ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2094 体感時間は黄金色
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ankoss
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思いついたからSSさん書くよ!
処女作だよ!
処女…バージン
つまり童貞
非童貞はゆっくりできないので、もうSSさんは書かないよ
世の中の非童貞はふらんちゃんにもがれてえいえんにゆっくりしね!
注意事項
・俺設定注意
・パロディ注意
・善良(?)ゆっくり死亡注意
・虐待あっさり注意
それではどうぞ
"質より量"という言葉がある。
『体感時間は黄金色』
"キモい、ウザい、弱い"など散々に言われているゆっくり達も、街に生きる以上"愚か"ではいられない。
ゆっくり特有のアホな真似ばかりしていれば、一日も持たず死ぬだけだからである。
「…………ゆ」
大きい道から少し外れた路地裏に捨てられた段ボールの中。
ここに、ゆっくりの未来を決める一匹のまりさがいた。
「ゆゆっ!
まりさ、ゆっくりおきたよ!」
――――――――――――――――――――
本日は雲ひとつ無い快晴。
真夏日の晴天はおみずさん足りないフラグであるが、午前7時半の気温はまだ少し肌寒く、ゆっくりにとっては適温である。
まりさはしばらくたいようさんの光をぽーかぽーか浴びた後、のーびのーびをして、朝のむーしゃむーしゃのために狩り(笑)に出た。
「ぴょーん、ぴょーん
ごみすてばさんまでもうちょっとだよ
かりのたつゆんのまりさにかかれば、あまあまさんもとりほうだいだよ
ぴょーん、ぴょーん・・・」
このまりさも街ゆっくりの例に漏れず、ゴミ捨て場を荒らして食料を得るゆっくりであった。
わざわざ自分を実況中継しながら、柔らかそうな体を変形させて、まりさは冷たいアスファルトをぴょんぴょん飛び跳ねていく。
「ぴょーん、ぴょーん……ゆゆっ!?」
「ん?
なんだ、野良ゆっくりか」
気づいたら、まりさの前方に上下青いジャージ姿の青年がいた。
肩にタオルをかけ、右手にスポーツドリンクのペットボトルを持っている。
古き良きジョギングスタイルである。
「ゆ……
に、にんげんさん!まりさはわるいことしてないよ!
いまからごはんさんをむーしゃむーしゃしにいくだけだよ!
だからじゃましないでね!
ゆっくりどこかにいってね!」
「はいはいゆっくりゆっくり
誰もお前らのメシなんて邪魔しねえよ」
幸い、この青年に虐待趣味はないらしい。
「ゆっ
それならまりさはむーしゃむーしゃぷれいすにいそぐよ
きょうこそあまあまさんをてにいれるんだよ!」
青年が自分に害意を持ってないことが分かると、まりさは再びゴミ集積所へと向かい出す…
「ぴょーん、ぴょ……」
「あ、ちょっと待て」
「ゆべっ!?」
が、突然青年がまりさの進行方向に足を出した。
ぴょーんぴょーんの途中だったので、必然的にまりさの顔面が青年の足にブチ当たる。
ゆっくりごときに衝突したくらいで人間がバランスを崩すわけもなく、まりさだけがアスファルトに後頭部(?)から着地した。
「い……いだいいいいいいいいい!!
どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおお!!?」
肉体と精神、心身ともに貧弱脆弱虚弱なゆっくりのまりさである。
元から醜いその顔をさらに醜く歪めて、びったんびったん暴れながら漫画でしか見ないような滝状の涙を流す。
「おい、ゆっくり
お前さっき朝メシ食いに行くって言ってたよな
それってどこで何を食うつもりなんだ?」
「ゆ…?
このさきのごみすてばさんだよ!
ごみすてばさんのふくろさんにごはんさんがはいってるんだよ!」
「ああ、やっぱりか…」
青年はそう言うと、ため息をついてまりさを見やる。
「あのなあ、ゆっくり
ゴミ捨て場にある物は食いモンじゃないんだ
荒らしちゃいけねえんだよ」
「ゆ?
なにいってるの?
ごみすてばさんにはごはんさんがあるんだよ?」
「人間にとってはご飯じゃなくて汚いゴミなの!
