ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2207 野良ゆをゆっくりさせない工夫
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ankoss
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野良ゆをゆっくりさせない工夫 14KB
いじめ 制裁 駆除 野良ゆ 現代 独自設定 15作目です。野良ゆ排除活動にご協力ください。
※過去の作品で使用した設定が一部出てきますが、
ストーリーを読み進めていく上での影響は全くありません。
ある町の早朝、家の前に水を撒く人が挨拶を交わしている。
秋の早朝なので外気は冷えており、みんな長袖の上着を着ている。
全国的には夏場の早朝と夕方、家の前に水を撒いて辺りを涼しくさせる『打ち水』が良く行われる。
だがこの町内では寒い暑いに関わらず、年中水撒きをするよう推奨している。
公園やゴミ置き場などに水を撒く、水撒き当番というものも作られている。
この町内の試み、野良ゆっくりによる被害に困っていた住人が話し合って、一斉に行われるようになったそうだ。
「ゆゆ!このあたりはおみずさんがあるよ!!おみずさんにぬれたらゆっくりできなくなるよ!!!」
「ゆうう、このさきにゆっくりプレイスがあるかもしれないんだぜ。まりさはいってみるんだぜ!!」
「だめだよまりさ!!ゆっくりできなくなるよ!!!」
「すこしくらいだいじょうぶなんだぜ!!おみずさんにまけるわけがないんだぜ!!!」
数分後、
「どぼじでまりさのあんよがうごかないのぉおおおおお!!!!れいむたすけてよぉおおお!!!」
「だからいったんだよ!おみずさんのちかくはゆっくりできないんだよ!!れいむはぬれたくないからちかづかないんだよ!!」
「どぼぢでぇえええ、だれかたすけてよ!!ゆっくりできないよぉおおおお!!!」
水に濡れることを嫌がるゆっくりは、水の溜まっている場所を渡ろうとしない。
たまに、濡れることを恐れないゆっくりがいるのだが、
だいたいはこのまりさのように足が水に濡れ、ふやけて動けなくなり、最終的には死んでしまう。
水撒きは意外とゆっくり撃退効果があるようで、
水撒きを習慣にするようになってから、町内の野良ゆっくりが少し減ったように思える。
だが、ゆっくりを撃退する工夫はこれだけに留まらない。
あたりを見回してみると、家の門、玄関の入り口、自動ドアの前などに
一般的なものよりもトゲトゲとした玄関マットが敷かれている。
靴の裏についた砂や土を落とす効果があるのだが、それだけではない。
「ゆゆ!おいしそうなおはなさんがあるんだよ!!にんげんさんにきづかれないようにちかづくんだよ!!
そろ~り、そろ~り・・・ゆっ・・・ゆぐ・・・・ゆぎ!!なんだかあんよがいたいよ!!!
ゆぎいい、ここはあるくといたいんだよ!!!そこにいるありすはれいむをたすけてね!!!!」
「ゆっくりできないいなかもののしきものがあるようね。そこをあるいたれいむがわるいのよ。」
「ぞんな゛ごどいわな゛いであ゛り゛ずだずげでよ゛!いだぐでうごげないよぉおおおお!!!」
「いなかものにはなりたくないわ。しきものにきづかなかったれいむはそこでゆっくりするといいわ。」
「ゆううう、いじゃいよぉおおお~~~!!!!だずげでよ゛ぉおおおお!!!」
体の底面が弱いゆっくりたちは、歩いていて苦痛を感じる場所には一般的に近寄ろうとしない。
下手をすると足に怪我を負うからである。
そういう場所はほかに砂利道であったり、熱いアスファルトの上であったりする。
どの動物にも言える事だが、足を怪我して動けなくなってしまうと、
餌が取れず、天敵から逃げることもできないので、死亡する可能性が高くなる。
なので多くの動物は、足を怪我しないよう注意する。
ゆっくりも同じような習性を持っているようだ。
朝夕の水撒きと、トゲトゲした玄関マットにより、ほとんどのゆっくりは家の敷地内に侵入できなくなる。
水撒きした水が乾いたころ、ゴミ置き場にゆっくりたちが集まってくる。
野良ゆっくりが食べる餌の半分以上は、人間が出したゴミから調達される。
ゆっくりたちは餌を得るためにゴミ袋をビリビリに破り、そこらじゅうに生ゴミをちらかしてしまうから
人間としてはたまったものではない。
この日はちょうど燃えるゴミの収拾日で、生ゴミの入ったビニール袋がたくさん置かれている。
