Nyarlathotep

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Nyarlathotep - (2017/04/23 (日) 18:45:18) のソース

&font(#6495ED){登録日}: 2009/10/26(月) 19:28:15
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#center(){&font(#800080){&bold(){二度とふたたび千なる異形のわれに出会わぬことを宇宙に祈るがよい。}}}

#center(){&font(#800080){&bold(){さらばだ、ランドルフ・カーター。このことは忘れるでないぞ。}}}

#center(){&font(#800080){&bold(){われこそは這い寄る混沌、ナイアルラトホテップなれば。}}}
#right(){――『未知なるカダスに夢を求めて』より}


[[クトゥルー神話]]体系に登場する神格。
『這い寄る混沌』『無貌の神』『暗黒神』『百万の愛でられし者の父』など無数の肩書を持つ[[外なる神>外なる神(クトゥルフ神話)]]、あるいは[[旧支配者>旧神と旧支配者 ]]の一角。

クトゥルー神話の産みの親、[[ハワード・フィリップス・ラヴクラフト]]が悪夢の中で遭遇した存在であり、彼がその夢を『ナイアルラトホテップ』という作品として公開したのがこの存在の初出である。

俗に言う『ダーレス設定』ではNyarlathotepは旧支配者達の中で唯一旧神による追放・封印から逃れられた存在であるなど、他の旧支配者とはかなり異なる特殊な地位を占めている。
その役割は旧支配者、特に[[Azathoth>アザトース]]に仕えるメッセンジャーであり、旧神に追放・封印された旧支配者達の解放を目論み、日々暗躍している。
またNyarlathotep自身は他の神格の従者ながら、全ての旧支配者中最大級の力を持つ地の精でもある。基本的に目上の神々も軽蔑しているが、魔王Azathothへの忠誠心は絶大。
逆に天敵たる火の精Cthughaや旧き神Nodensとは徹底的なまでに敵対している。
特にCthughaには地球での彼の根城である『ン・ガイの森』を焼き尽くされるなど、小競り合いが絶えない。

ロバート・ブロックが肉付けした設定によると、この神は古代エジプトで最初に崇められた神であったが、長い年月を経て人々はこの暗黒の神を恐れるようになり、自分たちの記録や歴史、建造物からこの神に関する記録を全て消し去り、セトやトートといった他の神性に彼の属性・特質を割り当てた……とされている。

また、王家の谷から永久にその名を抹消された古代エジプトの王ネフレン=カは狂信的なNyarlathotepの信奉者であり、度々数十〜数百の生贄を捧げる大規模な儀式を執り行い、かの外なる神から極めて精緻な未来の予言を得たと言われている。
当然ネフレン=カは他の権力者や国民の恐怖と反感を買い、その王座を追われた。
しかし彼は落ち延びた最後の信者達と共に地下に巨大な神殿を建造し、その中で最後の儀式を催し、数百の生贄と共にNyarlathotepの眼前で死に絶えたと言う。
その際に狂王は末期の力を振り絞り、余りに巨大で写実的な壁画を完成させた。その壁画には、それまでの、そしてこれからの地球の歴史の全てが連続的に描かれていると言われている。
この神殿に鎮座するNyarlathotepの巨像は、冒涜的な表情の類人猿として表されている。

『千の貌を持つもの』『無貌の神』の名の通り、この神は千……いや、無限の[[化身>Nyarlathotepの化身]]を持ち、幾多の時代や場所に混沌と狂気をまき散らすべく出現し暗躍する。
例えば〈輝くトラペゾヘドロン〉を用いた場合、光を恐れ、三つの燃える眼と黒い翼を持つ『闇をさまようもの』として顕現し、
反対に、慈悲深い〈地球本来の神々〉の守護者として現れた時は、真紅の衣を纏い、古代エジプト王にも似た誇らしげな長身痩躯の若者の姿をとるといった具合である。

彼の者の化身は我々と同じ人間である事もあれば、得体の知れない化物、各地の神話にて語られる怪物や神格、果ては機械や方程式、霧や嵐といった無機物・無生物や概念のようなものまで存在する。
科学・魔術に詳しく、時に人間に優れた技術や予言を授けるが、かの神格の叡智を受け取った人間は大概悲惨な最期を遂げる。

いずれの場合も、ひたすらに圧倒的で冒涜的な存在である他の旧支配者とは異なり、積極的に人間と関わっているところが目立つ。
その気になれば簡単に地球など消し飛ばせる力を持っていながら((どんなに強大でもAzathothから直接生み出された最初の三神格以外は基本的には惑星〜星系規模の存在であるが、Nyarlathotepを始め『闇』『霧』は銀河系〜宇宙規模の存在である))、敢えて自身では直接的な行動は取らず、人類や他の神格の無知蒙昧さを楽しんでいるようですらあり、旧支配者随一のトリックスターであると言えよう。

また、別々の化身が同時に存在することも可能で、殺された化身について別の化身が犯人を探すなんて事もある。

この神格に限った話ではないが、名前の日本語読みが異常に多い。

〈例〉
・ナイアルラトホテップ
・ナイアーラソテップ
・ニャルラトテップ
etc...

