ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0283 ゆっくりたねをまいてね!
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ankoss
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※M1あきさんが「植物型にんっしんでゆっくりが地面から生える」というネタの絵を描い
ていたのに触発されて書きました
※独自設定垂れ流し
ていたのに触発されて書きました
※独自設定垂れ流し
「ねえ、わたしがもしゆっくりだったら、きっとおいしくないと思うのよ!」
いつも突飛なことを言う女だった。ゆっくり加工所の研究部門の同僚の中で一番優秀な彼
女。天才となんとかは紙一重と言うが、それを体現しているような女だった。
女。天才となんとかは紙一重と言うが、それを体現しているような女だった。
「だって、わたしはゆっくりが大好きで、その研究がこんなにたのしいんだもの! ゆっ
くりは苦しまないとおいしくないんだから、わたしってばきっと商品にもならないぬるい
甘さになっちゃうに決まってるわ!」
くりは苦しまないとおいしくないんだから、わたしってばきっと商品にもならないぬるい
甘さになっちゃうに決まってるわ!」
いつもそんな変なことばかり言っていた。
だから、思いもしなかった。
だから、思いもしなかった。
「もし自分がゆっくりだったら、あまくないに決まっている」
そんないつもの戯れ言が、彼女から聞いた最後の言葉になるなんて。
そんないつもの戯れ言が、彼女から聞いた最後の言葉になるなんて。
どこにでもあるなんでもない交通事故。そんなもののせいで、彼女のばかげた言葉はもう
聞けなくなってしまったのだ。
聞けなくなってしまったのだ。
ゆっくりたねをまいてね!
「すっきりーっ!」
研究員達が固唾をのんで見守る中、ゆっくりまりさとゆっくりれいむはすっきりーをした。
二匹のゆっくりは、土の敷かれた、動くのに不自由のない大型の水槽の中にいる。
二匹のゆっくりは、土の敷かれた、動くのに不自由のない大型の水槽の中にいる。
「さて、次が問題ですね。うまくやってくれるかどうか……」
研究員の一人がつぶやく。他の研究社員達も言葉にこそ出さないものの、思いは同じだ。
やがて、れいむの頭からにょきにょきと茎が生えてくる。そしてあっという間に実ゆっく
りが生った。ここまでは普通だ。
普通ではないのはその数だ。生えた茎は五本。通常の茎の倍以上に長い。
実ゆっくりの数も普通ではない。それぞれの茎に鈴なりに生った実ゆっくりは、合計五十
匹近い。その大きさも通常の実ゆっくりの半分ほどだ。
それだけでも異常だったが、またしてもおかしなことが起きる。
次の瞬間、小粒の実ゆっくり達は地に落ちたのだ。
明らかな早産だった。
だが、れいむもまりさもあわてない。
やがて、れいむの頭からにょきにょきと茎が生えてくる。そしてあっという間に実ゆっく
りが生った。ここまでは普通だ。
普通ではないのはその数だ。生えた茎は五本。通常の茎の倍以上に長い。
実ゆっくりの数も普通ではない。それぞれの茎に鈴なりに生った実ゆっくりは、合計五十
匹近い。その大きさも通常の実ゆっくりの半分ほどだ。
それだけでも異常だったが、またしてもおかしなことが起きる。
次の瞬間、小粒の実ゆっくり達は地に落ちたのだ。
明らかな早産だった。
だが、れいむもまりさもあわてない。
「おちびちゃんたち! ゆっくりほーりほーりしてね!」
れいむが声を上げると、まだ目も開かない実ゆっくり達は口を開き声を上げる。
「ゆっきゅち!」
「ゆっきゅち! ゆっきゅち!」
「ゆっきゅちもぎゅりゅよ!」
「ほーりほりしゅりゅよ!」
「ゆっきゅち! ゆっきゅち!」
「ゆっきゅちもぎゅりゅよ!」
「ほーりほりしゅりゅよ!」
目を閉じたまま、開いた口で一斉に地面を掘り始める実ゆっくり達。ゆっくりは手足がな
い為、土木作業には全く向かない。それなのにたやすく土を掘り、自らの巣を作る。
実ゆっくり達もその特質を受け継いだのか、土を掘り進み瞬く間に地の中に潜っていった
。
い為、土木作業には全く向かない。それなのにたやすく土を掘り、自らの巣を作る。
