Magic the Gathering

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Magic the Gathering - (2021/02/12 (金) 12:44:24) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/07/20 (月) 07:04:06
更新日:2024/04/28 Sun 00:23:39
&font割るに南都田あ!アザ~す!なく、事故もそう気にせず使えるのも魅力。
前述したようにパイオニア制定を受け、2019年10月を以て大会開催は終了した。

  • オールドスクール
リミテッド・エディションアルファ、同ベータ、アラビアンナイト、アンティキティー、レジェンド、ザ・ダーク で英語版として印刷されたカードのみ使用可能 という鬼畜縛りフォーマット。
これではあまりにも参入しづらいとして、ほとんどは使用可能セットにアンリミテッドやフォールン・エンパイアを加えたり、他言語版やコレクターズ・エディションを容認している。
現在は「再販でも良いけど絵は最古のセットの絵でかつ旧枠のやつ(例外2枚あり)」なら使用可能というルール(CFBルール)が主流の模様。
禁止・制限カードは主催者にもよるが黎明期のヴィンテージのそれに近く、アンティ関連のカードや《Chaos Orb》などのMtGである事を放棄しているカードが使えてしまうことも。
原形ルールはプレイする以前の問題にカードを揃えられないという完全な神々の遊びだが、CFBルールならデッキを選べば現実的な金額で参戦できる。
なおゲーム自体は意外にもスローペースで進む。コンボパーツがほとんどなく、クリーチャーの質もそこまで高くないことが主因。

  • 旧枠モダン
旧枠時代初出かつモダンリーガルのカードのみ使用可能 なフォーマット。ぱっと見レガシーかヴィンテージなのに実はモダンという不思議な感覚が味わえる。
何気ないコモンが再録されてモダンリーガルになるだけで激震が走る など意外と奥深い?のかもしれない。
日本発祥であり、通常のモダンよりも安く参入できることもあってカルト的な人気を集めつつある。
モダンホライゾンをモダン以上に注視しているだろうフォーマット。

  • Penny Dreadful
Magic Online限定フォーマット。
Magic Onlineにおいて0.02tix(≒2円)以下で手に入るカードのみが使える。
カードプールが目まぐるしく移り変わる*1ため、デッキを組むには専用のサイトを見る必要がある。
カードプールに入ってさえいれば《宝船の巡航/Treasure Cruise》とか《ネクロポーテンス/Necropotence》といったぶっ壊れカードすら使え、更に圧倒的に安い為、じわじわ人気を延ばしている模様。
もともとは0.01tix以下だったのだが、イコリア:巨獣の棲処が追加されたシーズンで、0.01tix以下のカードが5000枚を下回る事から2倍になった、それでも1枚2円。





  • タワーマジック
所謂カジュアルでしか出来ないマジックの原則無視のフォーマットの中では一番メジャーな物。
適当に作った数百枚(枚数は適当)、土地抜きのデッキを共有ライブラリーとして、マナはデュエマのように「すべてのカードをその色のマナが出る土地として使える」「多色カードを土地として使う場合はタップイン」というルールでプレイする。
共有ライブラリー故にサーチカードは抜いておいた方が無難。特に「土地を持ってくる」系のカードは何を持ってくるんだという話になる。
ちゃんとバランスを考えてタワーを作ると意外に面白いとか。
余ったカードでタワーを作っても意外性が出て面白いかもしれない。

【基本ルール】


  • 1.デッキ
メイン60枚以上、サイドボード最大15枚を、基本土地以外は最大4枚まで入れて構築する。最初期は4枚制限が無く、下限も40枚であった。
テーブルトップにおいては上限が無いため、メイン240枚なんてタワーデッキで大型大会に出た人も。*2


  • 2.勝敗条件
初期ライフ20点でゲームが始まり、ライフが0以下になるか、ライブラリー(山札)が0枚のところからカードを引こうとする(ライブラリーアウト)、毒カウンターを10個以上持つとゲームに敗北する。
もしくはカードに「勝利する」と書いてある特殊勝利条件を満たすか、「敗北する」とと書いてある特殊敗北条件を満たしたときにもゲームが終わる。

  • 3.ゲームの始まり
初期手札は7枚。先攻は1ターン目にはドロー出来ない。
土地ゲーとあってマリガン*3があり、基本セット2020期のルール改正以降は何度目のマリガンでも最初に7枚引き、キープ決定後にマリガン回数と同じ枚数の手札をライブラリーの下に置く、というルールになっている。

