serial experiments lain

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serial experiments lain - (2016/09/19 (月) 01:12:04) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2011/08/24(水) 10:29:15
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます

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serial experiments lainとはイラスト&テキストの雑誌掲載と、
アニメ・ゲーム作品の制作とが同時進行で行われた、当時はまだ珍しかったメディアミックス作品である。
通称lain。

どの作品も、「lain」という少女を中心として物語が展開されていく。
なお「serial experiments lain」は直訳をすると、「レインへの連続する実験」といった意味になり、作品内容と非常にマッチしている。


◆アニメ版
仮想世界であるワイヤード(現在のウェブ機能を発展させたようなもの)が中心となっている世界が舞台。
内気な性格ながら、一般的な中学生の生活を過ごす主人公「岩倉玲音」が後に起こる事件へと関わっていく。

本作は「現実と区別のつかない仮想空間」といったよくある物語と逆の、
「仮想世界(ワイヤード)と区別のつかない曖昧な現実」がモチーフとなっており、物語は玲音の視点から成り立つ。
(ただし一人称視点の作品ではなく、あくまでも客観性の無い作品)
こうした舞台設定から、本作を見ている視聴者はだんだん「lain」の世界に入っていくことになる。
監督は、[[キノの旅]]や神霊狩を手がけた中村隆太郎。
この名前を見て何かがピンときた人は立派なアニヲタだろう。

そう、この作品&font(#ff0000){かなり人を選ぶ。}

人の精神面に関する多数の描写や、ハッカー色の強い作風などハマる人はとことんハマるが、駄目な人はとことん駄目である。
なにせ、公式がカルトアニメと堂々と言ってのける程である。
とは言っても後述のゲーム版よりはまだマシな方。いや本当に。


・主な登場人物


岩倉玲音(れいん) CV:[[清水香里]]

本作の主人公。内気な性格ではあるものの極普通の中学生……だったはずが、
専用のNAVI(パソコンを発展させたようなもの)を手に入れてから、
急速にハッカーとしての才能を開花していき、物語の事件に巻き込まれていく。

クマのパジャマ姿が大変可愛い。
また中の人は本作がデビュー作であり、当時何と中学生だった。


レイン (CVは玲音と一緒)

玲音であって玲音ではない存在。
ハッカーとして伝説的な腕前を持っている。
気が強く、にらみつけるような鋭い目つきが特徴。
最初は玲音と全く関係ない所に現れていたが……。


岩倉康男 CV:大林隆之介

玲音の父親。熱狂的なNAVIオタで玲音が専用のNAVIを持つことにも大賛成していた。
彼がNAVIを夢中になって操作しながら、玲音と話していたシーンはある意味本作を象徴している。
「ケヒャ、ケヒヒヒヒヒッ!」


岩倉美香 CV:[[川澄綾子]]

玲音の姉。玲音に対して少しキツく当たっていた。
&font(#ff0000){本作のトラウマメーカー。}


瑞城(みずき)ありす CV:浅田葉子

玲音の親友。優しい性格で登場時から何かと玲音を気にかけていた。
本作の数少ないマトモな人。ありすちゃんマジ天使。
&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){が、何と作中に自慰シーンがある。}}}


タロウ CV:滝本啓人

クラブを溜まり場にする小学生。NAVIに色々と詳しい。
小学生なのに、玲音をデートに誘おうとした。何この小学生?
棒読みっぽいとか言ってはいけない。


英利政美(えいり まさみ) CV:[[速水奨]]

ワイヤードで玲音に何度か語りかけてくる[[神になろうとした男>DEATH NOTE(漫画)]]。
色々な意味で物語の最重要人物。


&font(#ff0000){&u(){&font(#ffffff){lain (CVは玲音と一緒)&br()&br()ありすのとある噂を流した犯人。&br()人を小ばかにしたような言動が特徴で、意地が悪い。&br()たれ目で、相手を嘲るような目つきが特徴。}}}


