ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3116 美味しいピザ饅
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ankoss
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『美味しいピザ饅』 3KB
小ネタ 希少種 基地外な人間さんに注意
小ネタ 希少種 基地外な人間さんに注意
冬というものはなかなか変わった季節である、と私は思う。
暖房の利いた過ごしやすい家の中で、コタツに半身を突っ込んでぬくぬくと休日を食い潰し、これより快適な空間など存在しないと断言できるほどの状況にありながら、どこか満たされない気持ちになってしまう。
暖房の利いた過ごしやすい家の中で、コタツに半身を突っ込んでぬくぬくと休日を食い潰し、これより快適な空間など存在しないと断言できるほどの状況にありながら、どこか満たされない気持ちになってしまう。
肉饅が食べたい。
四方八方からの暖かさに文明の発達を実感しながらぼんやりと、今私が望んでいるそれのイメージを思い浮かべる。
幼子の白い肌そのものを連想させる饅頭皮
蒸したてであることをあからさまに主張する湯気
中に詰まった肉汁たっぷりの具
食べられることを最後まで拒否するその目
悲鳴こそ聞くことが出来ないが、きっと喉が張り裂けんばかりに泣き叫んでいるのだろう
幼子の白い肌そのものを連想させる饅頭皮
蒸したてであることをあからさまに主張する湯気
中に詰まった肉汁たっぷりの具
食べられることを最後まで拒否するその目
悲鳴こそ聞くことが出来ないが、きっと喉が張り裂けんばかりに泣き叫んでいるのだろう
しかし外に目をやると、そこは一面の銀世界。
というよりは、氷点下10℃の寒空に氷の欠片が混じった雪が吹き荒れている、と表現したほうが現実的でいいかもしれない。
わざわざ肉饅一つのために雪だるまになる、と言うのもあまりぞっとしない話だ。
わざわざ肉饅一つのために雪だるまになる、と言うのもあまりぞっとしない話だ。
と肉饅についての思考をシャットアウトしようとしたものの、時既に遅く、体が勝手に玄関へと動いていた。
部屋着の上に防寒着を羽織り財布をサイドポケットに押し込む。
玄関の扉のドアノブに手をかけると、ひんやりと外の冷気に冷やされきっていて、暖房で火照った手がとても心地いい。
手に力を込め、ノブを捻り、そして押す。
ドアが開いたと思った瞬間、安物のビニール傘程度なら楽に圧し折ってくれそうな程の風が真っ白な隙間から流れ込んできた。
狂犬病で精神をやられた犬のようにドアが暴れ、油断していた私は情けなくも転んでしまう。
部屋着の上に防寒着を羽織り財布をサイドポケットに押し込む。
玄関の扉のドアノブに手をかけると、ひんやりと外の冷気に冷やされきっていて、暖房で火照った手がとても心地いい。
手に力を込め、ノブを捻り、そして押す。
ドアが開いたと思った瞬間、安物のビニール傘程度なら楽に圧し折ってくれそうな程の風が真っ白な隙間から流れ込んできた。
狂犬病で精神をやられた犬のようにドアが暴れ、油断していた私は情けなくも転んでしまう。
尻をさすりながら立ち上がった私は、苛立ちを隠すことも無く金属製のドアを蹴飛ばす。
当然のことながら、足が痛くてたまらない。
しばらくの間、玄関で一人寂しくのた打ち回ってから、ふぅ、と一息つき二度目の外出にチャレンジした。
もはや肉饅のことなどどうでもよかった。この程度で外出を諦めてはいけないという意地が私を動かしていたのだ。
今度は体をドアに押し付けゆっくりと開く。
そして僅かに開いた隙間に体を滑り込ませ、猛吹雪の真っ只中に躍り出る。
当然のことながら、足が痛くてたまらない。
しばらくの間、玄関で一人寂しくのた打ち回ってから、ふぅ、と一息つき二度目の外出にチャレンジした。
もはや肉饅のことなどどうでもよかった。この程度で外出を諦めてはいけないという意地が私を動かしていたのだ。
今度は体をドアに押し付けゆっくりと開く。
そして僅かに開いた隙間に体を滑り込ませ、猛吹雪の真っ只中に躍り出る。
そこから先のことはよく覚えていない。気付いたらコンビニに着いていた。
いい運動になったのだろうか、大きな音を立て、胃が蠕動した。
急ぐ気持ちを抑え、ゆっくりと自動ドアに近づく。