なお、この通称『ロンドン・マリガン』までには
最初期:無し
初期:手札がノーランドorフルランドの時のみ可能、相手に公開後7枚引き直し。
パリ・マリガン:任意にマリガン可能。マリガン時の手札公開がなくなり、マリガンするたびに最初に引ける枚数が1枚減る。
バンクーバー・マリガン:マリガン時の手順はパリ同様で、キープ宣言後、手札が初期枚数より少ない*4プレイヤーはライブラリトップを見てそれをトップかボトムに置く*5
という変遷を辿っている。

対する統率者戦は当初、「引いたカードから不要なカードを追放した後、その枚数-1枚を引く。これをキープまで繰り返した後、追放したカードをライブラリーに混ぜてシャッフル」という所謂「部分的パリ・マリガン」が採用されていた。
しかし通常ルールでのロンドン・マリガン採用以降はそれへ「1度目のマリガンをマリガンした回数に計上しない」というフリー・マリガンを付け足したものを採用しており、ゼンディカーの夜明け期現在も採用されている。これは他の多人数戦でも共通。


  • 4.ターンの進行
a.アンタップ・ステップ
b.アップキープ・ステップ
c.ドロー・ステップ
d.第1メイン・フェイズ
e.戦闘フェイズ
f.第2メイン・フェイズ
g.終了ステップ
h.クリンナップ・ステップ
といった流れで進行。
インスタントでない呪文を唱えたり土地をプレイするのはメイン・フェイズ中かつスタックが空の時(ソーサリー・タイミング)にしか行えない。
土地は1ターンに1枚のみ、手札から戦場に出せる。


<用語>(2020年現在)


(ゲーム領域)

  • デッキ
内訳は基本ルールにある通り。2勝(以上)先取のマッチではゲーム間にメインデッキとサイドボードの間でカードの入れ替えを行える*6
入れ替えと書いてあるが、サイドボードから入れるだけ入れてメインから抜かないというのも適正。具体的には「メインが60枚以上、サイドが15枚以下」を満たしていればOK。
ゲーム中はメインデッキの内、山札のことを「ライブラリー」と呼ぶ。
ストーリー上では「書庫」などと呼ばれ、本棚に収められた魔導書として表現される。

  • 手札
7枚までしか他プレイヤーのターンに持ちこせない*7。もちろんカードの能力で無制限になったり5枚までになったりする。
ストーリー上では「魔導書」などと呼ばれ、プレインズウォーカーが書庫から取り出した魔導書や、持っている知識の量として表現される。
そのためストーリー上での「知識」とは、ゲーム中では基本的に手札アドのことである。

  • 戦場
所謂フィールド。ルール上は全プレイヤーで1つを共有している。

  • 墓地
文字通り墓地。使用したソーサリーやインスタント、破壊されたパーマネントなどが置かれる。
しかし【ドレッジ】や【リアニメイト】といったここからクリーチャーを呼び戻すのが勝ち手段のデッキにとっては第二の手札。まるでデジャヴュだな
ヴィンテージでの【ドレッジ】ともなればあっという間に「ライブラリーの枚数<墓地の枚数」となる。
他には自分のライブラリーをわざと落とし、ライブラリーアウトor残りライブラリーごくわずかという状況から出した(or出ている)パーマネントの能力で特殊勝利するデッキもある。

  • 追放領域
ゲームから追放された(かつてのオラクルでは「取り除かれた」)カードはここに置く。他タイトルでは除外やロストゾーンが近い。
ここから使えたり、ここのカードをゲームに引き戻すカードがほぼ無い、第二の墓地にするのが厳しい再利用の最も困難な領域である。
続唱やブリンクのように「一時的に退避させて、すぐに特定の場所に戻す」というニュアンスでその退避先に一瞬だけ使う場合もある。
近年では赤を中心に呪文や能力で主にライブラリーからカードをここに置き、それを(一定期間の間)プレイしたり唱えたりできるという『衝動的ドロー』を行うことが増えてきている。

  • 統率領域
統率者戦で統率者を置くスペース。
墓地でも手札でも追放領域でもライブラリーでも無いので、専用のスペースが設けられている。
一部のカードにこの統率領域を参照する物がある。
通常のゲームではプレインズウォーカーでの奥義で出る事がある「紋章」の置き場所以外では使用されない。

(カード・タイプ)

  • クリーチャー
プレイヤーが召喚し、手下とする被造物(Creature)。ごく一部を除いてエルフやゴブリン、吸血鬼といった種族を少なくとも1つ持っており、職業と合わせてそれらはゲーム中においてクリーチャー・タイプと呼称される。
一部はストーリー上での重要人物をカード化した 『「伝説の」クリーチャー』 であり、それらは「レジェンド・ルール」により 1種につき1体までしかコントロールできない 代わりに基本的に強力。
某覇者とかヤーグルとかネタにしかならない伝説のクリーチャーもいるのはご愛嬌。