&font(#ff0000){&u(){&font(#ffffff){れいん (CVは玲音と一緒)&br()&br()最終回で登場した謎の存在&br()青いワンピースを着ており、とても爽やか。&br()ワイアードと現実世界の垣根がなくなり、万物を思い通りに書き換えることが出来るようなった玲音に『神様』になることを進めるが……}}}


何かとややこしい内容の本作だが、人を選ぶとはいえストーリーや演出は名作と呼ぶ価値がある。
ビデオやDVD、BDでも出されたので敬遠することなく一度見てほしい。
監督が[[サクラ大戦>サクラ大戦(ゲーム)]]TV版の監督だということは気にしてはいけない。

 


◆ゲーム版

#center(){友達という名のレッテル}

#center(){恋人という名の偏見}

#center(){たったひとつの存在}

#center(){lain}


ある意味&font(#ff0000){ここからがこの項目の本番。}

カウンセリングに来た少女「岩倉玲音」と、その担当医の「米良柊子」のカウンセリングが中心となってゲームが展開されていくが、
ゲーム中に出来ることは、情報ネット上にある音声やムービーデータを、「lain interface」という架空のインターフェースを使って再生するだけ。
特別な操作などは全く無い、ただ再生するだけ。
そのため本作は「ゲームではない何か」と言われることがよくある。
オマケにボタンを押して反応するまでに2~3秒、場合によっては4~5秒かかる操作感、
ワザとやっているのでは無いかと思うくらい遅い。[[速さが足りない>ストレイト・クーガー]]とかそんな次元じゃない。
ハードはPSなのに……。

アニメ版よりも暗いストーリー、上記のゲーム性から本作は&font(#ff0000){アニメ版よりもさらに人を選ぶ。}
とあるレビューサイトではこれでもかというくらい叩かれていたのに、別のサイトでは大絶賛されていた、ということがあった。
このゲームにハマることが出来れば、あなたはもう立派なlainファンだろう。

本作はファンディスク的位置づけということもあってか生産数が少なく、
廃盤になってしまったこともあってプレミア価格が付いている。
具体的には、Amazonで&font(#ff0000){新品ならば65000円、中古でさえ18140円以上}(2016/5/09時点)
中古のゲームハードとソフトを買っても余裕でお釣りが出るぞコレ……。


・主な登場人物

岩倉玲音 CV:[[清水香里]]

カウンセリングに通う女の子。本作では11~14歳までの姿が描かれる。
左のもみあげだけ長いという変わった姿で、アニメ版の玲音とは大分外見が違う。
内向的ではあるものの徐々に柊子と信頼関係を築いていく。視力は両目とも3.0。


米良柊子(よねら とうこ) CV:岡本麻弥

アメリカから帰国してきた新人で玲音の担当医。
カウンセリングによって玲音と仲良くなっていく。また、恋人がいる。


牧野慎一郎 CV:渋谷茂

ネット上で玲音と知り合ったサラリーマン。
多分本作で一番マトモな人にして、漢。


美里

玲音の中学校の友達。
大人しいが明るい性格で絵を描くのが上手く、バイオリンを弾くことができる。



以下ネタバレにつき注意














本作は鬱ゲーである。
玲音は実は電波を目視出来る少女であり、左のもみあげだけが長いのも聴こえてくる幻聴を防ぐため。
さらに小学校の頃には仲の良かった友人がいたが、男子絡みの事で嫌われ、その後いじめ→登校拒否の魔のコンボ。
パソコンの腕がハッカーも真っ青なほど高いが、ネット上で裏切られ、人間不信に。
中学生になって学校に行き、美里と友達になるが、&font(#ff0000){美里は玲音の想像上の人物。}
さらに父親が急に失踪、カウンセリングにより安定していた精神が悪化。後に母親も失踪。

そして「お父さん」を作り出す。最初はプログラミング上のものだったはずが、だんだんロボットとして「肉体」を持っていく。
さらに後に「お父さん」を鉄パイプで壊していくのだが、鼻歌+[[レイプ目]]+無表情で壊していく様子は狂気の一言。


