登録日:2010/09/19(日) 14:09:16
更新日:2024/04/19 Fri 11:01:21
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十人のインディアンの少年が食事に出かけた。
一人が喉を詰まらせて、九人になった。
九人のインディアンの少年が遅くまで起きていた。
一人が寝過ごして、八人になった。
八人のインディアンの少年がデヴォンを旅していた。
一人がそこに残って、七人になった。
七人のインディアンの少年が薪を割っていた。
一人が自分を二つに割って、六人になった。
六人のインディアンの少年が蜂の巣を悪戯していた。
蜂が一人を刺して、五人になった。
五人のインディアンの少年が法律に夢中になった。
一人が大法院に入って、四人になった。
四人のインディアンの少年が海に出掛けた。
一人が
燻製のにしんにのまれ、
三人になった。
三人のインディアンの少年が動物園を歩いていた。
大熊が一人を抱きしめ、二人になった。
二人のインディアンの少年が日向に座った。
一人が陽に焼かれて、一人になった。
一人のインディアンの少年が後に残された。
彼が首をくくり、後には誰もいなくなった。
※本によって和訳に違いがある場合があります。
―――私にとって、これが「こんな作品が書きたい」という目標であることはいつまでも変わらないだろう。
"そして誰もいなくなった"は、小説家アガサ・クリスティの書いた推理小説である。
舞台は陸から1マイル程度離れた孤島、「インディアン島」に建てられた洋館であり、
「孤島の洋館で起こる連続殺人事件」と言われて、この作品を連想する人は少なくないと思われる。
ちなみに、発表当時の原題は「Ten Little Niggers (10人の小さな黒人)」という、表現的に危ないものであったため、後に「And Then There Were None (そして誰もいなくなった)」に改題された。
なお、冒頭の童謡の歌詞や島の名前も「Nigger」だったが、上記の通り「Indian」に変更されている。
また、最近では「Indian」も差別用語とする見解があることから、童謡のその部分が「Soldiers」に変えてあるものもあるとか。
〈ストーリー〉
互いに関係の無い十人の男女が様々な理由で、オーエン夫妻が住んでいるという孤島「インディアン島」に招かれる。
しかしそこにオーエン夫妻の姿はなく、そのまま夜になり夕食を済ませた時、どこからともなく客達の過去の犯罪を告白してゆく声が部屋中に響いた。
そこから一人、また一人と童謡に沿って殺されていく……。
果たして犯人は誰なのか? そして犯人の目的は……?
〈登場人物〉
〇ローレンス・ウォーグレイヴ
元判事の老人。有罪判決の多さから、"首吊り判事"と一部では呼ばれている。
インディアン島へは旧友の女性に招かれたことになっている。
〇ヴェラ・クレイソーン
秘書と家庭教師を職業とする女性。
秘書としてオーエン夫妻に雇われる事になっていた。
〇フィリップ・ロンバート
元陸軍大尉。
モリスと言う男の依頼でインディアン島へ赴く。
〇エミリー・ブレント
信仰の強い老婆。
何でもかんでも自分が正しいと思い込んでいる(それ故にターゲットに選ばれることになったのだが)。
避暑地のホテルで知り合った人物に招かれたことになっていた。
〇マカーサー
退役した老将軍。
GHQの最高司令官とは何の関係もない。
旧友が来るから、と招かれた。
〇
アームストロング
医者。
黒船に搭載されてた大砲や、某筋肉錬金術師とは何の関係もな(ry
オーエン婦人の診察を頼まれていた。
〇アンソニー・マーストン
遊び好きの若いあんちゃん。
いきなりアームストロングの車と事故りそうになった。
友人から電報が来たらしい。
〇ウィリアム・ヘンリー・ブロア
元警部。
オーエン氏に来客者を見張るよう頼まれていた。
〇トマス・ロジャース
1週間前にオーエン夫妻に雇われた執事。
〇エセル・ロジャース
トマスの妻でコック。
〇オーエン夫妻
彼らを招いた富豪。
夫はユリック・ノーマン(
