SCP-1357

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SCP-1357 - (2017/05/25 (木) 12:33:31) のソース

&font(#6495ED){登録日}: 2016/12/08 Thu 15:15:48
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 14 分で読めます

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#center(){&font(b,i,red){心配するな、お嬢さん。帰りたくないなら帰る必要はないんだ!ご両親も君が帰りたくなったらそのうち来てくれるさ!}}




SCP-1357はシェアード・ワールド[[The SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(The SCP Foundation)]]。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(The SCP Foundation)]]はSafe。…Safeではあるが。

項目名は『The Children's Park (子供のための遊園地)』。


*概要
このオブジェクトは近年の2000番台オブジェクトのような謎は特になく、ストレートにタチが悪いオブジェクト。
一個だけ推察はあるがおおよそ読者は同じ結論に至ると思うので特に議論もしない。

名前で遊園地って言ってるだけあって、このオブジェクトはポーランドにある遊園地。
ポーランドにあるが本部管轄のようだ(ポーランドにはポーランド支部が存在する)。
まあ本部SCPは基本支部を仮定しないカノンで書かれるためそういうことなんだろう。
ロシアや日中韓のオブジェクトも結構多いし。

話を戻そう。この遊園地は東西南北に4つの入場ゲートがあり、チケットを持っていれば入ることができる。
このチケットは報告書内ではSCP-1357-Bと表記されているがわかりづらいのでチケットで通そう。
逆に持っていない場合は、遊園地のスタッフをしているSCP-1357-A個体群に入場をお断りされてしまう。

スタッフであるSCP-1357-A個体群は様々な人種・性別・年齢で構成される集団で、
子供向けの様々なメディア(漫画・アニメ・その他)に影響を受けた統一されたコスチュームを身に着けている。
このメディアは、正確に言えば入場する団体の最も年少のものが好むものになっている。

遊園地の中は一般的にイメージするようなグッズ売り場やゴーカートなどのほか、
「しゃべる食べ物」「ワープ装置」「異次元への扉」など、単体でもオブジェクトをやれるアイテムが揃っているようだ。

さて、チケットを持っていれば入れるとは言ったものの、実はまだ条件がある。
お客様の団体は「二人の恋愛関係にある男女と、その男女を保護者とする18歳未満の子供、そして人数分のチケット」で構成される。
要は家族でないと駄目なのである。ぼっちは帰れということである。つまり建て主はおそらく一生縁がない。
…あなたには縁があるだろうか?


#center(){&font(b,i,red){ないほうがいいんだけどな}}


チケットには”Playland: チケット1枚につきお1人様まで入場できます。魔法のような体験を家族と共に!”と書かれており、
周辺の家族に毎月13日に期限付きで発送される。だが別に届いた家族と別の家族が使っても問題はないようだ。
期限以内に使わないと消失するが。

*財団と遊園地
さて、財団はポーランドのある街の報道で「一瞬で姿を変えるエイリアン遊園地」というのが流れたことで関心を持ち、
周辺住民に尋問の末記憶処理を施し、遊園地を完全に囲った。
とはいえ、財団はただ囲っただけでは仕事にならないので、異常性を確かめるために実験をすることにした。


#center(){&font(b,i,red){これがいけなかった。}}


先程も言ったとおり、これは家族でなければならない。
エージェントのFredricksは妻Adelaideと娘Haileyを連れて遊園地に入り、
ふたりが遊んでいる間に一人のSCP-1357-A個体にインタビューをした。