  • 土地
MtGのそうたる所以の一つともされるカード。事故の大体はこれの引きや偏りが極端。1ターンに1枚しか戦場に出せない。基本的に、だが。
プレイヤーはこれからマナを生み出す。自力じゃマナ出せない奴もちらほらあるけど。
伝説の土地もある。

  • ソーサリー
使い切りの呪文その1。
自ターンのメインフェイズ中かつスタックが空の時にのみ使用可能な代わりにマナ効率が良く、派手な効果を持つものも多い。
伝説のソーサリーは長らく概念上の存在だったが、ドミナリアでようやく登場した。
これは伝説のパーマネントをコントロールしていないと唱えられないというものであり、そこは他の伝説のカードと異なる。

  • インスタント
使いきりの呪文その2。
相手ターンや戦闘フェイズ等、割と好きなタイミングでスタックの状態を問わず使用可能な為、取り回しやすい。
その分、ソーサリーに比べて効果が控え目だったり限定的な傾向が強い。
打ち消し等はルール上全てインスタント・呪文であり、その他はパンプなどの堅実な効果が中心。

  • アーティファクト
特殊なアイテムや機械など。所謂置物その1。後述のエンチャントに比べ、自身をタップしたり生け贄に捧げて起動する能力を持つ傾向が強い。
クリーチャーにつける「装備品」や操縦者が居ないと動かない「機体」など、サブタイプも様々。
ゴーレムのようなクリーチャーでもあるカードも、そしてやはり伝説のアーティファクトも存在する。

  • エンチャント
結界などの持続する呪文。所謂置物その2。前述のアーティファクトに比べ、誘発する能力や常に発動する能力を持つ傾向が強い。
他のカードに付ける「オーラ」であるエンチャントもクリーチャーでもあるエンチャントも、くどいようだが伝説のエンチャントもある。

  • 部族
クリーチャーではないカードにクリーチャー・タイプを持たせるためのカード・タイプ。
基本的に併せ持った他のカード・タイプと同じ挙動をする。
例えば「部族ソーサリー・ゴブリン」であればソーサリー・カードとしてもゴブリンとしても扱われ、「墓地からソーサリー・カードを手札に戻す」はもちろん「墓地からゴブリンであるカードを手札に戻す」でも回収可能。
一時期使われたが、WotC社としてはもう使いたくないとのこと。

元々はプレイヤーの事のみを指していた。
ストーリー上では「探求者」や「冒険者」とも呼ばれる、プレインズウォーカーの灯(Planeswalker's Spark)が灯った人。

プレインズウォーカーの中には舞台となった世界(作中では次元)のその時代に居合わせる者もいる。
そういう者は(ごく一部の例外を除いて)プレインズウォーカー・カードとしてゲーム内に収録される。
ただしプレインズウォーカーというカードタイプはローウィンまで無かったため、それ以前では代わりに伝説のクリーチャーとして収録されている。
プレインズウォーカーは当初、レジェンド・ルール以上に厳しい制限*8があったが、イクサラン期のルール改正で他の伝説のパーマネント同様の扱いとなり、それ以前のプレインズウォーカーも伝説のプレインズウォーカーへオラクルが更新された。
要は神ジェイスと神童ジェイスが同時に出ているどころかそれが敵味方それぞれから睨み合う形勢もありえるようになった。


ソーサリーとインスタント以外は戦場にある間、「パーマネント」と総称され、扱われる。
そして土地以外のカードは全て「呪文」である。
他のTCGを知る人はクリーチャーやアーティファクトも呪文である事に違和感を覚えるかもしれないが、呪文を唱えてそれらを生み出す、と解釈すれば合点がいくだろう。
実際、マジック公式サイト内に『マジックの世界では、あなたは魔法使いになり壮大なファンタジー世界の主人公。呪文を駆使して相手と戦います。(原文ママfrom日本公式ウェブサイト・遊び方)』との文章があったり、
最初期のクリーチャー・カードに「○○の召喚/Summon ○○」と表記されている等、上述の「何かを生み出す呪文」という解釈にぴったり合致する。
なお、遊戯王のデーモンの召喚はMtGの《奈落の王/Lord of the Pit》とこのフレーバーを元ネタとしたカードである。