それをまとめて捨ててる所に、お前らゆっくりがぐちゃぐちゃにしてくから困ってるの!」
青年も利用しているゴミ集積所は、ここ数日毎日のように荒らされていた。
鳥類除けのネットもかかったままゴミが散らかっていたので、カラスではないと思っていたが…
「まあ、理解できないなら理解できないでいいよ
とにかくお前、今日からあそこでメシ食うのはやめろ」
「ゆゆ!?
なにいってるのぉ!?
ごはんさんむーしゃむーしゃしないとゆっくりできないんだよぉ!?」
「別にゆっくりは生ゴミ以外も食べれるだろうが
雑草でも何でも、人間に迷惑かけない物を食ってれば何も文句言わねえよ
ほら、あそこの空き地なんてどうだ?
沢山雑草生えてるじゃねえか」
「あのくささんはおいしくないよ!
なまごみさんをむーしゃむーしゃすればしあわせーなんだよ!
ゆっくりりかいしてね!」
「だから、それが人間にとって迷惑なんだってばよ…」
なんとか説得しようとする青年だが、いかんせんゆっくりなんぞにまともな理屈が通じるわけもない。
青年はようやく、これ以上の説得は無駄であると判断した。
「はぁ……分かった
もういい、好きにしろ
後でゆっくり用の忌避剤でも撒いとくから、もう近寄れなくなるだろ」
「ゆ…?
…………?
…………?
…………!
ゆ、ゆうううううううう!?」
まりさは青年の言った言葉の意味をゆっくり考えた。
しばらくした後になんとか意味を理解できたが、その瞬間とてもゆっくりできない感情が胸中(大笑)を襲う。
「どぼじでぞんないじわるずるのおおおおおおお!!?
ぞれだどまりざがごばんざんだべれないでじょおおおおおおおお!!?」
「そこらへんに生えてる草でも食ってろっつっただろ
雑草ならどこにでもあるんだから、お前らの狩り(苦笑)も楽になっていいじゃねえか」
「あんなのおいしくないいいいいいいいいいいいいいい!!
ゆんやあああああ!!」
またも陸に打ち上げられた魚のようにびったんびったん醜く跳ねつつ、まりさは醜く泣きわめく。
「おお、みにくいみにくい(微笑)
とにかく人に迷惑かけずに生きろよ
そうすれば大抵の人間は、お前にいじわるしなくなるから」
「やだああああああああああ!!
しあわせーしたいいいいいいいいいいいいい!!」
「だったらポイ捨てされてるお菓子でも見つけて食うんだな
じゃあな」
そう言って青年はまりさから視線を外した。
ゆっくりなんかと無駄な会話をして、すっかり体が冷えてしまった。
さっさと走って体を温めないと風邪を引いてしまう。
そして青年が再び走り出す…
……までの間に、まりさの頭の中ではこんなやりとりがされていた!
ゆっくりようのきひざいっがまかれたら、まりさがごみすてばさんにいけなくなるよ!
ごみすてばさんにいけなくなったら、ゆっくりしたごはんさんがとれなくなるよ…
そしたらしあわせーできないよ!
このにんげんさんはゆっくりしたごはんさんをひとりじめするきなんだね!
なんてゆっくりしてないにんげんさん! ゆるせないよ!
たしかにまりさだって、そんなにゆっくりしてるとはいえないよ
おぼうしもあんまりきれいきれいじゃないし、ちゃーぷちゃーぷできるおみずさんもちかくにないから、おからだももーちもーちすーべすーべじゃないよ…
でも!
まりさは"がいっけんっ"はゆっくりできなくても、いままでゆっくりできるゆんせいをあゆんできたつもりだよ!
このまえ、まりさがおなかぺーこぺーこのときに、まりさよりよわよわそうなれいむたちをみつけたよ
そのれいむたちはかりからかえってきたところだったのか、それなりーにごはんさんをもってたよ
よわよわなれいむたちをまりさがやっつけたら、ごはんさんはまりさのものになってしあわせーできたはずだよ…
だけど!
まりさはたゆんからごはんさんをうばうような、ゆっくりできないゆっくりにはなりたくなかったよ!
だからそのれいむたちをやっつけたりなんかしなかった!
まりさはゆっくりとしての"ほこり"をもっていきてきたんだよ!
