターだが、バラ色の科学万能時代を夢見られていた時代に生まれた超科学の怪物=スーパーロボットに対して、科学の限界(=環境破壊等による終焉)を意識した時代に生まれた精神世界へのアプローチから生まれた疑似的な神として描かれている。

基本的なモチーフは上記の様にマジンガーZだが、キャラクター的には同じく精神世界や神界をテーマにした『デビルマン』や『凄ノ王』『バイオレンスジャック』のアイディアも取り入れられており、そうした精神世界や神話世界をにまで入り込んだ永井作品の中でもパワーバランスの頂点に立ち得る存在の一つと言える。


【出自】

主人公、兜甲児の父である兜教授(本作では名前は設定されていない)が、物質文明の限界を見据え、且つ精神世界へのアプローチを図る中で発見した超精神物質Zにより作り上げた“神の鎧”である。

息子である甲児が滅び行く世界の中でも永遠に生きられる事を願って遺された“恐怖の遺産”であり、これは原作版『マジンガーZ』や『デビルマン』と共通するモチーフとなっている。

人が被るには余りにも巨大な頭部のみの彫像…と云った外見をしているが、装着者の意思に反応し、チャクラが目覚める事で展開され、装着者の身体を覆い無限の力を与える“神の鎧”となる。

超精神“物質Z”は、物質と精神世界の間に位置する存在と説明されており、世界は人の意思によってのみ観測され姿を変えると云う哲学的な概念を具現化した様な設定にあり、人が知り得る最後の物質となるであろう事から“Z”と名付けられた。

尚、兜教授はこの“神の鎧”を作り上げる道程で肉体が「物質Z」に同化…この世から徐々に消滅して行くと云う奇怪な最期を迎えるも、意思は“Z”に残り、消えた後にも霊界から呼び掛け、息子である甲児を助けた。


【能力】

人体の七つのチャクラを開き、そこから発現する気=イマジネーションの力を無限に増幅する力を持つ。

自身を中心に、あらゆる物質を意のままにコントロール可能であり、同時に自身をも無限に変化させる事が可能という、文字通り「神にも悪魔にもなれる力(迫真)」を持っている。

ただし、その力の限界や方向性(ベクトル)は装着者である甲児の意識下に置かれる為、初装着時には甲児の過去のトラウマに起因する破壊衝動から暴走し結果的に世界を滅ぼした他、火星での戦いに於ては人間である事の常識から抜け出せずに血を流す…等のマイナス面に作用する危険性もある。

尚、連載中…及び既刊中で、戦いの中でもコントロールを学び既に巨大化や天変地異を自在に操るといった神の如き力を発現しているが、これでも進化中であり、
作者によれば神の軍団”や“悪魔の鎧との出会いにより、更なる進化を遂げる……筈であったが余りにも精神的な負担が大きい事から永井がダウンしてしまい、現在は続刊休止中…ファンは展開を期待しつつも物語は途中で止まったままになってしまっている。
その後の、新装復刻版にて幾つかの補完は為されたものの、それによって、更に読者の欲求が強くなった面は否めない。


【武装】

本来的な意味での武装は腰の刀のみなのだが、その刀自体も“物質Z”の変型なので、前述のように無限のイマジネーションによって自在に変化する自身と、自身を中心とする世界その物がZの能力なのだとも言える。

一応、マジンガーZの代名詞的武装であるロケットパンチやブレストファイヤー、ルストハリケーン等も登場しているが技名は叫ばず、あくまでも超能力の発現の一つとして描写されている。

その為か自在に質量を操る等、進化を遂げた後半ではそれらを使用する事も無くなっており、どちらかと言えばファンサービス的な意味合いでの描写だったのだと思われる。

また、最初に装着した存在=甲児とは一心同体であり、その能力は時として甲児と離れている時でも彼の身体を通じて発現する様である。
劇中では「青龍基地」での剣鉄也の仕掛けた合田との試合中に発現しており、甲児に予知能力の他、バリアーの様な障壁を発現させた。


