Magic the Gathering

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Magic the Gathering - (2020/08/26 (水) 18:46:02) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/07/20 (月) 07:04:06
更新日:2024/04/28 Sun 00:23:39
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1993年8月に発売されたトレーディングカードゲーム。正式表記は「Magic: the Gathering(日本語ではマジック:ザ・ギャザリング)」。

地域によって「 MtG 」「 MTG 」「マジック」「ギャザ」等複数の略称・略記がある。当記事では以降、カードゲームとしては「MtG」と略記する。


【概要】

「トレーディングカードゲームの元祖」「世界最初のトレーディングカードゲーム」ともいわれ、従来のコレクション目的のトレーディングカードにトランプやウノの様なゲーム性を組み込んだ、世界初にして現役最古のカードゲームと言われている。

その人気はすさまじく、初期発売版のアルファ、その改訂版のベータがそれぞれ一千万枚ずつ半年かけて売る予定だったところ、わずか六週間で完売するほどであった。

その高い戦略性は、今も後発TCGの追随を許さないと評される程。
また、背景設定となる小説や美しいイラストも魅力となっている。

現在日本国内においては、ライバルとなるTCGの増加、一時期あったブームの終焉や新規参入による多局化、本ゲームのハードルが高そう(エターナルと呼ばれる使用可能カード範囲のフォーマット各種、特にヴィンテージのハードルは金額と、現物が手に入らない的な意味でかなり高い)という先入観に加え、日本人向けではないイラストが多い事や、採用タイトルの少ないスタン落ちへの不理解からマニアックなTCGという印象が強くなっている。
実際には接死+トランプル絡みや、スタック、立ち消え絡みで複雑な部分こそあるが、規則性の高さから覚えやすく、慣れれば結構シンプル。
あとライフとライブラリーの残り枚数は飾りという辺りは覚えておけば、後はちょっと経験者に話を聞けば出来たりする。
これはルールが整備されまくっているのと、金額的問題からプレイヤー層が大人に偏っているので、相手か隣の人に聞けば回答してくれるというのも大きく、
なにしろ「正式発売前に触ったことの無いカードセットで大会が開かれる(みんなでこれの効果どうなのよとgdgdになりながらプレーする)」というのもあり、実は初心者にも参入しやすいTCGだったりもする。
やっぱり金額的な面では問題になるが(上記のプレリリースでは通常2500円取られるし、デッキを持っていなくてもプレーできる大会は参加費1000円が基本)。


【カードセットとローテーション】

MtGではアイスエイジ以降、連続する3つ(戦乱のゼンディカー・ブロック以降は2つ)のカードセットを「ブロック」と称し、ブロックが変わるごとに、物語の舞台となる次元を変えていた。
物語のストーリー(他のTCGだとアニメとかで展開してる部分)もこのブロックごとに主役や敵役を変え、順次小説として発売されていた。
ただしこれらは英語版のみ。とはいえ一部のストーリーは公式サイトや、公式訳を行なっている人のサイト、カードショップのコラム等で私訳されているため、断片的には読み取れるのが不幸中の幸いか。
2セット1ブロックの時代は9月と1月に前編、4月と7月に後編が発売され、そして9月の新ブロック発売に伴い、スタンダードの使用可能カードが切り替わるローテーションが行われた。かつての一時期は4月にもローテーションを行っていたが、あまりの回転の早さから環境が過度に不安定化して批判が続出したため、そちらは間もなく廃止された。
古参勢にとってはお馴染みだった「基本セット」は、1ブロック2セット構成になった影響で「マジック・オリジン(基本セット2016相当)」を最後に廃止となった。
これには今まで基本セットが担当していた初心者向け部分が、基本無料ゲームの「マジック・デュエルズ」に移行したというのもあった。

が、基本セットが無くなった事で「スタンダードに必要なカードなのに背景世界に合わず再録できない」といった問題が発生。
更に背景ストーリーでのゲートウォッチ*1の出しすぎ、スタンダード環境のバランスの歪みすぎといった状態に批判が相次いだため更なる制度変革を敢行。
結果、基本セット2019での基本セットの復活を以てドミナリア、実質的にはイクサラン・ブロックを最後にブロック制は廃止。大型セットのみの販売へ切り替え、基本セット2021期現在もこの体制は続いている。

また、これらとは別に不定期で特殊カードセットが販売されることがある。
代表的な特殊セットは以下の通り。
  • マスターズ
人気の高い過去カードを集めた再録セット。1パック1000円~1500円。
神ジェイスやヴェリアナ、タルモゴイフ、魂の洞窟などのトップレアも収録されているが、解放の樹なんかが出たりすると目も当てられないなんてことも……。
アルティメットマスターズをもってひと段落となった模様。
  • コンスピラシー
ルネッサンス期のイタリアをモチーフとした次元・フィオーラを舞台とした多人数戦用パック。
大きな特徴はゲーム開始時から効果を発揮する「策略カード」の存在。さらには多人数戦で大きな効果をもたらすカードも収録されており、裏切るか利用するかの駆け引きを楽しむことが出来る。
  • モダンホライゾン
モダンにスタンダードを経由しない新カードを供給する目的で開発されたセット。セラやウルザ、スリヴァーなど古参ファンおなじみのキャラクターがカード化されている。
完全新規カードの他、「嘘か真か」など再録でモダン入りするカードも収録されている。その割にはモダン禁止が出ている。
  • ミステリーブースター
収録枚数1815枚のセット。
会場限定版と一般流通版の2バージョンあり、会場限定版ではパックの最後の枠にプレイテストカードが、一般流通版ではフォイルカードがそれぞれ1枚封入されている。どちらも全部で121種類あるが、プレイテストカードに関してはほぼ銀枠そのもの。
元ネタはデュエルマスターズのブラックボックスパック。
  • 銀枠セット
公式大会では使えない銀枠のカードが収録されたセット。パックには大体Unから始まる名前(Unsanctionedなど)が付いてる。
何故公式大会では使えないかというと……「カードパックを買って中のカードを使う」「ピンク色のマナ」「カードをビリビリに破る」「指をトークンにする」などハチャメチャな効果の所謂ジョークカードが詰め込まれたセットだからである。
とはいえ、メカニズムの一部が黒枠に導入されたりと実は黒枠新規メカニズムの導入試験という側面もある。

