H&K VP70

「H&K VP70」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

H&K VP70 - (2017/08/05 (土) 19:20:54) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2011/02/27(日) 20:53:08
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます

----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----

カタログデータ
全長(ストック付) 206(546)mm
重量 947g(ストック付?)
口径 9mm
装弾数 18+1
発射形式 セミオート・三点バースト
メーカー H&K(ドイツ)

H&K VP70とは、ドイツのH&K社が開発した自動[[拳銃]]である。専用ストックがあるちょっと変わった銃。
第二次大戦末期、物資欠乏気味となったドイツ軍は、生産数不足を補うため工作技術が低くても大量生産が可能な単純安価な銃の制作を数社に依頼した。
その中の一つであるマウザー社([[C96>マウザーC96]]を作った会社)は、
「国民誰もが購入できる安価な普及型拳銃」というコンセプトの下「Volks Pistole(国民拳銃)」を設計した。


1970年代になって、この設計思想を元にしてリメイクした物がこのVP70である。
同社製品としては例外的な「VP70」という形式名は「Volks Pistole」の頭文字に由来する。

元々のコンセプトとは違いVP70は国内もしくは同盟国で使われることよりも、主に技術や資金に乏しい第三国への輸出を狙ったものだ。
「(諸外国向け)国民拳銃」といえる比較的安価で簡素な拳銃となっている。



○生産性の向上
構造の簡素化の為、部品点数が少なくて済むストレートブローバック方式を採用している。
[[ライフリング]]をわざと深く彫り込んで、その隙間から発射ガスの一部を逃がすといった細工もされていて、他の同口径の銃と比べると発射初速が若干低い(ポリゴナル式だったとする声が多いが、エンフィールド式とする説もある)。
また、フレームの大部分にプラスチック素材を採用することでコストを抑える事に成功し、後の[[ポリマーフレーム>ポリマーフレーム(銃器)]]拳銃の先駆けとなった。
この時点ではまだ一部に金属を使用したハイブリッド構造で、完全なポリマーフレーム拳銃は後のグロック17まで待つことになる。



○3点[[バースト射撃]]
専用のストックを付けることにより一度引き金を引くと「⇒ ⇒ ⇒」と3発の弾が発射されるという当時としては珍しい機能を有していた。
利点としては相手に確実にダメージが与えられる点だろう。

ちなみに[[ストック>ストック(銃器)]]は[[ホルスター]]としても使える。




コンセプトGJではあるが、実用面では問題が多い。


○orzな射撃性能
実用性能が非常に残念な銃なのである。
・大きすぎ(200mm超)
・重すぎ(1kg弱)
・ダブルアクションオンリーなのでトリガーが重い
・ストレートブローバックなので反動が強い
・上記二点から命中率が低い
・その割にガスを逃がす構造上威力が低い
・の癖に高価(アメリカでは400ドル程だったらしい)

…と評判は散々だった。
目玉のバースト射撃も只でさえ反動が大きいのに連射間隔が早すぎて(2200発/分)とても扱えたものではなかった。突撃銃でも700~800発/分なのに………

銃本体は部品点数が少なく壊れにくかったが弾の不良に弱かったとされ、アメリカ軍のトライアルにおいて「不良弾薬に対する耐性」をテストする目的で意図的に質の悪い弾薬を混ぜて行った試験では、&font(#0000ff){1/5の確率でジャム(弾詰まり)}を引き起こしたという素晴らしい経歴を持っている。

せめて9mmパラべラムではなく、.380ACPなどもう少し威力の低い弾ならバランスが取れただろうという声も…


■現実世界での活躍?
採用したのはモロッコ、アフリカや南米の数カ国の軍・警察。それもわずかに。商業的には失敗。

こんな銃でもいくつかモデルが出ている。
オリジナルのVP70
セミオート限定モデルのVP70Z
(Zは「Zivil」独語で民間)
マイナーチェンジモデルのVP70M
(Mは「Milit」独語で軍隊)
米国民間向けとして9mmx21弾仕様のものが400挺生産。

その名の由来に似合わず、当初は軍や警察機関向けのみで民間向けモデルはあとから追加された。

拳銃としては珍しい内部構造を持つ上、速攻で生産打ち切りになったからかコレクターズアイテムになっているらしい。


■架空世界での活躍?
・[[GUNSLINGER GIRL]](クラエスがストック付で使用)
・キノの旅 第3巻「終わってしまった話」(イーニッドが使用)
・バイオハザード2(男主人公のレオン、おまけゲーム主人公のハンクが使用)
・エイリアン2(宇宙海兵隊が使用)
・死が二人を分かつまで(真奈美・アシュフォードがストック付きで使用)




こんな子でも&font(#ff0000){世界初のポリマーフレーム拳銃}であり、[[AUG>シュタイアーAUG]]やグロックのご先祖ともいえる。プラスチックでも銃は作れるという先鞭をつけた功績は無視できない。
バースト射撃も反動によって射手の姿勢が変化するよりも短い時間で複数の弾を集弾できる、と考えればあながち悪くはなく、後のマシンピストルの需要を先取りしていた。

商業的には失敗作とされるが後世に残したものは大きかったと言えるだろう。
…が、産みの親のH&K社すらその存在を&font(l){忘れたかった}忘れていたらしく、ポリマーフレームを生かした銃が流行るのは、本銃よりももう少し後になる。



追記・修正お願いします。

#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,1)
}
#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- マジでなぜ主人公&裏主人公にこんなモン持たせたのか。しかもレオンはあの後ずっとアレ使ってるし・・。金も貯まってるだろうしまともな奴に代えようよ・・。  -- 名無しさん  (2016-11-12 21:04:25)
- なぜレオンが使ってたのかは単純にコレクションの一品を使ってただけらしい  -- 名無しさん  (2017-03-31 11:48:11)
- ↑2 メタいことを言えばとある開発スタッフが猛烈に推してきたので選ばれたらしい(公式ガイドブックに書かれてた)。  -- 名無しさん  (2017-05-07 15:09:06)
#comment
#areaedit(end)
}