SCP-2662

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SCP-2662 - (2022/02/18 (金) 22:16:56) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2016/10/02 Sun 00:05:51
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}: 約 11 分で読めます

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#center(){&font(b,i,red){クソッタレ!止めろ!頼むからさぁ!シャワー浴びたばっかなんだよ!}}



SCP-2662は、海外の怪奇創作サイト「[[SCP Foundation]]」にて創作されたSCP(人知を超えた存在・物質・場所)。 
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は「Keter」(収容困難或いは放置していると世界崩壊を引き起こす可能性がある)。

項目名は『cthulhu f'UCK OFF!』で、日本語訳は『くとぅるふ ふっざけんな!」』。

#contents()

*前置き
ここでは、この項目を読む上で重要な「SCP Foundation」及び「[[クトゥルフ神話>クトゥルー神話]]」について簡単に述べる。
知ってるから必要ないという方は「概要」から読み進めて欲しい。

SCP Foundation(日本語訳:SCP財団)は、人智を超えた存在・物質・場所・概念である「SCP」と、
それを確保、収容し保護する「SCP財団」からなる[[シェアード・ワールド>シェアワールド]]である。
はじまりは4chanという掲示板の書き込み。
主に「財団はこういうものを見つけ、これにはこういう異常性があることが研究からわかったので、このように保管します」という報告書形式で書かれ、
他職員はそこに書かれた実験報告やインタビュー、特別収容プロトコルを参照できる((ただし本来はそれぞれの報告書にはセキュリティクリアランスが設定されており、それを持たない職員が閲覧することや実験を行うことは禁じられる。我々は第4の壁の向こう側の住人なので全部見れてしまうが。))

クトゥルフ神話は、「太古の神々が現代に蘇る」というモチーフのもとにできた世界観であり、
SCPと同様(というより、SCPに比べてだいぶ先輩とも言える)シェアード・ワールドである。
はじまりは[[ラヴクラフト>ハワード・フィリップス・ラヴクラフト]]が創作した小説を元に、支持者が世界観をまとめたもの。
[[クトゥルフ]]というのは神話に出てくる一柱「Cthulhu」を指しており((本来は人間には発音しえないため、クトゥルーとかクルウルウとかク・リトル・リトルなんて呼ばれることもある、というか「正式な読み方を決めない」ことにこそ意味がある))、多くの神様がだいたい人間に対しては敵対的で恐怖そのものである((ラヴクラフトの小説が元になった世界観だが、このラヴクラフトさんは海の生き物や現代アメリカ文化、更に東洋人や黒人などの『有色人種』など、当時のアメリカ人としては不思議ではない(当時としても異常だったという意見もあり、生前ユダヤ人に対する差別発言をぽろっとしたせいで、死後友人で詩人のサミュエル・ラヴマンさんを失っている。彼の怒りの文章は『金とおがくず』というタイトルで翻訳されており、現在我々も読むことが可能。)「異質なものに対する恐怖感と嫌悪感」があり、それが神話に置いて人外が大抵人間に敵対的な理由だったりもする))。

本来はそれぞれが別個の世界観ではあるのだが、クトゥルフ神話というものの歴史の長さから、
SCPでも取り上げられることがある(ただし露骨過ぎてつまらないものは消される)。
これはクトゥルフといった存在をSCPの世界で扱うとどうなるかという感じの成功例である。


*概要
サイズは30m以上もある本物の(架空の存在だから本物って表現もおかしいが)クトゥルフとは異なり
4m程度と小さいが、それでも人間に比べたら2〜2.5倍はあるというでっかい存在。
クトゥルフを意識して描かれているため、おそらくはクトゥルフの見た目なんだろうが、
一応報告書によれば
>SCP-2662は大雑把にヒト型の姿をしており、頭足類の足と同様の構造を持つ約20本の付加的な触手状筋組織を背中に備えています。これらの肢は完全に機能しており、SCP-2662は一度に10の異なる作業を行う事が可能です。
とのこと。

こいつもSCPなので、当然財団からすれば保管しなければならない。
SCPの特別収容プロトコルは大概

>生育したSCP-504の植物体ならびに果実は防音室で保管されねばなりません。SCP-504の生育または成熟に割り当てられた警備員ならびに研究員は音が伝わるのを防ぐために無線を有効にしたマスクを装備しなくてはなりません。
>([[SCP-504『批判的なトマト』>SCP-504]])

