ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3071 償い
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ankoss
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『償い』 16KB
飼いゆ 虐待人間 すっきりする話じゃないよ
飼いゆ 虐待人間 すっきりする話じゃないよ
※読後感はよくないかもしれません
※ゲスな人間が出てきます
※どんぐらいゲスかっていうとおれとかお前ぐらい
※ゲスな人間が出てきます
※どんぐらいゲスかっていうとおれとかお前ぐらい
「おう、そんじゃゆっくりしてろよー」
今日も、お姉さんはそう言って出かけていった。
「ゆっくりいってらっしゃい!」
「いってらっちゃい!」
成体よりも一回り小さなゆっくりれいむと、さらにそれよりも二回り小さいゆっくりま
りさが元気に送り出す。
この二匹はお姉さんの飼いゆっくりである。
「ゆっくり遊びにいこうね!」
「ゆっきゅち! はやくみんなにあいちゃいのじぇ!」
二匹は、壁に空いた専用の出入り口から表に出ていく。
庭に出た二匹は迷わずフェンスに向かって行く。フェンスの一部にぽっかりと穴が開い
ており、そこをくぐった二匹は、声高らかに言った。
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっきゅち!」
「「「ゆっ! ゆっくりしていってね!」」」
そこにいたのは、何匹もの薄汚れたゆっくりたちである。
れいむが銀の、まりさが銅のバッヂをつけているのに比べて、彼らにはそのようなもの
はない。明らかに野良ゆっくりである。
その野良ゆっくりたちとれいむとまりさは仲良く遊び始めた。
見る人が見れば、それだけでこの二匹を飼いゆっくり失格と断じたかもしれぬ。
とかく、飼いゆっくりが野良ゆっくりと接触するのはトラブルの元である。飼いゆっく
りの境遇に嫉妬し、或いは飼いゆっくりが持っている甘いお菓子などを狙って野良によっ
て飼いゆっくりが害されることは珍しくない。
他にも、飼いゆっくりがどう見てもゲスな野良を「わいるどでゆっくりできるよ!」な
どとほざいて番になって子供を作ったりもする。
それらのことから、野良ゆっくりとの接触を嫌う飼い主は少なくない。
だが、この二匹の行動は別に飼い主のお姉さんに内緒で行われているものでもない。
「となりの空き地にすんでる子たちと仲良くなったよ!」
と言えば、
「おー、そらよかったなー。じゃ、フェンスの穴はそのままにしておくか」
と、鷹揚にお姉さんは言った。
お姉さんは自分が家にいる間、適当に話し相手になってくれたりする程度のことしか飼
いゆっくりに求めていない。
基本的に放任主義であり、おうちの中を汚さないように気をつけていれば、怒ったりは
しない。
二匹は、とてもゆっくりした飼い主さんだと思っていた。
だが、それは表裏の一面であって、もう一方の面では、お姉さんはゆっくりを飼うこと
に対して相当に適当であり、野良ゆっくりとの接触による危険性などをそもそも考えもし
ないのであり、二匹は放任の代償としてそれだけ「守られていない」のである。
それでも、隣の空き地に住んでいるゆっくりたちは野良としては善良な部類で、それら
が直接にれいむとまりさに災厄をもたらしたのではなかった。
それは……三つの要素が重なって起こった。
まず第一に、野良ゆっくりが群れているのを見つけたゆっくり虐待を嗜好する人間がや
る気満々でやってきたこと。
「おらおら」
「いぢゃいいいいいい!」
「や、やべでえええ! おぢびぢゃんにひどいごとじないでええええ!」
「たずげでえええ!」
でかいのは蹴り、小さいのは踏み潰す。
暴風のようなもので、ゆっくりには抗する術などない。
「ゆわわわ、なんなのじぇぇぇ! きょわいのじぇぇぇ! しーしーちびるのじぇぇぇ!」
恐怖で泣き喚くばかりのまりさ。
「まりさ! はやくおうちに逃げて!」
それへ、そう言うと、れいむはぽよぽよと跳ねて、今正に踏み潰されようとしているま
だ生まれたばかりの赤ゆっくりたちを庇った。
第二に、このれいむの勇気ある行為。
「ああ? くせえんだよ、ゴミが! 死ね!」
第三に、まさかこんな野良丸出しの群れに飼いゆっくりが紛れ込んでいるとは思ってい
なかった人間が、よく見もしないで邪魔なれいむを踏み潰したこと。
「お、お、おねえじゃあああああああああん! う、うそなのじぇぇぇ! おねえじゃん
があああああ!」
れいむの死に、まりさは声を限りに泣いた。
この二匹、餡こそ繋がっていないが、とあるペットショップで姉妹同然に育ってきた。
れいむが銀バッヂをとれたのに、まりさはどうしてもとれなかった。
