ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3162 ゆっくり絶叫シリーズ01巻 灼熱! 家族焼き
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ankoss
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『ゆっくり絶叫シリーズ01巻 灼熱! 家族焼き』 18KB
制裁 小ネタ 調理 野良ゆ 子ゆ 現代 独自設定 暇つぶしにどうぞ
・小ネタに一味加えているうち、映像作品の描写という形の仕様にしてみました。
味付けしにくい小ネタはこの形で続けてみようかと。未定ですが。
・上記の仕様を徹底した結果、心理描写が極力排され、会話がクドいぐらい多めです。
不真面目に書いたので軽い気持ちで見て下さい。
・その他ネタ被り、独自設定、意味不明な箇所など書き捨て御免ということで。
・それでも読んでみる方は暇つぶしにどうぞ。話のネタにしてくれたら幸いです。
ゆっくり絶叫シリーズ ~あなたの願望叶えます~ とは
一部マニアに絶大な人気を誇る、撮り下ろし映像シリーズである。
とにかくゆっくりをゆっくりさせたくない、という一般人の依頼を、
大がかりな仕掛けと巧みな編集でバラエティー番組調の映像に昇華した作品。
時に採算を度外視した構成はシリーズを追う毎にファンの裾野を広げており、
さらなるゆっくりの叫びが待望されている。
ゆっくり絶叫シリーズ ~あなたの願望叶えます~ 01巻
~灼熱! 家族焼き~
『暑い中営業の仕事に耐えて、帰宅したら部屋で野良ゆっくりがゆっくりしてた。
悔しいです。どうかアツい目に遭わせてやって下さい』
「ゆっくり絶叫シリ~~~ズッ!! 猛暑が厳しい中、今回は、甘味処・仁寺黒堂にお邪魔しています。
案内は私、双葉トシアキがお送りします。
こちらが今回の依頼人Aさん(仮名)と、執行人の仁寺黒堂主人、練込甘太郎氏。
本日は、どうぞよろしくお願いしますッ!!」
「「よろしくお願いします!」」
甘味に舌鼓を打つ女性が数多い仁寺黒堂店内で、朗らかに挨拶を交わす3人。
黒いタキシードに身を包んだトシアキが、早速Aさん(仮名)へのインタビューを開始する。
Aさん(仮名)は若い女性だったが、顔はモザイクがかけられて表情の判別も不可能だ。
「Aさん(仮名)、野良ゆっくりがゆっくりしてたということで、災難でしたね。お見舞い申し上げます。
お宅は1階で戸締りは万全だったんですが、強化ガラスを破られたということでしたね?」
「ハイ。調べてみるとガラスは粗悪な不良品で、告発されていたメーカーの物だったんです。
ゆっくり対策は万全だと思っていたので、とても悔しいです」
「なるほど、人災の面もあるという事ですか。でも、それで収まる話じゃあないですよねぇ」
「ガラスの件は大家さんが面倒見てくれて、助かりました。
でも、アイツらは、掃除したばかりの部屋を、お気に入りの服を、とっておきのオヤツを、
彼氏との思い出の写真を、その他全部メチャメチャにしてゆっくりしてたんです!!」
「今年の夏は凄く暑かったですからね。炎天下で外回りをして取引先に怒られて、
やっと帰ったら部屋を荒らした野良ゆっくりにドヤ顔をされた。どんな聖人でもブチキレですよ」
「彼氏とは疎遠になるし、悔しくて潰すぐらいじゃ腹の虫が治まりません!
練込さん、今日はコイツらに私の苦しみを味あわせて下さい!」
「お任せ下さい。今日は企業秘密の一端をお見せします、という事も含めてきっと御満足頂けますよ」
「いやぁ太っ腹ですね! 僭越ながら私も期待していますよ」
「それではゆっくり用の厨房にどうぞ。すぐに始められますよ」
落ち着いた雰囲気の店内から、よく整理されて清潔そうな厨房へと移動する3人。
壁沿いの調理台の上には、透明な箱の中でゆっくりの家族がとてもゆっくりしていた。
「こちらがAさん(仮名)の自宅に侵入した、ゆっくり一家の皆さんです。ゆっくりしていってね!」
「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」
満面の笑顔で答えるゆっくり一家。
カメラ目線を意識しているのは、ゆっくりできるからと事前に言われてのことだろう。
家族構成は父まりさ、母れいむ、子まりさ2頭、子れいむ2頭。誰でも既視感が湧くのではないだろうか。
「さっきからあまあまのにおいがして、たまらないのぜぇぇぇ!
おい、くそどれいども! さっさとあまあまをまりささまたちにけんじょうするんだぜ!!」
「ゆっくりしないではやくしてね! おちびちゃんもぽんぽんすかしてるんだから!
れいむのいうことがきこえないのぉぉぉ!? くそどれいはいますぐよういしてね!!」
「「「「あみゃあみゃ! はやきゅもっちぇこい! くしょどれい! くしょどれい!」」」」
誰も答える者はいなかった。
ゆっくり家族の声は絞られ、トシアキのインタビューは恰幅のいい甘太郎に移る。
「野良、ということですが、下準備は万全ですか?」
「今日までに身体の内外を完全に消毒・検疫処理し、全頭異常なしを確認してあります。
仕入れているものと寸分違い無い状態となっており、食用にも全く問題ありません」
「流石、ゆっくり菓子製造技能とゆっくり製菓衛生の第一人者。抜かりはありませんね」
「この段階では、ゆっくりは消毒用・検疫用の甘味をただ食べ、ゆっくりするだけなのですが、
ゆっくりの警戒心を完全に解き、ゆん生一番のゆっくりを与えるところは、企業秘密の部分です」
「それによって甘味に独特な深みが増す、ということですね。よく解りました。
Aさん(仮名)、それでは調理の前に、ゆっくり一家にコメントを一つ、お願いします」
Aさん(仮名)はゆっくり一家と透明な壁越しに対峙する。
途端に相手をナメ切った顔になり、ふんぞり返って口笛を鳴らすゆっくり達。
「……アンタ達が仕出かした事の報いを、タップリと受けるがいいわ」
「はぁぁ~!? ばばあがいみふめいなこといってるのぜ。ちぇんじなのぜ!