「ゆゆ!ここにはえささんがあるみたいだよ!!」
「えさしゃん!!ゆっくち~~~!!」
「れいみゅはおなきゃがしゅいたよ!!」
しめしめとゆっくりたちはゴミ袋に近づく。
ゴミ袋をくわえ、それを必死に破こうとする。
だがしばらくすると、その動きが止まる。
「ゆ!?ゆぎゃぁあああくさいよぉおおおお!!!!!ゆっくりできないよぉおおおお!!!!」
「くちゃいよぉおおおおおおおおお!!!」
「じぇんじぇんゆっくちできにゃいよぉおおお!!!!」
そう言うとゆっくりたちは、一目散にその場から離れていった。
目には涙を浮かべ、ときどき口から餡子を吐いている。
実はこのゴミ袋、普通のものとは少し違う特別なゴミ袋で、
人間には分からない、ゆっくり独特の匂いがついている。
ゆっくりがもっともゆっくりできなくなる匂い、ゆっくりの死臭だ。
単純にくさいという理由と、死臭がするこの場所は危険だという認識をゆっくりたちに植えつけるので、
少しの間、ゆっくりはゴミ置き場に近づこうとしなくなる。
記憶力の悪いゆっくりのことだから、臭かった思い出などすぐに忘れてしまうが、
根気良くこのゴミ袋を使い続けることで、ゆっくりによるゴミ荒らしの被害を抑えられるのである。
こうしてゆっくりたちは、餌となるゴミをあされなくなるので、
その場所から離れることを余儀なく迫られる。
次にゆっくりが集まりやすい場所は、草木が生い茂る公園だ。
ゆっくりは昆虫や草花も食べるので、公園なども絶好の餌場となるのだ。
甘い匂いに誘われ、公園の中に一匹のゆっくりが入っていく。
公園の中には、その場には不釣合いなエキゾチック丸出しの植物が生えている。
その植物の実には、ゆっくりがちょうど入れそうな穴が開いていて、中からあまあまの匂いを漂わせている。
「ゆ!このなかからあまあまさんのにおいがするよ!!!」
穴の中に入ったゆっくりは、その穴の中にスッポリとはまってしまい、中から出られなくなってしまう。
「ゆ?なかはくらいよ!!おそとにもでられないよ・・・ゆ!ひひ、くすぐったいよ!!やめてね!!ゆひいいい!!!!!!」
中に閉じ込められたゆっくりは、必死に悲鳴をあげながら外に出ようとするのだが、
ゆっくりの声は植物の実を囲む分厚い壁に阻まれて、外にはほとんど聞こえない。
その植物、名前は『あんころ草』という。
ゆっくりたちを食べる草として、公園の入り口にたくさん植えられている。
一度あんころ草に入っていったゆっくりは、あんころ草が枯れるまで二度と外に出られなくなるそうだ。
餡であるゆっくりがコロリだから「餡コロ草」
また、餡を殺すから「餡殺そう」
という二重のダジャレから名前がつけられているらしい。
世の中には何とも奇妙な植物があるものだと思うが、ゆっくりを撃退するには持って来いの植物である。
飢えに飢えたゆっくりたちは、なりふりかまわず道行く人に食べ物を要求するようになる。
「ゆううう、おなかがすいたんだぜ!!にんげんはまりさにあまあまをとっととよこすんだぜ!!
まりさはおなかがすいてきがたってるんだぜ!!いたいめにあいたく・・・ゆげぇええええええ!!」
多くの人はゆっくりを無視したり、その場で潰したりするので、人間から直接餌をもらえるゆっくりは少ない。
だが、少々問題となるパターンがある。
おいしそうな匂いにつられて、商店街に寄ってくるゆっくりがいる場合だ。
水撒きを行うことで少しはゆっくりを撃退できるのだが、
人が頻繁に歩く道に、たびたび水撒きをするわけにもいかない。
するとどうしても、食べ物の匂いがする商店街にゆっくりが集まってきてしまうのだ。
「ゆゆ!こんなところにおやさいさんがならべてあるよ!!」
「きっとまりさたちにたべてもらうためにおいてあるんだぜ!!まりさはこのおやさいさんをたべるんだぜ!!」
「でもにんげんさんにみつかったらゆっくりできなくなるよ!!」
「だいじょうぶなんだぜ!ここのにんげんさんはゆっくりたちにきがいをくわえないらしいんだぜ!!!」
「ゆ!それならあんしんだね!!!」
「もしもし○○ですが・・ああおっちゃんかぁ。店先にいるゆっくり2匹を引き取りにきてや、よろしくな。
さて・・・まぁ前よりは減ったな。おい□□!裏の倉庫を開けといてくれ!!」
「ゆゆ!にんげんさんがきたんだぜ!ゆっくりして・・・・ゆ?まりさおそらをとんでるみたい!!」
「わかったよ!このおじさんはゆっくりたちをかってくれるんだよ!!