【現在のスタンダード】

スタンダードは、現年度(アメリカ企業発とあって年度初めは10月から)とその前年度のエキスパンション及び基本セットに収録されたカードのみが使用できるフォーマットであり、初心者が参入しやすく、大会も多く開催されている。パック数で言えば最新5~8セットが使用可能
セットの発売時期は1、4、7、10月(4末だったり5初だったりのような多少の前後が有るが)の年4回、うち7月は基本セットと決まっている、そして10月のセット発売とともに前々年度発売の4セットが使用不能になり(所謂スタン落ち 詳しくは後述)、スタンダード環境は最新5セットにリセットされる。
この事をローテーションと呼んでおり、他のTCGではデジタルを含めても有名どころはポケカシャドバ程度で、ほとんど採用されていないシステムである*2
そして1月、4月、7月とセットが発売されると使用可能セットが6、7、8と増えていき、10月でまたローテーション・リセットされる。

以下に実例としてここ最近のローテーションを示す。

  • 2019年度使用可能セット
イクサラン(前編)
イクサランの相克(後編)
ドミナリア(前編 ただし後編のSalad(仮コードネーム)は基本セット2019との置き換わりで開発中止)
基本セット2019
ラヴニカのギルド
ラヴニカの献身
灯争大戦
基本セット2020
  • 2019年10月ローテーション
イクサラン(前編)←ローテーション落ち
イクサランの相克(後編)←ローテーション落ち
ドミナリア←ローテーション落ち
基本セット2019←ローテーション落ち
ラヴニカのギルド
ラヴニカの献身
灯争大戦
基本セット2020
エルドレインの王権←NEW!!
  • 2020年度使用可能セット
ラヴニカのギルド
ラヴニカの献身
灯争大戦
基本セット2020
エルドレインの王権
テ―ロス還魂記
イコリア:巨獣の棲処
基本セット2021
  • 2020年10月ローテーション(予定)
ラヴニカのギルド←ローテーション落ち
ラヴニカの献身←ローテーション落ち
灯争大戦←ローテーション落ち
基本セット2020←ローテーション落ち
エルドレインの王権
テ―ロス還魂記
イコリア:巨獣の棲処
基本セット2021
ゼンディカーの夜明け←NEW!!



古いカードがスタンダードに含まれなくなり、公式大会で事実上使用できなくなることを「スタン落ち」(もしくは単に「落ちる」)と言う。
スタン落ちの無いTCGと比較され批判される事もあるが、それらのTCGも公式大会の場ではメタゲームの変遷に従い3年も4年もパーツが全く同じデッキを使うということは殆ど無いので、実は大して変わらない。
またこれによりインフレがある程度抑えられるため、環境の安定性が保たれている面もある。
そしてWotC社にとっては新しいカードを買わざるをえない状況を作り出す事により懐に優しい。
とはいえ、初心者が敷居を高く感じる一面になっている事も否めないが……。

ちなみに使用可能カードに関しては「どの基本セット・エキスパンションに収録された物であれ、名前が一致しているのなら、各フォーマットで使用が許されているのなら使用可能」となっており、態々全カードをローテーションと共に更新する必要はない。
例えば2020年度スタンダード使用可能セットである「イコリア:巨獣の棲処」に収録されている《平和な心/Pacifism》だが、旧枠*3となる「ミラージュ」収録のでも、新枠*4収録となる「基本セット2010」収録のでも、M15枠*5である「基本セット2020」収録のでも、もちろん「イコリア:巨獣の棲処」収録のでも使用可能。
昔から持っているから、とスタンダードでも旧枠カードを使用していたり、逆にとにかく最新版のカードで揃える等の自己表現も楽しめる。
特に基本土地はイラストの種類も多く、レア基本土地(グルランドやAPACランド、ゼンディカー等に収録されたフルアート基本土地)辺りを使う人も多い。
もちろんスタンダード以外のフォーマットでもこのルールは遵守されているので、「全て旧枠だが、モダンのデッキ」「全て新orM15枠のレガシーデッキ」なんてのも組める。


【スタンダードの先】

スタンダード環境では先述したようにローテーションがある為、MtGに入るきっかけになったようなお気に入りカードがスタン落ちするというのはよくあることである。
そういったカードを使いたい人向けに、ローテーションの無い別フォーマットが存在する。
以下に代表的なものを挙げる。

公式サポート中フォーマット


  • パイオニア
ラヴニカへの回帰以降のスタンダードで使えたカードが使用可能。下記のフロンティアより約2年分、使える範囲が広い。
「スタンダードとエターナル類の中間であったモダンが、セットの増加に伴って使用可能セットがエターナル類に寄っていき、その役割を担いきれなくなってきた」という状況を受け、モダンとスタンダードの中間として公式に制定されたフォーマット。
新しいフォーマットなため未だ調整の段階にあり、禁止カードは2019年内は毎週更新されていた。
2020年からは本格始動、2月のプレイヤーズツアー(旧プロツアー)やグランプリからは公式大会でも使用されている。

  • モダン
第8版/ミラディンで枠が変わった後にスタンダードで使えたカード&モダンホライゾンのカードが使用可能。
禁止カードの選定基準は安定3ターンキルが出来るか否か。
べらぼうに高いカードは少ないのでエターナル類よりは参入しやすい。
それでも再販が少ない上に4積みされやすいカードは1枚1万とか行くけど。

  • レガシー
一部の禁止カードと使用不可カード以外、MtGのカードとして印刷された全てのカードが使用可能。
イメージとしては遊戯王の大会ルールに近い。
禁止カードの選定基準は安定2ターンキルが出来るか否か。
この辺になってくると再録禁止カード*6が多用される関係でデッキが札束化し、デッキを盗まれただけで社会問題になる恐れも。

