ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2657 ドスれいむを撃てPART1
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『ドスれいむを撃てPART1』 24KB
同族殺し 共食い 群れ ドスまりさ 自然界 現代 独自設定 とりあえず顔見せから
同族殺し 共食い 群れ ドスまりさ 自然界 現代 独自設定 とりあえず顔見せから
ドスまりさはしばしば出現するが、ドスれいむは珍しい存在だった。
珍しいからといって必ずしも価値があるというわけではないのだが。
あるゆっくり里があった。その里はドスれいむによって治められていた。
いや、治められているというのは正しくない。ドスは群れ長らしいことを何もしなかったからだ。
ドスは下位のゆっくりたちに一方的に食料などを要求するだけだった。
野盗が居座ってるようなものだった。
いや、もっと酷いかもしれない。
このドスは嗜虐的な性向があり、頻繁に群れゆっくりたちを制裁という名目で虐待した。
またかんしゃく持ちなためか、些細なことでも侮辱と受け取り、八つ当たり的な苛烈な制裁を行った。
当然、ゆっくりたちも黙ってはいない。この暴君ドスをなんとか取り除こうと様々な反逆計画を企てた。
真っ向勝負では端から勝負にならないので、まず最初に考えられたのは毒殺であった。
ゆっくりは辛いものが苦手で、時には死に至ることもあり、それはドスにも当てはまった。
だがこのドスは毒について詳しいのか(あるいは側近が入れ知恵するのか)いかなる毒も見破ってしまった。
そのたびに苛烈な報復で応えられた。備蓄した食糧、財産の没収、飾りの剥奪、目の前で子供を処刑する、などなど。
自力でのドス排除は不可能と悟ったゆっくりたちは、他者の力に頼るしかなかった。
あるとき、たまたまドスまりさが里の側を通りがかったことがあった。
しかも、このドスまりさはまだ自分の群れを持っていない放浪のドスだった。
偶然このドスまりさと出会うことのできたゆっくりたちは自分たちの窮状を訴え、ゲスドスれいむを廃して、新しい群れ長になってほしいと頼み込んだ。
見事訴えを聞き入れてくれたドスまりさは、ドスれいむと対決してくれることになった。
二体のドス対決は長時間に及んだ。
とても長い話し合いをしたのだ。
ドスれいむは最初から戦う姿勢を見せなかった。それどころかドスまりさを熱烈に歓迎したのだ。
下にも置かない褒めちぎる態度に、ドスまりさはすっかり気をよくした。
それでも、群れゆっくりたちの訴えを忘れることはなく、ドスれいむを追求してはくれたが、
ドスれいむはなにも言い返さずに平謝りするばかりで、ドスまりさはすっかり毒気を抜かれてしまった。
その上に自分の里を差し出すとまで言い放った。なんなら自分は出て行ってもいいと。
群れゆっくりたちには(できれば報復の制裁も欲しかったが)望ましい展開であったが、今度はドスまりさの方が遠慮しだした。
自分にはまだ一体で群れを治めるほどの実力はないのでドスれいむに補佐してほしいと提案したのだ。
それでも、このドスまりさが里に居てくれるなら良かったのだが……。
二体のドスはすっかり打ち解け、盛大に飲み食いしながら懇々と話し合った。(もちろん食料は群れゆっくりもちである)
そうして数日後に、ドスまりさは旅立った。自分の新たな群れを作り上げるために。
ドスれいむはこのドスまりさの属群れということになった。名目上は。
ドスれいむを従えたとすっかり信じ込んだドスまりさは、自分の力に自信を持ち、いくつもの里を連合させた大群れ長になるという野心を抱いたのだった。
群れゆっくりたちはドスまりさをなんとかして引きとめようと努力した。
だが、ドスまりさは自分の威容を信じきっており、ドスれいむはすっかり自分の忠実な部下になったと信じきっていた。
ゆっくりきっちり言い聞かせたからもう悪さはしない。なにかあったらドスが必ずゆっくり急いで駆けつける。
「あんなドススパークも吐けないドス、怖くもなんともないよ。全然大丈夫!」と言い残してゆっくりたちの必死の説得も虚しく去っていった。
ドスまりさはこの里に帰ってくることはなかった。
ゆっくりたちはドスれいむの卑屈さ、卑劣さ、狡猾さを大いに呪った。ドスまりさの単純さもついでに呪った。
無論のこと、ドスれいむの残虐な支配は終わらなかった。むしろますます酷くなっていった。
ドスれいむがあまりに暴食し、里ゆっくりたちの備蓄を食い尽くしてしまったため、ゆっくりたちは食料を集めに全精力を費やさなければならなかった。
そしてほどなく、通常は禁じられている手段を用いるしかなくなった。
つまり、人間の畑、である。
畑荒らしは見返りも大きいがそのリスクは多大なものだ。ゆえに普通の群れ長はゆっくりに畑荒らしを禁止させる。
だが、このドスは人間をまったく恐れていないようだった。人間の悪口を誰はばかることなく吐き出すこともあった。
ゆっくりを見下すプライドの高い人間が聞いたら脳の血管が破裂しそうな罵詈雑言もあった。
そのおかげで多くの群れゆっくりたちが捕まり、みせしめとして酷い拷問の果てに殺されていった。
だが、このことが後に反乱へのとっかかりともなった。
珍しいからといって必ずしも価値があるというわけではないのだが。
あるゆっくり里があった。その里はドスれいむによって治められていた。
いや、治められているというのは正しくない。ドスは群れ長らしいことを何もしなかったからだ。
ドスは下位のゆっくりたちに一方的に食料などを要求するだけだった。
野盗が居座ってるようなものだった。
いや、もっと酷いかもしれない。
このドスは嗜虐的な性向があり、頻繁に群れゆっくりたちを制裁という名目で虐待した。
またかんしゃく持ちなためか、些細なことでも侮辱と受け取り、八つ当たり的な苛烈な制裁を行った。
当然、ゆっくりたちも黙ってはいない。この暴君ドスをなんとか取り除こうと様々な反逆計画を企てた。
真っ向勝負では端から勝負にならないので、まず最初に考えられたのは毒殺であった。
ゆっくりは辛いものが苦手で、時には死に至ることもあり、それはドスにも当てはまった。
だがこのドスは毒について詳しいのか(あるいは側近が入れ知恵するのか)いかなる毒も見破ってしまった。
そのたびに苛烈な報復で応えられた。備蓄した食糧、財産の没収、飾りの剥奪、目の前で子供を処刑する、などなど。
自力でのドス排除は不可能と悟ったゆっくりたちは、他者の力に頼るしかなかった。
あるとき、たまたまドスまりさが里の側を通りがかったことがあった。
しかも、このドスまりさはまだ自分の群れを持っていない放浪のドスだった。
偶然このドスまりさと出会うことのできたゆっくりたちは自分たちの窮状を訴え、ゲスドスれいむを廃して、新しい群れ長になってほしいと頼み込んだ。
見事訴えを聞き入れてくれたドスまりさは、ドスれいむと対決してくれることになった。
二体のドス対決は長時間に及んだ。
とても長い話し合いをしたのだ。
ドスれいむは最初から戦う姿勢を見せなかった。それどころかドスまりさを熱烈に歓迎したのだ。
下にも置かない褒めちぎる態度に、ドスまりさはすっかり気をよくした。
それでも、群れゆっくりたちの訴えを忘れることはなく、ドスれいむを追求してはくれたが、
ドスれいむはなにも言い返さずに平謝りするばかりで、ドスまりさはすっかり毒気を抜かれてしまった。
その上に自分の里を差し出すとまで言い放った。なんなら自分は出て行ってもいいと。
群れゆっくりたちには(できれば報復の制裁も欲しかったが)望ましい展開であったが、今度はドスまりさの方が遠慮しだした。