しかし、そこで幸運にも、適当にゆっくりでも飼ってみるか、と思っていたお姉さんが
来店し適当にれいむを「金じゃ高いから、銀にしよう」と選び、れいむが連れて行かれる
のに大声を出したまりさがこのれいむの妹みたいな存在だと知ると、
「五百円でよければこいつも」
と、慈悲深い言葉を店員に投げかけ、そろそろ「廃棄」してしまおうと思っていた店員
は喜んで応じた。
離れ離れにならず二匹でいられるだけでも喜ぶべきなのに、既に述べた通り、放任主義
のお姉さんの元で、かなり自由にゆっくりすることができた。
今回の突然の災いはまるでそれまで貸した幸運を取り立てられたかのような不運であっ
た。
「ああ、うるせえぞゴミが。てめえも……」
と、そこまで言って、男の顔が強張る。
「なんだ、飼いゆっくりかよ。野良に混じってんじゃねえよ、間違えて潰しちまうだろ」
しっしっ、と手を振って、男はさらに顔を強張らせた。
「ああ!? ……え? こいつも?」
そこでようやく、男はれいむのリボンにつけられた銀バッヂに気付いたのである。
「か、飼いゆっくりかよ……い、いや、でも、バッヂつけたまんま捨てられたのかも」
希望的観測を述べる男だが、そうではないことはご存知の通りである。
逃げることも考えた男だが、そうして後でバレた際に面倒なことになると踏んで、名乗
り出ることにした。
「おい、お前の飼い主はどこだ」
今日も、お姉さんはそう言って出かけていった。
「ゆっくりいってらっしゃい!」
「いってらっちゃい!」
成体よりも一回り小さなゆっくりれいむと、さらにそれよりも二回り小さいゆっくりま
りさが元気に送り出す。
この二匹はお姉さんの飼いゆっくりである。
「ゆっくり遊びにいこうね!」
「ゆっきゅち! はやくみんなにあいちゃいのじぇ!」
二匹は、壁に空いた専用の出入り口から表に出ていく。
庭に出た二匹は迷わずフェンスに向かって行く。フェンスの一部にぽっかりと穴が開い
ており、そこをくぐった二匹は、声高らかに言った。
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっきゅち!」
「「「ゆっ! ゆっくりしていってね!」」」
そこにいたのは、何匹もの薄汚れたゆっくりたちである。
れいむが銀の、まりさが銅のバッヂをつけているのに比べて、彼らにはそのようなもの
はない。明らかに野良ゆっくりである。
その野良ゆっくりたちとれいむとまりさは仲良く遊び始めた。
見る人が見れば、それだけでこの二匹を飼いゆっくり失格と断じたかもしれぬ。
とかく、飼いゆっくりが野良ゆっくりと接触するのはトラブルの元である。飼いゆっく
りの境遇に嫉妬し、或いは飼いゆっくりが持っている甘いお菓子などを狙って野良によっ
て飼いゆっくりが害されることは珍しくない。
他にも、飼いゆっくりがどう見てもゲスな野良を「わいるどでゆっくりできるよ!」な
どとほざいて番になって子供を作ったりもする。
それらのことから、野良ゆっくりとの接触を嫌う飼い主は少なくない。
だが、この二匹の行動は別に飼い主のお姉さんに内緒で行われているものでもない。
「となりの空き地にすんでる子たちと仲良くなったよ!」
と言えば、
「おー、そらよかったなー。じゃ、フェンスの穴はそのままにしておくか」
と、鷹揚にお姉さんは言った。
お姉さんは自分が家にいる間、適当に話し相手になってくれたりする程度のことしか飼
いゆっくりに求めていない。
基本的に放任主義であり、おうちの中を汚さないように気をつけていれば、怒ったりは
しない。
二匹は、とてもゆっくりした飼い主さんだと思っていた。
だが、それは表裏の一面であって、もう一方の面では、お姉さんはゆっくりを飼うこと
に対して相当に適当であり、野良ゆっくりとの接触による危険性などをそもそも考えもし
ないのであり、二匹は放任の代償としてそれだけ「守られていない」のである。
それでも、隣の空き地に住んでいるゆっくりたちは野良としては善良な部類で、それら
が直接にれいむとまりさに災厄をもたらしたのではなかった。
それは……三つの要素が重なって起こった。
まず第一に、野良ゆっくりが群れているのを見つけたゆっくり虐待を嗜好する人間がや
る気満々でやってきたこと。
「おらおら」
「いぢゃいいいいいい!」
「や、やべでえええ! おぢびぢゃんにひどいごとじないでええええ!」
「たずげでえええ!」
でかいのは蹴り、小さいのは踏み潰す。
暴風のようなもので、ゆっくりには抗する術などない。
「ゆわわわ、なんなのじぇぇぇ! きょわいのじぇぇぇ! しーしーちびるのじぇぇぇ!」
恐怖で泣き喚くばかりのまりさ。
「まりさ! はやくおうちに逃げて!」
それへ、そう言うと、れいむはぽよぽよと跳ねて、今正に踏み潰されようとしているま