大まかに

・“Nyar”
→「[[ナイアル]]」「ナイアー」「ニャル」

・“la”
→「ラ」

・“thotep”
→「トホテップ」「トテップ」「ソテップ」

の組み合わせとなる。

近年の創作ガジェットに使われやすいクトゥルー神話でも、その自由奔放ぶりから特に出演率が高い(主に黒幕として)。
[[押しかけ美少女>ニャルラトホテプ(這いよれ!ニャル子さん)]]や[[セクシーな古本屋の女主人>斬魔大聖デモンベイン]]は少々やり過ぎな気もするが……。流石日本。

上から目線で嘲笑いながら状況をいじくり倒し、調子に乗って人間に倒される、という姿としては[[ペルソナ2のそれ>>ニャルラトホテプ(ペルソナシリーズ)]]が近い。

さて、ここで一つ思い出してほしい。元々クトゥルー神話は異なる作者によって作られた創作神話体系である。
ならこれらの萌え邪神やらセクシー邪神やらクソ邪神やらが、かの邪神の持つ千の貌の一つでないと言い切れるだろうか?
もしかしたら、そんな日本人の創作活動すら這い寄る混沌の計算のうちなのかも……。


ちなみに、前述の地の精やら火の精といった「属性による分類分け」は旧支配者の対立の構図と同様にオーガスト・ダーレスがラヴクラフトの死後に付け加えたもの。
そもそも人間の認識や倫理から遥かに逸脱した存在である旧支配者をこのようにカテゴライズする事は、ラヴクラフトの描いた世界観とは根本的に矛盾する(旧支配者最強候補なのに、ただの精霊であるCthughaと力が拮抗しているなど)事が多い。

