ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2629 都会の輪舞2
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『都会の輪舞2』 31KB
虐待 制裁 観察 差別・格差 飼いゆ 野良ゆ 都会 現代 虐待人間 短編集です
虐待 制裁 観察 差別・格差 飼いゆ 野良ゆ 都会 現代 虐待人間 短編集です
即興 都会の輪舞21 「駆除」
野良ゆっくりにとって、一番恐ろしいもの。それは、行政による駆除だ。
容赦は無く、区別も無く。全てのゆっくりが捕獲され、殺されていく。
「はっ、ひぃ!だっ、だずげで!!」
一匹のれいむが泣きながら跳ねる。このれいむは、元々山に住んでいた。
ゆっくりが人間に飼われるようになってしばらく後の事。ゆっくりに「流行り」を作ることで
商品価値を高めようとする人間が現れた。
種類、飾りの大きさ、etc・・・・・・。そういった些細な違いがブームとなり、消え、
次には「野生の」ゆっくりがブームになった。
「ペットショップ産とは違う、リアルな反応」。それが謳い文句だ。
野山のゆっくりが捕獲され、売られていった。しかし、野生のゆっくりはペットには向いていない。
飼いにくい山から連れてこられたゆっくりたちは、ブームが終わると同時に街に放り出された。
「だずげで!ここはどご!?がえらぜでよ!!おやまざんにがえらぜでよおおぉぉぉぉ!!!」
泣きながられいむが跳ねる。後ろから近づく職員がれいむを捕獲し、袋に詰め込んだ。
行政による一斉駆除。それは近隣住民の要請で始まる。そこに容赦は無く、区別も無い。
容赦は無く、区別も無く。全てのゆっくりが捕獲され、殺されていく。
「はっ、ひぃ!だっ、だずげで!!」
一匹のれいむが泣きながら跳ねる。このれいむは、元々山に住んでいた。
ゆっくりが人間に飼われるようになってしばらく後の事。ゆっくりに「流行り」を作ることで
商品価値を高めようとする人間が現れた。
種類、飾りの大きさ、etc・・・・・・。そういった些細な違いがブームとなり、消え、
次には「野生の」ゆっくりがブームになった。
「ペットショップ産とは違う、リアルな反応」。それが謳い文句だ。
野山のゆっくりが捕獲され、売られていった。しかし、野生のゆっくりはペットには向いていない。
飼いにくい山から連れてこられたゆっくりたちは、ブームが終わると同時に街に放り出された。
「だずげで!ここはどご!?がえらぜでよ!!おやまざんにがえらぜでよおおぉぉぉぉ!!!」
泣きながられいむが跳ねる。後ろから近づく職員がれいむを捕獲し、袋に詰め込んだ。
行政による一斉駆除。それは近隣住民の要請で始まる。そこに容赦は無く、区別も無い。
即興 都会の輪舞22 「ラプンツェル」
「野良ゆっくりってのは、本当にゴミだな」
家に忍び込んだまりさを潰しながら、男が言った。
「そうだね。のらゆっくりはゆっくりできないね」
飼いゆっくりのれいむが同調する。
本当にこのまりさはゆっくりしていないとれいむは思う。何せ、馬鹿飼い主を倒せなかったんだから。
れいむはゆっくり出来ていなかった。そもそも、暖かい寝床や美味しいご飯は、
あって当たり前の物。それはゆっくりじゃない。
自由。自由こそが必要であり、それこそがゆっくりなのだ。それを飼い主は分かって無い。
あれもこれも駄目、駄目とすごくうるさい。今の所言う事には従ってやってはいるが、それもそろそろ限界だ。
れいむはこの家を出て行きたかった。でも、馬鹿な飼い主がれいむを離してくれない。
それに、れいむは外の世界の事を何も知らないのだ。
だから、待つ。馬鹿な飼い主を倒してれいむを救い出してくれる、王子様のようなゆっくりを。
れいむはもう一度、潰れたまりさを見た。惨めったらしいその姿は、王子様には程遠い。
「のらゆっくりはゆっくりできないよ」
れいむは憎々しげに呟いた。そして、夢見るような瞳で日課の歌を歌いだした。
家に忍び込んだまりさを潰しながら、男が言った。
「そうだね。のらゆっくりはゆっくりできないね」
飼いゆっくりのれいむが同調する。
本当にこのまりさはゆっくりしていないとれいむは思う。何せ、馬鹿飼い主を倒せなかったんだから。
れいむはゆっくり出来ていなかった。そもそも、暖かい寝床や美味しいご飯は、
あって当たり前の物。それはゆっくりじゃない。
自由。自由こそが必要であり、それこそがゆっくりなのだ。それを飼い主は分かって無い。
あれもこれも駄目、駄目とすごくうるさい。今の所言う事には従ってやってはいるが、それもそろそろ限界だ。
れいむはこの家を出て行きたかった。でも、馬鹿な飼い主がれいむを離してくれない。
それに、れいむは外の世界の事を何も知らないのだ。
だから、待つ。馬鹿な飼い主を倒してれいむを救い出してくれる、王子様のようなゆっくりを。
れいむはもう一度、潰れたまりさを見た。惨めったらしいその姿は、王子様には程遠い。
「のらゆっくりはゆっくりできないよ」
れいむは憎々しげに呟いた。そして、夢見るような瞳で日課の歌を歌いだした。
即興 都会の輪舞23 「口伝と体験」
「にんげんさんのいうことをきこうね!」
片目とおさげ、歯の大部分の無いまりさが、赤ゆっくりに言っている。
ここはペット用ゆっくりのブリード施設。そしてボロボロのまりさは、「特別教育係」だ。
「なにいっちぇるにょ?ばきゃにゃの?」
「まりしゃはにんげんよりちゅよいんだじぇ!」
どんなゆっくりを教えているかは、目の前に居る赤ゆっくりの声を聞けば分かるだろう。
「おそとはこわいんだよ!みんなのためにいってるんだよ!?」
何故「特別」なのか?それはまりさが、一度野良になった事があるからだ。
元々まりさは、ここの施設の問題児だった。通常なら処理される所、偶然が重なり、まりさは街に放たれた。
三日後。まりさはボロボロになって施設の入り口で土下座していた。
またしても運よく許されたまりさは、自分のように廃棄寸前の個体専門の、「特別教育係」となった。
ちなみに、今のまりさは仮採用。生徒を更生させられなければ、生徒と一緒に処理される約束だ。
「「ばーきゃばーきゃ!ゆっくちゆっくちー!!」」
「どぼじでいうこときいてくれないのおぉぉ!」
期限は後一週間。今度の処理は、追放ではあるまい。
片目とおさげ、歯の大部分の無いまりさが、赤ゆっくりに言っている。
ここはペット用ゆっくりのブリード施設。そしてボロボロのまりさは、「特別教育係」だ。
「なにいっちぇるにょ?ばきゃにゃの?」
「まりしゃはにんげんよりちゅよいんだじぇ!」
どんなゆっくりを教えているかは、目の前に居る赤ゆっくりの声を聞けば分かるだろう。
「おそとはこわいんだよ!みんなのためにいってるんだよ!?」
何故「特別」なのか?それはまりさが、一度野良になった事があるからだ。
元々まりさは、ここの施設の問題児だった。通常なら処理される所、偶然が重なり、まりさは街に放たれた。
三日後。まりさはボロボロになって施設の入り口で土下座していた。
またしても運よく許されたまりさは、自分のように廃棄寸前の個体専門の、「特別教育係」となった。
ちなみに、今のまりさは仮採用。生徒を更生させられなければ、生徒と一緒に処理される約束だ。
「「ばーきゃばーきゃ!ゆっくちゆっくちー!!」」
「どぼじでいうこときいてくれないのおぉぉ!」
期限は後一週間。今度の処理は、追放ではあるまい。
即興 都会の輪舞24 「路傍の花」
路傍の花の物語。
ガードレールの根元から、コンクリートを突き破って一輪の花が生えている。
人間にはそれは、畏怖すべき自然の、生命の力の結晶に映る。しかし、
街に住むゆっくりの目には、また別のように映るのだろう。すなわち、貴重な食料と。
「ぞろーり!ぞろーり!」
ゆっくりまりさが、半泣きになりながらガードレールの車道側を進んでいる。お目当ては
言うまでも無く、一輪の花だ。
「がんばるよ!がぞぐのだべに、ゆっぐりがんばるよ!」
行きかう車からびょうびょうと風が吹き付ける中、まりさは必死に花の元までたどり着いた。
「はなざんはぬげでね!ゆっぐりじないでぬげでね!!」
力を込めて引っ張る。しかし、地面に根を降ろした花は抜けない。
二度、三度と引っ張るとついに花は抜けた。しかし、抜けた拍子に勢い余ってまりさは後ろに転んでしまう。
丸みを帯びたゆっくりの体が、ころりころりと回転する。そして、行きかう車の一台が、まりさを踏み潰した。
黒帽子が車道をゆらゆらと踊る。それさえもまた別の車に轢かれて、路面の染みになる。
これはどこにでもある、路傍の花の物語。見る者もいない、ありふれた物語。
ガードレールの根元から、コンクリートを突き破って一輪の花が生えている。
人間にはそれは、畏怖すべき自然の、生命の力の結晶に映る。しかし、
街に住むゆっくりの目には、また別のように映るのだろう。すなわち、貴重な食料と。
「ぞろーり!ぞろーり!」
ゆっくりまりさが、半泣きになりながらガードレールの車道側を進んでいる。お目当ては
言うまでも無く、一輪の花だ。
「がんばるよ!がぞぐのだべに、ゆっぐりがんばるよ!」
行きかう車からびょうびょうと風が吹き付ける中、まりさは必死に花の元までたどり着いた。
「はなざんはぬげでね!ゆっぐりじないでぬげでね!!」
力を込めて引っ張る。しかし、地面に根を降ろした花は抜けない。
二度、三度と引っ張るとついに花は抜けた。しかし、抜けた拍子に勢い余ってまりさは後ろに転んでしまう。
丸みを帯びたゆっくりの体が、ころりころりと回転する。そして、行きかう車の一台が、まりさを踏み潰した。
黒帽子が車道をゆらゆらと踊る。それさえもまた別の車に轢かれて、路面の染みになる。
これはどこにでもある、路傍の花の物語。見る者もいない、ありふれた物語。
即興 都会の輪舞25 「夢」
その日、街に住むゆっくりが消えた。
いや、これは正確じゃない。街に住むゆっくりは、今もそこに居続けている。だから正しくは、
その日、「街に住むゆっくりが全て、全く動かなくなった」。
公園、土手、路地。探せばゆっくりは見つかる。ただし、じっと目を閉じて死んでいるような状態で。
突いてみる。動かない。揺すってみる。動かない。殴る蹴る目を突こうとした所で目を覚ました。
「あまあま!びゆっくり!ここはれいむのゆっくりぷれいすだよおおぉぉ・・・・・・ゆ?ここはどこ?」
目を覚ましたれいむは、ごみごみした路地裏を一度見渡すと、小さくため息をついた。
「・・・・・・あぁ、ここはしってるよ。ゆっくりできないゆめのせかいだよ・・・・・・」
吐き出すように言うと、れいむはまた目を閉じて眠ってしまった。
それっきり、何をしてもれいむが目覚める事は無かった。
つまり、そう言う事なのか?こいつら、現実の世界から逃避して、夢を見続ける事を選んだのか?