実ゆっくり達もその特質を受け継いだのか、土を掘り進み瞬く間に地の中に潜っていった
。
「ゆっくりそだってね!」
「しーしーするよ! おちびちゃんたち、ゆっくりえいようをとってね!」
「しーしーするよ! おちびちゃんたち、ゆっくりえいようをとってね!」
実ゆっくり達が埋まっていった場所に、れいむとまりさはしーしーをかけ始めた。
すると、ぽこり、ぽこりと。実ゆっくりの埋まった場所から何かが出てきた。
芽だ。
ゆっくりがにんっしんしたときと生える茎と同じ色の芽だ。
それを見て、れいむとまりさはにっこりとほほえむ。
その様に、見守っていた研究員達も安堵の息をもらすのだった。
すると、ぽこり、ぽこりと。実ゆっくりの埋まった場所から何かが出てきた。
芽だ。
ゆっくりがにんっしんしたときと生える茎と同じ色の芽だ。
それを見て、れいむとまりさはにっこりとほほえむ。
その様に、見守っていた研究員達も安堵の息をもらすのだった。
×
×
×
×
×
ゆっくり加工所では、日夜研究が続けられている。
その中でももっとも重要な研究は、「高品質のゆっくりをいかに大量生産するか」だった。
一般に、ゆっくりの大量生産と言えばれいぱーありすとオレンジジュースを用いて行われ
る。だがこれは手間も時間もかかる。
まずすっきりーさせる時間が必要だし、植物型のにんっしんであっても生まれ落ちるまで
には一週間程度を要する。
また、植物型のにんっしんで生まれる赤ゆっくりは小さく、これを成長させるのにも時間
が必要だ。味の調整のため虐待するともなればさらに時間も手間もかかる。
それらの効率化は極限まで進められていた。だが、不況に伴う昨今のゆっくりの価格低下
の傾向から、なかなか利益が出にくくなっていた。
その中でももっとも重要な研究は、「高品質のゆっくりをいかに大量生産するか」だった。
一般に、ゆっくりの大量生産と言えばれいぱーありすとオレンジジュースを用いて行われ
る。だがこれは手間も時間もかかる。
まずすっきりーさせる時間が必要だし、植物型のにんっしんであっても生まれ落ちるまで
には一週間程度を要する。
また、植物型のにんっしんで生まれる赤ゆっくりは小さく、これを成長させるのにも時間
が必要だ。味の調整のため虐待するともなればさらに時間も手間もかかる。
それらの効率化は極限まで進められていた。だが、不況に伴う昨今のゆっくりの価格低下
の傾向から、なかなか利益が出にくくなっていた。
そこで着目されたのは、ゆっくりが植物的な性質を持つと言うことだった。
植物型にんっしんで、ゆっくりは茎をはやす。この茎を外部ではやすことはできないか、
というアプローチだった。
植物型にんっしんは、大量にゆっくりをつくるのに向いている。しかし茎が生えている間、
母体となったゆっくりは茎に栄養を吸われる――すなわち、負荷を受け続けることになる。
ゆえに、回数を重ねれば良質なゆっくりであっても餡子が劣化する。
ならば生えた時点で茎を切り取り砂糖水などで育てれば、という提案もあった。だがこの
方法ではゆっくりが「足りないゆっくり」になったり、奇形化することさえある。当然味
も落ちる。やはりある程度、少なくとも丸一日程度は母体で育てる必要があるのだ。
これは当然、量産化の妨げとなる。
だが、ある研究員は、これとまったく異なるアプローチを提案した。
というアプローチだった。
植物型にんっしんは、大量にゆっくりをつくるのに向いている。しかし茎が生えている間、
母体となったゆっくりは茎に栄養を吸われる――すなわち、負荷を受け続けることになる。
ゆえに、回数を重ねれば良質なゆっくりであっても餡子が劣化する。
ならば生えた時点で茎を切り取り砂糖水などで育てれば、という提案もあった。だがこの
方法ではゆっくりが「足りないゆっくり」になったり、奇形化することさえある。当然味
も落ちる。やはりある程度、少なくとも丸一日程度は母体で育てる必要があるのだ。
これは当然、量産化の妨げとなる。
だが、ある研究員は、これとまったく異なるアプローチを提案した。
×
×
×
×
×
「草ゆっくり、順調に育っているみたいだな」
研究所の一室。中央におかれた水槽の中は、一週間前れいむとまりさがすっきりーし、地
