Fate/strange Fake

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Fate/strange Fake - (2017/06/12 (月) 19:38:17) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/06/21(日) 13:49:45
更新日:2024/04/03 Wed 16:43:52
所要時間:約 23 分で読めます




Fate/stay night』の十数年後の偽りの聖杯戦争を描いたスピンオフ作品。
2016年5月現在、小説3巻、コミック2巻刊行。

原典は2008年に成田良悟のホームページに掲載されていたエイプリルフール企画二次創作『Fake/states night』。
2009年にTYPE-MOONエースVOL.2の小冊子付録「Fate/strange fake」として書籍化。『Fate/Zero』と共通の装丁。
さらに2014年に「Fate/strange Fake」と改題して成田良悟本人によって書籍刊行されることが発表された。
デザインに関しては森井しづき氏が小説版の挿絵・コミックス版の作画の両方を担当している。

余談ながら小説版は成田の根城である電撃文庫レーベルで、これはFate作品としては初の一般流通スタートとなる。
(Fate/Zeroや空の境界などは同人作品としての特殊な流通でスタートしており、一般書店では取り扱われなかった)


ストーリー

第五次聖杯戦争から数年後、アメリカ西部に位置する地スノーフィールドにて聖杯発現の予兆が見られた。
魔術協会の調査の結果、これは何者かがオリジナルの聖杯戦争の技術を模倣した「偽の聖杯戦争」であるらしい。
不完全な模倣ゆえにシステムには欠陥が存在し、在るはずのクラスが欠け、選ばれるはずのないサーヴァントが呼び出される。
そしてアメリカのとある国家機関の思惑により、都市の外からも多くの魔術師達が流れ込む…
本ストーリーは、そんな一触即発のスノーフィールドに一人の旅行者がやってくるところから始まる。
この聖杯戦争は「偽りの聖杯戦争」「真なる聖杯戦争」の二重構造となっており、最初に偽の聖杯戦争のサーヴァント6体を呼び出した状態でセイバー(偽にして真)を呼び出すことで『呼び水』とし、
残りの真の聖杯戦争のサーヴァント6体を召喚する計画であった。


登場人物

【マスター】

【偽の聖杯戦争】

  • 「プレイヤー」(Fake/states night版)
この架空のゲームの主人公。欠けたセイバーのクラスを補完する存在。
かつて、冬木市に住んでいた。
「エレベーターのある建物に入れない」
「時折、血塗れの女の子の幻影を見る」
という制約があり、5体の英霊と5本の令呪をもつ。
令呪を消費する事で1人の英霊を30分間召喚し使役出来る。
5人を6分間同時召喚というような分割も可能。
但し宝具を使用した場合は召喚時間が減る。
Fate/hollow ataraxia』のプロローグの怪談話に登場したAさん本人と思われる。


書籍化に伴い「プレイヤー」の代役となった人物その1。
沙条綾香そっくりの容姿の金髪の少女。
大人しめだが蝉菜マンションの一件から自分を無価値に思っているネガティブな性格。
偽と真の2つの聖杯戦争の架け橋としてセイバー召喚後に殺害される予定だったが、セイバーに命を救われる。
エルメロイ2世の教え子「沙条綾香」とは異なる存在であり、アヤカ本人の記憶も曖昧。
セイバーのポジティブな人格から色々なものを得ていくことになる。
メタ的には原典の「プレイヤー」から『蝉菜マンション』『複数のサーヴァントを使役(セイバーの能力として)』という要素を受け継いだキャラクター。名前もAyakaで『A氏』。


  • ティーネ・チェルク
偽アーチャーのマスター。
スノーフィールドの原住民たちを束ねる少女。
アーチャーを召喚した魔術師を殺害し、その令呪を奪取・再契約を果たす。
スノーフィールドの霊脈を利用した魔術を使用する。
彼女の扱う魔術は強力であり、その詠唱は無音にして一瞬。
ただしスノーフィールドから出ると一転し、魔術も一切使えないただの人へと成り下がってしまう。