担当医の柊子も酷い目にあう。
研究所では教授に不当に扱われ、大学時代から付き合っていた恋人が他の女性と突然結婚することになる。
後に吉田という恋人が出来るが、吉田は橘総研(本作の黒幕、謎の存在)の人間でRMLという怪しい健康器具を渡し、さらに柊子はおかしくなっていく。
玲音とは最初は仲が良かったものの、調べていく内に玲音が普通とは違う存在だと分かり、関係は悪化していく(というより柊子が一方的に嫌っていく)
さらに&font(#ff0000){カウンセリングの技術を会得した玲音が精神を病んだ柊子をカウンセリングするようになる。}


牧野も玲音の「お父さん造り」に協力した後、精神を病んで自殺。


これだけでもかなり酷いが、&font(#ff0000){最後は本当に救いが無い。}

柊子は完全に精神を崩壊した後、&font(#ff0000){玲音に銃殺されてパソコンのモニターに顔面を突っ込んで死亡。}
この映像は本作屈指のトラウマメーカーである。
もっともこれは玲音が柊子を好きだったために、柊子を自分の世界に連れて行く為に殺したようである。


玲音は精神を病んでいく内に「実在」をネットに見出し「記憶」はデータにすぎないという結論を出す。
自分の思考ルーチンなどをネットにばら撒いた後、&font(#ff0000){拳銃で自殺をする。}
その時に玲音の笑い声が木霊するのだが、この映像は本作(ry



エンディングを見た後もデータが増え、その中にネット上の存在となった玲音と柊子から語りかけられるというデータがある。
ここでは最初に入力した名前で呼んでもらえるのだが、当時はそういった技術が発達していなかったのか&font(#ff0000){とんでもない機械声。}
これが本当に怖いというか、精神にクる。
これをやった後に[[ラブプラス]]をやると技術の進歩に感動出来るかもしれない。


またゲームの中で操作をしないでしばらく放置をしていると、音声や映像が流れるのだが、

・裸の玲音が走っていく
・「見ろよ、モニターに写ったアンタの馬鹿顔」「革命を起こすんだよ」&br()「今日、俺のクローンの女に街で会った」といった明らかに電波が入った男性の声