だ生まれたばかりの赤ゆっくりたちを庇った。
第二に、このれいむの勇気ある行為。
「ああ? くせえんだよ、ゴミが! 死ね!」
第三に、まさかこんな野良丸出しの群れに飼いゆっくりが紛れ込んでいるとは思ってい
なかった人間が、よく見もしないで邪魔なれいむを踏み潰したこと。
「お、お、おねえじゃあああああああああん! う、うそなのじぇぇぇ! おねえじゃん
があああああ!」
れいむの死に、まりさは声を限りに泣いた。
この二匹、餡こそ繋がっていないが、とあるペットショップで姉妹同然に育ってきた。
れいむが銀バッヂをとれたのに、まりさはどうしてもとれなかった。
しかし、そこで幸運にも、適当にゆっくりでも飼ってみるか、と思っていたお姉さんが
来店し適当にれいむを「金じゃ高いから、銀にしよう」と選び、れいむが連れて行かれる
のに大声を出したまりさがこのれいむの妹みたいな存在だと知ると、
「五百円でよければこいつも」
と、慈悲深い言葉を店員に投げかけ、そろそろ「廃棄」してしまおうと思っていた店員
は喜んで応じた。
離れ離れにならず二匹でいられるだけでも喜ぶべきなのに、既に述べた通り、放任主義
のお姉さんの元で、かなり自由にゆっくりすることができた。
今回の突然の災いはまるでそれまで貸した幸運を取り立てられたかのような不運であっ
た。
「ああ、うるせえぞゴミが。てめえも……」
と、そこまで言って、男の顔が強張る。
「なんだ、飼いゆっくりかよ。野良に混じってんじゃねえよ、間違えて潰しちまうだろ」
しっしっ、と手を振って、男はさらに顔を強張らせた。
「ああ!? ……え? こいつも?」
そこでようやく、男はれいむのリボンにつけられた銀バッヂに気付いたのである。
「か、飼いゆっくりかよ……い、いや、でも、バッヂつけたまんま捨てられたのかも」
希望的観測を述べる男だが、そうではないことはご存知の通りである。
逃げることも考えた男だが、そうして後でバレた際に面倒なことになると踏んで、名乗
り出ることにした。
「おい、お前の飼い主はどこだ」
「申し訳ありませんでした!」
「……」
平身低頭する男に、お姉さんは黙っていた。
適当に飼っていた連中だが、それなりに愛情は持っていた。だから殺されたと聞けば憤
りは感じる。
だから、最初は相当になじった。ちゃんとバッヂをつけていただろう、と。
だが、平謝りしつつ、男はれいむたちが野良に混じっていたことを執拗に言った。野良
を庇って出てくるようなことをしなければこんなことにはなっていなかった、とお姉さん
に思わせることに成功した。
「……まあ、裁判とかまでする気はないんで」
そう言って、一旦お引取り願った後に、お姉さんは知り合いに聞いたり、法律や判例の
載ったサイトを見たりして、こういう場合はどうすればいいか……つまり、自分はあの男
に何をどこまで求めることができるのかを調べた。
「……そんなもんか……まあ、ペットって物扱いだから器物損壊なんだよね」
結果、大したことは求められないという結論に至った。
銀バッヂのれいむをお姉さんは一万円で購入していたので、その分は弁償させるとして、
他に慰謝料が少しだろう。
男が、故意に飼いゆっくりを殺そうとして殺したのならば話は違ってくるが、この間の
感じからして、男は絶対にそこは認めないであろう。
そこを突破するには裁判になるが、お姉さんはそこまでするつもりはない。
「三万ぐらいか……」
呟いたお姉さんの視線の先で、まりさが眠っている。れいむが死んでから、めっきり元
気をなくしたまりさはすぐに泣くようになり、泣き疲れて眠ることが多くなった。
「……」
平身低頭する男に、お姉さんは黙っていた。
適当に飼っていた連中だが、それなりに愛情は持っていた。だから殺されたと聞けば憤
りは感じる。
だから、最初は相当になじった。ちゃんとバッヂをつけていただろう、と。
だが、平謝りしつつ、男はれいむたちが野良に混じっていたことを執拗に言った。野良
を庇って出てくるようなことをしなければこんなことにはなっていなかった、とお姉さん
に思わせることに成功した。
「……まあ、裁判とかまでする気はないんで」
そう言って、一旦お引取り願った後に、お姉さんは知り合いに聞いたり、法律や判例の
載ったサイトを見たりして、こういう場合はどうすればいいか……つまり、自分はあの男
に何をどこまで求めることができるのかを調べた。
「……そんなもんか……まあ、ペットって物扱いだから器物損壊なんだよね」
結果、大したことは求められないという結論に至った。
銀バッヂのれいむをお姉さんは一万円で購入していたので、その分は弁償させるとして、
他に慰謝料が少しだろう。
男が、故意に飼いゆっくりを殺そうとして殺したのならば話は違ってくるが、この間の
感じからして、男は絶対にそこは認めないであろう。
