がんじょう(ポケモン)

登録日:2011/04/14(木) 01:02:07
更新日:2024/02/01 Thu 16:35:08
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ポケットモンスターに登場する特性の一つ。

『頑丈』の名前の通り全体的に硬そうなイメージを持つはがねタイプいわタイプに所持者が多い。
いわ・はがねタイプを持たないがんじょう持ちはドンファンダゲキ、カチコール、クレベース、コスモウムのみ。

「じわれ」「ぜったいれいど」「つのドリル」等の一撃技を無効化する効果を持ち、これらの技による運ゲーを回避可能な優秀な特性。
だが、一撃技を主軸にした戦法を行うポケモンは全体的に「がんじょう」持ちに強いタイプ相性を持つ事が多く、第四世代までは存在感は薄かった。
せいぜい耐久型のツボツボエアームドが一発逆転を防げるという利点があったくらい……だったのだが、これが実は意外と侮れない。
第三世代は現在と違い、「ちからずく」のように能動的に使える特性が非常に少なかった上にわざの威力も全体的に低い。そうすると耐久型のポケモンが相対的に強くなっていく。この対策として一撃必殺技が意外と重要視される。レジスチルやミロカロス、ルンパッパなどには割と有効。
特にどんなポケモンを相手にしても3割即死をちらつかせられる「ぜったいれいど」が登場したことや、そもそも理想個体を粘ったり「みがわり」を覚えさせるのがそれはそれはめんどくさかったというか当時チート行為が蔓延する一因になったほどので「耐久型のポケモンを強引に突破する」という戦略として一撃必殺に頼る人は多かった。
早い話が入手性の問題などが複雑に絡み合った結果一撃必殺に頼る人も多く、特にエアームドのがんじょうはそういう人を「一撃なんぞに頼ってんじゃねぇ!」と分からせる特性としてしっかり機能していたのである。

ただ第四世代くらいになると特に物理技の火力が一気に上がったこと、「きあいのタスキ」の登場や「みがわり」のわざマシン化もあり、入手性問題を加味しても一撃必殺が相対的に弱くなっていく。
「がんじょう」が最も空気になったのはおそらくこの時期だろう。ぶっちゃけ一撃必殺に頼るよりも、当時増えた火力増強アイテムを持たせて高火力技を放った方が強いのである。
それでも「するどいめ」「いしあたま」などを選ぶよりはいいとされるパターンも多く、ドサイドンやフリーザーの甘えた一撃技ぶっぱを分からせることはあった。

しかし第五世代からは『HP満タンの状態から致死ダメージを受けてもHPが必ず1残る』という効果の追加がギガイアスの公開と共に判明。
もちろん従来の一撃必殺技無効も残っている。

簡単に言えばデフォルトで「きあいのタスキ」を持っているような物。
恐らく『一撃技が効かない』という効果を拡大解釈して『一撃で死なない』という特性になったと思われる。
また、「きあいのタスキ」は消費アイテムだが、こちらは回復でHPが満タンになれば復活する。

この仕様変更により「がんじょう」はほぼ必ず何らかの仕事をする事が出来る強特性となった。
具体的には先手で必ず「ステルスロック」を撒いたり、苦手な相手の攻撃を耐えて無理矢理「だいばくはつ」で道連れにできる。
特にこれによりドサイドンとの大きな差別化要素が出来たゴローニャは歓喜し、遂に不遇を脱却した。
またストーリーではこの特性によりギガイアス系列が非常に鬱陶しい存在となっている。
だが、これは裏を返せばHPが満タンなら必ず耐えるため捕獲が多少楽になるとも考えられる。

ただし弱点も非常に多い。
具体的には、


等々…

■所持ポケモン(通常特性)


■所持ポケモン(隠れ特性)


■LV1頑丈

普通に戦っても強力な特性だが、これを利用した通称『LV1頑丈』という変則戦法もある。
相手の攻撃を「がんじょう」で耐えた後、何らかの手段でHPを満タンまで回復し「がんじょう」を復活させる。
これを繰り返していく内に他の技等で相手の体力を一方的に削るという、いわゆる無限ループを狙う戦術。

