&font(#6495ED){登録日}:2010/12/27 (月) 20:23:45 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 世をあまねく裁かるる御身が、 不正義を行いたまうか? ─創世記18章15節 #center(){&color(Blue){生者と死者の間に、分子レベルでの差異は無い}} #center(){&color(Blue){僕にとっては、全く興味の無い事象だよ}} &font(blue,b,18){Dr.マンハッタン} 「Dr.マンハッタン(Dr.MANHATTAN)」は、アラン・ムーア作、デイブ・ギボンズ画のアメリカンコミックス作品『ウォッチメン』の登場人物。 同作のシンボル的存在である。 事故により細胞レベルにまで原子分解された後に、自力で復活を遂げた世界で唯一の「超人」で、自らの意のままにあらゆる原子を分解、構成する能力を持つ。 その能力を応用し、物体や生命体を分解する事が出来る他、テレポーテーション、巨大化、分身(同時存在)、飛行、無からの物質の創造…等の能力を有する(全知では無いが実質的に全能で不滅の存在である)。 また、時間を一定方向の流れでしか感知出来ないマクロな視点の他の人間に対して、曖昧な在り方をする原子レベルのミクロの視点で世界を見ている。 この所為か過去、現在、未来に於て自らが同時に存在しているかの様な発言をしており、未来の姿を漠然と呟く姿は本作を象徴する場面の一つである。 【概要】 本名はジョン・オスターマン。(Jonathan Osterman/Jon Osterman) 1929年に時計職人の息子として生まれ、自身も父親に倣い時計職人となる事を目指していたが、アインシュタインが相対性理論を発表…。 時間すら絶対なものでは無い事が明らかにされ原爆が投下される世界となった事で、他ならぬ父親自身に時計職人になる道を閉ざされ原子物理学者の道へと進む事になる。 1958年博士号を獲得。 1959年5月にジーラ・フラット研究所に赴任し、同僚ジェイニー・スレーターと恋仲になる等、順風満帆な人生を送るかと思われたが、8月に事故により原子レベルに分解、塵すら残さずにこの世から消滅する。 …しかし、11月に歩く循環器系や一部に筋肉を残す骨格…と云った段階を経て復活。 1960年3月「スーパーマンは実在した、しかもそれはアメリカ人だった」との言葉と共にその存在を公表され、やがて「Dr.マンハッタン」(原爆開発計画の名前に由来する)のコードネームを授かるのである。 復活後は体毛の無い肉体から青い光を放っているが、これは崩壊する原子の高速で動く電子の放つ光の色である。 また、額のマークは水素の原子構造を顕している。 当初は、他のスーパーヒーローと同様にクライムバスターズの一員として暗黒街と戦っていたがケネディが暗殺され、ニクソンの時代へと移る中でDr.マンハッタンの能力は犯罪との戦いや先端技術の開発のみならず、より明確な抑止力…自らを生んだ核兵器や技術と同様の意味を持たされて行く事になる。 …1971年大統領命令によりベトナム戦争に介入…米国の勝利に終わる。 ベトコン達は地上に降りた「神」の姿に畏怖し、米軍と云うよりも彼自身に投降したと云う。 1976年ニクソン3期目の当選を果たす。 翌77年キーン条例が制定され、既に引退していたオジマンディアス以外のヒーローの自警行為が禁止され、政府の庇護下に置かれたDr.マンハッタン、エージェントとして非合法活動に従事して来たコメディアン以外のヒーローに引退が勧告される。 ロールシャッハは当然突っ撥ねたがな!! …コホン。 1980年ニクソン4期目の当選。 1984年ニクソン5期目の当選。 1985年…コメディアンが殺害される。 …そして、物語は始まる。 【関連人物】 ◆ローリー・ジュスペクツィク 恋人。 かつてのシルク・スペクターⅡ。 ◆ロールシャッハ ◆ナイトオウルⅡ世 ◆オジマンディアス ◆コメディアン クライムバスターズ(ウォッチメン)の仲間。 コメディアンとはベトナム戦争でも共闘している。 ◆ジェイニー・スレーター かつての恋人。 当時17歳のローリーとジョンが恋仲になった事で破局。 歳を取らず、自らを癌に冒した彼を憎んでいる。 ◆ウォリー・ウィーバー 研究所の元同僚。 