2005年パ・リーグプレーオフセカンドステージ

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2005年パ・リーグプレーオフセカンドステージ - (2013/05/25 (土) 21:59:00) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2012/03/21(水) 01:53:20
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2005年パ・リーグプレーオフセカンドステージは2005年10月12日から17日まで福岡ヤフードームで行われた、福岡ソフトバンクホークスと千葉ロッテマリーンズの戦い。野球は筋書きのないドラマとよく言うが、まさにその言葉が相応しい死闘となった。

・概要

この年のレギュラーシーズンはホークスとマリーンズの二強のシーズンで、この両チーム以外の球団は皆勝率五割を割ったまま日程を終了。プレーオフファーストステージは千葉ロッテが西武を圧倒し二強による最終決戦になった。この頃はまだプレーオフを制したチームがリーグ優勝というルールだったため、まさにその年のパ・リーグの天王山であった。

尚、レギュラーシーズンにおいて首位と二位の差が5ゲーム以上離れていれば首位チームに一勝のアドバンテージが与えられたが、首位ホークスと二位マリーンズのゲーム差は4.5だったため適用されなかった。

第一戦は杉内俊哉とダン・セラフィニの先発。ホークスが先制したもののその後マリーンズが逆転、そのまま逃げ切りマリーンズが先勝。

第二戦は斉藤和巳と清水直行の先発、前日に続きホークスが先制するもマリーンズがひっくり返し、最後は守護神小林雅英が締めて連勝、一気に王手を掛けた。

そして第三戦、先発は新垣渚と渡辺俊介。連勝して勢いに乗るマリーンズが先制し追加点もあって4点リード、投げては渡辺が完璧な投球を見せ、続く薮田安彦も好投、9回裏を迎えあっさりマリーンズの優勝で終わるかと思われた。

しかし、ここからが本当の死闘だった。

9回裏、マウンドには満を持して小林雅英が。先頭打者にヒットを許したものの次の打者を打ち取る。ここでホークスは(その時点では)ホークス一筋のベテラン、大道典嘉を代打に送る。しかし引っかけ何でもないピッチャー前のゴロになってしまう。

しかし

送球がとんでもない暴投になり、このプレーで死にかけていたホークス、そして詰めかけたホークスファンの大声援が復活。ドーム内は地鳴りのような大声援が響き渡り、ホークスを鼓舞していった。

それと同時に小林は益々制球が定まらなくなっていき、中継でも解説者はおろか実況のアナウンサーからも見て取れるほど何時もの小林雅英ではなくなっていた。

その後ホークスは大村直之、荒金久雄のタイムリー等で一点差まで詰め寄り、2アウトながらランナー2・3塁でシリーズ絶不調の松中信彦を迎える。しかしここで不調の松中を起こしたくないマリーンズベンチは敬遠を指示、フリオ・ズレータとの勝負に出た。そして…


「ボール!押し出し同点!追いつきましたホークス!」


もはや小林にこの状況を乗り越えられる制球力はなく、ストレートの四球でついに振り出しに戻った。この回は辛うじて同点で凌ぐも、もはや完全に蘇ったホークスに勝てる術はなく延長10回、川崎宗則のタイムリーでホークスが劇的な勝利を収めた。その盛り上がりはとてつもないものだった。

翌日の第四戦、先発は和田毅と小林宏之。前日の流れからホークス有利と思われていたが、先制したのはマリーンズであった。しかし即座にズレータのソロでホークスが同点に追いつく。その後マリーンズが里崎智也の一発で再び勝ち越すもその裏、ズレータがこの試合二本目のホームランをツーランで放ち、すぐさま逆転。その後は小刻みな継投のホークスと立ち直った小林宏之のマリーンズが双方譲らず三対二でホークスが逃げ切ってついに対戦成績を五分に戻した。

第五戦に全てが掛かる状況になったが、それとは別にあるジンクスが囁かれ始めていた。ここまで読まれた方の中にはお気づきの方もいるかもしれないが、それはこのシリーズ、先制した方が必ず負けているというものだった。

