ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2427 ぶろてん
最終更新:
ankoss
-
view
『ぶろてん』 10KB
ギャグ パロディ 現代 独自設定 小ネタ、虐待なし
注)このSSには謙虚なナイトのありがたい名言のような表現(パロディ)が非常に多く含まれている
しかし作者がにわかなのは確定的に明らかだがこのSSに魅力があるかもと感じてしまっているやつは本能的に長寿タイプ
注意書きの意味を理解しないままこの先に足を踏み入れると諸兄の寿命がストレスでマッハになり
病院で栄養食を食べる事になるかもしれない
もしくはこのウィんドウがひっそりと幕を閉じる
…以上のことを踏まえたうえでどうぞお楽しみください~
----------------------------------------------
今日は念願のゆっくりを飼う!
何ヶ月も前から計画してこつこつとアルバイトでもらったお金をためて数ヶ月。
頻繁にくる友人の遊びの誘いを断ってまで節約し、溜まりにたまった通帳残高。
僕は自然とにやけてしまう頬を押さえながらそれを眺め、ペットショップのある街に繰り出そうとしていた。
「あぁ~、れいむがいいかな、まりさがいいかな、思い切って希少種?それとも胴付き?くぅ~!迷うなぁ!」
貯金は、よほど高いものでない限り大丈夫なはず。
これから起こる素敵な出会いに胸を躍らせながら、僕は鼻歌交じりで上機嫌に歩いていた。
すると前方の道端に、大きめのダンボールが口をあけて転がっていた。
なんだろうと少し気になりながら進んでいると、突然その中からひょっこりと何かが頭を出した。
「あれ…?てんこ?でも髪の毛の色が…」
下膨れの顔、きれいな長い髪と桃の飾りの付いた帽子、それはどうやらまぎれもなくゆっくりてんこの様だったが、
ただ唯一僕の記憶しているてんこと違っていたところは、髪の毛の色だった。
そのてんこは、普通のてんこの青い髪の毛とは違い、銀色に近い薄い灰色だった。
妙に不自然な高さに顔が出ているとおもったら、よく見ると首があった、どうやら胴付きのようだ。
てんこはかわいらしい顔で僕の顔をじっと見つめてくる。
(困ったな…捨てゆなのかな、胴付きてんこなんて超レアなのに、なんで…?)
僕もついてんこを見つめ返してしまう、けれどてんこの視線が妙に力強いので、つい目をそらしてしまう。
(うぅ…いけないいけない、捨てを拾うといろいろと面倒だしなぁ…それになんか問題があって捨てられたのかもしれないし…)
これからゆっくりを買いに行こうとしてるところに、確かに捨てゆっくりがいてそれを拾うというのも魅力的かもしれない。
けれど捨てられたからにはなにか問題があるはずだし、病気の心配や登録の問題。
とにかくいろいろと面倒なのだ、なので僕は目をそらしてなるべくてんこのことを考えないようにしながらダンボールの横を通り過ぎようとした。
最後に横を通るとき、ちらりとてんこをみる。
てんこはあいかわらず僕の方をじっと見ている、これが僕の庇護欲を刺激したが、僕は心を鬼にして、ぎゅっと目を瞑って足を速めた。
ところが、僕がてんこの横を通り過ぎてから数歩ほど歩いたところで、背中に
「おいぃ!」
と、声質はかわいらしいけれど、確実に怒気をはらんだ声がぶつけられた。
何いきなり話しかけて来てるわけ?などとおもうはずは無い、出来れば振り返りたくないが、僕は意を決して振り返った。
さっきまでかわいらしかったてんこの眉間にぐぐっと皺がより、歯をぎりぎりときしませながら、てんこはこちらを睨み付けていた。
「おまえいまてんこをさんかいれんぞくみつめただろう!それでこのてんこをむししようなんて!きたないなさすがにんげんさんきたない!