ギルガメッシュを偉大な王として敬っており、その態度やティーネがまだ子供であることなどから、ギルガメッシュも割と好意的に接している。
主従と言うよりは王と臣下の関係であり、どこぞの優雅たれな人と違い裏もないので相性は抜群。不要になったからとはいえ彼から財宝を下賜されたことも。
一族の悲願として魔術師たちから土地を奪還することを目的としており、命も捨てる覚悟を持っているが、
それが「自分の意思」なのか「運命の濁流に押し流されたもの」なのか本人にも分かっておらず、それをギルガメッシュから指摘され悩んでいる。
他にもギルガメッシュの無駄に自信満々な言葉にも「よく分からないけど、本当に凄い人なんだ…」と純粋に敬意を抱いている。


  • フラット・エスカルドス
偽バーサーカーのマスター。
ロード・エルメロイⅡ世の研究室において、現役最古参にあたる弟子。馬鹿でアホの子。年齢は成人前後だが性格は子供っぽい。
性格は壊滅的に魔術師に向いていないが、その才能と技能はまさに天賦の才と言って良いレベルというややこしい魔術師。
人前で魔術を平然と使うなど、魔術師としての道徳が著しく欠落しており、なおかつ一切改善が見込まれない。

名家の出で、教師陣を上回る魔術の才能を持ち、入学当初は神童と呼ばれた…が、
その性格から数々の教授にたらいまわしを受け、最終的にエルメロイⅡ世の研究室に落ち着く。
数々の教授を軒並み胃痛でダウンさせた問題児っぷりにはエルメロイⅡ世も悩まされているが、
「一度引き受けたからには最後まで付き合う」という心意気で面倒を引き受け続けている。
本来なら卒業レベルの実力を持つが、致命的な性格面から卒業を見送られ続けている。

聖杯戦争にも「英雄を友達にできたらかっこいいから」という好奇心で参加した。
出自・性格・才能など全てにおいて第四次のウェイバーと対極に位置する青年で、エルメロイⅡ世とはしばしばどつき漫才をしている。
フラットの言動に血が上りすぎてエルメロイⅡ世が卒倒するのが、彼と同じくエルメロイⅡ世の教えを受ける女子生徒曰く「いつものこと」らしい辺り、その苦労がうかがい知れる。
ただ、フラット本人はエルメロイⅡ世を非常に慕っており、説教された時には自分が原因で忙しい彼の時間を割かせてしまったことを反省していた。
サーヴァントのバーサーカーとの関係は良好だが、彼の性格にバーサーカーの方も悩まされている。

Fate/Apocrypha』や『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』でも魔術協会側の人間として登場し、Fakeと変わらずの振る舞いを見せている。


  • ジェスター・カルトゥーレ
偽アサシンのマスター。
スノーフィールド郊外に別荘を持つ魔術師であり死徒。
「六連男装(弾装)」の異名を持ち、その魂をリボルバーのように入れ替える事によって体を6種類に変換し、使い分ける事ができる。
アサシンを召喚して早々に心臓をぶち抜かれたが、この能力のおかげで生き延びた。
退屈から、聖杯の力でORTを起こして世界を滅ぼそうと思い、聖杯戦争に参加するが、
アサシンの純粋な信仰心に感動し、それを打ち砕くためアサシンを付け狙うようになる。
感動するほどのアサシンの信仰心を「けがしつくしたい(『けがし』の部分には様々な字が当てられている)」
という願望を持っていることで察することが出来るが、かなりの性格破綻者である。

死徒としての実力もかなり高く、1mはあるコンクリートの破片をカノン砲でぶっ放したかのように射出したり、
パイルバンカーのような強烈な手刀を叩きこんだりと身体能力は高い。
死徒特有の「人類史の否定」により英霊に対して相性がいい。(サーヴァント自体ならまだしも宝具を持った人間などには非常に強い)
いわば「死徒>英霊>代行者>死徒」の三すくみ。
また魔力量も凄まじく、5体のサーヴァントを同時に使役できると本人は豪語している。

アサシンとの関係は最悪。
ジェスターは彼女を好いているがそれは上述の通り歪んだものであり、アサシンの方はジェスターの魔力で現界していることすら許せないほど嫌悪しており、可能な限り迅速に抹殺したいと思っている。
因みに六連男装と名がつく能力の通り、その正体はオンナノコ。