【デザイン】

マジンガーZの意匠をベースに、より鋭角的で生物的にアレンジされた“鎧”となっている。
能力の象徴である七つのチャクラがアクセント。

尚、この鋭角的なマジンガーのデザインは後に『USA版マジンガー』や『マジンカイザー』へと引き継がれる事になった。
これらは『マジンサーガ』での“Z”のイメージを元のマジンガーの姿にアレンジしたイメージであり、頭部のデザインはほぼ、踏襲していると言っても良い程である。
スーパーロボット大戦Xのマジンカイザーは、おチャクラ全開の姿を披露していたのでますますマジンサーガっぽかった

【関連した存在】

精神世界をテーマにした『マジンサーガ』の劇中には、他にも生命とテクノロジーが融合した存在が登場する。

■アフロダイA

火星のメガロポリス「FUJI市(シティ)」の指導者で、火星移民の重鎮である弓博士の開発したヒューマノイド・マシーン。エヴァの元ネタの一つなそうな。
ヒロイン、弓さやかと一体化し、彼女の能力を数万倍にも高めるらしいが、オリジナルにも増したやられ役。
翼の生えた少女と云う天使を思わせる姿をしている。
後に戦闘用に改造されるが、完全に機械と融合している生体機械獣には及ばない。
マジンガーZERO』で設定が拾われ、青少年の股間を熱くした。


■生体機械獣

バイオ・マシン・ビーストとルビが振られる、人類が火星で遭遇した恐るべき敵。
通称はそのままビースト。
初期にはメタルビーストとも呼ばれていた。*1
Dr.地獄(ヘル)率いる火星先住民の主力となる存在であり、遥か未来の地球人類(火星移民)の科学力ですら及ばない程の能力を誇る機械の魔物である。
地球移民のDNAをクローン化して作り出した生体サイボーグと巨大な機械獣を融合させて先史火星先住民の魂の器とした存在で、脅威的なまでの戦闘能力と再生能力を誇る。
ダイナミック的なフリークさを遊び抜きで洗練した様な姿をしている。
戦士としての誇りを持った者から闘争本能だけのバカ、女としての美しさを失った事で世界を憎む者等、描写は様々。

グレンダイザー

名称は作者のインタビューからで、作中ではZのピンチを救った謎の存在で“顔のついた(微笑みを浮かべる)UFO”として紹介されている。
搭乗者(と思われる)のデュークフリードが背に翼の生えた天使の様な姿をしている等、伏線が張られているが大好評未完中…。
グレートはって?…存在すらありません*2

デビルマン/デビルマジンガー

作者が巻末コメントにて存在を明かしている、甲児とマジンガーZこ前に立ち塞がる最大のライバル
Dr.地獄が“物質Z”を解析し“神の鎧”に対抗するべく誕生させた“悪魔の鎧”で、装着者はDr.地獄の息子である不動明…と、永井作品ファンは勿論、にわかですら震える 設定にある。
デビルマンをモチーフとしたそのデザインは既に決定していたとの事だが…てゆーか続き描けよ!!

 永井豪はマジンガーとはデーモンであり、デビルマンである、と語った事がある。

 人間の感覚は脆弱な肉体だからこそ今の形に発展したものであり、デーモンの様に強靭なマジンガーが意志を持つなら本来人間とは相容れない。

 また、人間が人間以上の体を手にした時、その人間はデーモンに呑み込まれる可能性がある。


 だからこそ、マジンガーとは、デーモン(巨大な力)に呑み込まれずに、人間の心を保ったまま闘う=デビルマンの話なのである…と。

 ここら辺の話が、この作品の核心に近いのかもしれない。未完なんでなんとも言えないけどね


〝甲児、このままでは自ら項目を破壊(全消し)してしまうぞ!!〟



「うわぁぁぁぁぁ!父さん!オレ全消しなんかしたくない!!追記、修正がしたいんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/