ハーメルの悲劇

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ハーメルの悲劇 - (2017/08/25 (金) 18:33:03) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/02/12(日) 22:51:23
更新日:2023/09/09 Sat 16:44:04
所要時間:約 4 分で読めます




『英雄伝説 空の軌跡』シリーズにおける、歴史から抹消された“ある事件”の通称。
シリーズ第一作であるFC本編の10年前に発生しているが、その存在と真相が明かされるのは続編でのこととなる。


以下、ネタバレのため注意。










空の軌跡の舞台であるリベール王国は、巨大国家エレボニア帝国の南に隣接している。
先述した事件は、帝国の南部地域(おそらくはサザーラント州)、つまりリベールとの国境付近にあるハーメル村にて起きた。その概要は、突如として現れた武装集団による一方的な虐殺である。
住人は殆どが殺害され、女性は死ぬまでの間に性的暴行を受けた痕跡すら見受けられたという。


事件後の帝国の調査により、襲撃者たちはリベール王国軍制式の導力銃を使用していたことが判明。帝国はこれを理由にリベールに宣戦布告、報復として侵略を開始した。
これが後に『百日戦役』と呼ばれる戦争の幕開けである。


……が、事はそれで終わりではなかった。戦役末期、帝国・リベール両国の上層部に

ハーメル村襲撃は、帝国の主戦派が侵略の口実を作るために起こした自演行為だった

という事実が明らかとなったのである。


帝国側はこれに大いに慌て、先の陰謀に関わった者たちを即座に処刑。さらにリベールに対し、「ハーメルでの事件を公にしないと約束すれば、軍をリベールから撤退させる」と極秘に申し入れた。

どちらも形振り構わない、特に後者は恥知らずな手ではあったが、帝国にとっては国際的な信用を保つ為に仕方の無いことでもあった。


リベール王国女王アリシアはその申し出を受け、百日戦役は終結を迎える。同時期、奇しくもリベール側がカシウス・ブライトの軍略で戦況を覆し始めていたことが、帝国軍の撤退を自然な物として演出した。
しかしアリシアは、この選択に対する後悔を現在も抱き続けている。
自国の安全のためには仕方なかったとはいえ、罪無き村への非道に口を噤まねばならなかったためである。


なお、現在のハーメル村は「自然災害により」消滅したと発表され、周囲から厳重に隔絶されている。




以上が国家規模で見た事件の概要。
以下はその裏で起きた小さな出来事(未プレイならブラウザバック!)。














ハーメル村に暮らしていた人々のなかには、仲のいい三人の若者がいた。
正義感を胸に剣技を磨き遊撃士を目指す青年レオンハルト(『レーヴェ』の愛称でも呼ばれる)と、その恋人であるカリン・アストレイ
そして女性の弟である、優しい姉と彼女のハーモニカ演奏が好きな幼い少年ヨシュア・アストレイの三人である。


襲撃事件で少年は、家族や友人が容赦なく殺される地獄の中で姉までも喪い、さらに護身の為とはいえ自身も人を殺めてしまう。
青年と共に数少ない生存者となるも、後に襲撃が自国の手によるものだと知ったことは更なる追い討ちとなり、遂に少年の心は壊れてしまった。


それ以降、少年は言葉を失い、飲まず喰わずで姉の遺したハーモニカを吹くだけの日々を送る。
日に日に衰弱していく少年を青年は懸命に世話するが、青年には何も手立てが無い。


そんな二人の前にある日、“魔法使い”を名乗る男が現れる。男は青年に「少年の心を治してあげよう」と持ちかけた。



「ただし、代償は支払ってもらうよ」


青年は魔法使いに少年を預けた。青年自身も世界の欺瞞を憎んだ果てに魔法使いの属する『結社』に身を投じ、後に『剣帝』の称号を得ることとなる。
少年は魔法使いの手で内面を好き勝手に作り変えられ、作り物の人格を得た代わりに様々な殺しの技術を仕込まれていく。
やがて、少年はかつての穏やかな性格からは想像も付かない人間兵器へと変貌。数多くの人命を奪った果てに、少年もまた『漆黒の牙』という特殊な称号を持つに至った。








そして事件から5年後、つまり本編の5年前。
少年はリベールに出向いてのカシウス・ブライト暗殺任務を命じられ、敗北。
任務に失敗した少年は『結社』の手の者に始末されそうになるが、よりにもよってカシウスの手によりその命を救われ、『結社』から解放されるという一大転機を迎える。
少年がブライト家の養子ヨシュア・ブライトとなり、カシウスの娘エステル・ブライトと出会う瞬間である。


ヨシュアはこれより5年間、FCの物語を終えるまでエステルと共にあり続け、少しずつ人間らしい感情を育てていくこととなる。
「『結社』がらみで自分という存在が迷惑をかけた時は姿を消す」とカシウスに誓いを立てながら。







以下、更なる真相(ネタバレ注意)













先述した帝国の主戦派についてだが、彼らを唆してハーメル村を襲撃させたのは“魔法使い”本人である
教授マジ外道。


以下、更なる真相






実はこの事件の裏には帝国にて恐れられる《鉄血宰相》ギリアス・オズボーンが一枚噛んでいるらしい。
以前から空の軌跡時代から設定集にてその事が示唆されていたが、最新作の閃の軌跡Ⅱにて遂に触り程度だが語られた。

サラ教官ヴィータ曰わく結社との水面下にて交わされた取り引きの一つで、『ハーメルの後始末』との事。
詳しい詳細は不明だが、オズボーンが変貌したと言われる時期がちょうど『ハーメルの悲劇』と一致する事から何らかの関わりがあるのでは推測するファンは多い。
スタッフからは帝国編の続編でハーメルについて触れる予定があると語っているが……


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