そんなのあもりにもひきょうすぎるでしょう?ほとけのかおをさんどまでというめいぜりふをしらないのかよぅ!」
「へ…?」
あまりにも早口に、よくわからない言葉遣いでまくし立てるてんこに、僕は思わず面食らってしまった。
「はかいりょくばつぎゅんのてんこのみりょくでめろめろだろう!?てんこはもてるからな!だからてんこをかえ!」
てんこはゆっくり特有のきりっとした顔でキメて、僕を見つめる。
(なにこいつ、ちょっと…いやかなりウザい…)
ゆっくり独特のうざったさのような物は知っていて、それも承知でゆっくりを飼いたいとおもっていた僕だけれど、
このてんこはまた別のタイプのウザさというか、なんともいえない不思議な感覚だ。
「ところで君はどうしてこんなところにいるの?やっぱり捨てられちゃったの?」
僕が疑問におもっていたことを聞いてみると、てんこは実に嫌そうな顔をして
「おいやめろばか!このはなしははやくもしゅーりょーですね!」
と言った、どうやら聞かれたくないらしい。
しかしその様子からやはり捨てられているのだろうということは確定的に明らかだ。
「にんげんさんなんかがいっきゅーゆっくりのてんこにたいしてなめたことばをつかうことでてんこのいかりがうちょーてんになった!
このいかりはしばらくおさまることをしらない!」
てんこはダンボールの端をぎゅっと両手で握りながら、僕に向かって頬をぷくーっと膨らませて威嚇してくる。
言葉遣いが相当悪い…というか変だが、仕草は普通のゆっくりとあまり変わらないらしい、微笑ましいものだ。
「あー、ごめんごめん、じゃあお詫びにそこの自販機でジュースを奢ってやるよ」
僕がそういうと、てんこは目をきらきらと輝かせて「きゅーほんでいい!」といった。
なんでだよ。
「ふふん!けんきょなてんこはまんぞくしたぞ!ぐらっとんすうぃふとでばらばらにひきさいてやるところだったがかんべんしてやろう!」
自販機で買ってやった桃ジュースの缶を両手で包むように持って飲んでいるてんこは、とても上機嫌だった。
「ぐらっとん…何?」
僕が聞き返すと、てんこは実に平坦な胸を張って
「なんだおまえ!ぐらっとんをしらないのか!」
と言い、ダンボールの底のほうをごそごそと探って、あるものを取り出した。
そしてそれを高々と掲げて僕に言い放つ。
「これがぐらっとんだ!このとがったところでちめいてきなちめーしょーをあたえられるんだぞ!
どうだ!?だーくぱわーっぽいのがやどってそうだろう!これでにんげんさんにもかつる!」
そういいながらてんこがぶんぶんと振り回しているのは、どうみてもただの木の枝だ。
たしかにとがった部分もあるけれど、相手が人間なら普通には致命傷なんてものは与えられっこ無いだろう。
「もー、そんなのふりまわしちゃ危ないだろう」
しかしとりあえず危険があるといけないので、僕はてんこの振り回す腕を押さえ、木の枝を奪ってぽいと横に放った。
「ゆわああああ!あまりちょうしこくとりあるでいたいめをみてびょーいんでえーよーしょくをたべることになるぞ!」
てんこはよほどその木の枝が気に入っているのか、手を伸ばして拾おうとする。
しかしダンボールに体がつかえ、そのままダンボールごと前のめりに転倒して、思い切り顔面を強打してしまった。
「ゆべっ!うぅぅ…おまえにいぢめられててんこはふかいかなしみにつつまれた!…ぐすっ…」
「木の枝一つでそんなに必死になることないじゃないか」
「おまえなんかにてんこのかなしみのなにがわかるってんだよぅ…ぐすんっ…」
ベソをかきながらも手を伸ばして枝を取ろうとするので、僕は後ろからてんこの両脇を持ってひょいとその小さな体を抱え上げる。
「おいやめろばか!はなせ!」
てんこは両手両足をじたばたとさせて僕の手から逃れようとする。
ぺちぺちと僕の体にてんこの手足があたるが、気にするようなものじゃない。
しかしこの言動や木の枝を振り回すような危険な行動を続けていたら、きっとてんこはこのままだと駆除の対象になってしまうだろう。
わずかな時間とはいえ、おとなしくしてれば可愛いだろうし、起こりえる不幸な未来を見てみぬふりをしてしまうのは忍びない。
「なあてんこ、よかったら僕の家にくる?」
「なにほんとうか!?そうぞうをぜっするよろこびがてんこをおそった!」
僕の提案を聞くなりてんこが僕の手の中できゃっきゃとはしゃぎだす。
「てんこは僕の家でもいいの?」
僕がてんこを僕の正面に向かせてもう一度聞くとてんこは
「どちらかというとだいさんせーだな!」
と言い、満面の笑みを見せてくれた。
やはり変には変であるが希少種のてんこだけあって実に可愛い、笑顔の破壊力ばつ牛ンだ。
「笑ったらやっぱりかわいいじゃないか」
「それほどでもない!」
僕の住んでいる市では、元飼いゆっくりであろう野良ゆっくりを拾う時は、保健所に届け出て、
いったん保護という扱いにして元の飼い主を探してもらい
見つからなかった場合その後自分の飼いゆっくりとしての登録をしなくてはいけない。
ゆっくりの場合は自分から家出して野良として生活していたりしていて、飼い主が探しているというようなケースも多いからだ。
とまぁ、少々面倒くさいこともあるが、決まりだからそれは仕方ない。
