ATS(自動列車停止装置)

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ATS(自動列車停止装置) - (2014/02/23 (日) 18:06:34) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2011/11/15(火) 05:30:35
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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ATSとは、自動列車停止装置の事である。Automatic Train Stop systemの略。信号無視するとジリリリンッっと止まるシステムである。
決して、当たって止まるシステム(Atatte Tomaru System)の略ではない。





…これだけでは一般人はまずわからないと思うので、非・鉄道好きにもわかりやすく説明する。
まず、鉄道信号機について簡単な説明をしよう。

現在の鉄道信号機は、自動車のように時間制ではなく、「前方に列車がいるかどうか」で信号が変わる。

#center(){
こういう事だね
↓

  &font(#008000){青}    &font(#ff0000){赤}   &font(#ffdc00){黄}   &font(#008000){青}    &font(#ff0000){赤}
  &font(#ff69b4){←列車A}           &font(#800080){←列車B}

↓

  &font(#ff0000){赤}    &font(#ffdc00){黄}   &font(#008000){青}   &font(#ff0000){赤}    &font(#ffdc00){黄}
&font(#ff69b4){列車A}          &font(#800080){←列車B}
}
1.信号機Aとその次の信号機の間に列車がいたら、信号機Aは&font(#ff0000){赤信号(止まれ)}
2.信号機Aの次の信号機-その次の信号機間に列車があるなら、信号機Aは&font(#ffdc00){黄信号(速度落とせ)}
3.そのいずれにも列車がいないなら、&font(#008000){青信号(その区間の最高速でおk)}

基本はこうである。実際には、さらに多くの色パターンがあるが(&font(#ff0000){赤}・&font(#ffdc00){黄黄}・&font(#ffdc00){黄}・&font(#ffdc00){黄}&font(#008000){青}・&font(#ffdc00){黄青}&font(#008000){点滅}・&font(#008000){青}・&font(#008000){青青})、だいたいは同じである。



さて、鉄道信号機についてはだいたい理解していただけただろうか?それではATSについて説明しよう。
私鉄形などを含めると種類が非常に多いため、ここでは代表的なATSの、「S形」「Sx形」「P形」および、ATSの前身の「車両警報装置」について説明する。
 
&font(#008000){●車両警報装置}
国鉄時代、信号無視による事故が多発していた。そのため、国鉄はATSの前身となる「&font(#ff0000){車両警報装置}」(警告音が鳴るだけ)を開発した。
しかし、&font(#ff0000){反射的に警告音を消してしまう}運転士が多い上に、居眠りや飲酒などの判断力が低下している状態では&font(#ff0000){ほとんど役に立たない}ため、依然事故は多かった。そのため国鉄は、改良をしたATS-S形を開発した。



&font(#008000){●ATS-S}
前述の通り、車両警報装置はあまり意味がなかったため、国鉄は自動ブレーキ機能を付けた「&font(#ff0000){ATS-S}」を開発した。
前述の車両警報装置に比べて、居眠りなどの事故を減らしたが、&font(#ff0000){このシステムには重大な欠陥があった。}

ATSの警報が鳴って5秒以内に確認ボタンを押してブレーキを掛けると、&bold(){&font(#ff0000){ブレーキが作動しない}}のだ。(これをATS確認という)
そして、運転士は反射的にATS確認をしてしまうので、本質的には&font(#ff0000){車両警報装置と大して変わらない}のだ。

そのため、JR各社はこれに改良を加えたATS-Sxを導入し、ATS-Sを淘汰した。
 
&font(#008000){●ATS-Sx}
ATS-Sからさらなる改良を加えたATS-Sx…。
これを導入してから、事故が相当減少した(ただし、国鉄民営化による体質改善の影響だという可能性あり)
このタイプの挙動は、信号機数百メートル手前で速度照査(速度をチェック)を行い、指示速度を超えているとベルが鳴り、ATS確認をしないと非常停止する。え?ATS-Sと同じじゃないかって?

&font(#ff0000){ATS-Sxの本気はこんな物ではない}

ATSを確認したあと運転を継続できるが、信号機数メートル手前で再び速度照査を行う。そして、もし速度超過をしていたら、&font(#ff0000){直ちに非常ブレーキが動作}する。

しかし、これにも欠点がある。まず、一部を除いて、閉塞信号機(駅と駅の間の信号機)に対しては即時非常停止機能が無い。つまり、&bold(){&font(#ff0000){ATS-Sと変わらない}}。
また、即時停止機能がある場所でも、即時停止は信号機のすぐ手前で発動するため、&font(#ff0000){高速で進入したら減速が間に合わない}。残念ながら、故意に暴走した場合は防ぎきれないのである。
 
これらの欠点を完全に無くしたのが次に紹介するATS-P形であるが、P形が開発された現在でも、Sx形は未だに多数残っている。
まあ、SxをPに変えるには金が掛かるし、Sx形でも大体の事故は防げるのでしょうがないのかもしれないが…。

ちなみに、福知山線脱線事故が発生した際、報道各社は「ATS-Pだったら防げた」「Sxだったからダメ」などと大々的に報道したが、&font(#ff0000){実際にはSx形でも地上子さえ付ければ防げた。}&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){見事なマスゴミ}}



&font(#008000){●ATS-P}
Sx形の欠点を無くすべく開発されたのが、このP形。
これは以前のATSとは全く違う。
第一に、P形は常に速度照査している。

次に、速度超過した場合に&font(#ff0000){非常停止する訳ではなく、制限速度まで減速するだけ}なのだ(JR東海のATS-PT形を除く)。これで、"うっかり数km/hだけ超過してしまって非常停止、ダイヤが乱れる"という事がなくなった。ただし、必要な場合はちゃんと非常ブレーキが掛かる。
そして、P形の最大の特徴と言えるのが、&font(#ff0000){信号機までに減速出来るギリギリのパターンを計算}して、そのパターンから外れた場合のみ減速するのだ。
ようするに、速度超過してから減速ではなく、&font(#ff0000){&bold(){速度超過しないように}減速するのだ}。
これならば、Sx形のように減速が間に合わない事もない。

このように、多くの機能を有すP形は、どちらかと言うと、ATSよりATC(自動列車制御装置)に近い。
ただし、ATCは地上ではなく車内に信号機がある。※初期のATCは地上信号方式なので、ATS-P形に限りなく近いと言える。

また、JR東日本では地方線区向けにSx形にパターン発生機能を追加したATS-Psを独自で開発し、東北・信越地方を中心に導入されている。こちらはSx形の上位互換であるため、Sx形のみを搭載した車両もPs区間への乗り入れが可能であり、Ps導入車両もSx区間への乗り入れが可能である。

余談だが、[[電車でGO!]]のATSは、異常に急なブレーキが掛かるので、TAITOが独自開発した「ATS-T形」だとか言われている。
 






追記・修正は、ベルが鳴ってから5秒以内にブレーキを掛けて編集ボタンを押す。

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