などが流れ、鬱要素を増す要因となっている。


リメイクやゲームアーカイブスでの配信を希望する声もあるが、
扱っているネタがネタな上に上記の内容から割と絶望的……。

興味を持った方は中古ショップをハシゴしてでもプレイをしてみてほしい。


lain「私に会えなくするのは簡単よ、追記・修正をすればいいだけ」




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- 本編は未視聴なのですがアニメ版OPに関して、退廃的な空気が独特で今見てもすごくかっこいいと思います。  -- 名無しさん  (2013-08-31 17:43:22)
- アニメ版とPS版で選んだ結末が真逆…に見えたんだがどうだろうか  -- 名無しさん  (2014-01-24 21:59:22)
- PS版は真夜中に一人でやってたんで本当に怖かった。つまり優秀なサイバーホラー(そんなジャンルがあるのかは知らん)だと思う。アニメ版とは随分趣が異なるが……  -- 名無しさん  (2014-01-24 22:30:24)
- 面白かったがなぁ  -- 名無しさん  (2014-01-24 22:36:25)
- ラブプラスは逐一名前を収録するという力技なので技術関係ない(次回作はEVSらしいけど)  -- 名無しさん  (2014-02-17 00:12:32)
- 深夜枠でアニメの再放送、もしくはゲームのHDリマスターの発売は不可能なのだろうか?  -- 名無しさん  (2014-10-12 22:21:46)
- PS版は一周目クリアした後くらいに、オルゴールの幻聴が鳴り止まなくなったのでプレイを断念してしまった。ヘッドホンを長時間プレイしてはいけない。  -- 名無しさん  (2014-11-10 21:09:36)
- PS版は何回か中古店で見る事はあったけどどれもガラスのショーケースの中でしかも1万越えの高値だった。そしてどれも少し経つと売れてしまっているという…  -- 名無しさん  (2015-11-29 18:42:09)
- 当時の精神医学者がマジギレした作品。これは実存と架空の垣根を取り壊し、曖昧にするための実験的作品だった。「連続実験体玲音」のタイトルはダテではない……。  -- 名無しさん  (2015-12-30 01:28:10)
- ↑「当時の精神医学者がマジギレした」って情報源は?  -- 名無しさん  (2016-05-10 00:23:28)
- サイバーパンクとしては肉体を捨ててネット世界に生きる、ってテーマは面白いんだが、一方で現実に絶望したから逃避したような造りなんだよね。  -- 名無しさん  (2016-05-19 15:28:10)
- 「記憶」と「記録」、情報社会で価値を持つのは絶対的に後者の方で、ナイツや英利政美がリアルとワイヤードの垣根を取り払った結果(どうしてそんなことが可能なのかがわからんかったが)、ワイヤードの記録を自在に書き換えられる玲音は現実を自由自在に歪められる存在になる。アニメ版はそんな話だった気がする。  -- 名無しさん  (2016-05-20 15:30:49)
- ごちうさのゲームの冒頭の説明が『このゲームは、君がココア君になって 友人達と仲良く日々を過ごすゲームだ。』で、それが速水さんの声で再生されるからだいぶlainっぽいと思ってしまった  -- 名無しさん  (2016-05-20 16:00:32)
- 今観ると(いや当時からかもw)、英利さんは結構な萌えキャラな気がするな。レインの次言うセリフを先読みして急に女の子口調で喋りまくるシーンなんて凄いというより、どこに出しても恥ずかしくない立派な変態だ。  -- 名無しさん  (2016-05-20 16:21:17)
- 肉体に関しては、アニメじゃありすが捨てるのを止めるんだよな。肉体があることにもたぶん意味があるって感じで。それであのラストにつながるんだと思う  -- 名無しさん  (2016-05-20 19:35:41)
- ↑ 作品スタンスとして肉体回帰を奨励してるわけでも、ネット否定してるわけでも無いと思うけれど、オールリセット前のありすとのリアルでの繋がりが間違いなく玲音の救いになっていて、その記憶がある限り、玲音はきっと大丈夫なんだろうなって感じはした。  -- 名無しさん  (2016-05-21 14:20:34)
- あんな笑い方でネタにされているけど親父さん悪い人じゃなかったよな。アニメの玲音が父親好きで最終回で父性に救われるのも、あの人のおかげだと思う  -- 名無しさん  (2016-05-22 20:42:40)
- 中盤から全然セリフないのに玲音の姉役の声優さんは役を作りこんでくれて、それに感動した脚本の方がお詫びをかねて最終回での姉のセリフを増やしたそうな。ちなみに中盤以降の姉は「ピー」と「ガー」しか言ってない。声優、偉いというか凄いw ↑ただ家族ごっこが終わった際、他人行儀な態度で「あなたの事が好きでした」って言って別れるところは確実に玲音にダメ―ジを与えたように見える。変態っぽくて気持ち悪いという意味では無くてw  -- 名無しさん  (2016-06-09 16:20:41)
- PS版の美里ちゃんはいると考えた方が自然なんじゃ… 柊子さんの捜査メモも相手が相手だし信憑性がないし  -- 名無しさん  (2016-08-20 09:39:17)
- それにいなかったら作中重要な話なのに「lainが描いた絵」と「コンクールと同じ絵画を発見」のエピソードに意味がなくなるんだよなぁ…  -- 名無しさん  (2016-08-20 09:43:40)
- ゲーム版の玲音が作画せいかとても怖い  -- 名無しさん  (2016-09-19 00:01:23)
- 「そうなんですか?」「そうなんですよ…」  -- 名無しさん  (2016-09-19 01:12:04)
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