ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2208 まりさに出会うまで・・・・・
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まりさに出会うまで・・・・・ 17KB
愛で 観察 不運 差別・格差 野良ゆ 子ゆ ゲス 都会 現代 虐待人間 独自設定 うんしー ぺにまむ デスラッチ外伝03 ○○あき 作
デスラッチ外伝03 『まりさに出会うまで・・・・・』 ○○あき 作
独自設定が強いです。ゆっくりの食料にお食事前には、不適切な物も含まれるので注意して下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜を迎えても光を失わない都会、街灯が降り落ちる雪を輝かしていた。
既に地面は薄っすらと雪化粧を施され、穢れた都会を覆い隠す。
街に生きる野良ゆっくりもこの時間は活動する事もなく、公園は一時の静寂を取り戻していた。
そんな公園に現れた、派手な服装に身を包んだ女性。
その手にはぺット用のキャリーバック。
女性は周囲に人がいないのを確認すると、バックの中身を地面へとぶちまける。
『ゆぎぃいぃぃぃだいぃぃぃぃ!でいぶのびゅ~てふるなおかおがぁぁぁぁぁぁ!!』
現れたのは、白く染まった景観を損なう薄汚い饅頭。
痛みに悶えるでいぶを放置して女性は、そそくさと公園を去ってしまう。
でいぶが気がついた時には、既に人の気配はそこには無かった。
『ゆゅ?くそどれぃぃぃどこにいっだぁぁぁぁぁぁぁ!はやくでいぶをゆっぐりざぜろぉぉぉぉぉぉ!!』
いくら喚いても誰も現れない、こうしてでいぶは真冬の公園に捨てられた。
水商売の女性が寂しさを紛らわす為に、ペットを飼うのはよくある話。
それが会話も出来そうなゆっくりを選ぶと言うのも、分からない話ではない。
躾けをされた金バッチゆっくりは、1人暮らしの孤独感を癒してくれる。
だが甘やかすとゆっくりは、すぐにゲス化してしまう。
蓄えた知識をうんうんと共に排出してしまうので、飼い主は注意する必要があるのだ。
常に品行方正を教え続ける事はとても難しい。
家族でもいれば可能なのかも知れないが、その家族がいない心の隙間を埋めるためのペット。
これでは上手くいくはずも無い。
最初はでいぶも飼い主の女性を、ゆっくりさせる使命を果たそうとしていた。
やがては帰宅は早朝、日中は寝て過ごしている女性を疎むようになり。
暴言を吐くようになった頃からは、餌こそ与えては貰えたが会話もしてもらえなくなり。
そして今日、この公園に捨てられた。
金バッチだった知識や容姿も既に過去の物。
糞尿に汚れ運動不足にでっぷりと太った身体が、醜悪な様子を漂わしている。
『ゆぎぃぃぃぃぃ!ぜぇっだいにゆっぐりじでやるぅ!でいぶはゆっぐりずるんだぁぁぁぁぁぁぁ!』
ゲス化はしていても、金バッチを取得できた程の優良種。
捨てられた事をすぐに理解し、野良として生きていく方法を考え始めた。
本能を抑える訓練がされている金バッチの特性は、でいぶに強い能力を与える。
それが黙して目標に近づく事、単純な事ながら野良には絶対出来ない。
でいぶが最初に始めたのは住処の確保。
人目につかない場所にあるゆっくりのおうちの中でも、耐久性や住み心地の良さそうな物件を見て回る。
そうして目をつけたのが人が通れない、建物の隙間に作られたぱちゅりーの住居。
『ゆんゆん!これならでいぶもゆっぐりできそうだよ!』
静かに住居に近づく。
中の様子を隙間から伺うと、ぱちゅりーはまだ眠っている。
それを確認すると一気に、入り口のビニールを捲り上げて中へと突入した。
『ゆっくりしていってね!』
『むきゅ?ゆ・・・ゆっくりしていってね。』
でいぶはおうちに突然進入するなり、挨拶を発してぱちゅりーを本能で硬直させた。
そのままぱちゅりーを押し倒し、ぺにぺにを問答無用で挿入させる。
「すっきりー」等と言う言葉も発せずに、精子餡を注入するでいぶ。
ぱちゅりーのお腹はみるみる膨れだす、こうしてでいぶはぱちゅりーと番となる事に成功した。
子供を自分では無くぱちゅりーに生ませたのは、野良での身重のリスクを避けたかったから。
再び飼いゆを目指さなかったのは、野良が飼いゆになれる成功率の低さを案じたからである。
まさに金ゲスと言えるだけの能力を有していた。
『じゃあいってくるよ』
『むきゅう・・・いってらっしゃい・・』
でいぶは狩も自身で行った、日中は避け深夜に出かける。
繁華街には酒に酔った人間が多く集う。
酔った人間はよく物を落とす、その中には当然食べ物もあった。
それを目ざとく見つけては、住処に持ち帰える。
他にも酔って嘔吐された物が、電柱などの物陰に放置されているのを集めたりもした。
ゴミ箱を漁れば人間にいつか駆除されてしまう。
しかし落し物や嘔吐された物ならば人目につきにくい。
2週間もすると3匹の子供が生まれた。
『ゆっくちうまりゅるよ!』
『ゆ~んかわいいおちびちゃんだよ!ゆっくりしていってね。』
れいむ2匹とぱりゅりー1匹が誕生した。
しかしでいぶは、自身に似ていない赤ぱちゅりーが気に入らない様子。
『ゆゅ?でいぶににてないこがいるね、こんなおちびはかわいくないよ!