かいゆっくりはとてもゆっくりできるんだよ!!おじさんゆっくりしていってね!!!」
厄介だからといって、人間の食べ物の前でゆっくりを叩き潰すのもなんだか気持ちが悪いし、
ゆっくりがいるだけで、不衛生という印象がどうしても付きまとってしまう。
店先で複数のゆっくりにたかられたりすると、店側としても非常に困ってしまう。
そんな悩みを解決するように、この商店街の入り口には、ゆっくりたちが真っ先に集まって来そうな施設が建っている。
昔なつかしの駄菓子屋だ。
駄菓子屋からは甘い匂いが漂っている。入り口には『ゆっくりしていってね!!!』という看板がかけてある。
駄菓子屋にゆっくりを寄せ付けることで、商店街の中心部のほうへゆっくりを向かわせない効果があるのだ。
「ゆゆ!あまあまさんのにおいがするよ!!このなかだよ!!!」
「ゆっ、ここにはいなかもののしきものがあるわ。ここはゆっくりできないばしょよ!!れいむはさっき、しきものであんよをいためたばかりでしょ!!」
「ゆう、でもあまあまさんたべたいよぉ」
駄菓子屋の入り口には玄関マットが敷かれているので、ゆっくりたちはそこから中に入ることができない。
代わりに店の裏側に、ゆっくりがちょうど入れそうな穴がある。
甘い匂いに誘われ、ゆっくりたちはその穴の中に入っていこうとする。
「ゆゆゆ!このあなさんのなかからあまあまさんのにおいがするんだよ!!」
「ゆっ、ここはいなかもののしきものがないようね。ここからとかいはなおうちにはいることができるわ!!」
中に入ったゆっくりたちは、目の前にあるあまあまへ一直線に向かっていく。
だが、ゆっくりがあまあまにとびついた直後、、ガシャッと音がする。
「ゆゆ?いりぐちさんがなくなったよ!!れいむたちはおそとにでられないんだよ!!」
「どこにもいりぐちさんがないわ。いなかもののいりぐちさんはとっととでてきてね!!!」
ゆっくりはアルミ製の罠に閉じ込められてしまったようだ。
駄菓子屋のおじさんが奥から出てきて、ゆっくりの入った罠を持ち上げる。
「ゆ?れいむおそらをとんでるみたい!!」
おじさんは罠を作業場へ持ち運び、罠の中のゆっくりを取り出す。
「にんげんさんはゆっくりできるとかいはなにんげんさん?」
「ゆ?おへんじしてね!!ゆっ、ゆぎいいい!!!!!あじゅいいいいいい!!!ゆっくりできないよぉおおおおお!!!」
「あちゅいいいいいい!!!!こんなのとかいはじゃないわ!!!!!!」
「さてこいつらを洗ってから、○○さんとこの野良ゆを引き取りに行くか。」
捕まえたゆっくりの用途は様々だが、今回の場合はゆっくりの足をバーナーであぶり、歩けないようにしておく。
足焼きと洗浄を終えたゆっくりをそのまま店頭で売るのだ。
足を焼かないままゆっくりを売ることもできるのだが、
その場合は、ゆっくりがちょこまかと歩くので管理が大変だ。
なので、足を焼いていないゆっくりは少々割高になる。
とにかく、どんなものでもいいからゆっくりが欲しい、という人がゆっくりを手に入れる場合、
野良のゆっくりを捕まえてくるよりも、駄菓子屋の綺麗なゆっくりを購入するほうが衛生的に良い。
それに、ペットショップやホームセンターなどよりも安く販売されているので、
この駄菓子屋でゆっくりを買っていく人が結構いる。
「生ゆください。」
「ああお客さんか。はいよ、無加工と足焼きがあるけど、どっちがいい?足焼きは今とれたばかりのものがあるよ。」
「じゃあ足焼きください。」
「足焼き生ゆ一匹で200円だよ」
「ゆ!おそらをとんでるみたい!!」
「はい、200円確かに。はいどうぞ。またきてくださいね!!」
「ゆ!れいむはおにいさんのかいゆっくりになるんだね!!
れいむはあんよがいたいいたいさんであるけないから、おにいさんのおうちまではこんでいってね!!」
「・・・・・・・・・・」
「ゆ!どうしたの?おにいさんはなんでおへんじしてくれないの?
おへんじしてくれないおにいさんはゆっくりできないよ!!!ゆっくりできないおにいさんはれいむをとっととゆっくりさせてね!!