自分にはまだ一体で群れを治めるほどの実力はないのでドスれいむに補佐してほしいと提案したのだ。
それでも、このドスまりさが里に居てくれるなら良かったのだが……。
二体のドスはすっかり打ち解け、盛大に飲み食いしながら懇々と話し合った。(もちろん食料は群れゆっくりもちである)
そうして数日後に、ドスまりさは旅立った。自分の新たな群れを作り上げるために。
ドスれいむはこのドスまりさの属群れということになった。名目上は。
ドスれいむを従えたとすっかり信じ込んだドスまりさは、自分の力に自信を持ち、いくつもの里を連合させた大群れ長になるという野心を抱いたのだった。
群れゆっくりたちはドスまりさをなんとかして引きとめようと努力した。
だが、ドスまりさは自分の威容を信じきっており、ドスれいむはすっかり自分の忠実な部下になったと信じきっていた。
ゆっくりきっちり言い聞かせたからもう悪さはしない。なにかあったらドスが必ずゆっくり急いで駆けつける。
「あんなドススパークも吐けないドス、怖くもなんともないよ。全然大丈夫!」と言い残してゆっくりたちの必死の説得も虚しく去っていった。
ドスまりさはこの里に帰ってくることはなかった。
ゆっくりたちはドスれいむの卑屈さ、卑劣さ、狡猾さを大いに呪った。ドスまりさの単純さもついでに呪った。
無論のこと、ドスれいむの残虐な支配は終わらなかった。むしろますます酷くなっていった。
ドスれいむがあまりに暴食し、里ゆっくりたちの備蓄を食い尽くしてしまったため、ゆっくりたちは食料を集めに全精力を費やさなければならなかった。
そしてほどなく、通常は禁じられている手段を用いるしかなくなった。
つまり、人間の畑、である。
畑荒らしは見返りも大きいがそのリスクは多大なものだ。ゆえに普通の群れ長はゆっくりに畑荒らしを禁止させる。
だが、このドスは人間をまったく恐れていないようだった。人間の悪口を誰はばかることなく吐き出すこともあった。
ゆっくりを見下すプライドの高い人間が聞いたら脳の血管が破裂しそうな罵詈雑言もあった。
そのおかげで多くの群れゆっくりたちが捕まり、みせしめとして酷い拷問の果てに殺されていった。
だが、このことが後に反乱へのとっかかりともなった。
「ゆゆっ!そろそろゆっくりじゅんびがととのったとおもうよ!」
「ゆゆっ!きっとそうだね!」
「にんげんさんのところにいこう!」
「きっとなにかできることがあるはずだよ!」
五匹のゆっくりたちが里をこっそりと抜け出て、人間の下へと出発した。
五匹の内訳は、れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん……見飽きたほどの通常種たちだ。
これらのゆっくりたちは人間の畑で盗みを働いているところを捕まり、危うく殺されかけたのだが、たまたまその人間が話しを聞いてくれたのだ。
人間はドスれいむの話に興味を持ってくれた。
話ていく内に、最近増加した畑荒らしはこのドスが一因となっているのではないかと、人間は推測した。
また、このドスは協定を結んでいないようだった。人里の近くに群れを構えて協定を結ばないドスは珍しい。
珍しいといっても価値があるわけではない。むしろ確実にゲスとみなしてよかった。
ゲスドスの存在は人間にとっても脅威である。人間は、他の村人とも話し合って、ドスれいむ対策を講じてくれると約束してくれたのだ。
このゆっくりたちが人里へ出かけていったのは、道案内などを買って出るためだった。
また、人間側に自分たちの存在を示し、ゲスでないことをアピールしたほうが後で都合がいいと計算したのだ。ゆっくりとしてはがんばって。
「あのゲスドスをやつざきにしてほしいね!」
「うんうんをたべさせてほしいね!」
「フルボッコにしてほしいね!」
「はげまんじゅうにしてほしいね!」
「らくにはころさないで、ゆっくりくるしめてほしいね!」
「ゲスドスがしんだあとはたくさんのろってゆっくりじごくにおとそうね!」
五匹のゆっくりたちは迫りくる制裁を期待して自然と笑顔になり、明るい口調でドスれいむの来るべき苦痛を語り合った。
長いこと抑圧されていたゆっくりたちにようやく解放の時が訪れようとしていたのだ。
「ゆゆっ!きっとそうだね!」
「にんげんさんのところにいこう!」
「きっとなにかできることがあるはずだよ!」
五匹のゆっくりたちが里をこっそりと抜け出て、人間の下へと出発した。
五匹の内訳は、れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん……見飽きたほどの通常種たちだ。
これらのゆっくりたちは人間の畑で盗みを働いているところを捕まり、危うく殺されかけたのだが、たまたまその人間が話しを聞いてくれたのだ。
人間はドスれいむの話に興味を持ってくれた。
話ていく内に、最近増加した畑荒らしはこのドスが一因となっているのではないかと、人間は推測した。
また、このドスは協定を結んでいないようだった。人里の近くに群れを構えて協定を結ばないドスは珍しい。
珍しいといっても価値があるわけではない。むしろ確実にゲスとみなしてよかった。
ゲスドスの存在は人間にとっても脅威である。人間は、他の村人とも話し合って、ドスれいむ対策を講じてくれると約束してくれたのだ。
このゆっくりたちが人里へ出かけていったのは、道案内などを買って出るためだった。
また、人間側に自分たちの存在を示し、ゲスでないことをアピールしたほうが後で都合がいいと計算したのだ。ゆっくりとしてはがんばって。
「あのゲスドスをやつざきにしてほしいね!」
「うんうんをたべさせてほしいね!」
「フルボッコにしてほしいね!」
「はげまんじゅうにしてほしいね!」
「らくにはころさないで、ゆっくりくるしめてほしいね!」
「ゲスドスがしんだあとはたくさんのろってゆっくりじごくにおとそうね!」
五匹のゆっくりたちは迫りくる制裁を期待して自然と笑顔になり、明るい口調でドスれいむの来るべき苦痛を語り合った。
長いこと抑圧されていたゆっくりたちにようやく解放の時が訪れようとしていたのだ。
都合が良いことに畑では人間が働いていた。たぶん、話し合った人間だ。ゆっくりには区別がつかないけれども。
なにやら細長いものを上下に振り下ろしたり、持ち上げたりしている。人間さんのやることはゆっくりにはよくわからないが、きっとドスれいむ制裁に関係しているのだろう。
一心不乱に作業していてこちらに気がつかないようなので、ゆっくりたちから話しかけることにした。
「にんげんさん! ゆっくりたすけにきたよ!」
「いっしょにゲスドスをゆっくりせいさいしようね!」
「なんだおまえらは!」
人間は弾かれたように顔を上げ、鋭く問うた。あまり友好的な口調ではないが、きっと驚かせてしまったせいだろう。
「てめえら畑荒らしに来たのか!?あ、今はなにもないか……じゃあなんだ?」
人間は反乱画策ゆっくりたちを畑荒らしと間違えたようだった。
「ゆゆっ!にんげんさんれいむたちだよ!ゆっくりおもいだしてね!」
「どのれいむだよ。ゆっくりの顔なんざ区別つくかっつーの」
「ゲスドスをやっつけてってたのんだゆっくりだよ!ゆっくりわかるよ!」
「ゲスドス?」
人間は怪訝な顔をした。ドスれいむのことを忘れてしまったとでもいうのだろうか?
そんなはずはない。脅威となるものを放置しておく愚かな人間ではないはずだ。
「ドスれいむだよ! ゆっくりおもいだしてね!」
「れいむにドスなんか……ああ、いたな。あれか……。でなんだって?」
「すごいゲスなドスなんだよ! ゆっくりせいさいしてね!」
「制裁……? ああ、そんな話もあったな……」
「どうしたのにんげんさん? にんげんさんたちとはなしあってきょうりょくして、ドスをやっつけるんでしょ!