  • オーランド・リーヴ
偽キャスターのマスター。スノーフィールド市の警察署長。
警察の情報網を最大限に活用し、スノーフィールド市中の情報を掌握している。
警察官としての部下であり、魔術師としての弟子でもある直属の戦闘集団「二十八人の怪物(クラン・カラティン)」を率い、キャスターに全員分の宝具を造らせ、「人間による英霊の打倒」を目指す。
性格は堅物で、目的のためなら手段を選ばない冷酷なもの。
しかし目的以外での犠牲を嫌悪し、理由もなく民間人を巻き込む輩がいるなら真っ先に排除するべきだという考えも持つ。
彼が持つ宝具は日本刀で、2巻時点では最も真名解放に近いらしい。
また警察署自体を自身の魔術工房に改造しており、結界のほか使い魔を使った攻撃なども出来る。

キャスターとはマスターとサーヴァントとして特に問題のない関係を築いている。
一時は食事や女ばかり要求し不真面目なキャスターを見下していたが、彼が自分の知らない情報収集手段を持っていることを知ってからは猛省し、態度を改めてキャスターの力を評価している。
自由過ぎる彼の性格に頭を痛めるのは変わらないが。

今回の聖杯戦争の黒幕側の人間だが、同じく黒幕側のフランチェスカやファルデウスとは目的が違い、
必要ならば裏切るつもりであるし、向こうも裏切ってくるだろうと信用は全くしていない。


  • 繰丘椿(くるおか つばき)
偽ライダーのマスター。10歳の少女。
間桐の「蟲使い」の術を流用した両親によって、細菌を用いた魔術回路の増大を図られた。
しかしその細菌が脳内で暴走して意識不明となり、現在はスノーフィールド中央病院で入院中。
夢の中で「現実の光景を夢の中に投影する」という魔術を開花させる。
元々この夢には無生物以外が存在しなかったが、ライダーの能力によって徐々に住人が加えられることとなる。

本人には聖杯戦争に参加している自覚どころか悪気すら無いのだが、彼女が夢の中で何かを「まっくろさん」ことライダーに告げる度に、斜め上の方向に解釈したライダーにより現実世界が大変なことになっている。


  • 銀狼の合成獣
偽ランサーのマスター。触媒として造られた合成獣(キメラ)。わんこ。モフモフ。
触媒のはずが合成獣自体に令呪が宿ってしまい、創造主によって処分されかけたところでランサーを召喚する。
合成獣のため寿命が短いが、並の魔術師以上の魔術回路を保有する。
わんこなので聖杯への願いなどあるはずがなく、ランサーと一緒に森でのんびりしている。


【真の聖杯戦争】

  • ファルデウス・ディオランド
真アサシンのマスター。
偽りの聖杯戦争を設定した人物の一人。二十代半ばの青年。
魔術協会や聖堂教会より市民団体が怖いととぼける黒幕風公務員。
時計塔の人形師であるランガルの弟子として魔術協会にスパイ活動を行っていた。
第三次聖杯戦争に参加していた人形師の縁者で、人形を使い記憶を代々受け継いできた。
魔術世界に関する知識は豊富で、地の文によると裏の裏にまで精通しているらしい。
他には近代兵器を装備した私設軍隊を率いており、他人を殺害する時は専らこっちを利用している。
私立刑務所の裏の顔である監視施設を根城にしており、警察署長とは違った方面で優れた情報網を持つ。
黒幕側ではあるが不測の事態が多発しており、既に彼の予想とは大きく違った状況になっているので頭を痛めている。


  • フランチェスカ
真キャスターのマスター。
ゴシックロリータ風の衣装に身を包む、10代半ばほどの少女。
偽りの聖杯戦争の主催者側に身を置いている人外。
オーランドと手を組んでいるが彼を「若造」と呼び、彼からも「老害」と疎まれている。
服の下の肌には人間の歯のような物でできたファスナーがある。
享楽的な性格で不測の事態を期待しているようなふしがある。
正体はフランソワ・プレラーティ、ジルの親友である錬金術師その人。
型月恒例の女体化ではなく何度も殺されておりそのたびに何らかの方法で新しい肉体で復活して現代まで存在している。
長い年月を生きているためか物凄いところに顔が知られており、キシュアの御老体や享楽主義者のサンジェルマン、
悠久の時を生きた御伽の魔女やモナコの金持ち吸血種、ゴドーワード使いの先生傷んだ赤色といった、
知る人なら何の冗談だと言いたくなるような人物の名前を、自分をギャフンと言わせた人間としてあげている。