ゆゆ・・!?ゆぎっ、ゆぎいいいいちゃいよおおおおおおおおお!!!!!」
れいむを購入したおにいさんは早速、れいむの髪をつかんで振り回し始めた。
ゆっくりの髪は意外としっかりしているので、少々振り回しても抜けない。
振り回されるゆっくりれいむは、毛根の痛みとぐるぐる回される苦痛からゆっくりできなくなる。
「おにいざん!!かい゛ゆ゛っぐり゛はいじめ゛ぢゃだめ゛な゛んだよ゛ぉお゛お゛お゛!!」
おにいさんは振り回していた手を止める。
「え・・なんで??」
「がい゛ゆ゛っぐり゛はゆっぐりじでない゛どだめ゛な゛んだよ゛ぉおおおおおおおお!!!!」
「そうか。じゃあ、れいむはいじめてもいいんだな?だって、れいむを買いはしたけど、飼ってやるなんて一言もいってないからな。」
「ぞん゛な゛ぁあ゛ああああ!!!がわい゛い゛れ゛い゛む゛をがっでね゛!!!!!」
「やだ」
「ゆう゛う゛!!!ゆ゛っぐりざぜでよ゛ぉおおおおおおおおお!!!!」
「だめ」
このれいむが今後、飼いゆっくりとしてゆっくりできる日は来ないだろう。
残念ながら、この町の野良ゆっくりがだんだんと減ってきているので、
この駄菓子屋は、ゆっくりを商品として置く機会が減っていくだろう。
だがこの駄菓子屋は、ゆっくりを商店街の中に寄せ付けないという立派な役目を果たしているので、
お店のおじさんは、商店街の人々から手厚い待遇を受けている。
「おっ、○○さん」
「やぁおっちゃん、来てくれたか。裏の倉庫にいるよ。□□!!ゆっくりを持ってきてくれ!!」
「あっ、取りにいくよ。」
「まぁそう言わず。それより、今日は新鮮なキュウリが入ったから持って帰ってくれ。」
「いつもすまんなぁ」
「お互い様よ。おっちゃんのおかげで、商店街に来るゆっくりがだいぶ減ってきたからなぁ。」
食料品、生活用品、電気製品など、さまざまなものを商店街の人がくれるので、
駄菓子屋のおじさんは、何不自由なくここで生活できるようだ。
ゆっくりをつれておじさんが帰宅する。
「ゆ!!おじさんがまりさをかってくれるのぜ??」
「れいむはゆっくりしたおうちにすみたいんだよ!!」
「ゆぅ、ゆゆ!!ここはあまあまさんのにおいがするんだぜ!!」
「ゆうう!ここはゆっくりできるおうちさんだよ!!ゆっくりできるよ!!」
「さて、今日はたくさんゆっくりが集まったなぁ。餌もそろそろ減ってきたし・・・」
「ゆ?えささん!!えささんをまりさによこすんだぜ!!」
「おやさいさんでもいいよ!!れいむたちにゆっくりたべさせてね!!!」
「ブツブツブツブツ・・・・・・・・」
「ゆ?なにをぶつぶついってるの?はやくれいむにおやさいさんをたべさせてね!!・・ゆっぎ・・・・・・・」
「ゆ!!おじさんは・・・ゆぐ・・・・・・・・・・・・・」
ゆっくりたちの中枢餡に針が刺さる。これでゆっくりたちは体を動かすことができなくなる。もちろん、しゃべることもできない。
こうしてから、ゆっくりたちをプレスにかけて潰す。
プレスにかけたゆっくりは、ほかのゆっくりを寄せ付ける甘い香りの餌となる。
このゆっくりたちを待っていたのは、ゆっくりプレイスではなく、ゆっくりプレスだったようだ。
プレスを使うときにゆっくりが暴れると、それを押さえる人間の手が挟まったり、
機械自体が故障する恐れがあるので、プレスをかける前にゆっくりたちを動けなくするのである。
長年のノウハウを身につけたおじさんだからこそできる仕事である。
もう何年もゆっくりをプレスにかけているので、機械の老朽化が進んでいる。
だが、駄菓子屋のおじさんは
自分が老朽化して動けなくなるまで、この仕事を続けたいと考えているようだ。
このような試みを行うことで、町から野良ゆの姿がだんだんと消えていく。
「そろ~り、そろ~り・・・・ゆゆ!ここはおみずさんもないし、しきものさんもないしとてもゆっくりできそうなところなんだよ!!!」
ところで、あなたの町にも野良ゆが住みついていませんか?