その"ほこり"がうったえている! こんなゆっくりできないにんげんさんはゆるすべきではないと!
この"かんっじょうっ"は"いかり"だよ!
まりさの"ほこり"からうまれた、ただしきせいぎのもえさかるひさんだよ!
この間、実に0.5秒!
それだけの時間の中で、まりさはこのように複雑な思考を展開したのだ!
実はこのまりさ、生まれたときから他のゆっくりにはない、特殊な能力を持っていた。
それはかんっじょうっ(爆笑)の振れ幅が大きくなったとき、今のように瞬間的な思考展開を可能とする能力である。
"キモい、ウザい、弱い"など散々に言われているゆっくり達も、街に生きる以上"愚か"ではいられない。
ゆっくり特有のアホな真似ばかりしていれば、一日も持たず死ぬだけだからである。
だからゆっくりは進化した。
"質より量"という言葉がある。
考えが浅く、しばしば自滅的な行動をとってしまうゆっくりであるが、その"浅い考え"を十重二重に重ねればどうなるだろうか?
一つだけでは生きることすら難しい愚者の知恵も、短時間のうちに何度も何度も考え直すことができればどうなるだろうか?
だからゆっくりは進化したッ!
頭の中にかかった虚ろな靄を吹き飛ばし、腐った汚濁からその精神を引き上げる!
そのためにまりさは突然変異としてこの世に生を享けたのだ!
そう、このまりさは"ゆっくりの未来を決める"新たな時代を切り開くゆっくりなのであるッ!!(噴飯)
――――――――――――――――――――
青年はそんなことなど露知らず、ジョギングの続きを始めるために脚の筋肉に力を込めた。
そしてその一歩を踏み出すその前に、まりさの餡子色の脳餡子が唸りを上げる!(腹痛)
ゆっ?
にんげんさんがあっちをむいたよ?
きっとどこかちがうところにいくきなんだね
まさか、まりさのつよさにおそれをなした?
…いや、それはないよ
まりさはゆっくり、にんげんさんはにんげんさん
ほかのみんなは「ゆっくりできないにんげんさんなんかにまけないよ!」なんていってるけど、まりさはそうはおもわないよ
まりさがおもうに、みんなはこのせかいさんがかんっじょうっをもっているなにかだとかんがえているふしがあるよ
だからおなかがぺーこぺーこのときは「どぼじでごはんさんがでてこないのおおお」っていうし、のどがかーらかーらのときは「どぼじでおみずさんがでてこないのおおお」っていうよ
でもそれはきっと、まちがいなんだよ
ごはんさんやおみずさんはでてこないんじゃない、ただひたっすらっにどこかにそんっざいっしてるだけなんだよ
おなかがぺーこぺーこだったりのどがかーらかーらなのは、ごはんさんやおみずさんがいじわるしてるんじゃなくて、まりさたちゆっくりがみつけられないだけなんだよ…
みんなはそれをわかっていない、だからせかいさんがいじわるしてるってかんがえるんだね…
ほんとうは…
ほんとうのほんとうは、「ゆっくりすること」におおきないみはないのかもしれないよ…
にんげんさんはゆっくりしてないのに、いつもごはんをむーしゃむーしゃして、おなかぱーんぱーんになっているよ
いぬさんやねこさんだって、ぜんぜんゆっくりなんかしてないのに、まりさたちゆっくりよりとってもつよいよ…
もしかして「ゆっくり」をだいじにおもってるのは、ゆっくりだけなのかもしれない…
…………
…でも
でも、それでも、まりさは"ゆっくり"だよ
これはゆっくりしたいっていうよくっぼうっにまけたんじゃない
ほかのゆっくりにわらわれるのがおそろしーしーなわけでもない
まりさがゆっくりしたい…
いや!
まりさが"ゆっくりしたゆっくり"でありたい! それだけだよ!
そうだ…!
これが…、これこそが、まりさのほこりなんだね!
たとえきょうっだいっなちからをもってるにんげんさんにまけたとしても、まりさはこの"みち"をだれかにゆずることなんてできない!
それは、これがまりさのきめた"みち"だからだよ!
まりさのきめた、まりさの"なっとくっ"した、まりさだけの"みち"なんだ!
"なっとくっ"は"ほこり"なんだ!