>取材対象:SCP-1357-A-4878、子供向けテレビ番組"ブルーズ・クルーズ"の登場人物"スティーブ"の衣装を着用。
>
>取材者:エージェントFredricks
>
>前文:エージェントFredricksはこの取材のため、SCP-1357-Aの1個体を他から引き離す。
>
><取材ログここから>
>
>Fredricks:この場所について何か教えてくれないか?
>
>SCP-1357-A-4878:わかりました! このPlaylandはあなたの家族全員の楽しみに応える場所です! 私たちはご家族の要望にいつもお答えし、皆様にご満足していただくためにために常にベストを尽くします!
>
>Fredricks:お前たちを作ったのは誰だ?
>
>SCP-1357-A-4878:Fredricksさん、そんな些細なこと、大事なことではありません![注釈:Fredricks一家全員、この発言以前にどのSCP-1357-Aに対しても苗字を明かしていない]
>
>Fredricks:大事なことなんだ。ただ質問に答えてくれさえすればいい。[娘のほうを向いて]いまはダメだよ、仕事中だからね。
>
>SCP-1357-A-4878:仕事? なぜです、Fredricksさん!仕事なんて馬鹿げたこと、心配しなくてもいいでしょう!楽しみましょうよ!見てください、娘さんは遊んでほしがっていますよ!
>
>Fredricks:[娘のほうを向いて]Hailey、後で行くからね、約束するよ。大丈夫、スティーブに意地悪なんてしないから。お母さんと行っておいで?[SCP-1357-Aへ向かって]悪いがどうしてもこうするしかないんだ。お前のような奴がいるから私の仕事があるんだよ。
>
>SCP-1357-A-4878:[ため息をついて]申し訳ありませんが、これ以上は他のお客様のお楽しみを台無しにすることになります。どうかお止めください。
>
>Fredricks:頼むから質問に答えてくれよ。この遊園地はいつから出来たんだ?
>
>SCP-1357-A-4878:こんな事したくありませんでした。しかしあなたの娘さんはひどく心配しております。
>
><取材ログここまで>

このインタビューの直後、エージェント・Fredricksは3体のSCP-1357-A個体に遊園地からおっぽり出され、
旦那が追い出されたことに気付いたAdelaideはまだ遊びたがるHaileyを無理矢理引き連れ遊園地から出ようとした。
しかしそこにSCP-1357-A個体群が接近してAdelaideとHaileyを分断し、Adelaideも強制退去させられた。


#center(){&font(b,i,red){Haileyだけが遊園地に残された。}}


SCP-1357-A個体群のうちのひとりはHalleyに項目冒頭のセリフをいい、Haileyはそいつらについていってしまったのである。

もちろん財団も職員の家族とは言え財団とは無関係の少女が遊園地内に閉じ込められたことを軽く見てなどおらず、
練度の高い機動部隊に優れた兵器を与え、なんとしてもHalleyを両親のもとに連れて帰そうと奪還作戦を敢行。
しかしSCP-1357-A個体群は圧倒的な物量でこれに応え、奪還作戦は失敗。

しかしFredricks一家は遊園地に入場する際に音声発進装置をつけていたため、Haileyの肉声を聞くことはできた。
これがまた哀しい。

>Hailey:ねえ、どうして女の子のスティーブがいるの?
>
>SCP-1357-A:男の子のスティーブはみんな君のために遊園地の準備をしてて忙しいからよ!
>
>注釈: これは、失敗した機動部隊の救出作戦の最中に受信された。

遊園地の準備(物理)。

>Hailey:これすごく、すごく、すっご~くたのしい! ずっとず~っとここにいたいな、スティーブ!
>
>SCP-1357-A:はっはっは、僕も君と一緒にいられて楽しいよ、Hailey! 来てくれて本当に嬉しい!

お願い帰って来て。

>SCP-1357-A:これなんだと思う、Hailey!
>
>Hailey:なにこれ、なにこれ?!
>
>SCP-1357-A:"Heeere comes the mail, it's just a snail, it makes me wanna wag my tail, when it comes I wanna wail, MAAAIIIL!"
>
>Hailey:違う違う、そんな歌じゃないよ。"it never fails,"だよ、"it's just a snail!"じゃないよ。
>
>SCP-1357-A:ははは、冗談だよ、忘れてただけさ!お母さんとお父さんから君に手紙だよ。やったね!
>
>Hailey:ありがとう!でもスティーブ、わたし字が読めないの。なんて書いてあるか教えて?
>
>SCP-1357-A:いいとも!"Haileyへ、楽しんでくれているかな?私たちも迎えにいきたいんだけど、仕事がいっぱいあって忙しいんだ。家に帰りたくなったら手紙を送ってね。すぐに迎えに行くからね。追伸:お父さんがちゃんと歯を磨けって言ってたぞ!"だってさ!