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※作中に出てくる『あんころ草』は、過去の作品で登場した設定です。
お知りになりたい場合は、『あんころ草』をご覧下さい。
鉄籠あき
過去の作品
anko1922 鉄籠
anko1941 野良まりさたちの行く末
anko1951 ゆっくりの住む牧場
anko1968 正義感
anko1973 あんころ草
anko1993 50%
anko2013 カウンセリング
anko2024 カレーの作り方
anko2047 露店のゆっくり
anko2059 ゆっくりおばさんの船旅
anko2085 赤ゆ合戦
anko2107 たこつぼ
anko2120 線香台
anko2187 生きる
いじめ 制裁 駆除 野良ゆ 現代 独自設定 15作目です。野良ゆ排除活動にご協力ください。
※過去の作品で使用した設定が一部出てきますが、
ストーリーを読み進めていく上での影響は全くありません。
ある町の早朝、家の前に水を撒く人が挨拶を交わしている。
秋の早朝なので外気は冷えており、みんな長袖の上着を着ている。
全国的には夏場の早朝と夕方、家の前に水を撒いて辺りを涼しくさせる『打ち水』が良く行われる。
だがこの町内では寒い暑いに関わらず、年中水撒きをするよう推奨している。
公園やゴミ置き場などに水を撒く、水撒き当番というものも作られている。
この町内の試み、野良ゆっくりによる被害に困っていた住人が話し合って、一斉に行われるようになったそうだ。
「ゆゆ!このあたりはおみずさんがあるよ!!おみずさんにぬれたらゆっくりできなくなるよ!!!」
「ゆうう、このさきにゆっくりプレイスがあるかもしれないんだぜ。まりさはいってみるんだぜ!!」
「だめだよまりさ!!ゆっくりできなくなるよ!!!」
「すこしくらいだいじょうぶなんだぜ!!おみずさんにまけるわけがないんだぜ!!!」
数分後、
「どぼじでまりさのあんよがうごかないのぉおおおおお!!!!れいむたすけてよぉおおお!!!」
「だからいったんだよ!おみずさんのちかくはゆっくりできないんだよ!!れいむはぬれたくないからちかづかないんだよ!!」
「どぼぢでぇえええ、だれかたすけてよ!!ゆっくりできないよぉおおおお!!!」
水に濡れることを嫌がるゆっくりは、水の溜まっている場所を渡ろうとしない。
たまに、濡れることを恐れないゆっくりがいるのだが、
だいたいはこのまりさのように足が水に濡れ、ふやけて動けなくなり、最終的には死んでしまう。
水撒きは意外とゆっくり撃退効果があるようで、
水撒きを習慣にするようになってから、町内の野良ゆっくりが少し減ったように思える。
だが、ゆっくりを撃退する工夫はこれだけに留まらない。
あたりを見回してみると、家の門、玄関の入り口、自動ドアの前などに
一般的なものよりもトゲトゲとした玄関マットが敷かれている。
靴の裏についた砂や土を落とす効果があるのだが、それだけではない。
「ゆゆ!おいしそうなおはなさんがあるんだよ!!にんげんさんにきづかれないようにちかづくんだよ!!
そろ~り、そろ~り・・・ゆっ・・・ゆぐ・・・・ゆぎ!!なんだかあんよがいたいよ!!!
ゆぎいい、ここはあるくといたいんだよ!!!そこにいるありすはれいむをたすけてね!!!!」
「ゆっくりできないいなかもののしきものがあるようね。そこをあるいたれいむがわるいのよ。」
「ぞんな゛ごどいわな゛いであ゛り゛ずだずげでよ゛!いだぐでうごげないよぉおおおお!!!」
「いなかものにはなりたくないわ。しきものにきづかなかったれいむはそこでゆっくりするといいわ。」
「ゆううう、いじゃいよぉおおお~~~!!!!だずげでよ゛ぉおおおお!!!」
体の底面が弱いゆっくりたちは、歩いていて苦痛を感じる場所には一般的に近寄ろうとしない。
下手をすると足に怪我を負うからである。
そういう場所はほかに砂利道であったり、熱いアスファルトの上であったりする。
どの動物にも言える事だが、足を怪我して動けなくなってしまうと、
餌が取れず、天敵から逃げることもできないので、死亡する可能性が高くなる。
なので多くの動物は、足を怪我しないよう注意する。
ゆっくりも同じような習性を持っているようだ。
朝夕の水撒きと、トゲトゲした玄関マットにより、ほとんどのゆっくりは家の敷地内に侵入できなくなる。
水撒きした水が乾いたころ、ゴミ置き場にゆっくりたちが集まってくる。
野良ゆっくりが食べる餌の半分以上は、人間が出したゴミから調達される。
ゆっくりたちは餌を得るためにゴミ袋をビリビリに破り、そこらじゅうに生ゴミをちらかしてしまうから