ゆっくりはやくいこうよ! れいむたちがみちあんないするよ!」
「はやくいこうぜ! むれでいちばんつよいまりさもきょうりょくするんだぜ!」
「ああ、まあな……そのうちな……」
意気の上がるゆっくりたちとは対象的に人間の方は気乗りしない様子だった。
「ゆゆっ! もうたくさんまってまちくたびれたよ!」
「もうごはんがほとんどないのよ。みんなうえじにしてしまうわ」
「とかいではなにごともゆっくりじんそくにするんでしょ? ありすしってるわ!」
「はやくドスをせいさいしてほしいんだぜ!」
「っるっせーなぁ!」
ゆんゆんわめくゆっくりたちに、人間の怒号が叩きつけられた。
黙り込むゆっくりたち。
「なんだてめえらは! ドスだかジャギィだが知らんがさっきから黙って聞いてりゃいい気になりやがって!
おまえら俺に催促してんのか? ああん!? 人間であるこの俺にゆっくりごときがなに急かしくれてんだよ!」
「ゆゆっ……だ、だって……」
「ゲスなドスはにんげんさんにもきょーいなのぜろ? はやくやっつけたほうがいいんだぜ!」
「なんだそりゃ、ドスが脅威だと? つまり俺を脅してんのか?
おまえらの言うこと聞かないときょわいきょわいどしゅが襲ってくるって言ってんのか?」
「そ、そんなこといってないよ! ただにんげんさんのためをおもって……」
「ゆっくりごときに気遣われてんのか俺は! あーあ! これを死んだ親父が知ったらなんていうか!
ゆっくりも出世したもんだな!」
「ゆぅ……」
なぜだが人間は不機嫌なようだった。
この人間はそもそもゆっくりがかなり嫌いだった。だからこそ脈があったとも言えるのだが。
前に話したときにはドスれいむ退治にとても乗り気だったのだ。ゲスドスへの憤怒に煮えたぎり、明日にでも、できるなら即日殴りこみをかけんばかりの勢いだった。
だが、今日はドスれいむ征伐への意気込みはどこへやら、下位のゆっくりたちにストレスをぶちまけるだけだ。
「むきゅ、もしかしてにんげんさんたちのはなしあいがうまくいかなかったの?」
無能な通常種ゆっくりにしては知恵が回るぱちゅりーはふと思いついた疑念を口に出した。
「はっ? なにいってんだおまえは? 俺が会議で他の人間に凹まされたからイラがきてるんですかーとでも言いたいわけか?
今日のおゆっくりは随分とお知恵がお回りになりますこと! わざわざ収穫後の畑にまで人間をコケにしに来るとは俺は種のオデッセイを目の当たりにしてるのか!?」
「そんなこといってないってば! どうしてわかってくれないの!」
ぱちゅはぐずぐずと泣き始めた。
「ただぱちゅは……ただはなしあいがどうなったかききたかっただけなのに……」
だが聞き方が悪かったかもしれないね。
「あーもーうぜーなー。会議はした! スムーズに運んだ! ゆっくりごときが気を回すことはなにもない! 以上解散!」
会議がスムーズに運んだと聞いてゆっくりたちは喜び勇んだ。やっぱり人間さんは忘れていなかったんだ。人間さんは頼りになる。
「ドスれいむをたいじしてくれんだね! ゆっくりよかったよ!」
「いつたいじしてくるの! きょう? あした? あさって?」
「なるべくはやいほうがいいよ! ゆっくりはやくしていってね!」
「ああ、そのうちにな……」
人間は耕地作業に戻った。その所作はゆっくりたちの目から見てもゆっくりとしていて、今すぐドス退治に出かけるといった雰囲気はない。
「ねえいつ? いつなの? ゆっくりおしえてね!」
「みちあんないとかのじゅんびはいつでもできているんだぜ! ひにちをおしえてほしんだぜ!」
「うるせーな! だからそのうちだって言ってんだろが! 畑を耕し終わって、フレが三人集まってからだよ! ったくゆっくりどもは本当に人の話を聞かねーな!」
「そのうちっていつなの! ゆっくりわからないよ!」
「いじわるしないでおしえてね! ありすたちにもいろいろなじゅんびがあるのよ!」
「てめえらの事情なんざ知ったことか! 道案内もいらん! 決行日時は未定だ!
わかったらとっとと失せろ! おまえらのツラを見ただけで吐き気が込み上げてくるんだよゲロ袋ども!」
まるで取り付く島がない。
未定という言葉はゆっくりたちの不安を誘った。それに、ゆっくりの協力はいらないという態度も不穏なものを感じる。
「むきゅ……もしかしてにんげんさんぱちゅたちもいっしょに……ドスといっしょにまとめてころすきなの?」
ぱちゅりーの口をついて出た疑惑にゆっくりたちが騒ぎ出す。具体的でなくともそれに近い不安は他のゆっくりにもあったのだ。
「ゆゆー! いやだよ! でいぶじにだぐないよー!」
「わ、わるいのはドスだけなんだぜ! まりさたちはにんげんさんにめいわくかけないんだぜ!」
「ねえおねがいきいて! わるいのはドスなの! ぜんぶドスのめいれいでやったことなの!」
「わからないよー! わからないよー! わからないよー! わからないよー! わからないよー!」
「いい加減にしろ! 俺の仕事を妨害するのがそんなに楽しいか!? おまえたちを殺そうが殺すまいが俺たちの自由だろうが!
あまり調子に乗るなよゲスゆっくりども……」
「ゆゆっ! ゆゆっ!」
「なんでおこるんだぜ! まりさたちわるくないっていってるのに!」
「きのことかさんさいとかもってきてあげるわ! ゆっくりきげんをなおしてね!」
ゲス認定を撤回しようとゆっくりたちは大慌てだ。
「いいか? おまえら俺たち人間を動かして自分が強くなったような勘違いをしてるようだが、おまえらには何の決定権もねえんだよ。俺らを急かす権利があるとでも思ってんのか?
人間は人間の意志で動く! やるべきときにやる! やりたいときにやる! ゆっくりが人間に従うことはあっても、人間がゆっくりに従うことはない!
俺らが上! おまえらが下! これが絶対不変の真理だ!
だいたいてめえらゆっくりのお里の事情なんざ知ったことかよ! ごはんがなんだのゆん閣諸島がどうだのゆーゆー低脳みてえに喚きやがって!
ああもう、てめえら自然の失敗作と会話するだけ無駄だ! おまえたちをわからせるにはこれしかないのを忘れていた!」
そういって人間は細長いもの(人間の言葉でクワという)を、振り上げ、ちぇんの上に振り下ろした。
ちぇんが選ばれたのは「わからないよ!」の連呼が一際うるさく、一向にやめる気配がなかったからだろう。
ちぇん種はゆっくりの中では比較的素直なのだがその分頭が悪い。
ぶちゅりと音を立てて、ちぇんは内容物を四散させた。勢いがよかったので、他の四匹にそれが降りかかった。
「ゆっ、ゆあああああああああああああああああああああああ!!!!」
「ごろざれるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
「むぎゅううううううううううううううううううううう!!!!!」
「どがいばあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
なにやら細長いものを上下に振り下ろしたり、持ち上げたりしている。人間さんのやることはゆっくりにはよくわからないが、きっとドスれいむ制裁に関係しているのだろう。
一心不乱に作業していてこちらに気がつかないようなので、ゆっくりたちから話しかけることにした。
「にんげんさん! ゆっくりたすけにきたよ!」
「いっしょにゲスドスをゆっくりせいさいしようね!」
「なんだおまえらは!」
人間は弾かれたように顔を上げ、鋭く問うた。あまり友好的な口調ではないが、きっと驚かせてしまったせいだろう。
「てめえら畑荒らしに来たのか!?あ、今はなにもないか……じゃあなんだ?」
人間は反乱画策ゆっくりたちを畑荒らしと間違えたようだった。
「ゆゆっ!にんげんさんれいむたちだよ!ゆっくりおもいだしてね!」
「どのれいむだよ。ゆっくりの顔なんざ区別つくかっつーの」
「ゲスドスをやっつけてってたのんだゆっくりだよ!ゆっくりわかるよ!」
「ゲスドス?」
人間は怪訝な顔をした。ドスれいむのことを忘れてしまったとでもいうのだろうか?