「うぉぉお!これぞまさにしんのぐらっとん!おまえてんこにみつぎものをするなんてほんのうてきにちょーじゅたいぷだな!」
てんこは、近所にあったおもちゃ屋で、ゆっくりを飼うはずだったけれど運よく浮いたお金をつかって買ってやったおもちゃの剣を
店を出るなり開封し、実にうれしそうに眺め、ぶんぶんと振り回していた。
少々変な口調ではあるが、それもずっと聞いているとなんだか癖になってきてしまったし、口は悪いが愛嬌はあるようだ。
ふと気がつくとどんなゆっくりを飼おうかと考えていた僕が、今はこれから過ごすてんことの日々を想像してしまっている、現金なものである。
僕のおなかくらいまでしかない背の小さなてんこと手をつないで家に続く道を歩いていると、突然てんこがこちらを見上げてにっこりと笑った。
「そーだ!おまえはえらいこだからぴーちをやろう!」
てんこはおもむろにお帽子についている桃の飾りに手を伸ばして、それを引っ張った。
「いてっ…ほらくえ!」
「痛いのかよ…」
ぶちっと音がしてもぎ取られた桃を、誇らしげな顔で僕に差し出してくる。
せっかく痛い思い?をしてまで施してもらったものを邪険にするのも悪いので、僕は恐る恐るそれを口にする。
「あ、おいしい」
口の中にふんわりとした甘みが広がり、素直にそうおもった。
「これでおまえはてんこにめろめろでかってにけらいになるな!もうしょーぶついてるから!」
相変わらずよくわからない言葉遣いのてんこを、僕は空いている手でわしわしとなでてやった。
するとてんこは嬉しそうにはにかんで、僕の手を受け入れた。
僕もなんだか嬉しくなって、自然に笑顔になってしまう。
あぁ、きっとこれから楽しい毎日が始まるんだろうな…
おしまい。
-----------------------------------
もう書いたのか!はやい!これで勝つる!
とは決していえない小ネタを書き散らしてしまって大変申し訳ないことは確定的に明らか
破壊力ばつ牛ンなSSを期待していた諸君を想像を絶するやるせなさが襲った
…にわかブロンティストで申し訳ないです。
誰かブロントネタやってー!って書き込みを見つけてからはや数週間?
忙しさに我を忘れ睡眠時間をがんがん削られながらも
必死にブロントさんについて
調べた結果がこれだよ!
後悔はしていない。
どうも自分はイロモノ系が好きなのかもしれません
のうかりん、きめぇ丸、ブロントてんこ…
個性があって大変よろしい!
なんだか名言集をむりやり詰め込んだだけみたいなSSになってしまいましたが
楽しんでいただけたなら嬉しいです
楽しめなかったよ!って方は大変申し訳ない、精進します…
ブロントてんこネタももうちょっと膨らませれれば楽しそうですがいかんせん発想力がムムム…
ついだらだらとあとがきを書いてしまいました、今回はこのへんで
ばや汁でした。
いつも多数のご意見ご感想ありがとうございます!
この作品へのご意見ご感想も、どうぞお気軽にお寄せください。
個人用感想スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/
今までの作品
anko1748 かみさま
anko1830-1831 とくべつ
anko1837 ぼくのかわいいれいむちゃん
anko1847 しろくろ
anko1869 ぬくもり
anko1896 いぢめて
anko1906 どうぐ・おかえし
anko1911 さくや・いぢめて おまけ
anko1915 ゆなほ
anko1939 たなばた
anko1943 わけあり
anko1959 続ゆなほ
anko1965 わたしは
anko1983 はこ
anko2001 でぃーおー
anko2007 ゆんりつせん
anko2023 あるむれ
anko2068 おしかけ
anko2110 とおりま
anko2111 おもちゃ
anko2112 ぼくとペット
anko2223 まちかどで
anko2241 かいゆ
anko2304 ぼうけん
anko2332 とかいは
anko2349 たたかい
anko2369 ゆっくぢ
anko2413 せんたく
餡小話では消されてしまった作品も多数ありますので、過去作を読みたいと思っていただけた方は
ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ-
http://www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html
をご活用ください。
ギャグ パロディ 現代 独自設定 小ネタ、虐待なし
注)このSSには謙虚なナイトのありがたい名言のような表現(パロディ)が非常に多く含まれている
しかし作者がにわかなのは確定的に明らかだがこのSSに魅力があるかもと感じてしまっているやつは本能的に長寿タイプ
注意書きの意味を理解しないままこの先に足を踏み入れると諸兄の寿命がストレスでマッハになり
病院で栄養食を食べる事になるかもしれない
もしくはこのウィんドウがひっそりと幕を閉じる
…以上のことを踏まえたうえでどうぞお楽しみください~
----------------------------------------------
今日は念願のゆっくりを飼う!