ゆっくりしたむーしゃむーしゃぷれいすをひとりじめしようとするにんげんさん!
まりさはにげないッ!
まりさはきょうふしないッ!
まりさは…、まりさは!
まりさじしんのみとめる"ゆーしゃ"になるんだぁぁぁぁぁぁッ!!!
おめめに炎を燃やし、からだ中に正義の怒りを漲らせたまりさは、青年に向かって飛びかかった!
ゆおおおおおおおおおおッ!
しょうぶだッ!!
にんげんさんッ!!!
魂の炎を纏った弾丸を化したまりさ。
そのまりさの姿に、青年は…!
……気づくこともなく、普通に適度なスピードで足を進めていた。
しかしここで、残酷で気まぐれな運命の女神が悪戯をしかけるッ!
まりさの飛びだした先は、青年の進行方向だったのだ!
数十センチメートル前方にまりさがいることを知らず、青年はテンポよく足を出す。
「ぷくー!」
青年の足元でまりさがぷくー!をするが、青年は気付かない。
そして当然、青年がまりさを蹴り上げる形で二つの影は交差するのだった!
ゆゆっ!
にんげんさん、このまままりさにたいあたりするきだね!
よゆうづらさんをこーきこーきするのもそれまでだよ!
どんなしょうっげきっがおそってきたとしても、まりさはここからいちぴょーんぴょーん(人間で言うところの「一歩」)もうごかないよ!
まりさをたおせるというのなら…やってみるがいいッ!
メシッ
メキメキメキョメキョッ
ゆぐえぇぇぇっ!
うごきがゆっぐりじでるよぉぉぉ!!
メキョッ
ミシッ
い……
いだいいいいいいいいいいいいい!!
ざーくざーくした(人間で言うところの「鋭い」)いたいいたいさんがゆっくりしすぎだよおおおおお!!
ゆぎゃあああああああああああああああああ!!!
今、まりさの頭脳は並のゆっくりの数百倍…。
人間と比べたとしても、数倍の思考速度を持っていた。
そんな状態で痛みを感じればどうなるか。
答えはこの通りである。
まりさの醜くぷくーしたおかお、無様に膨れたほっぺに突き刺さったランニングシューズは、まりさの汚い表皮に信号を発生させる。
信号はまりさの餡子に伝搬し、普段はゆっくりしすぎな頭に"痛覚"として認識される。
しかし、今のまりさはハイパーモード。
思考だけではなく、感覚までが鋭敏となり、さらに体感時間で長時間続くのだからたまらない。
まりさは、普通に蹴られたゆっくりの、何倍もの痛みを感じることとなったのだ。
グギッ
ボギッ
は……
はさんがゆっぐり……
ゆっ! ゆぎぎぃぃ!
お……れっ……
ゆぎあああああああああああああああああああああああああああああああ!!
シューズのつま先が饅頭皮を通して砂糖造りの歯に触れる感覚。
つま先がそれより進んで、もろすぎる歯ぐき餡子から歯が強制的にずらされる感覚。
さらに動き、ついに耐えきれなくなった歯ぐき餡子の肉餡子が付いたまま、ミチミチと音を立てて歯が体から離れていく感覚。
哀れ、まりさは歯が折れる痛みすら、何倍にも増幅して感じていた。
べちょっ
「え?
何だ?」
今までまりさに気付かなかった青年も、靴に饅頭がぶつかれば流石に分かる。
目線を下の方向に動かすと、1メートルほど離れたところにまりさが突っ伏していた。
「…びっ……
ゆ"びゅっ……ゆ"びゅっ……
えげげ…えげげげぇ……
ぼっど……ゆ"っぐ……ぃ………」
「さ、さっきのゆっくりか?
もしかして足引っかけちまったのか
…いやぁ、ははは
悪いな、ゆっくり」
まりさが勝手に飛び出してきたことを知らず、自分の不注意で饅頭を蹴ってしまった、と勘違いする青年。
白目をむいて口から餡子を吐き垂らすまりさの前に立ち、徐々にその痙攣が弱くなっていく様子を苦笑いしながら見ることしかできなかった…。
"質より量"という言葉がある。
10の質が1個あるより1の質が100個ある方がいいという意味だが…
ゆっくりの知恵のように、小数点第何十位程度の質が何個あったところで、どうにもなるわけはないのだった。
処女作だよ!