  • ヴィンテージ
1デッキ1枚の制限カードはあっても、カードパワーを理由にした禁止カードが《夢の巣のルールス》しか存在せず、MtGであることを放棄しているようなヘンテコカードと使用不可カード以外のほぼ全てが使用可能な魔境。エターナル類で最も使用可能カードが多い。
デッキが同じ厚さの1万円札より高いというのはもはや常識であり、大会に当然の如く警備員が配置される程。
具体的に言うと安物のデッキですら「60枚中必須枠9枚(所謂パワー9)だけで約100万。+残り51枚も1枚3万程度の取引」=デッキ一つで小型車が買えるレベル。
デッキ一つで時価数千万円・顔見知りによるデッキ強盗殺人 が発生…など信じがたい事例もある。
ここまで来るとプレイヤーも壊れていて「一度組んだらレガシーより長く使えるから逆に安い」「たとえP9買っても売ったらそれ以上の値段で帰ってくるから資産として計上できる」なんて会話も。もはや億万長者が資産目当てで購入する芸術品である。
流石にTier1のデッキを複数所持するのは難しいので「Aさんはエルドラ、Bさんはオース、Cさんはサルベイジャー」と、名前だけでデッキがバレるという。

レガシーとヴィンテージは「エターナル」という分類になっている。
2011年以前はスタンダード&エクステンデッド((スタンダードより2年分使えるカードが多い拡張スタンダード。))とレガシー&ヴィンテージで強さの指標となる「レーティング」が別部門集計だった名残。


禁止されていない、コモンで収録されたことのあるカード全てが使用可能。
たかがコモンと侮るなかれ、MtGの長い歴史上、コモンでも異常なカードはかなり存在し、実際にそのゲーム速度はレガシーに匹敵する。
安上りで熱い勝負ができるだけあって、初心者にも敷居が低く、変わった勝負がしたい通な上級者にも。他じゃ全然目立ってないあんなカードが、意外な活躍をすることもしばしば。で、ごく一部はコモンの癖に高騰した。

多人数戦として最もメジャーで、公式でもよくフィーチャーされる、いわゆるMTG版バトルロイヤル。日本国外では欧米圏を中心に通常構築を差し置いて人気。
公式なのか非公式なのか線引が難しいが、一応「ガチ大会では扱わないが公認大会としては開催可能*7」というカジュアル変種フォーマットの扱い。
ルールは非常に独特なので、該当項目参照。禁止カードもレガシーに近いが、EDH特有のリストを使っている。
1vs1で行う「デュエルコマンダー」、3マナ以下のカードのみで組む&メインデッキ50枚の「タイニー・リーダーズ」、スタンダードのカードのみを使える「ブロール」等、更なる変種ルールも豊富。

  • 双頭巨人戦
2vs2のチーム戦。
2人で手札やクリーチャーは共有しないがライフは共有、故に頭は2つ、体は1つ=双頭巨人。カードの対象を自分でも相手でもなく相方にしてフォローなんてのも可能。
デッキも「1種のカードはチームのどちらか片方しか使えない」ため、いかに色を被らせる事なく役割を分担出来るかがキーポイント。

  • 3人チーム戦
こちらはAはA、BはB、CはCと1v1を3人で分担して2勝した方がチームとして勝ちというタイプ。国別対抗戦のワールドマジックカップで毎年使われている。
3人が同一フォーマットのパターンと、スタンダード+モダン+レガシーの2パターンが有る。
3人が同一フォーマットの場合、1つのカードは1つのデッキにしか入れられないというルールのため、チームスタンダードやチームモダンではどのデッキにどれを入れるのかが非常に悩ましい。スタンダードではデッキの選択肢自体が少なく、またその選択肢内で同じカードが使われている事が多いため。モダンでは多色デッキが多いのでフェッチランドの配分が重要に。

  • モミール・ベーシック
「Momir Vig, Simic Visionary Avatar」を用いて行う特殊なフォーマット。
「Momir」は1ターンに一度、任意のマナと手札一枚をコストに支払ったマナと同等のマナ・コスト*8を持つランダムなクリーチャーのトークンを生み出すことが出来る。
デッキに入れられるのは基本土地のみで、「Momir」の能力を起動することで生み出されるクリーチャー達を使って相手を倒す……という、一見するとかなり地味なフォーマットに思えるかもしれない。
しかしMomirによって生み出されるクリーチャーは古今東西、これまでのMTGで生まれたあらゆるクリーチャーからランダムに選ばれるため、
ヤバすぎるデメリットを持つクソクリーチャーを引き当てて悶絶することもあれば、逆に普通なら見向きもされないクソクリーチャーが大化けしたりと、このフォーマットにしかない中毒性を秘めている。
特に「7マナで起動して触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchable(MtG)を引き当て即死*9」というのはあるある過ぎるネタ。
あと「一生1/2から成長しないタルモゴイフ」なんてのも*10
なお、その性質上デジタルゲームでしか(完璧には)プレイできないものの、ストレージからクリーチャーをかき集めてコスト毎に分別すればリアルでも出来なくはない。


限定戦(TCG)部門(両者公式フォーマット)。

  • シールド
基本は6パックをその場で剥いて40枚以上のデッキを作る。
基本土地に関しては何枚でも貸してくれる。
最も運要素が強く、通常6枚のレア枠から何枚「出たら勝ち」と言えてかつ使える色のカードを引くかの勝負と言っても過言ではない。
レア枠から《機知の戦い/Battle of Wits》とか《無限への突入/Enter the Infinity》とか、Foil枠*11から基本土地が出たら泣くしか無い。筆者はどれも喰らったことがある。
変形版としては全員同じカードプールで構築するデュプリケイテッド・シールドや、12パック剥いて40枚以上で構築するスーパー・シールド等がある。

  • ブースター・ドラフト
カードを隣の人に渡しながら3パック45枚ピックし、そこから40枚以上でデッキを作る。
自分が取らなかったカード、人から回ってきたカード内容から他の人のカードカラーを予測できるため、戦う前から戦略が渦巻くプロ曰く「一番MtG力が必要」とされるフォーマット。
シールドより多いパック数*12から自分が必要としやすいカードを選べるため、シールドよりデッキは強くなりがち。
基本的には卓内で協調して「みんな強いデッキ」を作ろうとするのだが、どこで裏切って人にカードを使わせないかという点まで勝負内容。
ちなみに大会出禁世界王者渡辺裕也は「45枚全カードのピック順とピック方針、何枚目で何と何の2択で迷ったか」をすべて記憶しているとか。
変形版は本来やらない組み合わせでブースター・ドラフトするカオス・ドラフトが、殆どのグランプリのサブイベントとして定着。
また非公式フォーマットながら世界選手権でも使われた「一定のカードプールから15枚を引き抜き、それをパックの代わりとして使う」キューブ・ドラフトがメジャー。
特にキューブ・ドラフトはMOにて、年末恒例「パワー9と十手と神が飛び交う」お祭りイベントであるホリデー・キューブが開催される。