おぉいそっちのくそどれぃぃ! はやくあまあまもってこいのぜぇぇ!!」
「ゆぷぷぷぅ! ばばあはほんとうにゆっくりしてないね。ちょっとはれいむをみならってね。
わかったらあまあまをもってきてもいいよ。たくさんもってきてね!!」
「「「「ばばあ! ちぇんじ! ばばあ! ちぇんじ! ばばあ! ちぇんじ!」」」」
傲岸不遜。ゆっくり達はゆん生最大に思いあがっていた。
仕込み終了の瞬間だった。
「それではッ! 練込さんッ! 始めて下さいッッ!!」
「はいッ!! いきますよッ!!」
甘太郎は掛け声と共にゆっくり家族の所へ向かい、透明な箱から母れいむを取り出す。
左腕に抱えると、特製オレンジジュースを練り込んだ小麦粉で、
アッ、と言う間に「まむまむ」と「あにゃる」を塞いでしまった。
「な、なにするの? くすぐったいよぉぉ! ゆふぅぅん!!」
恍惚に眉を寄せる母れいむの大写しになった映像は、地上波なら放送事故モノだ。
母れいむがアップになっている間に、甘太郎はAさん(仮名)を呼びよせていた。
「せっかくですから、Aさん(仮名)にも手伝ってもらいましょう。コイツ、持っててもらえますか」
「あ、はい」
「ちょっと、れいむのうつくしいおはだにきやすくさわらないでよね! ぷくーっ!」
機嫌を損ねる母れいむをよそに、甘太郎は手早く父まりさ、子供達に同様の処理を行う。
その手さばきは様式美が見いだせるほど完成され、ゆっくり達は何の不満も漏らさない。
そして、甘太郎は父まりさだけを抱え上げると、Aさん(仮名)と共に別の透明な箱に向かった。
「ゆおお!? おひっこしなのぜ! すっごくひっろいのぜぇ~!!」
「すごいゆっくりぷれいすだよぉぉ! おちびちゃんたくさんそだてられるよぉぉ!!」
父まりさと母れいむが感嘆し、目を輝かせるほど、厨房の中央に置かれたその透明な箱は巨大だった。
長さ5m、幅2m、調理台も含めた高さは1.5mで、天井部分は無かった。箱というより囲いだ。
そして、囲いの内側には鈍く輝く鉄板が敷かれていた。
「これが当店自慢のゆっくり調理板です。関係者以外にお見せするのは初めてになります。
身体の大きいまりさから投入します。Aさん(仮名)、れいむを放さないでいて下さいね」
「おそらをとんでるみたい!!」
甘太郎は透明な囲いの中に父まりさを放り込んだ。浮遊感に父まりさが反射的に言葉を漏らす。
ぽよよん!
「いたいのぜぇ~! もっとやさしくやさしくあつかうのぜ~! ……!!?」
鉄板の上で悪態をつく父まりさ。その表情が固まる。次の瞬間、その身体が勢いよく跳び上がった。
ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ!
「ゆぁぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃっっ!? あぢゅいっ!! これめっちゃあぢゅいぃぃっっ!!
なにごれなにごれなにごれっ!? れいむっだずげでっ!! あぢゅぃよぉぉぉぉっっ!!」
「ま、まりさぁぁっ!! は、はやく! はやくまりさをたすけてねっ!! たすけてねっ!!」
鉄板の上で踊るように跳ね回る父まりさの苦悶の姿に、大慌てで助けを乞う母れいむ。
しかし、母れいむを抱えているAさん(仮名)は、とてもゆっくりした笑みを浮かべていた。
「そうだぜ! おぼうし……どぼじでおぼうじがないのぉぉ!? あぢゅあぢゅあぢゅぃぃっっ!!」
帽子のお飾りを置いて避難しようと頭上を仰ぐが、あるはずの物がない事に混乱を増す父まりさ。
甘太郎の右手には、父まりさを放り込むと同時に奪い取った帽子のお飾りが握られていた。
「それではAさん(仮名)、れいむの方も入れて下さい」
「わかりました。それじゃあれいむちゃん、ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!!! ……じゃないでしょぉぉ!? はなじでぇぇぇぇっ!!」
父まりさが苦しみ踊るあの中に、自分も入れられるのだとれいむが理解した時には遅かった。
身体を心地よい浮遊感が包む。
「おそらをとんでるみたい!! ……ゆあぢゃぁぁっぁぁぁっぁぁああっぁぁぁっ!?」
「いやぁとても熱そうですね。どうです、調理されている今の感想は?」
「「だずげでっっ!! だじでだじでだじでっ!! あぢゅいあぢゅいいやぢゃぁぁぁっっ!!」」
「Aさん(仮名)、今までの事を謝ったら、助けてあげようとは思いませんか?」
「ん~……。どぉしよっかな~♪」
Aさん(仮名)は楽しげな口調で結論を先延ばしする。
父まりさと母れいむは、そんなAさん(仮名)に透明な壁越しに身を寄せる。
ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!
「ずびばぜんでじだぁぁ!! ぢょうじごいでまじだぁぁ!! だずげでぐだざいぃぃっ!!」
「もうじわげありまぜんでじだぁぁ!! ゆるじでぐだざぃぃ!! ごのどおりでずぅぅっ!!」
ぽよんぽよん跳ねながら、泣いて許しを乞う父まりさと母れいむの姿に、
Aさん(仮名)は黙って微笑みを浮かべるだけだ。
「「ごんなにあやまっでるでじょぉぉ!? ぶざげでるのぉぉぉぉ!!?