そんなはずはない。脅威となるものを放置しておく愚かな人間ではないはずだ。
「ドスれいむだよ! ゆっくりおもいだしてね!」
「れいむにドスなんか……ああ、いたな。あれか……。でなんだって?」
「すごいゲスなドスなんだよ! ゆっくりせいさいしてね!」
「制裁……? ああ、そんな話もあったな……」
「どうしたのにんげんさん? にんげんさんたちとはなしあってきょうりょくして、ドスをやっつけるんでしょ!
ゆっくりはやくいこうよ! れいむたちがみちあんないするよ!」
「はやくいこうぜ! むれでいちばんつよいまりさもきょうりょくするんだぜ!」
「ああ、まあな……そのうちな……」
意気の上がるゆっくりたちとは対象的に人間の方は気乗りしない様子だった。
「ゆゆっ! もうたくさんまってまちくたびれたよ!」
「もうごはんがほとんどないのよ。みんなうえじにしてしまうわ」
「とかいではなにごともゆっくりじんそくにするんでしょ? ありすしってるわ!」
「はやくドスをせいさいしてほしいんだぜ!」
「っるっせーなぁ!」
ゆんゆんわめくゆっくりたちに、人間の怒号が叩きつけられた。
黙り込むゆっくりたち。
「なんだてめえらは! ドスだかジャギィだが知らんがさっきから黙って聞いてりゃいい気になりやがって!
おまえら俺に催促してんのか? ああん!? 人間であるこの俺にゆっくりごときがなに急かしくれてんだよ!」
「ゆゆっ……だ、だって……」
「ゲスなドスはにんげんさんにもきょーいなのぜろ? はやくやっつけたほうがいいんだぜ!」
「なんだそりゃ、ドスが脅威だと? つまり俺を脅してんのか?
おまえらの言うこと聞かないときょわいきょわいどしゅが襲ってくるって言ってんのか?」
「そ、そんなこといってないよ! ただにんげんさんのためをおもって……」
「ゆっくりごときに気遣われてんのか俺は! あーあ! これを死んだ親父が知ったらなんていうか!
ゆっくりも出世したもんだな!」
「ゆぅ……」
なぜだが人間は不機嫌なようだった。
この人間はそもそもゆっくりがかなり嫌いだった。だからこそ脈があったとも言えるのだが。
前に話したときにはドスれいむ退治にとても乗り気だったのだ。ゲスドスへの憤怒に煮えたぎり、明日にでも、できるなら即日殴りこみをかけんばかりの勢いだった。
だが、今日はドスれいむ征伐への意気込みはどこへやら、下位のゆっくりたちにストレスをぶちまけるだけだ。
「むきゅ、もしかしてにんげんさんたちのはなしあいがうまくいかなかったの?」
無能な通常種ゆっくりにしては知恵が回るぱちゅりーはふと思いついた疑念を口に出した。
「はっ? なにいってんだおまえは? 俺が会議で他の人間に凹まされたからイラがきてるんですかーとでも言いたいわけか?
今日のおゆっくりは随分とお知恵がお回りになりますこと! わざわざ収穫後の畑にまで人間をコケにしに来るとは俺は種のオデッセイを目の当たりにしてるのか!?」
「そんなこといってないってば! どうしてわかってくれないの!」
ぱちゅはぐずぐずと泣き始めた。
「ただぱちゅは……ただはなしあいがどうなったかききたかっただけなのに……」
だが聞き方が悪かったかもしれないね。
「あーもーうぜーなー。会議はした! スムーズに運んだ! ゆっくりごときが気を回すことはなにもない! 以上解散!」
会議がスムーズに運んだと聞いてゆっくりたちは喜び勇んだ。やっぱり人間さんは忘れていなかったんだ。人間さんは頼りになる。
「ドスれいむをたいじしてくれんだね! ゆっくりよかったよ!」
「いつたいじしてくるの! きょう? あした? あさって?」
「なるべくはやいほうがいいよ! ゆっくりはやくしていってね!」
「ああ、そのうちにな……」
人間は耕地作業に戻った。その所作はゆっくりたちの目から見てもゆっくりとしていて、今すぐドス退治に出かけるといった雰囲気はない。
「ねえいつ? いつなの? ゆっくりおしえてね!」
「みちあんないとかのじゅんびはいつでもできているんだぜ! ひにちをおしえてほしんだぜ!」
「うるせーな! だからそのうちだって言ってんだろが! 畑を耕し終わって、フレが三人集まってからだよ! ったくゆっくりどもは本当に人の話を聞かねーな!」
「そのうちっていつなの! ゆっくりわからないよ!」
「いじわるしないでおしえてね! ありすたちにもいろいろなじゅんびがあるのよ!」
「てめえらの事情なんざ知ったことか! 道案内もいらん! 決行日時は未定だ!
わかったらとっとと失せろ! おまえらのツラを見ただけで吐き気が込み上げてくるんだよゲロ袋ども!」
まるで取り付く島がない。
未定という言葉はゆっくりたちの不安を誘った。それに、ゆっくりの協力はいらないという態度も不穏なものを感じる。
「むきゅ……もしかしてにんげんさんぱちゅたちもいっしょに……ドスといっしょにまとめてころすきなの?」
ぱちゅりーの口をついて出た疑惑にゆっくりたちが騒ぎ出す。具体的でなくともそれに近い不安は他のゆっくりにもあったのだ。
「ゆゆー! いやだよ! でいぶじにだぐないよー!」
「わ、わるいのはドスだけなんだぜ! まりさたちはにんげんさんにめいわくかけないんだぜ!」
「ねえおねがいきいて! わるいのはドスなの! ぜんぶドスのめいれいでやったことなの!」
「わからないよー! わからないよー! わからないよー! わからないよー! わからないよー!」
「いい加減にしろ! 俺の仕事を妨害するのがそんなに楽しいか!? おまえたちを殺そうが殺すまいが俺たちの自由だろうが!
あまり調子に乗るなよゲスゆっくりども……」
「ゆゆっ! ゆゆっ!」
「なんでおこるんだぜ! まりさたちわるくないっていってるのに!」
「きのことかさんさいとかもってきてあげるわ! ゆっくりきげんをなおしてね!」
ゲス認定を撤回しようとゆっくりたちは大慌てだ。
「いいか? おまえら俺たち人間を動かして自分が強くなったような勘違いをしてるようだが、おまえらには何の決定権もねえんだよ。俺らを急かす権利があるとでも思ってんのか?
人間は人間の意志で動く! やるべきときにやる! やりたいときにやる! ゆっくりが人間に従うことはあっても、人間がゆっくりに従うことはない!
俺らが上! おまえらが下! これが絶対不変の真理だ!
だいたいてめえらゆっくりのお里の事情なんざ知ったことかよ! ごはんがなんだのゆん閣諸島がどうだのゆーゆー低脳みてえに喚きやがって!
