ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1642 でいぶはかわいくってかわいそうなんだよ!!
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ankoss
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・俺設定あり。
・天然あきのほかの作品と関連あり。
天然あき
「おいじじい!!!」
男の会社への帰り道、一匹のでいぶが話し掛けてきた。
「ん、何かな?」
でいぶの出合い頭の暴言に眉一つ動かさず笑顔で反応する。
すると、
「でいぶはおちびちゃんがしんじゃってかわいぞうなんだよ!!だからやさしくしなくちゃいけないんだよ!!!」
でいぶはでいぶとしてはあまりにテンプレな発言をしながら持ち主のいなくなった小さい帽子とリボンを見せる。
ここで普通の人間ならば無視、虐待お兄さんならヒャッハーと言って虐待する所だがこの男はそのどちらとも違う行動をした。
「それは可哀相に…こんな物でいいならどうぞ」
そう言って鞄の中にある潰れた菓子パンをプレゼントする。
男は菓子パンは常に常備しているのだ。
「ゆ、ゆううううううう!!?
はやくよこしてね!ゆっくりしないでよこしてね!!」
それを見た途端でいぶは目を開いてよだれを垂れ流す。
「はいどうぞ」
男は迷いなくそれをでいぶに渡した。
「うっめ!これめっちゃうめ!!」
瞬く間にジャムパンを食い尽くすでいぶ。
するとふてぶてしい顔で男の方へ向き、
「こんなんじゃぜんぜんたりないよ!!!はやくかわいいでいぶにもっとたくさんあまあまもってきてね!!!」
と更に催促して来た。
男はそれに戸惑いの顔を浮かべた。
それはもう菓子パンを持っていないからではない。
「でいぶってかわいいの?」
でいぶが可愛いと言った事に関してだった。
すると、
「とうぜんでじょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!でいぶはうちゅういぢがわいいんだよお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!みればわがるでじょお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
自身のプライドを傷つけられたでいぶは半狂乱で叫ぶ。
だが男はそんなでいぶの様子を気にも留めておらず、
「それじゃあかわいいってゆっくりできる事だよね?」
「あたりばえでじょお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
「そっか…ならかわいそうじゃないね」
「ゆ!!?」
可哀相じゃない。
その言葉にでいぶは反応する。
「なにいってるの!?でいぶはかわいぞうなんだよお゛お゛お゛お゛!!!」
でいぶは叫ぶ。
自分は可哀相だから優しくされなければならないという固定観念があるでいぶからすればアイデンティティが崩壊すると同義であった。
「でも可愛いんでしょ。可愛いって事はいい事だよね。
いい事ってことはゆっくり出来るって事だね。
だったら可愛いって事はゆっくり出来るって事だよね。
ならやっぱり可哀相じゃないじゃん」
「ゆゆゆううう!!?」
でいぶには訳がわからない。
でいぶはおちびちゃんをうしなってかわいそうなのにかわいいからかわいそうじゃない?
でいぶは混乱をどんどん深めていく。
本来ならば可愛いから可哀相じゃないという訳ではないのだが、短絡思考のゆっくりではその結論には辿り着けない。
ゆっくりには100か0かしかない。
特にでいぶ等のタイプにはそれは顕著だ。
だから本来ならば穴だらけの男の言葉も論破できないでいた。
「ゆぐ…でいぶはがわいぞうなんだよ…でもがわいいんだよ…」
でいぶは苦し紛れに言う。
「うん、だからね。可愛いならゆっくり出来るよね?かわいそうじゃないよね?
それとも本当は可愛くないの?そうじゃなきゃ可愛いって事は本当はゆっくり出来ないのかな?」
だが男はまるで子供のようにでいぶを責め立てる。
そこに悪意はない。
この男は本気でそう思っているのだ。
人間にそのルールが適応するとは思っていなかったが、かつて男と出会ったゆっくりれいむは可愛いから大事にされるべきとか言うゆっくりと会ってる為、可愛さがゆっくりにとっては一番大事と思い込んでいたのだ。
だからこんな事を言っているのだ。
一方そんな事も露知らずでいぶは混乱の色をどんどん強めていった。
「でいぶは…かわいぞう…がわいい…?」
同じ言葉を何度も繰り返すでいぶ。
こういう場合ゆっくりは自分に都合よく解釈していく。
でいぶは…かわいそう…かわいい…かわいそう…かわいい…かわいい…かわいそう…かわいくて…かわいそう…かわいくてかわいそう!!