<MtGの大原則>


''“することはない。

…むちゃくちゃでしょ?
でもこいつ自体はアーティファクトでもあるから壊されやすいし、タフネスも4だから死亡しやすい。
だが何らかの方法で破壊不能*9と被覆*10か呪禁*11を持たせるとほぼゲームセット*12
そんなドヤ顔コンボを決めるのもMtGの楽しさの一つだ。

ちなみに逆もおり

深淵の迫害者
あなたはゲームに勝利することはなく、あなたの対戦相手はゲームに敗北することはない。

…こっちもむちゃくちゃだが、本体が4マナ6/6飛行トランプルと中々パワフル*13
これで序盤から相手を攻撃し、相手のライフがマイナスになった所でこれを能動的に処分する、という戦法を取れば十分にエースカードと言える。
相手からしたらこれに殴られながら守らなければいけないという謎の展開になる。

他にも「ソーサリーをインスタント同様に扱う」や、それに対抗した「インスタントもソーサリーを唱えられる時しか唱えられなくする」等、ルールを基本原則から覆すような能力はたくさんある。
あんまり歪めるようだと銀枠でしか出せなかったり公式な使用が完全に禁止されるが。

魅力的な特殊勝利条件
  • 「死闘により死屍累々。はい、勝利!」
  • 「とあるクリーチャーに触られると『お前はもう、死んでいる』
  • 「5色土地と生物がそろえば何でもできる。だから戦は(中略」
  • 「俺たち四つ(同カードです)が全部出たら何でも(以下同文」
  • 「狂人が作った扉を、うすのろが開いてしまう。そしてうすのろはやがて考えるのをやめる」
  • 「世界なんて争いも罪もいっぱい!じゃあみんないなくなればいいじゃない!」
  • 「ライフ1?山札0?残念、俺の勝ちだ。このカードがあるからさ!」
  • 「ギルドも思想も関係ない!争いは辞めてみんな仲良く!~HAPPY END~」
  • 「信心の力で未来はすべて見通した。あなたの未来はもう来ない」

こっちもそそりそうな敗北条件
  • 「ライフロスが嫌?じゃあ山札でいいよ。空になったら負けるけどね!」 (※元祖です)
  • 「インチキはだめよ!ちゃんと手札から召喚してね!」
  • 「ライフ13になったら負けね!何故って?13って忌み名だからね!」
  • 「マナ後払いでいいよ!ただし支払わなかったら死ぬけどね!」
  • 「三つ願いを叶えてやろう。ただし四つ目でお前の命を頂く」
  • 「Time is money.追加ターンはそれだけ価値のあるものだ。そのターンで勝てよ?」


自分も相手もそんなカードを使えるなら、静かにゲームが進むわけも無く。
  • 地ならし屋+明日の標= 「ずっと俺のターン!」
  • 通電式キー+Time Vault= 「1ターン目からずっと俺のターンするけどいいかな?」
  • ベルチャー= 「1ターン目だけど50ダメージだぞ、死ね」
  • ストーム= 「1ターン目から2点ドレイン10発だ、死ね」
  • クロノステイシス= 「ゆっくり死んで逝ってね!」(別名「ずっとお前のターン」)
  • 玉虫アルター、MoMa= 「ソリディアで貴様の精神力を蒸発させたる」
  • 感染= 「一撃毒殺」
  • バベル= 「デッキの残り枚数200枚あるから僕の勝ちです」
  • MUD= 「MtGさせない」
  • 双子= 「とりあえずクリーチャー1億体でアタック」
  • Super Crazy Zoo=「対応して《稲妻/Lightning Bolt》打ちます、 自分に
  • the spy= 「自分のデッキ土地入ってないんで全部墓地に落としますね」
  • Doomsday= 「5枚を詰将棋するのが楽しいんだよね」

以上が簡易的なゲーム説明と、特徴が強烈なデッキの解説である。


<各色の特徴>

このカードゲームは土地からマナを生み出して戦う。土地毎に生み出せるマナの色は決まっており、それがデッキの特徴と言える。
以下はそんな各色の特徴と代表的なカードである。