だったり、

>財団職員がSCP-173のコンテナに入室する場合は必ず3人以上で入室し、入室後にコンテナを再び施錠してください。退室時には職員がコンテナから全員退室するまで、入室した職員のうち2人はSCP-173を注視し続けてください。
>([[SCP-173『彫刻 - オリジナル』>SCP-173]])

だったり、はたまた

>SCP-682は内側を25.4cmの耐酸性の板金で補強した5m×5m×5mの収容所に収容してください。収容所はSCP-682が完全に浸かり無力化するほどの塩酸で満たしてください。SCP-682がすこしでも動く、話す、または脱走を試みたらすぐに全力で対処してください。
>([[SCP-682『不死身の爬虫類』>SCP-682]])

だったりと様々である。
大概かなり危険に扱われていることがわかると思う。

が、このSCP-2662の特別収容プロトコルはちょっと他に比べると風変わりである。
>SCP-2662の封じ込めは、主として収容ユニットへの不正侵入を防止することに焦点を置いています。サイト常駐の機動部隊タウ-9("喧嘩腰のボディーガード")はSCP-2662の収容ユニットを護衛し、SCP-2662の崇拝に注力する新宗教の崇拝者たちを追跡するために組織されています。機動部隊タウ-9は不正侵入の試みに対処する際は&font(l){非致死的方法を用いてください} &bold(){必要に応じて致死的な手段を用いることが承認されました。}機動部隊タウ-9の全隊員は、認識災害の影響を半年ごとにテストされます。
>
>SCP-2662の封じ込めは&u(){完全に自発的なもの}であることから、現在は低脅威度ヒト型生物向けの標準的安全対策を施した、拡張済みのヒト型生物用収容ユニットに収容されています。加えて、SCP-2662は任意の日刊新聞のコピー、コンピュータ、及び要求したコンピュータゲームの所持が、毎月の総額が50米ドルを超えない範囲で許可されています。

&font(b,i,red){まさかの自発的な収容。}
他のSCPは割と財団が探しまわったり、文字通り命をかけて、時には何人もの被害を出してなんとか捕獲したり、
収容時点で既に周辺住民に知れ渡ったため住民たちの記憶を書き換えて怪しまれないように代替的な話を流布したりと
工作や死闘の果てに収容し、これまた上述のように丁寧な扱いをしている。
そうしないと人類がヤバイからなんだけど。

これに対してSCP-2662は自分から財団に収容されに来ており、そのため財団からも「一日三食風呂・ベッド付き」の居住スペースと「日本円換算で月5000円」のお小遣いを支給されている。
後述の事件報告においてもSCP-2662は非常に常識的な感性を有しており、財団職員に対してぶっちゃけ敵意はない。
むしろ重たいものを持っている職員に対して「手伝おうか?」と言ったりとかなり友好的である。
見た目はクトゥルフなのに。

…の割に財団がこいつに与えているオブジェクトクラスは「Keter」。
これは「収容が困難、あるいは制御が困難で危険性が非常に高い」物に与えられるもの。
//例外への疑問などについてはketerの説明がやや間違っていると判断し、変更。

これは決して彼のことを疑ってるとかそういうあれではない。決してない。
(まあ、他のSCPが財団を欺こうとした『前例』はいくらでもあるので仮に財団が彼を疑ったとしても不思議ではないけど)
どちらかといえば、こいつの危険性はSCP-2662自身にも&font(b){どうしようもできない}ことが問題だったりする。

こいつは「周辺のよく会う人に対して、自分を信奉するような精神的な働きかけを&font(i){無意識に}行う」能力を持つ。
能力こそあるのだが、本人が自発的に行使できる能力ではなく、また相手が信奉してもそれが本人にとって都合がいい展開になってくれない。
精神作用に抵抗力のある人にはこの能力は関係なくなるが、精神作用に抵抗力のない人が全人類の5%はいるとされており、
なんどもSCP-2662と触れているうちに発現する。