非公式フォーマット

  • カジュアル
お互いの承諾の元でなら何でも使用可能。
ローテーションに一切影響されないが故に初心者がMtGに入るならスタンダードよりもこちらの方が良いと主張する人も多い。
当然の事ながら公式フォーマットではない。
行き過ぎると1キル確定という状況になるので、どのくらいかでまた揉めやすいが。
基本カジュアルと言うと禁止カードはヴィンテージ準拠でやるが、これまで取り払った物はTYPE0と呼ばれる*13
コンスピラシーの策略カードまで組み込んだTYPE0のデッキは、最終的に先攻取る=その人の勝ちレベルとなっている。

非公式フォーマットの中では(カジュアルを除けば)最もメジャー。
簡単に言えば「ぼくのかんがえたさいきょうスタンダード」の範囲でデッキを組んで対戦する。
昔のスタンダードで輝いたカードを活躍させやすいというのが人気。
地味に公式でも似たルールが採用された事がある。

  • フロンティア
MtG界隈の大手2ショップ「晴れる屋」と「BIG MAGIC」が共同提案した非公式フォーマット。パイオニア制定まで、その立ち位置にあった。
モダンに倣い、カード枠が再び変更された基本セット2015以降のエキスパンションが使用可能。
2017年現在禁止カード、制限カードが存在しないため、金玉《宝船の巡航/Treasure Cruise》と《時を越えた探索/Dig Through Time》とイニ影の墓地落としが併用出来る事も含め、結構えげつないデッキも使用可能。
《血染めの月/Blood Moon》が無い上に友好色フェッチランドが使える事もあり、3~4色デッキが遠慮なく使えるのも魅力。
似たレギュレーションのパイオニアが制定されたため、2019年10月で大会開催が終了した模様。

  • オールドスクール
リミテッドエディションα、β、アラビアンナイト、アンティキティ、レジェンド、ザ・ダークの英語版のみ使用可能、他言語や再録版使用不可という鬼畜縛りフォーマット。
これではあんまりにも鬼畜すぎるのでアンリミテッドとフォールン・エンパイアが使用可能セットに加えられたり、他言語版やコレクターズ・エディションくらいまでなら使える場合がほとんど。
現在は「再販でも良いけど絵は最古のセットの絵で旧枠になってるやつ(例外2枚あり)」なら使用可能というルール(CFBルール)が主流の模様。
もちろん非公式。
禁止・制限カードは主催者にもよるが黎明期のヴィンテージのそれに近い。アンティ関連のカードや《Chaos Orb》などのMtGである事を放棄しているカードが使えてしまうことも。
CFBルールならギリギリ手を出せなくはない程度だが、初期ルールはプレイする以前の問題にカードを揃えられないという完全な神々の遊びである。
なおゲーム自体は意外にもスローペースで進む。コンボパーツがほとんどなく、クリーチャーの質もそこまで高くないことが主因。

  • 旧枠モダン
旧枠時代が初出のモダンリーガルのカードが使用できる非公式フォーマット。ぱっと見レガシーかヴィンテージなのに実はモダンという不思議な感覚が味わえる。
何気ないコモンが再録されてモダンリーガルになるだけで激震が走るなど意外と奥深い?のかもしれない。
日本発祥であり、通常のモダンよりも安く参入できることもあってカルト的な人気を集めつつある。
モダンホライゾンで最も影響を受けるであろうフォーマット。

  • Penny Dreadful
Magic Online限定フォーマット。
Magic Onlineにおいて0.01tix(≒1円)で手に入るカードのみが使える。
カードプールが目まぐるしく移り変わる*14ため、デッキを組むには専用のサイトを見る必要がある。
カードプールに入ってさえいれば《宝船の巡航/Treasure Cruise》とか《ネクロポーテンス/Necropotence》といったぶっ壊れでカードも使えること、更に圧倒的な安さの為にわかに人気になっている。




【基本ルール】


  • 1.デッキ
メイン60枚以上、サイドボード最大15枚を、基本土地以外は最大4枚まで入れて構築する。最初期は4枚制限が無く、下限も40枚であった。
上限が無いからと240枚とかいうデッキで大型大会に出た人も。


  • 2.勝敗条件
初期ライフ20点でゲームが始まり、ライフが0になることでゲームに敗北する。
また、ライブラリー(山札)が0枚になり、そこからカードを引こうとした場合もライブラリーアウトとしてゲームに敗北する。

  • 3.ゲームの始まり
初期手札は7枚。先行では1ターン目はドローが出来ない。
土地ゲーとあってマリガン(引きなおしルール 他の一部TCGにも様々な条件で採用されている)がある。基本セット2020のルール改正で、何度目のマリガンでも最初に7枚引き、マリガン回数と同じ枚数の手札を、キープ決定後にライブラリーの下に置く。というルールになっている。
以前EDH専用で「引いたカードから不要なカードを追放後、追放した枚数-1枚を引く。これを繰り返した後、追放したカードをライブラリに混ぜてシャッフル」という部分的パリ・マリガンが採用されていた。
ロンドン・マリガン採用後は「1度目のマリガンでは手札が減らない」というフリー・マリガンとなっている。これは他の多人数戦でも共通。

ちなみにマジックのマリガンは現行の通称『ロンドン・マリガン』までに
最初期:無し
初期:手札がノーランドorフルランドの時のみ可能、相手に公開後7枚引き直し。
パリ・マリガン:自由にマリガン可能、マリガン時の手札公開がなくなる、マリガンするたびに最初に引ける枚数が1枚減る。
バンクーバー・マリガン:マリガン時の手順はパリ同様、キープ宣言後に手札が初期枚数より少ない*15プレイヤーはキープを宣言後、ライブラリトップを見てトップかボトムに戻せる。*16
という変遷を辿っている。