このちびのせわはぱちゅりーがしてね!ごはんもでいぶのはあげないよ!』
『むきゅう?れいむ・・・それはよくないとおもうわ・・・・』
『なに?でいぶにさからうの?』
『むきゅう・・・・・・・・・ゆっくりりかいしたわ・・・・』
でいぶは2匹の赤れいむだけを溺愛した。
繁華街には普通ならば、野良が口には出来ないようなご馳走が落ちている。
『さぁおちびちゃん、い~ぱいむ~しゃむ~しゃしてね。』
『む~ちゃむ~ちゃちあわちぇ~』×2
『おすししゃんはおいちいにぇ~』
『け~きしゃんはと~ちぇもあみゃあみゃだにぇ~』
下心溢れるサラリーマンのキャバクラ嬢への、手土産だった高級ケーキや折り詰め寿司。
酔った人は、地面に落とした物は食べないし拾わない。
しかしこのご馳走を赤ぱちゅりーが、味わう事は1度も無かった。
母ぱちゅりーの持ってこれる食べ物は、道に生える雑草が精一杯。
『むちゃ・・むちゃ・・・ふちあわちぇ・・・』
『むきゅう・・・おちびちゃんごめんなさい・・・ままがふがいないばかりに・・・・』
母ぱちゅりーも野良としては、かなり優秀な方ではあったが身体能力に自信がない。
残飯に慣れてしまった野良が食べれない雑草を糧とし。
おうちを作る場所やその材料等に、知恵を活かしこれまで生き延びてきた。
そんな能力も金ゲスの前では役には立たず、でいぶの言う事に逆らえず言いなりとなる。
満足に食べる事も出来ず赤ぱちゅりーの成長は、姉に比べてかなり遅くなってしまう。
『やっぱりくじゅはちいちゃいにぇ~』
『けらけらけら~うっきゃりしちぇふんじゃいそうだよ。』
『むきゅう・・・ぱちゅはくじゅじゃにゃいわ・・・・・』
甘やかされゲス化してしまったか、小さい妹を姉2匹は見下し軽蔑する。
ある日、そんな生活が突然終わりを告げる。
でいぶがいつも通り、深夜の狩に出かけた時の事。
この日も繁華街は日常の憂さをはらさんと、やってきた人々で賑わっていた。
物陰で様子を窺い待ち伏せるでいぶ。
「さぁ~今日もいい気分になった所で、愛しの紫ちゃんに会いにいくぞぉ!」
ほろ酔い加減の男性が歩いてきた、その手には手土産の高級ケーキ。
本人はそれ程酔ってはいないつもりで、足早に歩いていてスーツを看板の角に引っ掛けてしまう。
「ふ~ふ~ふ~ん~ってあぁぁぁ!」
その拍子に誤って、ケーキを地面に落としてしまう。
これでもうケーキはお土産には使えない、かと言って持ち帰る事も面倒である。
いつも通りこの男性も、このケーキを放置して去っていくはずだった。
名残惜しそうに見ていたがやがて溜息をつき歩き出した瞬間、でいぶの後ろから大きな声がする。
『りぇいむにょあみゃあみゃさんだぁ~きゃわいぃりぇいむにはやくよこちぇぇ~』
『ゆゅ?おちちゃんどうしてここにぃぃぃ!』
後ろを振り返ればそこにいたのは、テニスボール大まで成長した長女の子れいむ。
母の帰りを待ちきれず、でいぶの狩について来ていたのだ。
その遠慮も何もない大声は、当然男性の耳まで届いている。
自身の失敗とは言え、せっかくの手土産が台無しになったのは気分が悪い。
そこに現れた薄汚い饅頭、しかもその落としたケーキを自分の物だと主張しているではないか・・・・
「あぁ?誰のケーキだと?」
『ゆゅ!でいぶのあんよさんが・・・どおじでつかまっているのぉぉぉぉぉ!』
『おちょらをとんでるみちゃいぃ~』
子供に気を取られていたれいむは、逃げるタイミングを逃してしまう。
怒った男性の腕は、でいぶと子れいむを捕らえる。
「誰がお前のだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そして怒りに任せて子れいむを掴んでいる手を、壁に向かって大きく振り切った。
バチィーーーーーーーーーーーーーーーン!!
『ゆ”・・・・・・・ゆ”・・・・・・・・・・・・ゆ”』
子れいむは全力で壁に叩きつけられ壁に張り付き、破裂してそこに餡子の花を咲かせる。
呻き声は上げてはいるが即死状態。
『でいぶのおちびちゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
壮絶な我が子の死を目の当たりにし、でいぶは絶叫してしまう。
その声が癇に障ったのであろう、男性はでいぶを掴んだまま地面に叩きつける。
『ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!でいぶのこがおのおかおさんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
「オラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァァァァァァ!!!!」
男性の怒りは更にボルテージを上げていく。
何度もでいぶを地面に叩きつけ、顔が判別つかない程に潰してしまう。
「ぜぇ~ぜぇ~誰が・・・お前等みたいな糞饅頭にやるために、こんなくそ高いケーキなんか買うかよ!」
『で・・・・・・・で・・・い・・ぶは・・・・・・・く・・そ・・・まんじゅうかんか・・・・じゃ・・・』
「いいからさっさと死ねぇぇぇぇぇ!!!」
男性の靴が、でいぶの背中から口を貫き出てきた。
餡子に塗れた靴をでいぶから引き抜くと男性は、寂しそうに背中を丸めて繁華街を後にする。
汚れた姿では愛しい紫ちゃんに会いに行けない、これでは今日の所は帰るしかなかった。
でいぶ一家はこの日、稼ぎ頭と子供を1匹失ってしまう。
これで困ったのは、残された次女の子れいむ。
今まででいぶに甘やかされて育ち、豪勢な物ばかりを食してきた。
しかしこれで、2度と手に入らなくなってしまったのである。
『むちゃ・・ゆげぇぇぇぇ・・こんにゃにぎゃいのなんきゃたべりぇにゃいぃぃぃぃ!!