  • シグマ
書籍化に伴い「プレイヤー」の代役となった人物その2。
ウォッチャー(真ランサー枠)のマスター。
黒幕側に雇われた傭兵。
産まれてすぐに魔術的に肉体を弄られ、少年兵として育てられた。外見は若いが成長はしばらく止まっている。
と呼ぶべき女性も、衛宮切嗣という魔術師の助手として聖杯戦争に参戦していたという。
悲惨な境遇で育った故か感情が欠落している。
一方で、自分が周りと比べて少しおかしいと感じており、周囲は普通に持っている「自分の意志」に関心を抱いている。
聖杯にかける願いは考えておらず、敷いて言えば願望器を目の前にしたら自分がどのような行動に移るか知りたいと思っている程度
ウォッチャーからは、現在空席の「ランサー」になる存在と言われている。
メタ的には原典の「プレイヤー」から『無個性』『複数のサーヴァントと相談』『彼自身が英霊枠となる』という要素を受け継いだキャラクター。
作中での彼の「自分は『一般人A』でも『兵士A』でもなく『Σ』だ」というセリフは『A氏』にかかっている。


  • ハルリ
真バーサーカーのマスター。
政府に雇われた魔術師の一人。
異端の魔術系譜として追放された過去を持ち、神秘の隠匿を排して魔術の普遍化を目論んでいる。
「マズダ」なるものを使用して真バーサーカーを召喚する。
マズダとはとある宗教の最高神の名前の一部であり、ある発明家がその名を冠する電球を作ったりしている。


  • バズディロット・コーデリオン
真アーチャーのマスター。
政府に雇われた魔術師の一人。
多くの魔術師を擁するマフィア・スクラディオファミリーの忠実な幹部。
「機械に殺意だけが宿っている」と称されるほどの目をした危険人物。
魔術・体術ともに桁外れの戦闘能力を有している。
加えて、アトラムの魔術鉱石技術を盗用・改良して作った「電池」で膨大な魔力を補っている。
令呪3画と聖杯の『泥』で、真アーチャーにアヴェンジャーのクラスを付加した。


サーヴァント


  • セイバー(Fake/states night版)
欠番。主人公がこれに該当する。


  • セイバー(Fate/strange Fake版)
真名は獅子心王リチャード1世。
荘厳な装束を身にまとった若い金髪だがところどころ赤毛の混じった男。
約束や職務など騎士道を気に掛けるが、天然かつポジティブで現代の音楽や娯楽について興味津々。
諸事情によりマスターになってしまったアヤカに「黙って助けられてろ」という極度のおせっかい焼き。
召喚のオペラハウスが半壊してそれの弁償をするとテレビの前で宣言。
そのまま警察におとなしく逮捕されるなど突飛な行動をとる。(本人的な騎士道に従っている)

宝具は2つあり、一つは「永久に遠き勝利の剣(エクスカリバー)」。
手にしたものすべてを疑似エクスカリバーにする能力で、木の枝ですら可能。
(※アーサー王好きすぎて手に持てるものは日用品にすら「エクスカリバー」と名づけた逸話から)
もう一つは召喚時に縁のある英霊に呼び掛け、それに同意した魂を同行させる能力。
流石に現界させることはできないが、それぞれのスキルや魔術で手助けしてもらえる。
年代的にはイングランドがまだギリギリ神秘の世界であったころの最後の英雄である。
なお開催者はアルトリアを呼び出したかったが触媒の手違いからか、実際に召喚されたのは彼だった。


英雄王ギルガメッシュ。金ぴか。
当初はやる気がなく若返って片手間に済ませるつもりだったが、無二の友であるランサーが召喚された事を察知した途端かつてないノリを見せた。
どれぐらいやる気なのかと言うと、初戦でいきなり最強宝具の乖離剣を全力ブッパする程である。
自身を召喚した魔術師には心底うんざりした様子で接していたが、ティーネに対してはその臣下の礼と彼女がまだ子供であることから割と優しく接している。
やる気が出て必要ではなくなったからとはいえ、若返りの秘薬をティーネにぽいと下賜する辺り、子供に優しいのはそれがマスターでも変わらない様子。
今作でも王の財宝から様々な宝具を取り出している。