俺は眩暈を覚え、呆然と立ちすくんだ。こいつら、こいつらは・・・・・・。
いや、これは正確じゃない。街に住むゆっくりは、今もそこに居続けている。だから正しくは、
その日、「街に住むゆっくりが全て、全く動かなくなった」。
公園、土手、路地。探せばゆっくりは見つかる。ただし、じっと目を閉じて死んでいるような状態で。
突いてみる。動かない。揺すってみる。動かない。殴る蹴る目を突こうとした所で目を覚ました。
「あまあま!びゆっくり!ここはれいむのゆっくりぷれいすだよおおぉぉ・・・・・・ゆ?ここはどこ?」
目を覚ましたれいむは、ごみごみした路地裏を一度見渡すと、小さくため息をついた。
「・・・・・・あぁ、ここはしってるよ。ゆっくりできないゆめのせかいだよ・・・・・・」
吐き出すように言うと、れいむはまた目を閉じて眠ってしまった。
それっきり、何をしてもれいむが目覚める事は無かった。
つまり、そう言う事なのか?こいつら、現実の世界から逃避して、夢を見続ける事を選んだのか?
俺は眩暈を覚え、呆然と立ちすくんだ。こいつら、こいつらは・・・・・・。
その日、街に住むゆっくりが消えた。夢のように、夢の中に。
即興 都会の輪舞26 「きしみ」
長い事、ゆっくりを虐待している。
一つの部屋を虐待用に改造して、毎日虐待を行っている。
今部屋に居るのはれいむとまりさの番。赤ゆっくりを作らせて、情が移った所で目の前で殺している。
昨日までは赤ゆっくりを取られると泣き喚いたものだが、今日は様子が違う。
「おちびちゃんはゆっくりころされてね!」
「おまえたちのおかげでまりさたちはあんっぜんっなんだぜ!!」
醜く笑う二匹のゆっくり。あぁ、こいつら、「終わった」。
私は二匹を踏み潰した。そして、親のために涙を流した赤ゆっくりだけを残して、残りを、潰した。
私が思うに、サディズムとは、軋みを愛好するという事だと思う。
痛みから目を逸らさずに、立ち向かう事。身を、心を切り刻まれる事を自ら選択し続ける事。
それこそが美しく、喜ばしい物だと思うのだ。
痛みと同化した者。痛みに屈服しきった者。「自己が破壊された者」。
そうなった時が、寿命。壊れた玩具に、私は興味を抱かない。
痛みに耐え、自己を保ち続ける気高さ。それこそが私の求める物だ。
心に爪を立てる快楽。今私の手の上に居る赤ゆっくりは、いつまで「自分」でいられるだろうか。
一つの部屋を虐待用に改造して、毎日虐待を行っている。
今部屋に居るのはれいむとまりさの番。赤ゆっくりを作らせて、情が移った所で目の前で殺している。
昨日までは赤ゆっくりを取られると泣き喚いたものだが、今日は様子が違う。
「おちびちゃんはゆっくりころされてね!」
「おまえたちのおかげでまりさたちはあんっぜんっなんだぜ!!」
醜く笑う二匹のゆっくり。あぁ、こいつら、「終わった」。
私は二匹を踏み潰した。そして、親のために涙を流した赤ゆっくりだけを残して、残りを、潰した。
私が思うに、サディズムとは、軋みを愛好するという事だと思う。
痛みから目を逸らさずに、立ち向かう事。身を、心を切り刻まれる事を自ら選択し続ける事。
それこそが美しく、喜ばしい物だと思うのだ。
痛みと同化した者。痛みに屈服しきった者。「自己が破壊された者」。
そうなった時が、寿命。壊れた玩具に、私は興味を抱かない。
痛みに耐え、自己を保ち続ける気高さ。それこそが私の求める物だ。
心に爪を立てる快楽。今私の手の上に居る赤ゆっくりは、いつまで「自分」でいられるだろうか。
即興 都会の輪舞27 「とぶゆめ」
〝とぶゆめ〟をしばらくみない、と何処かの詩人が言った。
そういえば私も、小さい頃は空を飛ぶ夢を見ていたような気がする。
〝とぶゆめ〟を見なくなったのはいつからだったろう?そんな事なぞ考えながら歩いていると、
前からゆっくりの家族が飛び出してきた。
「れいむのかわいいおちびちゃんみてゆっくりできたでしょ!あまあまよこせ!」
「「「あみゃあみゃよこしぇくしょじじい!」」」
薄汚れた親れいむが叫ぶと、続いて赤ゆっくりが唱和する。
家族の目には、濁った欲望の光が渦巻いている。
私はため息をつき、親れいむを踏み殺した。残された赤ゆっくりが、恐慌をきたす。
「「「あみゃあみゃ!びゆっくり!ふかふかぁー!!」」」
何故こいつらは、物にこだわる?「ゆっくり」というのは、蕩尽の事なのだろうか。
思いながら足を振り上げた時、唐突に、あぁ、気付く。
私が〝とぶゆめ〟を見なくなったのは、文筆家になる夢を諦めてからだった。
多分、こいつらは生まれてから一度も、〝とぶゆめ〟を見る事は無いのだろう。
私は少し、こいつらの事が哀れになった。黙ってその場を立ち去ると、後ろから赤ゆっくりの声が追いかけてきた。
そういえば私も、小さい頃は空を飛ぶ夢を見ていたような気がする。
〝とぶゆめ〟を見なくなったのはいつからだったろう?そんな事なぞ考えながら歩いていると、
前からゆっくりの家族が飛び出してきた。
「れいむのかわいいおちびちゃんみてゆっくりできたでしょ!あまあまよこせ!」
「「「あみゃあみゃよこしぇくしょじじい!」」」
薄汚れた親れいむが叫ぶと、続いて赤ゆっくりが唱和する。
家族の目には、濁った欲望の光が渦巻いている。
私はため息をつき、親れいむを踏み殺した。残された赤ゆっくりが、恐慌をきたす。
「「「あみゃあみゃ!びゆっくり!ふかふかぁー!!」」」
何故こいつらは、物にこだわる?「ゆっくり」というのは、蕩尽の事なのだろうか。
思いながら足を振り上げた時、唐突に、あぁ、気付く。
私が〝とぶゆめ〟を見なくなったのは、文筆家になる夢を諦めてからだった。
多分、こいつらは生まれてから一度も、〝とぶゆめ〟を見る事は無いのだろう。
私は少し、こいつらの事が哀れになった。黙ってその場を立ち去ると、後ろから赤ゆっくりの声が追いかけてきた。
即興 都会の輪舞28 「広辞苑」
巷でよく見かける書き出しの一つに、「広辞苑によれば」がある。
ちょっと知的で、ちょっと陳腐な素敵な書き出し。僕はこの書き出しに憧れている。
と言う訳で、今僕の手の中にずっしりと重い広辞苑(第六版)がある。
そして、僕の足元には、一匹のゆっくりれいむがいる。僕は、ゆっくりについての文章を書きたいのだ。
「ゆっくりしていってね!」
「あまあまよこせくそじじい!」
「今からちょっと物語の書き出しに付き合ってもらいたいんだけど、いいかな?」
「うるさいよ!いいからあまあまよこせ!!れいむはつよいんだよ!」
「まぁ、書き出しが終わったら上げても良いけど・・・・・・」
「あーまあま!あーまあま!!」
うん。話が通じない。別に良いんだけどさ。
では、そろそろ僕もこの書き出しを使ってみようと思う。
「広辞苑によれば、ゆっくりは縦方向の圧力に弱い」。
ちょっと知的で、ちょっと陳腐な素敵な書き出し。僕はこの書き出しに憧れている。
と言う訳で、今僕の手の中にずっしりと重い広辞苑(第六版)がある。
そして、僕の足元には、一匹のゆっくりれいむがいる。僕は、ゆっくりについての文章を書きたいのだ。
「ゆっくりしていってね!」
「あまあまよこせくそじじい!」
「今からちょっと物語の書き出しに付き合ってもらいたいんだけど、いいかな?」
「うるさいよ!いいからあまあまよこせ!!れいむはつよいんだよ!」
「まぁ、書き出しが終わったら上げても良いけど・・・・・・」
「あーまあま!あーまあま!!」
うん。話が通じない。別に良いんだけどさ。
では、そろそろ僕もこの書き出しを使ってみようと思う。
「広辞苑によれば、ゆっくりは縦方向の圧力に弱い」。
あー・・・・・・。広辞苑拭かないとな。
即興 都会の輪舞29 「テレフォン」
「ゆっくりしていってね!!」
携帯電話に向かって話しているスーツ姿の男の足元で、にやにやと笑う野良まりさが挨拶をした。
「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!!」
ぴょんぴょんと飛び跳ね、声を出し、しかし男には触れようとしない。
男は携帯電話で話しながらまりさをあしらおうとする。しかし、まりさはしつこく付きまとい、
挨拶をし続ける。何を求めているかは明らかだった。
「あ、はい。ですからその件は・・・・・・」
これ以上ゆっくりに関わるよりは。そう判断した男は体中を漁り、見つかったのど飴を
まりさの背後に放り投げた。その途端、まりさは一目散に飴を追って走り去っていった。
「ゆっへっへ!きょうもうまくいったんだぜ!」
まんまと飴をせしめたまりさが下品に笑う。箱のようなものを耳に当てている人間は、
挨拶をすると何かくれる。まりさのゆん生で唯一学んだ知恵だった。
「こんどはあのにんげんにするんだぜ!」
次に目を付けたのは、携帯電話に向かって激しく言い募っているような男。