人間としてはたまったものではない。
この日はちょうど燃えるゴミの収拾日で、生ゴミの入ったビニール袋がたくさん置かれている。
「ゆゆ!ここにはえささんがあるみたいだよ!!」
「えさしゃん!!ゆっくち~~~!!」
「れいみゅはおなきゃがしゅいたよ!!」
しめしめとゆっくりたちはゴミ袋に近づく。
ゴミ袋をくわえ、それを必死に破こうとする。
だがしばらくすると、その動きが止まる。
「ゆ!?ゆぎゃぁあああくさいよぉおおおお!!!!!ゆっくりできないよぉおおおお!!!!」
「くちゃいよぉおおおおおおおおお!!!」
「じぇんじぇんゆっくちできにゃいよぉおおお!!!!」
そう言うとゆっくりたちは、一目散にその場から離れていった。
目には涙を浮かべ、ときどき口から餡子を吐いている。
実はこのゴミ袋、普通のものとは少し違う特別なゴミ袋で、
人間には分からない、ゆっくり独特の匂いがついている。
ゆっくりがもっともゆっくりできなくなる匂い、ゆっくりの死臭だ。
単純にくさいという理由と、死臭がするこの場所は危険だという認識をゆっくりたちに植えつけるので、
少しの間、ゆっくりはゴミ置き場に近づこうとしなくなる。
記憶力の悪いゆっくりのことだから、臭かった思い出などすぐに忘れてしまうが、
根気良くこのゴミ袋を使い続けることで、ゆっくりによるゴミ荒らしの被害を抑えられるのである。
こうしてゆっくりたちは、餌となるゴミをあされなくなるので、
その場所から離れることを余儀なく迫られる。
次にゆっくりが集まりやすい場所は、草木が生い茂る公園だ。
ゆっくりは昆虫や草花も食べるので、公園なども絶好の餌場となるのだ。
甘い匂いに誘われ、公園の中に一匹のゆっくりが入っていく。
公園の中には、その場には不釣合いなエキゾチック丸出しの植物が生えている。
その植物の実には、ゆっくりがちょうど入れそうな穴が開いていて、中からあまあまの匂いを漂わせている。
「ゆ!このなかからあまあまさんのにおいがするよ!!!」
穴の中に入ったゆっくりは、その穴の中にスッポリとはまってしまい、中から出られなくなってしまう。
「ゆ?なかはくらいよ!!おそとにもでられないよ・・・ゆ!ひひ、くすぐったいよ!!やめてね!!ゆひいいい!!!!!!」
中に閉じ込められたゆっくりは、必死に悲鳴をあげながら外に出ようとするのだが、
ゆっくりの声は植物の実を囲む分厚い壁に阻まれて、外にはほとんど聞こえない。
その植物、名前は『あんころ草』という。
ゆっくりたちを食べる草として、公園の入り口にたくさん植えられている。
一度あんころ草に入っていったゆっくりは、あんころ草が枯れるまで二度と外に出られなくなるそうだ。
餡であるゆっくりがコロリだから「餡コロ草」
また、餡を殺すから「餡殺そう」
という二重のダジャレから名前がつけられているらしい。
世の中には何とも奇妙な植物があるものだと思うが、ゆっくりを撃退するには持って来いの植物である。
飢えに飢えたゆっくりたちは、なりふりかまわず道行く人に食べ物を要求するようになる。
「ゆううう、おなかがすいたんだぜ!!にんげんはまりさにあまあまをとっととよこすんだぜ!!
まりさはおなかがすいてきがたってるんだぜ!!いたいめにあいたく・・・ゆげぇええええええ!!」
多くの人はゆっくりを無視したり、その場で潰したりするので、人間から直接餌をもらえるゆっくりは少ない。
だが、少々問題となるパターンがある。
おいしそうな匂いにつられて、商店街に寄ってくるゆっくりがいる場合だ。
水撒きを行うことで少しはゆっくりを撃退できるのだが、
人が頻繁に歩く道に、たびたび水撒きをするわけにもいかない。
するとどうしても、食べ物の匂いがする商店街にゆっくりが集まってきてしまうのだ。
「ゆゆ!こんなところにおやさいさんがならべてあるよ!!」
「きっとまりさたちにたべてもらうためにおいてあるんだぜ!!まりさはこのおやさいさんをたべるんだぜ!!」
「でもにんげんさんにみつかったらゆっくりできなくなるよ!!」
「だいじょうぶなんだぜ!ここのにんげんさんはゆっくりたちにきがいをくわえないらしいんだぜ!!!」
「ゆ!それならあんしんだね!!!」
「もしもし○○ですが・・ああおっちゃんかぁ。店先にいるゆっくり2匹を引き取りにきてや、よろしくな。
さて・・・まぁ前よりは減ったな。おい□□!裏の倉庫を開けといてくれ!!」
「ゆゆ!にんげんさんがきたんだぜ!ゆっくりして・・・・ゆ?まりさおそらをとんでるみたい!!」
「わかったよ!このおじさんはゆっくりたちをかってくれるんだよ!!