…当たり前だけどエージェントFredricksはこの時点で手紙なんて送っていない。
というか書いたところでどうやって届けるのか。
しかも一応財団は「手紙書いた?」って聞かざるを得ないのでFredricksはこの音声記録を聞いているはずである。
お父さんの心が心配である。

>SCP-1357-A:...それで、ここが一番大きなベッドルームだよ。君はここを自由に使っていいんだよ、Hailey! あそこにあるシンキングチェア、君のために作ったんだ! 気に入ってもらえるとうれしいな!ベッドも大きくて、毎晩心地よく眠れるはずだよ!
>
>Hailey:[歓声をあげて]わあ、すごい! ありがとうスティーブ!

両親は針の筵に寝とるんですが。

>Hailey:どうしてお母さんもお父さんも来ないの? お手紙がんばって書いたのに...
>
>SCP-1357-A:それはきっと、2人とも忙しいんだよ。きっと手紙を読んだらすぐにきてくれるさ。

うん、奪還作戦及びお前らの調査で忙しいよ。

この後のインタビュー記録を数点飛ばすが、基本「Haileyが手紙を書く、あるいは手紙をもらう、でSCP-1357-A個体群が慰める」
みたいなやり取りが繰り返される。
Hailayも流石に寂しくなったようだ。当たり前である。まだ字も読めない年頃の娘がパパとママに会えないのである。
しかもいちいち手紙のやり取りをインタビュー記録で言及している。
ということはいちいちエージェントFredricksはこれ聞かされてるのか?
なんの仕打ちだ。

そして「ねえスティーブ、お母さんやお父さんって自分の子供を嫌いになっちゃったりするの?」
「ねえスティーブ、お母さんとお父さんがほしい。」「もう遊びたくないよ、スティーブ!」とどんどん不満を訴えるようになる。

だが。

>Hailey:お父さんとお母さんのところに連れてってくれるの?
>
>SCP-1357-A:どうして? もう楽しくなくなっちゃったのかい?
>
>Hailey:お母さんとお父さんがいなくてずっと、ずっと寂しいの。
>
>SCP-1357-A:でもほら、僕たちは君の家族だよ!
>
>Hailey:違うよ! みんなは私の友だちだよ。 欲しいのは家族なの。
>
>SCP-1357-A:それじゃ、もう僕たちのこと嫌いになっちゃったのかい?
>
>Hailey:もちろん好きだよ! でも家族のほうがもっと好きなの。
>
>[長い沈黙]
>
>SCP-1357-A:[ため息]うーん、まあこういうこともあるよね。 おいで、君の家族に会わせてあげるよ。
>
>[5分ほど、足音が続く]
>
>Hailey:スティーブ? スティーブ、道に迷っちゃったんじゃないの?
>
>SCP-1357-A:大丈夫だよ、大丈夫。
>
>Hailey:何あれ? なんだか怖いよ...
>
>SCP-1357-A:家族に会いたい、そうだねHailey? さあおいで! これに乗って君の家族のところまで行けるよ!
>
>Hailey:ほんとに、ほんとに約束してくれる?
>
>SCP-1357-A:もちろんだよHailey! 君にウソなんてつかないよ!
>
>Hailey:うーん...分かった。
>
>[摩擦音、ビープ音、回転音などがする]
>
>SCP-1357-A:また会おう、お嬢ちゃん。
>
>Hailey:[悲鳴]
>
>注釈: この時点で音声送信装置は故障した。

これを聞いたエージェントFredricksは財団に何も告げずに遊園地に押し入り、
罵声を上げながら約30体の妨害するSCP-1357-Aを殺害してHaileyのもとに向かうも、
Haileyは&font(b,red){何かされてしまったらしく}「言ったでしょ、まだ帰りたくないの」といい、
その直後2体のSCP-1357-A個体がFredricksを気絶させて遊園地の外におっぽりだした。
明らかに(オブジェクトを毀損しているなど)問題行動だが、財団も警告だけに止めた。
そもそもこの実験を計画した連中のほうが問題なわけだし…。

その後別の実験を性懲りもなく財団は行ったが、その際にエージェントFredricksは別口でチケットを持って入場、
Haileyと思われる人物を探しだし15分ほど会話したが、そのまま落胆して遊園地を後にした。
恐らくこの段階で彼女は完全にFredricksのことを忘れてしまったんだろう。