に落ちた実ゆっくりが自ら埋まった場所だった。
男と同僚の研究員は、その水槽を眺めていた。
そこは今や畑のようになっていた。
地面か伸びる無数の茎。青々と葉を広げ、人工灯を力一杯受け止めている。そして、その
茎の先端に実るモノは。
に落ちた実ゆっくりが自ら埋まった場所だった。
男と同僚の研究員は、その水槽を眺めていた。
そこは今や畑のようになっていた。
地面か伸びる無数の茎。青々と葉を広げ、人工灯を力一杯受け止めている。そして、その
茎の先端に実るモノは。
「ゆっ……ゆっ……」
「ゆっくちぃ……」
「ゆっくち……うまれちゃいよ……」
「ゆっくちぃ……」
「ゆっくち……うまれちゃいよ……」
夢見るように目を閉じ揺れる、実ゆっくりの姿があった。
通常の実ゆっくりより一回り大きい。そのもちもちした肌は高い品質を伺わせる。
新たな植物型にんっしんのアプローチ。
それは、「草ゆっくり」だった。
通常、植物型にんっしんでは、ゆっくりは茎を生やし実ゆっくりを生らす。
この「草ゆっくり」は、実ゆっくりを植物の実と同じ役割にしたものだ。
草ゆっくりは母体から栄養をもらうのではなく、地面に落ち血に潜り、根を下ろして植物
のように自分で育つのだ。
通常の植物型にんっしんで高品質のゆっくりを生み出すには、母体となるゆっくりの栄養
摂取、健康管理など細かに管理する必要がある。
ところがこの「草ゆっくり」にそれは必要ない。
母体は実ゆっくりを蒔いた時点で出産は完了となる。植物型にんっしんに比べ、母体への
負担は非常に少なくて済む。すぐさま次のすっきりーも可能だ。その上、実ゆっくりの数
もずっと多い。
地に蒔かれた実ゆっくりは、初期には親ゆっくりのしーしーなどの甘味を要する。だがそ
の後、芽さえ出れば土の養分と日の光で自ら栄養を作り出し育っていく。ゆっくりの餡子
変換能力は優れており、通常の農作物の育たないような枯れた土地でも元気に育つ。また、
通常の作物より世話もいらず、生産も楽だ。
地に生えた根、天へ伸びる茎に空へ広がる葉。それらから栄養を生みだし、実ゆっくりは
子ゆっくりほどのサイズになってから生まれ落ちる。
しかも、非常に上質なゆっくりとして生まれるのだ。
ゆっくり加工所は、新たな高品質ゆっくりの大量生産方法を手に入れたのである。
通常の実ゆっくりより一回り大きい。そのもちもちした肌は高い品質を伺わせる。
新たな植物型にんっしんのアプローチ。
それは、「草ゆっくり」だった。
通常、植物型にんっしんでは、ゆっくりは茎を生やし実ゆっくりを生らす。
この「草ゆっくり」は、実ゆっくりを植物の実と同じ役割にしたものだ。
草ゆっくりは母体から栄養をもらうのではなく、地面に落ち血に潜り、根を下ろして植物
のように自分で育つのだ。
通常の植物型にんっしんで高品質のゆっくりを生み出すには、母体となるゆっくりの栄養
摂取、健康管理など細かに管理する必要がある。
ところがこの「草ゆっくり」にそれは必要ない。
母体は実ゆっくりを蒔いた時点で出産は完了となる。植物型にんっしんに比べ、母体への
負担は非常に少なくて済む。すぐさま次のすっきりーも可能だ。その上、実ゆっくりの数
もずっと多い。
地に蒔かれた実ゆっくりは、初期には親ゆっくりのしーしーなどの甘味を要する。だがそ
の後、芽さえ出れば土の養分と日の光で自ら栄養を作り出し育っていく。ゆっくりの餡子
変換能力は優れており、通常の農作物の育たないような枯れた土地でも元気に育つ。また、
通常の作物より世話もいらず、生産も楽だ。
地に生えた根、天へ伸びる茎に空へ広がる葉。それらから栄養を生みだし、実ゆっくりは
子ゆっくりほどのサイズになってから生まれ落ちる。
しかも、非常に上質なゆっくりとして生まれるのだ。
ゆっくり加工所は、新たな高品質ゆっくりの大量生産方法を手に入れたのである。
「どうやら成功のようだな……」
男のつぶやきに、同僚の研究員は満面の笑みを浮かべる。
「この実験がうまくいったらいよいよ実用化か……いや、彼女のアイディアは本当に大し
たものだな」
「ああ、彼女は本当に優れた研究員だったよ……」
「惜しい人を亡くしたものだな……」
たものだな」
「ああ、彼女は本当に優れた研究員だったよ……」
「惜しい人を亡くしたものだな……」