処女…バージン
つまり童貞
非童貞はゆっくりできないので、もうSSさんは書かないよ
世の中の非童貞はふらんちゃんにもがれてえいえんにゆっくりしね!
注意事項
・俺設定注意
・パロディ注意
・善良(?)ゆっくり死亡注意
・虐待あっさり注意
それではどうぞ
"質より量"という言葉がある。
『体感時間は黄金色』
"キモい、ウザい、弱い"など散々に言われているゆっくり達も、街に生きる以上"愚か"ではいられない。
ゆっくり特有のアホな真似ばかりしていれば、一日も持たず死ぬだけだからである。
「…………ゆ」
大きい道から少し外れた路地裏に捨てられた段ボールの中。
ここに、ゆっくりの未来を決める一匹のまりさがいた。
「ゆゆっ!
まりさ、ゆっくりおきたよ!」
――――――――――――――――――――
本日は雲ひとつ無い快晴。
真夏日の晴天はおみずさん足りないフラグであるが、午前7時半の気温はまだ少し肌寒く、ゆっくりにとっては適温である。
まりさはしばらくたいようさんの光をぽーかぽーか浴びた後、のーびのーびをして、朝のむーしゃむーしゃのために狩り(笑)に出た。
「ぴょーん、ぴょーん
ごみすてばさんまでもうちょっとだよ
かりのたつゆんのまりさにかかれば、あまあまさんもとりほうだいだよ
ぴょーん、ぴょーん・・・」
このまりさも街ゆっくりの例に漏れず、ゴミ捨て場を荒らして食料を得るゆっくりであった。
わざわざ自分を実況中継しながら、柔らかそうな体を変形させて、まりさは冷たいアスファルトをぴょんぴょん飛び跳ねていく。
「ぴょーん、ぴょーん……ゆゆっ!?」
「ん?
なんだ、野良ゆっくりか」
気づいたら、まりさの前方に上下青いジャージ姿の青年がいた。
肩にタオルをかけ、右手にスポーツドリンクのペットボトルを持っている。
古き良きジョギングスタイルである。
「ゆ……
に、にんげんさん!まりさはわるいことしてないよ!
いまからごはんさんをむーしゃむーしゃしにいくだけだよ!
だからじゃましないでね!
ゆっくりどこかにいってね!」
「はいはいゆっくりゆっくり
誰もお前らのメシなんて邪魔しねえよ」
幸い、この青年に虐待趣味はないらしい。
「ゆっ
それならまりさはむーしゃむーしゃぷれいすにいそぐよ
きょうこそあまあまさんをてにいれるんだよ!」
青年が自分に害意を持ってないことが分かると、まりさは再びゴミ集積所へと向かい出す…
「ぴょーん、ぴょ……」
「あ、ちょっと待て」
「ゆべっ!?」
が、突然青年がまりさの進行方向に足を出した。
ぴょーんぴょーんの途中だったので、必然的にまりさの顔面が青年の足にブチ当たる。
ゆっくりごときに衝突したくらいで人間がバランスを崩すわけもなく、まりさだけがアスファルトに後頭部(?)から着地した。
「い……いだいいいいいいいいい!!
どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおお!!?」
肉体と精神、心身ともに貧弱脆弱虚弱なゆっくりのまりさである。
元から醜いその顔をさらに醜く歪めて、びったんびったん暴れながら漫画でしか見ないような滝状の涙を流す。
「おい、ゆっくり
お前さっき朝メシ食いに行くって言ってたよな
それってどこで何を食うつもりなんだ?」
「ゆ…?
このさきのごみすてばさんだよ!
ごみすてばさんのふくろさんにごはんさんがはいってるんだよ!」
「ああ、やっぱりか…」
青年はそう言うと、ため息をついてまりさを見やる。
「あのなあ、ゆっくり
ゴミ捨て場にある物は食いモンじゃないんだ
荒らしちゃいけねえんだよ」
「ゆ?
なにいってるの?
ごみすてばさんにはごはんさんがあるんだよ?」
「人間にとってはご飯じゃなくて汚いゴミなの!