ああもう、てめえら自然の失敗作と会話するだけ無駄だ! おまえたちをわからせるにはこれしかないのを忘れていた!」
そういって人間は細長いもの(人間の言葉でクワという)を、振り上げ、ちぇんの上に振り下ろした。
ちぇんが選ばれたのは「わからないよ!」の連呼が一際うるさく、一向にやめる気配がなかったからだろう。
ちぇん種はゆっくりの中では比較的素直なのだがその分頭が悪い。
ぶちゅりと音を立てて、ちぇんは内容物を四散させた。勢いがよかったので、他の四匹にそれが降りかかった。
「ゆっ、ゆあああああああああああああああああああああああ!!!!」
「ごろざれるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
「むぎゅううううううううううううううううううううう!!!!!」
「どがいばあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
まだ生きている四匹は一斉に逃げ去った。
一心不乱で逃げ続け、森の中に駆け込んだ。
人間は追ってこないようだった。ただ追い払いたかっただけらしい。
それだけのためでもゆっくりを殺すことを厭いはしなかったが。
「にんげんはまりさたちまでころすつもりなのぜ?」
「そもそも、ドスをせいさいしてくれるきはあるのかしら?」
あの人間は明らかにドスれいむ制裁に乗り気ではなかった。
前はとても熱心にドスに怒っていたのに。
「ぜったいへんだよ。ぱちゅりー、どういうことかわからないの?」
「むきゅ……もしかするとドスは『ねまわし』したのかも……」
「ねまわしってなんなのぜ?」
ゆっくりたちの言う根回しとは、裏協定のようなものだった。
ドスが人間たちと何かを約束することは通常の協定と同じだったが、
群れゆっくりたちとは無関係にドスと人間だけで結ばれることが違った。(それも通常の協定と同じといえば同じなのだが)
つまりは、群れゆっくりに不利な内容の協定をこっそり結ぶことだと思えばいい。
ありていにいえば、群れゆっくりを人間に売り渡すということだ。
「ゆゆっー! でいぶだぢうられじゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「がごうじょばいやだぜええええええええええええええ!!!!」
「むきゅ、でもあのゲスなドスれいむにねまわしができるかしら……」
あのドスは人間が聞いたら卒倒しかねない罵倒文句を並べていた。人間を侮っているのは間違いない。
そもそも、このドスは間接的にだが人間に被害を与えている。人間はそれを許すだろうか?
なにか貢物をしているのかもしれないが、そうだとしても畑荒らしをされたなら即裏協定も破棄するはずだ。
畑荒らしをしない、させないことが表裏問わずあらゆる協定の最低条件だからだ。
群れゆっくりを人間に売り渡すというのはあのドスれいむがやりそうなことではあるが、いろいろ考え合わせて見るとあまり現実的ではない。
……このようなことをゆっくりたちは餡子脳でがんばって考えて話し合って結論付けた。
そうなると人間の態度がますます不可解になるのだが。
とにかく群れに戻るしかなかった。あまり長い間群れを離れているとドスれいむのきまぐれな制裁の理由になるかもしれない。
四匹のゆっくりたちはゆっくり急いで里への道をたどっていった。
一心不乱で逃げ続け、森の中に駆け込んだ。
人間は追ってこないようだった。ただ追い払いたかっただけらしい。
それだけのためでもゆっくりを殺すことを厭いはしなかったが。
「にんげんはまりさたちまでころすつもりなのぜ?」
「そもそも、ドスをせいさいしてくれるきはあるのかしら?」
あの人間は明らかにドスれいむ制裁に乗り気ではなかった。
前はとても熱心にドスに怒っていたのに。
「ぜったいへんだよ。ぱちゅりー、どういうことかわからないの?」
「むきゅ……もしかするとドスは『ねまわし』したのかも……」
「ねまわしってなんなのぜ?」
ゆっくりたちの言う根回しとは、裏協定のようなものだった。
ドスが人間たちと何かを約束することは通常の協定と同じだったが、
群れゆっくりたちとは無関係にドスと人間だけで結ばれることが違った。(それも通常の協定と同じといえば同じなのだが)
つまりは、群れゆっくりに不利な内容の協定をこっそり結ぶことだと思えばいい。
ありていにいえば、群れゆっくりを人間に売り渡すということだ。
「ゆゆっー! でいぶだぢうられじゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「がごうじょばいやだぜええええええええええええええ!!!!」
「むきゅ、でもあのゲスなドスれいむにねまわしができるかしら……」
あのドスは人間が聞いたら卒倒しかねない罵倒文句を並べていた。人間を侮っているのは間違いない。
そもそも、このドスは間接的にだが人間に被害を与えている。人間はそれを許すだろうか?
なにか貢物をしているのかもしれないが、そうだとしても畑荒らしをされたなら即裏協定も破棄するはずだ。
畑荒らしをしない、させないことが表裏問わずあらゆる協定の最低条件だからだ。
群れゆっくりを人間に売り渡すというのはあのドスれいむがやりそうなことではあるが、いろいろ考え合わせて見るとあまり現実的ではない。
……このようなことをゆっくりたちは餡子脳でがんばって考えて話し合って結論付けた。
そうなると人間の態度がますます不可解になるのだが。
とにかく群れに戻るしかなかった。あまり長い間群れを離れているとドスれいむのきまぐれな制裁の理由になるかもしれない。
四匹のゆっくりたちはゆっくり急いで里への道をたどっていった。
「ゆっくりおかえりなさい! れいむのちびちゃんたち!」
里に帰ってきた四匹を歓迎してくれたのはドスれいむだった。側には四六時中くっついてまわっている、側近ぱちゅりーが控えている。
二匹して里の境界付近でわざわざ待ち構えていたのだった。
「ド、ドス……ゆ、ゆっくりしていってね!」
ゆっくりたちは平静を装ってゆっくりのあいさつをしたが、声がうわずっていた。
こんなところで出会うとは思わなかったからだ。
「ちょ、ちょっとたべものをあつめるためにとおくへいっていたんで、です」
聞かれてもいない遠出の理由を語り出す者もいた。
「で、でもなかなかいいものがみつからなくて……ああ! しかもとちゅうでれみりゃにおわれて……」
収穫をなにも持ってないことの理由も付け足す。
「そうなんだ! れみりゃに追われてゆっくり大変だったね!」
(よかった、ばれてない……)
ゆっくりたちはほっと胸(ないけど)をなでおろした。
「ところで人間さんとのお話しは楽しかった?」
ゆっくりたちはフリーズした。
「ドドドドド、ドス! あの! その!」
しどろもどろで言い訳さえ満足に出来ないゆっくりたちにドスは畳み掛けた。
「八つ裂きだっけ? ハゲ饅頭だっけ? なんだか楽しそうなお話をしてたねー!
うんうんをどうするんだっけ? ドスも参加したかったなー!」
どうやら監視下にあったらしい。
四匹のゆっくりたちは側近ぱちゅりーを睨みつけた。
この側近は無表情なぱちゅりー種にしてもとりわけ表情に乏しく、口数も少ない不気味なゆっくりだった。
だがその冷酷さはドス自身にも匹敵するほどで、様々な拷問制裁法はこのぱちゅりーが考案したものも多いのだという。
いかなる酸鼻絵図を目の当たりにしても眉一つ動かさないのだ。
里ゆっくりの怨嗟の的となっていたが、よくよく考えてみれば今回はこのぱちゅりーが告げ口したわけではないのだろう。
ちぇん種かみょん種の素早く隠れ身に長けた種のスパイに尾行されていたと考えるのが妥当だ。ぱちゅりー種には不向きな芸当だった。
すべてバレている。人間の対ドス計画も筒抜けだろうか? となるとやはり根回しをしたのだろうか?