白/White

「平地」からマナを生み出す。
正義や秩序、平和や平等などを司る色である。
5色の中で最もバランスのとれた色であり、白ウィニーのような超短期決戦デッキから、神の怒りなどの全体除去をも駆使する究極のコントロールデッキまで、白なら単色でも組める。
しかし逆に言えば器用貧乏になりがちで、また平等も重んずる色とあって一方的かつ瞬間的に大きくアドバンテージを稼ぐのが苦手。そのため一見するとマナレシオの良いカードも、選べる対象などの条件に阻まれがち。
とはいえトークン生成にライフ回復、エンチャントの破壊、(一時的)追放、そして全体除去は得意であり、クリーチャーも飛行や先制攻撃、二段攻撃(先制攻撃と普通の攻撃で2度ダメージを与えられる)に絆魂(=与えたダメージ分ライフを回復)を持つものが多く、横並べしやすいなど質はまずまず。
クリーチャーは天使や騎士など、神聖さを感じさせるものが多く、人間も多くは白。
代表的なカードはサバンナ・ライオンセラの天使悪斬の天使など。
代表的なPWは正義を守る誇り高き「ギデオン・ジュラ」…は惜しくも死亡しており、現在は「黄金のたてがみのアジャニ」や「エルズペス・ティレル」などの辺り。
理想:秩序統一
人間:騎士・兵士・執政者・クレリック
弱点:行き過ぎた全体主義・教条主義


青/Blue

「島」からマナを生み出す。
精神や知識、水や大気などを司る色である。
様々な呪文を使った駆け引きを得意とし、インスタント以外をインスタント同様のタイミングで唱えられる能力も自前・付与問わず多い。*14
クリーチャーが飛行や瞬速などと引き換えにスタッツ(=マナ・コスト当たりのパワーとタフネス)が控え目な傾向が強い一方、ドローやバウンス、打ち消しはすこぶる豊富。
相手を妨害しつつ相手の妨害を躱す、コントロールに分類される陰気臭くて狡猾テクニカルでトリッキーな戦法に長け、特に打ち消しは他のTCGだと存在しないかできても非常に高コストな傾向にあるため、MtGの華の一つとされる事も。
その打ち消しを筆頭としたインスタント・タイミングでの攻防が生み出す『対話』は濃厚そのものであり、これを求めてMtGを嗜むプレイヤーも少なくない。そんなプレイヤー達曰く、『青は最もMtGらしい色なのです』との事。
そんな青の擁するクリーチャーにはマーフォーク(≒魚人)やフェアリー、スフィンクスなど、水や空と縁の深い生物が多い。
代表的なカードは対抗呪文選択金玉宝船の巡航など。
代表的なPWは若く陰気な、精神操作魔法の天才「ジェイス・ベレレン」。
理想:全知全能
人間:技工士(工匠)・魔導士(ウィザード)
弱点:頭でっかち・スロースターター


黒/Black

「沼」からマナを生み出す。
腐敗や死、悲しみや恐怖などを司る色である。
相手のクリーチャーや手札どころか、プレインズウォーカーまで直接破壊できる事が最大の特徴であり、またスーサイドのように勝利の為なら自分のライフ(命)をも1点まではかすり傷と言わんばかりに生け贄に捧げ、最終的に勝てれば良いというリスキーで破滅的な色。ただしエンチャントに触れるのはかなり苦手。
ゾンビや吸血鬼、デーモン、…他に形容のしようがないホラーなど、おぞましい化け物が多い。
クリーチャーは古くはパワー>タフネスな奴が多かったが、最近はそれでは赤と丸被りであるとして、パワー<タフネスな奴と半々気味になりつつある。要は両極端。
代表的なカードは消えないこだまファイレクシアの抹殺者ファイレクシアの抹消者など。
代表的なPWは偉大なる吸血鬼「ソリン・マルコフ」…は一時的な退場によりストーリーの本筋から外れてしまったため、現在のメインは若BBAイケメンお姐さん「リリアナ・ヴェス」。
理想:唯我独尊
人間:無頼漢(ならず者)・暗殺者・傭兵・邪術士
弱点:歪んだ力による尻ぬぐいや代償・ボッチ


赤/Red

「山」からマナを生み出す。
炎や怒り、混沌や自由などを司る色である。
攻撃的かつ速攻志向な、炎と雷に長ける色であり、特に火力と俗称される、クリーチャーやプレインズウォーカー、プレイヤーに直接ダメージを与える呪文や能力は黎明期から今も赤に最も多く、性能も断トツ。
しかしその反面、体力や持続力に乏しいとあってデッキも息切れが早くなりがち。またできる事がフレーバーの関係で少なく、所謂「衝動的ドロー」「捨ててから引くルーティング*15」の獲得はその開拓に苦心した結果の一つである。
所属するクリーチャーはゴブリンやオーガ、ドラゴンが多く、やはりことごとく攻撃的。
代表的なカードはシヴ山のドラゴン稲妻火炎舌のカヴーなど。
代表的なPWは情熱と激情の紅蓮術士「チャンドラ」。
理想:本願成就
人間:無政府主義者・傭兵・蛮族・戦闘狂
弱点:視野狭窄・刹那主義