そしてもうひとつの能力として「月に一度、宗教的な崇拝者が現れ、SCP-2662の収容ユニットへ侵入を試みようとする」というものがある。
ひとつ目の事例からSCP財団そのものを知らない人であってもこの宗教的な崇拝者となって財団内に侵入を試みようとする模様である。
というか侵入してしまっている。あと、無論財団の人間であっても作用にかかる奴はかかる。
しかも侵入する集団は毎回別の人たちで関係性もなさそうなのに、なぜか前の回でやらかした失敗について共有しているらしく、故に同じ方法で鎮圧できない。
そしてSCP-2662はクトゥルフなので、当然その信奉者はまともなはずがなく、基本エロくてグロくてバイオレンスな儀式を執り行いたがる。
それもSCP-2662の目の前で。
…だがSCP-2662は基本そういうものに対して全く持って免疫がなく、
>SCP-2662「なあおい、落ち着けお前ら。」
>信奉者たち「ああ、我らが主よ!我らの血を受けてください!(血と愛液を混ぜたものをSCP-2662に塗りたくろうとする)」
>SCP-2662「やめてくれ…」
となる。

ようするにSCP-2662は&font(#0000ff){[[SAN値>SAN値/正気度]]がガリガリ削れた人を呼び寄せてしまう特性を持った&bold(){常識人}}

これが項目名の「cthulhu f'UCK OFF!(くとぅるふ ふっざけんな!」)」の示す意であり、
クトゥルフを信奉するものがよく唱える「Ia! Ia! Cthulhu fhtagn!(いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!)」にかけて、
「Cthulhu f」まで言った時に「Fuck Off!(ふざけんな!)」と叫んでいるSCP-2662のことを指している。



*実際のインシデント例
**インシデント1
SCP-2662はシャワーを浴びている。ところが彼の収容ユニットの床下が突然爆発。
あまりのことにびっくりしたSCP-2662はシャワー室を離れる。
そこから5人の民間人が収容ユニットに侵入。

同時に収容ユニットを守っている機動部隊タウ-9は民間人を鎮圧しようと試みるが、後からやってきた武装した別の5人の増員に敗北。

侵入者たちは邪魔する財団エージェントたちを縛り付けると、その場でナイフで手を切りつけ、
自慰行為を行い、&font(b,#F54738){血}と&font(b,#ff69b4){愛液}を混ぜたものを使って壁に未知のシンボルを描く。

SCP-2662「おいちょっと、勘弁してくれよ。ホント衛生に悪いぜこういうの、てゆーか、むしろ冷静になろうじゃねーか。」
衛生を気にする邪神。かわいい。
だが信奉者は逆にSCP-2662をシャワー室に追い詰め、歌いながら血を塗りたくる。
SCP-2662「&bold(){クソッタレ!}((原文は「Jesus Christ!」である。ジーザスと叫ぶ邪神なんて誰が想像できただろうか。)) 止めろ! 頼むからさぁ! シャワー浴びたばっかなんだよ!」
なんとか民間人は鎮圧されたが、常識的な衛生観念を持つSCP-2662にとっては大変きっつい出来事であった。

**インシデント2
SCP-2662は朝食をとりながら新聞を読んでいる。のっけからおかしい。
そこになぜか収容ユニットを守っている警備員たちと、子豚を抱えた女性の研究員が入ってくる。
SCP-2662「手伝おうか?」
女性にとって扱いにくそうな子豚を一緒に運ぼうとする邪神。
しかし彼の厚意に対する返事はこんなものだった。

>「嗚呼、私たちの主よ、どうかこの無垢なる豚の仔を、父母を屠られし生まれたばかりの孤児をお受け取りください! 此奴の喪失の魂が貴方様の御力となることでしょう!」

その場で研究員は子豚を去勢し、&bold(){睾丸}((キンタマのことである。))を朝食に添える。
当然食欲を喪失したSCP-2662。
SCP-2662「あー…。遠慮しとく。我、腹いっぱいだし。帰れ。汝の、えー、主は供物に満足しておるぞよ。」
合わせてくれる邪神。かわいい。
一方研究員は(おそらく生きてる)子豚の首を切り裂き、血が飛んで新聞を濡らす。
SCP-2662「おま、ちょっ…なぁおい、お前さ、どっかで&bold(){聖書}かなんか読んでらんないの? そーゆーのがめっちゃ必要だと思うね、お前には」
世界一のベストセラー、聖書を読むように勧める邪神。
その場で警備員は研究員を射殺。ああ、これで一安心かと思いきや…

警備員は彼女をその場で&font(b,i,red){食べ始める}。

SCP-2662「オエーッ!」
機動部隊が侵入者たちを鎮圧しに来た時、邪神様はカニバリズムで気を悪くしてトイレで嘔吐していた…。
なお後の調査により、この研究員と警備員たちは職員に変装した民間人であることが判明した。