単にゲスゆえに人間を侮っている可能性もあるが。ともかくこの四匹の命運は風前の灯と言えた。
「そうだ、いっぱい働いたがんばりやさんのちびちゃんたちに、ドスからプレゼントがあるよ!」
ドスが合図すると群れのゆっくりたちが森の中から現れ、粛々となにかを運んできた。
「さあ美味しいあまあまをゆっくりたくさんどうぞ!」
「ゆあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
「でいぶのぢびぢゃんがあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
運ばれてきたのは四匹のゆっくりの子供たちであった。いずれも凄惨な虐待の末に殺されている。
ドスへの反逆を企んだ時点で、家族が巻き添えになることを覚悟してはいたが、いざその惨死体を目にすれば正気ではいられなくなる。
「たべないの? じゃあドスがもらっちゃおうかな! むーしゃーむーしゃーしあわせー!」
ドスれいむは四匹の目の前で子ゆっくりを口に運び、これ見よがしにゆっくりと丹念に咀嚼した。
「ゆっくりなし! このゆっくりなし!」
「ゆっくりじごくにおちろぉ!」
声の続く限り怨嗟を吐き出す。
「にんげんさんがやっつけてくれる! おまえをかならずやっつけてくれる!」
「人間さん? なんでドスが人間さんにやっつけられちゃうの? わからないよー!」
ドスはちぇん種の口真似をしておどけて見せた。どうやら真正のゲスらしい。となれば、反乱側にも目がある。
一矢報いることはできるかもしれなかった。
「おばかなドスなんだぜ! にんげんさんはとてもおこってるんだぜ! おまえのようなゲスがだいきらいなんだぜ!」
「せいぎはさいごにかつんだよ! にんげんさんにせいさいされて、じごくでれいむたちにゆっくりあやまりつづけてね!」
「ドスのせいでにんげんさんのはたけがあらされてるんですよ! きっとにんげんはほうふくしにきます!
……なにかにんげんさんのいかりをさけるほうほうがあるんですか?」
「あるよ」
「ゆぇぇぇぇぇ!」
ドスの何気ない一言にゆっくりたちは驚愕した。なにか切り札を持っているとでもいうのだろうか?
そんなものがあったら、反乱ゆっくりたちのわずかな希望は断たれてしまうかもしれない。
「そ、それはどんな……」
ぱちゅりーは怒りよりも好奇心が先立ち、思わず問いただした。
「そんなの決まってるよ! ドスはこんなにかわいいんだよ! 人間さんがかわいいドスをいじめるはずないじゃない!
かわいすぎちゃってめんごめんごだよ!」
ゆっくりたちは再びフリーズした。
怒るよりも後の勝利を確信するよりも、ただ呆れた。呆れ果てた。
こんな馬鹿なゲスのために自分たちは振り回され、家族を皆殺しにされたのだ。弱い通常種ゆっくりの身の上を嘆くばかりだ。
「ド、ドス、あなたももうおわりよ。にんげんさんがほんきになったんだから! かいぎしたんだから!
にんげんさんはあなたにおこっているのよ! ぱちゅたちとおなじぐらいおこっているのよ!」
気を取り直したぱちゅりーが強気な言葉を吐きかける。ぱちゅりーは勝利を確信していた。自分はここで死ぬだろうが、必ず報いられるはずだ、と。
「え、ぱちゅりーたち怒ってるの?」
「おこっているにきまってるでしょ! ばかなの!? しぬの!?」
このドスは底抜けの馬鹿なのか。これだけの仕打ちをして何を言ってるのだろうか。ぱちゅりーは困惑した。
「まりさも怒ってるの?」
「そうだぜ! まりさも……あれ?」
「まりさ……?」
急にまりさの様子がおかしくなった。
さっきまで憎悪に表情を捻じ曲げていたのに、唐突にきょとんとした表情になっている。
「……ドス、ごめんなのぜ!」
そして唐突にドスに対して謝罪した!
「まりさぁ! な、なにいってるのよ! あなたちびちゃんをころされたのよ!
あやまるのはドスのほうでしょおおおおおおおおお!」
ありすが絶望の嘆きをまりさに投げつける。このまりさはこの期に及んで寝返ろうというのか?
雑。
他に評価のしようがない。
(ありす、いいからここはまりさにちょうしあわせとくんだぜ……)
「は?」
まりさはますます意味のわからなくなることを耳打ちした。調子を合わせる?
まさか、ドスに服従するふりをして騙そうというのか? このドスはかなりの愚かもののようだが、この作戦はあまりに酷すぎる。
いや、作戦にしてもおかしい。謝罪が唐突すぎるし、そもそもその調子がなんだかとても……軽いのだ。
軽いとしか言いようがない。ちょっとぶつかったのを謝ったような口調だ。表情にも真剣みがない。
まるで……なんだか面倒なことになったみたいだからとりあえず謝っとく、とでもいうような……。
絶望と怒りで頭がおかしくなったのだろうか?
「まりさ、別に謝ることなんてないよ? ちびちゃんたちはオツムがちっちゃいからときどき錯乱して変なことを言うこともあるからね。
ドスはそんなこといちいち気にしないよ! ねぇ、ちっちゃいれいむ?」
「ゆっ? そうだね! なんだかれいむたちちょっとへんなことをいったみたいだけど、ゆっくりきにしないでねドス!」
れいむまで奇妙なことを言い出した。台詞を噛んでしまったのをごまかすかのような照れ笑いを浮かべている。あんなに可愛がっていた子供を殺されたというのに!
「れいむ! あなたたちいったい……」
ぱちゅりーは衝撃に打たれて呆然となった。
ドスに凄惨な拷問の果てに殺されることは恐ろしかった、家族が殺された怒りもある、人間の制裁への血を吐くような切望もある。
だが、このどうしようもない絶望はそれらを打ち消すにあまりあった。
信頼していた同志がこうもたやすく変節するとは! それとも元からスパイだったとか? いや、それだったら子供を殺されるのはおかしい。
間違いなくこちら側のゆっくり“だった”はずだ。
「あれ、ありすったらなんだかはしたないことをしたみたいね。これじゃちっともとかいはじゃないわぁ」
「ありす!」
ありすはこの場に調子を合わせることに決めたのだろうか? いや違う!
そのことを表情がなによりも雄弁に物語っていた。
れいむのようなはにかみに、まりさのつき物が落ちたような間抜け面をミックスしたような……怒りも悲しみも微塵もない表情だった。
「ちょ、ちょっとあなたたち! ちびちゃんたちをころされたのよ! わかってるの!? おしばいはやめて! さいごぐらい……ゆっくりらしく……」
ぱちゅりーはゆんゆんと泣き出してしまった。子供を殺されて平気なゆっくりはゆっくりじゃない。
こんな間抜けな演技でこの場を切り抜けるくらいなら誇り高い死を選ぶ……みんなも同じ思いだとぱちゅりーは信じていたのだ。
怒りはなかった。ただ悲しかった。単に正義が実行されず悪がまかりとおるだけではない、この無関心さが。
「ゆううううううううううう!!!!ゆうううううううううう!!!!」
「ぱちゅりー何を泣いているの?」
ドスは子供をあやすような口調でいけしゃあしゃあと問いかけた。その悪逆ぶりにぱちゅりーの怒りが再びこみあげてきた。
「ぱちゅりーゆっくり泣きやんでね! 『泣くことなんて何もないじゃない』」
このゲスドスッ! 泣くことならいくら……でも……?
「ゆ?」
ぱちゅりーは困惑した。
ないのだ。どこを探してもないのだ。
怒りと悲しみと絶望が。
まるで心にぽっかりと穴が開いたようだった。
いつの間にか涙が止まっていた。
「むきゅきゅ? ぱちゅったらなんで泣いてたんだろう?