  • 4.ターンの進行
a.アンタップ・ステップ
b.アップキープ・ステップ
c.ドロー・ステップ
d.第1メイン・フェイズ
e.戦闘フェイズ
f.第2メイン・フェイズ
g.終了ステップ
h.クリンナップ・ステップ
といった流れで進行。
インスタント以外の呪文と土地のプレイはメイン・フェイズにしか行えない。
土地は1ターンに1枚のみ戦場に出せる。


<用語>(2020年現在)


(ゲーム領域)

  • デッキ
60枚以上、上限無しのメインデッキと、最大15枚のサイドボードからなる。2勝(以上)先取のマッチではゲーム間にメインデッキとサイドボードの間でカードの入れ替えが行われる。*17
対戦中はメインデッキの内、山札のことを「ライブラリー」と呼ぶ。
ストーリー上では「書庫」などと呼ばれ、本棚に収められた魔導書を意味する。

  • 手札
7枚が上限。もちろんカードの効果で無制限になったり5枚になったりする。
ストーリー上では「魔導書」などと呼ばれ、
プレインズウォーカーが書庫から取り出した魔導書や、持っている知識の量を表す。
ストーリー上の「知識」とは基本的に手札アドのことである。

  • 戦場
フィールドの事

  • 墓地
文字通り墓地。使用したカードや破壊したクリーチャーが置かれる。
しかし【ドレッジ】や【リアニメイト】といったデッキではここからクリーチャーを呼び戻すのが勝ち手段になるため、第二の手札と化す。
ヴィンテージの【ドレッジ】ともなると「ライブラリーの枚数<墓地の枚数」なんてのが平気で起こり、変わり種ではここにどんどんライブラリーからカードを送り込んでライブラリーアウトを自他問わず発生させ、事前に置いたパーマネントの能力で勝利するというデッキもある。

  • 追放領域
ゲームから追放された(かつてのオラクルでは「取り除かれた」)カードはここに置く。
ここから使えたり、ここのカードをゲームに引き戻すカードは極端に少なく、第二の墓地にするのは厳しい一番安全な再使用不可地帯である。
続唱やブリンクのように「一時的に退避させて、すぐに特定の場所に戻す」というニュアンスで使う場合もある。
近年では赤を中心に呪文や能力でカードをここに置き、それを一定期間の間疑似的に手札とするという「衝動的ドロー」を行うことが増えてきている。

(カード・タイプ)

  • クリーチャー
プレイヤーが召喚し、手下とする被造物(Creature)。様々な種族がいる。
中にはストーリー上での重要人物をカード化した『「伝説の」クリーチャー』も存在する。
これらは比較的他のクリーチャーより強力な者が多く、「レジェンド・ルール」により1種につき1体までしかコントロールできない。
某覇者とかネタにしかならない伝説のクリーチャーもいるが。

  • 土地
マナを生み出す場所。基本は1ターンに1枚ずつしか戦場に出せない。基本は。
プレイヤーはここからマナを生み出す。たまにマナ出ない奴もあるけど。
伝説の土地もある。

  • ソーサリー
使い切りの呪文その1。
自ターンのメインフェイズのみ使用可能。
比較的マナ効率のいい呪文で、派手な効果を持つものも多い。
ドミナリアでついに伝説のソーサリーが出た。
制限カードという訳ではなく、伝説のパーマネントをコントロールしていないと唱えられないという制限。

  • インスタント
使いきりの呪文その2。
相手ターンや戦闘フェイズ等、割と好きなタイミングで使用可能な為、取り回しやすい。
その分、ソーサリーに比べて効果が地味で限定的である事が多い。
打ち消し呪文等は、ルール上必ずインスタントになる。
打ち消し呪文以外はパンプなどの堅実な効果が中心。

  • アーティファクト
特殊なアイテムや機械など。
クリーチャーにつける「装備品」や操縦者が居ないと動かない「機体」など、様々な種類がある。
ゴーレムのようなクリーチャーでもあるカードも存在する。
やっぱり伝説のアーティファクトもある。

  • エンチャント
クリーチャーや土地、戦場などに配置される、結界などの呪文。
他のカードに付けるタイプのものは「オーラ」と呼ばれる。
くどいようだが、伝説のエンチャントもある。

  • 部族
クリーチャーではないカードにクリーチャー・タイプを持たせるためのカード・タイプ。
基本的に併せ持った他のカード・タイプと同じ挙動をする。
例えば「部族ソーサリー・ゴブリン」であれば、「墓地からソーサリーを手札に戻す」はもちろん「墓地からゴブリンを手札に戻す」でも回収可能。
一時的に使ったが、WotCとしてはもう使う気が無いとのこと。

元々はプレイヤーの事のみを指していた。
ストーリー上では「探求者」や「冒険者」とも呼ばれる、プレインズウォーカーの灯(Planeswalker's Spark)が灯った人

プレインズウォーカーの中にはその世界で生まれた者もいる。
そういう者はプレインズウォーカーという形でゲーム内に存在する。
ただしローウィン以前はプレインズウォーカーというカードタイプが無かったので、代わりに伝説のクリーチャーになっている。
プレインズウォーカーは一時期伝説より更に厳しい制限*18があったが、イクサラン期のルール改正で他の伝説のパーマネント同様の扱いとなった。
神ジェイスと神童ジェイスが一度に並ぶよ、やったね!



