223系近郊形直流電車

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223系近郊形直流電車 - (2014/12/16 (火) 23:46:36) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2010/07/16(金) 19:48:50
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JR西日本が保有する鉄道車両にして現在の[[アーバンネットワーク]]を代表する車両である。

221系に代わってJR西日本の近郊形電車の標準となり、1993年の製造開始以降マイナーチェンジを繰り返しながら[[アーバンネットワーク]]や岡山地区に投入された。総生産数は926輛で、JR西日本になくてはならない車両となる。

しかし、車体の基礎設計が1990年代と古く、安全性の向上に限界があったこと、下枠交差式パンタグラフを始めとする機器類の調達が困難になったことなどから、依然として残る国鉄形車両や221系の置き換えを後継の[[225系>225系近郊形直流電車]]に託し、2008年度製造分を以って製造を終了した。
以下に223系の特徴をまとめる。


◆車体
先代の221系を引き継いだ20m級・片側3扉の標準的な近郊形車両の車体だが、素材は1991年に登場した207系に引き続き軽量ステンレス製とされた。関空連絡橋の横風対策で車高は221系比で60mm低い3,640mmとされ、のちに新快速用として造られた車両等でも高速走行時の安定性を高めるため、この値を採用している。
 
先頭形状は221系のイメージを踏襲した半流線型ながら、新たに書き起こされた新規形状とされた。灯具類は0番台では丸型前照灯と尾灯を1灯ずつ配していたが、1000番代では角型前照灯とフォランプを2灯ずつ、尾灯を1灯ずつ配する形に変更された。さらに2000番台では0・1000番台では前面ステップ端に取り付けられていた尾灯を前照灯の真下に移した。2000番台の灯具類の配置は以降の223系シリーズ全てに採用されたほか、北陸地方向けの521系や姫新線用のキハ122・127系でも採用されている。

窓は221系と同じく連窓とされたが、縦方向の寸法は221系の1mから95cmと5cm縮小された。これはステンレスで1mの大型窓とした場合、車体剛性が確保できず、側面からの衝突に弱くなるほか、耐用年数が短くなるなどJR西日本にとっては死活問題とも言うべき事態になるためである。配置は0番台では221系と同じとされたが、1000番台では座席配置の変更に伴って窓配置も変更され、車端部以外の戸袋窓が廃止された。更に2000番台以降は車端部も含めて戸袋窓が完全に廃止されている。
 
2000番台以降では客用第1ドア(米原寄りドア)から前と、客用第3ドア(姫路寄りドア)より後ろがボルト留めとなっており、先頭車から中間車への改造やその逆が容易となるように配慮されている。

この他、最終グループである2008年度製造車は車体強度の向上のため、外板材質の変更、各部への補強の追加が行われている。また、5500番台はワンマン運転時の運転士の見通しを確保するため、妻面に窓が設けられている。

◆接客設備
座席は基本的に転換クロスシートだが、5500番台は車端部の座席がロングシートとなっている。扉間の列数は0番代では221系と同じ6列とされたが、1000番台以降では混雑時のスペース確保と閑散時の座席定員両立を図るため、扉間5列として扉脇の座席に補助席を設けている。ただし、2500番台は元々の用途や0番台が非対応であることから補助席を持たない。また、横の配列が用途に応じて大きく変化している。
 
空港連絡列車としての使用が念頭に置かれた0・2500番台では1列-2列の配置とされ、大型の荷物を持った空港利用者に配慮している。このため、座席定員は少なくなっている。特に2500番台は前述したように扉間5列であるにも関わらず補助席を持たないため、座席定員数は223系シリーズ最小となっている。

[[JR神戸線]]・[[JR京都線・琵琶湖線]]新快速・快速用として製造された1000・2000番台、[[快速マリンライナー>http://www49.atwiki.jp/aniwotawiki/?cmd=search&keyword=%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC]]用として製造された5000番台は旺盛な着席需要に対応するため、221系と同じ2列-2列の配置とされた。前述したように扉間の座席配置は5列と221系の6列から1列減少したが、補助席を設けて閑散時は221系を上回る座席定員を確保している。

なお、1000番台の補助席は背もたれが付けられたが、2000番台以降ではコストダウンのために省略された。が、そのせいで座面を収納している部分とそうでない部分に段差ができ、座る姿勢がおかしくなるため利用者からは不評である。
また、1000番台ではランプによって補助席が使用可能かどうかを知らせていたが、これまたコストダウンのために2000番台以降は使用できない場合がある、と書かれたプレートが貼り付けられているだけである。

福知山近郊のローカル輸送に徹する5500番台では、扉間の座席配置は縦方向・横方向ともに1000・2000番台と同等とされたが、前述の通り車端部のみワンマン運転時の運転士の見通しを確保するためにロングシートとなっている。また、整理券の発券機が取り付けられている関係で、補助席は中央ドア部の8席のみとなっている。