何ヶ月も前から計画してこつこつとアルバイトでもらったお金をためて数ヶ月。
頻繁にくる友人の遊びの誘いを断ってまで節約し、溜まりにたまった通帳残高。
僕は自然とにやけてしまう頬を押さえながらそれを眺め、ペットショップのある街に繰り出そうとしていた。
「あぁ~、れいむがいいかな、まりさがいいかな、思い切って希少種?それとも胴付き?くぅ~!迷うなぁ!」
貯金は、よほど高いものでない限り大丈夫なはず。
これから起こる素敵な出会いに胸を躍らせながら、僕は鼻歌交じりで上機嫌に歩いていた。
すると前方の道端に、大きめのダンボールが口をあけて転がっていた。
なんだろうと少し気になりながら進んでいると、突然その中からひょっこりと何かが頭を出した。
「あれ…?てんこ?でも髪の毛の色が…」
下膨れの顔、きれいな長い髪と桃の飾りの付いた帽子、それはどうやらまぎれもなくゆっくりてんこの様だったが、
ただ唯一僕の記憶しているてんこと違っていたところは、髪の毛の色だった。
そのてんこは、普通のてんこの青い髪の毛とは違い、銀色に近い薄い灰色だった。
妙に不自然な高さに顔が出ているとおもったら、よく見ると首があった、どうやら胴付きのようだ。
てんこはかわいらしい顔で僕の顔をじっと見つめてくる。
(困ったな…捨てゆなのかな、胴付きてんこなんて超レアなのに、なんで…?)
僕もついてんこを見つめ返してしまう、けれどてんこの視線が妙に力強いので、つい目をそらしてしまう。
(うぅ…いけないいけない、捨てを拾うといろいろと面倒だしなぁ…それになんか問題があって捨てられたのかもしれないし…)
これからゆっくりを買いに行こうとしてるところに、確かに捨てゆっくりがいてそれを拾うというのも魅力的かもしれない。
けれど捨てられたからにはなにか問題があるはずだし、病気の心配や登録の問題。
とにかくいろいろと面倒なのだ、なので僕は目をそらしてなるべくてんこのことを考えないようにしながらダンボールの横を通り過ぎようとした。
最後に横を通るとき、ちらりとてんこをみる。
てんこはあいかわらず僕の方をじっと見ている、これが僕の庇護欲を刺激したが、僕は心を鬼にして、ぎゅっと目を瞑って足を速めた。
ところが、僕がてんこの横を通り過ぎてから数歩ほど歩いたところで、背中に
「おいぃ!」
と、声質はかわいらしいけれど、確実に怒気をはらんだ声がぶつけられた。
何いきなり話しかけて来てるわけ?などとおもうはずは無い、出来れば振り返りたくないが、僕は意を決して振り返った。
さっきまでかわいらしかったてんこの眉間にぐぐっと皺がより、歯をぎりぎりときしませながら、てんこはこちらを睨み付けていた。
「おまえいまてんこをさんかいれんぞくみつめただろう!それでこのてんこをむししようなんて!きたないなさすがにんげんさんきたない!
そんなのあもりにもひきょうすぎるでしょう?ほとけのかおをさんどまでというめいぜりふをしらないのかよぅ!」
「へ…?」
あまりにも早口に、よくわからない言葉遣いでまくし立てるてんこに、僕は思わず面食らってしまった。
「はかいりょくばつぎゅんのてんこのみりょくでめろめろだろう!?てんこはもてるからな!だからてんこをかえ!」
てんこはゆっくり特有のきりっとした顔でキメて、僕を見つめる。
(なにこいつ、ちょっと…いやかなりウザい…)
ゆっくり独特のうざったさのような物は知っていて、それも承知でゆっくりを飼いたいとおもっていた僕だけれど、
このてんこはまた別のタイプのウザさというか、なんともいえない不思議な感覚だ。
「ところで君はどうしてこんなところにいるの?やっぱり捨てられちゃったの?」
僕が疑問におもっていたことを聞いてみると、てんこは実に嫌そうな顔をして
「おいやめろばか!このはなしははやくもしゅーりょーですね!」
と言った、どうやら聞かれたくないらしい。
しかしその様子からやはり捨てられているのだろうということは確定的に明らかだ。
「にんげんさんなんかがいっきゅーゆっくりのてんこにたいしてなめたことばをつかうことでてんこのいかりがうちょーてんになった!