様々な注目がなされて、最終戦が始まった。

杉内とセラフィニという第一戦と同じ先発で始まったこの試合、先制したのはホークスだった。二回、鳥越裕介の犠牲フライで一点取り、更に三回には不調にあった主砲松中にとうとうタイムリーが飛び出し二対〇。ホークスの優勝への機運は一気に高まっていった。片やマリーンズはランナーは出すものの併殺打等の拙攻で得点できず、更にセカンドのベテラン堀幸一が怪我で途中交代、代わりに今シーズン一軍初出場の早坂圭介が入る等逆風が吹いていた。

しかしこの状況の中で先発セラフィニが踏ん張り追加点を許さず持ちこたえ続けた事により徐々にだが流れをたぐり寄せ始めた。そして6回、ようやく福浦和也のタイムリーで一点を返し反撃の狼煙をあげる。しかし7回のチャンスは西岡剛の凡退で同点ならず、マリーンズの追い上げもここまでかと思われた。

しかしその裏、ホークスの追加点のチャンスをセカンドに入った早坂のファインプレーで乗り越えた事により、再び風はマリーンズに向き始める。そしてそれを決定づけたのは、第三戦のホークス同様ベテランの力だった。

8回の表、ファインプレーの早坂に代わり今シーズン限りでの引退を表明していた初芝清が代打で登場、逆転の突破口を開こうとするも打った打球は三遊間への平凡なゴロだった…しかしここでホークスに痛恨のミスが出てしまう。

なんとサードのトニー・バティスタとショートの川崎が打球の処理で交錯し内野安打となったのだ。そして続く福浦も繋ぎチャンスを広めた所でホークスは守護神馬原孝浩を投入、逃げきりを図る。

馬原と相対したマリーンズの四番サブローはバントの構えを見せるも強攻策を敢行したが、それは平凡なファールフライになり簡単に相手に1アウトを与えてしまった。

一息つく馬原。しかし次のバッター里崎は初球から狙っていた。そして第一球、内角低めのストレートにフルスイングした。

大飛球となった当たりは左中間フェンスを直撃、セカンドランナー初芝が生還し同点、そしてファーストランナー福浦も一気にホームを陥れようとするが、外野から完璧な連携でバックホームされてきた。そして…

「セーフ逆転!千葉ロッテ逆転!」

ブロックしたキャッチャー的場直樹の足の間を福浦の足が抜け一瞬早くホームに触れており、千葉ロッテがついに逆転した。この時の福浦は普段の寡黙な姿からは想像もできない程雄叫びを上げていた。

それでもホークスはその先ピンチを広げるも何とか抑え、逆転への望みを繋いだ。その裏2アウトから松中が四球で出塁しバッテリーミスの僅かな隙に二塁へ。そしてズレータも四球を選び一打同点のチャンスを迎えるも続くホルベルト・カブレラがライトライナーに倒れ無得点、全ては9回の攻防に掛けられた。

9回表、マリーンズは無得点。そしてホークスの攻撃、マウンドにはこのシリーズの流れを変えた(変えてしまった)小林雅英が再び上がった。そしてマリーンズは選手を全部使いきったため、普段サードの今江敏晃がセカンドへ、そしてサードには初芝が入るという正に満身創痍の布陣となっていた。

先頭バッターの大村が追い込まれながらも四球を選び、沸き上がるドームのファン。しかしその日の小林は冷静さを取り戻しており、送りバントを決められるも次のバッターをセカンドフライに打ち取り、いよいよ後1人までこぎつけた。

しかし最後のバッターは第三戦サヨナラタイムリーを放つ等好調の川崎。マリーンズの優勝、同点、ホークスの逆転サヨナラという全ての結果が考えられる打席に入った。


そして


「打った!左中間への当たりサブローか井上(純)か…レフトの井上が取りました…試合終了!」


最後に笑ったのはマリーンズ。激闘の末、31年ぶりの優勝を手にしたのだった。 

○余談

・二年連続でレギュラーシーズン二位のチーム優勝並びに日本一になるという事態になった事で、翌年からレギュラーシーズン首位のチームには無条件で一勝のアドバンテージが与えられる事になった 。

・惜しくも敗れたホークスだが、シーズン終盤に扇の要であった城島健司を骨折で欠いた状態で戦ってここまでの試合をした事から改めてその強さ、並びに城島が出ていたらと思うファンも多かった。

・中継の解説で球場に来ていたその年の楽天の監督の田尾安志は、同じく解説に来ていた達川光男に「こんな強い二チーム相手じゃ97敗も仕方ないわ」と声を掛けられた。


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