ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2060 まりさと星を撮るお兄さん
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ankoss
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・登場人物モデルはふたばゆっくりスレから拝借しております(当人許可済み)
・万が一にもマズい表現がございましたらお知らせください
・ぬる虐め以上の虐待表現は一切出ません
・初投稿にていくつかの粗などはご容赦くだされば幸いです
・不幸になるゆっくりがいます。
「……で、なんでこんなことになっているのぜ?」
まりさは何度目か分からないため息をついた。
ため息のつき先は明白。
こんな事態になった原因である自分の飼い主に、である。
「何でってそりゃあ……」
ため息の当てこすり先があっけらかんとした表情で説明を始める。
カメラを構えているのはどこにでも居る普通のお兄さん。
ちょっと違うところがあるとすれば、落ちてるゆっくりを拾う癖があるくらい。
まりさは別に普通のペットショップ産の良ゆっくりであるからにして
この癖は自分に対する脅威でしかなかったりするのだが。
さておき、彼らが今現在いるのは、夏の夕方の一軒家の瓦屋根の上である。
夕方となれば涼しいだろうという趣旨の元、飼いゆっくりであるまりさが嫌がるのを無視して一緒に上がってきたのだ。
「星の写真をとるにきまってるじゃないか」
原因主が簡潔に答える。
この男はいつでもこんな感じなので、まりさは正直対処に困っていた。
「だからなんで屋根さんなのぜ……」
もはやためいきを付くのも飽きてきたという顔の生首。
ため息をつくのは、せめてもの抗議の証であるが、今まで通用したことは一度もない。
生来ペットショップでは自分の何倍も高いところで飼育されていたのだから、別に今更高いところでうだうだと言う気にはならない。
もっとも落ちたら痛いだろうが……まあ普段から愛情をかけられて育てられてるから、それだけですむだろう。
問題はそういうことではない。
「まりさがいってるのは、なんで写真をとるのに屋根さんなのかなのぜ!!」
真夏日で熱した瓦屋根は、たとえ風が吹き降ろす形になったとしても、そこそこの熱を備えている。
饅頭であるまりさにとって正直あんまり趣味のいい場所ではない。
まあ、人間さんにとってもそれは同じなのであるが。
「ここのほうが綺麗に撮れるからだよ」
再びなんということもないという表情で答えるお兄さん。
あきれてものも言えない。
「でも前に落ちたのぜ?」いえないけど、いう。言わないと熱気でどうにかなってしまいそうなのだ。
「いやあ、あれは事故だよ事故。」
「えーりんの使う機械さんを作ってる人がえーりんにかかるなんて笑い話にもならないのぜ」
「ああ、そういう手もあるか。」
「あるわけないでしょおおおおおおおお!?」
この男、重度のえーりんふぇちさんであった。
飼われ心に密かに心穏やかでもないまりさであるが、そんな表情はおくびにも出さない。
「おにーさんはなんでお星様さんを写真にとりたがるのぜ?」
このままだと本気で医者にかかるために怪我をしかねないので、話を横にそらしにいくまりさ。
「うーん、そうだなあ。」
腕を組み、男は考え始める。
まりさは頭のいいゆっくりだが、所詮は餡子脳、少し説明を捻らないといけない。
元々この飼い主は星をみるのが大好きであり、まりさをひっぱりまわしてはキャンプし、各地で星をとっている。
無論本職のカメラマンというわけではないのだが、アップロードした時の評判は上々のようである。
ようであるというのは、お兄さんがそういってるからで、まりさがとくに見たわけではないからだ。
「星の輝きというのは、結構前の、前の前の光なんだよね。」
「ずいぶんゆっくりしてるのぜ?」
「まあ、そういうことなんだけど。」
いかにもゆっくりらしい解釈だなと、クスりと笑うお兄さん。
「ゆっくりしてるなら、人間さんが写真さんをとりたがるのもわかるのぜ。」
「でもその昔の光を見てるのは、今の俺が見たという証でもあり、その光を皆とも共有したい、ということでもある。わかる?」
「うーん……」
少しうつむいて考え始めるまりさ。
「難しいかな?」
「少し……なのぜ。ひかりさんは、ゆっくりできるのぜ?」
餡子脳なりには、よくできたまりさは言葉の一つ一つを噛み砕いて考えていく。