全回復に必要な回復量を最小限で済ませるために敢えてレベル1という最弱で運用する事が通称の由来。
「きあいのタスキ」と違って「がんじょう」は何回使っても無くならない点がポイント。
基本的に通常の攻撃に対して無敵に近いため、単純なフルアタに対してはほぼ完封できる。
原理は第四世代前半に流行ったレベル1コラッタに近いが、こちらは下手すれば全抜きすら可能なポテンシャルを秘める。

回復や相手にダメージを与えるための手段はポケモンによって異なる。
基本的に「いたみわけ」型と「がむしゃら」型、「リサイクル」型の3つに大別される。
ループ崩壊の弱点となりやすいポイントも各ポケモンによって異なる。

以下、これらの型の内容とそれを使う代表的なポケモンを紹介する。

●ノズパス、ダイノーズ…いたみわけ型

レベル1のノズパスかレベル2のダイノーズを使う。
ダイノーズははがね複合で「どくどく」等を含むどく技が効かないため、より安定して戦術を展開できる。
ノズパスは「いたみわけ」で相手のHPを多く削れるのと「じりょく」で拘束されないのがメリット。

相手と自分のHPを半分ずつ分かち合う「いたみわけ」で相手の体力を削りつつ全回復する。
「いたみわけ」以外の削りや相手にトドメを刺すためのダメージソースは「どくどく」や「すなあらし」。

下記のココドラやコイルにも言えるが、致命傷となる霰を防ぎつつ相手にのみダメージを与えられる「すなあらし」は攻守両面で強力。
ダイノーズやココドラ等は自身でも使えるが、先に特性「すなおこし」のバンギラスカバルドンギガイアスを出しておいても良い。
勿論、ナットレイ等で「やどりぎのタネ」を植え付けておいても良い。

他に比べて技や戦術の幅が広く、状態異常や「ちょうはつ」対策の「マジックガード」も覚える。
相手の交代読みで「ステルスロック」「ボルトチェンジ」「でんじは」等で負担を掛けることも可能。
他のポケモンにも言えるが、上記の技が効かないはがね・どく・じめんへの最終手段として「いばる」も有効。
同様に共通で覚える技の「まもる」も「ねこだまし」対策や様子見として有用。

持ち物の候補はHPを20回復する「きのみジュース」「ハートスイーツ」(「オレンのみ」は「きんちょうかん」「むしくい」に弱い)、
状態異常対策の 「ラムのみ」「メンタルハーブ」、接触技持ちにより強くなる「ゴツゴツメット」等。


ココドラウソハチ…がむしゃら型

「がんじょう」で相手の攻撃に耐えた後、「がむしゃら」で相手のHPを1にする戦法。
与えたダメージの1/8回復する「かいがらのすず」を持たせておけば「がんじょう」が復活し、無限ループが成立する。ポケモンスマッシュ!で山本隊員が使っていたのが印象的だったという人も多いだろう。
ただし「さめはだ」「ゴツゴツメット」等の接触判定後に回復するため、そういった道具・特性持ちの相手には勝てない。
「がむしゃら」以外のダメージ源としてはダイノーズ同様、「どくどく」や「すなあらし」等。

ただし、「どくどく」「すなあらし」が効かない相手を倒すための攻撃技が使われることもある。
ウソハチなら先制技の「ふいうち」や相手の攻撃力を利用できる「イカサマ」があり、トドメを刺しやすい。
ココドラの場合、無効化されない攻撃技の内「つばめがえし」は必中だが接触判定があり、他には「げんしのちから」「めざめるパワー」もある。
「のしかかり」「いわくだき」「じならし」は無効化されるタイプはあるが、追加効果が後続サポートとして有効な場合も。
またこちらは鋼タイプなので相手の「どくどく」をはじめとするどくが無効。

「かいがらのすず」は全抜きを狙うのに向くのに対し、「きのみジュース」だと最大2匹までしか倒せないが後出しはしやすい。
ただし、「きのみジュース」は相手からダメージを受けた時点で回復するため、「がむしゃら」使用時に相手のHPが12になる点に注意。
「つばめがえし」等ではトドメを刺せないため、「がむしゃら」より先に「どくどく」「すなあらし」等を撒かなければ倒せない。