それをまとめて捨ててる所に、お前らゆっくりがぐちゃぐちゃにしてくから困ってるの!」
青年も利用しているゴミ集積所は、ここ数日毎日のように荒らされていた。
鳥類除けのネットもかかったままゴミが散らかっていたので、カラスではないと思っていたが…
「まあ、理解できないなら理解できないでいいよ
とにかくお前、今日からあそこでメシ食うのはやめろ」
「ゆゆ!?
なにいってるのぉ!?
ごはんさんむーしゃむーしゃしないとゆっくりできないんだよぉ!?」
「別にゆっくりは生ゴミ以外も食べれるだろうが
雑草でも何でも、人間に迷惑かけない物を食ってれば何も文句言わねえよ
ほら、あそこの空き地なんてどうだ?
沢山雑草生えてるじゃねえか」
「あのくささんはおいしくないよ!
なまごみさんをむーしゃむーしゃすればしあわせーなんだよ!
ゆっくりりかいしてね!」
「だから、それが人間にとって迷惑なんだってばよ…」
なんとか説得しようとする青年だが、いかんせんゆっくりなんぞにまともな理屈が通じるわけもない。
青年はようやく、これ以上の説得は無駄であると判断した。
「はぁ……分かった
もういい、好きにしろ
後でゆっくり用の忌避剤でも撒いとくから、もう近寄れなくなるだろ」
「ゆ…?
…………?
…………?
…………!
ゆ、ゆうううううううう!?」
まりさは青年の言った言葉の意味をゆっくり考えた。
しばらくした後になんとか意味を理解できたが、その瞬間とてもゆっくりできない感情が胸中(大笑)を襲う。
「どぼじでぞんないじわるずるのおおおおおおお!!?
ぞれだどまりざがごばんざんだべれないでじょおおおおおおおお!!?」
「そこらへんに生えてる草でも食ってろっつっただろ
雑草ならどこにでもあるんだから、お前らの狩り(苦笑)も楽になっていいじゃねえか」
「あんなのおいしくないいいいいいいいいいいいいいい!!
ゆんやあああああ!!」
またも陸に打ち上げられた魚のようにびったんびったん醜く跳ねつつ、まりさは醜く泣きわめく。
「おお、みにくいみにくい(微笑)
とにかく人に迷惑かけずに生きろよ
そうすれば大抵の人間は、お前にいじわるしなくなるから」
「やだああああああああああ!!
しあわせーしたいいいいいいいいいいいいい!!」
「だったらポイ捨てされてるお菓子でも見つけて食うんだな
じゃあな」
そう言って青年はまりさから視線を外した。
ゆっくりなんかと無駄な会話をして、すっかり体が冷えてしまった。
さっさと走って体を温めないと風邪を引いてしまう。
そして青年が再び走り出す…
……までの間に、まりさの頭の中ではこんなやりとりがされていた!
ゆっくりようのきひざいっがまかれたら、まりさがごみすてばさんにいけなくなるよ!
ごみすてばさんにいけなくなったら、ゆっくりしたごはんさんがとれなくなるよ…
そしたらしあわせーできないよ!
このにんげんさんはゆっくりしたごはんさんをひとりじめするきなんだね!
なんてゆっくりしてないにんげんさん! ゆるせないよ!
たしかにまりさだって、そんなにゆっくりしてるとはいえないよ
おぼうしもあんまりきれいきれいじゃないし、ちゃーぷちゃーぷできるおみずさんもちかくにないから、おからだももーちもーちすーべすーべじゃないよ…
でも!
まりさは"がいっけんっ"はゆっくりできなくても、いままでゆっくりできるゆんせいをあゆんできたつもりだよ!
このまえ、まりさがおなかぺーこぺーこのときに、まりさよりよわよわそうなれいむたちをみつけたよ
そのれいむたちはかりからかえってきたところだったのか、それなりーにごはんさんをもってたよ
よわよわなれいむたちをまりさがやっつけたら、ごはんさんはまりさのものになってしあわせーできたはずだよ…
だけど!
まりさはたゆんからごはんさんをうばうような、ゆっくりできないゆっくりにはなりたくなかったよ!
だからそのれいむたちをやっつけたりなんかしなかった!
まりさはゆっくりとしての"ほこり"をもっていきてきたんだよ!
その"ほこり"がうったえている! こんなゆっくりできないにんげんさんはゆるすべきではないと!
