ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3086 ありすはもう戻れない
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ankoss
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『ありすはもう戻れない』 10KB
番い 自然界 独自設定 作、長月 感謝のSS書き第4弾
番い 自然界 独自設定 作、長月 感謝のSS書き第4弾
※俺設定注意
※作、長月です
※虐待描写はありません 絵本や童話風の話です
※作、長月です
※虐待描写はありません 絵本や童話風の話です
ありすはうらやましかった。
あの柵の中のゆっくり達が。あのきらびやかな世界が。
自分のあの世界へ行きたい。
真の「とかいは」になりたい。
柵の外からありすはいつもそう思っていた。
ありすはもう戻れない
ありすは山に住む野生のゆっくりだ。
特に特徴のないありきたりの群れで、特に珍しくもないごく普通の通常種と暮らしている。
普通と違うところと言えばありすの両目が左右色の違うオッドアイであることくらいか。
まぁとにもかくにも普通の森ゆっくりである。
そんなありすにも夢があった。それは群れのある森近くにある豪邸に住むセレブゆっくりになることだ。
あそこにはゆっくりの望んでいる全てがある。
お城のように大きなゆっくりプレイス
たくさんのあまあま
きれいなフリルなどついたドレス(実際は腹巻や靴下に近いが)
そんなゆっくり達が住んでいるのだから。
もちろん野生のゆっくりであるありすがセレブゆっくりになどなれるわけもなくただ柵の外から眺めているだけしかないのだが。
「ありす、またあのおやしきのほうみてたのぜ?」
「ほんとうにありすはせれぶゆっくりがすきなんだね。」
そこへゆっくりまりさとれいむがやってきた。この2匹はありすと同時期の産まれた友達だ。
別にありすは今の生活に不満があるわけではない。
幸いにもありすは餌も豊富でゆっくりに危険な野生動物や捕食種などもいない理想的なゆっくりプレイスに住んでおり、まりさとれいむという良き友達もいる。
「そんなことよりおにごっこしようぜ。」
「ええ・・・そうね。」
だがそれでもありすは惹かれてしまうのだ。セレブゆっくりのきらびやかな世界に。
3匹で遊びながらもありすはお屋敷のことが忘れられなかった。
そんなある日のこと。ありすのゆん生に転機が訪れる。
「君・・・うちのゆっくりにならないかね?」
屋敷の持ち主である富豪の男がありすに自分に飼われないかと話を持ちかけてきたのだ。
男は希少ゆっくりを収集するのが趣味でどうやらオッドアイのありすが珍しかったらしい。
「明日、君の群れに使いのものをよこすよ。それまでに決めておいてくれ。」
そう言い残すと男は去っていった。
ありすは信じられない。まさかこんなことがあるなんて。
あまりのことに男が去った後もありすはしばらく動けなかった。
その夜ありすの群れは蜂の巣をつついたような大騒動になった。今までお屋敷に飼われる事になったゆっくりなどいなかったのだから当然のことだろう。
「いいなー。あまあまたべほうだいなんだねー。わかるよー。」
「むきゅ・・だいじょうぶかしら。にんげんさんにはこわいひともいっぱいいるっていうし・・・」
「ありす、すごいみょん。このむれのしゅっせがしらっだみょん。」
ありすを羨ましがる者、心配する者、称える者。
そんな中ありすの友達であるれいむとまりさは反対した。
「やめてよありす。ありすがおやしきにいったられいむさびしいよ。」
「そうなんだぜありす!!おやしきになんていかなくてもここでいっぱいゆっくりできるんだぜ!!」
特にまりさは猛反対した。
ありすは知っている。
まりさが自分のことが好きなことを。
もうすぐありす達は独り立ちの時期になるがその時一緒にゆっくりしてほしいとプロポーズすることも。
しかし
「ごめんなさい。ありすどうしてもとかいはになりたいの・・・」
次の日ありすはお屋敷からきたブリーダーに連れて行かれた。生まれ育った自分の群れを後にして。