ソーサリーとインスタント以外は戦場にある間、「パーマネント」と総称される。
なお土地以外のカードは全て「呪文」として扱われる。
他のTCGを知る人はクリーチャーやアーティファクトも呪文である事に違和感を覚えるかもしれないが、呪文を唱えてそれらを生み出す、と解釈すれば合点がいくだろう。
実際、MtG公式サイト内に「マジックの世界では、あなたは魔法使いになり壮大なファンタジー世界の主人公。呪文を駆使して相手と戦います。」との紹介文があったり、
最初期のクリーチャーカードには「○○の召喚/Summon ○○」という表記が用いられていたりと、上述の何かを呼び出す呪文という解釈とまさに合致する。
余談だが、それを元ネタに作られたのがデーモンの召喚(遊戯王)である(MtG側の元カードは奈落の王/Lord of the Pit)。


<MtGの大原則>


“カードはルールに勝つ”

他の大原則は割愛するが、これだけはマジックの面白さを語るにあたって外せない。

多くのカードはルールを変更・書き換える能力を有している。それはささいなものから、ゲームを破壊しかねない強大なものまで様々。
例えば

白金の天使
あなたはゲームに敗北することはなく、あなたの対戦相手はゲームに勝利することはない。

…むちゃくちゃでしょ?
でもこいつ自体はアーティファクトで壊れやすいし、タフネスも4だから些細な事で死ぬ。
ただし何らかの方法で破壊不能と被覆か呪禁を持たせるとほぼゲームセット。
そんなドヤ顔コンボを決めるのもマジックの楽しさの一つだ。

ちなみに逆も居て

深淵の迫害者
あなたはゲームに勝利することはなく、あなたの対戦相手はゲームに敗北することはない。

…こっちもむちゃくちゃだが、基本性能が4マナ6/6飛行トランプルとめちゃんこ高い。
これで序盤から相手を攻撃し、相手のライフがマイナスになった所で、何らかの手段で自分のクリーチャーを能動的に処分するデッキであれば十分エースカードだ。
相手からしたらこれに殴られながら守らなければいけないという謎の展開になる。

魅力的な特殊勝利条件
  • 「死闘により死屍累々。はい、勝利!」
  • 「とあるクリーチャーに触られると『お前はもう、死んでいる』
  • 「5色土地と生物がそろえば何でもできる。だから戦は(中略」
  • 「俺たち四つ(同カードです)が全部出たら何でも(以下同文」
  • 「狂人が作った扉を、うすのろが開いてしまう。そしてうすのろはやがて考えるのをやめる」
  • 「世界なんて争いも罪もいっぱい!じゃあみんないなくなればいいじゃない!」
  • 「ライフ1?山札0?残念、俺の勝ちだ。このカードがあるからさ!」
  • 「ギルドも思想も関係ない!争いは辞めてみんな仲良く!~HAPPY END~」

こっちもそそりそうな敗北条件
  • 「ライフロスが嫌?じゃあ山札でいいよ。空になったら負けるけどね!」(※元祖です)
  • 「インチキはだめよ!ちゃんと手札から召喚してね!」
  • 「ライフ13になったら負けね!何故って?13って忌み名だからね!」
  • 「マナ後払いでいいよ!ただし支払わなかったら死ぬけどね!」
  • 「三つ願いを叶えてやろう。ただし四つ目でお前の命を頂く」
  • 「Time is money.追加ターンはそれだけ価値のあるものだ。そのターンで勝てよ?」


自分も相手もそんなカードを使うのだから、静かにゲームが進むわけがない。
  • 地ならし屋+明日の標=「ずっと俺のターン!」
  • 通電式キー+Time Vault=「1ターン目からずっと俺のターンするけどいいかな?」
  • ベルチャー=「1ターン目だけど50ダメージだぞ、死ね」
  • ストーム=「1ターン目から2点ドレイン10発だ、死ね」
  • クロノステイシス=「ゆっくり死んで逝ってね!」(別名「ずっとお前のターン」)
  • 玉虫アルター、MoMa=「ソリディアで貴様の精神力を蒸発させたる」
  • 感染=「一撃毒殺」
  • バベル=「デッキの残り枚数200枚あるから僕の勝ちです」
  • MUD=「マジックさせない」
  • 双子=「とりあえずクリーチャー1億体でアタック」
  • Super Crazy Zoo=「対応して《稲妻/Lightning Bolt》打ちます、自分に
  • the spy=「自分のデッキ土地入ってないんで全部墓地に落としますね」
  • Doomsday=「5枚を詰将棋するのが楽しいんだよね」

以上が簡易的なゲーム説明と特徴がありすぎるデッキの解説である。


<各色の特徴>

このカードゲームは土地からマナを生み出して戦う。土地毎に生み出せるマナの色は決まっており、それがデッキの特徴と言える。

各色の特徴と代表的なカード

白/White

「平地」からマナを生み出す。
正義と秩序、平和などを司る色である。
5色の中で最もバランスのとれた色であり、白ウィニーのような超短期決戦デッキから、神の怒りを使い究極のコントロールデッキを組む事も可能。
逆に言うと器用貧乏になりやすい面も。また、一方的に大きくアドバンテージを稼ぐのが苦手で、一見するとマナレシオの良いカードも条件に阻まれがち。
とはいえトークン生成やライフ回復、エンチャントの破壊、追放は得意で、クリーチャーも飛行や先制攻撃、二段攻撃に絆魂(=与えたダメージ分ライフを回復)を持つものが多いので質は十分。
天使や騎士など、神聖さを感じさせるクリーチャーが数多く所属する。人間も多くは白。
代表的なカードは1マナで2/1のライオン君 (最近コモンになりました)
セラの天使など
代表的なPWは正義を守る誇り高き「ギデオン・ジュラ」は惜しくも死亡したので「黄金のたてがみのアジャニ」辺り。
理想:秩序統一
人間:騎士・兵士・執政者・クレリック
弱点:行き過ぎた全体主義・大雑把さ


青/Blue

「島」からマナを生み出す。
精神や知識、水や大気などを司る色である。
様々な呪文を使った駆け引きを得意とし、インスタント以外をインスタント同様のタイミングで唱えられる能力も多い。
ドローやカウンターが豊富な色であり、相手を阻害しつつ相手の妨害を躱す、コントロールに分類されるトリッキーな戦法に長ける。
その代わり、クリーチャーは飛行や瞬速などと引き換えにマナ・コスト辺りの大きさ(=スタッツ)が控え目な傾向にある。
マーフォーク(魚人)やフェアリー、スフィンクスなど、水や空と縁の深い生物が数多く所属する。
代表的なカードは対抗呪文など。
代表的なPWは若く陰気な、精神操作魔法の天才「ジェイス・ベレレン
理想:全知全能
人間:技工士・魔導士
弱点:頭でっかち・スロースターター