まりさは知る由も無いが、その男は今、彼女に別れ話を切り出された所だった・・・・・・。
携帯電話に向かって話しているスーツ姿の男の足元で、にやにやと笑う野良まりさが挨拶をした。
「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!!」
ぴょんぴょんと飛び跳ね、声を出し、しかし男には触れようとしない。
男は携帯電話で話しながらまりさをあしらおうとする。しかし、まりさはしつこく付きまとい、
挨拶をし続ける。何を求めているかは明らかだった。
「あ、はい。ですからその件は・・・・・・」
これ以上ゆっくりに関わるよりは。そう判断した男は体中を漁り、見つかったのど飴を
まりさの背後に放り投げた。その途端、まりさは一目散に飴を追って走り去っていった。
「ゆっへっへ!きょうもうまくいったんだぜ!」
まんまと飴をせしめたまりさが下品に笑う。箱のようなものを耳に当てている人間は、
挨拶をすると何かくれる。まりさのゆん生で唯一学んだ知恵だった。
「こんどはあのにんげんにするんだぜ!」
次に目を付けたのは、携帯電話に向かって激しく言い募っているような男。
まりさは知る由も無いが、その男は今、彼女に別れ話を切り出された所だった・・・・・・。
即興 都会の輪舞30 「ミシン」
糸を選ぶ。針をつける。上糸をかける。ボビンをセットして下糸を付ける。
準備が終わったら、端切れの布を使って正常に動作する事を確認する。
ミシンを使う準備をするとき、私はいつも幸福な思いで胸が満たされる。
私の傍らには一匹のゆっくりれいむが、怯えたような顔でもがいている。
「ミシンを使うときは、手を真っ直ぐにしなさい」
私はれいむに笑いかける。その舌を掴むと、ミシン台に載せた。
「どうしてお前はそんなこともできないの?この愚図」
囁くように言いながら、私はミシンをスタートさせた。
別に、このれいむが何をした訳ではない。ただ、黒髪のその長さや目元。口元。
その他全てが、私には亡くなった母の面影を・・・・・・厳しかった母の面影を、
感じさせるというだけ。ミシンの技を私に叩きこんだ、母の。
準備が終わったら、端切れの布を使って正常に動作する事を確認する。
ミシンを使う準備をするとき、私はいつも幸福な思いで胸が満たされる。
私の傍らには一匹のゆっくりれいむが、怯えたような顔でもがいている。
「ミシンを使うときは、手を真っ直ぐにしなさい」
私はれいむに笑いかける。その舌を掴むと、ミシン台に載せた。
「どうしてお前はそんなこともできないの?この愚図」
囁くように言いながら、私はミシンをスタートさせた。
別に、このれいむが何をした訳ではない。ただ、黒髪のその長さや目元。口元。
その他全てが、私には亡くなった母の面影を・・・・・・厳しかった母の面影を、
感じさせるというだけ。ミシンの技を私に叩きこんだ、母の。
タタタタタタタタタタタ・・・・・・
ミシンが踊り続ける。昔は、ミシンの作動音が大嫌いだった。
でも今は、聞くだけでうっとりとしてしまう。れいむの舌に刺繍を施しながら、私は微笑んだ。
ミシンが踊り続ける。昔は、ミシンの作動音が大嫌いだった。
でも今は、聞くだけでうっとりとしてしまう。れいむの舌に刺繍を施しながら、私は微笑んだ。
即興 都会の輪舞31 「宝箱」
「大富豪○○氏の飼いゆっくり、逃げ出す」
ある日の新聞の見出しに、こんな文章が躍った。逃げ出したのは、氏が飼っていたれいむ。
氏は莫大な懸賞金をかけ、広く捕獲を訴えた。
その日から、街のれいむは宝くじのチケットになった。
誰もが、れいむと見れば捕獲し、尋問し、失望しては殺した。
しばらくして、街にとある噂が流れる。氏がれいむに莫大な懸賞金をかけているのは、
実はペットだからと言うだけの理由ではないのだ、と。
その噂とは、氏は件のれいむに餌をやる際に、嵌めていた指輪を呑みこまれてしまった。しかし、
殺すのは可愛そうなのでそのまま飼い続けた、というものだ。
しばらくして、またしても件のれいむが新聞の見出しを飾った。
「大富豪○○氏の飼いゆっくり、飾りが発見される」
リボンを構成する繊維状の特殊な糖分が、○○氏の家に残った物と一致したらしい。
なお、記事には飾りに付いた歯型から、すでにれいむは他のゆっくりに喰い殺された可能性が高いと書いてあった。
その日から、街の全てのゆっくりは、動いて喋る宝箱になった。
誰もが、ゆっくりと見れば捕獲し、解体し、失望しては殺すようになった。
ある日の新聞の見出しに、こんな文章が躍った。逃げ出したのは、氏が飼っていたれいむ。
氏は莫大な懸賞金をかけ、広く捕獲を訴えた。
その日から、街のれいむは宝くじのチケットになった。
誰もが、れいむと見れば捕獲し、尋問し、失望しては殺した。
しばらくして、街にとある噂が流れる。氏がれいむに莫大な懸賞金をかけているのは、
実はペットだからと言うだけの理由ではないのだ、と。
その噂とは、氏は件のれいむに餌をやる際に、嵌めていた指輪を呑みこまれてしまった。しかし、
殺すのは可愛そうなのでそのまま飼い続けた、というものだ。
しばらくして、またしても件のれいむが新聞の見出しを飾った。
「大富豪○○氏の飼いゆっくり、飾りが発見される」
リボンを構成する繊維状の特殊な糖分が、○○氏の家に残った物と一致したらしい。
なお、記事には飾りに付いた歯型から、すでにれいむは他のゆっくりに喰い殺された可能性が高いと書いてあった。
その日から、街の全てのゆっくりは、動いて喋る宝箱になった。
誰もが、ゆっくりと見れば捕獲し、解体し、失望しては殺すようになった。
即興 都会の輪舞32 「約束」
「まりさ。言われた通り、遊び道具を持って来たよ」
私はペットのまりさに、青い波のような模様の入ったビー玉を差し出した。
「あぁーん?なんなのぜ?そのしょぼいのは!こんなこどもだましでこのまりささまが
よろこぶとでもおもってたのぜ?」
私が差し出したビー玉をまりさは、ゴミを見るような目で見る。
「もういいからさっさとあまあまもってこいくそどれい!」
にやにやと汚らしい笑みを浮かべながら、まりさが凄んだ。
「まりさ。覚えてないのか?あのビー玉は、お前が野良ゆっくりだった時、私がお前を拾った時に、
宝物だって言ってた物じゃないか。
覚えてないのか?お前を拾う時に、お前の母親と約束した事を。お前がいつの日か、幸せに慣れすぎたら。
ビー玉一つを美しいと、宝物だと思える心を失くしてしまったら、お前を捨てると約束した事を」
私は手を伸ばし、まりさの帽子ごと頭髪を掴んだ。
「忘れたなら、思い出してみると良いよまりさ。外の世界がどんなものだったのかをね」
私はまりさの髪を握り締め、まりさを拾った場所に向かった。
まりさがもう一度、この青いビー玉を宝物だと思えるようになれば良いと思った。
私はペットのまりさに、青い波のような模様の入ったビー玉を差し出した。
「あぁーん?なんなのぜ?そのしょぼいのは!こんなこどもだましでこのまりささまが
よろこぶとでもおもってたのぜ?」
私が差し出したビー玉をまりさは、ゴミを見るような目で見る。
「もういいからさっさとあまあまもってこいくそどれい!」
にやにやと汚らしい笑みを浮かべながら、まりさが凄んだ。
「まりさ。覚えてないのか?あのビー玉は、お前が野良ゆっくりだった時、私がお前を拾った時に、
宝物だって言ってた物じゃないか。
覚えてないのか?お前を拾う時に、お前の母親と約束した事を。お前がいつの日か、幸せに慣れすぎたら。
ビー玉一つを美しいと、宝物だと思える心を失くしてしまったら、お前を捨てると約束した事を」
私は手を伸ばし、まりさの帽子ごと頭髪を掴んだ。
「忘れたなら、思い出してみると良いよまりさ。外の世界がどんなものだったのかをね」
私はまりさの髪を握り締め、まりさを拾った場所に向かった。
まりさがもう一度、この青いビー玉を宝物だと思えるようになれば良いと思った。
即興 都会の輪舞33 「ゆらゆら」
「ゆっくりできないゆっくりは、ゆっくりしないでおとりになるんだぜ!」
私がゴミを捨てに行くと、柱の陰から、飾りの無いれいむが押し出されてきた。
「に、に、くそにんげん!ここはれいむのゆっくりぷれいずだよ!ゆっぐりじないでじね!!」
目に涙を溜めたれいむが、私に向かって頬を膨らます。
「ばかなにんげんがきをとられてるすきに、まりさはいくんだぜ!」
私の隙を突い・・・・・・たつもりのまりさが、尻を振り振りゴミ袋ににじり寄る。
私はゴミ袋の封を開け、まりさを掬い入れる。それから少しだけ迷った後、れいむもゴミ袋に入れた。
しかしゆっくりは、醜い。喋らなければ割と可愛いのに。
でももし、ゆっくりが喋らなかったら、私はどうしていただろう?