緑/Green

「森」からマナを生み出す。
自然や純粋さ、成長や調和などを司る色である。
土地とクリーチャーの展開力に優れており、序盤からそれらのカードでマナブースト、そして早いターンから高マナ粋のクリーチャーを叩きつけ、
その圧倒的な力で全てをねじ伏せる。
マナブーストが無くとも他の色の同マナ・コスト帯と比べスタッツがパワー・タフネス共々1以上高い事が珍しくなく、能力にしてもトランプルでの貫通、警戒でのタップしない攻撃など、戦闘向きなものが多い。
また、自然の色とあって人工物たるアーティファクトの破壊に長ける他、クリーチャーを介せば大体の事(格闘、パワー依存の火力、最大パワー分のコスト軽減、ドローなど)をこなせ、対飛行カードも到達(飛行を持つクリーチャーの攻撃をブロックできる)を持つクリーチャーを中心に多数。
しかしクリーチャーを介さない事、特に相手のクリーチャーやプレインズウォーカーに直接触れる事は不得手で、飛行持ちも5色のうちで最少。
また、デッキも一枚々々に強く依存する所謂グッドスタッフになりがちで、どうにか高マナフィニッシャーを唱えたのに打ち消されたり、出せても攻撃前に除去を食らってそのまま敗北する事もよくある。
代表的なカードは甲鱗のワーム様、ラノワールのエルフ極楽鳥など。
代表的なPWは自然を崇拝する筋肉ダルマ「ガラク」…はこれまた一時的な闇堕ち退場を経て代表格から一歩引いているため、現在はビビアン・リード、次いでニッサ・レヴェインが代表格。
理想:現状維持
人間:修行僧・ドルイド・狩人
弱点:世間知らず・生命最優先(敵までも)


無色

アーティファクトの大部分。もしくはエルドラージ一族や一部のファイレクシア、そしてウギン関連のカード。
あらゆる色で使えるし色事故の心配もない代わりにカードパワーは抑え気味。そうしないとぶっ壊れまっしぐら
またアーティファクトの大部分といっても各色の関係はまちまち。
利用:黒(利用できるものは何でも)・青(技術の結晶)
破壊:緑(自然の大敵)
両方:白(時に秩序の敵時に味方)・赤(壊すのも作るのも大好き)
代表的なカードはマスティコア引き裂かれし永劫、エムラクール頭蓋骨絞めなど。
代表的なPWはウルザが作った銀のゴーレム「カーン」。



各色は相互に「友好色」か「対抗色」の関係にあり、その並び順はカラーパイ(カラーホイールとも)において白青黒赤緑*16となっている。その中でとある色から見て隣り合う2色が友好色、そうでない2色が対抗色である。
傾向として、かつて友好色は複数の色のマナを出せる土地や多色カード等のサポートが充実しており、逆に対抗色はその色を妨害したり、土地渡りやプロテクション等の有利に戦える能力を持つクリーチャーが多かった。
しかし現在は基本的に色数毎のその組み合わせに差を設けずデザインする方針であり*17、これにはデッキ構築の自由度を広げる意味合いもある。リミテッドで対抗色が濃いと割り合い悲惨だったし
このルールが導入される前はアポカリプスのようにあえて対抗色を強調したり、ラヴニカのように友好も対抗も対等に重視したり、あるいはアラーラやタルキールのように3色の組み合わせを推奨したりしたように、特定の色数、組み合わせを推奨するセットも存在している*18
現在、2色の組み合わせについてはラヴニカ次元のギルド、ある色とその色の友好色の3色(弧)についてはアラーラの各次元、ある色とその色の対抗色の3色(楔)はタルキール次元の氏族の各名称で呼ばれることが多い。以下はその内訳である。
  • 友好色(共通志向)→白青=アゾリウス(支配)、青黒=ディミーア(狡猾)、黒赤=ラグドス(加虐性)、赤緑=グルール(衝動性)、緑白=セレズニア(共同体)
  • 対抗色→白黒=オルゾフ、青赤=イゼット、黒緑=ゴルガリ、赤白=ボロス、緑青=シミック
  • 弧→白青黒=エスパー、青黒赤=グリクシス、黒赤緑=スイカジャンド、赤緑白=ナヤ、緑白青=バント
  • 楔→白青赤=トリコロールジェスカイ、青黒緑=スゥルタイ、黒赤白=マルドゥ、赤緑青=ティムール、緑白黒=アブザン
例えば《秘密を掘り下げるもの/Delver of Secrets》をメインとしたレガシーの青黒赤3色デッキなら【グリクシスデルバー】、といった形。
4色デッキには特に名称は無く*19、【4cデルバー】など色数で呼ばれたり、オリジナルの名称がつけられることが多い。