かいゆっくりはとてもゆっくりできるんだよ!!おじさんゆっくりしていってね!!!」
厄介だからといって、人間の食べ物の前でゆっくりを叩き潰すのもなんだか気持ちが悪いし、
ゆっくりがいるだけで、不衛生という印象がどうしても付きまとってしまう。
店先で複数のゆっくりにたかられたりすると、店側としても非常に困ってしまう。
そんな悩みを解決するように、この商店街の入り口には、ゆっくりたちが真っ先に集まって来そうな施設が建っている。
昔なつかしの駄菓子屋だ。
駄菓子屋からは甘い匂いが漂っている。入り口には『ゆっくりしていってね!!!』という看板がかけてある。
駄菓子屋にゆっくりを寄せ付けることで、商店街の中心部のほうへゆっくりを向かわせない効果があるのだ。
「ゆゆ!あまあまさんのにおいがするよ!!このなかだよ!!!」
「ゆっ、ここにはいなかもののしきものがあるわ。ここはゆっくりできないばしょよ!!れいむはさっき、しきものであんよをいためたばかりでしょ!!」
「ゆう、でもあまあまさんたべたいよぉ」
駄菓子屋の入り口には玄関マットが敷かれているので、ゆっくりたちはそこから中に入ることができない。
代わりに店の裏側に、ゆっくりがちょうど入れそうな穴がある。
甘い匂いに誘われ、ゆっくりたちはその穴の中に入っていこうとする。
「ゆゆゆ!このあなさんのなかからあまあまさんのにおいがするんだよ!!」
「ゆっ、ここはいなかもののしきものがないようね。ここからとかいはなおうちにはいることができるわ!!」
中に入ったゆっくりたちは、目の前にあるあまあまへ一直線に向かっていく。
だが、ゆっくりがあまあまにとびついた直後、、ガシャッと音がする。
「ゆゆ?いりぐちさんがなくなったよ!!れいむたちはおそとにでられないんだよ!!」
「どこにもいりぐちさんがないわ。いなかもののいりぐちさんはとっととでてきてね!!!」
ゆっくりはアルミ製の罠に閉じ込められてしまったようだ。
駄菓子屋のおじさんが奥から出てきて、ゆっくりの入った罠を持ち上げる。
「ゆ?れいむおそらをとんでるみたい!!」
おじさんは罠を作業場へ持ち運び、罠の中のゆっくりを取り出す。
「にんげんさんはゆっくりできるとかいはなにんげんさん?」
「ゆ?おへんじしてね!!ゆっ、ゆぎいいい!!!!!あじゅいいいいいい!!!ゆっくりできないよぉおおおおお!!!」
「あちゅいいいいいい!!!!こんなのとかいはじゃないわ!!!!!!」
「さてこいつらを洗ってから、○○さんとこの野良ゆを引き取りに行くか。」
捕まえたゆっくりの用途は様々だが、今回の場合はゆっくりの足をバーナーであぶり、歩けないようにしておく。
足焼きと洗浄を終えたゆっくりをそのまま店頭で売るのだ。
足を焼かないままゆっくりを売ることもできるのだが、
その場合は、ゆっくりがちょこまかと歩くので管理が大変だ。
なので、足を焼いていないゆっくりは少々割高になる。
とにかく、どんなものでもいいからゆっくりが欲しい、という人がゆっくりを手に入れる場合、
野良のゆっくりを捕まえてくるよりも、駄菓子屋の綺麗なゆっくりを購入するほうが衛生的に良い。
それに、ペットショップやホームセンターなどよりも安く販売されているので、
この駄菓子屋でゆっくりを買っていく人が結構いる。
「生ゆください。」
「ああお客さんか。はいよ、無加工と足焼きがあるけど、どっちがいい?足焼きは今とれたばかりのものがあるよ。」
「じゃあ足焼きください。」
「足焼き生ゆ一匹で200円だよ」
「ゆ!おそらをとんでるみたい!!」
「はい、200円確かに。はいどうぞ。またきてくださいね!!」
「ゆ!れいむはおにいさんのかいゆっくりになるんだね!!
れいむはあんよがいたいいたいさんであるけないから、おにいさんのおうちまではこんでいってね!!」
「・・・・・・・・・・」
「ゆ!どうしたの?おにいさんはなんでおへんじしてくれないの?
おへんじしてくれないおにいさんはゆっくりできないよ!!!ゆっくりできないおにいさんはれいむをとっととゆっくりさせてね!!