け~きしゃんやおすししゃんがたべちゃいぃぃぃぃ!!』
『むきゅう・・・ごはんさんはそれしかないのよ・・・・・』
『ぱちゅはこけしゃんだいしゅきよ。』
冬に生える植物は少ない、この日もぱちゅりーが獲ってこれたのは雨樋に生えていた苔。
仮に他の植物が見つかったとしても、口の肥えてしまった子れいむには食べる事は出来なかっただろう。
だがこれまで虐げられてきた子ぱちゅりーは、苔や雑草を食べる事が出来る。
不幸に育った事が逆に、野良として生きていく術を与えた。
『りぇいむをゆっくちさしぇないくじゅなおやなんかしゃっしゃとちねぇ!』
『むきゅう・・・おちびちゃん・・・・わかったわ・・・・いっしょにきなさいおちびちゃん。』
子れいむの我侭に大きく溜息をつくと、ぱちゅりーは子ぱちゅりーを連れて出て行った。
そしてこの場所には戻って来る事はなかった。
栄養状態の良かった子れいむは、それから1週間もの間を誰もいないおうちで待ち続ける。
空腹に堪えかねたのか・・・
『おにゃかちゅいたよぉ・・・ゆゅ?にゃんかあみゃあみゃしゃんのにおいがしゅるよ?』
ついには自分の出したうんうんを食べだす。
幸か不幸か誰も面倒を看ていなかったので、子れいむが出した糞尿でおうちの中は溢れていた。
食べては出し、出しては食べの生活を続ける。
だが需要に供給が追いつかない、やがてはそれすらも出来なくなり動けなくなっていく。
『だれきゃ・・・きゃわいぃりぇいむを・・・ゆっくちしゃしぇてぇ・・・・・・・・』
テニスボール程度だった大きさは、生まれた時のピンポン球にまで萎み。
失った餡の分伸びきった皮が弛んでいて、その姿は陸に上がった干からびたクラゲの様。
その時、おうちを覆っているブルーシートが揺れて、おうちの中に何者かが入ってきた。
『ゆゅ?』
一瞬、母ぱちゅりが戻ってきてくれたのだと喜ぶ。
そして可愛い自分を何日も放置するとは、なんて酷い親だと憤った。
だがそこにいたのは、灰色の毛並みを持つ生物。
『ゆわわわわわわわ!ねずみしゃん・・こっちにこにゃいでぇぇぇぇぇぇぇ・・・いちゃいぃぃぃぃぃぃぃ
りぇいむはたべもにょじゃにゃいぃぃぃぃだちゅげでぇぇぇりぇいむじにちゃくにゃぃぃぃぃぃぃぃぃ!』
歓迎されぬ侵入者は、子れいむの伸びた皮から齧っていく。
やがてその牙は、白玉で出来た目をも抉り獲る。
『いぎゃぁぁぁぁりぇいむのしゅきとおるおめめしゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!やめちぇぇぇぇぇ!
あんこしゃんたべにゃいでぇぇぇぇ・・げぇ・・・・ぎぃ・・・ぎゅ・・ゆ”・・・・ゆ”・・・・・ゆ”』
そのまま餡子を食べられ、中枢餡に到達してしまう。
半身を喰いつくされて子れいむは、小刻みに震えるだけの饅頭と化す。
それでお腹が満たされたのか、鼠は子れいむを咥えて裏路地へと消えていった。
後には齧られた時に落ちた、お飾りのりぼんだけが残される。
あの時子れいむが我侭を言わなければ、子ぱちゅりーはここに住んでいたはずだった。
これもまたゲスな姉を持った不幸が、逆に子ぱちゅりーにとって幸いしたと言える。
赤ぱちゅりーは母に連れられて、おうちから少し公園で暮らしていた。
『む~ちゃむ~ちゃ・・・・こにょくさしゃんかちゃいわ・・・』
『むきゅう・・・ごめんねおちびちゃん・・・ふゆさんのあいだはがまんしてね・・・』
『みゃみゃだいじょうぶよ、ぱちゅでもにゃんときゃたべりぇりゅわ。』
ここには芝生が生えていたので、なんとか食べるには困らない。
しかし冬の芝生は固く、子ゆには食べ難い。
でもここで我侭を言う程、子ぱちゅりーは馬鹿ではなく、母に苦労をかけまいと必死に草を口に頬張って食べる。
子ぱちゅりーは金バッチを取得するほどの、でいぶの優秀な知能を受け継いでいた。
それ故、自分が置かれている環境を理解し我慢する。
でいぶが生まれつきのゲスでは無かった事で、ゲス資質までは受け継がなかった事は幸いである。
ゆっくりは常にゆっくりしたいと願う生物、我慢は出来ても現在の環境には満足しようもない。
空を見上げれば寒々しい、どんよりと曇った冬空が広がる。
『むきゅ・・・・・・』
それは子ぱちゅりーの気持ちを表しているかの様、急遽拵えのおうちは狭く冬の凍てつく寒さが辛い。
都会に住む野良は冬篭りする事がないので、日々食べ物を集めなければならなかった。
運動の苦手なぱちゅりー種に、得られる食べ物は少ない。
結局は親子2匹で集めても、草しか手に入れる事は出来なかった。
周りを見れば生ゴミや落ちているお菓子を手に入れ、いそいそとおうちに持ち帰る者達。
それがどれほど美味なのか、食べた事の無い子ぱちゅりーは知らない。