そこを突破するには裁判になるが、お姉さんはそこまでするつもりはない。
「三万ぐらいか……」
呟いたお姉さんの視線の先で、まりさが眠っている。れいむが死んでから、めっきり元
気をなくしたまりさはすぐに泣くようになり、泣き疲れて眠ることが多くなった。
「五万円でいかがでしょう」
男は、そう言ってきた。
「……」
男としては、相場の少し上を提示することでありもしない誠意を見せたつもりである。
結局、お姉さんはそれを受けることにした。
残酷なようだが、お姉さんの中ではもう終わりかけていた問題であった。金で済ますの
か、と言われれば他になんかあんのか、と言わざるを得ない。
男をぶん殴れば、れいむとなによりも生きているまりさへのいささかの慰めになるかも
しれないが、そうなれば今度は自分が加害者である。
そこまで、するつもりは無かった。
この金で、まりさに美味しいもの食べさせてやろう、ゆっくりしていればまりさの心の
傷も癒えるだろう。
お姉さんは、ゆっくりとはそういったもの――ゆっくりしていれば辛いことなんかすぐ
忘れる――だと認識していた。
男は、そう言ってきた。
「……」
男としては、相場の少し上を提示することでありもしない誠意を見せたつもりである。
結局、お姉さんはそれを受けることにした。
残酷なようだが、お姉さんの中ではもう終わりかけていた問題であった。金で済ますの
か、と言われれば他になんかあんのか、と言わざるを得ない。
男をぶん殴れば、れいむとなによりも生きているまりさへのいささかの慰めになるかも
しれないが、そうなれば今度は自分が加害者である。
そこまで、するつもりは無かった。
この金で、まりさに美味しいもの食べさせてやろう、ゆっくりしていればまりさの心の
傷も癒えるだろう。
お姉さんは、ゆっくりとはそういったもの――ゆっくりしていれば辛いことなんかすぐ
忘れる――だと認識していた。
「あいつは、あのくずにんげんは、せいっしゃいされたのじぇ?」
男から五万円を受け取って帰ってくると、帰りを待っていたまりさが言った。
「……ああ、あいつは制裁を受けたよ」
「ゆっきゅちできにゃくなったのじぇ!?」
「……ああ」
まりさの言葉はゆっくりらしい抽象的なものだったが、お姉さんは、それをむしろ幸い
に思った。
「ほら、美味しいお菓子を買ってきたぞ」
「ゆわわわわ!」
まりさは嬉しそうに言った。
それを見ながら、これならすぐに立ち直るだろうと思った。
事実、まりさは立ち直りかけていた。
その日、まりさは庭に出てゆっくりと日向ぼっこをしていた。
あれから、お姉さんがフェンスの穴を塞いでしまいみんなの所に行けなくなってしまっ
たが、時々友達の野良ゆっくりたちがやってきてフェンス越しに会話をすることはできた
し、お姉さんもそれを禁じたりはしなかった。
「「「ゆっ! ゆっ!」」」
まりさが日向ぼっこをしていると、何匹かの野良ゆっくりが跳ねてきた。
「ゆっ!」
喜色をあらわしたまりさだったが、なんだか様子がおかしい。
「だづげでえええええ!」
「やじゃよぉ! れいみゅじにだくにゃいよぉぉぉぉ!」
「ゆぎゃあああ、やべでえええ!」
「ゆゆゆゆ!?」
彼らは、遊びに来たのではない。何かから逃げてきたのだ。
「ゆゆ! ど、どうしちゃのじぇ!?」
と、言われて野良ゆっくりたちは、自分たちが逃げていたのがまりさのおうちの方角だ
と気付いた。
「ゆ゛……ゆ゛……」
「ゆぎぎぎぎ」
「ゆぅぅぅ」
そして、まりさの姿を見ると、一様に恨みがましい顔で睨みつけてきた。
「ゆ? なんなのじぇ、ゆっきゅちちてないのじぇ」
「ゆっぐり……でぎるかああああ!」
「このうぞづぎ!」
「うそづぎ! うそづぎ! うそづぎまりざあああああ!」
「ゆっ! な、なにをいっちぇるのじぇ!」
まりさは身に覚えの無いことを言われて困惑した。
「わるいにんげんは、せいっさいっされたって言っただろおぉぉぉぉ! うぞづぎぃぃぃ
ぃ!」
「ゆ、う、うそじゃないのじぇ、おねえしゃんがそう言ってたのじぇ」
「だったら、だったらアレはなんだぁぁぁぁ!」
叫んだれいむが、潰れた。
潰したのは、れいむが言った「アレ」である。
「よっ! 逃がさないぞー」
それは、にっこり笑って恐怖に震える野良ゆっくりたちを楽しそうに見やった。
「ゆ、ゆわわわ! な、なんでおまえがここにいるのじぇ!」
それは、あのれいむおねえさんを殺したくずにんげんであった。せいっさいっされてゆ
っくりできなくなったはずのあの男だ。
まりさは、自分がうそつきと言われたわけを了解した。まりさは野良ゆっくりたちにあ
の悪いくずにんげんはせいっさいっされてゆっくりできなくなったからもう大丈夫だと言
っていたのだ。
「おかしいのじぇ、おまえはせいっしゃいされて、ゆっくりできなくなったはずなのじぇ!
