ULTRAMAN(映画)

登録日:2010/02/25 Thu 01:30:35
更新日:2024/02/19 Mon 13:48:36
所要時間:約 3 分で読めます





コイツを倒す事…
それが俺の、
ラストミッションなんだ!





2004年に松竹で公開されたウルトラシリーズ劇場版。

初代『ウルトラマン第1話のリメイクであり、『ウルトラマンネクサス』の前日談にあたる作品となっている。

監督は小中和哉、脚本は長谷川圭一。主題歌はTMGの「NEVER GOOD-BYE」。



【ストーリー】


愛する息子のために退官を決意した空自パイロット・真木舜一はスクランブル発進後、謎の赤い発光体と空中衝突する。
薄れゆく意識の中で彼が見たものは、銀色の巨人だった!

奇跡の生還を果たした真木は、防衛庁の対バイオテロ研究機関・BCSTによって身柄を拘束され、凶悪なビースト「ザ・ワン」と遭遇する。
BCSTの新兵器などものともせず、殺戮を続ける「ザ・ワン」。
これまでかと思われたその時、真木の身体がまばゆい光に包まれ、銀色の巨人へと変身した!

戦いの先にあるものは、果たして光か闇か…。今、伝説の英雄(ヒーロー)が再び大空を舞う!!!



【登場人物】

主要キャラ


  • 真木舜一
演:別所哲也

航空自衛隊のパイロット。
赤い発光体と衝突し、ザ・ネクストと融合。第一のデュナミストとなる。
妻と病気を抱えた息子を持つ、家族思いな男。

ちなみに演者は後にあるミュージカル主演を務め、有働の演者と共に戦うことになる。

  • 水原沙羅
演:遠山景織子

特務機関の女性。
ネクストと融合した真木の監視を命じられている。
実はザ・ワンに融合され、身体を乗っ取られた有働貴文の恋人。
後に『ネクサス』本編にも本作の登場人物で唯一登場する。

  • 倉島剛
演:永澤俊矢

真木と同じく航空自衛隊員。
真木とは親友の間柄であり、ザ・ワンとのラストバトルではネクストを援護した。

  • 有働貴文
演:大澄賢也

海上自衛隊に所属する男性。35歳。階級は二尉。
「青い発光体」の調査を行っていたところ、その正体であるザ・ワンに融合されてしまい、心身ともに乗っ取られた。
本編開始時点では既に彼の魂は亡く、その身体を乗っ取ったザ・ワンとして行動しているため、
融合によって人間離れした身体を駆使して、自らを追う真木らを苦しめる。


サブキャラクター

  • 真木蓉子
演:裕木奈江
真木舜一の妻。

  • 真木継夢
演:広田亮平
真木舜一の6歳の息子。先天性疾患を抱えており、余命一年と宣告されている。

  • 飲食店経営者
演:岡村洋一
  • 経営者の女房・幸恵
演:安室満樹子

真木が起こした戦闘機事故の付近で飲食店を営んでいる夫婦。
事故のニュースを見ていたところでボロボロの真木が現れたため、大慌てで救急車を呼んだ。

岡村洋一は本作以前にも『ウルトラマンティガ』のタンゴ・ユウジ博士役などでウルトラシリーズに参加している。

  • 万城目社長
演:草刈正雄
  • 一平
演:角田英介
  • 由利子
佐藤夕美子

自衛隊を辞めた真木が就職した民間航空会社の社員達。
いずれも名前は『ウルトラQ』のレギュラーが由来。



【登場キャラクター】



ザ・ワンを追って現れた巨人。
誤って殺してしまった真木と融合し、彼の体を借りてザ・ワンと戦う。
融合した真木の人格を尊重し、敢えて不完全な融合状態に留めているが、そのために本来の能力を発揮しきれていない。
全編通して苦戦こそしているものの、戦闘シーンはやはりかっこいい。

CV:小西克幸、大澄賢也

スペースビーストと呼ばれる怪物。
作中唯一の怪獣にしてラスボス。
海上自衛官の有働貴文の体を乗っ取り、地球に潜伏。
ただただ暴れるだけの怪獣ではなく高い知能も有しており、ザ・ネクストが真木と完全に融合していないことを察して嘲る、
既にその精神は亡い貴文の人格を模倣して沙羅に揺さぶりをかけるなど悪辣な振る舞いも見せる。

デザインは『ウルトラマン』の記念すべき第1話に登場した怪獣・ベムラーのリメイクだが、様々な生物を取り込んでパワーアップしもはや別物となる。

ラストで倒されたザ・ワンの破片は、別のスペースビーストとなって発生。
『ネクサス』ではこれらのビーストが再びザ・ワンに回帰するために合体し、最強のビースト・イズマエルとなった。



【評価・補足】

本作のフライングシーケンスディレクターに板野一郎が参加しており、板野サーカスを披露。
ネクストとザ・ワンが繰り広げる空中戦は最大の見所であり、もはや特撮と言うよりはCGアニメーション。

また、音楽にB'zの松本孝弘が参加。
本作のテーマソングである「Theme from ULTRAMAN」等を手掛けている。

円谷の制作陣、プロのクリエーター達、自衛隊が一丸となって作り上げ、意欲的な作品に仕上がった。





…が


今までのウルトラとかなり異なる空気を持つ今作に対し、松竹が「この路線では売れない」と難色を示し極小的に公開。
宣伝も大体的に行わなかったため、興行は爆死*1

DVDの売り上げは好調だったものの、ネクサスが子供の支持を受けられなかった件も重なって、企画されていた続編『ULTRAMAN2 requiem』は中止に*2
ちなみに、requiem自体も2とはなっているが、本作や『ネクサス』とは直接的な繋がりはなかった模様。

また舞台となるはずだった神戸は、次回作『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』で舞台となったが、これは『requiem』の中止による神戸への謝罪的な面もある。

なお、とある存在が『ウルトラファイトオーブ 親子の力、おかりします!』Blu-rayの解説書にて、
「2000年代に没になった某作品の登場キャラクターであり、とあるメンバーによってデザインされていた」ことが明かされている。
そのとあるメンバーの参加が考えられ、2000年代に没になった作品と言えば……


因みに『ネクサス』本編では、ネクストとザ・ワンの戦いは世界規模の記憶抹消によって、ほとんどの人間が忘れている事になっており、
一連の事件も『新宿大災害』という形に隠蔽されている。

余談であるが、今作の同名の漫画作品があるが、内容はウルトラマンを題材としている以外全くの別物であるので注意されたし。
ザ☆ウルトラマン』みたいなものだと思えばOK。




追記、修正は空へ消えた銀色の流星の友達を思いながらお願いします。

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最終更新:2024年02月19日 13:48

*1 元々松竹は故・渥美清主演の『男はつらいよ』シリーズから「いい映画は映画館でやっているだけで客が入る、わざわざ宣伝する必要はない」とあまり宣伝に力を入れなかった。その上、『ウルトラマンコスモス』の出演者逮捕騒動以降はウルトラ映画を警戒している傾向が見受けられた。

*2 板野氏も「『松竹で作るな』と釘を刺された」とアニメスタイルのトークイベントで発言している。