Ⅳ号戦車

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Ⅳ号戦車 - (2013/08/03 (土) 09:06:40) のソース

&font(#6495ED){登録日}: 2012/10/29(月) 04:48:34
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s)
&font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます

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Ⅳ号戦車とは、ナチスドイツ軍で使用された[[戦車>戦車(近代兵器)]]である。

制式名称はPanzer kampf wagen Ⅳ。制式番号はsd.kfz.161である。
[[ティーガー>ティーガーI(戦車)]]や[[パンター>パンター(戦車)]]のような愛称も無く、知名度も低いが第二次世界大戦初期から最後まで戦場にあり続けた、兵士から最も身近だったと言える名戦車。
 
■開発経緯
ナチスがドイツの政権を取る前から、軍部は密かに新型戦車の開発をしていた。
しかし、これらは重すぎたり信頼性が無かったりと問題があった。
そこへ、ハインツ将軍から戦車の開発要望が来る。


&font(#ff0000){ハインツ将軍}「俺の考えた戦略に~、電撃戦てのがあってー…」

&font(#008000){開発局「え、なにそれは…」}

&font(#ff0000){ハインツ将軍}「新しい戦車が必要なんだよね、それ総統閣下にも言われてるから。」


と言うわけで、ドイツ陸軍の主力となるべき戦車が、2つ開発されることになった。
[[Ⅲ号戦車]]と&font(#ff0000){Ⅳ号戦車}である。

Ⅳ号戦車は、Ⅲ号戦車を火力支援する為の「随伴戦車」として開発された。
Ⅲ号を主人公とするなら、それを常にサポートする名脇役とか、親友とか、[[幼なじみ]]と言ったところだろう。

[[Ⅲ号さん>Ⅲ号戦車]]「こんな挑発に乗っちゃいけない…うおおおおお!」

&font(#0000ff){Ⅳ号}「ちょっと!一人で突出しないで、って言ったでしょ!!…し、仕方ないわね!」

私もⅣ号に夜まで随伴……おや、お寺の卍みたいな旗を持った人が家の外に…
 
■特徴
そういうわけで、Ⅳ号戦車はⅢ号戦車に比べ火力が強化されている。最初期から短砲身だが7.5cmと言う大きめの口径の砲を装備していた。(Ⅲ号戦車は最初期は3.7cm)

最高速度は約40km/h。
リーフ・スプリングボギー式と言うサスペンションを使っており、Ⅲ号戦車のトーションバー式に機動力こそ劣るが整備性は良好だった。


また、地味であるが砲塔とターレットリング(砲塔を車体にはめ込む穴)が大きめで車長、 射手、装填手の三人が入れた。当時は一人か二人用の小型砲塔が多かった事を考えると珍しい。
これで車長が状況判断をし易くなり、車内での連携、更に他の車両との連携が取りやすくなった。
「電撃戦」という連携が重要視される戦略化では、無視できない点である。

また、ターレットリングの大きさは後に大きな影響を与える。ここテストに出るよぉ~
 
■実戦での活躍
Ⅳ号戦車は1936年に制式採用、&link_anchor(A型){Ⅳ号戦車}が試作的に量産され、若干装甲を強化した&link_anchor(B型/C型){B型/C型}が生産されるも、1939年まではなかなか数を揃えられなかった。英国にバレないように「トラクター」として偽装するのが大変だったからである。
おかげでポーランド戦時は少数しか配備できなかったが、1939年以降は&link_anchor(D型){D型}を本格的に生産を始め、フランス戦時には十分数を纏められた。

英仏を大陸から追い出すと、戦いの舞台は北アフリカ、東部戦線へと移る。
Ⅳ号戦車は&link_anchor(E型){E型}、&link_anchor(F型){F型}となり、Ⅲ号戦車と共に戦うが、東部戦線でドイツ軍に激震が走った。
パンターなどの項目を見てくれている察しのよいウィキ篭もり諸君なら分かるだろう。

ソビエトの救世主、[[T-34>T-34(戦車)]]である。

この戦車はⅢ号戦車、Ⅳ号戦車の両方に火力、装甲、機動力全てで勝っていた。
その圧倒的性能の前に、世界は震撼し、新型戦車や強力な対戦車兵器の開発を余儀なくされた。
特にドイツにとっては死活問題で、パンターが開発される事になる。
T-34対策は、勿論Ⅳ号戦車とⅢ号戦車にも施された。
F型に長身砲を搭載した&link_anchor(F2型){F2型}やそれを改良した&link_anchor(G型){G型}が生産され、T-34にも対抗可能となった。