こうして赤ぱちゅりーは、不幸を味わいながら成長していく。
春が訪れた頃には、夏蜜柑程の大きさになっていた子ぱちゅりー。
『むきゅ~ん。このくさはとってもやわらくてだべやすいわ~』
新芽の柔らかさを堪能する子ぱちゅりー、この時が生まれて初めてゆっくり出来たのかもしれない。
春はどんなゆっくりも飢える事の無い季節、この頃に子ぱちゅりーは1匹のまりさと知り合う。
そのまりさは飼いゆでありながら、街を自由に闊歩している。
『と~てもさむいところでは、そらさんがきらきらすることがあるんだぜぇ。
いちめんにぴ~かぴ~かしていて、とってもゆっくりできたんだぜぇ。』
『むきゅ~ぱちゅもきらきらさんをみてみたいわぁ~』
『でもゆきさんをすすむのはとってもつかれるのぜぇ、ぱちゅりーにはむりだとおもうのぜぇ・・・』
『むきゅう・・・それはざんねんだわ・・・』
などと飼い主と旅をしているらしく、様々な体験談を聞かせてくれる。
自分の知らない世界の話は、知識が増えていく感じでとてもゆっくり出来た。
もっと仲良くなりたかったが、ほとんど旅に出ていて会う機会は少なく。
それほど間柄を進展させる事は出来なかった。
ある日子ぱちゅりーは、あの旅まりさの様に探検をしてみたいと思う。
行った事のない場所には、自分の知らない事が待っている。
そう考えると何かワクワクするものを感じた。
『むきゅ~いってきま~す』
『むきゅう!むりはしちゃだめよ。』
『わかってるわ。だいじょうぶよまま、ぱちゅももうこどもじゃないわ。』
そう言っておうちを元気よく飛び出していった。
行き先は近所の河川敷、ここならおうちからそれ程遠くもなく問題ないだろう。
『むきゅ~これがかわさんね、とってもひろいわぁ~ぱちゅじゃとてもじゃないけどとびこえれないわ。』
この冬に生まれ、路地裏と公園しか知らなかった子ぱちゅりーには全てが目新しい。
初めて見る物ばかりで興奮しきりで歩きまわる。
気がつけば陽も傾き、その日は河川敷で野宿する事にした。
『む~しゃむ~しゃ・・しあわせぇ~むきゅ?きょうはおほいっさまがとってもきれいねぇ~』
菜の花の新芽を頬張りながら、星空を見上げ冒険気分を満喫する。
まりさの言う世界はきっと、もっと凄いのだろうと想像しながら眠りについた。
1泊の冒険を終えて公園へと戻ってきた子ぱちゅりー。
『これはいったいどうなってるのぉぉぉぉぉぉ?』
子ぱちゅりーを待っていたのは、公園に住むゆっくりの全滅だった。
冒険に出ている間に、公園の一斉駆除が行われたらしい。
母ぱちゅりーも隣のありすお姉さんも、みんないなくなってしまう。
おうちも家族も友人も全てを失ってしまった。
寂しがりのゆっくりが、1匹だけで生きると言うのとても辛い。
『むきゅ・・・・ぱちゅはなんのためにいきているの?こんなゆんせいなら、ぱちゅもままのところにいきたい・・・』
子ぱちゅりーは死にたいと願う。
でも最後にもう1度だけでいいから、あの旅まりさの冒険談話が聞きたいと思った。
それからはまりさに出会えるのを、ただ呆然と公園で空を見上げる日々が続く。
最後の話はどんな冒険だろうか?
死を願いながらも何かゆっくりした気分、なんとも不思議な感覚。
そしてあの旅まりさが帰ってきた。
しかしその表情は暗く、何か落ち込んでいる様子。
話を聞けばまりさの持つ「思い出さん」を残す機械で、みんな永遠にゆっくりしてしまったとの事。
子ぱちゅりーは思った、自分も撮ってもらえば母の所に行けるかも知れないと・・・・
『むきゅん!ちぇんたちはうんさんがなかっただけよ。うたがうのならぱちゅをおもいでさんにしてみて』
ぱちゅりーはまりさに、自ら被写体になる事を申し入れる。
最後をこのまりさに看取ってもらうのも悪くはない。
結果としてこの行動は子ぱちゅりーに、ゆっくりした生活を与える事になった。
そのゆん生は決して幸せでは無いかも知れない、しかし子ぱちゅりーは常に最悪からは逃れてきた。
これもまたゆん生
この後子ぱちゅりーは飼いゆとなって、まりさの子供を2匹の子供を生んだ。
番のまりさは先に亡くなってしまうが、その後を追うのに10年もの年月を要する。
老衰で亡くなったその顔はとてもゆっくりしていた。
これもまた奇妙なゆっくりの物語
おわり
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これでデスラッチの外伝も最後となります。ここまで読んでくれてありがとうございました。
この暑い季節に冬の話はどうだろうか?とも思いましたが、
待ってくれている人がいるのようなので投稿させていただきました。
このシリーズは賛否両論あるかとは思いますが、不思議生物なんだから不思議能力を持ってもいいじゃない?