黒/Black

「沼」からマナを生み出す。
腐敗や死、悲しみや恐怖を司る色である。
相手のクリーチャーや手札、ともすればプレインズウォーカーを直接破壊できる事が最大の特徴であり、スーサイドのように勝利の為なら自分のライフ(命)をも1点まではかすり傷と言わんばかりに犠牲にし、最終的に勝てれば良いというリスキーで破滅的な色。ただしエンチャントに触れるのはやや苦手。
そのせいかパワー>タフネスな奴が多かったが、赤と被るためパワーが足りない代わりにしぶといのと、パワー馬鹿が半々ぐらいになるようになった。要は両極端。
ゾンビや吸血鬼・デーモン…他に形容のしようがないホラーなど、おぞましい化け物が数多く所属する。
代表的なカードは消えないこだまなど
代表的なPWは偉大なる吸血鬼「ソリン・マルコフ」…はストーリーから退場して、若BBAイケメン姐さん「リリアナ・ヴェス」が現在のメイン。
理想:唯我独尊
人間:無頼漢・暗殺者・傭兵・邪術士
弱点:歪んだ力による尻ぬぐいや代償・ボッチ


赤/Red

「山」からマナを生み出す。
炎や怒り、混沌や自由を司る色である。
炎や雷の呪文を多数もっており、クリーチャーやプレイヤーに直接ダメージを与えられる攻撃的な色である。
攻撃的なあまり、ほとんどは体力や持続力に乏しい。
ゴブリンやオーガ、ドラゴンなどの攻撃的な怪物が数多く所属する。
代表的なカードはシヴ山のドラゴンなど
代表的なPWは情熱と激情の紅蓮術士「チャンドラ
理想:本願成就
人間:無政府主義者・傭兵・蛮族・戦闘狂
弱点:視野狭窄・長期的見解の軽視


緑/Green

「森」からマナを生み出す。
自然や純粋さ、成長を司る色である。
土地やクリーチャーの展開力に優れており、その圧倒的な力で全てをねじ伏せる。
他の色の同マナ帯と比べるとパワーもタフネスも1以上高いというのが当たり前。能力もトランプルでの貫通、警戒での攻撃しつつのブロックへの備え、と戦闘向きなものが多い。
また、アーティファクトの破壊に長ける他、クリーチャーが絡めば大体の事はこなせ(パワー依存の火力、パワーに等しい枚数ドロー、など)、飛行を持つクリーチャーを狙うカードも到達(飛行を持つクリーチャーの攻撃をブロックできる)持ちなど多数。
しかし相手のクリーチャーやプレインズウォーカーに直接触れるのは苦手で、飛行持ちは5色のうち最少。
また、メイン戦力における1枚当たりの依存度が大きくなりがちで、ドヤ顔高マナフィニッシャーからの打消し&除去による死に顔はよくある。
エルフや、ハイドラなどの野生動物の多くは緑である。
代表的なカードは甲鱗のワーム様、ラノワールのエルフ極楽鳥など
代表的なPWは自然を崇拝する筋肉ダルマ「ガラク」…は一時的な闇堕ち退場を経て代表格から一歩引いているため、現在はビビアン・リード、次いでニッサ・レヴェインが代表格。
理想:現状維持
人間:修行僧・ドルイド・狩人
弱点:世間知らず・生命最優先(敵までも)


無色

アーティファクトの大部分
もしくはエルドラージ一族や一部のファイレクシア
あらゆる色で使えるし色事故の心配もない。
逆に言うとその分カードパワーが抑え気味でないと非常にまずい
またアーティファクトの大部分といっても各色の関係はまちまち。
利用:黒(利用できるものは何でも)・青(技術の結晶)
破壊:緑(自然の大敵)
両方:白(時に秩序の敵時に味方)・赤(壊すのも作るのも大好き)
代表的なカードはマスティコアなど
代表的なPWはウルザが作った銀のゴーレム「カーン


各色はそれぞれ相互関係にあり、「相互シナジーを形成しやすい友好色」や「抑止力の竦みの関係である対抗色」の概念がある。
白青黒赤緑白と色を並べた際、ある色から見て隣り合う2色が友好色、そうならない2色が対抗色と言われる。
傾向として、友好色は複数の色のマナを出せる土地や多色カード等のサポートが充実しており、逆に対抗色はその色を妨害したり、土地渡りやプロテクション等の有利に戦える能力を持つクリーチャーが多い。
ただし、アポカリプスのように対抗色が注目されたり、ラヴニカのように有効も対抗も対等の立場になってたり、アラーラやタルキールのように3色の組み合わせになってたりとカードセットごとに色の組み合わせが違ってる事もある。
現在、2色の組み合わせについてはラヴニカ次元のギルド、隣り合う3色(弧)についてはアラーラの各次元、ある色+その対抗色の3色(楔)はタルキール次元の氏族の各名称で呼ばれることが多い。
  • 友好2色(共通志向)→白青=アゾリウス(支配)、青黒=ディミーア(狡猾)、黒赤=ラグドス(加虐性)、赤緑=グルール(衝動性)、緑白=セレズニア(共同体)
  • 対抗2色→白黒=オルゾフ、青赤=イゼット、黒緑=ゴルガリ、赤白=ボロス、緑青=シミック
  • 弧3色→白青黒=エスパー、青黒赤=グリクシス、黒赤緑=スイカジャンド、赤緑白=ナヤ、緑白青=バント
  • 楔3色→白青赤=トリコロールジェスカイ、青黒緑=スゥルタイ、黒赤白=マルドゥ、赤緑青=ティムール、緑白黒=アブザン
例えばレガシーの【グリクシスデルバー】であれば、《秘密を掘り下げるもの/Delver of Secrets》をメインとした青黒赤3色のデッキ といった形。
4色デッキには特に名称は無く、【4cデルバー】とか色の数で呼ばれたり、オリジナルの名前が付くことが多い。

フレーバーテキスト

時々、カードの一番下にコメントのようなテキストが記載されている。
ゲームには関係無いが、MtGの世界をより深く知る事が出来る。
内容はカードの効果に関係する事から、古典文学、歴史考察、皮肉など様々。