フレーバーテキスト

一部のカードの一番下には、コメントのようなテキストが記載されている。それがフレーバーテキスト(FT)である。
ゲームには影響しないもののマジックの世界をより深く知る事ができ、内容はカードの能力に関係する事から、古典文学、歴史考察、皮肉など様々。

例えばアーティファクト1つか土地1つを破壊する呪文である《破砕》なら「計画には数日。建設には数週。完成には数ヶ月。  破壊には数秒。」(ミラディン再録時)など。

FTにはその他、ストーリーの断片だったりとしてちゃんとマジックに関係しているものや、キャリアーサイクルのように一まとまりが複数枚にまたがるものもある。
「君がいたあらゆる場所*20」などの非常にポエミーな物もある。
その中でも《Now I Know My ABC's》の「The quick onyx goblin jumps over the lazy dwarf」とその非公式日本語訳「歴戦経る素早い黒小鬼、怠けドワアフ達をひらり。裃の鵺、棟誉めて夜露誘う」は両者ともにすべての文字(英語版はA-Z、日本語版はあ-ん)を使い切ったものであり、日本語版はマジックに関係ない書籍でも紹介された事がある。
ストーリーに関わるが、プレインズウォーカーには原則としてFTが書かれない。
というのも能力の関係でどうしてもカードテキストが圧迫されて書くスペースが無いという単純な理由だけど。

【ビデオゲーム】

紙媒体として誕生したゲームであるMtGだが、これまでに何度かビデオゲーム化している。
その内2020年9月現在まで継続的にアップデート、サポートが続けられているのは「Magic Online(MO)」と「MtG Arena(MtGA)」の二つ。
MtGAの登場以降、それまで「アナログ」と呼ばれていた実物でのゲームは「テーブルトップ」が正式名称となった。

MO は2002年からサービスが開始され、MtGに存在するほぼすべてのカードを網羅している老舗オンラインDCG。
基本無料ではあるが無料で出来ることがほぼ無く、 実物を使わない事しかテーブルトップと違わない と言っても良い環境。
大会参加費も徴収されるしパック買うのも有料。
しかし大会で上位に入賞するとパックを貰え、そのパックを大会参加費に当てる事も可能なため、理論上は初期投資以外の課金をせずにプレイし続ける事が出来る。
ただし2002年に誕生したという事もあってUI周りはかなり古臭く、また後発DCGのような派手な演出が無い質素そのものの仕上がりなため、プレイヤーの間では『MOはMtGのビデオゲームではなくシミュレーター』と評されがち。
それでも公認大会が頻繁に開催されており、MOから始めて現実の大会で優勝するにまで至ったプレイヤーもいるなど、未だに人気のあるタイトルである。
またMtGAの対応フォーマットがまだ少なく、カードプールも狭い事から、MtGAに無いそれを求めてMOを嗜むプレイヤーも少なくない。
ちなみに1セットに収録されているカードを基本土地含め全て揃えると、テーブルトップ版のカードに交換してくれるサービスもある。あくまでも交換なので、これを頼むとMO側からカードが消滅する上、英語版のカードにしか交換出来ない。全てをFoilで揃えていると、交換後のカードも全Foilで来るんだとか。
また交換には期限があるので、ミラディンの傷跡を2020年に全部揃えた所で交換は不能。

MtGA は近年のDCGに合わせる形で作られており、収録されているカードの範囲は2020年10月時点でもパイオニアより狭いながら、神話レア(+一部のレア)の登場や能力にエフェクトが付いたり、ターンの進行をある程度自動化できたりなど、シミュレーターと揶揄されるMOに比べて相当グラフィカルであり、また遊びやすい。
しかし無課金プレイの容易なDCGの避けられぬ性かはたまた手軽にできるばかりに短時間で遊びたいという需要からか、MtGのトーナメントシーンで基本となるサイドボード有・2勝先取のマッチ戦(BO3)よりも、一般的なDCGで主流の1本勝負なメイン戦(BO1)がMtGAでも主流になっており、メイン戦で強いデッキが幅を利かせるという差異もあったりする。もちろんBO3もフルサポートされているが、サイドボーディングの奥深さを味わえないBO1に押され気味なのはもったいないとの声も一部からは聞こえる。
将来的にはMtGAを使った大規模な大会も予定されており、MOと並行して展開される予定。
言語周りのバグが日本語に多かったり、連続長時間プレイでエラー終了しやすかったり、何かとこれからが気になる、MtGAの明日は如何に。