飾りの無いれいむを脅していたまりさは、動物の癖に悪知恵が働いて可愛くない。だから、潰す。
れいむには、健気だと言って餌をやる。そんな事をする気がする。
それは、欠損のある個体を助け、正常個体を殺すと言う事だ。
結局、一番悪辣なのは、人間なのかもしれない。
ゆっくりの見た目がもっと、気持ち悪ければ良かったのに。私はそう思いながら二匹を。
私がゴミを捨てに行くと、柱の陰から、飾りの無いれいむが押し出されてきた。
「に、に、くそにんげん!ここはれいむのゆっくりぷれいずだよ!ゆっぐりじないでじね!!」
目に涙を溜めたれいむが、私に向かって頬を膨らます。
「ばかなにんげんがきをとられてるすきに、まりさはいくんだぜ!」
私の隙を突い・・・・・・たつもりのまりさが、尻を振り振りゴミ袋ににじり寄る。
私はゴミ袋の封を開け、まりさを掬い入れる。それから少しだけ迷った後、れいむもゴミ袋に入れた。
しかしゆっくりは、醜い。喋らなければ割と可愛いのに。
でももし、ゆっくりが喋らなかったら、私はどうしていただろう?
飾りの無いれいむを脅していたまりさは、動物の癖に悪知恵が働いて可愛くない。だから、潰す。
れいむには、健気だと言って餌をやる。そんな事をする気がする。
それは、欠損のある個体を助け、正常個体を殺すと言う事だ。
結局、一番悪辣なのは、人間なのかもしれない。
ゆっくりの見た目がもっと、気持ち悪ければ良かったのに。私はそう思いながら二匹を。
即興 都会の輪舞34 「シトリン」
コンビニでティラミスとプリン、それからレジの横に置いてある安い羊羹を買って、私は家に帰った。
「おねーさんおかえりなさい!」
玄関を開けるといつも通り、れいむが笑顔で出迎えてくれる。とても愛らしい私のペットだ。
「すーり!すーり!しあゆびぃ!!」
足元に擦り寄ってくるれいむを、蹴り飛ばした。
「おねーざんなにずるのおおぉぉぃいいぃぃぶぇゆぅぅぅぅ!!」
抗議して見上げるその頭を踏みつけ、踏みにじる。しゃがみこみ、涙に濡れる瞳を覗きこんで、顔を平手で張る。
一回、二回、三回。怯えるれいむの姿を心行くまで堪能したら、れいむを持ちあげて左右に振り回す。
れいむが目を回してしまうまで、それを続けた。
「おねーさんおかえりなさい!」
玄関を開けるといつも通り、れいむが笑顔で出迎えてくれる。とても愛らしい私のペットだ。
「すーり!すーり!しあゆびぃ!!」
足元に擦り寄ってくるれいむを、蹴り飛ばした。
「おねーざんなにずるのおおぉぉぃいいぃぃぶぇゆぅぅぅぅ!!」
抗議して見上げるその頭を踏みつけ、踏みにじる。しゃがみこみ、涙に濡れる瞳を覗きこんで、顔を平手で張る。
一回、二回、三回。怯えるれいむの姿を心行くまで堪能したら、れいむを持ちあげて左右に振り回す。
れいむが目を回してしまうまで、それを続けた。
何か嫌な事があった時、私はれいむを虐める。嫌な事をすぐ忘れ、良かった事だけを記憶する
ゆっくりは、何をやっても甘いものをあげれば、された事を忘れてしまう。
「ねぇれいむ、私のこと好き?」
「うん!おねーさんやさしくてとってもゆっくりしてるから、れいむおねーさんがだいすきだよ!」
私も大好きだよれいむ。ティラミスを口に運びながら、羊羹を頬張るれいむの愛らしい姿を眺めた。
ゆっくりは、何をやっても甘いものをあげれば、された事を忘れてしまう。
「ねぇれいむ、私のこと好き?」
「うん!おねーさんやさしくてとってもゆっくりしてるから、れいむおねーさんがだいすきだよ!」
私も大好きだよれいむ。ティラミスを口に運びながら、羊羹を頬張るれいむの愛らしい姿を眺めた。
即興 都会の輪舞35 「ガーネット」
可愛がっていたぱちゅりーが死んだ。悲しいけど、死ぬ寸前に赤ぱちゅりーを生んだから私は平気だ。
「おねーしゃん!ぱちぇごほんがよみちゃいわ!」
「わたしの家には本は無いよぱちゅりー。その代わり、私が色々な事を教えてあげる」
「ぱちぇはごほんがよみちゃいのおぉぉ!!」
「ね、我儘言わないでよぱちゅりー。あまあま食べる?」
私の手の上でクッキーを齧る赤ぱちゅりーを見て、私はうっとりと微笑んだ。
「おねーしゃん!ぱちぇごほんがよみちゃいわ!」
「わたしの家には本は無いよぱちゅりー。その代わり、私が色々な事を教えてあげる」
「ぱちぇはごほんがよみちゃいのおぉぉ!!」
「ね、我儘言わないでよぱちゅりー。あまあま食べる?」
私の手の上でクッキーを齧る赤ぱちゅりーを見て、私はうっとりと微笑んだ。
そして時がたち、ぱちゅりーは成体になる。
もちろん私は、赤ぱちゅりーに何も教えなかった。本なんて読まなくて良い。知識なんて無くて良い。
ただ、笑って、私だけを求めていてくれればいい。この子の親は、そこを間違えた。
「おねーさん!おきて!ちこくしちゃうわよ!」
いつものように、ぱちゅりーが私を起こしに来る。この子ができるのはただ、それだけ。
後は私から餌を貰って、私にかまってもらうのを待って、日向ぼっこでもしていればいい。
丁寧に、丁寧にやすりがけした私のぱちゅりー。私に愛されるための理想のカタチ。
削り落された部分はきっと、あなたにはいらないものだったんだよ。
もちろん私は、赤ぱちゅりーに何も教えなかった。本なんて読まなくて良い。知識なんて無くて良い。
ただ、笑って、私だけを求めていてくれればいい。この子の親は、そこを間違えた。
「おねーさん!おきて!ちこくしちゃうわよ!」
いつものように、ぱちゅりーが私を起こしに来る。この子ができるのはただ、それだけ。
後は私から餌を貰って、私にかまってもらうのを待って、日向ぼっこでもしていればいい。
丁寧に、丁寧にやすりがけした私のぱちゅりー。私に愛されるための理想のカタチ。
削り落された部分はきっと、あなたにはいらないものだったんだよ。
都会の輪舞36 「オプシディアン」
それは、ほんの戯れの台詞のつもりだった。
いつものようにれいむにクッキーを上げる時に、私はつい聞いてしまったのだ。
「ねぇれいむ。私とクッキーどっちが好き?」
もちろん私は、れいむが自分を選んだくれるだなんて自惚れていた訳ではない。ゆっくりが
甘いものを好む事は知っている。でも、れいむは生まれてすぐに私の家に来て、成体になるまで
手塩にかけて育てた自慢のゆっくりだ。愛情も、手間も、お金も、かけられるだけかけてあげたつもりだ。
「くっきーさんだよ!」
れいむが笑顔で即答した時、私の中で何かが切れた。
いつものようにれいむにクッキーを上げる時に、私はつい聞いてしまったのだ。
「ねぇれいむ。私とクッキーどっちが好き?」
もちろん私は、れいむが自分を選んだくれるだなんて自惚れていた訳ではない。ゆっくりが
甘いものを好む事は知っている。でも、れいむは生まれてすぐに私の家に来て、成体になるまで
手塩にかけて育てた自慢のゆっくりだ。愛情も、手間も、お金も、かけられるだけかけてあげたつもりだ。
「くっきーさんだよ!」
れいむが笑顔で即答した時、私の中で何かが切れた。
れいむは、私の方が好きだって言うべきだった。少なくとも、悩むべきだった。それも出来ないなら、
悩むふりぐらいするべきだった。
だから、私は正しい。きっと正しい。悪いのは恩知らずなれいむで、私じゃない。
「~っ!ぁ!あ!あぁぁ!!」
荒い息をつきながら我に帰った時、そこにはぐちゃぐちゃに潰れた餡子の塊があるだけだった。
可愛がっていたのに。あんなに愛していたのに。私は泣いた。泣きながら、もう一度餡子を蹴り飛ばした。
悩むふりぐらいするべきだった。
だから、私は正しい。きっと正しい。悪いのは恩知らずなれいむで、私じゃない。
「~っ!ぁ!あ!あぁぁ!!」
荒い息をつきながら我に帰った時、そこにはぐちゃぐちゃに潰れた餡子の塊があるだけだった。
可愛がっていたのに。あんなに愛していたのに。私は泣いた。泣きながら、もう一度餡子を蹴り飛ばした。
都会の輪舞37 「オアシスと大食の獣」
「「ぽーか、ぽーか、ぬくぬくー!!」」
冬。都会に住むゆっくり達は、住処を確保する事に必死だ。
そんな中、余熱で暖かい自動販売機の裏は、ゆっくりにはオアシスのような存在だ。
