DAW(ソフトウェア)

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DAW(ソフトウェア) - (2021/11/08 (月) 02:06:11) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2012/04/27 Fri 03:12:29
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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*概要
DAW(Digital Audio Workstation)とは、昨今のDTM(デスクトップ・ミュージック)に欠かせない総合的な音声編集ソフトウェアのこと。
&bold(){作曲アプリ}という認識でOKだが、実際はもっと高機能だ。なにしろ「総合的」の名は伊達ではなく、
-作曲
-録音
-音声編集
といった能力を一つにまとめたソフトウェアなのである。(無論ものによって可能な機能は異なる)
もちろん[[初音ミク]]等の[[VOCALOID]]を用いる際も(たとえ作曲をしないにしても)ほぼ必須である。



*DAWの機能
大まかに分けて、MIDI、オーディオ機能の二つがある。

**&font(#ff0000){MIDI機能}
[[MIDI(Musical Instrument Digital Interface)>MIDI]]とは簡単に言うと、シンセサイザー(MIDI音源)用の楽譜の規格である。

MIDIを書いてシンセに読みこませれば、シンセがあたかも人間の演奏者のごとく演奏してくれるのだ。
しかもMIDIは16チャンネルに分かれており、それぞれのチャンネルに別の楽器を割り振って演奏させることができるため、
ちょっとした合奏ならシンセとMIDIだけでとりあえずは再現できる。

ただし、MIDIによる演奏内容は、後述する「オーディオ機能」で整える必要があるため、
MIDI編集機能だけで作曲が完了することはまずない。

作曲を始める際には、まずはMIDIで和音とリズムだけ打ち込んでみる、という人は多い。
 
なお、シンセにはハードとソフトの二種の形態がある。
いわゆるキーボードは前者。
後者はPC上で動かすもので、ソフトシンセとかVSTiとか呼ばれるものを指し、PCの高性能化に伴い、ここ十年くらいで一気に普及した。


**&font(#ff0000){オーディオ機能}
楽器の音を録音したり、録音した音を編集したりする機能。

DAWの主要な機能であり、メモリもかなり喰う。貧弱なPCだと落ちることもしばしば。
オーディオ機能は充実しているが、MIDIはやる気ないDAWは結構多い。
 
【音声録音】

マイクやMIDIによるシンセサイザーの演奏内容を録音する。

しかしマイクなどからの音声を直接PCに入力するとノイズだらけの酷い音になるので、
オーディオインターフェイス(Ai/f)という機器を介してPCに繋ぐ。

&font(#808080){※Ai/fは、PCの「サウンドカード」の役割も果たす。}
&font(#808080){サウンドカードはPCに内蔵する部品の一つで、音声の入出力の機能を担うもの。}
&font(#808080){つまり、Ai/fはPCの音を出す機能を肩代わりするのである。}
&font(#808080){PCにもともと搭載されているサウンドカードはDTM向けには作られていないため、}
&font(#808080){Ai/fを繋ぐことで音質や処理速度の向上が見込める。}
&font(#808080){そのため、DAWでの作業は基本的にAi/fから音声を聴いて行う。}
 
【音声編集】

録音したての音を曲制作にそのまま用いた場合、

&font(#ff0000){①他の楽器の音と干渉して不快な音になったり}
&font(#0000ff){②無演奏時のノイズがあったり}
&font(#008000){③Aメロとサビで音量差がありすぎて、聴き辛かったり}
&font(#994c00){④なんだか味気なかったり}
するため、

&font(#ff0000){①[[イコライザー>イコライザー (エフェクター)]](EQ)等を使って他の楽器と干渉しないよう加工したり}
&font(#0000ff){②無演奏時の音声をカットしたり}
&font(#008000){③[[コンプレッサー>コンプレッサー (エフェクター)]](コンプ)で再生時間ごとの音量差をなくしたり}
&font(#994c00){④反響音([[リバーブ>スプリングリバーブ]])や、やまびこ音(ディレイ)を初めとした音響効果を与えたり}
する。

そうして加工した音を混ぜあわせれば、ひとまずは曲としての体を成す。
録音終了からここまでの作業を&bold(){ミキシング(ミックス)}と呼ぶ。

ちなみに、EQ、コンプ、リバーブ、ディレイ等をまとめてエフェクターと呼ぶ。
 
ミックスした音は、更にEQやコンプで整え、最終的にCDに載せる音源となる。
このようなミックス後の仕上げの作業を&bold(){マスタリング}と呼ぶ。

ミックスやマスタリングは作曲や演奏とは性質の異なるノウハウが必要なので、ミュージシャン・作曲家によってはこれらの工程を専門のエンジニアに依頼する。

&font(#808080){※2000年代以降のJPOPや[[アニメソング>アニメソング(タイアップ)]]は音に迫力を出すため、マスタリングの段階でコンプを過剰にかける傾向が強い。}
&font(#808080){聴き易くはなるのだが、音質は劣化するため賛否両論。}