【メディア展開】

コロコロコミック連載の漫画『デュエル・マスターズ』は当初、このMtGを題材とした漫画 だった 事は有名。
またほぼ同時期にはホビージャパンで『デュエルファイター刃』が連載されており、MtG漫画と言われて上記2作を思い浮かべるプレイヤーは少なくないはず。
現在は少年エースで1990年代後期の日本が舞台のMtG漫画『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』が、コロコロアニキで2018年秋号から「もしデュエマがMtGを題材とし続けたままだったら」というifを描いたギャグ漫画『切札勝舞はマジック・ザ・ギャザリングを使いつづける』が連載されている。
また、アニメシリーズがNetfilxで配信予定。製作総指揮はアベンジャーズシリーズでおなじみのルッソ兄弟が手掛ける。

【その他】

MtGはリチャード・ガーフィールドらがボードゲーム『コズミック・エンカウンター』に影響を受けて開発したものであり、そのゲームの「ルールを超越する特殊能力」、「拡張セットによるルールや特殊能力の拡張」などをトレーディングカードに掛け合わせるような形でデザインされている。

また、カード自体も元々は同社のTRPG『DECKMASTER』の、ゲーム中の処理のダイスに代わる解決手段となるサプライであり、裏面の『DECKMASTER』はその名残である。
その方向から見れば、MtGは簡易的なTRPGと言えるだろう。

先述したようにプレイヤーは比較的社会人が多い為、初心者の質問にも快く答えてくれる事が多い。
その年齢層の高さもかえって参入障壁を一層高くしていたりするのだが。


世界にはカリスマ・プレイヤーやプロギャザリングプレイヤーも存在し
カリスマ過ぎてスライシュナイダーポックス、ヤソコンの様にプレイヤーの名前を冠するデッキ(タイプ)もある。
更にポイント制の「プロツアー」制度があり、ランクを上げていくと大会に出るだけでギャラがもらえるため、上り詰められれば専業で飯を食える世界である。
プロの中には日本人もおり、
黒が好きすぎて、(周囲から勝手に)組長として称された 藤田憲一
プレイヤー初の禁止カードにされてしまったあずにゃん大好き 渡辺雄也 や、
クリーチャー嫌いの悪魔のデッキビルダー 八十岡翔太 など、個性豊かすぎるメンツが大勢いる。
以前は日本人詐欺(公式コラムに「国籍が不明になりつつある」とまで書かれた)、現在は引退詐欺でプロツアートップ8に入ってた殿堂入り詐欺師 中村修平 なんかも(主に日本国外で)有名。


また、スクウェア・エニックスのアーケードカードゲーム『LORD of VERMILIONⅡ』には10体のクリーチャーが(イラストはそのままに)参戦しており、3D化したクリーチャー達がボイス入りで『対抗呪文』、『踏み荒らし』、『残酷な根本原理』等を使用するのはファン必見である。
なお、PWが元のカードは名前の「プレインズウォーカー」が省かれており、例えば元イラストが『プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス』のものでも、カード名は単に『ニコル・ボーラス』となっている。
そして四半世紀超えの歴史を有するだけあってMtG側でのコラボも少なくなく、銀枠ではD&D((2021年発売予定のセットでもコラボを予定しており、ゼンディカーの夜明け初出のメカニズム『パーティー』はその一環として登場している。))やトランスフォーマー、マイリトルポニーなど、黒枠でもあの怪獣王とコラボしている。あとモチーフ程度だがシャークネードやキングコングなどとも


WotC社とタカラトミーが製作したTCG『デュエル・マスターズ』は、そんなMtGを低年齢層(主に小学生)向けに簡略化して製作されたものであり、マナや召喚酔いなど、MtGの用語とギミックを一部取り入れている。WotC社の登録商標であるタップ、アンタップなどの語を用いているのもWotC社が関与しているため。
その経緯からデュエマ側はMtGを 「兄貴分」 としており、あるエキスパンションではプレインズウォーカーなど一部のMtGのカードがデュエマに参戦した。
逆にデュエマ側のギミックがMtGに導入されることもあり、 デュエマのぶっ飛び要素だったサイキック(両面カード)やGリンク(合体カード)の採用決定 に度肝を抜いたプレイヤーも少なくないはず(Gリンクは実際にはMtGのジョークエキスパンションが一番の発端なんだけどね)。



追記、変更よろしくお願いします。

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