番のゆっくりがゆっくりしていると、自動販売機の前に一台の軽トラックが止まった。
中から二人の人間が出てくる。ゆっくりできない二匹は、人間の前に飛び出した。
「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ!」
「ゆっくりしないでどこかにいってね!ぷくー!!」
「あー、いやがった。俺補充やっとくから頼むわ」
「分かりましたー」
若い方が、トラックから袋を取り出す。そこには、ゆっくりの死骸が山のように入っていた。
死臭に怯える二匹。若い男は二匹を捕まえ、袋に詰め、潰した。
「行く先々で、ジュースの代わりにトラックにゆっくりを詰めて。しかしこうしてみると俺ら、
自販機のフォロー業者って言うより、ゆっくりの駆除業者みたいですよね」
「まぁなぁ。でも、行く先々でゆっくりにぎゃーぎゃー言われるよりマシだろ」
トラックが走り去った後、そこには誰もいない。まるで大食の獣が、全てを食み尽したかのように。
冬。都会に住むゆっくり達は、住処を確保する事に必死だ。
そんな中、余熱で暖かい自動販売機の裏は、ゆっくりにはオアシスのような存在だ。
番のゆっくりがゆっくりしていると、自動販売機の前に一台の軽トラックが止まった。
中から二人の人間が出てくる。ゆっくりできない二匹は、人間の前に飛び出した。
「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ!」
「ゆっくりしないでどこかにいってね!ぷくー!!」
「あー、いやがった。俺補充やっとくから頼むわ」
「分かりましたー」
若い方が、トラックから袋を取り出す。そこには、ゆっくりの死骸が山のように入っていた。
死臭に怯える二匹。若い男は二匹を捕まえ、袋に詰め、潰した。
「行く先々で、ジュースの代わりにトラックにゆっくりを詰めて。しかしこうしてみると俺ら、
自販機のフォロー業者って言うより、ゆっくりの駆除業者みたいですよね」
「まぁなぁ。でも、行く先々でゆっくりにぎゃーぎゃー言われるよりマシだろ」
トラックが走り去った後、そこには誰もいない。まるで大食の獣が、全てを食み尽したかのように。
即興 都会の輪舞38 「レミングスの祝祭」
「ねぇぱちゅりー。『えっとうじゅんび』ってなに?」
秋深きある日。れいむが長のぱちゅりーに聞いた。
街に住むゆっくりたちの中には、賢い個体をコアとして小さな群れをつくる者もいる。
この群れのコアはぱちゅりー。飼いゆっくり時代に様々な知識を貯め込んでいた。
「むきゅ、れいむ。『えっとうじゅんび』は、ゆっくりがむかしひつようだったことよ。おやまさんでは、
ふゆさんにごはんさんがなくなるの。だから、ごはんさんをあきさんにためて、ふゆさんにそなえるのよ」
「でもぱちゅりー。ここにはごはんさんなんてないよ?」
答えを聞いたれいむが首を傾げる。山ならともかく、都会には秋の恵みなどと言う物はほとんど無い。
「そうね。だから、とかいでは『えっとうじゅんび』はしなくてもいいのよ。あきさんにごはんさんがないかわりに、
ここではふゆさんにもごはんさんがあるはずよ。そうじゃないと『ふこうへい』でしょ?」
「そうなんだね!わかったよぱちゅりー!」
秋深きある日。れいむが長のぱちゅりーに聞いた。
街に住むゆっくりたちの中には、賢い個体をコアとして小さな群れをつくる者もいる。
この群れのコアはぱちゅりー。飼いゆっくり時代に様々な知識を貯め込んでいた。
「むきゅ、れいむ。『えっとうじゅんび』は、ゆっくりがむかしひつようだったことよ。おやまさんでは、
ふゆさんにごはんさんがなくなるの。だから、ごはんさんをあきさんにためて、ふゆさんにそなえるのよ」
「でもぱちゅりー。ここにはごはんさんなんてないよ?」
答えを聞いたれいむが首を傾げる。山ならともかく、都会には秋の恵みなどと言う物はほとんど無い。
「そうね。だから、とかいでは『えっとうじゅんび』はしなくてもいいのよ。あきさんにごはんさんがないかわりに、
ここではふゆさんにもごはんさんがあるはずよ。そうじゃないと『ふこうへい』でしょ?」
「そうなんだね!わかったよぱちゅりー!」
言うまでもなく、都会においても冬には植物は枯れ果て、ゆっくりが食べる物は無くなる。
都会に住むゆっくりの中に、都会の越冬方法を知る個体はいない。
都会に住むゆっくりの中に、都会の越冬方法を知る個体はいない。
即興 都会の輪舞39 「蔓に生るマトリョーシカ」
今日俺は、飼いゆっくりの番を捨てた。理由は、馬鹿だから。
二匹が赤ゆっくりの頃から、俺は二匹を厳しく躾け、色んな事を叩きこんだ。
「「ゆっくりりかいしたよ!」」
二匹はいつも、返事だけは良い。しかし、次の日には言われた事を破った。
捨てようかとも思ったが、一度飼ったペットを出来が悪いからと捨てるのは、無責任な気がした。
二匹が成体になった時、俺はこれだけは、と特別に念を押して二匹に言った。
子供を作るなと。絶対に、子供だけは作るなと。他の何を忘れても、これだけは破るなと。
「「ゆっくりりかいしたよ!」」
二匹は眉をキリっとさせ、とても良い返事を返してきた。
そして翌日。当たり前のように、二匹は子供を作っていた。
こいつらは赤ん坊を作るのを止めないだろう。このままじゃ俺の家がゆっくりで埋まってしまう。
俺はようやく、二匹を捨てる決心をした。だが、蔦に生る赤ん坊に罪は無い。
蔦から生まれ落ちた赤ゆっくりに俺は、俺が親であり、俺の言う事を聞かなくてはいけないと言ってやった。
「ゆっきゅりりかいしちゃよ!」
赤れいむは、キリっとした顔で、とても良い返事を返してきた。
二匹が赤ゆっくりの頃から、俺は二匹を厳しく躾け、色んな事を叩きこんだ。
「「ゆっくりりかいしたよ!」」
二匹はいつも、返事だけは良い。しかし、次の日には言われた事を破った。
捨てようかとも思ったが、一度飼ったペットを出来が悪いからと捨てるのは、無責任な気がした。
二匹が成体になった時、俺はこれだけは、と特別に念を押して二匹に言った。
子供を作るなと。絶対に、子供だけは作るなと。他の何を忘れても、これだけは破るなと。
「「ゆっくりりかいしたよ!」」
二匹は眉をキリっとさせ、とても良い返事を返してきた。
そして翌日。当たり前のように、二匹は子供を作っていた。
こいつらは赤ん坊を作るのを止めないだろう。このままじゃ俺の家がゆっくりで埋まってしまう。
俺はようやく、二匹を捨てる決心をした。だが、蔦に生る赤ん坊に罪は無い。
蔦から生まれ落ちた赤ゆっくりに俺は、俺が親であり、俺の言う事を聞かなくてはいけないと言ってやった。
「ゆっきゅりりかいしちゃよ!」
赤れいむは、キリっとした顔で、とても良い返事を返してきた。
即興 都会の輪舞40 「闘魚の交」
「ゆっくりしていってね!」
「「ゆっくりしていってね!!」」
ペットショップでは日夜、人間のためにゆっくりの教育がおこなわれている。
「しゃっしゃとごはんしゃんもっちぇこい!くじゅ!」
ゲスは間引かれる。
「むーちゃ!むーちゃ!うめっぱねっ」
馬鹿は間引かれる。
「ゆっぐ・・・・・・ゆっぐぅ・・・・・・もうやぢゃぁ・・・・・・おうちきゃえりゅうぅぅ・・・・・・・」
笑わないモノは、間引かれる。
「おねーちゃんちょはにゃればにゃれになりちゃくにゃいよおおぉ・・・・・・」
人間より家族を優先する個体は、間引かれる。
ゆっくりより人間に懐き、人間を癒すゆっくり。それがペットショップと人間の求めるものだ。
言いかえればそれは、奴隷のような愛玩動物。あるいは、愛玩動物のような奴隷。
人間無しには生きて行けなくなったゆっくりを、人間は可愛がる。
可愛がる事はできなくなったらどうするって?そりゃぁ、奴隷に権利なんて物は無いから、ね。
「「ゆっくりしていってね!!」」
ペットショップでは日夜、人間のためにゆっくりの教育がおこなわれている。
「しゃっしゃとごはんしゃんもっちぇこい!くじゅ!」
ゲスは間引かれる。
「むーちゃ!むーちゃ!うめっぱねっ」
馬鹿は間引かれる。
