サイバーエルフ・エックス

登録日:2011/05/02(月) 04:05:54
更新日:2024/04/14 Sun 21:15:10
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「キミに…この世界を任せたい…」




ロックマンゼロ』シリーズに登場する謎のキャラクター。


Cyber-elf X

Unknown X(アンノウン・エックス)とも呼ばれる謎のサイバーエルフ
声優は水島大宙(ドラマCD)。



ロックマンゼロ
覚醒したばかりということもあり、立ちはだかった大型メカニロイドに苦戦する主人公・ゼロに、
彼本来の武器であろうゼットセイバーを投げてよこしたのが初登場。

その時には謎のサイバーエルフでしかなく、何故ゼットセイバーを持っていたのかも含めて謎に包まれた存在だったが、
セイバーを渡した際に「それは元々キミ(ゼロ)のもの」と称したり、その他にもゼロを古くから知っているような素振りを見せており、
ゼロ本人が記憶を失っていることもあって正体は判然としないが、過去のゼロと深い関係にあった重要キャラクターであることを匂わせていた。

そして終盤、ゼロがいよいよ敵の本拠地であるネオ・アルカディアに乗り込もうとした際には、
サーバーハックに手こずるレジスタンスに代わってプロテクトを外してくれた。
この時サイバーエルフになる前のレプリロイド体の姿がぼんやりと現れ、神父のような衣装を纏った青いレプリロイドであったことが判明する。
その姿は誰かに似ているような気がしないでもない。









そして最終決戦後、ついにその正体が明かされる。
彼は百年前に戦友ゼロと共にイレギュラー戦争を戦った英雄、なんと伝説の英雄・ロックマンXその人であった。


かつて「俺」だった一人称は「ボク」となっており、性格もその頃より角が取れていて柔和で、
それもあってエックスよりもむしろ初代ロックマンに近いキャラクター像となっている。

ちなみに、企画段階では彼自身…というか『オリジナルエックス』がラスボスとなる予定であったが、
『ロックマンX』シリーズも進行中だったため、「別作品とはいえ、主人公をラスボスにして倒してしまうのはいかがなものか」という懸念の声が上がり、
結果ラスボスはオリジナルエックスではなく模造品コピーエックスとなったという。

オリジナルのゼロ対エックスが見たいなら『ロックマンX5』のプレイを推奨。


エンディングでは、ゼロが眠りについてからの永い年月を一人きりで戦い続けてきたと言っているため、ロックマンゼロの歴史にアクセルは登場していない様子*1
その戦いで身も心も疲弊しきっていることを示唆し、「もう少し休ませてほしい」と言い残して(敵の大群に囲まれている)ゼロの下から去っていった。



ロックマンゼロ2
デュシスの森で合流後は『1』と変わらずゼロやシエルたちレジスタンスのサポートに回る。

同作では彼がサイバーエルフとなった理由も明かされた。
曰く、サイバーエルフが初めて実戦投入され、未曾有の犠牲者を出した『妖精戦争』*2が終結した後、
その元凶の一つとされた《ダークエルフ》をネオ・アルカディア内の装置「ユグドラシル」に封印することになったのだが、
その封印の鍵として自身のオリジナルボディを用いたため、エックスはボディを失い、今のようなサイバーエルフ状態になったという。

しかし終盤、力を求めて暴走し、モットチカラヲダークエルフを求めたエルピスによって鍵であったオリジナルボディ諸共封印は破壊され、
エックスがそこまでして封印していたダークエルフも解き放たれてしまう。

その後、已む無くエルピスを倒したゼロの前に現れ、ダークエルフが本来マザーエルフと呼ばれていたことと、
彼女を変異させ『妖精戦争』を引き起こした「Dr.バイル」の名を彼に告げた。



ロックマンゼロ3
オメガと共に復活したDr.バイルによって、新たに作られたコピペ様もといコピーエックスMk-2とゼロの戦いに姿を現す。
そして、一度ならず二度までもゼロに敗れ、憤りながらDr.バイルやオメガを呼ぶコピペ様に、彼の不在と元々コピペ様はバイルに利用されていただけという真実を告げるが、
そのことに逆上したコピペ様は「シャイニング・トランスフォーム」を起動させようとし、Dr.バイルがコピーボディに仕掛けていたトラップが発動して自爆。
エックスはその事実を知っており、コピペ様を止めようとしていたようだが間に合わず、結果ネオ・アルカディアを掌握しようとするDr.バイルの策が完成してしまった。

以降はバイルの野望を止めるため、ダークエルフに操られたレジスタンスたちからその影響を消し去ったり、バイルやオメガのいる座標を教えたりとゼロに協力。
終盤にはゼロのオリジナルボディを改造した存在がオメガであり、今のゼロはコピーボディであることが明かされるが、
その事実を最初から知っていたエックスは、ゼロがそれを知る前から*3「大切なのは身体ではなく心」と彼を諭しており、
事実を知ったゼロが、オリジナルゼロことオメガとの最終決戦に向かう際には、「キミの身体はたしかにコピーだけど、心はまぎれもなく本物」と彼を鼓舞し、その決戦を見届けた。