ばやぐだずげろばばあぁぁぁぁっっ!!!」」
「足りない。もっともっと謝りなさい。そしたら助けてあげる、かも」
「「ずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんっ!!」」
「Aさん(仮名)、実にイイ顔をしています。お見せできないのが心苦しいほどに。
さて練込さん、ここまでの調理についてどのような手ごたえを感じますか?」
「いやぁ、Aさん(仮名)は実にいいアシストを入れてくれます。
僅かに希望を見せる事で、ゆっくりの活きを落とさないまま餡子を熟成できます。
最後の最後まで希望をつないで弱火でじっくり焼いて甘味を積み上げる。当店ゆっくり調理のコツです」
「苦痛の度合いで甘味が変わる、ゆっくりならではですね! そういえば、子供達はいつ投入しますか?」
「そろそろ頃合いでしょう。体積が親と段違いですので、投入のタイミングが難しいんですよ。
今度は御二人に手伝ってもらいましょうか」
「「ゆぎゃぁぁぁ!! いがないでぇぇぇぇっっ!! だずけでぇぇぇぇぇっ!!」」
悲鳴を上げ続ける親ゆっくりを放置して、甘太郎に促された2人は再び透明の箱に向かう。
箱内では、両親が繰り広げる悶絶跳躍を目の当たりにして、ガタガタと震える子ゆっくり達がいる。
甘太郎が施した処置の為、「おそろしーしー」を漏らした子ゆは皆無だった。
「うんうんもしーしーも出させない事で、体内の餡子を減らすことなく瑞々しく仕上がります。
この場合、涙程度なら問題はありません。では、2頭ずつお取り下さい」
「ゆんやぁぁ!! あっちいくのじぇぇ!!」「おしょらをとんじぇるみちゃい……かえじてぇぇ!!」
「もうやぢゃぁぁぁ!! おうちかえりゅぅぅ!!」「ゆぁぁぁん!! ゆぁぁぁん!!」
トシアキとAさん(仮名)の両手には、それぞれ泣き叫ぶ子ゆっくり達が握られた。
ウネウネと身をよじるが、脱出するには全くの無力であった。
「「やめでぇぇ!! おぢびぢゃんをいれないでぇぇぇぇぇぇっ!!」」
「子まりさの帽子は取ってくださいね。ではこちらに寄って、どうぞ入れて下さい」
「「ゆっくりしていってね!!!」」
「「「「ゆっきゅりおしょらをとんじぇるみちゃい!!!!」」」」
トシアキとAさん(仮名)が掛け声と共に放った子ゆっくり達は、苦悶に踊る両親ゆっくりが見守る中、
灼熱の鉄板の上に投げ出された。
ぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっ
「「「「ゆぁぢゃぁっぁっぁっぁっぁぁぁぁああっぁっぁっぁっぁあぁっぁあぁっ!!!!」」」」
「いまだずげるのぜぇ、おぢびだぢぃぃ!! ……どぼじでずずめないのぉぉぉっ!?」
「おぢびぢゃぁぁぁぁん!! だれがれいむのおぢびぢゃんをだずげでぇぇぇぇぇっ!!」
「調理台内部は透明な仕切りで三つに分けられていて、温度調整も最適化できます。
サイズ別に調理することで、うっかり親が子供を踏みつぶす事はありません。」
「なるほどぉ~。子供にやさしい親切設計ですね!」
トシアキと甘太郎が笑顔でインタビューに興ずる傍らでは、親ゆっくり達が透明な壁に阻まれ、
焼けた鉄板の上を飛び跳ねる子供達に近づく事が出来ず、悔し涙を流し唇を噛んでいた。
「いいごどおもいづいだのぜ! れいむぅぅ! ごべんねぇぇぇ!!」
「まりざ!? ゆんぎゃぁぁぁっ! ゆんぎゃぁぁぁっ! ゆんぎゃぁぁぁっ!」
父まりさはひと際高く跳び上がった。れいむの頭上に。
タイミング良く頭上に跳び乗られた母れいむは、焼けた鉄板に押しつけられて悶絶する。
あろうことか、父まりさは母れいむを踏み台にして仕切りを飛び越そうと跳ね続けた。
母れいむのあんよが音を立てて焼かれ、おつむを踏まれ続け、白い泡が口からこぼれる。
「あちゃー。練込さん、これでは焼き加減にムラが出るのでは?」
「こんな事もあろうかと! ですよ。Aさん(仮名)、そちらの赤いボタンを押して下さい」
「これですか? えいっ」
赤いボタンが押された瞬間、両親ゆっくりの周囲に白い液体が噴霧された。そして――。
ボォウンッ!! ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろっ!!
「「あぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃ!!」」
一瞬にして、両親ゆっくり周辺が炎に包まれた。驚くトシアキとAさん(仮名)。
両親ゆっくりは正に火ダルマとなって、鉄板の上を転がり回る。
「ボタン一つでフランベが満遍なくできるんです。便利でしょう?
おや、そちらの子ゆっくりも活きが悪くなってきましたね。
今度はトシアキさんやってみて下さい。あちらの赤いボタンをどうぞ」
「これですね。ポチッとな」
ボォウンッ!! ころころころころころころころころころころころころころころころころころころっ!!