紳士的で性格の軽い、正体不明の英霊。
真名は不明だが、歴史上の名は『ジャック・ザ・リッパー』。
しかし、伝承が形を持っただけで切り裂きジャック本人ではない。
「誰も正体を知らない」の逆説で「どんな人物にでもなれる」スキルを持つ。
ただし、少女に変身しようとするとヘソと太腿が丸出しな黒い水着のような服装になってしまう。
今回の戦争では切り裂きジャック固有の狂気とクラス固有の狂気が干渉しあい、奇跡的にバーサーカーでありながら正気を保った人格を得た。
望みは「切り裂きジャックの正体を知ること」。
宝具は「悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて(フロム・ヘル)」と「其は惨劇の終焉に値せず(ナチュラルボーンキラーズ)」


ハサンと同じく暗殺教団に在籍していた、無銘の暗殺者。
褐色の肌の美女であり、ハサンの名を継げなかったために白い髑髏の仮面は着用していない。
実力はあるのだが「ハサン・サッバーハ」の名前を継いでいない無銘の暗殺者という点ではイレギュラーなサーヴァントであり、召喚者も困惑していた。
あまりの強い信仰心と克己心故の努力で過去に存在した十八人のハサンの奇跡(ザバーニーヤ)を全て修得している。
詳細は個別項目にて。


  • 偽キャスター
アレクサンドル・デュマ(大デュマ)。
やたらテンション高い兄ちゃん。呼吸をするように大言壮語や嘘を撒き散らす。
サーヴァントの能力として、オリジナル以上の能力を持った贋作宝具を生み出す事が出来る。
しかし本人はマスターと殴り合って負けるレベルの身体能力しかなく、どこかのホテルの一室で潜伏(という名の豪遊)している。
聖杯に望む願いは無く、周囲の人物が聖杯を求めることで生まれるドラマを楽しんでいる。
大体の発言が軽口だが、その辺は腐っても英霊。時々極めて重要な情報をマスターに伝えることもある。
また贋作宝具の作成の他に何らかの情報収集手段を持っているようで、本人はインターネットを使ったと言っているが、そんなものでは得られるはずがない情報も得ている。
マスターのことを兄弟と呼び、あちらが堅物なこともあり最初は若干軽蔑されていたが、能力の高さを認められ特に問題のない関係を結んでいる。

ちなみにアンデルセンとは生前からの友人関係、シェイクスピアとは彼のハムレットを観て劇作家を志したという間柄。


真名は病(ペイルライダー)。
恐らく過去最悪のサーヴァント。
「病気という概念」がサーヴァントという形を持った物で、姿は黒い影ののっぺらぼう。
黒死病、ある時はスペイン風邪とも呼ばれ、風に乗り、水に乗り、鳥に乗り、人に乗り、世界を制覇した『災厄』という名の騎手。
ヨハネ黙示録における病という災厄を擬人化したペイルライダーに由来する。
詳細は個別項目にて。


まるで人形のように中性的な雰囲気と美貌を持つ青年。獣の言葉を理解し、高度の「気配察知」スキルで水源やサーヴァントの存在を判別する。
実力も出鱈目で、ギルガメッシュと対等に渡り合えるレベル。
あまりにも可愛かったため本家のエイプリルフールネタ『戦車男』にも出演。
詳細は個別項目にて。


身長2メートル越えの細見の弓兵だが体全体に縦に柄付きの長布を覆いかぶせている。
弓一つでギルガメッシュと交戦して、雷撃の自動防御を突破し、王の財宝の数千丁の全力発射を防ぎ切った超技量の持ち主。
更に王の財宝の奥にある乖離剣エアの存在を見抜き、それを持ってようやく対等と言い放つほどの実力者。
ギルガメッシュの王の財宝を防ぎ切ったのは本人の技量もあるが装備している宝具、神獣もしくは魔獣の皮のおかげ。
(神獣、魔獣は人の文明そのものを拒絶する生物として人の道具すべてが効かない特性を持つ)
本来は高潔な大英雄なのだがマスターのバズディロット・コーデリオンの魔術と令呪三画の重ね掛けにより。
暗黒面がおしだされオルタ化し、なかばアヴェンジャー化している。
そのため敵対勢力とはいえ本来ならやらないような幼子(ティーネ)狙いの攻撃もしている。