ぐらいの軽い気持ちでいてくれたら幸いです。
ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/13854/
○○あきのSS感想はこちらへ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1275503703/
誤字・脱字等あれば勘弁して下さい
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リーチ (ノ^-^)ノ ⌒ ⊂●⊃
愛で 観察 不運 差別・格差 野良ゆ 子ゆ ゲス 都会 現代 虐待人間 独自設定 うんしー ぺにまむ デスラッチ外伝03 ○○あき 作
デスラッチ外伝03 『まりさに出会うまで・・・・・』 ○○あき 作
独自設定が強いです。ゆっくりの食料にお食事前には、不適切な物も含まれるので注意して下さい。
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夜を迎えても光を失わない都会、街灯が降り落ちる雪を輝かしていた。
既に地面は薄っすらと雪化粧を施され、穢れた都会を覆い隠す。
街に生きる野良ゆっくりもこの時間は活動する事もなく、公園は一時の静寂を取り戻していた。
そんな公園に現れた、派手な服装に身を包んだ女性。
その手にはぺット用のキャリーバック。
女性は周囲に人がいないのを確認すると、バックの中身を地面へとぶちまける。
『ゆぎぃいぃぃぃだいぃぃぃぃ!でいぶのびゅ~てふるなおかおがぁぁぁぁぁぁ!!』
現れたのは、白く染まった景観を損なう薄汚い饅頭。
痛みに悶えるでいぶを放置して女性は、そそくさと公園を去ってしまう。
でいぶが気がついた時には、既に人の気配はそこには無かった。
『ゆゅ?くそどれぃぃぃどこにいっだぁぁぁぁぁぁぁ!はやくでいぶをゆっぐりざぜろぉぉぉぉぉぉ!!』
いくら喚いても誰も現れない、こうしてでいぶは真冬の公園に捨てられた。
水商売の女性が寂しさを紛らわす為に、ペットを飼うのはよくある話。
それが会話も出来そうなゆっくりを選ぶと言うのも、分からない話ではない。
躾けをされた金バッチゆっくりは、1人暮らしの孤独感を癒してくれる。
だが甘やかすとゆっくりは、すぐにゲス化してしまう。
蓄えた知識をうんうんと共に排出してしまうので、飼い主は注意する必要があるのだ。
常に品行方正を教え続ける事はとても難しい。
家族でもいれば可能なのかも知れないが、その家族がいない心の隙間を埋めるためのペット。
これでは上手くいくはずも無い。
最初はでいぶも飼い主の女性を、ゆっくりさせる使命を果たそうとしていた。
やがては帰宅は早朝、日中は寝て過ごしている女性を疎むようになり。
暴言を吐くようになった頃からは、餌こそ与えては貰えたが会話もしてもらえなくなり。
そして今日、この公園に捨てられた。
金バッチだった知識や容姿も既に過去の物。
糞尿に汚れ運動不足にでっぷりと太った身体が、醜悪な様子を漂わしている。
『ゆぎぃぃぃぃぃ!ぜぇっだいにゆっぐりじでやるぅ!でいぶはゆっぐりずるんだぁぁぁぁぁぁぁ!』
ゲス化はしていても、金バッチを取得できた程の優良種。
捨てられた事をすぐに理解し、野良として生きていく方法を考え始めた。
本能を抑える訓練がされている金バッチの特性は、でいぶに強い能力を与える。
それが黙して目標に近づく事、単純な事ながら野良には絶対出来ない。
でいぶが最初に始めたのは住処の確保。
人目につかない場所にあるゆっくりのおうちの中でも、耐久性や住み心地の良さそうな物件を見て回る。
そうして目をつけたのが人が通れない、建物の隙間に作られたぱちゅりーの住居。
『ゆんゆん!これならでいぶもゆっぐりできそうだよ!』
静かに住居に近づく。
中の様子を隙間から伺うと、ぱちゅりーはまだ眠っている。
それを確認すると一気に、入り口のビニールを捲り上げて中へと突入した。
『ゆっくりしていってね!』
『むきゅ?ゆ・・・ゆっくりしていってね。』
でいぶはおうちに突然進入するなり、挨拶を発してぱちゅりーを本能で硬直させた。
そのままぱちゅりーを押し倒し、ぺにぺにを問答無用で挿入させる。
「すっきりー」等と言う言葉も発せずに、精子餡を注入するでいぶ。
ぱちゅりーのお腹はみるみる膨れだす、こうしてでいぶはぱちゅりーと番となる事に成功した。
子供を自分では無くぱちゅりーに生ませたのは、野良での身重のリスクを避けたかったから。
再び飼いゆを目指さなかったのは、野良が飼いゆになれる成功率の低さを案じたからである。
まさに金ゲスと言えるだけの能力を有していた。
『じゃあいってくるよ』
『むきゅう・・・いってらっしゃい・・』
でいぶは狩も自身で行った、日中は避け深夜に出かける。
繁華街には酒に酔った人間が多く集う。
酔った人間はよく物を落とす、その中には当然食べ物もあった。
それを目ざとく見つけては、住処に持ち帰える。
他にも酔って嘔吐された物が、電柱などの物陰に放置されているのを集めたりもした。
ゴミ箱を漁れば人間にいつか駆除されてしまう。
しかし落し物や嘔吐された物ならば人目につきにくい。
2週間もすると3匹の子供が生まれた。
『ゆっくちうまりゅるよ!』
『ゆ~んかわいいおちびちゃんだよ!ゆっくりしていってね。』
れいむ2匹とぱりゅりー1匹が誕生した。
しかしでいぶは、自身に似ていない赤ぱちゅりーが気に入らない様子。
『ゆゅ?でいぶににてないこがいるね、こんなおちびはかわいくないよ!