このいかりはしばらくおさまることをしらない!」
てんこはダンボールの端をぎゅっと両手で握りながら、僕に向かって頬をぷくーっと膨らませて威嚇してくる。
言葉遣いが相当悪い…というか変だが、仕草は普通のゆっくりとあまり変わらないらしい、微笑ましいものだ。
「あー、ごめんごめん、じゃあお詫びにそこの自販機でジュースを奢ってやるよ」
僕がそういうと、てんこは目をきらきらと輝かせて「きゅーほんでいい!」といった。
なんでだよ。
「ふふん!けんきょなてんこはまんぞくしたぞ!ぐらっとんすうぃふとでばらばらにひきさいてやるところだったがかんべんしてやろう!」
自販機で買ってやった桃ジュースの缶を両手で包むように持って飲んでいるてんこは、とても上機嫌だった。
「ぐらっとん…何?」
僕が聞き返すと、てんこは実に平坦な胸を張って
「なんだおまえ!ぐらっとんをしらないのか!」
と言い、ダンボールの底のほうをごそごそと探って、あるものを取り出した。
そしてそれを高々と掲げて僕に言い放つ。
「これがぐらっとんだ!このとがったところでちめいてきなちめーしょーをあたえられるんだぞ!
どうだ!?だーくぱわーっぽいのがやどってそうだろう!これでにんげんさんにもかつる!」
そういいながらてんこがぶんぶんと振り回しているのは、どうみてもただの木の枝だ。
たしかにとがった部分もあるけれど、相手が人間なら普通には致命傷なんてものは与えられっこ無いだろう。
「もー、そんなのふりまわしちゃ危ないだろう」
しかしとりあえず危険があるといけないので、僕はてんこの振り回す腕を押さえ、木の枝を奪ってぽいと横に放った。
「ゆわああああ!あまりちょうしこくとりあるでいたいめをみてびょーいんでえーよーしょくをたべることになるぞ!」
てんこはよほどその木の枝が気に入っているのか、手を伸ばして拾おうとする。
しかしダンボールに体がつかえ、そのままダンボールごと前のめりに転倒して、思い切り顔面を強打してしまった。
「ゆべっ!うぅぅ…おまえにいぢめられててんこはふかいかなしみにつつまれた!…ぐすっ…」
「木の枝一つでそんなに必死になることないじゃないか」
「おまえなんかにてんこのかなしみのなにがわかるってんだよぅ…ぐすんっ…」
ベソをかきながらも手を伸ばして枝を取ろうとするので、僕は後ろからてんこの両脇を持ってひょいとその小さな体を抱え上げる。
「おいやめろばか!はなせ!」
てんこは両手両足をじたばたとさせて僕の手から逃れようとする。
ぺちぺちと僕の体にてんこの手足があたるが、気にするようなものじゃない。
しかしこの言動や木の枝を振り回すような危険な行動を続けていたら、きっとてんこはこのままだと駆除の対象になってしまうだろう。
わずかな時間とはいえ、おとなしくしてれば可愛いだろうし、起こりえる不幸な未来を見てみぬふりをしてしまうのは忍びない。
「なあてんこ、よかったら僕の家にくる?」
「なにほんとうか!?そうぞうをぜっするよろこびがてんこをおそった!」
僕の提案を聞くなりてんこが僕の手の中できゃっきゃとはしゃぎだす。
「てんこは僕の家でもいいの?」
僕がてんこを僕の正面に向かせてもう一度聞くとてんこは
「どちらかというとだいさんせーだな!」
と言い、満面の笑みを見せてくれた。
やはり変には変であるが希少種のてんこだけあって実に可愛い、笑顔の破壊力ばつ牛ンだ。
「笑ったらやっぱりかわいいじゃないか」
「それほどでもない!」
僕の住んでいる市では、元飼いゆっくりであろう野良ゆっくりを拾う時は、保健所に届け出て、
いったん保護という扱いにして元の飼い主を探してもらい
見つからなかった場合その後自分の飼いゆっくりとしての登録をしなくてはいけない。
ゆっくりの場合は自分から家出して野良として生活していたりしていて、飼い主が探しているというようなケースも多いからだ。
とまぁ、少々面倒くさいこともあるが、決まりだからそれは仕方ない。
「うぉぉお!これぞまさにしんのぐらっとん!おまえてんこにみつぎものをするなんてほんのうてきにちょーじゅたいぷだな!」
てんこは、近所にあったおもちゃ屋で、ゆっくりを飼うはずだったけれど運よく浮いたお金をつかって買ってやったおもちゃの剣を