ゆゆ・・!?ゆぎっ、ゆぎいいいいちゃいよおおおおおおおおお!!!!!」
れいむを購入したおにいさんは早速、れいむの髪をつかんで振り回し始めた。
ゆっくりの髪は意外としっかりしているので、少々振り回しても抜けない。
振り回されるゆっくりれいむは、毛根の痛みとぐるぐる回される苦痛からゆっくりできなくなる。
「おにいざん!!かい゛ゆ゛っぐり゛はいじめ゛ぢゃだめ゛な゛んだよ゛ぉお゛お゛お゛!!」
おにいさんは振り回していた手を止める。
「え・・なんで??」
「がい゛ゆ゛っぐり゛はゆっぐりじでない゛どだめ゛な゛んだよ゛ぉおおおおおおおお!!!!」
「そうか。じゃあ、れいむはいじめてもいいんだな?だって、れいむを買いはしたけど、飼ってやるなんて一言もいってないからな。」
「ぞん゛な゛ぁあ゛ああああ!!!がわい゛い゛れ゛い゛む゛をがっでね゛!!!!!」
「やだ」
「ゆう゛う゛!!!ゆ゛っぐりざぜでよ゛ぉおおおおおおおおお!!!!」
「だめ」
このれいむが今後、飼いゆっくりとしてゆっくりできる日は来ないだろう。
残念ながら、この町の野良ゆっくりがだんだんと減ってきているので、
この駄菓子屋は、ゆっくりを商品として置く機会が減っていくだろう。
だがこの駄菓子屋は、ゆっくりを商店街の中に寄せ付けないという立派な役目を果たしているので、
お店のおじさんは、商店街の人々から手厚い待遇を受けている。
「おっ、○○さん」
「やぁおっちゃん、来てくれたか。裏の倉庫にいるよ。□□!!ゆっくりを持ってきてくれ!!」
「あっ、取りにいくよ。」
「まぁそう言わず。それより、今日は新鮮なキュウリが入ったから持って帰ってくれ。」
「いつもすまんなぁ」
「お互い様よ。おっちゃんのおかげで、商店街に来るゆっくりがだいぶ減ってきたからなぁ。」
食料品、生活用品、電気製品など、さまざまなものを商店街の人がくれるので、
駄菓子屋のおじさんは、何不自由なくここで生活できるようだ。
ゆっくりをつれておじさんが帰宅する。
「ゆ!!おじさんがまりさをかってくれるのぜ??」
「れいむはゆっくりしたおうちにすみたいんだよ!!」
「ゆぅ、ゆゆ!!ここはあまあまさんのにおいがするんだぜ!!」
「ゆうう!ここはゆっくりできるおうちさんだよ!!ゆっくりできるよ!!」
「さて、今日はたくさんゆっくりが集まったなぁ。餌もそろそろ減ってきたし・・・」
「ゆ?えささん!!えささんをまりさによこすんだぜ!!」
「おやさいさんでもいいよ!!れいむたちにゆっくりたべさせてね!!!」
「ブツブツブツブツ・・・・・・・・」
「ゆ?なにをぶつぶついってるの?はやくれいむにおやさいさんをたべさせてね!!・・ゆっぎ・・・・・・・」
「ゆ!!おじさんは・・・ゆぐ・・・・・・・・・・・・・」
ゆっくりたちの中枢餡に針が刺さる。これでゆっくりたちは体を動かすことができなくなる。もちろん、しゃべることもできない。
こうしてから、ゆっくりたちをプレスにかけて潰す。
プレスにかけたゆっくりは、ほかのゆっくりを寄せ付ける甘い香りの餌となる。
このゆっくりたちを待っていたのは、ゆっくりプレイスではなく、ゆっくりプレスだったようだ。
プレスを使うときにゆっくりが暴れると、それを押さえる人間の手が挟まったり、
機械自体が故障する恐れがあるので、プレスをかける前にゆっくりたちを動けなくするのである。
長年のノウハウを身につけたおじさんだからこそできる仕事である。
もう何年もゆっくりをプレスにかけているので、機械の老朽化が進んでいる。
だが、駄菓子屋のおじさんは
自分が老朽化して動けなくなるまで、この仕事を続けたいと考えているようだ。
このような試みを行うことで、町から野良ゆの姿がだんだんと消えていく。
「そろ~り、そろ~り・・・・ゆゆ!ここはおみずさんもないし、しきものさんもないしとてもゆっくりできそうなところなんだよ!!!」
ところで、あなたの町にも野良ゆが住みついていませんか?
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※作中に出てくる『あんころ草』は、過去の作品で登場した設定です。
お知りになりたい場合は、『あんころ草』をご覧下さい。
鉄籠あき
過去の作品
anko1922 鉄籠
anko1941 野良まりさたちの行く末
anko1951 ゆっくりの住む牧場
anko1968 正義感
anko1973 あんころ草
anko1993 50%
anko2013 カウンセリング
anko2024 カレーの作り方
anko2047 露店のゆっくり
anko2059 ゆっくりおばさんの船旅
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