「ゆわぁ・・・すごいわ・・・」
ブリーダーに通されたはじめて見るセレブゆっくりの世界にありすはただ驚いた。
自分達の住んでいた穴倉などとは違うその豪華さに。
見渡すような大きなシャンデリアのついた部屋。
よく使い方はわからないがとてもゆっくりできそうなたくさんの遊具。
羽毛入りのふかふかしたクッションが一頭につき一つある。
そんな環境できれいなドレスを着た数十頭の希少ゆっくりが生活しているのだ。
飼われているゆっくりもすごい。
「あーらあんた新入り?ま、せいぜいこのてんこのあんよに近づけるよう頑張りなさい。」
「そーりょーむすめさま・・・あまりそういうことは言わないほうが。」
「よくぞまいりましたありす。ここでみんなといっしょにゆっくりしていきましょうね。」
「あたいさいきょー!!」
「じゃおーん!!」
希少で高価なお嬢タイプてんこの他にもいく、さくや、ぬえ、ひじり、めーりん、ちるのなどなど。
そのままここにゆー物園を作れるんじゃないかと思える豪華さだ。
なんてここはすごいんだろう。ここはまさに真のゆっくりプレイスだ。
夢見心地のありす。しかしブリーダーの次の言葉がありすを現実に引き戻した。
「え!!きょせい?」
野生ゆであるありすは知らないがありす種はれいぱー化のおそれがある為、多頭飼いする時は去勢するのが常識なのだ。
「やめて!!そんなこと・・・やめて!!!」
必死に抵抗するありす。ゆっくりにとって自分のおちびちゃんは最もゆっくりできることの一つなのだ。それを奪われるなんて御免だ。
プスッ
「ゆ・・・・・」
しかしすぐに睡眠薬がわりのラムネ注射で眠らされてしまう。
ありすが起きた時もう下腹部にまむまむはなく、小麦粉でふさがれた後があるだけだった。
「・・・ありす・・・ありすのおちびちゃん・・・・うう・・」
お屋敷に来たはじめての晩。おちびちゃんを作れなくなった悲しさにありすは夜どうし泣きとおした。
「ふぅ・・・・。」
ありすがこの館で飼われはじめて数ヶ月が過ぎた。
子ゆっくりだった頃からの夢をかなえたありすだがその表情はさえない。
生粋の野生ゆだったありすはどうしてもセレブゆっくりの世界に馴染めないのだ。
ごはんを食べる時むーしゃむーしゃしあわせーと言ってはいけない。
挨拶は「ゆっくりしてってね。」ではなく「こんにちわ。」又は「ごきげんよう。」
寝る時は帽子、リボン、カチューシャなどのお飾りを外さねばならない、などなど。
野生ではとても考えられない飼いゆっくりの常識がありすを苦しめた。
しあわせーしながら出なければどんな美味しいあまあまを食べてもゆっくりできない。
お飾りを外してはどんなにふわふわのクッションでも安眠できない。
本来ゆっくりとはそういうものなのだ。むしろ人間に都合のいいよう品種改良された飼いゆっくり達のほうが不自然な存在と言える。
せめてありすが赤、子ゆっくりならまだ矯正できたかもしれない。しかしすでにありすは成体のゆっくりなのだ。
今更本能レベルで染みついた習慣を直せるはずもない。
またバッジ試験合格の為に一般教養を学ぶ「おべんきょう」の時間もありすは苦手だった。
「ありす、3+6の答えは?」
「わ・・・わかりません・・・」
「いけませんねー。これで何度目ですか?では、ちるの答えなさい。」
「はい。こたえってば⑨ね!!」
「はい。よくできました。ありすも見習うように。」
何度ブリーダーに教えられても、ちるのでさえ答えられる問題が解くことができずいつも惨めだった。
これはありすが馬鹿だからではない。野生と飼いゆっくりでは憶えなければいけない知識が違うからだ。
そもそも野性の世界に文字、数、貨幣、時計、本と言ったものは存在しない。それを憶えろ、理解しろと言うほうがおかしいのだから。
そのせいでありすは未だに銅バッジだ。他のみんなは金やプラチナバッジで、ちるのやめーりんでさえ銀なのに。
しかしそんな事は誰も分かってなどくれはしない。
「へー。こんな問題もとけないんだー。ありすって頭のしょーみきげんっやばいんじゃないのー。」
後ろの席のてんこにはよく嫌味を言われ惨めさに拍車がかかる。
いつしかありすはうつむいてばかりの笑わないゆっくりになっていた。