「ゆっぐ・・・・・・ゆっぐぅ・・・・・・もうやぢゃぁ・・・・・・おうちきゃえりゅうぅぅ・・・・・・・」
笑わないモノは、間引かれる。
「おねーちゃんちょはにゃればにゃれになりちゃくにゃいよおおぉ・・・・・・」
人間より家族を優先する個体は、間引かれる。
ゆっくりより人間に懐き、人間を癒すゆっくり。それがペットショップと人間の求めるものだ。
言いかえればそれは、奴隷のような愛玩動物。あるいは、愛玩動物のような奴隷。
人間無しには生きて行けなくなったゆっくりを、人間は可愛がる。
可愛がる事はできなくなったらどうするって?そりゃぁ、奴隷に権利なんて物は無いから、ね。
即興 都会の輪舞41 「ブランケット、クッキー、ダンボール」
「あー、いっつももったいねーよなーこれ」
とある家電量販店の裏手。ダンボールに入った大量のクッキーとブランケットを見下ろして、俺は呟いた。
俺はここで働いている。俺が今見下ろしている物は、人寄せに無料で配るはずだった、
キャンペーンの景品だ。予定していたより人が集まらず、余ってしまったのだ。
ダンボールを足で蹴っていると、ゆっくりが近づいてきた。
「に、にんげんさん。それ、すてるんだったらくれませんか・・・・・・?」
「おねがいじばず!ぞれがあればえっとうっがでぎるんでずぅ!!」
野良ゆっくりの要求に、俺は目を細めた。
ダンボールの中にブランケットを敷けば、野良ゆっくりには最上級の住処になるだろう。
甘い甘いクッキーは、さぞかし野良ゆっくりには栄養になるだろう。
この物資を全てやれば、近辺の野良ゆっくりが冬を越える確率は、一気に跳ね上がるだろう。
気持ち悪いこの饅頭どもが?冗談じゃねぇ。
俺はおどおどと見上げる二匹を踏み殺し、ダンボールに突っ込んだ。
「ほんともったいねーよなー、これ」
俺はダンボールを持ちあげると、新品のブランケットとクッキーを、捨てに行った。
とある家電量販店の裏手。ダンボールに入った大量のクッキーとブランケットを見下ろして、俺は呟いた。
俺はここで働いている。俺が今見下ろしている物は、人寄せに無料で配るはずだった、
キャンペーンの景品だ。予定していたより人が集まらず、余ってしまったのだ。
ダンボールを足で蹴っていると、ゆっくりが近づいてきた。
「に、にんげんさん。それ、すてるんだったらくれませんか・・・・・・?」
「おねがいじばず!ぞれがあればえっとうっがでぎるんでずぅ!!」
野良ゆっくりの要求に、俺は目を細めた。
ダンボールの中にブランケットを敷けば、野良ゆっくりには最上級の住処になるだろう。
甘い甘いクッキーは、さぞかし野良ゆっくりには栄養になるだろう。
この物資を全てやれば、近辺の野良ゆっくりが冬を越える確率は、一気に跳ね上がるだろう。
気持ち悪いこの饅頭どもが?冗談じゃねぇ。
俺はおどおどと見上げる二匹を踏み殺し、ダンボールに突っ込んだ。
「ほんともったいねーよなー、これ」
俺はダンボールを持ちあげると、新品のブランケットとクッキーを、捨てに行った。
即興 都会の輪舞42 「ナイフで切った傷口のように」
ゆっくりを騙すのは、とても容易い。
どんなに凄惨な事をしてやっても、最後に甘いものをやれば、あいつらは俺を、「良い人間」だと思いこむ。
単純だ。本当に単純だ。馬鹿だ。本当に馬鹿だ。虐められる事しか存在意義の無い無価値な奴らだ。
「おいくそにんげん!ここはまりささまのなわばりなんだぜ!」
にやにやと笑うまりさを家に連れて帰り、全ての希望を叩き折る。
「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!」
でぶでぶと肥え太ったれいむのあんよを削ぎ落し、恨みを持った野良の前に差し出してやる。
「んほおおおおぉぉぉぉ!!」
気持ちの悪いれいぱーを踏みつぶす。
「にんげんさん!ぱちぇはかしこいのよむきょきょ!!」
ぱちゅりーは野良では珍しいが、容赦せずに虐め倒す。
こいつらを虐めると、俺の心に熱が灯る。灯った熱は、一時俺の心を温めてくれる。でも、
全てが終わった後やってくるのは、鈍い痛み。後悔と言う名の傷口が、じくじくと痛み出す。
俺はゆっくりを殺す時、最後に甘いものをやる。ゆっくりたちは、俺に感謝しながら死んでいく。
俺は良い人間だ。俺は、悪くない。 俺は、悪くない。
どんなに凄惨な事をしてやっても、最後に甘いものをやれば、あいつらは俺を、「良い人間」だと思いこむ。
単純だ。本当に単純だ。馬鹿だ。本当に馬鹿だ。虐められる事しか存在意義の無い無価値な奴らだ。
「おいくそにんげん!ここはまりささまのなわばりなんだぜ!」
にやにやと笑うまりさを家に連れて帰り、全ての希望を叩き折る。
「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!」
でぶでぶと肥え太ったれいむのあんよを削ぎ落し、恨みを持った野良の前に差し出してやる。
「んほおおおおぉぉぉぉ!!」
気持ちの悪いれいぱーを踏みつぶす。
「にんげんさん!ぱちぇはかしこいのよむきょきょ!!」
ぱちゅりーは野良では珍しいが、容赦せずに虐め倒す。
こいつらを虐めると、俺の心に熱が灯る。灯った熱は、一時俺の心を温めてくれる。でも、
全てが終わった後やってくるのは、鈍い痛み。後悔と言う名の傷口が、じくじくと痛み出す。
俺はゆっくりを殺す時、最後に甘いものをやる。ゆっくりたちは、俺に感謝しながら死んでいく。
俺は良い人間だ。俺は、悪くない。 俺は、悪くない。
即興 都会の輪舞43 「食べたくなるもの」
たまぁに、生肉が食べたくなる時がある。
焼き肉屋に行ってユッケなんかを食べながら、人間にも何だかんだで、昔の食生活の
記憶がどこかに残ってるのかもなぁ、なーんて、そんな事を考えた。
「ただいま、れいむ」
焼き肉屋から帰った俺は、飼いゆっくりのれいむの頭を撫でまわした。
「今日も元気にしてたか?」
「きょうもいっぱいゆっくりしてたよ!」
「今日の餌は普通だけど、何か食べたい物とか無いか?明日買ってきてやるよ」
「ゆゆっ、いいの?おにーさん!じゃあれいむ、おまんじゅうさんがたべたいよ!」
「饅頭って・・・・・・。何でわざわざ饅頭なんだ?」
「おまんじゅうさんいけないの?たべたくなっただけだよ。たまにたべたくなるんだよ」
「ふぅん・・・・・・」
饅頭が悪い訳じゃないし、そもそも俺の勝手な連想だし。別にれいむに他意は無いんだろう。
それでも何だか、俺は釈然としなかった。人間に飼われるようになる前のゆっくりは、
ひ弱なゆっくりは、野生では何を食べていたんだろう?そんな事を考えてしまって。
焼き肉屋に行ってユッケなんかを食べながら、人間にも何だかんだで、昔の食生活の
記憶がどこかに残ってるのかもなぁ、なーんて、そんな事を考えた。
「ただいま、れいむ」
焼き肉屋から帰った俺は、飼いゆっくりのれいむの頭を撫でまわした。
「今日も元気にしてたか?」
「きょうもいっぱいゆっくりしてたよ!」
「今日の餌は普通だけど、何か食べたい物とか無いか?明日買ってきてやるよ」
「ゆゆっ、いいの?おにーさん!じゃあれいむ、おまんじゅうさんがたべたいよ!」
「饅頭って・・・・・・。何でわざわざ饅頭なんだ?」
「おまんじゅうさんいけないの?たべたくなっただけだよ。たまにたべたくなるんだよ」
「ふぅん・・・・・・」
饅頭が悪い訳じゃないし、そもそも俺の勝手な連想だし。別にれいむに他意は無いんだろう。
それでも何だか、俺は釈然としなかった。人間に飼われるようになる前のゆっくりは、
ひ弱なゆっくりは、野生では何を食べていたんだろう?そんな事を考えてしまって。
即興 都会の輪舞44 「金の卵、その中身は 上」
「はい、今日もお菓子持って来たよまりさ♪」
大通りから一つ曲がった路地の先、狭い狭い空き地の隅。幼い少女が、赤まりさに菓子をやっている。
「ありがちょー、にんげんしゃん!」
これまた幼いまりさが、少女に頭を撫でられながら、キャラメルを頬張っている。
少女は数日前、たまたまこの路地に立ち寄り、まりさを見つけた。一人と一匹は友誼を結び、
そして、少女はそれ以来、毎日菓子を持ってきている。