この"かんっじょうっ"は"いかり"だよ!
まりさの"ほこり"からうまれた、ただしきせいぎのもえさかるひさんだよ!
この間、実に0.5秒!
それだけの時間の中で、まりさはこのように複雑な思考を展開したのだ!
実はこのまりさ、生まれたときから他のゆっくりにはない、特殊な能力を持っていた。
それはかんっじょうっ(爆笑)の振れ幅が大きくなったとき、今のように瞬間的な思考展開を可能とする能力である。
"キモい、ウザい、弱い"など散々に言われているゆっくり達も、街に生きる以上"愚か"ではいられない。
ゆっくり特有のアホな真似ばかりしていれば、一日も持たず死ぬだけだからである。
だからゆっくりは進化した。
"質より量"という言葉がある。
考えが浅く、しばしば自滅的な行動をとってしまうゆっくりであるが、その"浅い考え"を十重二重に重ねればどうなるだろうか?
一つだけでは生きることすら難しい愚者の知恵も、短時間のうちに何度も何度も考え直すことができればどうなるだろうか?
だからゆっくりは進化したッ!
頭の中にかかった虚ろな靄を吹き飛ばし、腐った汚濁からその精神を引き上げる!
そのためにまりさは突然変異としてこの世に生を享けたのだ!
そう、このまりさは"ゆっくりの未来を決める"新たな時代を切り開くゆっくりなのであるッ!!(噴飯)
――――――――――――――――――――
青年はそんなことなど露知らず、ジョギングの続きを始めるために脚の筋肉に力を込めた。
そしてその一歩を踏み出すその前に、まりさの餡子色の脳餡子が唸りを上げる!(腹痛)
ゆっ?
にんげんさんがあっちをむいたよ?
きっとどこかちがうところにいくきなんだね
まさか、まりさのつよさにおそれをなした?
…いや、それはないよ
まりさはゆっくり、にんげんさんはにんげんさん
ほかのみんなは「ゆっくりできないにんげんさんなんかにまけないよ!」なんていってるけど、まりさはそうはおもわないよ
まりさがおもうに、みんなはこのせかいさんがかんっじょうっをもっているなにかだとかんがえているふしがあるよ
だからおなかがぺーこぺーこのときは「どぼじでごはんさんがでてこないのおおお」っていうし、のどがかーらかーらのときは「どぼじでおみずさんがでてこないのおおお」っていうよ
でもそれはきっと、まちがいなんだよ
ごはんさんやおみずさんはでてこないんじゃない、ただひたっすらっにどこかにそんっざいっしてるだけなんだよ
おなかがぺーこぺーこだったりのどがかーらかーらなのは、ごはんさんやおみずさんがいじわるしてるんじゃなくて、まりさたちゆっくりがみつけられないだけなんだよ…
みんなはそれをわかっていない、だからせかいさんがいじわるしてるってかんがえるんだね…
ほんとうは…
ほんとうのほんとうは、「ゆっくりすること」におおきないみはないのかもしれないよ…
にんげんさんはゆっくりしてないのに、いつもごはんをむーしゃむーしゃして、おなかぱーんぱーんになっているよ
いぬさんやねこさんだって、ぜんぜんゆっくりなんかしてないのに、まりさたちゆっくりよりとってもつよいよ…
もしかして「ゆっくり」をだいじにおもってるのは、ゆっくりだけなのかもしれない…
…………
…でも
でも、それでも、まりさは"ゆっくり"だよ
これはゆっくりしたいっていうよくっぼうっにまけたんじゃない
ほかのゆっくりにわらわれるのがおそろしーしーなわけでもない
まりさがゆっくりしたい…
いや!
まりさが"ゆっくりしたゆっくり"でありたい! それだけだよ!
そうだ…!
これが…、これこそが、まりさのほこりなんだね!
たとえきょうっだいっなちからをもってるにんげんさんにまけたとしても、まりさはこの"みち"をだれかにゆずることなんてできない!
それは、これがまりさのきめた"みち"だからだよ!
まりさのきめた、まりさの"なっとくっ"した、まりさだけの"みち"なんだ!
"なっとくっ"は"ほこり"なんだ!
ゆっくりしたむーしゃむーしゃぷれいすをひとりじめしようとするにんげんさん!