このちびのせわはぱちゅりーがしてね!ごはんもでいぶのはあげないよ!』
『むきゅう?れいむ・・・それはよくないとおもうわ・・・・』
『なに?でいぶにさからうの?』
『むきゅう・・・・・・・・・ゆっくりりかいしたわ・・・・』
でいぶは2匹の赤れいむだけを溺愛した。
繁華街には普通ならば、野良が口には出来ないようなご馳走が落ちている。
『さぁおちびちゃん、い~ぱいむ~しゃむ~しゃしてね。』
『む~ちゃむ~ちゃちあわちぇ~』×2
『おすししゃんはおいちいにぇ~』
『け~きしゃんはと~ちぇもあみゃあみゃだにぇ~』
下心溢れるサラリーマンのキャバクラ嬢への、手土産だった高級ケーキや折り詰め寿司。
酔った人は、地面に落とした物は食べないし拾わない。
しかしこのご馳走を赤ぱちゅりーが、味わう事は1度も無かった。
母ぱちゅりーの持ってこれる食べ物は、道に生える雑草が精一杯。
『むちゃ・・むちゃ・・・ふちあわちぇ・・・』
『むきゅう・・・おちびちゃんごめんなさい・・・ままがふがいないばかりに・・・・』
母ぱちゅりーも野良としては、かなり優秀な方ではあったが身体能力に自信がない。
残飯に慣れてしまった野良が食べれない雑草を糧とし。
おうちを作る場所やその材料等に、知恵を活かしこれまで生き延びてきた。
そんな能力も金ゲスの前では役には立たず、でいぶの言う事に逆らえず言いなりとなる。
満足に食べる事も出来ず赤ぱちゅりーの成長は、姉に比べてかなり遅くなってしまう。
『やっぱりくじゅはちいちゃいにぇ~』
『けらけらけら~うっきゃりしちぇふんじゃいそうだよ。』
『むきゅう・・・ぱちゅはくじゅじゃにゃいわ・・・・・』
甘やかされゲス化してしまったか、小さい妹を姉2匹は見下し軽蔑する。
ある日、そんな生活が突然終わりを告げる。
でいぶがいつも通り、深夜の狩に出かけた時の事。
この日も繁華街は日常の憂さをはらさんと、やってきた人々で賑わっていた。
物陰で様子を窺い待ち伏せるでいぶ。
「さぁ~今日もいい気分になった所で、愛しの紫ちゃんに会いにいくぞぉ!」
ほろ酔い加減の男性が歩いてきた、その手には手土産の高級ケーキ。
本人はそれ程酔ってはいないつもりで、足早に歩いていてスーツを看板の角に引っ掛けてしまう。
「ふ~ふ~ふ~ん~ってあぁぁぁ!」
その拍子に誤って、ケーキを地面に落としてしまう。
これでもうケーキはお土産には使えない、かと言って持ち帰る事も面倒である。
いつも通りこの男性も、このケーキを放置して去っていくはずだった。
名残惜しそうに見ていたがやがて溜息をつき歩き出した瞬間、でいぶの後ろから大きな声がする。
『りぇいむにょあみゃあみゃさんだぁ~きゃわいぃりぇいむにはやくよこちぇぇ~』
『ゆゅ?おちちゃんどうしてここにぃぃぃ!』
後ろを振り返ればそこにいたのは、テニスボール大まで成長した長女の子れいむ。
母の帰りを待ちきれず、でいぶの狩について来ていたのだ。
その遠慮も何もない大声は、当然男性の耳まで届いている。
自身の失敗とは言え、せっかくの手土産が台無しになったのは気分が悪い。
そこに現れた薄汚い饅頭、しかもその落としたケーキを自分の物だと主張しているではないか・・・・
「あぁ?誰のケーキだと?」
『ゆゅ!でいぶのあんよさんが・・・どおじでつかまっているのぉぉぉぉぉ!』
『おちょらをとんでるみちゃいぃ~』
子供に気を取られていたれいむは、逃げるタイミングを逃してしまう。
怒った男性の腕は、でいぶと子れいむを捕らえる。
「誰がお前のだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そして怒りに任せて子れいむを掴んでいる手を、壁に向かって大きく振り切った。
バチィーーーーーーーーーーーーーーーン!!
『ゆ”・・・・・・・ゆ”・・・・・・・・・・・・ゆ”』
子れいむは全力で壁に叩きつけられ壁に張り付き、破裂してそこに餡子の花を咲かせる。
呻き声は上げてはいるが即死状態。
『でいぶのおちびちゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
壮絶な我が子の死を目の当たりにし、でいぶは絶叫してしまう。
その声が癇に障ったのであろう、男性はでいぶを掴んだまま地面に叩きつける。
『ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!でいぶのこがおのおかおさんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
「オラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァオラァァァァァァ!!!!」
男性の怒りは更にボルテージを上げていく。
何度もでいぶを地面に叩きつけ、顔が判別つかない程に潰してしまう。
「ぜぇ~ぜぇ~誰が・・・お前等みたいな糞饅頭にやるために、こんなくそ高いケーキなんか買うかよ!」
『で・・・・・・・で・・・い・・ぶは・・・・・・・く・・そ・・・まんじゅうかんか・・・・じゃ・・・』
「いいからさっさと死ねぇぇぇぇぇ!!!」
男性の靴が、でいぶの背中から口を貫き出てきた。
餡子に塗れた靴をでいぶから引き抜くと男性は、寂しそうに背中を丸めて繁華街を後にする。
汚れた姿では愛しい紫ちゃんに会いに行けない、これでは今日の所は帰るしかなかった。
でいぶ一家はこの日、稼ぎ頭と子供を1匹失ってしまう。
これで困ったのは、残された次女の子れいむ。
今まででいぶに甘やかされて育ち、豪勢な物ばかりを食してきた。
しかしこれで、2度と手に入らなくなってしまったのである。
『むちゃ・・ゆげぇぇぇぇ・・こんにゃにぎゃいのなんきゃたべりぇにゃいぃぃぃぃ!!