」
「あー、せいっさいっ、ね。されたよー、ゆっくりできなくなったよー、五万はこの貧乏
人には辛えわー。おかげで野良を虐待する時はようく確認するようになったよ」
「せ、せ、せいっしゃいされたならなんでここにいるのじぇぇぇぇ! なんでまりしゃの
ともだちにひどいことちてるのじぇぇぇぇ!」
「んー」
男は少し考えて、にやりと笑った。
「せいっさいっ、はもう済んだよ。おれは罪を償ったのさ。で、なんでこのゴミどもにひ
どいことしてるかっていうと……別に、おれはこいつらを殺したことでせいっさいっされ
たわけじゃないからだ」
まりさは、呆然としていた。
男がせいっさいっされたと聞いて、まりさは当然それはれいむはもちろんのこと、他の
野良ゆっくりを何匹も殺したことに対してのせいっさいっだと思っていた。
しかし、事実は、男が制裁を受けたのはれいむ殺しに対してだけであり、それも既に済
んだという。
まりさの中で、せいっさいっされてゆっくりできなくなる、というのは死に等しい罰で
あった。
それが、それを受けたはずの男がぴんぴんしていて、しかも自分の友達を殺してあろう
ことかゆっくりしているように見える。
「な、なんで……なんで、なのじぇ」
男から五万円を受け取って帰ってくると、帰りを待っていたまりさが言った。
「……ああ、あいつは制裁を受けたよ」
「ゆっきゅちできにゃくなったのじぇ!?」
「……ああ」
まりさの言葉はゆっくりらしい抽象的なものだったが、お姉さんは、それをむしろ幸い
に思った。
「ほら、美味しいお菓子を買ってきたぞ」
「ゆわわわわ!」
まりさは嬉しそうに言った。
それを見ながら、これならすぐに立ち直るだろうと思った。
事実、まりさは立ち直りかけていた。
その日、まりさは庭に出てゆっくりと日向ぼっこをしていた。
あれから、お姉さんがフェンスの穴を塞いでしまいみんなの所に行けなくなってしまっ
たが、時々友達の野良ゆっくりたちがやってきてフェンス越しに会話をすることはできた
し、お姉さんもそれを禁じたりはしなかった。
「「「ゆっ! ゆっ!」」」
まりさが日向ぼっこをしていると、何匹かの野良ゆっくりが跳ねてきた。
「ゆっ!」
喜色をあらわしたまりさだったが、なんだか様子がおかしい。
「だづげでえええええ!」
「やじゃよぉ! れいみゅじにだくにゃいよぉぉぉぉ!」
「ゆぎゃあああ、やべでえええ!」
「ゆゆゆゆ!?」
彼らは、遊びに来たのではない。何かから逃げてきたのだ。
「ゆゆ! ど、どうしちゃのじぇ!?」
と、言われて野良ゆっくりたちは、自分たちが逃げていたのがまりさのおうちの方角だ
と気付いた。
「ゆ゛……ゆ゛……」
「ゆぎぎぎぎ」
「ゆぅぅぅ」
そして、まりさの姿を見ると、一様に恨みがましい顔で睨みつけてきた。
「ゆ? なんなのじぇ、ゆっきゅちちてないのじぇ」
「ゆっぐり……でぎるかああああ!」
「このうぞづぎ!」
「うそづぎ! うそづぎ! うそづぎまりざあああああ!」
「ゆっ! な、なにをいっちぇるのじぇ!」
まりさは身に覚えの無いことを言われて困惑した。
「わるいにんげんは、せいっさいっされたって言っただろおぉぉぉぉ! うぞづぎぃぃぃ
ぃ!」
「ゆ、う、うそじゃないのじぇ、おねえしゃんがそう言ってたのじぇ」
「だったら、だったらアレはなんだぁぁぁぁ!」
叫んだれいむが、潰れた。
潰したのは、れいむが言った「アレ」である。
「よっ! 逃がさないぞー」
それは、にっこり笑って恐怖に震える野良ゆっくりたちを楽しそうに見やった。
「ゆ、ゆわわわ! な、なんでおまえがここにいるのじぇ!」
それは、あのれいむおねえさんを殺したくずにんげんであった。せいっさいっされてゆ
っくりできなくなったはずのあの男だ。
まりさは、自分がうそつきと言われたわけを了解した。まりさは野良ゆっくりたちにあ
の悪いくずにんげんはせいっさいっされてゆっくりできなくなったからもう大丈夫だと言
っていたのだ。
「おかしいのじぇ、おまえはせいっしゃいされて、ゆっくりできなくなったはずなのじぇ!
」
「あー、せいっさいっ、ね。されたよー、ゆっくりできなくなったよー、五万はこの貧乏
人には辛えわー。おかげで野良を虐待する時はようく確認するようになったよ」
「せ、せ、せいっしゃいされたならなんでここにいるのじぇぇぇぇ! なんでまりしゃの
ともだちにひどいことちてるのじぇぇぇぇ!」
「んー」
男は少し考えて、にやりと笑った。
「せいっさいっ、はもう済んだよ。おれは罪を償ったのさ。で、なんでこのゴミどもにひ
どいことしてるかっていうと……別に、おれはこいつらを殺したことでせいっさいっされ
たわけじゃないからだ」
まりさは、呆然としていた。
男がせいっさいっされたと聞いて、まりさは当然それはれいむはもちろんのこと、他の
野良ゆっくりを何匹も殺したことに対してのせいっさいっだと思っていた。
しかし、事実は、男が制裁を受けたのはれいむ殺しに対してだけであり、それも既に済
んだという。
まりさの中で、せいっさいっされてゆっくりできなくなる、というのは死に等しい罰で
あった。
それが、それを受けたはずの男がぴんぴんしていて、しかも自分の友達を殺してあろう
ことかゆっくりしているように見える。
「な、なんで……なんで、なのじぇ」
「たっだいまー」
お姉さんが帰ってきた。
