登録日:2011/05/11 (水) 00:01:46
更新日:2024/01/03 Wed 23:35:24
所要時間:約 3 分で読めます
~ねぎを植えた人~
これはまだ、人々がねぎを食べていなかった頃のお話。
昔々、人々はねぎを食べていませんでした。そもそも、ねぎというものを知らない人も多かったのです。
その頃の人々は、よく人間を食べていました。
というのは、例え家族や友人といった親しい人であっても、人々は人間がとても美味しそうな牛に見えていたからです。
そんな人々がまだねぎを食べていなかったある日。
牛と間違え、兄弟を食べてしまった若い男が呟きました。
男は何処かに人が人に見える国があるはずだ、とそんな国を探して旅に出ました。
山を、谷を、長い長い道のりを越えるうち、季節が幾度も巡りました。若かった男も、いつの間にか髪に白髪が混じる歳になっていました。
そんなある日。
男は、遂に探し求めていた国を見つけ出したのでした。そこでは人々はちゃんと牛と人とを識別し、仲睦まじく暮らしておりました。
男はそこの長に尋ねます。
「なぜこの国では、人と牛とを識別できているのですか?」
「フェッフェッ、旅のお方や、それはねぎのお陰じゃよ」
「どれ、畑に来てみなされ。ここにあるのがねぎですじゃ」
見ると、畑には今まで男が見たこともなかった植物がたくさん植えられています。
「That's right.昔はワシらも人が牛に見えとったのじゃが、このねぎを食べてからというものちゃんと人が人に見えるようになってな。
そうじゃ、旅のお方にもねぎの種を分けて差し上げよう」
ねぎの種を分けてもらった男は嬉しくてたまりません。
これで人が人を食べる事もなくなる! そう思うと帰りの足取りも軽く、男はあっという間に村へ帰り着きました。
村に戻った男は、早速畑にねぎの種を撒きました。
それを済ませると、せっかく久しぶりに村に戻ったのだからと友人の家を訪ねる事にしました。どうせなら、ついでにねぎの話も聞かせてあげようと思ったのです。
男は食べられてしまいました。
それからしばらく経った日の事です。村人は畑に、見慣れない植物がたくさん生えているのを見つけました。
試しに食べてみると、今まで食べた事のないような味と共に、目から涙が溢れてきました。
気が付くと、ねぎの刺激で出た涙で目が清められた人々は人を人として見る事ができるようになっていました。
それからというもの、人々は幸せに仲良く暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
余談
日本と韓国の偏見を解消しようと日本で『朝鮮民謡集』(1929年)などを翻訳出版したりと朝鮮の文化を周知する活動をしてきた韓国人の詩人・金素雲は
1952年にローマで開かれた国際ペンクラブ大会に出席後、東京に立ち寄りそこで朝日新聞から最近の韓国事情についてインタビューを受けて
飾ることなく韓国のありのままの現状を述べる。
だが それが逆に大韓民国国政広報処の逆鱗に触れた!
駐日本韓国代表部によって彼のパスポートは没収されてしまう。
帰国不可能になり日本で暮らすことになった彼が、収録した34篇の民話からこれを表題に選んだ『ねぎをうえた人 朝鮮民話集』を日本で出したのは翌1953年のことであった。
追記・修正をした男は、
食べられてしまいました。
- なにこれひどいwww -- 名無しさん (2013-10-03 00:58:34)
- 男の思いが無駄にならなかっただけマシ…なのか? -- 名無しさん (2014-02-24 14:36:44)
- なるほど、わからん。ていうか、ネギを食べたことのない朝鮮人は人を食べるのかよ…。怖い。 -- 名無しさん (2015-01-19 21:10:59)
- まるで世にも奇妙な物語のお話を見ている気分だ -- ( ̄ー ̄) (2015-09-20 23:12:42)
- うん。……うん? -- 名無しさん (2015-09-21 03:51:51)
- えーっと……。それまで結婚とか子供はどうやって作ってたんだ。まさか獣姦覚悟で -- 名無しさん (2016-10-30 14:18:34)
- ↑ 無性生殖だよきっと。だから謎の呪い(?)もずっと継承されてたのさ -- 名無しさん (2017-04-17 14:59:07)
- 朝鮮民話面白すぎるwwww -- 名無しさん (2017-04-22 20:52:33)
- ネギ農家のステマだったのか、作者がよほどネギ好きだったのか -- 名無しさん (2017-12-10 02:05:24)
- 主人公の男にそれが理解できる時点で破綻してる気がする>そこでは人々はちゃんと牛と人とを識別し、仲睦まじく暮らしておりました -- 名無しさん (2017-12-21 09:28:39)