「「「「あぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃ!!!!」」」」
先程と同じように、4個の小さな火ダルマが鉄板の上を転がり回った。
あまりの非日常的な光景に、トシアキもAさん(仮名)も腹を抱えて笑う。
「なにがおがじいのぉぉ!? まりざだぢいぎでるんだよぉぉ!? ばやぐだずげでよぉぉぉぉっ!!」
「れいむはぎぢょうなんだよぉぉぉぉぉっ!? もだもだじでないで、ばやぐだずげろぉぉぉぉっ!!」
「「「「ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! だずげでぐだざぃぃ!!」」」」
「あんよの勢いが無くなってきたところで、全身に焼き目をつけます。
トシアキさん、Aさん(仮名)、口だけ動かすようなら引き続きフランベをお願いします」
二人が赤いボタンを押すたび、ゆっくり家族は火ダルマとなって転がり続ける。
些か調子に乗ってボタンを押し続ける二人だが、甘太郎は問題なく流していた。
厨房には二人の笑い声と、ゆっくり家族の絶叫が木霊した。
ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろっ!!
「「「「「「ゆ゛ん゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あっっっ!!!」」」」」」
何度となくフランベを重ねるうち、ゆっくり家族はいよいよ跳ね回る事も出来なくなり、
「ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛」と鉄板の上で泡を吹いて痙攣を繰り返すだけになってしまった。
目は白く濁り、髪は焼け焦げ、皮は苦悶の表情で固まったまま全身満遍なく焼け色が付いていた。
「これで調理台での調理は終了です。皆さんお疲れさまでした」
「練込さん、どうもお疲れさまでした! Aさん(仮名)、いかがでしたか?」
「最っ高にすっきりー! しました! 練込さん、本当にありがとうございました!!」
「Aさん(仮名)も喜んでいるようで何よりです。実は、もうひとつサプライズの用意があるんですよ。
練込さん、引き続きお願いします」
「お任せ下さい。ここからは企業秘密になりますので、御二人は店内でお待ち下さい」
映像が移り変わり、仁寺黒堂店内のお座敷。
斜めの差向いに座って待つトシアキとAさん(仮名)の元に甘太郎が姿を現す。
「お待たせいたしました。当店26の裏メニューの一つ、ゆっくり家族の氷金時昇天盛りです」
長テーブルの上に、巨大なかき氷が鎮座した。
器は父まりさの帽子を逆さにして使用、外側をガラスの器に守られ形を崩すことはない。
山盛りとなった天然水使用のかき氷には小豆色のシロップが万遍なくかけられ、
山の麓付近には、透き通った目玉と、サクサクに焼き上がった皮がアクセントとして埋め込まれていた。
「あれ、練込さん。この目玉、焼けてませんね。わざわざ用意したんですか?」
「それはですね、トシアキさん。企業秘密な方法で元に戻しました。簡単なんですよ。
その目玉の下には、家族全頭の中枢餡を企業秘密な方法で、生きたまま連結してあります。
目玉と中枢餡も餡子をタップリ使ったシロップで繋がっているので、自分が食べられるのが見えるんです」
「わかったぁ! 食べれば食べる程かき氷の方が食べられる恐怖心で美味くなる! ってことですね!」
「御名答です」
「すごぉぉぉい! でも、こんなにいっぱいの氷、とても食べられないわ」
「コレ家族用ですからね。実はAさん(仮名)、これからがこの双葉トシアキのサプライズなんですよ。
それではどうぞ、座敷にお上がり下さい!!」
トシアキの呼び声と共に、甘太郎の背後から現れた若い男性。顔にはモザイクがかけられている。
それを見たAさん(仮名)が両手を口に当てて驚愕する。
「び、Bさん(仮名)! どうしてここに!?」
「Aちゃん(仮名)、キミがこんなに悔しい思いをしてたのに、恋人として何もしてあげられなかった。
まだ間に合うなら、そのかき氷を食べるのを手伝わせてくれないか?」
「う、うん! 全然間にあってるから! さあ、さあ、隣へどうぞ!」
「Bさん(仮名)はAさん(仮名)が電話口でイラついてたのを感じて、自分のせいだと自問自答してたんですよ。
そこで、この双葉トシアキ、誤解を解くお手伝いをさせていただきました」
「そんな……私のせいで……ゴメンなさい、Bさん(仮名)!!」
「いいんだよ、Aちゃん(仮名)。キミさえ良かったら、死ぬまで隣にいていいかな」
「えっ!? ……それって……」
「Aちゃん(仮名)、オレと結婚してくれ! 返事は今すぐでいいよ!」
「は、ハイッ!! 喜んで!!」
ヒシッと手をつなぎ合うAさん(仮名)とBさん(仮名)。
直後、店内に無数の拍手が鳴り響いた。驚いて周囲を見まわす2人。
「おめでとうございますッ! トシアキ他ここにいる全員、お二人を祝福させていただきますッ!!
ささ、あまりアツいと折角の氷が溶けてしまいますので、さあ、お食べなさいッ!!」
「「ハイッ! ゆっくりいただきます!!」」
2人は肩を寄せながら同時にかき氷を口にした。
瞬間、2人の表情がモザイクの下でこれ以上なく緩む。
「「し、し、し、しあわせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~ッッ!!!」」
「2人共、実にイイ笑顔ですね。つくづくお見せできないのが残念です。
練込さん、本日はどうも、ありがとうございましたッ!!」
「ありがとうございました! お二人のお役に立てまして光栄です。
余った材料で作った和菓子も御土産にお持ち帰り頂けます。お帰りになった後もお楽しみください」
「トシアキさん! 練込さん! 本当に、ありがとうございました! 私、一生忘れません!!