「それで、みんなをさせてあげたいから、お兄さんは写真をとるのぜ?」
「肝心のところが抜けてる気がするけど、そういうところかな」
「?」
誰よりも早く。
太古の光を写し取る。
それは何よりも気高く、美しい。
しかしそれを美しいと感じてくれる人間は、決して多くはない。
無論星の光に魅せられる人間は大勢居るが、その瞬間を切り取るその技術や耐久力などを褒める人間は少ない。
そして、褒められたいとも、思わない。
ただそこには、写真を、時間を切り取ったという確かな男の満足感があるのである。
「まぁ、まりさにはちょっと分かり辛いかな。」
時間に対するおうちせんげんのようなもの、と説明しようとして男は止める。
あんまりにもゲスくさかったからだ。
オマケにわかりつらいし。
「おにーさん、やねにのぼっちゃだめなのかー」
そんな二人をくすくすと笑いながら、ふわふわと浮かんでくるもう一人の飼いゆっくり。
胴つきゆっくりのるーみあである。よじよじと屋根瓦にしがみつき、ふはぁと一息つく。
「ん、もうすぐ星が一番光るんだよ」
「そーなのかー」
七夕の日に、お星様をずっとみていたというこのメルヘンチックなゆっくりをみて、思わず持ち帰ってしまったのである。
「だからさ、もうちょっとだけ」
「そういうとおもったのかー。でもまりさだけでもおろすのかー」
「ひ、ひい!? ま、まりさはおにいさんとうんめいをともにするんだぜ!」
るーみあを極端にまりさがこわがるのは、捕食種だから、というだけでもなかった。
お兄さんがるーみあを拾ったあの日、まりさは願い事を吊るしていたるーみあの笹を食べようとして、逆に食べられかけていたのである。
「どこの艦長さんだよ……」
「そちらも予測済みなのかー。アイスさんとお茶をもってきたのかー」
「お、助かるねえ」
器用に足元で吊っているお盆からソーダアイスとお茶を取り出するーみあ。
「ごーくごーく、しあわせーっ!」
冷えた麦茶は夏の夕日を見るのによく似合う。
「助かったよるーみあ、喉が渇いたのでまりさ泣かせて涙でも飲もうかと思ってたんだ。」
「ぺーろぺーろしあわ……っておにいさんきちくすぎでしょおぉおお!?」
「おっと、もったいないのかー。」
ぽろっとまりさのくちから落ちるアイスを掴み取るるーみあ。
「ゆわあああ!?まりさのあいすさんとらないでね!?とらないでね!?」
「……なんか理不尽なのかー?」
困ったような表情でアイスをまりさの口に返するーみあ。
流石に奪ったりはしない、とはいえない。
「ぺーろぺーろ、しししししあわせええ!」
まりさのほうがおいしそうだし、なんて言いそうだったし。
「ん……そろそろだな」
時計と星、夕日の角度を観測し、カメラを構えるお兄さん。
何も知らない女の子が見たら、少しキュンとなってしまうかもしれない。
というか実は一度あるのだが、そのときは岩山に上っており、直後落下したので100年の恋も一瞬で醒めるような刹那恋具合であったが。
「……」
カシャ
今時のデジカメではなく、ミノルタXEでぎりぎりの星を撮影する。
専用機材でもデジタルでもなく、望遠レンズ一枚での撮影にこだわるのも、男の密かな美学であった。
「……よし、今回は乳サナエ星の瞬く瞬間が大量に取れたぞ」
「それも昔々の遠い未来のお話、なのぜ?」
にやっと笑って帽子を斜めに構えて格好つける生首饅頭。
「どこで覚えてくるんだそんな言葉」
「てれびさんでやってたのぜ!」
「ふぉーすのちからさんなのかー」
二人の微妙な勘違いに苦笑しつつ、機材をクーラーバッグにしまいこみ、はしごを降りて片付けるお兄さん。
「そろそろ晩御飯さんなのかー」
ふよふよと地面にあわてて降り立ちお盆を足から外して台所にもっていくるーみあ。
天を仰げば、夕日が少しまだきつい。
「でもまあ……」
日々の仕事を考えて、ため息をつくお兄さん。
「こういうことができるのも、もう少しか」
家に帰ってきてから屋根に上る。
今日は戯れにまりさも一緒に上げたが、夕暮れが早くなれば、危なくて出来なくなるだろう。
彼なりにまりさを気遣いながら、いじめているのである。
ポケットからコンビニのレシートを取り出す。
今夜はちょっとしたあまあまを買ってきている。
二匹がどんな喜ぶ顔をするか、ちょっと楽しみだ。
自分が星をとり続けるのも、そういうことなのだろう。
見た人がどんな表情をするのか。
うれしそうな表情をするのか。
見れなかったことを悔しがるのか。
感謝の言葉を貰うのか。
もっといい写真はないのかと聴かれることか。
そんな人の反応が見たくて、きっと撮っている。