**インシデント3
SCP-2662は就寝中。突如ベッドの側に彼らを守っている機動部隊員二名((本来は四名残っていたが、内二名はベッドの側に来た奴らに幽閉されている。))、そして[[Dクラス>Dクラス(SCP Foundation)]]職員が入り込む。
SCP-2662「あぁ…ぁあ? 移動すんの? 来週の予定じゃなかったのかよ」
と、その場で機動部隊員であるエージェントたちはDクラス職員を突如すっぽんぽんにさせる。
嫌な予感がした邪神様は警告を試みたが無視されてしまう。
その場で彼らは&color(#ff69b4){グループセックス}をおっぱじめる。

SCP-2662「何やってんの? マジで? 今? いいか、マジな話だぞ、他の神様を見つけてもらえるかな? 聞いた話だけどさ、&font(b){仏教}ってのが結構ラジk…」
エージェントとDクラス職員「(;´Д`)ハァハァ」
SCP-2662「&font(b){クソ}がっ! 止めろ! マジでだ! 我は汝らとその他諸々にこの莫迦騒ぎを止めるよう命ず!」
するとエージェントとDクラス職員たちはセックスを中断して邪神様をじろりと眺める。
この時、ニセの指令を受けて外部に行っていた機動部隊の本隊が「そのような指令はない」と現場で伝えられ、収容サイトに引き返し始めている。

SCP-2662「おぉ神よ感謝します、やっとお前らを制御できるってわけだ、ある程度は。我もちゃんと成長してるんだな。気付いてよかった。良し、で、一体全体何がどうなってんのか我に教えてくれるか?」
エージェント「血浴の儀の後、我らは貴方様を、貴方様の神聖なる房へお連れ致します。そこは我らが、我らの家族が、我らの血族全てが永遠に貴方様に尽くす処。ここの者どもは貴方様を囲っております。我らと共にあれば、貴方様は望むままどこへでも行くことができます」
SCP-2662「もちろん冗談だよな? 我は出たいと思ったらいつでも出られるさ、ちょっとお願いすりゃいいんだからな。それはそうとだ、我…」
Dクラス職員、グループセックスを再開。
SCP-2662「マジでさぁ! 止めろって! お前らみんなクソキモいんだよ!!まだカルト教団なんかに落ち着く心の準備できてねーよ! 我はまだ、アレだ、200歳だぞ!&bold(){ギリギリ成年}なんだぞ!」
エージェント「貴方様は真に、頼めば財団が解放してくれると思っておいでですか? えぇ、確かに頼むことは可能でしょう。ですが深く失望するだけです、我が主よ」
SCP-2662「あぁ、まぁ、もしもそういうことになったら、我が逃げ出すのに十分強くなるまで待ちゃいいだけの話だ。それまで我は…我は、トイレにでも座って待つことにする。お前らは莫迦げた血みどろの乱交ごっこでもしてろ」

このあと、SCP-2662はインシデントの残りをシャワー室に座り込んで過ごした。かわいい。










SCP-2662が何でわざわざ自分から収容されに来たかというと、
「&font(b){そのへんでぶらぶら暮らしてたら信仰者がやってきて、自分の前で公開オナニーやカニバリズム見せつけられて、自分のSAN値が削られる}」
というのが一番の理由。確かに、お腹空いてコンビニいって、そこで店員や客が突如公開オナニーやカニバリズムはじめたら誰だって吐く。

ぶっちゃけた話、SCP-2662が&bold(){頭のおかしい人に毎月襲われておかしな儀式に付き合わされる宿命の持ち主}だと考えれば、外の世界での自由を捨ててまで閉じこもりたくなる気持ちも理解できるだろう。

彼にとっては、はっきり言って信仰者がいないところこそ「自分の行きたいところ」であり、外の世界のほうが彼にとっては望ましくないのだ。
カルト教団に囲まれながらコンビニに行くことより、財団内でゲームをしたり新聞を読んで悠々自適に暮らすことを選んだのである。
…まあ、彼の能力が無効化できていない以上悠々自適もへったくれもないのだが。
彼の受難は今後も続きそうである…。

ここまで可哀想なKeterもないだろう。


追記・修正は私たちの主に豚の睾丸を捧げながら行ってください。

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#right(){SCP-2662 - cthulhu f'UCK OFF!
by SoullessSingularity
http://www.scp-wiki.net/scp-2662
http://ja.scp-wiki.net/scp-2662(翻訳)
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
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