皆さんも、どうぞ食べて下さい!」
「その言葉を待っていました! それではゆっくりいただきますッッ!!」
そう言うや、スプーン片手にかき氷の山に突貫するトシアキ。
また、店内の客も一口相伴に預かろうと集まり、店内にとてもゆっくりとした空間を創りだしていた。
かき氷に埋め込まれた12個の目玉は、いずれも粘性の高い透明なシロップを涙のように溜めていた。
fade out
ゆっくり絶叫シリーズ鋭意製作中! ご期待下さい
制裁 小ネタ 調理 野良ゆ 子ゆ 現代 独自設定 暇つぶしにどうぞ
・小ネタに一味加えているうち、映像作品の描写という形の仕様にしてみました。
味付けしにくい小ネタはこの形で続けてみようかと。未定ですが。
・上記の仕様を徹底した結果、心理描写が極力排され、会話がクドいぐらい多めです。
不真面目に書いたので軽い気持ちで見て下さい。
・その他ネタ被り、独自設定、意味不明な箇所など書き捨て御免ということで。
・それでも読んでみる方は暇つぶしにどうぞ。話のネタにしてくれたら幸いです。
ゆっくり絶叫シリーズ ~あなたの願望叶えます~ とは
一部マニアに絶大な人気を誇る、撮り下ろし映像シリーズである。
とにかくゆっくりをゆっくりさせたくない、という一般人の依頼を、
大がかりな仕掛けと巧みな編集でバラエティー番組調の映像に昇華した作品。
時に採算を度外視した構成はシリーズを追う毎にファンの裾野を広げており、
さらなるゆっくりの叫びが待望されている。
ゆっくり絶叫シリーズ ~あなたの願望叶えます~ 01巻
~灼熱! 家族焼き~
『暑い中営業の仕事に耐えて、帰宅したら部屋で野良ゆっくりがゆっくりしてた。
悔しいです。どうかアツい目に遭わせてやって下さい』
「ゆっくり絶叫シリ~~~ズッ!! 猛暑が厳しい中、今回は、甘味処・仁寺黒堂にお邪魔しています。
案内は私、双葉トシアキがお送りします。
こちらが今回の依頼人Aさん(仮名)と、執行人の仁寺黒堂主人、練込甘太郎氏。
本日は、どうぞよろしくお願いしますッ!!」
「「よろしくお願いします!」」
甘味に舌鼓を打つ女性が数多い仁寺黒堂店内で、朗らかに挨拶を交わす3人。
黒いタキシードに身を包んだトシアキが、早速Aさん(仮名)へのインタビューを開始する。
Aさん(仮名)は若い女性だったが、顔はモザイクがかけられて表情の判別も不可能だ。
「Aさん(仮名)、野良ゆっくりがゆっくりしてたということで、災難でしたね。お見舞い申し上げます。
お宅は1階で戸締りは万全だったんですが、強化ガラスを破られたということでしたね?」
「ハイ。調べてみるとガラスは粗悪な不良品で、告発されていたメーカーの物だったんです。
ゆっくり対策は万全だと思っていたので、とても悔しいです」
「なるほど、人災の面もあるという事ですか。でも、それで収まる話じゃあないですよねぇ」
「ガラスの件は大家さんが面倒見てくれて、助かりました。
でも、アイツらは、掃除したばかりの部屋を、お気に入りの服を、とっておきのオヤツを、
彼氏との思い出の写真を、その他全部メチャメチャにしてゆっくりしてたんです!!」
「今年の夏は凄く暑かったですからね。炎天下で外回りをして取引先に怒られて、
やっと帰ったら部屋を荒らした野良ゆっくりにドヤ顔をされた。どんな聖人でもブチキレですよ」
「彼氏とは疎遠になるし、悔しくて潰すぐらいじゃ腹の虫が治まりません!
練込さん、今日はコイツらに私の苦しみを味あわせて下さい!」
「お任せ下さい。今日は企業秘密の一端をお見せします、という事も含めてきっと御満足頂けますよ」
「いやぁ太っ腹ですね! 僭越ながら私も期待していますよ」
「それではゆっくり用の厨房にどうぞ。すぐに始められますよ」
落ち着いた雰囲気の店内から、よく整理されて清潔そうな厨房へと移動する3人。
壁沿いの調理台の上には、透明な箱の中でゆっくりの家族がとてもゆっくりしていた。
「こちらがAさん(仮名)の自宅に侵入した、ゆっくり一家の皆さんです。ゆっくりしていってね!」
「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」
満面の笑顔で答えるゆっくり一家。
カメラ目線を意識しているのは、ゆっくりできるからと事前に言われてのことだろう。
家族構成は父まりさ、母れいむ、子まりさ2頭、子れいむ2頭。誰でも既視感が湧くのではないだろうか。
「さっきからあまあまのにおいがして、たまらないのぜぇぇぇ!
おい、くそどれいども! さっさとあまあまをまりささまたちにけんじょうするんだぜ!!」
「ゆっくりしないではやくしてね! おちびちゃんもぽんぽんすかしてるんだから!
れいむのいうことがきこえないのぉぉぉ!? くそどれいはいますぐよういしてね!!」
「「「「あみゃあみゃ! はやきゅもっちぇこい! くしょどれい! くしょどれい!」」」」
誰も答える者はいなかった。
ゆっくり家族の声は絞られ、トシアキのインタビューは恰幅のいい甘太郎に移る。
「野良、ということですが、下準備は万全ですか?」
「今日までに身体の内外を完全に消毒・検疫処理し、全頭異常なしを確認してあります。
仕入れているものと寸分違い無い状態となっており、食用にも全く問題ありません」
「流石、ゆっくり菓子製造技能とゆっくり製菓衛生の第一人者。抜かりはありませんね」
「この段階では、ゆっくりは消毒用・検疫用の甘味をただ食べ、ゆっくりするだけなのですが、
ゆっくりの警戒心を完全に解き、ゆん生一番のゆっくりを与えるところは、企業秘密の部分です」
「それによって甘味に独特な深みが増す、ということですね。よく解りました。
Aさん(仮名)、それでは調理の前に、ゆっくり一家にコメントを一つ、お願いします」
Aさん(仮名)はゆっくり一家と透明な壁越しに対峙する。
途端に相手をナメ切った顔になり、ふんぞり返って口笛を鳴らすゆっくり達。
「……アンタ達が仕出かした事の報いを、タップリと受けるがいいわ」
「はぁぁ~!? ばばあがいみふめいなこといってるのぜ。ちぇんじなのぜ!