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*主なDAW
今もメーカー各社が競って開発を続けており、そのいずれもが独特で様々な機能を持つ。
ぶっちゃけ&bold(){あるDAWで慣れた使い方のノウハウは別のDAWでは通じない}といっても過言ではないほど。

かつてはプロ用の高価な存在であったためかmac用ソフトが主流だったが、
ここ数年でDTMの流行、ボーカロイドの流行、動画サイトなどの台頭もあってか民生用が&font(red,b){爆速で}広がっており、
win対応との差もなくなっている…どころか民生用に限れば追い抜いた感すらある。

・&font(#00a,b){SingerSongWriter}
win対応
そこまでメジャーじゃないが日本製なので最初に紹介。
Megpoidやがくっぽいどを作ったインターネット社製。
楽譜入力とMIDI機能の充実度に定評がある。
オーディオは長らく微妙視されていたが最近は持ち直してきた。
上位商品にABILITYがある。

・&font(#00a,b){Pro Tools}
mac,win対応
プロのPA現場でのスタンダードで、現場ではこれ一択とまで言われたほど。
正確にはAi/f等周辺機器を合わせたシステムを指している。
プロ現場のために特化したDAWと思って間違いなく、代わりに民生用としては出遅れている。

・&font(#00a,b){Cubase}
win,mac対応
項目冒頭の画像はコレ。恐らく民生用としては最もメジャーなDAW。
かつてのwin&mac両対応のDAWが無い時代には、win用DAWの代表格としてSONARと人気を二分していたほど。
[[ヤマハ>ヤマハ(楽器メーカー)]]傘下のSteinberg製。
価格帯だけで見れば高級な部類だが、プロからアマチュアまで幅広く愛用している人が多い。
早くからオーディオ機能やVSTi対応などが充実している上、アカデミック版などで育成現場でも人気の存在。
反面MIDI機能は微妙。

・&font(#00a,b){SONAR}
win,mac対応
CakeWalk社製。関連会社の[[ローランド>ローランド(楽器メーカー)]]が代理店。ループ機能が強い。
V-Studioという専用のハードウェアパッケージがある。
何故かSteamでも売られている。
2017年に開発が終了し、翌年に無料でダウンロード可能なソフトウェアとしてリリースされた。

・&font(#00a,b){FL studio}
win,mac対応
ベルギーのImage-Line社製。Fruity Loopsというループ機能に特化したソフトから進化したDAW。
ループ機能を活かしたダンスミュージックが得意で、代わりに生音音源は殆ど入ってないため別途で入手する必要がある。
MIDIはDAWとしては充実している方だが総合的にはそれなり。
また「Lifetime Free Updates」=一生無料でアプデを受けられるよ!というサービス等がある。
&s(){マスコットが非常にかわいい} 

・&font(#00a,b){Reason}
win,mac対応
スウェーデンのPropellerhead Software AB社製。
ここまで紹介したものと比べるとマニア好みの老舗DAWで、バーチャルラックと呼ばれるラックの表現が特徴。
かつての作曲現場と同じく音源やエフェクターをラックに設置し、現実のように配線・ルーティングするので、
PAやスタジオの利用経験がある人は特に直感的に操作しやすい。
馴染みのない人はサーバーラックを思い浮かべてもらえばいいだろう。

・&font(#00a,b){ACID}
win対応
FL Studioと同時期の老舗DTMツール。バージョンアップを重ねDAWとなったが、今でも通好みな部類。
ループシーケンサが元だが、サンプルの中に独自の情報を含めたアシッダイズと呼ばれる仕様があり、
適当にサンプルをぶち込んでもテンポやキーを揃えてきっちり曲になってくれたりする。
サンプル(特にリズム)を読み込んで解析・分解する機能もある。
ジャンルと同じ名前を冠する通りブレビ作りが捗る。



*余談

DAWは昔から&font(#0000ff){操作のわかり辛さ}に定評があり、作曲を趣味とすることのハードルを上げる根源なのは間違いない。
経験者でも今まで使っているDAWから別のDAWに乗り換えると、操作がわからずイラ壁…戸惑うことが少なくない。
ただ最近はマニュアル本や解説サイトが充実しているので、以前よりは初見殺し要素はなくなった。

もっとも分かりづらいのはDAWに限った話ではなく、そのDAWに読み込んで使うプラグインなどはもはや極致に達している。
ページ切替やメニュー表示ボタンがやたら小さかったりなんてのは序の口、操作できる箇所が分かりづらいものすらある。
&bold(){ぶっちゃけ直感的操作を要求されるにもほどがある。}

DAWの読み方だが、「ディーエータブリュー」か「ドー」が英語としては正しい。
「ダウ」は日本人にしか通じない。 


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#openclose(show=▷ コメント欄){
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- 落ちることに定評のあるソフト  -- 名無しさん  (2016-07-25 22:51:59)
- 最近じゃ一周回ってハードウェア回帰のdawless systemなんてやってる数寄者もいるよ  -- 名無しさん  (2021-11-08 02:06:11)
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}