『泣くことなんて何もないのに』」
里に帰ってきた四匹を歓迎してくれたのはドスれいむだった。側には四六時中くっついてまわっている、側近ぱちゅりーが控えている。
二匹して里の境界付近でわざわざ待ち構えていたのだった。
「ド、ドス……ゆ、ゆっくりしていってね!」
ゆっくりたちは平静を装ってゆっくりのあいさつをしたが、声がうわずっていた。
こんなところで出会うとは思わなかったからだ。
「ちょ、ちょっとたべものをあつめるためにとおくへいっていたんで、です」
聞かれてもいない遠出の理由を語り出す者もいた。
「で、でもなかなかいいものがみつからなくて……ああ! しかもとちゅうでれみりゃにおわれて……」
収穫をなにも持ってないことの理由も付け足す。
「そうなんだ! れみりゃに追われてゆっくり大変だったね!」
(よかった、ばれてない……)
ゆっくりたちはほっと胸(ないけど)をなでおろした。
「ところで人間さんとのお話しは楽しかった?」
ゆっくりたちはフリーズした。
「ドドドドド、ドス! あの! その!」
しどろもどろで言い訳さえ満足に出来ないゆっくりたちにドスは畳み掛けた。
「八つ裂きだっけ? ハゲ饅頭だっけ? なんだか楽しそうなお話をしてたねー!
うんうんをどうするんだっけ? ドスも参加したかったなー!」
どうやら監視下にあったらしい。
四匹のゆっくりたちは側近ぱちゅりーを睨みつけた。
この側近は無表情なぱちゅりー種にしてもとりわけ表情に乏しく、口数も少ない不気味なゆっくりだった。
だがその冷酷さはドス自身にも匹敵するほどで、様々な拷問制裁法はこのぱちゅりーが考案したものも多いのだという。
いかなる酸鼻絵図を目の当たりにしても眉一つ動かさないのだ。
里ゆっくりの怨嗟の的となっていたが、よくよく考えてみれば今回はこのぱちゅりーが告げ口したわけではないのだろう。
ちぇん種かみょん種の素早く隠れ身に長けた種のスパイに尾行されていたと考えるのが妥当だ。ぱちゅりー種には不向きな芸当だった。
すべてバレている。人間の対ドス計画も筒抜けだろうか? となるとやはり根回しをしたのだろうか?
単にゲスゆえに人間を侮っている可能性もあるが。ともかくこの四匹の命運は風前の灯と言えた。
「そうだ、いっぱい働いたがんばりやさんのちびちゃんたちに、ドスからプレゼントがあるよ!」
ドスが合図すると群れのゆっくりたちが森の中から現れ、粛々となにかを運んできた。
「さあ美味しいあまあまをゆっくりたくさんどうぞ!」
「ゆあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
「でいぶのぢびぢゃんがあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
運ばれてきたのは四匹のゆっくりの子供たちであった。いずれも凄惨な虐待の末に殺されている。
ドスへの反逆を企んだ時点で、家族が巻き添えになることを覚悟してはいたが、いざその惨死体を目にすれば正気ではいられなくなる。
「たべないの? じゃあドスがもらっちゃおうかな! むーしゃーむーしゃーしあわせー!」
ドスれいむは四匹の目の前で子ゆっくりを口に運び、これ見よがしにゆっくりと丹念に咀嚼した。
「ゆっくりなし! このゆっくりなし!」
「ゆっくりじごくにおちろぉ!」
声の続く限り怨嗟を吐き出す。
「にんげんさんがやっつけてくれる! おまえをかならずやっつけてくれる!」
「人間さん? なんでドスが人間さんにやっつけられちゃうの? わからないよー!」
ドスはちぇん種の口真似をしておどけて見せた。どうやら真正のゲスらしい。となれば、反乱側にも目がある。
一矢報いることはできるかもしれなかった。
「おばかなドスなんだぜ! にんげんさんはとてもおこってるんだぜ! おまえのようなゲスがだいきらいなんだぜ!」
「せいぎはさいごにかつんだよ! にんげんさんにせいさいされて、じごくでれいむたちにゆっくりあやまりつづけてね!」
「ドスのせいでにんげんさんのはたけがあらされてるんですよ! きっとにんげんはほうふくしにきます!
……なにかにんげんさんのいかりをさけるほうほうがあるんですか?」
「あるよ」
「ゆぇぇぇぇぇ!」
ドスの何気ない一言にゆっくりたちは驚愕した。なにか切り札を持っているとでもいうのだろうか?
そんなものがあったら、反乱ゆっくりたちのわずかな希望は断たれてしまうかもしれない。
「そ、それはどんな……」
ぱちゅりーは怒りよりも好奇心が先立ち、思わず問いただした。
「そんなの決まってるよ! ドスはこんなにかわいいんだよ! 人間さんがかわいいドスをいじめるはずないじゃない!
かわいすぎちゃってめんごめんごだよ!」
ゆっくりたちは再びフリーズした。
怒るよりも後の勝利を確信するよりも、ただ呆れた。呆れ果てた。
こんな馬鹿なゲスのために自分たちは振り回され、家族を皆殺しにされたのだ。弱い通常種ゆっくりの身の上を嘆くばかりだ。
「ド、ドス、あなたももうおわりよ。にんげんさんがほんきになったんだから! かいぎしたんだから!
にんげんさんはあなたにおこっているのよ! ぱちゅたちとおなじぐらいおこっているのよ!」
気を取り直したぱちゅりーが強気な言葉を吐きかける。ぱちゅりーは勝利を確信していた。自分はここで死ぬだろうが、必ず報いられるはずだ、と。
「え、ぱちゅりーたち怒ってるの?」
「おこっているにきまってるでしょ! ばかなの!? しぬの!?」
このドスは底抜けの馬鹿なのか。これだけの仕打ちをして何を言ってるのだろうか。ぱちゅりーは困惑した。
「まりさも怒ってるの?」
「そうだぜ! まりさも……あれ?」
「まりさ……?」
急にまりさの様子がおかしくなった。
さっきまで憎悪に表情を捻じ曲げていたのに、唐突にきょとんとした表情になっている。
「……ドス、ごめんなのぜ!」
そして唐突にドスに対して謝罪した!
「まりさぁ! な、なにいってるのよ! あなたちびちゃんをころされたのよ!
あやまるのはドスのほうでしょおおおおおおおおお!」
ありすが絶望の嘆きをまりさに投げつける。このまりさはこの期に及んで寝返ろうというのか?
雑。
他に評価のしようがない。
(ありす、いいからここはまりさにちょうしあわせとくんだぜ……)
「は?」
まりさはますます意味のわからなくなることを耳打ちした。調子を合わせる?
まさか、ドスに服従するふりをして騙そうというのか? このドスはかなりの愚かもののようだが、この作戦はあまりに酷すぎる。
いや、作戦にしてもおかしい。謝罪が唐突すぎるし、そもそもその調子がなんだかとても……軽いのだ。
軽いとしか言いようがない。ちょっとぶつかったのを謝ったような口調だ。表情にも真剣みがない。
まるで……なんだか面倒なことになったみたいだからとりあえず謝っとく、とでもいうような……。
絶望と怒りで頭がおかしくなったのだろうか?
「まりさ、別に謝ることなんてないよ? ちびちゃんたちはオツムがちっちゃいからときどき錯乱して変なことを言うこともあるからね。
ドスはそんなこといちいち気にしないよ! ねぇ、ちっちゃいれいむ?」
「ゆっ? そうだね! なんだかれいむたちちょっとへんなことをいったみたいだけど、ゆっくりきにしないでねドス!」
れいむまで奇妙なことを言い出した。台詞を噛んでしまったのをごまかすかのような照れ笑いを浮かべている。あんなに可愛がっていた子供を殺されたというのに!