しかし、これⅣ号戦車の大きな転換点になった。
開戦当初から共に戦ってきたⅢ号戦車が、ここでリタイアしたのである。
Ⅲ号戦車はターレットリングが小さいためにT-34に対抗可能な長砲身75mm砲は装備できなかった。
既存の50mm砲等ではT-34に対抗することはできない…


[[Ⅲ号>Ⅲ号戦車]]「別にT-34もKV-1も倒してしまって構わんのだろう?」

&font(#0000ff){Ⅳ号}「無茶しやがって…」


Ⅲ号戦車の脱落により、Ⅳ号戦車は随伴戦車から&font(#ff0000){主力戦車}として機甲師団の主力を担うことになったのである。


その後、未来の主力戦車として[[パンター>パンター(戦車)]]が開発されるが、全ての工場をパンター生産に移行させるほど、ドイツには余裕が無かった。
Ⅳ号戦車は&link_anchor(H型){H型}、&link_anchor(J型){J型}へと改良されつつ、終戦の5月8日までナチスドイツと共に終末へ向かったのである。

ちなみに脱出口は&font(#ff0000){乗員の数より多かった}
 
■バリエーション

&aname(A型,option=nolink){A型}
プロトタイプの先行量産型。正面装甲でも20mmと機関銃の弾を弾く程度しか装甲が無かったが、この頃から短砲身75mmを装備していた。
35両が作られ、ソ連侵攻時までこき使われた。

&aname(B型/C型,option=nolink){B型/C型}
正面装甲を30mmまで強化したり、エンジンをマイバッハHL120に替えたりと色々改良したタイプ。同じC型でも細部が違ったりするので区別しにくい。
因みにこのエンジンがかなりの傑作で、A型より重くなったのに最高速度が上がったりした。地味な改良などはあったが、Ⅳ号戦車はずっとこのエンジンで戦う事になる。
170両程生産され、ノルマンディー上陸までこき使わry

&aname(D型,option=nolink){D型}
側面装甲が15mmから20mmに。それでも装甲不足で後々増加装甲を取り付けられた。
本格的に量産され始めた型で、生産数は230両程。大戦末期には長砲身75mm砲を装備したりと最後までこき使ry

&aname(E型,option=nolink){E型}
前面装甲が30mmから50mmに。これも増加装甲を取り付けられたりした。
アフリカ戦線、東部戦線初期での主力。生産数は220両程。

&aname(F型,option=nolink){F型}
車体その物を見直し、根本的に大規模改修がされた。正面装甲は50mm、側面装甲は30mmとなっている。
重量増加により、履帯も大きめなっている。
T-34のカモ。最後の短砲身型である。生産数は393両。

&aname(F2型,option=nolink){F2型}
43口径75mm砲を装備したF型。F型393両の内、175両がこれ。
僅か9両のF2型が、アフリカ戦線で大暴れし、&font(#ff0000){「人Ⅳ(読ん)で、マークフォー・スペシャル!」}
でも最終的には70両程しかアフリカでは暴れられなかった。アフリカ戦線からドイツは撤退し、逆に東部戦線は激化していく。

&aname(G型,option=nolink){G型}
F2型から改名。これも生産途中でよく改良された。
1943年から、43口径75mm砲が48口径に強化されたり、「シュルツェン」と呼ばれる対戦車ライフル用の強化装甲が取り付けられたり。30mmの増加装甲が取り付けられたり。
生産数は2000両。Ⅲ号戦車の脱落により主力戦車となった為、生産数も跳ね上がっている。

&aname(H型,option=nolink){H型}
前面装甲を80mmに。新型の変速機も乗っけた。
転輪を全金属にしたりとこれも細かい改修が多かった。
2300両程が生産されたが、途中で対空戦車や突撃砲に改造されたりした。ドイツの切迫感が伝わってくる。
余談だが、シュルツェンを装備したG型やH型は、[[ティーガー]]によく誤認されて敵兵をビビらせたとか。ティーガーがどれほど怖れられたか分かる話である。

&aname(J型,option=nolink){J型}
生産性の向上の為、無駄を省き簡略化したもの。発電用の補助エンジンや、マフラーの消音機能が無くなった。砲塔の回転も手動に…
また、シュルツェンがノーマ・シールドと言う金網状の物に変更された。
生産数は3000両で最多。
 

Ⅳ号戦車がⅢ号戦車と違い、終戦まで戦えたのは「拡張性」があったからだろう。
未来を見据えて長く使える事、それも優秀な兵器の重要な要素だろう。



この項目も改良の余地があります。
追記・修正をお願いします。

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- 公式の愛称では無いが、「軍馬」の名で慕われていた  -- 名無しさん  (2013-07-08 15:10:24)
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