うん、そういうことなんだろうと、思う。
天を仰げば満天の星たちのパレードが始まる1時間前。
今夜も、美しい夜空を満喫できそうだ。
お兄さんが忘れ物に気づくのは、ざっと3時間後の話であった
*過去作品リスト
とくになし
・万が一にもマズい表現がございましたらお知らせください
・ぬる虐め以上の虐待表現は一切出ません
・初投稿にていくつかの粗などはご容赦くだされば幸いです
・不幸になるゆっくりがいます。
「……で、なんでこんなことになっているのぜ?」
まりさは何度目か分からないため息をついた。
ため息のつき先は明白。
こんな事態になった原因である自分の飼い主に、である。
「何でってそりゃあ……」
ため息の当てこすり先があっけらかんとした表情で説明を始める。
カメラを構えているのはどこにでも居る普通のお兄さん。
ちょっと違うところがあるとすれば、落ちてるゆっくりを拾う癖があるくらい。
まりさは別に普通のペットショップ産の良ゆっくりであるからにして
この癖は自分に対する脅威でしかなかったりするのだが。
さておき、彼らが今現在いるのは、夏の夕方の一軒家の瓦屋根の上である。
夕方となれば涼しいだろうという趣旨の元、飼いゆっくりであるまりさが嫌がるのを無視して一緒に上がってきたのだ。
「星の写真をとるにきまってるじゃないか」
原因主が簡潔に答える。
この男はいつでもこんな感じなので、まりさは正直対処に困っていた。
「だからなんで屋根さんなのぜ……」
もはやためいきを付くのも飽きてきたという顔の生首。
ため息をつくのは、せめてもの抗議の証であるが、今まで通用したことは一度もない。
生来ペットショップでは自分の何倍も高いところで飼育されていたのだから、別に今更高いところでうだうだと言う気にはならない。
もっとも落ちたら痛いだろうが……まあ普段から愛情をかけられて育てられてるから、それだけですむだろう。
問題はそういうことではない。
「まりさがいってるのは、なんで写真をとるのに屋根さんなのかなのぜ!!」
真夏日で熱した瓦屋根は、たとえ風が吹き降ろす形になったとしても、そこそこの熱を備えている。
饅頭であるまりさにとって正直あんまり趣味のいい場所ではない。
まあ、人間さんにとってもそれは同じなのであるが。
「ここのほうが綺麗に撮れるからだよ」
再びなんということもないという表情で答えるお兄さん。
あきれてものも言えない。
「でも前に落ちたのぜ?」いえないけど、いう。言わないと熱気でどうにかなってしまいそうなのだ。
「いやあ、あれは事故だよ事故。」
「えーりんの使う機械さんを作ってる人がえーりんにかかるなんて笑い話にもならないのぜ」
「ああ、そういう手もあるか。」
「あるわけないでしょおおおおおおおお!?」
この男、重度のえーりんふぇちさんであった。
飼われ心に密かに心穏やかでもないまりさであるが、そんな表情はおくびにも出さない。
「おにーさんはなんでお星様さんを写真にとりたがるのぜ?」
このままだと本気で医者にかかるために怪我をしかねないので、話を横にそらしにいくまりさ。
「うーん、そうだなあ。」
腕を組み、男は考え始める。
まりさは頭のいいゆっくりだが、所詮は餡子脳、少し説明を捻らないといけない。
元々この飼い主は星をみるのが大好きであり、まりさをひっぱりまわしてはキャンプし、各地で星をとっている。
無論本職のカメラマンというわけではないのだが、アップロードした時の評判は上々のようである。
ようであるというのは、お兄さんがそういってるからで、まりさがとくに見たわけではないからだ。
「星の輝きというのは、結構前の、前の前の光なんだよね。」
「ずいぶんゆっくりしてるのぜ?」
「まあ、そういうことなんだけど。」
いかにもゆっくりらしい解釈だなと、クスりと笑うお兄さん。
「ゆっくりしてるなら、人間さんが写真さんをとりたがるのもわかるのぜ。」
「でもその昔の光を見てるのは、今の俺が見たという証でもあり、その光を皆とも共有したい、ということでもある。わかる?」
「うーん……」
少しうつむいて考え始めるまりさ。
「難しいかな?」
「少し……なのぜ。ひかりさんは、ゆっくりできるのぜ?」
餡子脳なりには、よくできたまりさは言葉の一つ一つを噛み砕いて考えていく。
「それで、みんなをさせてあげたいから、お兄さんは写真をとるのぜ?」
「肝心のところが抜けてる気がするけど、そういうところかな」
「?」
誰よりも早く。
太古の光を写し取る。
それは何よりも気高く、美しい。