Ulick・
Norman)、妻はユナ・ナンシー(
Una・
Nancy)で、どちらとも
U.N.オーエンとなる。
※以下真相を暴く為のヒント的なもの(微妙にネタバレ注意)
"燻製のにしん"とは、「注意を他の事にそらす」という意味で使う時がある。
なお戯曲化された際には結末が異なっている他、ゲーム化もされている。
また名作であるためパロディも多く存在している。
一人のWiki篭りが後に残された。
彼が追記・修正をし、後には誰もいなくなった。
- この話の凄い所は密室状態で登場人物が犯人も含めて全員死亡している点。
真犯人がどんなタイミングで、どのような形で死んだかがポイントです。 -- 滋味 (2013-11-14 19:00:57)
- U.N.OwenはUNKNOWNにつながると書かなきゃ片手落ちじゃないかな。 それとSAWの元ネタだな。 -- 名無しさん (2013-12-10 04:13:04)
- 東方のunオーエンは彼女なのか?の元ネタですね。 -- ましろ (2014-02-24 22:41:29)
- 推理小説としては荒唐無稽なのだが、心理描写がうまくできていてオリエント急行などと比べると同じ作者とは思えない説得力のある出来になっている。 -- 名無しさん (2014-04-19 21:46:50)
- おーい、エスカルゴーン! -- 名無しさん (2014-05-24 21:06:19)
- うみねこの元ネタでもあるよね。偉大なミステリーだ -- 名無しさん (2014-05-24 21:13:46)
- そして誰もいらなくなった -- 名無しさん (2014-05-24 21:17:28)
- ↑おっちゃん乙 -- 名無しさん (2014-05-24 22:06:18)
- 舞台版ではたしかハッピーエンドになってるんだよね -- 名無しさん (2014-10-13 21:30:02)
- 最後の一人は結婚したバージョンなら知ってるな -- 名無しさん (2014-10-27 20:37:09)
- 怪奇大作戦の「死神の子守唄」の元ネタ? -- 名無しさん (2014-10-27 21:13:41)
- インディアンのお話、生存者が3人いる様な・・・?(寝過ごした人、デヴォンに居残った人、大法院に行った人) -- 名無しさん (2015-01-12 00:35:10)
- 何故カービィのタグが… -- 名無しさん (2015-03-10 15:23:20)
- ヤクルトやめーやww -- 名無しさん (2016-09-17 10:04:32)
- 展開や衝撃のオチはすごく良かったんだけど、あえて粗を探すなら、魅力的なキャラクターや共感できるキャラクターが一人も居ないところだな。自分の中では、ミス・マープル・シリーズの方がちょっと上かな。 -- 名無しさん (2016-09-17 14:36:34)
- クローズドサークルはこれが嚆矢なん? -- 名無しさん (2016-12-16 01:38:47)
- これの日本版ドラマに出演したのが最期だったとは…渡瀬さん、謹んで哀悼の意を表します。 -- 名無しさん (2017-03-17 15:19:33)
- 一人が自分を2つに割って8人に増えたのかと思った -- 名無しさん (2017-03-24 14:58:25)
- きっと俺はミステリー読むのに向いてないと前置きした上で言いたい、なんの縁もなく怪しい招待状なんかにノコノコ行くなよ!と -- 名無しさん (2017-03-24 15:13:32)
- ドラマよくできているんじゃね -- 名無しさん (2017-03-25 23:08:14)
- ドラマ見てたら「あれ、最後刑事が解決するんだぁ」って思ったんだけど、原作でもそうなの?当事者たちだけで事件を完結させてほしかったというか・・・ -- 名無しさん (2017-03-25 23:18:26)
- ↑昔読んだうろ覚えだけど、原作はラストは警察が犯人の手記を見つけてそれで真相がわかる流れだったような -- 名無しさん (2017-03-25 23:31:53)