1971年に34歳の若さで癌で死亡している。 ◆エドガー・W・ジャコビ かつてスーパーヴィラン、モーロックとしてクライムバスターズと戦った仇敵。 引退した現在は癌と戦いつつ静かな生活を送っている。 ◆ダグ・ロス 「ノヴァ・エクスプレス」の記者。 上記のDr.マンハッタンに関わりのある人物達の取材を行う。 【創造物】 『ウォッチメン』の物語は発表された1987年より更に溯った1985年と設定されている。 …しかし、作中のアメリカはニクソン政権下で保守層が無敵の力を持つ、現実をも超える覇権主義国家として描写されているのである。 ソ連は、Dr.マンハッタンの存在により埋められない戦力差に焦燥を募らせながら、やはり現実を超える軍拡を続け、 世界は劇中にピースマークと共にシンボルとなっている「終末時計」が真夜中(0時=核戦争勃発)まで、僅か10分前まで進んだ世界として描かれている。 しかし、Dr.マンハッタンが居る限りアメリカの勝利と繁栄は揺るがない歪な世界…。 …そんな、作中の米国ではDr.マンハッタンのもたらした技術による、現実の現代をも超える数々の新技術が登場している。 ▼完全無公害の電気自動車 ▼反重力飛行機 ▼高分子化による新しい素材の生地(※ロールシャッハが薄いゴムにインクの挟まった生地をマスクに利用) …等が登場している。 あっ〝ある人物〟が利用した ! テレポッドもね! ! 【余談】 アラン・ムーアと並び称されるライターにしてアーティストであるフランク・ミラーが前年に発表した『バットマン:ダークナイト・リターンズ』ではスーパーマンが存在を隠蔽されているとは云え、やはりDr.マンハッタンの様な役回り=「地上に繋がれた神」として登場して来る。 最大の抑止力が戦力の不均衡を招き、それが崩壊の発端となるのも同様である。 Dr.マンハッタンは最初は全身を覆うタイツを身に纏っていたのが、最終的には全裸となる。 これは、彼が徐々に人間性を失っていく事の寓意で、事実、劇中で現在の彼は食事や睡眠の描写は描かれず、SEXもローリーと別れる事で習慣を無くしたのだと取れる。 …画一的な描写を嫌ったムーアが、意図的に仕組んだ構成、描写である。 時計職人の息子であり、事故に遭う以前までは、やはり時計の修理を趣味としていた。 …これは、自らの再構成の際の伏線となっている。 「私は本当はこう言いたかったんだ…〝神〟は実在した、しかもそれはアメリカ人だった…と」 「こう云う言い方をした後で悪寒に襲われても気にする事は無い…恐るべき宗教的な冒涜や禁忌を侵す恐怖を感じるのは正気の証拠だ…」 「…しかし、我々は皆、Dr.マンハッタンの影の中に生きているのだ」 原子力は 人間の本能以外の全てを変革させた この問題への対処の鍵は 我々自身の胸の内にある こんなことになるのなら 時計職人になっていればよかった ─アインシュタイン 追記、修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,6) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - タグにあるけど、女癖悪いのは事実だよな。誰からも理解されない苦しみを誰より知ってるのに、付き合ってる女の気持ちをまるで考えないで浮気しだすのは正直どうなの -- 名無しさん (2013-10-25 02:09:47) - ↑平行世界に生きてるからね。終盤までは確率に身を任せて、なるようになるって感覚だから寧ろジョンに惚れる女の側に流されてる感じなのかも?人とのやり取りも感情では無く粒子の活性化とかで判断してそうだ。 -- 名無しさん (2013-10-25 02:35:27) - ただまあ当人は肉体的にも精神的にも30歳なのがね。 どんどん歳を取ってヒステリックになって醜くなって自分に嫌悪感を持ってきた恋人と、自分を純粋にスーパーマンとしてキラキラした目で見つめてくる美少女ヒロイン。 そりゃあ浮気もしちゃうよね。 というか本編描写見ると一緒に夜間パトロールしたり話したり程度で、それ以上じゃなかったみたいだし。 -- 名無しさん (2013-11-12 17:08:13) - ↑いや、すぐにキャッキャウフフする仲になってたぞw本人的にはそうなるのがわかってたから流れに身を任せたみたいな独白入ってたけどwww -- 名無しさん (2013-11-12 17:32:33) - ↑↑キスやらセックスやら普通にしてたやん あれ、映画版の話? -- 名無しさん (2014-01-05 18:08:34) - なんて次元の低いコメなんだ(笑)ドクターマンハッタンは神になった人だぞ?女の気持ちなんて電気信号か何かだと思ってんだろ -- 神 (2014-03-03 09:56:56) - つかアレだ、こいつの中じゃ未来も現在も『もう終わってしまった過去』と同価値で、だから他人からみたら「なにもしない」んじゃなくて。 -- 名無しさん (2014-03-13 00:35:36) - ↑ミス。他人から見たら未来の話で、マンハッタンが「なにもしない」ように見えても、マンハッタン自身からしたら『もう終わってるのにどうしろと』って感覚なんだよなぁ -- 名無しさん (2014-03-13 00:37:25) - 水銀みたいな世界の見方しかできなくなったんやな、悲劇やな -- 名無しさん (2014-03-23 01:37:51) - こいつってアラン・ムーアの語った「スーパーパワーが無くたって自分から世界を良くしようと動く精神性こそがヒーロー」っていう主張の真逆のやつだよね。アメコミ史上最強の力を持ちながら結局受け身でしか動かない。 -- 名無しさん (2014-05-28 10:44:03) - ↑超越者ってのは得てしてそういう物だって皮肉かも。ベトナムで自分の子を身籠った女を殺す場面で完璧にコメディアンが言い当ててんだよね。でも、顛末を経て多少は前向きになってたのが救いかな? -- 名無しさん (2014-05-28 11:14:02) - ↑↑アメコミ史上最強ではないな…アメコミにはギャラクタスみたいな宇宙規模のコズミックビーイングが何人もいるし、その辺と比べるとマンハッタンも釈迦にとっての孫悟空レベル。つーかマンハッタンと全く同じ能力で超越的存在であるアポカリプスをマグニートーさんがサシで戦って倒しちゃってるからアメコミ史上じゃマンハッタンもまだまだ小物 -- 名無しさん (2014-06-14 19:38:14) - ↑マグ様も原子操作能力に必要な電磁気、重力、強い力、弱い力の内の2つは確実に抑えてるから化物の同類って気もするけどね。 -- 名無しさん (2014-06-14 20:21:21) - TOP10じゃ、捕まって牢屋にぶち込まれてるしな。ロールシャッハとナイトオウルもだけど。 -- 名無しさん (2014-06-14 20:39:49) - ↑2 肉体的には割りかし上位だけども、メンタル面で言えばテンション低いおっさんでしかないしな。ゴーストライダーみたいな精神攻撃持ちには無力なんじゃなかろうか -- 名無しさん (2014-09-13 01:33:41) - ↑マグの話なら精神攻撃では最上位のチャールズやシャドウキングと戦っても生き残っている辺りで耐性が解るかと。寧ろ、暗く深い怨念が力になってる様なキャラクター。 -- 名無しさん (2014-09-13 02:15:09) - ↑2はマンハッタンの事じゃね? マグはテンション低いどころか老いて尚絶頂期のはた迷惑なじいさんだし -- 名無しさん (2014-10-12 00:32:21) - タグ寒い -- 名無しさん (2015-02-16 21:43:21) - Drマンハッタンを人間と同じ価値で語ってる奴は何を見てきたのか疑問に思うね -- 名無しさん (2015-04-22 14:40:36) - ロールシャッハとは対照に超人的な能力持ってんのに常に他人事のように淡々とした受け身姿勢だったのが凄い印象的 でも価値観が人間と違うだけなんだよな -- 名無しさん (2015-04-29 21:46:12) - 食事も睡眠も必要なくなって、SEXが最後の生物的本能みたいになってるのが結構哀しかった。 -- 名無しさん (2015-06-09 11:13:26) - 写真を手放すシーンが何か好き。 -- 名無しさん (2015-06-19 21:06:38) - 精神が普通だから精神干渉系の能力を使われたら普通に洗脳されそうだ。 -- 名無しさん (2015-12-28 20:08:05) #comment #areaedit(end) }