まりさはにげないッ!
まりさはきょうふしないッ!
まりさは…、まりさは!
まりさじしんのみとめる"ゆーしゃ"になるんだぁぁぁぁぁぁッ!!!
おめめに炎を燃やし、からだ中に正義の怒りを漲らせたまりさは、青年に向かって飛びかかった!
ゆおおおおおおおおおおッ!
しょうぶだッ!!
にんげんさんッ!!!
魂の炎を纏った弾丸を化したまりさ。
そのまりさの姿に、青年は…!
……気づくこともなく、普通に適度なスピードで足を進めていた。
しかしここで、残酷で気まぐれな運命の女神が悪戯をしかけるッ!
まりさの飛びだした先は、青年の進行方向だったのだ!
数十センチメートル前方にまりさがいることを知らず、青年はテンポよく足を出す。
「ぷくー!」
青年の足元でまりさがぷくー!をするが、青年は気付かない。
そして当然、青年がまりさを蹴り上げる形で二つの影は交差するのだった!
ゆゆっ!
にんげんさん、このまままりさにたいあたりするきだね!
よゆうづらさんをこーきこーきするのもそれまでだよ!
どんなしょうっげきっがおそってきたとしても、まりさはここからいちぴょーんぴょーん(人間で言うところの「一歩」)もうごかないよ!
まりさをたおせるというのなら…やってみるがいいッ!
メシッ
メキメキメキョメキョッ
ゆぐえぇぇぇっ!
うごきがゆっぐりじでるよぉぉぉ!!
メキョッ
ミシッ
い……
いだいいいいいいいいいいいいい!!
ざーくざーくした(人間で言うところの「鋭い」)いたいいたいさんがゆっくりしすぎだよおおおおお!!
ゆぎゃあああああああああああああああああ!!!
今、まりさの頭脳は並のゆっくりの数百倍…。
人間と比べたとしても、数倍の思考速度を持っていた。
そんな状態で痛みを感じればどうなるか。
答えはこの通りである。
まりさの醜くぷくーしたおかお、無様に膨れたほっぺに突き刺さったランニングシューズは、まりさの汚い表皮に信号を発生させる。
信号はまりさの餡子に伝搬し、普段はゆっくりしすぎな頭に"痛覚"として認識される。
しかし、今のまりさはハイパーモード。
思考だけではなく、感覚までが鋭敏となり、さらに体感時間で長時間続くのだからたまらない。
まりさは、普通に蹴られたゆっくりの、何倍もの痛みを感じることとなったのだ。
グギッ
ボギッ
は……
はさんがゆっぐり……
ゆっ! ゆぎぎぃぃ!
お……れっ……
ゆぎあああああああああああああああああああああああああああああああ!!
シューズのつま先が饅頭皮を通して砂糖造りの歯に触れる感覚。
つま先がそれより進んで、もろすぎる歯ぐき餡子から歯が強制的にずらされる感覚。
さらに動き、ついに耐えきれなくなった歯ぐき餡子の肉餡子が付いたまま、ミチミチと音を立てて歯が体から離れていく感覚。
哀れ、まりさは歯が折れる痛みすら、何倍にも増幅して感じていた。
べちょっ
「え?
何だ?」
今までまりさに気付かなかった青年も、靴に饅頭がぶつかれば流石に分かる。
目線を下の方向に動かすと、1メートルほど離れたところにまりさが突っ伏していた。
「…びっ……
ゆ"びゅっ……ゆ"びゅっ……
えげげ…えげげげぇ……
ぼっど……ゆ"っぐ……ぃ………」
「さ、さっきのゆっくりか?
もしかして足引っかけちまったのか
…いやぁ、ははは
悪いな、ゆっくり」
まりさが勝手に飛び出してきたことを知らず、自分の不注意で饅頭を蹴ってしまった、と勘違いする青年。
白目をむいて口から餡子を吐き垂らすまりさの前に立ち、徐々にその痙攣が弱くなっていく様子を苦笑いしながら見ることしかできなかった…。
"質より量"という言葉がある。
10の質が1個あるより1の質が100個ある方がいいという意味だが…
ゆっくりの知恵のように、小数点第何十位程度の質が何個あったところで、どうにもなるわけはないのだった。