店を出るなり開封し、実にうれしそうに眺め、ぶんぶんと振り回していた。
少々変な口調ではあるが、それもずっと聞いているとなんだか癖になってきてしまったし、口は悪いが愛嬌はあるようだ。
ふと気がつくとどんなゆっくりを飼おうかと考えていた僕が、今はこれから過ごすてんことの日々を想像してしまっている、現金なものである。
僕のおなかくらいまでしかない背の小さなてんこと手をつないで家に続く道を歩いていると、突然てんこがこちらを見上げてにっこりと笑った。
「そーだ!おまえはえらいこだからぴーちをやろう!」
てんこはおもむろにお帽子についている桃の飾りに手を伸ばして、それを引っ張った。
「いてっ…ほらくえ!」
「痛いのかよ…」
ぶちっと音がしてもぎ取られた桃を、誇らしげな顔で僕に差し出してくる。
せっかく痛い思い?をしてまで施してもらったものを邪険にするのも悪いので、僕は恐る恐るそれを口にする。
「あ、おいしい」
口の中にふんわりとした甘みが広がり、素直にそうおもった。
「これでおまえはてんこにめろめろでかってにけらいになるな!もうしょーぶついてるから!」
相変わらずよくわからない言葉遣いのてんこを、僕は空いている手でわしわしとなでてやった。
するとてんこは嬉しそうにはにかんで、僕の手を受け入れた。
僕もなんだか嬉しくなって、自然に笑顔になってしまう。
あぁ、きっとこれから楽しい毎日が始まるんだろうな…
おしまい。
-----------------------------------
もう書いたのか!はやい!これで勝つる!
とは決していえない小ネタを書き散らしてしまって大変申し訳ないことは確定的に明らか
破壊力ばつ牛ンなSSを期待していた諸君を想像を絶するやるせなさが襲った
…にわかブロンティストで申し訳ないです。
誰かブロントネタやってー!って書き込みを見つけてからはや数週間?
忙しさに我を忘れ睡眠時間をがんがん削られながらも
必死にブロントさんについて
調べた結果がこれだよ!
後悔はしていない。
どうも自分はイロモノ系が好きなのかもしれません
のうかりん、きめぇ丸、ブロントてんこ…
個性があって大変よろしい!
なんだか名言集をむりやり詰め込んだだけみたいなSSになってしまいましたが
楽しんでいただけたなら嬉しいです
楽しめなかったよ!って方は大変申し訳ない、精進します…
ブロントてんこネタももうちょっと膨らませれれば楽しそうですがいかんせん発想力がムムム…
ついだらだらとあとがきを書いてしまいました、今回はこのへんで
ばや汁でした。
いつも多数のご意見ご感想ありがとうございます!
この作品へのご意見ご感想も、どうぞお気軽にお寄せください。
個人用感想スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/
今までの作品
anko1748 かみさま
anko1830-1831 とくべつ
anko1837 ぼくのかわいいれいむちゃん
anko1847 しろくろ
anko1869 ぬくもり
anko1896 いぢめて
anko1906 どうぐ・おかえし
anko1911 さくや・いぢめて おまけ
anko1915 ゆなほ
anko1939 たなばた
anko1943 わけあり
anko1959 続ゆなほ
anko1965 わたしは
anko1983 はこ
anko2001 でぃーおー
anko2007 ゆんりつせん
anko2023 あるむれ
anko2068 おしかけ
anko2110 とおりま
anko2111 おもちゃ
anko2112 ぼくとペット
anko2223 まちかどで
anko2241 かいゆ
anko2304 ぼうけん
anko2332 とかいは
anko2349 たたかい
anko2369 ゆっくぢ
anko2413 せんたく
餡小話では消されてしまった作品も多数ありますので、過去作を読みたいと思っていただけた方は
ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ-
http://www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html
をご活用ください。