その辺りの認識の差が、『クトゥルー神話ファン』と『ラヴクラフトファン』ないし『コズミックホラーファン』の間に厳然と横たわる深い海溝となってしまっているとか。

ラヴクラフト本人の描く神話世界と、後続の作家によって体系化された『クトゥルー神話』は別物と考えてしまうのがよいかも知れない。


クトゥルー神話に詳しい人、あるいは〈星の知慧〉派の追記・修正求む。

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- ほんと便利だよなこの人(?)。色々な暗躍のさせかたや容姿してても問題ないし、力負けしても『遊びすぎたせい』って理由成り立つし  -- 名無しさん  (2013-06-23 09:07:51)
- オマエノシワザダタノカ…  -- 名無しさん  (2013-06-23 09:55:49)
- 万能なお方、なのだがその万能性故に逆に使いどころが難しくもある 化身では機械と方程式が好きです  -- 名無しさん  (2013-09-01 13:08:53)
- 基本的に黒がトレードマークなのに珍しく白い男って言う化身がいる &br()めちゃめちゃ強いのに人間レベルまで下げて舐めプして追い返されるよな  -- 名無しさん  (2013-12-27 04:22:07)
- だって舐めプしてくれないと勝てないし  -- 名無しさん  (2013-12-27 05:00:15)
- 人間とコミュニケーションとってる時点で既に制限かかってるとも考えられるな。 &br()高次元の物が三次元に来たら窮屈だろうに。  -- 名無しさん  (2013-12-27 06:43:59)
- ↑俺らに例えると使い慣れないにも程があるマイナー言語使って身体も伸ばせないような狭い場所で小人とわざわざ会話しにきてる感じか……でもなんだかんだで人間とのコミュニケーションを楽しんでる節もある気もする。  -- 名無しさん  (2013-12-27 06:48:02)
- ある携帯小説には「片腕の一振りで人類なんか簡単に滅亡させられる癖に、自分より力の劣る分身を使い、ゲームのように楽しんで人間を破滅させようとしている。が、自ら定めた物とは言え、その“ゲーム”の“ルール”は遵守する」存在として描かれているが、それで合ってる?  -- 名無しさん  (2014-05-21 09:40:15)
- ↑ 原典の「未知なるカダスに夢を求めて」でもわざわざ回りくどい方法取ってランドルフを破滅させようとしてるし(ノーデンスの介入で失敗したが)今風に言えばそんな感じだと思う  -- 名無しさん  (2014-05-21 12:20:27)
- 結構前にニトロプラスがエイプリルフールで「全員ニャルなスパロボ風シミュレーションゲーム」のサイトを立ち上げてたような。聞いたことない作品もあって興味深かった。  -- 名無しさん  (2014-06-04 01:16:39)
- 例えるならありんこと遊んで大はしゃぎする人、調子に乗りすぎてたまに噛みつかれて逃げる  -- 名無しさん  (2014-08-15 18:18:24)
- 某所で神話短編内のナイアルラトホテプがやったことを1行ずつ並べたやつがあったけど、おっさん(主人公)に執拗なストーキング行為かましたり、侵入者の物真似してたらねぐらに放火されたりとかバカみたいな扱いがけっこうあったのには吹いた。  -- 名無しさん  (2015-01-08 16:54:01)
- ↑3Mとナイア、エロゲの二大ニャルの会合とか凄く見たいな  -- 名無しさん  (2015-04-09 20:32:49)
- 蟻の巣を破壊して遊ぶ子供を蟻の立場になって見るとこう見える、って感じか?  -- 名無しさん  (2015-05-01 23:34:28)
- 未知なるカダスで冒頭の台詞を言うニャル様は実にカリスマがあって大物っぽい。で、その後の結末で一気に小物っぽくなるのが面白いw  -- 名無しさん  (2015-07-20 02:51:25)
- 安易な黒幕ポジでなく、黒幕に踊らされる表ボスの右腕でニヤニヤしてる様なポジとか美味しいと思うのよね。イブスタのとか  -- 名無しさん  (2015-08-02 21:45:12)
- 某所のTRPG風動画でニャルが縛りプレイしててわろた  -- 名無しさん  (2015-08-02 22:05:58)
- 魔界都市No.1ガイドとの間に、子供まで作ってたな。後はゲテモノ料理人にもなってたか。(笑)  -- 名無しさん  (2015-08-06 16:48:33)
- ↑ 邪神迷宮でそのゲテモノ料理人まで化身にしたのは蛇足だったな。本質はどこまでも美味を追及する料理一筋バカというのが魅力だったのに、作者自身が舞台装置化してその長所を最悪の形でぶっ壊したって感じ。まあ、役割がアレだったから別人とか言い訳はできるかもしれないけど。  -- 名無しさん  (2015-08-28 23:57:36)
- 日本の漫画などでは意外にお人好しなキャラのとして登場してることもある。もしかしたら「そういうルールで楽しんでいる」のかも知れないが  -- 名無しさん  (2015-09-11 13:27:26)
- リアル童貞~♪  -- 名無しさん  (2015-09-11 13:34:51)
- 血塗られた舌教団 暗黒のファラオ団 野獣の結社 砂コウモリ団 星の智慧派教会 皮膚の兄弟団 黒き扇の女神のカルト この辺りがニャルラトホテプの主だったカルト。  -- 名無しさん  (2015-11-24 12:49:43)
- ↑2誰がリアル童貞じゃゴルァ! リアル童貞って言ったやつ!怒らないから出て来い!  -- 名無しさん  (2015-12-24 13:39:13)
- 万能すぎて、知性体と関わるぐらいしかやる事がなく嘲笑いながらもそれをなんだかんだで楽しんでいる神様ってイメージがある  -- 名無しさん  (2016-02-10 22:14:57)
- 噂屋の滝太郎の本質が這い寄る混沌って事になった……いや確かにいろんな顔(レイヤー的な意味で)は持ってるが  -- 名無しさん  (2016-04-17 20:18:47)
- 個人的には人間滅ぼしちゃったら暇つぶしができなくなるので完全には滅ぼさない、でも上司の言うことには逆らわないイメージ。滅ぼしちゃったら人間レベルにある意味混沌とした生命体が現れるまで暇だろうし  -- 名無しさん  (2016-08-26 16:50:49)
- ニャルさんって友達いるんだろうかとふと思った  -- 名無しさん  (2016-11-26 20:04:55)
- 前にやったTRPGでは人間に愛情を持って親友として接し友の成長を喜ぶいいニャルさんがいた。  -- 名無しさん  (2017-04-23 17:38:42)
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