「あらそーりょうむすめさま、そのドレス新しいやつじゃありませんか。」
「あらわかる?だんな様におねだりして買ってもらったの。やっぱりてんこは常に美しいゆっくりでないと。」
「しろ!!」
「あーまた、あたいの負けか・・・やっぱりオセロではえーき様に勝てないな・・・」
「ZZZ・・・・じゃお・・・ZZ・・・ZZZ」
「こらめーりん。こんな所で寝てはだめですわ!!ちゃんと自分のクッションさんでおやすみなさいな!!」
談笑するてんこ、いく。 オセロをするこまちとえーき。暇さえあればずっと寝ているめーりん。
自由時間、皆思い思いの方法でゆっくりしてる中ありすだけが憂鬱な顔をしていた。
どうしてもありすはみんなの輪に入っていけない。元野生ゆのありすと純粋な飼いゆっくりとでは話が合わないのだ。
一緒に庭で鬼ごっこしようと誘ったこともあったが「怪我したら怒られるし、ドレスが汚れるから駄目。」とあっさり断られた。
ありすは一人ぼっち。広い部屋の片隅で一匹だけポツンとしている。
今となっては着ているドレスも色あせて見えて跳ねるのに邪魔な布にしか見えない。
贅沢なあまあまよりも、父がよく取ってきてくれた野いちごや木の実の味が恋しい。
そんな毎日のせいかありすは庭に出て柵の外ばかり見るようになった。
柵の中の世界にあこがれていたあの時とは逆に。昔の楽しかった頃を思い出しながら。
よくまりさやれいむと鬼ごっこしたな・・・
よくみんなで泥んこになるまで遊んでお母さんに怒られたっけ・・・
あの日みんなで見つけたお花畑。本当にきれいだったな・・・
ありすにはもう分からない。
なぜ自分はここにいるのか。何を自分はここに求めていたのか。
森にいた頃は輝いていたそのオッドアイの瞳ももう輝きをなくしていた。
その日もありすは庭に出て外を見ながら物思いにふけっていた。
室内からは他のゆっくり達の楽しそうな声が聞こえるがありすには関係ない。今日もありすは一人ぼっちだ。
「ゆ・・・こっちだよれいむ。」
そこへゆっくりの一家が森のほうからやってきた。
「・・・?あれは・・・!!!」
思わずありすは近くに生えていた木の陰に隠れてしまう。
なぜならそのゆっくり達は森にいた頃仲の良かったれいむとまりさだったからだ。
一緒に子ゆっくり達を連れている所を見るとおそらく二人はつがいになったのだろう。自分はもうおちびちゃんを産むことができないのに。
群れを裏切った挙句飼いゆっくりとしても落ちこぼれたこんな無様な醜態を見せられない。
ありすは息を殺し木の陰からこっそり二人を見る。
おちびちゃん達を連れた2匹の顔はとてもゆっくりして見える。
子供達もとても幸せそうだ。かつての自分がそうだったように。
もしあの時群れに残ることを選んでいたらまりさの隣にいたのは自分だったのかもな・・・
そう思いながらありすは木の陰かられいむ達を見送った。
れいむ達がいなくなった後もありすは動けなかった。
ありすはもう戻れない。
野生として生きていくにはありすの舌は肥えすぎた。
そのあんよは野山を跳ね回るにはあまりにやわになり過ぎた。
去勢もされてしまったのでおちびちゃんを作ることもできない。
ありすはもう戻れない。
あの無邪気で楽しかったあの頃に。
「うう・・・ひっく・・・うう・・・」
いつしかありすは泣いていた。
あの頃に戻れたらと思いながら。
どうしてこんなことになったんだろうと悔いながら。
声を殺してに泣き続けた。
もう戻れないあの頃を思い出して。
後書き
本当に大切なものはいつだって身近にあって、なくしてから気づくよね・・・そんな話です。
よく野良や野生ゆは飼いゆになりたがるけど飼いゆっくりが必ずしも幸せだとは限らないんですよね。人間の都合に合わせてゆっくりとしては不自然な生活を強いられるわけだし。
本当に大切なものはいつだって身近にあって、なくしてから気づくよね・・・そんな話です。
よく野良や野生ゆは飼いゆになりたがるけど飼いゆっくりが必ずしも幸せだとは限らないんですよね。人間の都合に合わせてゆっくりとしては不自然な生活を強いられるわけだし。
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