これだけでもあれなのだが、もうひとつの音声記録がある。
これは遊園地のチケットに書いてある電話番号の記録を傍受したもの。

>Hailey:こんにちは、こちらPlayland、家族に最高の楽しみを提供します!ご用件をどうぞ?
>
>男性の声:娘を返してくれ。
>
>Hailey:申し訳ございません。あなたの娘さんは私たちと一緒に居たがっています。でもいつでも来てください。お知らせしていただければ、2枚のチケットをお送りします!それでも、娘さんはここに居たがると思いますが。

Fredricksとは別の男性が恐らく娘をやはり奪われたようである(Fredricksであればそう書くはずである)。
そしてHaileyが返事しているが、明らかに遊園地のスタッフとしての会話をしている。





#center(){&font(b,i,red){Hailey、SCP-1357に就職。}}




SCP-1357-Aの正体がこれで推察できる。
恐らく、世界各国のありとあらゆる時代の少年少女たちが遊園地の中で洗脳されてしまった姿こそが
SCP-1357-A個体群であるのだろう。

きっと誰か親が泣いたのだろう、苦しんだのだろう、
戻ってきて欲しいと願う者、絶望に打ちひしがれる者、いろいろいるとは思うが、
子供達ともう二度と元に戻れない親の苦しみは如何ばかりであろうか。

この音声記録はぜひともFredricksに公開しないでほしいものである。
Fredricksは30体ほどのSCP-1357-A個体群を殺害している。
もしこの音声記録を聞いたら、自分の娘が洗脳されてしまったことに加え、
自分と同じ境遇の親たちの子供を殺した罪悪感にも苛まれかねない。


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#right(){
SCP-1357 - The Children's Park
by azzleflux
www.scp-wiki.net/scp-1357
scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-1357
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
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- 入場しなきゃオッケーだからsafe扱い……なのかな?  -- 名無しさん  (2016-12-08 15:37:12)
- なんかこう日本支部に出てくる如月工務店を思い出すな……  -- 名無しさん  (2016-12-08 16:00:51)
- 個人的にはコイツとscp-823はとっとと破壊してほしいが、破壊したらしたでketerクラスにでもなったら困るしなぁ・・・・  -- 名無しさん  (2016-12-08 18:25:08)
- ネバーランド  -- 名無しさん  (2016-12-08 19:13:04)
- 胸糞の極みみたいなオブジェクトいいよね。ゲロ吐きそう  -- 名無しさん  (2016-12-08 20:11:35)
- なるほど、"children's"だこれは  -- 名無しさん  (2016-12-08 20:59:09)
- 財団職員の家族関係者とは言え財団が子供を実験に使うってのは楽しい財団の名残がまだあった時期だったからこそできた記事だと思う  -- 名無しさん  (2016-12-08 22:28:58)
- 財団の理念的にどんなにアレな物でも収容できてるならば破壊する事は無いからなぁ  -- 名無しさん  (2016-12-09 10:32:33)
- 事情が事情だからGOCも破壊するのはきつそうだしなこれ…(GOCが子供を"破壊"することに抵抗が無いなら別だが)  -- 名無しさん  (2016-12-09 22:55:03)
- 一応、GOCの入隊時のあれこれに『例えそれが7歳の少女の見た目をしていても、危険な異常存在ならば速やかに破壊しなくてはならなりません』『我々は、貴方(エージェント)へのカウンセリングと適切な薬剤の処方を惜しみません』と言う物がある(あくまでカノンの1つだが)から、以外と躊躇せず『破壊』するかも知れん  -- 名無しさん  (2016-12-09 23:25:11)
- 子供を犠牲にするというだけでも十分胸糞なのに、最後の最後で絶望に突き落としてるのがもう最悪  -- 名無しさん  (2017-01-19 11:57:10)
- 個人的にシャイガイとクソトカゲを送り込んでやりたいSCPだな  -- 名無しさん  (2017-03-05 22:55:01)
- ↑シャイガイはともかくクソトカゲがスティーブンみたいなファンシーな格好して「やぁみんな!!」なんてやるようになったらどうすんだよ…  -- 名無しさん  (2017-05-14 18:42:14)
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