「……」
それを迎えたのは、鬼気迫るといってよいほどのまりさであった。
「ん、ど、どったの」
ゆっくりがこんな物騒なオーラを放つとは思っていなかったお姉さんはやや戸惑いつつ
尋ねる。
「う、う、う……」
「うー?」
「うぞづぎぃぃぃぃぃ!」
まりさは、言った。さっき殺されていく友達に言われた言葉を。
「な、なによ、いきなり」
「うぞづぎぃぃぃぃぃ! おねえじゃん、あのくずにんげんはせいっしゃいされちゃって
いったのじぇ! もうゆっくりできないっていったのじぇ!」
「は? いや、ちょっと、話見えないから」
お姉さんは喚くまりさから根気強く話を聞きだした。
「あのボケ……」
しおらしく謝っていた男の顔を思い浮かべて吐き捨てる。
あんなことがあったのだから、もうあの空き地には来ないだろうとお姉さんは思ってい
たのだが、それは勝手な思い込みであると今更気付いた。
「ごまん、ってなんなのじぇ、それでせいっしゃいされちゃっていってたのじぇ……あと、
つぐにゃった、ってなんなのじぇ」
お姉さんはため息をついて、懇切丁寧にまりさにそれらのことを説明した。
「ゆ゛ぎぎっぎぎぎぎ! な、なんなのじぇ! おかしいのじぇぇぇぇぇ!」
まりさは激怒した。
それがわかっていたお姉さんはもう一度ため息をつく。
まりさの立場からすれば、家族も同然の仲間を殺した奴が痛いっちゃ痛いけど十分支払
い可能な金で「償い」を済ませたなどと言って大手を振って歩いて、その途中で野良ゆっ
くりを虐待しているのだから許せる話ではない。
「ゆるじゃない! ぜっちゃいに、ゆるさないのじぇぇぇ! まりじゃが、まりじゃがあ
のくじゅをせいっしゃいしてやるのじぇぇぇぇぇぇ!」
まりさの声を聞きながら、お姉さんは、ようやくゆっくりについて考えるようになった。
どうも、今までの自分の認識には間違いが多い。
「ほら、美味しいお菓子があるから食べろ」
「ゆゆっ、おかち!」
とりあえず、美味いもんを与えることしか思いつかなかった。
「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ~」
本当に幸せそうにするまりさ。
だが、食事を終えると……
「ゆぐぐぐぐ! あのくずにんげん、どうやっちぇせいっしゃいちてやるのじぇ」
またもや憤怒の形相となってしまう。
それからもしばらくそのような状態が続いた。
お姉さんは、そうすればとりあえずしばらくといえどもまりさの機嫌がよくなるので頻
繁に美味しいお菓子を与えた。
わがままも、できるだけ許容してやった。
お姉さんが帰ってきた。
「……」
それを迎えたのは、鬼気迫るといってよいほどのまりさであった。
「ん、ど、どったの」
ゆっくりがこんな物騒なオーラを放つとは思っていなかったお姉さんはやや戸惑いつつ
尋ねる。
「う、う、う……」
「うー?」
「うぞづぎぃぃぃぃぃ!」
まりさは、言った。さっき殺されていく友達に言われた言葉を。
「な、なによ、いきなり」
「うぞづぎぃぃぃぃぃ! おねえじゃん、あのくずにんげんはせいっしゃいされちゃって
いったのじぇ! もうゆっくりできないっていったのじぇ!」
「は? いや、ちょっと、話見えないから」
お姉さんは喚くまりさから根気強く話を聞きだした。
「あのボケ……」
しおらしく謝っていた男の顔を思い浮かべて吐き捨てる。
あんなことがあったのだから、もうあの空き地には来ないだろうとお姉さんは思ってい
たのだが、それは勝手な思い込みであると今更気付いた。
「ごまん、ってなんなのじぇ、それでせいっしゃいされちゃっていってたのじぇ……あと、
つぐにゃった、ってなんなのじぇ」
お姉さんはため息をついて、懇切丁寧にまりさにそれらのことを説明した。
「ゆ゛ぎぎっぎぎぎぎ! な、なんなのじぇ! おかしいのじぇぇぇぇぇ!」
まりさは激怒した。
それがわかっていたお姉さんはもう一度ため息をつく。
まりさの立場からすれば、家族も同然の仲間を殺した奴が痛いっちゃ痛いけど十分支払
い可能な金で「償い」を済ませたなどと言って大手を振って歩いて、その途中で野良ゆっ
くりを虐待しているのだから許せる話ではない。
「ゆるじゃない! ぜっちゃいに、ゆるさないのじぇぇぇ! まりじゃが、まりじゃがあ
のくじゅをせいっしゃいしてやるのじぇぇぇぇぇぇ!」
まりさの声を聞きながら、お姉さんは、ようやくゆっくりについて考えるようになった。
どうも、今までの自分の認識には間違いが多い。
「ほら、美味しいお菓子があるから食べろ」
「ゆゆっ、おかち!」
とりあえず、美味いもんを与えることしか思いつかなかった。
「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ~」
本当に幸せそうにするまりさ。
だが、食事を終えると……
「ゆぐぐぐぐ! あのくずにんげん、どうやっちぇせいっしゃいちてやるのじぇ」
またもや憤怒の形相となってしまう。
それからもしばらくそのような状態が続いた。
お姉さんは、そうすればとりあえずしばらくといえどもまりさの機嫌がよくなるので頻
繁に美味しいお菓子を与えた。
わがままも、できるだけ許容してやった。
「う~ん」
お姉さんは唸りつつ家路を急いでいた。
その日、彼女は友人の友人にゆっくりを飼っている人がいることを知り、そこへ話を聞