また、2000番台以降では交通弱者対応として、床面高さを0・1000番台の1,150mmから1,130mmと低床化し、ホームとの段差縮小に努めている。

◆走行機器
システムはその後のJR西日本のインバータ車の標準となるMT比1:2とされた。ただし機器類をM車に集約しているため2両でユニットを組むことも可能で、5000・5500番台はこれを生かして2両編成となっているほか、1000・2000番台の8両編成にも2両ユニットが存在する。
 
制御装置は0番台がGTO-VVVFインバータ、1000番台以降がIGBT-VVVFインバータとなっているが、いずれも1個のインバータで1個のモーターを駆動させる、所謂1C1M方式となっている。

モーターは小型・軽量で大出力を誇る三相誘導電動機を採用、出力は1000・2000・2500・5000・5500番台が220kW、0番台が230kWとなっている。0番台は2008年頃に換装されており、それまでの出力は180kWだった。

パンタグラフは下枠交差式で、JR西日本の新製車両としては最後の下枠交差式パンタグラフ採用車となった。基本的に電動車に1基搭載しているが、2000番台と5500番台の一部が前者は[[JR東西線]]乗り入れのため、後者は架線の霜取り用として2基搭載している。

全車が221系と併結可能である。この点を生かし、2000番台の一部と5500番台が221系性能に固定されている。これらの車両は前面貫通扉と乗務員室扉にオレンジ色のテープが2本貼られたほか、2000番台の221系性能固定車は番台が6000に変更されている。
 
◆各番代解説
・0番台
1994年に空港連絡列車である[[関空快速>関西空港線]]用として68両が製造された。2・6両編成、3・5両編成時代を経て現在は4両編成に統一されている。223系では唯一丸型の前照灯が採用されている。日根野電車区所属。

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)
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・1000番台
1995年に阪神・淡路大震災によって輸送力増強が必要となり、急遽登場した。この車両から新快速は最高速度130㎞/hで運転するようになる。8両編成9本と4両編成5本の92両が在籍する。網干総合車両所所属。

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)
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・2000番台、6000番台
新快速の223系統一や快速からの113系追い出しなど、様々な理由で一番多く製造された車両。2000番台は1000番台同様、最高速度130㎞/hに対応。6000番台は221系に性能を合わせているため、最高速度は120㎞/h。8両編成30本、6両編成14本、4両編成82本の計648両が存在し、このうち4両編成26本前後が6000番台化されている。網干総合車両所本所・網干総合車両所宮原支所所属。なお、宮原支所の車両はすべて6000番台である。

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)
&blankimg(http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/223.jpg,width=400,height=300) &blankimg(http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/223c.jpg,width=400,height=300)

・2500番台
編成組み替えの際に先頭車が足りなかった0番台の補充用や予備車増大、[[阪和線]]―[[大阪環状線]]の直通列車増発用に製造された。外観は2000番台に近く、当時量産中の2000番台と同じ機器が使用されている。4両編成のみ存在する。日根野電車区所属。

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)
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・5000番台
塩害によって老朽化した快速マリンライナーの213系置き換え用として登場した。1000番台・2000番台同様、最高速度130㎞/hで運転される。一時期3両編成となっていたが、神戸支社から車両の返却を求められたため、乗客の減少を建前に2両編成に戻った。2両編成7本が存在する。岡山電車区所属。

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)
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・5500番台
[[福知山線>JR宝塚線]]・[[山陰本線]]の輸送改善のために製造された。実は御布施による製造ではなく、自社都合による製造である。外観、座席配置、ワンマン運転対応など従来の223系よりも521系に近く、521系の直流版といえる。[[嵯峨野線]]の221系と併結運転を行うこともある。2両編成16本が存在する。福知山電車区所属。

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)
&blankimg(http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/223g.jpg,width=400,height=300)

・JR四国5000系
JR四国版223系。5000番台と同じく、快速マリンライナー用の213系を置き換えるために製造された。高松寄りの先頭車はE217系のグリーン車をベースとしているが、それ以外は完全に5000番台と同一で、唯一違う点はJRマークの色とスカートの厚さぐらいである。3両編成6本18両が存在する。
JR四国との分割保有になった理由は、213系時代はJR四国が一方的に車両使用料を支払う形になっていたためである。

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)
&blankimg(http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/5000.jpg,width=400,height=300)

・9000番台
1998年に川崎重工業が2000番台量産に先立ち製造した試作車で、1両のみ製造された。しばらくは工場内に留置されていたが、2004年9月にJR西日本が購入して吹田工場で改造され、在来線用技術試験車「U@tech(ユーテック)」となった。
その後、マリンライナー置き換えで余剰となった213系2両と共に3両編成を組み、様々な試験に使用された。なお、213系との編成になっているが最高速度は130㎞/hとなっており、加減速の性能も223系2000番台と同等である。

(出典:日本の旅・鉄道見聞録)
&blankimg(http://www.uraken.net/rail/train/943/01.jpg,width=400,height=300)



兄弟車に2000番台の構体とシステムを流用したローカル線向け単行車125系がいる。





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