シュブ=ニグラス

登録日:2016/08/14 Sun 00:09:07
更新日:2023/11/21 Tue 00:58:05
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「いあ!しゅぶ=にぐらす!森の黒山羊に千人の若者の生贄を!」

―――――闇にささやくもの


シュブ=ニグラス(Shub-Niggurath)は、クトゥルフ神話に登場する外なる神の一柱。発初はクトゥルフ神話の創始者、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの作品『闇にささやくもの』である。四大元素では地に該当する。
クトゥルフ神話の神格の例によって、この「シュブ=ニグラス」という名前は解読・発音不能の呼称を人間の言語に直したものであり、他にシュブ=ニグラート、シュブ=ニググラトフ等の名称が用いられる場合も多い。
本項目では恐らく一番有名だと思われる「シュブ=ニグラス」の名称で扱う事にする。二つ名には「千の仔を孕みし森の黒山羊」「黒き豊穣の女神」「万物の母」などが存在する。


神々達の系譜の始まりとして、まずアザトースは「闇」「無名の霧」「這い寄る混沌」を作り出した。その内「闇」から誕生したのがこのシュブ=ニグラスである。


つまりクトゥルフ神話における創生神の一柱であり、最高位の神格であるといっても過言ではない。
…なのだがこのシュブ=ニグラス、実はラヴクラフトの作品には一回も登場した事がない。
正確には儀式や呪文を行う際に、しばしば冒頭の一文のような形でシュブ=ニグラスの名前が唱えられたりするのだが、実際にその姿や特性が描写された事はほとんどないのである。
神々への祈祷文でもこの神の名はよく見かけるので、相当な力を持つのは間違いない筈なのだが…。


このように他の主要な神に比べると影が薄いともされるシュブ=ニグラスであったが、時が経つにつれ多くの作家や作品によって肉付けがされていく事になる。

たとえば、スティーブン・キング先生の著作に登場した「畝の後ろを歩くもの」が、今日ではシュブ=ニグラスの化身という扱いを受けている。


■この神の姿形や特徴について
多くの作品において、シュブ=ニグラスは大地や生命の力強さ・邪悪さを体現する強大な豊穣の地母神、または魔女崇拝における悪魔の原型として扱われている。
これはラヴクラフトの作品『闇をささやくもの』において、邪悪なる儀式(サバト)の最中に唱えられる黒山羊の名というシチュエーションから連想されたものだろう。
このため、自然崇拝や黒魔術・性魔術やといったものとの結びつきが強く、ニンフやサティロスといった森の精の支配者とされる事もある。

姿形は諸説あり…というかはっきりしておらず 触手や粘液を垂れ流す口、黒い蹄を持った足が見え隠れする黒い雲状の塊 といった名状しがたき事もあれば、 山羊のような生き物ではあるが、はっきりとした違和感・不自然を備えている冷笑的な存在 といった生物的な描写がされる事もある。


そして、なんといってもこの神最大の特徴はとにかく性欲が旺盛、アニヲタ的に言うならビッチであり、お母さんである事だろう。
「千の仔を孕みし森の黒山羊」の二つ名が示す通り、とにかくヤリまくり孕みまくりで常に仔を孕んでおり、それらを産み落とし続けている。
人間や異星人のサバトに招来され、それらとまぐわる事も少なくない。


シュブ=ニグラスは、ヨグ=ソトースと交わり、ナグとイェブといった多くの子孫を残した。この子孫達が後の旧支配者と呼ばれる存在であり、邪神達の家系図を形づけていくことになる。
当初の家計図では、ヨグ=ソトースの妻というポジションだったのだが、後に『墳丘の怪』で 名付けられざるものの妻 としてシュブ=ニグラスの名前が出た事に一部の作家が影響を受けたのか
同じ二つ名を持つ旧支配者ハスターと結びつけ、 シュブ=ニグラスはハスターの妻 といった設定が作られる事となる。浮気ですかシュブ=ニグラスさん。
現在ではヤリマンビッチ淫靡な女神という立ち位置や、人間の価値観で測れるような存在ではないとしてシュブ=ニグラスは両者の妻であると落ち着いているファンも少なくはない。


また、雄々しい男性としての側面もあり、他の生物を孕ませる事も可能である。
人間の女性と交わる事で発狂させてしまう代わりに、人外染みた美しさと不気味さを備える子を宿らせたり
マイノグーラという旧支配者を種付けし孕ませた結果ヘルハウンドと呼ばれるティンダロスの猟犬とほぼ同じ特性を持った生物を産ませたりしている。


他にも、人間の女性に変身した彼女がラブロマンスやいちゃラブセックスをする漫画 日本で現在連載 されていたりする。また日本か!


凄まじい力を有する神ではあるが、幾多の儀式や信仰に見られるように彼女を信仰する事によって得られるメリットはかなり多い。
例えば、シュブ=ニグラスの力を有した護符によって他の邪神の呪いから身を守ろうとした事例もある他、彼女から得られる母乳を摂取する事によって身体器官の突然変異や霊能力を得たという話もある。

彼女の加護は何も物騒な儀式や魔術に限った事ではなく、農作物の祈願を行った結果豊作が約束されるなどの日常的なものもあり、とにもかくにもその力と規模に反して人間との付き合いは長く、案外庶民的な神と言えるのかも知れない。

そんなわけで、ムー大陸、ギリシャ、エジプト等では豊穣神として崇拝されていた。


追記・修正は魔女のサバトで彼女の名を称えながらお願いします。

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最終更新:2023年11月21日 00:58