ASローマ

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ASローマ - (2014/06/07 (土) 11:54:13) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/07/23(土) 01:05:46
更新日:2023/02/25 Sat 10:47:27
所要時間:約 7 分で読めます




かつて、古代欧州を支配した一つの国があった。
最盛期には地中海沿岸全域に加え、ブリタニア、ダキア、メソポタミアを領地とし、シルクロードの西の起点となった。

その国の名はローマ。数多の皇帝に率いられ、全ての栄光を手に入れた最強の帝国。








そして現代。
90年代後半から00年代初頭にかけて、最盛期を迎えたイタリアのフットボールクラブがあった。
名をASローマというそのチームは、『ローマの王子様』フランチェスコ・トッティに導かれ、00-01シーズンにリーグ優勝を果たし名実共に強豪となった。
カルチョバブルの崩壊、フロントの混乱によって主力が他のクラブに流出しても、カルチョの強豪の地位は揺るがなかった。
借金まみれのチームは、満足な補強が出来ないながらも、トッティを中心に強い団結を見せ、戦い抜いたのだ。


そして11-12シーズン。
王子から王となったトッティの元に、有能な三人の副官が加わった。そして三人の副官は、王に新たな力をもたらす。
多大な資金と、強力なナイトと、そして新たな軍師を。
今、イタリア共和国の首都で、革命が起ころうとしている。









ASローマはイタリア、セリエAのフットボールクラブ。
かつて中田英寿が在籍し、日本でも高い知名度と人気を誇る。

スクデット:3回
コッパ・イタリア:9回
UEFAカップ:1回

を誇る、イタリアを代表する名門クラブである。

今シーズン、旧態依然としたイタリアのクラブの中で、外国資本を受け入れ、劇的に変わろうとしている唯一のクラブであり、ティフオージはそんなクラブにかつてない期待を抱いている。
そして声高に叫ぶのだ。

ローマの時代が再び来る、と……


それでは新シーズン、ジャッロロッソのユニフォームを纏うローマのナイト達を紹介しよう。



エリック・ラメラ

ミラン、インテル、バイエルンが獲得に動いた天才レフティー。17歳でアルゼンチン代表にデビューし、今年19歳となったばかりの若者は、世界的にはまだ無名だが、既にロマニスタは異様な期待を寄せる。若きファンタジスタはオリンピコを魅了出来るだろうか。


ボージャン・クルキッチ

新監督ルイス・エンリケの強い要望で獲得が実現した。
プレースタイルは生粋のストライカーだが、3トップ全員に多様性を求めるグアルディオラのバルサという環境下で、逆に伸び悩んでしまった印象だ。しかしまだ20歳。新生ローマで、自身の価値を証明させたい。


ガブリエル・エインセ

レアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッドでプレーしたベテランのDF。不安定なDF陣のリーダーとして期待される。センターバック、サイドバックをハイレベルでこなすマルチロールさをどこまでチーム力に還元出来るか。


ルイス・エンリケ

新生ローマの指揮官てして白羽の矢が立ったのは、かつてバルサで一時代を築いた万能型MF。
スペクタクルな攻撃的サッカーをオリンピコで披露すると公言。内容より結果が求められるカルチョの世界で、青年監督の過酷な挑戦が始まる。

ダニエレ・デ・ロッシ

今やトッティと並んでローマのシンボルとなったイタリア代表の万能型MF。
ハードタックルで攻撃の芽を摘み取り、展開し、自身も積極的にゴールを狙う。
モチベーションを失ったとの声、さらに移籍も噂されたが、資金と野心を持った新たなオーナーの元、再び戦う決意をした。
近い将来トッティからキャプテンマークを継ぐ男。


フランチェスコ・トッティ

長年、ASローマの看板を背負うファンタジスタ。
06-07シーズンにはセリエA得点王、さらにはゴールデンブーツを獲得。
10-11シーズンにはセリエA通算200ゴールも達成した生ける伝説、我らがカピターノ。

そんな彼も、今では一人で試合を支配する力はないかもしれない。
昔のように走れないし、相手を吹き飛ばすパワーもあまり見られなくなった。
それでもオリンピコのピッチに彼は立たなければならない。
彼は王なのだ。ASローマという国の。ロマニスタという国民の。
選手として残された時間はもう少ない。
今シーズン、11年ぶりのスクデット獲得に誰よりも意欲を燃やすのは、やはりこの男だ。