例えばアーティファクトを破壊する呪文である<<破砕>>なら「計画には数日。建設には数週。完成には数ヶ月。  破壊には数秒。」など。

ストーリーの断片だったり、ちゃんとマジックに関係しているフレーバーも存在する。
キャリアーサイクルのように複数枚にまたがったフレーバーもある。

【デジタルゲーム】

紙媒体のカードゲームではあるが、これまでに何回もビデオゲーム化されている。
2019年現在まで継続的にアップデート、サポートが続けられているのは「Magic Online(MO)」と「MtG Arena(MtGA)」の二つ。
MOは2002年からサービスが開始され、MTGに存在するほぼすべてのカードを網羅している老舗オンラインDCG。
基本無料ではあるが無料で出来ることはほぼ無い…と言っていいほどにデジタルであること以外は紙と同等の環境。
大会参加費も徴収されるしパック買うのも有料。
しかし大会で上位に入賞するとパックを貰え、そのパックを大会参加費に当てる事も可能なため、プレイが上手ければ初期投資以降は無料で回転させ続ける事も出来るかもしれないが。
ただ、UI周りがかなり古臭かったり、後発のDCGと比べると演出面はあまりに簡素なため、プレイヤーの間では『MtGのビデオゲーム』ではなく『MtGのシミュレーター』と評されがち。
それでも公認大会は頻繁に開催されるし、MOから始めて現実の大会で優勝するにまで至ったプレイヤーも居たりするので、今だに人気のあるタイトルである。

MtGAは近年のDCGに合わせる形で作られており、収録されているカードの範囲は2020年7月時点でもパイオニアより狭いながら、神話レア(+一部のレア)使用時にエフェクトが付いたり、ターンの進行がある程度自動化できたりと、シミュレーターと揶揄されるMOに比べるとだいぶグラフィカルとなり、また遊びやすくなっている。
しかし、MtGのトーナメントシーンで基本となるサイドボード有のマッチ戦(BO3)よりも、一般的なDCGで主流の1本勝負(BO1)がMtGAでも主流になっており、メイン戦が強いデッキが幅を利かせるという欠点も*19
将来的にはMtGAを使った大規模な大会も予定されており、MOと並行して展開される予定。
なお、ビデオゲームとしては発展途上もいいところな状況

【メディア展開】

コロコロコミック連載の漫画『デュエル・マスターズ』は当初、このMtGを題材とした漫画だった事は有名。
コロコロアニキにて、「もしデュエマがMtGを題材とし続けたままだったら」というifを描いた漫画『切札勝舞はマジック・ザ・ギャザリングを使いつづける』が2018年秋号より連載される。ギャグ漫画だけど
ほぼ同時期にホビージャパンでは『デュエルファイター刃』が連載されていた。MtG漫画といえば上記2作を思い浮かべるプレイヤーも多いのではないだろうか。
現在は90年代を舞台としたMtG漫画『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』が少年エースで連載中。
また、アニメシリーズがNetfilxで配信予定。製作総指揮はアベンジャーズシリーズでおなじみのルッソ兄弟が手掛ける。

【その他】

MtGはリチャード・ガーフィールドらがボードゲーム『コズミック・エンカウンター』に影響を受けて開発したものであり、そのゲームの「特殊能力でルールを破壊できる」から着想を得てデザインされている。 

また、このカード自体も元々は同社のTRPG『DECKMASTER』のサプライの一種であり、ダイスの代わりにゲーム中の処理を解決するための道具だった。
カードの裏面にDECKMASTERと書かれているのはその時の名残である。
そう考えると、MtGは簡易的なTRPGと言えるだろう。

先述したようにプレイヤーは比較的年齢が高く、社会人が多い為、初心者の質問にも快く答えてくれる事が多い。
年齢層が高い事もハードルが高い理由の一つだったりもするのだが。


世界にはカリスマ・プレイヤーやプロギャザリングプレイヤーも存在し
カリスマ過ぎてスライシュナイダーポックス、ヤソコンの様にプレイヤーの名前が、デッキ名になっているデッキもある。 
ポイント制の「プロツアー」制度があり、ランクを上げていくと大会に出るだけでギャラがもらえるので、上り詰められればデュエルで飯を食える世界である。
プロの中には日本人もおり、
黒が好きすぎて、(周囲から勝手に)組長として称された 藤田憲一
プレイヤー初の禁止カードにされてしまったあずにゃん大好き渡辺雄也や、
クリーチャー嫌いの悪魔のデッキビルダー八十岡翔太など、個性豊かすぎるメンツが大勢いる。
以前は日本人詐欺(公式コラムに「国籍が不明になりつつある」とまで書かれた)、現在は引退詐欺でプロツアートップ8に入ってた殿堂入り詐欺師中村修平なんかも(主に海外で)有名。

また、スクウェア・エニックスのアーケードカードゲーム『LORD of VERMILIONⅡ』に10体のクリーチャーが参戦(イラストはそのまま)。

3Dグラフィックと化したクリーチャー達がボイス入りで『対抗呪文』、『踏み荒らし』、『残酷な根本原理』等の技を使用するのはファン必見である。

またPWカードは名前の「プレインズウォーカー」が省かれている。
例)イラストは『プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス』→カード名は『ニコル・ボーラス』

銀枠ではD&Dやトランスフォーマー、マイリトルポニーなどとのコラボカードが登場している。
そしてついに黒枠であの怪獣王とのコラボが実現。ついでにモチーフ程度だがシャークネードとキングコングとも

WoTC社とタカラトミーが制作したTCG『デュエル・マスターズ』は、このMtGを低年齢層(主に小学生)向けに簡略化して制作されたものであり、マナ・召喚酔いなど、MtGの用語とギミックを一部取り入れている。タップ、アンタップの語を用いているのもWotC社が関与しているため。
デュエマ側はMtGのことを「兄貴分」としており、あるエキスパンションではプレインズウォーカーがデュエマに参戦した。
デュエマ側のギミックがMtGに逆輸入されることも多く、デュエマのぶっ飛び要素だったサイキック(両面カード)やGリンク(合体カード)の採用決定に度肝を抜いたプレイヤーも(Gリンクは実際にはMtGのジョークエキスパンションが発端なんだけどね)。


追記、変更よろしくお願いします。

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