実際、オメガは『オリジナルゼロのボディにDr.バイルが作った魂が入れられた、あるいはワイリー博士が意図していた元々の人格が起動している』存在なのに対して、
ゼロは『コピーボディに(我々の知る『Xシリーズ』の)本物の魂が入っている』存在である。

そして、サイバー空間で生死の境にあった元四天王にも召集を掛けてゼロをサポートさせ、彼に最後の希望を託した。
“親友”の願いを託されたゼロはオメガ、そしてその外殻から現れたオリジナルゼロを下し、
「ずっと偽物の身体でいいのか」というDr.バイルの泣訴諸共、オリジナルボディを一刀両断。彼の野望を打ち砕いた。

しかし、『2』でオリジナルボディを破壊されたこともあって、サイバーエルフ・エックスの力も尽きかけており、
『3』のEDにてついにサイバーエルフの姿を保つだけの力すら残っていないことを告白。
永きに渡って戦い抜いた伝説のロックマンXは、世界の行く末をゼロとハルピュイア達に託し、忠義の人と共に安らかに消えていった。










後の時代で再び復活。
ライブメタル・モデルXとして『ロックマンゼクス』で今一度の活躍を見せる。
オリジナル・エックスのデータを基に造られたためエックス本人ではないが、コピーエックスMk-3とかではない。
声優はゼロシリーズのドラマCDと同じく水島大宙氏。

他のライブメタルと力を合わせるダブルロックオン能力でプレイヤーは様々な姿になれる。
が、『アドベント』では他のモデルのロックマンに変身できるトランスオン能力を持つライブメタル・モデルAが登場したせいで有り難みが薄れてしまった。
ただし、二段階目のチャージを二連続で撃てることから単純な火力はモデルAより高いこと、モデルAの変身時では通常のチャージ攻撃を行うだけでゲージを消費してしまうことから、差別化ができていないこともない。
また、ライブメタルの出力を一時的に高めて攻撃力上昇・属性付加を行うOISは各ライブメタルの単体ロックオンでは使えず、モデルXとのダブルロックオンでのみ扱える事から、
エックスの特徴である高い拡張性も引き継いでいる事がうかがえる。





【ボディについて】

オリジナルエックスのボディ(素体)は全身を明確に描いた公式の立ち絵が存在しない。
ボディの資料自体は、

  • 基本イラスト(本項目1番目)
  • ユグドラシル破壊シーンの正面のドット絵
  • 同シーンの挿入イラスト(『ゼロ3 改造カード』で原画を使用)
  • 同シーンのコンセプトアート(『オフィシャルコンプリートワークス』や『ダブルダブルヒーローコレクション』に収録)
  • 『ゼロ3 改造カード』描き下ろしイラスト(同上)
  • 『リマスタートラック ロックマンゼロ・ピュシス』ブックレット内『Vile's Incident』描き下ろしイラスト
  • 『リマスタートラック ロックマンゼロ・ミュトス』ブックレット描き下ろしイラスト(本項目2番目)

などといったように数はそれなりにあるものの、描かれているのが一部分だったり遠景だったりと不明瞭な上に、それぞれのデザインに差異も見られる。
ちなみに、コピーエックスも変身前の状態の立ち絵が無いためにオリジナルと同じようなことになっている。


「アーチー・コミック」版メガマン(ロックマン)にて未来の出来事として描写された妖精戦争のひと場面では、エックスのボディがこれらの一部を元にしたデザインになっていた。


この他、キャラデザの中山徹(鉄乃巨刃)氏本人がファン製作のガレージキットのパッケージ用にエックス(およびゼロ)を描いている。


公式ではないアレンジデザインではあるが、元のデザイナーによる現時点で唯一ボディ全身が明確なイラストということもあり、これ(とガレキ本体)を一つの参考例としたファンアートも少なくないのが現状である。





「キミに…この項目を任せたい…」



画像出典:ロックマンゼロ、HARVEST-WKS(2008/08/01 及び 2008/12/16の記事)
© CAPCOM CO.,LTD. 2002 ALL RIGHTS RESERVED.

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最終更新:2024年04月14日 21:15

*1 そもそもの発売順がゼロ1→X7なので仕方ないのだが

*2 『ロックマンゼロ』時点ではイレギュラー戦争と呼称され、後にイレギュラー戦争末期の時期を妖精戦争と呼ぶことになった模様

*3 物語冒頭から、度々バイルに「偽物」呼ばわりされており、ゼロも薄々察していたと思われるが。