マルティン・スケテケレンブルク
間もなく正式発表されるであろうオランダ代表正GK。ここ数年で評価を上げ、野心に満ちたローマに加入。足元の技術に長けたこの男が攻撃的なローマのサッカーを後ろから支える。


【近年のローマ】
02-03シーズンに不振に喘いだチームは、03-04シーズンにミランと最後までスクデットを争う。
以降、2005年から2008年まで2位、09-10シーズンにも2位でフィニッシュ。国内で無双を続けるインテルの唯一対抗できるのライバルであり続けた。

スパレッティ政権下での05-06シーズンからは、トッティをCFの位置に置く戦術、『ゼロトップ』でセリエAのみならず、欧州を席巻。
CLでも05-06、06-07と連続でベスト8に入り、欧州での人気も上がっていった。

だが、00年代初頭に背負った多額の借金が長年チームの財政を苦しめ、毎年満足な補強が出来ないチームは、限界を迎えつつあった。


【今シーズンのローマ】
だからこそ、今シーズンのチームにティフオージは大きな期待を寄せるのだ。
冒頭で書いたキングを支える三人の副官……
新オーナーのトーマス・ディベネデット、ゼネラルディレクターのフランコ・バルディーニ、スポーツディレクターのワルテル・サバティーニ

この三人がチームを劇的に変えた。多額の資金を有能な頭脳が有効に使い優れた新戦力を確保する。
チームの底上げに成功したローマは、先に書いたような新戦力を獲得し、魅力的なスカッドを揃えた。しかも、これでまだ補強は終わっていない。
オランダ代表GKステケレンブルクの加入が決まり、移籍市場最終日にリヨンからボスニア代表のミレアム・ピアニッチ、レアル・マドリーからアルゼンチン代表のフェルナンド・ガゴ、ヴォルフスブルクからデンマーク代表のシモン・ケアーを駆け込みで獲得。
若手主体のチームに完全にシフトし、チームの方向性を明確にした。即ち、「今すぐに勝てるチーム」ではなく「若手を主体とした2〜3年後にタイトルを狙うチーム」である。

ここまで獲得した選手も、ラメラ(19歳)、ボージャン(20歳)、オスヴァルド(21歳)、ピアニッチ(21歳)、ケアー(22歳)、アンヘル(21歳)、とチームが若返りを進めていることが現れている。
移籍市場にてローマがここまで派手に動くのは久しぶりで、ゆえに新シーズンに対するファンの熱量も高い。

チーム内の空気もポジティブで、昨シーズン6位に終わったリーグ戦でのリベンジを、と選手達は息巻いている。

反面、今後も新加入選手が見込まれる攻撃陣の中で、移籍を志願する選手もいる。
ミルコ・ヴチニッチはトットナム・ホットスパーズへの移籍が濃厚で、ジェレミー・メネズはリーグアンのPSGに移籍が発表された。
新戦力が多いため、出来るだけ早く余剰戦力を整理し、新シーズンに臨みたい。
繰り返しになるが、チーム内、そしてロマニスタはポジティブな空気に包まれている。
来るべき新シーズン、ローマがどのような戦いを披露するか、注目してほしい。
また、同じローマに本拠地を置くラツィオとはチーム、サポーター共に極めてライバル意識が高い。
2チームの対戦は「デルビー・ロマーノ」としてイタリアのダービーマッチの中で最も白熱する試合として知られ、ミラノ・ダービーとともにシーズンの目玉とされている。 


ちなみに、ローマのクラブレコードであるリーグ11連勝(2005-2006シーズン、当時のセリエA新記録)とリーグ24戦無敗記録(2009-2010シーズン)は「デルビー・ロマーノ」で樹立された。







近年在籍したレジェンド達

ヴィンチェンツォ・モンテッラ
ヘリコプターの異名を持つストライカー。パスの受け方、シュートセンス、トラップの技術に長けており、小柄ながら機敏な動きとポジショニングでゴールを量産した。


ガブリエル・バティストゥータ
アルゼンチン史上最も偉大なストライカー。在籍した期間は短かったが、ゴールにぶち込む、ゴールをこじ開けるという表現がピッタリなパワフルなプレーで印象的なゴールを量産した。



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