「おいくずにんげん!そのちびになにをやってるのぜ!」
少女と赤まりさが戯れていると、少女の後ろから、一匹の野良まりさが声をかけてきた。
野良にしては体が大きく、汚れ放題の体と所々千切れた帽子は、幼い少女には凄味があるように見えた。
「どれいだったらまりささまにあまあまをよこすべきだろうがああぁぁぁぁぁ!!」
野良まりさは、そう叫ぶといきなり少女に飛びかかる。しゃがんでいた少女はまりさの体当たりを受け、
バランスを崩して転んだ。その時、少女が持っていたキャラメルの箱が地面に落ちる。
「あまあまぁ!」
野良まりさは地面に散らばったキャラメルを貪る。
少女は目に涙を溜め、泣きながら走り去った。
大通りから一つ曲がった路地の先、狭い狭い空き地の隅。幼い少女が、赤まりさに菓子をやっている。
「ありがちょー、にんげんしゃん!」
これまた幼いまりさが、少女に頭を撫でられながら、キャラメルを頬張っている。
少女は数日前、たまたまこの路地に立ち寄り、まりさを見つけた。一人と一匹は友誼を結び、
そして、少女はそれ以来、毎日菓子を持ってきている。
「おいくずにんげん!そのちびになにをやってるのぜ!」
少女と赤まりさが戯れていると、少女の後ろから、一匹の野良まりさが声をかけてきた。
野良にしては体が大きく、汚れ放題の体と所々千切れた帽子は、幼い少女には凄味があるように見えた。
「どれいだったらまりささまにあまあまをよこすべきだろうがああぁぁぁぁぁ!!」
野良まりさは、そう叫ぶといきなり少女に飛びかかる。しゃがんでいた少女はまりさの体当たりを受け、
バランスを崩して転んだ。その時、少女が持っていたキャラメルの箱が地面に落ちる。
「あまあまぁ!」
野良まりさは地面に散らばったキャラメルを貪る。
少女は目に涙を溜め、泣きながら走り去った。
即興 都会の輪舞45 「金の卵、その中身は 中」
それからしばらくして。汚らしくキャラメルを食い散らかし、すっかり満足したまりさは、腹(?)を上にして、
すぴすぴと眠っていた。そんなまりさの元に、先程の少女が、一人の少年を連れて戻ってきた。
「げぴゅぅー。もっとあまあまもってくるんだぜ・・・・・・」
「おにぃちゃん、こいつ・・・・・・」
目に涙を浮かべた少女が、まりさを指し示した。
少年が持っていたバットを肩に担ぐ。目を眇めてまりさを冷ややかに見つめるが、まりさは目を覚まさない。
ただにたにたと嫌らしい笑みを浮かべながら、眠りこけているばかり。
その寝汚い様子に腹を立てた少年は、眉根を寄せてまりさを蹴り飛ばした。
「起きろコラぁ!」
「ゆげぇ!!」
「おい饅頭。お前、俺の妹泣かしてくれたってなぁ」
「いぢゃいいいぃぃぃ!!なんなの!?ゆゆっ!?さっきのどれい!もっとあまあまよこせ!まりささまは
にんげんにもかんたんにかつ、さいっきょうっせいぶつなんだぜ!!」
「湧いてんのかお前。頭の中のお花畑を現実に持ちこむんじゃねーよゴミ屑」
少年は、バットをまりさの脳天に思い切り、振り下ろした。
すぴすぴと眠っていた。そんなまりさの元に、先程の少女が、一人の少年を連れて戻ってきた。
「げぴゅぅー。もっとあまあまもってくるんだぜ・・・・・・」
「おにぃちゃん、こいつ・・・・・・」
目に涙を浮かべた少女が、まりさを指し示した。
少年が持っていたバットを肩に担ぐ。目を眇めてまりさを冷ややかに見つめるが、まりさは目を覚まさない。
ただにたにたと嫌らしい笑みを浮かべながら、眠りこけているばかり。
その寝汚い様子に腹を立てた少年は、眉根を寄せてまりさを蹴り飛ばした。
「起きろコラぁ!」
「ゆげぇ!!」
「おい饅頭。お前、俺の妹泣かしてくれたってなぁ」
「いぢゃいいいぃぃぃ!!なんなの!?ゆゆっ!?さっきのどれい!もっとあまあまよこせ!まりささまは
にんげんにもかんたんにかつ、さいっきょうっせいぶつなんだぜ!!」
「湧いてんのかお前。頭の中のお花畑を現実に持ちこむんじゃねーよゴミ屑」
少年は、バットをまりさの脳天に思い切り、振り下ろした。
即興 都会の輪舞46 「金の卵、その中身は 下」
殴打。打撃。拳打。餡子。扼。紫。スイング。ヒット。餡子。反撃。崩壊。破断。絶叫。衝撃。射出。
「お、おにぃちゃん、もう、いいよ・・・・・・」
少女がおどおどと兄の服の裾をつまむまでの間、少年はまりさを破壊し続けた。
「あ?お前に手出したやつ許すわけねーじゃん。こいつは殺し確定だよいーだろそれで」
帽子を破られ全身餡子まみれ。目が片方飛び出し歯が欠けたボロ雑巾のようなまりさが、それでも
まだ生きる事を諦めきれないのか、ずりずりと這って逃げ出そうとしている。少年は、逃げようとするまりさの
背中に向かってバットを大きく振りかぶり、風切り音を鈍く響かせて、振り下ろした。
少女が餡子塊となったまりさを悲しそうな、後味の悪そうな顔を見つめる。それから
「まりさ・・・・・・」
と呟くと、泣き出してしまった。
「ゆっ!よんじゃ?」
背の高い草の陰から、赤まりさが飛び出してきた。
「生きてたの!?」
「げしゅがあみゃあみゃたべちぇるあいだに、まりしゃはかくれちゃんだよ!」
少女が涙をふき、笑った。 そしてその日、一匹の野良ゆっくりが、飼いゆっくりになった。
「お、おにぃちゃん、もう、いいよ・・・・・・」
少女がおどおどと兄の服の裾をつまむまでの間、少年はまりさを破壊し続けた。
「あ?お前に手出したやつ許すわけねーじゃん。こいつは殺し確定だよいーだろそれで」
帽子を破られ全身餡子まみれ。目が片方飛び出し歯が欠けたボロ雑巾のようなまりさが、それでも
まだ生きる事を諦めきれないのか、ずりずりと這って逃げ出そうとしている。少年は、逃げようとするまりさの
背中に向かってバットを大きく振りかぶり、風切り音を鈍く響かせて、振り下ろした。
少女が餡子塊となったまりさを悲しそうな、後味の悪そうな顔を見つめる。それから
「まりさ・・・・・・」
と呟くと、泣き出してしまった。
「ゆっ!よんじゃ?」
背の高い草の陰から、赤まりさが飛び出してきた。
「生きてたの!?」
「げしゅがあみゃあみゃたべちぇるあいだに、まりしゃはかくれちゃんだよ!」
少女が涙をふき、笑った。 そしてその日、一匹の野良ゆっくりが、飼いゆっくりになった。
即興 都会の輪舞47 「雨の色とその重さ」
深深と雨の降る秋の日。公園の茂みの中に、震える一個の小さな饅頭が居た。
「だれかたちゅけちぇよおぉぉ・・・・・・もうかっちぇにおしょとにいっちゃりしにゃいかりゃあぁぁ・・・・・・」
茂みに頭から顔を突っ込み、突き出した尻を振る赤まりさ。どうやら親の言う事を聞かずに外に冒険に
飛びだし、途中で雨に見舞われたらしい。いかにも自業自得である。
赤まりさが泣き喚いていると、茂みに一匹の猫が入ってきた。赤まりさと同じく雨宿りに来たのであろう猫は、
雨露のしのげる所に来る事が出来たことを安堵するように小さく鼻息をつくと、目を閉じる。
「ゆうぅ!ねこしゃんぢゃ!そうぢゃ!ねこしゃんまりしゃのけらいにしちぇあげるね!
うれちいでちょ?だからまりしゃをおかーしゃんたちのところまでおくっちぇね!いますぐぢぇいいよ!」
地の文は評価を差し控えるが、赤まりさの頭の中では、これでもう自分は安全だ、と、そうなっている。
まりさの声に、猫が目を開ける。ぴこぴこわさわさふりふりと全身を動かすまりさは、
猫の狩猟本能をいたく刺激した。
雨が上がった時。そこには何も残っておらず、そして誰もいない。
「だれかたちゅけちぇよおぉぉ・・・・・・もうかっちぇにおしょとにいっちゃりしにゃいかりゃあぁぁ・・・・・・」
茂みに頭から顔を突っ込み、突き出した尻を振る赤まりさ。どうやら親の言う事を聞かずに外に冒険に
飛びだし、途中で雨に見舞われたらしい。いかにも自業自得である。
赤まりさが泣き喚いていると、茂みに一匹の猫が入ってきた。赤まりさと同じく雨宿りに来たのであろう猫は、
雨露のしのげる所に来る事が出来たことを安堵するように小さく鼻息をつくと、目を閉じる。
「ゆうぅ!ねこしゃんぢゃ!そうぢゃ!ねこしゃんまりしゃのけらいにしちぇあげるね!