おぉいそっちのくそどれぃぃ! はやくあまあまもってこいのぜぇぇ!!」
「ゆぷぷぷぅ! ばばあはほんとうにゆっくりしてないね。ちょっとはれいむをみならってね。
わかったらあまあまをもってきてもいいよ。たくさんもってきてね!!」
「「「「ばばあ! ちぇんじ! ばばあ! ちぇんじ! ばばあ! ちぇんじ!」」」」
傲岸不遜。ゆっくり達はゆん生最大に思いあがっていた。
仕込み終了の瞬間だった。
「それではッ! 練込さんッ! 始めて下さいッッ!!」
「はいッ!! いきますよッ!!」
甘太郎は掛け声と共にゆっくり家族の所へ向かい、透明な箱から母れいむを取り出す。
左腕に抱えると、特製オレンジジュースを練り込んだ小麦粉で、
アッ、と言う間に「まむまむ」と「あにゃる」を塞いでしまった。
「な、なにするの? くすぐったいよぉぉ! ゆふぅぅん!!」
恍惚に眉を寄せる母れいむの大写しになった映像は、地上波なら放送事故モノだ。
母れいむがアップになっている間に、甘太郎はAさん(仮名)を呼びよせていた。
「せっかくですから、Aさん(仮名)にも手伝ってもらいましょう。コイツ、持っててもらえますか」
「あ、はい」
「ちょっと、れいむのうつくしいおはだにきやすくさわらないでよね! ぷくーっ!」
機嫌を損ねる母れいむをよそに、甘太郎は手早く父まりさ、子供達に同様の処理を行う。
その手さばきは様式美が見いだせるほど完成され、ゆっくり達は何の不満も漏らさない。
そして、甘太郎は父まりさだけを抱え上げると、Aさん(仮名)と共に別の透明な箱に向かった。
「ゆおお!? おひっこしなのぜ! すっごくひっろいのぜぇ~!!」
「すごいゆっくりぷれいすだよぉぉ! おちびちゃんたくさんそだてられるよぉぉ!!」
父まりさと母れいむが感嘆し、目を輝かせるほど、厨房の中央に置かれたその透明な箱は巨大だった。
長さ5m、幅2m、調理台も含めた高さは1.5mで、天井部分は無かった。箱というより囲いだ。
そして、囲いの内側には鈍く輝く鉄板が敷かれていた。
「これが当店自慢のゆっくり調理板です。関係者以外にお見せするのは初めてになります。
身体の大きいまりさから投入します。Aさん(仮名)、れいむを放さないでいて下さいね」
「おそらをとんでるみたい!!」
甘太郎は透明な囲いの中に父まりさを放り込んだ。浮遊感に父まりさが反射的に言葉を漏らす。
ぽよよん!
「いたいのぜぇ~! もっとやさしくやさしくあつかうのぜ~! ……!!?」
鉄板の上で悪態をつく父まりさ。その表情が固まる。次の瞬間、その身体が勢いよく跳び上がった。
ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ! ぽよっ!
「ゆぁぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃっっ!? あぢゅいっ!! これめっちゃあぢゅいぃぃっっ!!
なにごれなにごれなにごれっ!? れいむっだずげでっ!! あぢゅぃよぉぉぉぉっっ!!」
「ま、まりさぁぁっ!! は、はやく! はやくまりさをたすけてねっ!! たすけてねっ!!」
鉄板の上で踊るように跳ね回る父まりさの苦悶の姿に、大慌てで助けを乞う母れいむ。
しかし、母れいむを抱えているAさん(仮名)は、とてもゆっくりした笑みを浮かべていた。
「そうだぜ! おぼうし……どぼじでおぼうじがないのぉぉ!? あぢゅあぢゅあぢゅぃぃっっ!!」
帽子のお飾りを置いて避難しようと頭上を仰ぐが、あるはずの物がない事に混乱を増す父まりさ。
甘太郎の右手には、父まりさを放り込むと同時に奪い取った帽子のお飾りが握られていた。
「それではAさん(仮名)、れいむの方も入れて下さい」
「わかりました。それじゃあれいむちゃん、ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!!! ……じゃないでしょぉぉ!? はなじでぇぇぇぇっ!!」
父まりさが苦しみ踊るあの中に、自分も入れられるのだとれいむが理解した時には遅かった。
身体を心地よい浮遊感が包む。
「おそらをとんでるみたい!! ……ゆあぢゃぁぁっぁぁぁっぁぁああっぁぁぁっ!?」
「いやぁとても熱そうですね。どうです、調理されている今の感想は?」
「「だずげでっっ!! だじでだじでだじでっ!! あぢゅいあぢゅいいやぢゃぁぁぁっっ!!」」
「Aさん(仮名)、今までの事を謝ったら、助けてあげようとは思いませんか?」
「ん~……。どぉしよっかな~♪」
Aさん(仮名)は楽しげな口調で結論を先延ばしする。
父まりさと母れいむは、そんなAさん(仮名)に透明な壁越しに身を寄せる。
ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!ぽよっ!
「ずびばぜんでじだぁぁ!! ぢょうじごいでまじだぁぁ!! だずげでぐだざいぃぃっ!!」
「もうじわげありまぜんでじだぁぁ!! ゆるじでぐだざぃぃ!! ごのどおりでずぅぅっ!!」
ぽよんぽよん跳ねながら、泣いて許しを乞う父まりさと母れいむの姿に、
Aさん(仮名)は黙って微笑みを浮かべるだけだ。
「「ごんなにあやまっでるでじょぉぉ!? ぶざげでるのぉぉぉぉ!!?