きに行っていた。
結論としては、お姉さんのまりさへの対応は徹底的に間違っており、もう取り返しがつ
かないかもしれない、とのことであった。
「こっちが優しさのつもりで言う通りにしてやっても、向こうは自分に逆らえない存在だ
と認識して奴隷扱いしてくるよ。……銀がとれなかった銅バッヂだと、間違いなくそうな
ると思う」
確かに、ここ最近、まりさの言動等が荒々しくなってきているのは感じていた。正直む
かっとすることもあったが、お姉さんは、れいむの死を五万円で清算したことでその死を
悲しむまりさに一抹の後ろめたさを抱いており、強く出ることができなかった。
だが、今はもうそれが誤りであったとの確信を得ている。
「……びっしびしいかないとな」
後ろめたさからの気後れを振り払うように、お姉さんは力強く独語した。
もうこれからは厳しくやるつもりだ。
「ただいま!」
「ゆっ!」
気迫をこめて家に帰ると、まりさが待っていた。
「おねえしゃん!」
「なんだい」
早く美味しいお菓子をよこせ、とでも言うのだろうと思っていたお姉さんだったが、ま
りさの口から出たのは思ってもいない言葉だった。
「おねえしゃんが、あのくずにんげんをせいっしゃいするのじぇ」
「は?」
「まりしゃ、かんがえちゃけど、くやちいけど、あのにんげんをせいっしゃいできにゃい
のじぇ。でも、おねえしゃんなら、おなじにんげんのおねえしゃんならできるのじぇ」
「……」
「はやく! はやくせいっしゃいしにいくのじぇ!」
「いや、それは」
「だったら! おねえしゃんもくずにんげんなのじぇぇぇぇぇ!」
「……」
「れいみゅおねえしゃんのことをだいじにおもっちぇるなら、できるはずなのじぇ! で
きにゃいってこちょは、おねえしゃんはまりしゃたちのいのちを、にんげんのいのちより
下だと思っちぇるのじぇ!」
「ああ」
まったくもってその通りである。
別に考えるまでもなく、お姉さんはそれなりに愛情を持っていたはずのれいむと、れい
むを殺した男の命を天秤にかけて、後者が重いと思っていた。
この男はあなたの飼いゆっくりを殺したから、殺っちゃっていいですよ――と言われて
も、さすがに殺すのは……と思うだろう。
だが、まりさは、ゆっくりの命も人間の命も平等で同じ重さを持つと思っている。
「まりさ……」
「はやくするのじぇ! このくずにんげん! いのちは! いのちはみんなおんなじなの
じぇ! だかりゃ! れいみゅおねえしゃんをころちたにんげんも、ころちゃれないとい
けないのじぇぇぇぇぇぇぇ!」
「もう……」
お姉さんは深いため息をついた。
この頃、このまりさの相手をしていて、お姉さんもまったく心労がないとは言えなかっ
た。
もう、終わりにしたい、と思った。
終わりにする方法は二つある。
一つは、まりさに言われた通りに、あの男をお姉さんが殺すこと。
もう一つは――
「ゆ? な、なんなのじぇ! だすのじぇ!」
お姉さんは、台所から持ってきたゴミ袋にまりさを放り込んだ。
「あたしは、くずにんげんだ」
「や、やべるのじぇ! ちゅ、ちゅぶれるのじぇぇぇぇ!」
「あたしは、あんたの……ゆっくりのために人殺しなんてできない。たとえ、それがどん
なにゆっくりにひどいことをする人間でもね……」
「せ! せいっしゃい! まりしゃはどうばっぢなのじぇ! ころちたらせいっしゃいさ
れるのじぇ!」
「さよなら」
「ちゅぶれりゅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
ぶりゅ。
と溢れ出た。
お姉さんは唸りつつ家路を急いでいた。
その日、彼女は友人の友人にゆっくりを飼っている人がいることを知り、そこへ話を聞
きに行っていた。
結論としては、お姉さんのまりさへの対応は徹底的に間違っており、もう取り返しがつ
かないかもしれない、とのことであった。
「こっちが優しさのつもりで言う通りにしてやっても、向こうは自分に逆らえない存在だ
と認識して奴隷扱いしてくるよ。……銀がとれなかった銅バッヂだと、間違いなくそうな
ると思う」
確かに、ここ最近、まりさの言動等が荒々しくなってきているのは感じていた。正直む
かっとすることもあったが、お姉さんは、れいむの死を五万円で清算したことでその死を
悲しむまりさに一抹の後ろめたさを抱いており、強く出ることができなかった。
だが、今はもうそれが誤りであったとの確信を得ている。
「……びっしびしいかないとな」
後ろめたさからの気後れを振り払うように、お姉さんは力強く独語した。
もうこれからは厳しくやるつもりだ。
「ただいま!」
「ゆっ!」
気迫をこめて家に帰ると、まりさが待っていた。
「おねえしゃん!」
「なんだい」
早く美味しいお菓子をよこせ、とでも言うのだろうと思っていたお姉さんだったが、ま
りさの口から出たのは思ってもいない言葉だった。
「おねえしゃんが、あのくずにんげんをせいっしゃいするのじぇ」
「は?」
「まりしゃ、かんがえちゃけど、くやちいけど、あのにんげんをせいっしゃいできにゃい
のじぇ。でも、おねえしゃんなら、おなじにんげんのおねえしゃんならできるのじぇ」
「……」
「はやく! はやくせいっしゃいしにいくのじぇ!」
「いや、それは」
「だったら! おねえしゃんもくずにんげんなのじぇぇぇぇぇ!」
「……」