け~きしゃんやおすししゃんがたべちゃいぃぃぃぃ!!』
『むきゅう・・・ごはんさんはそれしかないのよ・・・・・』
『ぱちゅはこけしゃんだいしゅきよ。』
冬に生える植物は少ない、この日もぱちゅりーが獲ってこれたのは雨樋に生えていた苔。
仮に他の植物が見つかったとしても、口の肥えてしまった子れいむには食べる事は出来なかっただろう。
だがこれまで虐げられてきた子ぱちゅりーは、苔や雑草を食べる事が出来る。
不幸に育った事が逆に、野良として生きていく術を与えた。
『りぇいむをゆっくちさしぇないくじゅなおやなんかしゃっしゃとちねぇ!』
『むきゅう・・・おちびちゃん・・・・わかったわ・・・・いっしょにきなさいおちびちゃん。』
子れいむの我侭に大きく溜息をつくと、ぱちゅりーは子ぱちゅりーを連れて出て行った。
そしてこの場所には戻って来る事はなかった。
栄養状態の良かった子れいむは、それから1週間もの間を誰もいないおうちで待ち続ける。
空腹に堪えかねたのか・・・
『おにゃかちゅいたよぉ・・・ゆゅ?にゃんかあみゃあみゃしゃんのにおいがしゅるよ?』
ついには自分の出したうんうんを食べだす。
幸か不幸か誰も面倒を看ていなかったので、子れいむが出した糞尿でおうちの中は溢れていた。
食べては出し、出しては食べの生活を続ける。
だが需要に供給が追いつかない、やがてはそれすらも出来なくなり動けなくなっていく。
『だれきゃ・・・きゃわいぃりぇいむを・・・ゆっくちしゃしぇてぇ・・・・・・・・』
テニスボール程度だった大きさは、生まれた時のピンポン球にまで萎み。
失った餡の分伸びきった皮が弛んでいて、その姿は陸に上がった干からびたクラゲの様。
その時、おうちを覆っているブルーシートが揺れて、おうちの中に何者かが入ってきた。
『ゆゅ?』
一瞬、母ぱちゅりが戻ってきてくれたのだと喜ぶ。
そして可愛い自分を何日も放置するとは、なんて酷い親だと憤った。
だがそこにいたのは、灰色の毛並みを持つ生物。
『ゆわわわわわわわ!ねずみしゃん・・こっちにこにゃいでぇぇぇぇぇぇぇ・・・いちゃいぃぃぃぃぃぃぃ
りぇいむはたべもにょじゃにゃいぃぃぃぃだちゅげでぇぇぇりぇいむじにちゃくにゃぃぃぃぃぃぃぃぃ!』
歓迎されぬ侵入者は、子れいむの伸びた皮から齧っていく。
やがてその牙は、白玉で出来た目をも抉り獲る。
『いぎゃぁぁぁぁりぇいむのしゅきとおるおめめしゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!やめちぇぇぇぇぇ!
あんこしゃんたべにゃいでぇぇぇぇ・・げぇ・・・・ぎぃ・・・ぎゅ・・ゆ”・・・・ゆ”・・・・・ゆ”』
そのまま餡子を食べられ、中枢餡に到達してしまう。
半身を喰いつくされて子れいむは、小刻みに震えるだけの饅頭と化す。
それでお腹が満たされたのか、鼠は子れいむを咥えて裏路地へと消えていった。
後には齧られた時に落ちた、お飾りのりぼんだけが残される。
あの時子れいむが我侭を言わなければ、子ぱちゅりーはここに住んでいたはずだった。
これもまたゲスな姉を持った不幸が、逆に子ぱちゅりーにとって幸いしたと言える。
赤ぱちゅりーは母に連れられて、おうちから少し公園で暮らしていた。
『む~ちゃむ~ちゃ・・・・こにょくさしゃんかちゃいわ・・・』
『むきゅう・・・ごめんねおちびちゃん・・・ふゆさんのあいだはがまんしてね・・・』
『みゃみゃだいじょうぶよ、ぱちゅでもにゃんときゃたべりぇりゅわ。』
ここには芝生が生えていたので、なんとか食べるには困らない。
しかし冬の芝生は固く、子ゆには食べ難い。
でもここで我侭を言う程、子ぱちゅりーは馬鹿ではなく、母に苦労をかけまいと必死に草を口に頬張って食べる。
子ぱちゅりーは金バッチを取得するほどの、でいぶの優秀な知能を受け継いでいた。
それ故、自分が置かれている環境を理解し我慢する。
でいぶが生まれつきのゲスでは無かった事で、ゲス資質までは受け継がなかった事は幸いである。
ゆっくりは常にゆっくりしたいと願う生物、我慢は出来ても現在の環境には満足しようもない。
空を見上げれば寒々しい、どんよりと曇った冬空が広がる。
『むきゅ・・・・・・』
それは子ぱちゅりーの気持ちを表しているかの様、急遽拵えのおうちは狭く冬の凍てつく寒さが辛い。
都会に住む野良は冬篭りする事がないので、日々食べ物を集めなければならなかった。
運動の苦手なぱちゅりー種に、得られる食べ物は少ない。
結局は親子2匹で集めても、草しか手に入れる事は出来なかった。
周りを見れば生ゴミや落ちているお菓子を手に入れ、いそいそとおうちに持ち帰る者達。
それがどれほど美味なのか、食べた事の無い子ぱちゅりーは知らない。
こうして赤ぱちゅりーは、不幸を味わいながら成長していく。
春が訪れた頃には、夏蜜柑程の大きさになっていた子ぱちゅりー。
『むきゅ~ん。このくさはとってもやわらくてだべやすいわ~』
新芽の柔らかさを堪能する子ぱちゅりー、この時が生まれて初めてゆっくり出来たのかもしれない。