変化技を受けずに確実に1匹のHPを1にするために「ラムのみ」が選択肢に入ることもある。

だが、いずれにせよ「がむしゃら」が通じないゴーストタイプに弱いのが最大の難点。
ゴーストタイプには変化技に長けたポケモンが多く、この場合は「ラムのみ」もあまり機能しない。

USUMではトゲデマルがこの戦法を使えるようになった。


コイル…リサイクル型

技構成は「リサイクル」「どくどく」「いばる」「まもる」。持ち物は「きのみジュース」。
「がんじょう」で耐え「きのみジュース」 でHPを20回復後、それを「リサイクル」し「がんじょう」を維持する。
削りの手段は「どくどく」や「いばる」による混乱ダメージ。そして「まもる」でダメージの蓄積や様子見を行う。
ココドラやダイノーズに比べて技や持ち物選択の幅が無く、対策されやすいのが辛い所か。


クヌギダマ…いたみわけ型

ダイノーズと同様に相手のHPを削りつつ回復するが、こちらは「どくびし」を使えるのが長所。
相手の攻撃を「がんじょう」で耐えて「きのみジュース」で回復後、「どくびし」を撒くのが基本。
次のターンでもう一度「がんじょう」で攻撃を耐え、「どくどく」を撒いて退場(瀕死)となる。

または最初に「どくどく」を撒いて「がんじょう」で攻撃を耐え、「きのみジュース」で回復。
相手が「どくどく」のダメージを避けるために交代した所で再度「どくどく」や「どくびし」という手も。

どくポケモンに「どくどく」を空撃ちしたり、「どくびし」を消されないよう注意。
上手く見極めて「いたみわけ」や「ステルスロック」と使い分けたい。

上記3匹と違ってはがねタイプではないため、砂嵐や毒のダメージを受けてしまうのが痛い。
フォレトスへの進化条件がレベルなのが惜しまれる所。


メレシー…トリックルーム型

単体で相手のポケモンを倒すことを考えず、変化技の使用のみを目的とした特殊な型。
相手の攻撃を「がんじょう」で耐えて「トリックルーム」を発動するのが基本的な流れ。
「トリックルーム」の効果により、今度は相手に先制してもう一度変化技を使用できる。
同時に「きのみジュース」で全回復することで「がんじょう」が復活。
結果的に3回まで変化技を使用できることになる。

「どくどく」「ステルスロック」「リフレクター」「ひかりのかべ」と後続の補助には事欠かない。
さらに相手の「ちょうはつ」等を跳ね返す「マジックコート」も使用可能。


相手次第では無双できるポテンシャルを持つため、当初は厨ポケとして恐れられた。
しかし、現在ではこれらの戦術は知れ渡っており、まず見せ合いの時点で手の内がバレる。
加えて、上記で弱点として挙げた要素が大半のパーティに搭載されている。

上述の通り特性「がんじょう」自体が便利ながらも結構弱点が多いが、中でもレベル1型の場合は「ドラゴンテール」等の後攻技にも弱いため注意。
状態異常や天候によるダメージも一般的な「がんじょう」持ちにとっては特性を潰されるだけで致命傷とはならないが、レベル1となると即死に繋がる。
現環境で使うなら読みは勿論、他のポケモンによる「すなあらし」「どくびし」等のサポートが何より重要となるだろう。

とは言え、対策を怠れば非常に厄介な相手には変わりないため、相手にする際は油断は禁物である。

また、リトルバトルでは「きのみジュース」「ハートスイーツ」「オレンのみ」が強力な回復アイテムとして機能するため、「がんじょう」の有用性も高い。

ただし、「かたやぶり」持ちは勘弁な!

なお、第8世代のフラットルールでは、レベル50未満のポケモンのレベルも50に固定されるようになったため、これらの戦術はいずれも過去のものとなった。




追記編集で気絶する ダメージを受けても HPが1のこる

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最終更新:2024年02月01日 16:35