ドアが開く数秒でさえ勿体無い。
開きかけの自動ドアをすり抜け真っ先にレジへ向かった私は、中華饅頭の棚を見て愕然とした。
肉饅が一つも無いのだ。
店員に訊ねるまでもない、売り切れたに違いない。
いつか補充はされるだろうが、それまで待つ気力など当の昔に使い切ってしまった。
雪まみれになってまで、自分は何をしているのだろうか。
こうなったら何でもいいから買ってやるとやけくそになり、もう一度中華饅頭の棚に目を移す。
いい運動になったのだろうか、大きな音を立て、胃が蠕動した。
急ぐ気持ちを抑え、ゆっくりと自動ドアに近づく。
ドアが開く数秒でさえ勿体無い。
開きかけの自動ドアをすり抜け真っ先にレジへ向かった私は、中華饅頭の棚を見て愕然とした。
肉饅が一つも無いのだ。
店員に訊ねるまでもない、売り切れたに違いない。
いつか補充はされるだろうが、それまで待つ気力など当の昔に使い切ってしまった。
雪まみれになってまで、自分は何をしているのだろうか。
こうなったら何でもいいから買ってやるとやけくそになり、もう一度中華饅頭の棚に目を移す。
すると「美味しいピザ饅入荷!」という、ボール紙で出来た手作り感丸出しの新製品の紹介が目に入った。
棚の中ではピザ饅と思しき丸い物体がこっちを恨めしそうに見つめている。
私は思考を放棄しレジに千円札を叩き付け、店員が取り出したピザ饅をひったくるようにして受け取ると、お釣りも受け取らず一直線に自動ドアに向かい店を出た。
棚の中ではピザ饅と思しき丸い物体がこっちを恨めしそうに見つめている。
私は思考を放棄しレジに千円札を叩き付け、店員が取り出したピザ饅をひったくるようにして受け取ると、お釣りも受け取らず一直線に自動ドアに向かい店を出た。
日に晒され若干暖まった空気が頬を撫でる。いつの間にか吹雪が収まったようで、空は青く輝いている。
まるで今の私の気分をそのまま表しているようだ。
まるで今の私の気分をそのまま表しているようだ。
清々しい気分のまま、私はピザ饅を取り出しまじまじと見つめる。
他の中華饅頭と同様に口は焼き塞がれている。
反抗的な目も今までどおりである。
試しに指でつついてみると、目尻に涙を浮かべぷるぷると震えだした。
さっきとは打って変わった印象を見せるこの饅頭の両目を一舐め。
行儀が悪いとよく言われるがこれだけは譲れない。
肉饅を食べるときによくする行為なのだが、これをするとコクが深くなるのだ。
痛めつければ痛めつけるほど美味しくなるとどこかで聞いた覚えがある。
要はそれの応用である。
涙もしっかりと舐め取った。塩味だ。
舐めすぎたせいか、目が溶けかけてしまったようだ。
他の中華饅頭と同様に口は焼き塞がれている。
反抗的な目も今までどおりである。
試しに指でつついてみると、目尻に涙を浮かべぷるぷると震えだした。
さっきとは打って変わった印象を見せるこの饅頭の両目を一舐め。
行儀が悪いとよく言われるがこれだけは譲れない。
肉饅を食べるときによくする行為なのだが、これをするとコクが深くなるのだ。
痛めつければ痛めつけるほど美味しくなるとどこかで聞いた覚えがある。
要はそれの応用である。
涙もしっかりと舐め取った。塩味だ。
舐めすぎたせいか、目が溶けかけてしまったようだ。
さすがにこれ以上食べ物を粗末には出来ない。
私は大きく口を開け、焦点の合っていないうつろな目を泳がせるピザ饅頭にかぶりついた。
私は大きく口を開け、焦点の合っていないうつろな目を泳がせるピザ饅頭にかぶりついた。
「か、辛い!!!こんなもん食えるか!!!!」
舌に突き刺さるような辛さに悶絶した私は、苛立たしげにピザ饅を車道に放り投げる。
丁度10tトラックが通りかかりピザ饅は車道の染みと化した。
あまりの辛さに口に酸っぱい汁が湧き上がり、コンビニの駐車場に胃液を盛大に嘔吐してしまう。
丁度10tトラックが通りかかりピザ饅は車道の染みと化した。
あまりの辛さに口に酸っぱい汁が湧き上がり、コンビニの駐車場に胃液を盛大に嘔吐してしまう。
なんという辛さだ、口直しに餡饅を買おう。
そう心に誓いながら、私は胃液の残りを口から吐き出したのであった。
そう心に誓いながら、私は胃液の残りを口から吐き出したのであった。
ステキあき
anko3069 死んで花実が咲くものか
anko2931 ゲスって何?
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