「れいむ! あなたたちいったい……」
ぱちゅりーは衝撃に打たれて呆然となった。
ドスに凄惨な拷問の果てに殺されることは恐ろしかった、家族が殺された怒りもある、人間の制裁への血を吐くような切望もある。
だが、このどうしようもない絶望はそれらを打ち消すにあまりあった。
信頼していた同志がこうもたやすく変節するとは! それとも元からスパイだったとか? いや、それだったら子供を殺されるのはおかしい。
間違いなくこちら側のゆっくり“だった”はずだ。
「あれ、ありすったらなんだかはしたないことをしたみたいね。これじゃちっともとかいはじゃないわぁ」
「ありす!」
ありすはこの場に調子を合わせることに決めたのだろうか? いや違う!
そのことを表情がなによりも雄弁に物語っていた。
れいむのようなはにかみに、まりさのつき物が落ちたような間抜け面をミックスしたような……怒りも悲しみも微塵もない表情だった。
「ちょ、ちょっとあなたたち! ちびちゃんたちをころされたのよ! わかってるの!? おしばいはやめて! さいごぐらい……ゆっくりらしく……」
ぱちゅりーはゆんゆんと泣き出してしまった。子供を殺されて平気なゆっくりはゆっくりじゃない。
こんな間抜けな演技でこの場を切り抜けるくらいなら誇り高い死を選ぶ……みんなも同じ思いだとぱちゅりーは信じていたのだ。
怒りはなかった。ただ悲しかった。単に正義が実行されず悪がまかりとおるだけではない、この無関心さが。
「ゆううううううううううう!!!!ゆうううううううううう!!!!」
「ぱちゅりー何を泣いているの?」
ドスは子供をあやすような口調でいけしゃあしゃあと問いかけた。その悪逆ぶりにぱちゅりーの怒りが再びこみあげてきた。
「ぱちゅりーゆっくり泣きやんでね! 『泣くことなんて何もないじゃない』」
このゲスドスッ! 泣くことならいくら……でも……?
「ゆ?」
ぱちゅりーは困惑した。
ないのだ。どこを探してもないのだ。
怒りと悲しみと絶望が。
まるで心にぽっかりと穴が開いたようだった。
いつの間にか涙が止まっていた。
「むきゅきゅ? ぱちゅったらなんで泣いてたんだろう?
『泣くことなんて何もないのに』」
「さあさ、気をとりなしてドスの用意したあまあまをゆっくり食べていってね!」
「いただきまーす!」
「むーしゃーむーしゃーしあわせー!」
「うめぇ! これめっちゃうめぇ!」
四匹のゆっくりたちは自分たちが体を痛めて産んだ子供たちの惨死体を貪り始めた。
苦しめられて殺されたゆっくりたちだったのでとても甘く美味しかった。
こんな美味しいものを食べさせてくれるドスは思ったより優しいなと四匹のゆっくりたちは思った。
「あ、そうだドス。さっきもいったけど、にんげんたちがドスをやっつけるけいかくをねってるみたいですよ」
ぱちゅりーは、珍しい形の雲を見つけたことを話すような口調でドスに告げた。どうでもいいことだけど一応伝えておこうかといった具合に。
「それは問題ないよ。人間さんだって忙しいもの。ドスなんかに関わってる暇があったら畑仕事をするよ。
大丈夫大丈夫。人間さんはドスのことをそれほど嫌っていないよ?」
「それならいいんです」
どのみち人間のことなどどうでもいいことだった。遠い遠い世界の出来事のように思えた。……まるで前世のように。
「さあさあ、余計なことには気を回す、今日は疲れたでしょうからゆっくり休んでいってね!」
「ゆはーい!」
たくさん食べた四匹のゆっくりたちは巣への帰り道を急いだ。
そうだゆっくり休まなくては。
明日からまた働かなくてはならない。自分たちのため、群れのため、ドスのために。
たくさんの食べ物を集めなくては。
厄介な子供たちがいなくなったのは幸いだ。これで集めなくてはならない食料が大分減る。
もともと今年は厳しかったのだ。おそらく子供たちは冬を越せなかったのだろう。
やはりドスは頼りになる。
「いただきまーす!」
「むーしゃーむーしゃーしあわせー!」
「うめぇ! これめっちゃうめぇ!」
四匹のゆっくりたちは自分たちが体を痛めて産んだ子供たちの惨死体を貪り始めた。
苦しめられて殺されたゆっくりたちだったのでとても甘く美味しかった。
こんな美味しいものを食べさせてくれるドスは思ったより優しいなと四匹のゆっくりたちは思った。
「あ、そうだドス。さっきもいったけど、にんげんたちがドスをやっつけるけいかくをねってるみたいですよ」
ぱちゅりーは、珍しい形の雲を見つけたことを話すような口調でドスに告げた。どうでもいいことだけど一応伝えておこうかといった具合に。
「それは問題ないよ。人間さんだって忙しいもの。ドスなんかに関わってる暇があったら畑仕事をするよ。
大丈夫大丈夫。人間さんはドスのことをそれほど嫌っていないよ?」
「それならいいんです」
どのみち人間のことなどどうでもいいことだった。遠い遠い世界の出来事のように思えた。……まるで前世のように。
「さあさあ、余計なことには気を回す、今日は疲れたでしょうからゆっくり休んでいってね!」
「ゆはーい!」
たくさん食べた四匹のゆっくりたちは巣への帰り道を急いだ。
そうだゆっくり休まなくては。
明日からまた働かなくてはならない。自分たちのため、群れのため、ドスのために。
たくさんの食べ物を集めなくては。
厄介な子供たちがいなくなったのは幸いだ。これで集めなくてはならない食料が大分減る。
もともと今年は厳しかったのだ。おそらく子供たちは冬を越せなかったのだろう。
やはりドスは頼りになる。
「ぱちゅりー、今月に入って何回目?」
ドスれいむは側近のぱちゅりーに問うた。
「三回目です。ドス」
側近ぱちゅりーは機械的に答えた。
「まだ三回目? 随分少ないね! この里のやつらはゆん骨精神が足りないんじゃないの?
ゆっくりに骨はないけどね!」
「どうします? そろそろ破棄して次に移りますか?」
「そうだねぇ……、最後に人間のところへ一斉突撃でもさせて……その前にもう少し楽しもうかな!
なにかいいアイディアない?」
「群れを二つにわけて争わせてみてはいかがでしょうか?」
飽くまでも側近ぱちゅりーは無感情に答える。
「なるほど。精鋭を厳選した方が突撃も見ものになるだろうしね。それで行こうかな」
「ルールは相手の子供を多く殺した方が勝ちということで」
「いいね! それを聞くとなんだかお腹がすいてきたよ!」
ドスれいむはとっておいた反乱ちぇんの子ゆっくりの死体をかじった。
ドスれいむは側近のぱちゅりーに問うた。
「三回目です。ドス」
側近ぱちゅりーは機械的に答えた。
「まだ三回目? 随分少ないね! この里のやつらはゆん骨精神が足りないんじゃないの?
ゆっくりに骨はないけどね!」
「どうします? そろそろ破棄して次に移りますか?」
「そうだねぇ……、最後に人間のところへ一斉突撃でもさせて……その前にもう少し楽しもうかな!
なにかいいアイディアない?」
「群れを二つにわけて争わせてみてはいかがでしょうか?」
飽くまでも側近ぱちゅりーは無感情に答える。
「なるほど。精鋭を厳選した方が突撃も見ものになるだろうしね。それで行こうかな」
「ルールは相手の子供を多く殺した方が勝ちということで」
「いいね! それを聞くとなんだかお腹がすいてきたよ!」
ドスれいむはとっておいた反乱ちぇんの子ゆっくりの死体をかじった。
続く