ばやぐだずげろばばあぁぁぁぁっっ!!!」」
「足りない。もっともっと謝りなさい。そしたら助けてあげる、かも」
「「ずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんずびばぜんっ!!」」
「Aさん(仮名)、実にイイ顔をしています。お見せできないのが心苦しいほどに。
さて練込さん、ここまでの調理についてどのような手ごたえを感じますか?」
「いやぁ、Aさん(仮名)は実にいいアシストを入れてくれます。
僅かに希望を見せる事で、ゆっくりの活きを落とさないまま餡子を熟成できます。
最後の最後まで希望をつないで弱火でじっくり焼いて甘味を積み上げる。当店ゆっくり調理のコツです」
「苦痛の度合いで甘味が変わる、ゆっくりならではですね! そういえば、子供達はいつ投入しますか?」
「そろそろ頃合いでしょう。体積が親と段違いですので、投入のタイミングが難しいんですよ。
今度は御二人に手伝ってもらいましょうか」
「「ゆぎゃぁぁぁ!! いがないでぇぇぇぇっっ!! だずけでぇぇぇぇぇっ!!」」
悲鳴を上げ続ける親ゆっくりを放置して、甘太郎に促された2人は再び透明の箱に向かう。
箱内では、両親が繰り広げる悶絶跳躍を目の当たりにして、ガタガタと震える子ゆっくり達がいる。
甘太郎が施した処置の為、「おそろしーしー」を漏らした子ゆは皆無だった。
「うんうんもしーしーも出させない事で、体内の餡子を減らすことなく瑞々しく仕上がります。
この場合、涙程度なら問題はありません。では、2頭ずつお取り下さい」
「ゆんやぁぁ!! あっちいくのじぇぇ!!」「おしょらをとんじぇるみちゃい……かえじてぇぇ!!」
「もうやぢゃぁぁぁ!! おうちかえりゅぅぅ!!」「ゆぁぁぁん!! ゆぁぁぁん!!」
トシアキとAさん(仮名)の両手には、それぞれ泣き叫ぶ子ゆっくり達が握られた。
ウネウネと身をよじるが、脱出するには全くの無力であった。
「「やめでぇぇ!! おぢびぢゃんをいれないでぇぇぇぇぇぇっ!!」」
「子まりさの帽子は取ってくださいね。ではこちらに寄って、どうぞ入れて下さい」
「「ゆっくりしていってね!!!」」
「「「「ゆっきゅりおしょらをとんじぇるみちゃい!!!!」」」」
トシアキとAさん(仮名)が掛け声と共に放った子ゆっくり達は、苦悶に踊る両親ゆっくりが見守る中、
灼熱の鉄板の上に投げ出された。
ぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっぽよっ
「「「「ゆぁぢゃぁっぁっぁっぁっぁぁぁぁああっぁっぁっぁっぁあぁっぁあぁっ!!!!」」」」
「いまだずげるのぜぇ、おぢびだぢぃぃ!! ……どぼじでずずめないのぉぉぉっ!?」
「おぢびぢゃぁぁぁぁん!! だれがれいむのおぢびぢゃんをだずげでぇぇぇぇぇっ!!」
「調理台内部は透明な仕切りで三つに分けられていて、温度調整も最適化できます。
サイズ別に調理することで、うっかり親が子供を踏みつぶす事はありません。」
「なるほどぉ~。子供にやさしい親切設計ですね!」
トシアキと甘太郎が笑顔でインタビューに興ずる傍らでは、親ゆっくり達が透明な壁に阻まれ、
焼けた鉄板の上を飛び跳ねる子供達に近づく事が出来ず、悔し涙を流し唇を噛んでいた。
「いいごどおもいづいだのぜ! れいむぅぅ! ごべんねぇぇぇ!!」
「まりざ!? ゆんぎゃぁぁぁっ! ゆんぎゃぁぁぁっ! ゆんぎゃぁぁぁっ!」
父まりさはひと際高く跳び上がった。れいむの頭上に。
タイミング良く頭上に跳び乗られた母れいむは、焼けた鉄板に押しつけられて悶絶する。
あろうことか、父まりさは母れいむを踏み台にして仕切りを飛び越そうと跳ね続けた。
母れいむのあんよが音を立てて焼かれ、おつむを踏まれ続け、白い泡が口からこぼれる。
「あちゃー。練込さん、これでは焼き加減にムラが出るのでは?」
「こんな事もあろうかと! ですよ。Aさん(仮名)、そちらの赤いボタンを押して下さい」
「これですか? えいっ」
赤いボタンが押された瞬間、両親ゆっくりの周囲に白い液体が噴霧された。そして――。
ボォウンッ!! ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろっ!!
「「あぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃ!!」」
一瞬にして、両親ゆっくり周辺が炎に包まれた。驚くトシアキとAさん(仮名)。
両親ゆっくりは正に火ダルマとなって、鉄板の上を転がり回る。
「ボタン一つでフランベが満遍なくできるんです。便利でしょう?
おや、そちらの子ゆっくりも活きが悪くなってきましたね。
今度はトシアキさんやってみて下さい。あちらの赤いボタンをどうぞ」
「これですね。ポチッとな」
ボォウンッ!! ころころころころころころころころころころころころころころころころころころっ!!