  • 真ライダー
真名はヒッポリュテ。
10代後半の少女で馬に騎乗している。
ギリシャ神話のアマゾネスの女王にして真アーチャーと生前からの因縁の持ち主。
さらに真アーチャーの持っている布と全く同じ布の宝具を所有している。
オルタ化している真アーチャーの変わりように義憤し、かなわないと知りつつも戦いを挑む。


  • 真アサシン
真名はハサン・サッバーハ。過去に存在した十九人のハサンの一人……のハズ。
ファルデウスが新たに召喚したサーヴァント。
影灯篭というスキルにより影そのものと同化している。
気配遮断EXで攻撃に転じても気配遮断A+というハサン界にあらわれたチート新星。
マスターに対して「人を殺めるに足るだけの信念を持っているか」ということに拘っている。


  • 真キャスター
フランソワ・プレラーティ。
フランチェスカそっくりの少年の姿をしたサーヴァント。というか本人。
どこぞの弓兵のようにまさかの自分自身を英霊として召喚。
「最初に死んだ時点」をベースに英霊化しており、現在のフランチェスカよりもやや知識が少ない。
土地そのものを騙すほどの強力な幻術を使用する。


  • 真バーサーカー
真名不明。
黒魔術師ハルリに召喚されたサーヴァント。
4本足の蜘蛛、もしくは異形の獅子のような外見をしている。
魔力の代わりに、電力をエネルギーに現界できる能力を持つ。
ニコラ・テスラと因縁があり、キャスターの適性も持っているらしい。
獅子を模した風貌といい、電気を自在に操れる所といい、キャスター適正といい、ニコラとの因縁といい、遠い未来でカルデアのマスターに使役される事になるとあるキャスターを思わせるが…。


  • 番人(ウォッチャー)
シグマに召喚されたエクストラクラスのサーヴァント。本来はランサー
ただし、当人は召喚されたのではなく脱獄囚と語っている。
姿は不定で、片足の船長、絡繰り仕掛けの翼を持つ少年、蛇が絡んだ杖の使い手などがある。
戦闘力も宝具も持たない代わりに全てのサーヴァントを「監視」する力を持つ。



【その他の人物】

  • ロード・エルメロイⅡ世
本名はウェイバー・ベルベット
Zero』で相棒だったイスカンダルの影響で趣味となったTVゲームを未だに続けている。
『氷室の天地』に登場した、アカウント名『ロンドン☆スター』ではないかと言われていたが、
本作では「勝手にアカウント名をそれに登録された」ことが明かされており、同一人物とされている。
彼が日本のゲーム会社に出したアンケート葉書が抽選に当たり、届いた景品のナイフを自分の為に用意してくれた物と勝手に思い込んだフラットに持ち出され、
バーサーカー召喚の触媒にされた。
ちなみに、彼自身も過去にからサーヴァント召喚の触媒を無断で拝借している事を考えると因果は廻ると言った所か。
本作は何かと胃が痛むような事態に見舞われる(だいたいフラットのせい)。


  • ランガル
魔術協会の魔術師。
偵察に優れた人形師で、常に姿を現さずに人形を介してコミュニケーションをとる。
普段は人形の動作をカムフラージュするために老人型人形をもちいて各種人形を使役している。
魔術協会の指示による偽の聖杯戦争の下調べ中に、ファルデウスらに偵察用人形を破壊される。
裏切られて以降はスパイへの警戒を強め既存の人形を使わず、急ごしらえのカカシじみた人形で助手を従えて活動する。
現代の技術に詳しくない典型的な時計塔講師で、インターネットなどを魔術の一種と勘違いしたり可愛い面も。


  • フィリア
「プレイヤー」をスノーフィールドへと差し向けた「白い女」。
アインツベルン出身のホムンクルスだが、現在は決別してでも何かを成そうとしている。
英霊以上の力を持つ『女神』の器になってしまうという特級のイレギュラーと化す。


  • ハンザ・セルバンテス
聖堂教会の代行者でありこの聖杯戦争の監督役として派遣された。
型月作品ではよくある「山育ち」であり、その例に洩れず彼自身も凄まじい戦闘能力を有している。
山育ちで培われた身体能力に加え、武闘派のデルミオ神父に鍛えられた体術により高い格闘能力を持ち、さらに体の七割を聖別済み義体へ交換したサイボーグ神父であり、明らかに人間を止めた挙動やギミックが多数仕込まれている。
代行者であるため死徒に対して有利な装備・戦法を持つ。