「れいみゅおねえしゃんのことをだいじにおもっちぇるなら、できるはずなのじぇ! で
きにゃいってこちょは、おねえしゃんはまりしゃたちのいのちを、にんげんのいのちより
下だと思っちぇるのじぇ!」
「ああ」
まったくもってその通りである。
別に考えるまでもなく、お姉さんはそれなりに愛情を持っていたはずのれいむと、れい
むを殺した男の命を天秤にかけて、後者が重いと思っていた。
この男はあなたの飼いゆっくりを殺したから、殺っちゃっていいですよ――と言われて
も、さすがに殺すのは……と思うだろう。
だが、まりさは、ゆっくりの命も人間の命も平等で同じ重さを持つと思っている。
「まりさ……」
「はやくするのじぇ! このくずにんげん! いのちは! いのちはみんなおんなじなの
じぇ! だかりゃ! れいみゅおねえしゃんをころちたにんげんも、ころちゃれないとい
けないのじぇぇぇぇぇぇぇ!」
「もう……」
お姉さんは深いため息をついた。
この頃、このまりさの相手をしていて、お姉さんもまったく心労がないとは言えなかっ
た。
もう、終わりにしたい、と思った。
終わりにする方法は二つある。
一つは、まりさに言われた通りに、あの男をお姉さんが殺すこと。
もう一つは――
「ゆ? な、なんなのじぇ! だすのじぇ!」
お姉さんは、台所から持ってきたゴミ袋にまりさを放り込んだ。
「あたしは、くずにんげんだ」
「や、やべるのじぇ! ちゅ、ちゅぶれるのじぇぇぇぇ!」
「あたしは、あんたの……ゆっくりのために人殺しなんてできない。たとえ、それがどん
なにゆっくりにひどいことをする人間でもね……」
「せ! せいっしゃい! まりしゃはどうばっぢなのじぇ! ころちたらせいっしゃいさ
れるのじぇ!」
「さよなら」
「ちゅぶれりゅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
ぶりゅ。
と溢れ出た。
時間が経っても、時々お姉さんはどうやって自分は償えばいいのかと思うことがある。
そして、徒労としか言えない思考を行って、いつもの償いようがない、という結論に達
する。
せいぜい、自分みたいなものは二度とゆっくりを飼おうなどとは思わぬことだ。
そう思うお姉さんは、一応はゆっくりの命を人間のそれよりも下といえども命としては
扱っていたと言える。
そして、徒労としか言えない思考を行って、いつもの償いようがない、という結論に達
する。
せいぜい、自分みたいなものは二度とゆっくりを飼おうなどとは思わぬことだ。
そう思うお姉さんは、一応はゆっくりの命を人間のそれよりも下といえども命としては
扱っていたと言える。
「やめでええええ!」
「ま、まりざはもとぎんばっぢだったんだよ! ころざないで!」
「あ? 元じゃ意味ねーよ」
一方、こちらはゆっくりの命など、命とは認めていない男。
「おらっ!」
自称元銀バッヂのまりさを踏み潰す。
「ま、銀バッヂって言っても、五万も出せば償いは済むけどな。いや、二度とごめんだけ
どさ」
「ま、まりざはもとぎんばっぢだったんだよ! ころざないで!」
「あ? 元じゃ意味ねーよ」
一方、こちらはゆっくりの命など、命とは認めていない男。
「おらっ!」
自称元銀バッヂのまりさを踏み潰す。
「ま、銀バッヂって言っても、五万も出せば償いは済むけどな。いや、二度とごめんだけ
どさ」
終わり
書いたのは、犬猫だったら許せないことでもゆっくりに対してなら塵ほどの
罪悪感もなくやれるのるまあき。
罪悪感もなくやれるのるまあき。
過去作品
anko429 ゆっくりほいくえん
anko490 つむりとおねえさん
anko545 ドスハンター
anko580 やさしいまち
anko614 恐怖! ゆっくり怪人
anko810 おちびちゃん用のドア
anko1266 のるま
anko1328 しょうりしゃなのじぇ
anko1347 外の世界でデビュー
anko1370 飼いドス
anko1415 えーき裁き
anko1478 身の程知らず
anko1512 やけぶとりっ
anko1634 かわいそうかわいそう
anko1673 いきているから
anko1921 理想郷
anko2087.2088 とんでもないゲス
anko2165 面の皮があつい
anko2200 けんっりょく
anko2547 絶対に渡さない
anko2652.2653 とてもがんばったまりさの末路
anko2864 つむりの学校
anko490 つむりとおねえさん
anko545 ドスハンター
anko580 やさしいまち
anko614 恐怖! ゆっくり怪人
anko810 おちびちゃん用のドア
anko1266 のるま
anko1328 しょうりしゃなのじぇ
anko1347 外の世界でデビュー
anko1370 飼いドス
anko1415 えーき裁き
anko1478 身の程知らず
anko1512 やけぶとりっ
anko1634 かわいそうかわいそう
anko1673 いきているから
anko1921 理想郷
anko2087.2088 とんでもないゲス
anko2165 面の皮があつい
anko2200 けんっりょく
anko2547 絶対に渡さない
anko2652.2653 とてもがんばったまりさの末路
anko2864 つむりの学校