「「「「あぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃあぢゃ!!!!」」」」
先程と同じように、4個の小さな火ダルマが鉄板の上を転がり回った。
あまりの非日常的な光景に、トシアキもAさん(仮名)も腹を抱えて笑う。
「なにがおがじいのぉぉ!? まりざだぢいぎでるんだよぉぉ!? ばやぐだずげでよぉぉぉぉっ!!」
「れいむはぎぢょうなんだよぉぉぉぉぉっ!? もだもだじでないで、ばやぐだずげろぉぉぉぉっ!!」
「「「「ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! だずげでぐだざぃぃ!!」」」」
「あんよの勢いが無くなってきたところで、全身に焼き目をつけます。
トシアキさん、Aさん(仮名)、口だけ動かすようなら引き続きフランベをお願いします」
二人が赤いボタンを押すたび、ゆっくり家族は火ダルマとなって転がり続ける。
些か調子に乗ってボタンを押し続ける二人だが、甘太郎は問題なく流していた。
厨房には二人の笑い声と、ゆっくり家族の絶叫が木霊した。
ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろっ!!
「「「「「「ゆ゛ん゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あっっっ!!!」」」」」」
何度となくフランベを重ねるうち、ゆっくり家族はいよいよ跳ね回る事も出来なくなり、
「ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛」と鉄板の上で泡を吹いて痙攣を繰り返すだけになってしまった。
目は白く濁り、髪は焼け焦げ、皮は苦悶の表情で固まったまま全身満遍なく焼け色が付いていた。
「これで調理台での調理は終了です。皆さんお疲れさまでした」
「練込さん、どうもお疲れさまでした! Aさん(仮名)、いかがでしたか?」
「最っ高にすっきりー! しました! 練込さん、本当にありがとうございました!!」
「Aさん(仮名)も喜んでいるようで何よりです。実は、もうひとつサプライズの用意があるんですよ。
練込さん、引き続きお願いします」
「お任せ下さい。ここからは企業秘密になりますので、御二人は店内でお待ち下さい」
映像が移り変わり、仁寺黒堂店内のお座敷。
斜めの差向いに座って待つトシアキとAさん(仮名)の元に甘太郎が姿を現す。
「お待たせいたしました。当店26の裏メニューの一つ、ゆっくり家族の氷金時昇天盛りです」
長テーブルの上に、巨大なかき氷が鎮座した。
器は父まりさの帽子を逆さにして使用、外側をガラスの器に守られ形を崩すことはない。
山盛りとなった天然水使用のかき氷には小豆色のシロップが万遍なくかけられ、
山の麓付近には、透き通った目玉と、サクサクに焼き上がった皮がアクセントとして埋め込まれていた。
「あれ、練込さん。この目玉、焼けてませんね。わざわざ用意したんですか?」
「それはですね、トシアキさん。企業秘密な方法で元に戻しました。簡単なんですよ。
その目玉の下には、家族全頭の中枢餡を企業秘密な方法で、生きたまま連結してあります。
目玉と中枢餡も餡子をタップリ使ったシロップで繋がっているので、自分が食べられるのが見えるんです」
「わかったぁ! 食べれば食べる程かき氷の方が食べられる恐怖心で美味くなる! ってことですね!」
「御名答です」
「すごぉぉぉい! でも、こんなにいっぱいの氷、とても食べられないわ」
「コレ家族用ですからね。実はAさん(仮名)、これからがこの双葉トシアキのサプライズなんですよ。
それではどうぞ、座敷にお上がり下さい!!」
トシアキの呼び声と共に、甘太郎の背後から現れた若い男性。顔にはモザイクがかけられている。
それを見たAさん(仮名)が両手を口に当てて驚愕する。
「び、Bさん(仮名)! どうしてここに!?」
「Aちゃん(仮名)、キミがこんなに悔しい思いをしてたのに、恋人として何もしてあげられなかった。
まだ間に合うなら、そのかき氷を食べるのを手伝わせてくれないか?」
「う、うん! 全然間にあってるから! さあ、さあ、隣へどうぞ!」
「Bさん(仮名)はAさん(仮名)が電話口でイラついてたのを感じて、自分のせいだと自問自答してたんですよ。
そこで、この双葉トシアキ、誤解を解くお手伝いをさせていただきました」
「そんな……私のせいで……ゴメンなさい、Bさん(仮名)!!」
「いいんだよ、Aちゃん(仮名)。キミさえ良かったら、死ぬまで隣にいていいかな」
「えっ!? ……それって……」
「Aちゃん(仮名)、オレと結婚してくれ! 返事は今すぐでいいよ!」
「は、ハイッ!! 喜んで!!」
ヒシッと手をつなぎ合うAさん(仮名)とBさん(仮名)。
直後、店内に無数の拍手が鳴り響いた。驚いて周囲を見まわす2人。
「おめでとうございますッ! トシアキ他ここにいる全員、お二人を祝福させていただきますッ!!
ささ、あまりアツいと折角の氷が溶けてしまいますので、さあ、お食べなさいッ!!」
「「ハイッ! ゆっくりいただきます!!」」
2人は肩を寄せながら同時にかき氷を口にした。
瞬間、2人の表情がモザイクの下でこれ以上なく緩む。
「「し、し、し、しあわせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~ッッ!!!」」
「2人共、実にイイ笑顔ですね。つくづくお見せできないのが残念です。
練込さん、本日はどうも、ありがとうございましたッ!!」
「ありがとうございました! お二人のお役に立てまして光栄です。
余った材料で作った和菓子も御土産にお持ち帰り頂けます。お帰りになった後もお楽しみください」
「トシアキさん! 練込さん! 本当に、ありがとうございました! 私、一生忘れません!!
皆さんも、どうぞ食べて下さい!」
「その言葉を待っていました! それではゆっくりいただきますッッ!!」
そう言うや、スプーン片手にかき氷の山に突貫するトシアキ。
また、店内の客も一口相伴に預かろうと集まり、店内にとてもゆっくりとした空間を創りだしていた。
かき氷に埋め込まれた12個の目玉は、いずれも粘性の高い透明なシロップを涙のように溜めていた。
fade out
ゆっくり絶叫シリーズ鋭意製作中! ご期待下さい