うれちいでちょ?だからまりしゃをおかーしゃんたちのところまでおくっちぇね!いますぐぢぇいいよ!」
地の文は評価を差し控えるが、赤まりさの頭の中では、これでもう自分は安全だ、と、そうなっている。
まりさの声に、猫が目を開ける。ぴこぴこわさわさふりふりと全身を動かすまりさは、
猫の狩猟本能をいたく刺激した。
雨が上がった時。そこには何も残っておらず、そして誰もいない。
即興 都会の輪舞48 「鎖のようなもの」
右手に持ったアイスピックをゆっくりと、れいむの左目に刺し込む。
泣き叫ぶれいむの顔が良く見えるように、左手でれいむの顔を上向かせる。
れいむが暴れて、アイスピックが捻られる。その先端には、左目が突き刺さっている。
濡れた光沢のある眼球の表面を、つう、と粘度を持った液体が伝った。
左目を失ったれいむが、暴れる。暴れる。暴れる。
私はそんなれいむを見下ろすと、アイスピックを、今度はれいむの右目に刺し込んだ。
泣き叫ぶれいむの顔が良く見えるように、左手でれいむの顔を上向かせる。
れいむが暴れて、アイスピックが捻られる。その先端には、左目が突き刺さっている。
濡れた光沢のある眼球の表面を、つう、と粘度を持った液体が伝った。
左目を失ったれいむが、暴れる。暴れる。暴れる。
私はそんなれいむを見下ろすと、アイスピックを、今度はれいむの右目に刺し込んだ。
私はゆっくりに対して、どこまでも残酷になれる。自分でも不思議なほど。
犬、猫、人間・・・・・・ゆっくり以外には、こんなこと絶対に出来ないし、やろうとも思わないのに。
ずっとその理由を考えて、少しだけ分かった。ゆっくりは、私にとって虫と同じなのだ。
虫籠に入れ、飽きるまで世話をして、いつの間にか虫籠の中で干からびている。その程度の存在なのだ。
それでも、虫にだって魂がある。私は虫だって殺すのは嫌だ。でも、ゆっくりを殺すのは楽しい。
やっぱり良く分からない。分からないけれど、私はこれを止めないだろう。
不思議な気分だ。私の手が、勝手にれいむに伸びていた。
犬、猫、人間・・・・・・ゆっくり以外には、こんなこと絶対に出来ないし、やろうとも思わないのに。
ずっとその理由を考えて、少しだけ分かった。ゆっくりは、私にとって虫と同じなのだ。
虫籠に入れ、飽きるまで世話をして、いつの間にか虫籠の中で干からびている。その程度の存在なのだ。
それでも、虫にだって魂がある。私は虫だって殺すのは嫌だ。でも、ゆっくりを殺すのは楽しい。
やっぱり良く分からない。分からないけれど、私はこれを止めないだろう。
不思議な気分だ。私の手が、勝手にれいむに伸びていた。
即興 都会の輪舞49 「ティ・パァティ」
冬の夜の帰り道には、自販機の紅茶が似合う。
俺が、いつものようにいつもの自販機で紅茶を買おうとしていると、すぐそばから声が聞こえてきた。
「ゆーしょ、ゆーしょ!」
「たおれてね!ごみばこさんはゆっくりしないでたおれてね!!」
ここの自販機に据え付けられているゴミ箱は、安っぽい青いやつで、素材は何なのか知らないが、軽い。
あぁ、ここのゴミ箱が時々倒れてんの、お前らのせいか・・・・・・。
潰しても良いが、俺は、自販機で紅茶を買うこの時間が大好きなのだ。せっかくの気分を台無しにしたくない。
「おい饅頭」
「「ゆひぃ!」」
二匹のゆっくりが、文字通り飛びあがる。
「金輪際そのゴミ箱漁んの止めるか、今俺に潰されるか選べ」
「「わがりばじだああぁぁぁぁ!!やべばずううぅぅぅぅ!!!だがらごろざないでぐだざいいぃぃぃぃ!!」」
「よろしい。良い子のお前らにプレゼントをやろう」
俺は二本買った紅茶の内一本を開け、二匹の前に置いてやった。
あいつらはまたここを荒らしに来るだろう。でも、いいや。俺は抗茶を飲みながら、去っていく二匹を見つめた。
俺が、いつものようにいつもの自販機で紅茶を買おうとしていると、すぐそばから声が聞こえてきた。
「ゆーしょ、ゆーしょ!」
「たおれてね!ごみばこさんはゆっくりしないでたおれてね!!」
ここの自販機に据え付けられているゴミ箱は、安っぽい青いやつで、素材は何なのか知らないが、軽い。
あぁ、ここのゴミ箱が時々倒れてんの、お前らのせいか・・・・・・。
潰しても良いが、俺は、自販機で紅茶を買うこの時間が大好きなのだ。せっかくの気分を台無しにしたくない。
「おい饅頭」
「「ゆひぃ!」」
二匹のゆっくりが、文字通り飛びあがる。
「金輪際そのゴミ箱漁んの止めるか、今俺に潰されるか選べ」
「「わがりばじだああぁぁぁぁ!!やべばずううぅぅぅぅ!!!だがらごろざないでぐだざいいぃぃぃぃ!!」」
「よろしい。良い子のお前らにプレゼントをやろう」
俺は二本買った紅茶の内一本を開け、二匹の前に置いてやった。
あいつらはまたここを荒らしに来るだろう。でも、いいや。俺は抗茶を飲みながら、去っていく二匹を見つめた。
即興 都会の輪舞50 「狩りは野生と文明を隔てる」
ある時、一匹のゆっくりが、鳩の死骸を見つけた。
羽を口に咥えて引っ張ると、羽毛が一本抜け落ちた。
鳥の羽を集めて巣に持ち帰ると、とてもとても温かかった。
鳩を追いかけるようになったゆっくりは、小さくニュースになった。
ある時、一匹のゆっくりが、猫の死骸を見つけた。
毛皮に肌をすり寄せると、とても温かかった。
猫を追いかけるようになったゆっくり。追いかけている所を、人間に見られた。
ゆっくりは猫を狩る。その衝撃的なニュースは、瞬く間に全国に伝わった。
犬を飼う人、猫を飼う人。ペットを飼う、元々潜在的に、ゆっくりに好意的な人たち。
しかし、自分の大好きな犬や猫と、ゆっくりを天秤にかけた時、その人達のほとんどは・・・・・・。
羽を口に咥えて引っ張ると、羽毛が一本抜け落ちた。
鳥の羽を集めて巣に持ち帰ると、とてもとても温かかった。
鳩を追いかけるようになったゆっくりは、小さくニュースになった。
ある時、一匹のゆっくりが、猫の死骸を見つけた。
毛皮に肌をすり寄せると、とても温かかった。
猫を追いかけるようになったゆっくり。追いかけている所を、人間に見られた。
ゆっくりは猫を狩る。その衝撃的なニュースは、瞬く間に全国に伝わった。
犬を飼う人、猫を飼う人。ペットを飼う、元々潜在的に、ゆっくりに好意的な人たち。
しかし、自分の大好きな犬や猫と、ゆっくりを天秤にかけた時、その人達のほとんどは・・・・・・。
「ぴぃ・・・・・・ひぃ・・・・・・だずげでよおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」
既存のペットと共存できないとされた時、野良ゆっくりをペットとして拾う人はいなくなった。
そして、ゆっくりが肉を喰うという幻想は、偏見は、誤解は、人を恐れさせた。
人間は意思疎通のできる猛獣を・・・・・・ゆっくりを、根絶する事を決めた。
既存のペットと共存できないとされた時、野良ゆっくりをペットとして拾う人はいなくなった。
そして、ゆっくりが肉を喰うという幻想は、偏見は、誤解は、人を恐れさせた。
人間は意思疎通のできる猛獣を・・・・・・ゆっくりを、根絶する事を決めた。
END
あとがき
今回も読んで頂いてありがとうございました。
元々この即興、机に座った後の肩慣らしぐらいのつもりでやっていたシリーズなんですが、
最後のあたりネタ出しが辛いわ文字数制限が辛いわで一作にかかる時間が増えすぎて、
他の作業に支障をきたす本末転倒状態に陥っていたため、これにて都会の輪舞はおしまいです。
これからも好きなように好きな物を好きなペースで書いていくと思うので、
よろしければまた次作でお会いしましょう。
元々この即興、机に座った後の肩慣らしぐらいのつもりでやっていたシリーズなんですが、
最後のあたりネタ出しが辛いわ文字数制限が辛いわで一作にかかる時間が増えすぎて、
他の作業に支障をきたす本末転倒状態に陥っていたため、これにて都会の輪舞はおしまいです。
これからも好きなように好きな物を好きなペースで書いていくと思うので、
よろしければまた次作でお会いしましょう。
それではここまで読んでくださったあなたに感謝をささげつつ、今日はさようなら。
by ゆンテリアあき
モチベーションの維持や次作以降のクオリティアップのため、
お手間かと思いますが良かった点、悪かった点、要望、一言等何でも良いので
書きこんで頂けると嬉しいです。
お手間かと思いますが良かった点、悪かった点、要望、一言等何でも良いので
書きこんで頂けると嬉しいです。
書いた物一覧
anko0151 ある加工所の一幕
anko0177 ご用事なあに?
anko0203 1人は みんなのために
anko0207 数は罪 数は暴力 数は罰 上
anko0211ある日の加工場の一幕 2
anko0247 かわいいおちびちゃん
anko0280 数は罪 数は暴力 数は罰 中
anko0356 そりゃまぁその通りなのかも知れないがね
anko0359 ビスケットと名画
anko1117 ほぞんしょくのつくりかた~Persimmon trap~
anko1979 シュガースナップ・シュガースナッフ
anko2229 シュガースナッフ・メロウスイート
anko2539 都会の輪舞
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anko0356 そりゃまぁその通りなのかも知れないがね
anko0359 ビスケットと名画
anko1117 ほぞんしょくのつくりかた~Persimmon trap~
anko1979 シュガースナップ・シュガースナッフ
anko2229 シュガースナッフ・メロウスイート
anko2539 都会の輪舞
以上全て、ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー様に収録されています。