しかしそれを美しいと感じてくれる人間は、決して多くはない。
無論星の光に魅せられる人間は大勢居るが、その瞬間を切り取るその技術や耐久力などを褒める人間は少ない。
そして、褒められたいとも、思わない。
ただそこには、写真を、時間を切り取ったという確かな男の満足感があるのである。
「まぁ、まりさにはちょっと分かり辛いかな。」
時間に対するおうちせんげんのようなもの、と説明しようとして男は止める。
あんまりにもゲスくさかったからだ。
オマケにわかりつらいし。
「おにーさん、やねにのぼっちゃだめなのかー」
そんな二人をくすくすと笑いながら、ふわふわと浮かんでくるもう一人の飼いゆっくり。
胴つきゆっくりのるーみあである。よじよじと屋根瓦にしがみつき、ふはぁと一息つく。
「ん、もうすぐ星が一番光るんだよ」
「そーなのかー」
七夕の日に、お星様をずっとみていたというこのメルヘンチックなゆっくりをみて、思わず持ち帰ってしまったのである。
「だからさ、もうちょっとだけ」
「そういうとおもったのかー。でもまりさだけでもおろすのかー」
「ひ、ひい!? ま、まりさはおにいさんとうんめいをともにするんだぜ!」
るーみあを極端にまりさがこわがるのは、捕食種だから、というだけでもなかった。
お兄さんがるーみあを拾ったあの日、まりさは願い事を吊るしていたるーみあの笹を食べようとして、逆に食べられかけていたのである。
「どこの艦長さんだよ……」
「そちらも予測済みなのかー。アイスさんとお茶をもってきたのかー」
「お、助かるねえ」
器用に足元で吊っているお盆からソーダアイスとお茶を取り出するーみあ。
「ごーくごーく、しあわせーっ!」
冷えた麦茶は夏の夕日を見るのによく似合う。
「助かったよるーみあ、喉が渇いたのでまりさ泣かせて涙でも飲もうかと思ってたんだ。」
「ぺーろぺーろしあわ……っておにいさんきちくすぎでしょおぉおお!?」
「おっと、もったいないのかー。」
ぽろっとまりさのくちから落ちるアイスを掴み取るるーみあ。
「ゆわあああ!?まりさのあいすさんとらないでね!?とらないでね!?」
「……なんか理不尽なのかー?」
困ったような表情でアイスをまりさの口に返するーみあ。
流石に奪ったりはしない、とはいえない。
「ぺーろぺーろ、しししししあわせええ!」
まりさのほうがおいしそうだし、なんて言いそうだったし。
「ん……そろそろだな」
時計と星、夕日の角度を観測し、カメラを構えるお兄さん。
何も知らない女の子が見たら、少しキュンとなってしまうかもしれない。
というか実は一度あるのだが、そのときは岩山に上っており、直後落下したので100年の恋も一瞬で醒めるような刹那恋具合であったが。
「……」
カシャ
今時のデジカメではなく、ミノルタXEでぎりぎりの星を撮影する。
専用機材でもデジタルでもなく、望遠レンズ一枚での撮影にこだわるのも、男の密かな美学であった。
「……よし、今回は乳サナエ星の瞬く瞬間が大量に取れたぞ」
「それも昔々の遠い未来のお話、なのぜ?」
にやっと笑って帽子を斜めに構えて格好つける生首饅頭。
「どこで覚えてくるんだそんな言葉」
「てれびさんでやってたのぜ!」
「ふぉーすのちからさんなのかー」
二人の微妙な勘違いに苦笑しつつ、機材をクーラーバッグにしまいこみ、はしごを降りて片付けるお兄さん。
「そろそろ晩御飯さんなのかー」
ふよふよと地面にあわてて降り立ちお盆を足から外して台所にもっていくるーみあ。
天を仰げば、夕日が少しまだきつい。
「でもまあ……」
日々の仕事を考えて、ため息をつくお兄さん。
「こういうことができるのも、もう少しか」
家に帰ってきてから屋根に上る。
今日は戯れにまりさも一緒に上げたが、夕暮れが早くなれば、危なくて出来なくなるだろう。
彼なりにまりさを気遣いながら、いじめているのである。
ポケットからコンビニのレシートを取り出す。
今夜はちょっとしたあまあまを買ってきている。
二匹がどんな喜ぶ顔をするか、ちょっと楽しみだ。
自分が星をとり続けるのも、そういうことなのだろう。
見た人がどんな表情をするのか。
うれしそうな表情をするのか。
見れなかったことを悔しがるのか。
感謝の言葉を貰うのか。
もっといい写真はないのかと聴かれることか。
そんな人の反応が見たくて、きっと撮っている。
うん、そういうことなんだろうと、思う。
天を仰げば満天の星たちのパレードが始まる1時間前。
今夜も、美しい夜空を満喫できそうだ。
お兄さんが忘れ物に気づくのは、ざっと3時間後の話であった
*過去作品リスト
とくになし