春はどんなゆっくりも飢える事の無い季節、この頃に子ぱちゅりーは1匹のまりさと知り合う。
そのまりさは飼いゆでありながら、街を自由に闊歩している。
『と~てもさむいところでは、そらさんがきらきらすることがあるんだぜぇ。
いちめんにぴ~かぴ~かしていて、とってもゆっくりできたんだぜぇ。』
『むきゅ~ぱちゅもきらきらさんをみてみたいわぁ~』
『でもゆきさんをすすむのはとってもつかれるのぜぇ、ぱちゅりーにはむりだとおもうのぜぇ・・・』
『むきゅう・・・それはざんねんだわ・・・』
などと飼い主と旅をしているらしく、様々な体験談を聞かせてくれる。
自分の知らない世界の話は、知識が増えていく感じでとてもゆっくり出来た。
もっと仲良くなりたかったが、ほとんど旅に出ていて会う機会は少なく。
それほど間柄を進展させる事は出来なかった。
ある日子ぱちゅりーは、あの旅まりさの様に探検をしてみたいと思う。
行った事のない場所には、自分の知らない事が待っている。
そう考えると何かワクワクするものを感じた。
『むきゅ~いってきま~す』
『むきゅう!むりはしちゃだめよ。』
『わかってるわ。だいじょうぶよまま、ぱちゅももうこどもじゃないわ。』
そう言っておうちを元気よく飛び出していった。
行き先は近所の河川敷、ここならおうちからそれ程遠くもなく問題ないだろう。
『むきゅ~これがかわさんね、とってもひろいわぁ~ぱちゅじゃとてもじゃないけどとびこえれないわ。』
この冬に生まれ、路地裏と公園しか知らなかった子ぱちゅりーには全てが目新しい。
初めて見る物ばかりで興奮しきりで歩きまわる。
気がつけば陽も傾き、その日は河川敷で野宿する事にした。
『む~しゃむ~しゃ・・しあわせぇ~むきゅ?きょうはおほいっさまがとってもきれいねぇ~』
菜の花の新芽を頬張りながら、星空を見上げ冒険気分を満喫する。
まりさの言う世界はきっと、もっと凄いのだろうと想像しながら眠りについた。
1泊の冒険を終えて公園へと戻ってきた子ぱちゅりー。
『これはいったいどうなってるのぉぉぉぉぉぉ?』
子ぱちゅりーを待っていたのは、公園に住むゆっくりの全滅だった。
冒険に出ている間に、公園の一斉駆除が行われたらしい。
母ぱちゅりーも隣のありすお姉さんも、みんないなくなってしまう。
おうちも家族も友人も全てを失ってしまった。
寂しがりのゆっくりが、1匹だけで生きると言うのとても辛い。
『むきゅ・・・・ぱちゅはなんのためにいきているの?こんなゆんせいなら、ぱちゅもままのところにいきたい・・・』
子ぱちゅりーは死にたいと願う。
でも最後にもう1度だけでいいから、あの旅まりさの冒険談話が聞きたいと思った。
それからはまりさに出会えるのを、ただ呆然と公園で空を見上げる日々が続く。
最後の話はどんな冒険だろうか?
死を願いながらも何かゆっくりした気分、なんとも不思議な感覚。
そしてあの旅まりさが帰ってきた。
しかしその表情は暗く、何か落ち込んでいる様子。
話を聞けばまりさの持つ「思い出さん」を残す機械で、みんな永遠にゆっくりしてしまったとの事。
子ぱちゅりーは思った、自分も撮ってもらえば母の所に行けるかも知れないと・・・・
『むきゅん!ちぇんたちはうんさんがなかっただけよ。うたがうのならぱちゅをおもいでさんにしてみて』
ぱちゅりーはまりさに、自ら被写体になる事を申し入れる。
最後をこのまりさに看取ってもらうのも悪くはない。
結果としてこの行動は子ぱちゅりーに、ゆっくりした生活を与える事になった。
そのゆん生は決して幸せでは無いかも知れない、しかし子ぱちゅりーは常に最悪からは逃れてきた。
これもまたゆん生
この後子ぱちゅりーは飼いゆとなって、まりさの子供を2匹の子供を生んだ。
番のまりさは先に亡くなってしまうが、その後を追うのに10年もの年月を要する。
老衰で亡くなったその顔はとてもゆっくりしていた。
これもまた奇妙なゆっくりの物語
おわり
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これでデスラッチの外伝も最後となります。ここまで読んでくれてありがとうございました。
この暑い季節に冬の話はどうだろうか?とも思いましたが、
待ってくれている人がいるのようなので投稿させていただきました。
このシリーズは賛否両論あるかとは思いますが、不思議生物なんだから不思議能力を持ってもいいじゃない?
ぐらいの軽い気持ちでいてくれたら幸いです。
ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板
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○○あきのSS感想はこちらへ
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誤字・脱字等あれば勘弁して下さい
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リーチ (ノ^-^)ノ ⌒ ⊂●⊃