  • 獅子劫界離
Fate/Apocrypha」に登場したマスターの一人で本作には名前のみの登場。
オーランド・リーヴに依頼されある物を届ける。
「噂通りの仕事の速さ」「出来れば身内のマスターに引き入れたかった程」と賞賛されるあたり、こっちの世界でも優秀な魔術師のようだ。



舞台:スノーフィールド

アメリカ大陸西部の架空の都市。ラスベガスからやや北の位置に存在する。現在の人口は約80万人。
都市を中心に、北には広大な渓谷、西には森、東には湖沼地帯、南には砂漠地帯が広がり異様なバランスをとっている。
記録によれば20世紀初頭までは先住民族が住むだけの土地であったが、70年ほど前から急激な発展を遂げ、都市の姿をとった。
その影には政府やスクラディオファミリーによる介入があったとされている。


余談

一部の設定は奈須きのこが監修し、エルキドゥとアサシンについてはきのこが特に詳しい設定の説明をしたらしい。
文庫版のあとがきでは成田氏を武内崇氏と共に奈須氏が呼び出したところ、「怒られると思っていたのに続き書いていいんですね! ヤッター!」という喜びと共に、
「とりあえず5巻分くらいのプロットあるんですけど」とどこかのZero作家のようにドサっとプロットを渡され、
武内氏と共にドン引きしたというエピソードが明かされている。
ちなみにFateシリーズや型月作品のファンならニヤリとできる描写もあるので興味がある人は本作を読んでみてほしい

……そして今作だが、Fateシリーズの中でも特に戦闘力のインフレが凄まじい作品となっている。
作品発表の時点からして、本家チートのギルガメッシュにそれと対等のエルキドゥ、過去最悪のライダーであるペイルライダー、ZEROアサシン以外の全てのアサシンの宝具を使えるハサン候補など、
ぶっ飛んだレベルの鯖が多かったのだが……

いざ蓋を開けてみると、実際にとんでもない様相だった。

まず1巻の時点で、ギルガメッシュとエルキドゥが本気で互角のタイマンを開幕初戦で行い周囲の砂漠を半径云kmに渡りガラス化させるという
暴挙をやらかし、それだけでも読者の度肝が抜かれてしまったのだが……
次いでの2巻では、死徒vsYAMASODACHIで八極拳を使うサイボーグ代行者という大激戦が勃発。
更には気配遮断EX持ちの真アサシン、ギルガメッシュの王の財宝を無傷で凌ぎ切り「弱い。エアを出してこい、それで対等だ」と信じられない挑発をぶちかました真アーチャー、
(上述したとおりギルガメッシュは今回の聖杯戦争に関しては相当乗り気であるため、エルキドゥ以外相手でも割と本気であるにも関わらず)
その真アーチャーを軽々と殴り飛ばす別サーヴァントが出現するという事態が起きてしてしまった。
この上でまだ姿を見せてなかったり宝具を見せてないサーヴァント達もいるので、なお勢いは加速しそうであるのが恐ろしいところ。
現時点最新の3巻では英霊以上の力を持つ『何か』がホムンクルスを器として召喚されるなどインフレが更に加速している。

作者曰く「チートvsチート」

一応成田本人もあんまりやりすぎると「ぼくのかんがえたさいきょうのサーヴァント(=メアリー・スー)」と揶揄されると思っていたようだが、
原作者である奈須きのこに「インフレだのはこっち(本編)がなんとかするから、そういうのにビビって縮こまったものを書くのは止めるんだボーイ!」等と発破をかけられたり、
エルキドゥなどのステータスを決める相談できのこ当人から「オールAで」などのインフレ気味な回答をされたりしたことで、現在のようなイレギュラーだらけの様相を呈しているらしい。

また、適当にインフレしているわけではなく、真アーチャーが最強のサーヴァントたるギルガメッシュとやりあえる理由などはきちんと考えられており、それを知れば読者も納得してもらえるんじゃないかなと語っている。
そして、そんな真アーチャーやペイルライダーにしても五次のあるサーヴァントと戦うと相性で全く歯が立たずに敗れる可能性があるらしく、帳尻もちゃんと考えているらしい。
(※ちなみに本作だけではなくFateシリーズ全般は相性によって勝負が左右されるパターンが多々ある)


追記、修正よろしく。

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