ようやく実用化までこぎ着けた草ゆっくり。だが、その発案者は不幸な交通事故で、既に
この世にない。
二人の研究員の間に暗い空気が立ちこめる。
この世にない。
二人の研究員の間に暗い空気が立ちこめる。
「でも、こうして彼女の実験がうまくいったのは君の頑張りのおかげだよ!」
暗い雰囲気を吹き飛ばすように、努めて明るく研究員は言った。
研究の実現は困難を極めた。だが、迷わずくじけずあきらめず、ひたすらに研究に打ち込
んだ男の頑張りがあったからこそ実現したのだ。
だが、男はその惜しみない賞賛にくすりともしない。
研究の実現は困難を極めた。だが、迷わずくじけずあきらめず、ひたすらに研究に打ち込
んだ男の頑張りがあったからこそ実現したのだ。
だが、男はその惜しみない賞賛にくすりともしない。
「別に……俺はただ、彼女の問いの答えをみつけたかっただけだ」
「問いの……答え……?」
「問いの……答え……?」
男は答えず、研究室を去った。
×
×
×
×
×
男は自分用の研究室に戻っていた。
研究室の中央には、青々と生い茂る草ゆっくりがある。
研究室の中央には、青々と生い茂る草ゆっくりがある。
「君は『自分がゆっくりだったらあまり甘くならない』と言っていたけど、どうなるだろ
う」
う」
ゆ、ゆ、と。夢見る実ゆっくりたちは、男の言葉に答えない。聞こえていたとしても、言
葉を理解するだけの知能はない。
だが、男はかまわず言葉を続ける。
葉を理解するだけの知能はない。
だが、男はかまわず言葉を続ける。
「君の遺灰を蒔いた土……そこから生まれたゆっくりは、ぬるい甘さに決まっている。き
っと君と同じように、しあわせそうにしているんだろうな」
っと君と同じように、しあわせそうにしているんだろうな」
ゆ、ゆ、と。実ゆっくりは揺れている。微笑む口は、男の言葉の通りしあわせに生まれて
くるんだろう。
くるんだろう。
「だから俺は甘くしてやろうと思う。君は草ゆっくりばかりでなく、画期的な虐待法だっ
ていくつも生み出していたからね。それを試す。全部試す。土が枯れて、本当に灰になっ
てしまうまで、ね」
ていくつも生み出していたからね。それを試す。全部試す。土が枯れて、本当に灰になっ
てしまうまで、ね」
男が部屋の隅に視線を投げかければ、いくつもの虐待道具が用意されている。
「君と一緒に草ゆっくりを生み出したかった。君と一緒に草ゆっくりを虐待したかった。
君が生きているうちに気づけば良かった」
君が生きているうちに気づけば良かった」
男の声に、実ゆっくりはゆれる。微笑みを口にたたえたまま、生まれ出るしあわせせを夢
見ながら。
見ながら。
「君のことが、好きだって」
男の言葉は、静かな研究室にひどくむなしく響いた。
その言葉は誰にも届かない。
実ゆっくりだけが、ゆ、ゆ、と揺れながら、男の声を聞いていた。
その言葉は誰にも届かない。
実ゆっくりだけが、ゆ、ゆ、と揺れながら、男の声を聞いていた。
了
by触発あき
* 過去作品
『ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐!』
『ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口』
『ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ!』
『ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談』
『ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口』
『ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ!』
『ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談』
上記以前の過去作品一覧は下記作品に収録
『ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね!』
『ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね!』
元ネタ:M1