でいぶが覚醒する。
「ん?」
でいぶの自信の満ちた表情に男も気付く。
そんな男に向けてでいぶは叫んだ。
「でいぶはかわいくってかわいそうなんだよ!!だからじじいはさっさとあまあまもってきてね!!!」
「!!?」
その言葉によって男の身体に電流が走る。
でいぶはそれを自分の聡明さに驚愕してると思い込んだ。
「ゆっふーん。でいぶのせかいさいこうほうのあんこさんにおどろくのはむりはないけど…」
でいぶは男にあまあまの提出の催促をしようとするがその言葉の途中で遮られた。
「…そんなに自分を卑下しなくって…いいんだよ…」
男の言葉によって…。
「ゆゆ!?」
でいぶは自分の言葉を止められた不快さよりも男の異様な状態に驚いた。
男は号泣しながら微笑んでいた。
でいぶには訳がわからない。
その訳の分からなさはでいぶに恐怖を抱かせた。
だが男はそんなでいぶの様子を気にもせず涙を流しながら告げた。
「可愛い事は決して可哀相な事じゃないよ…だからそこまで自分を追い詰めなくていいんだよ…」
男はでいぶを両手に掴んで持ち上げる。
「ゆうううう!!?おぞらをとんでるみだい゛い゛い゛い゛い゛!!?じゃなぐで!ぎだないでべざばぶなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
でいぶは叫ぶ。
今まで馬鹿にしてた男に掴まれ何も出来ないのだ。
その屈辱は大きなものだった。
だがそんな叫びも男の耳には入らない。入っても認識しない。
「君は悪くない…けど…もしそれでも可哀相だって言うのなら…」
「はなぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!
でいぶはがわいぞうなんだあ゛あ゛あ゛あ゛!!!だからやざじぐじろお゛お゛お゛お゛お゛!!!」
互いに話を聞いていないようだ。
だが、
「…そうか…わかった…それが君の答えだね…なら…」
でいぶの言葉を聞いた途端男が悲しそうな表情に変わり、
「俺が責任を持って可愛くなくしてあげるよ」
「ゆびゅう゛ぅ!!?」
男の宣言と同時に地面に叩き付けられるでいぶ。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛いぢゃい゛い゛い゛い゛い゛!!?」
でいぶの泣き叫ぶ声が響く。
「まだ愛嬌っぽさがありそうな感じがするね…」
そう言って男はでいぶの揉み上げを掴む。
「ゆぎい゛い゛い゛!!?」
遠慮なくひきちぎった。
「うーん…なんていうかキモカワイイとかも言われそうだな…」
男はそう言いながら揉み上げを投げて器用にごみ箱に捨てた。
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?
でいぶのぷりでぃでぴゅあぴゅあなおりぼんざんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
れいむ種にとって揉み上げはリボン程とは言わないまでも大事なアイデンティティの一つだ。
わさわさしたり手の代用品として使うのもいる。
それを奪われたのだ、泣き叫ぶのも無理はない。
だが男はそれを知らない。
「前も思ったけどやっぱり目が可愛いと結構補えちゃうな…よし取ろう」
「ゆゆううう!!?」
でいぶはその言葉に衝撃が走る。
男がどうしてでいぶの目を取ろうと考えたのかわからないがでいぶ自身に危機が
訪れているのを本能的にでいぶは理解した。
「ゆっぐりじないででいぶはにげ…はなじぇええええええ!!?」
だが逃げようとするとそれよりも早くでいぶは男に捕まった。
「それじゃこれから目を取るけど左右どっちがいい?」
「ゆぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛はなぜぐぞじじい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
生殺与奪を握られているのにも気付かず暴れ続けるでいぶ。
しかし男はそんなでいぶの為に本気で考えていた。
「う~ん…出来れば自分で選んでほしかったんだけど…仕方ない、左にしよう」
男はそう言ってあまりにあっさりとでいぶの左目に指を突き刺し左目の眼球を引っこ抜いた。
スポーンと景気よく。
「ゆ…?」
あまりにもさりげなく、そして素早い行動に左目が二度と使い物にならなくなった事もわからずでいぶは呆然としていた。
そして一拍おいた後、
「でいぶのおつきさまよりまるぐでたいようみだいにかがやぐおめめがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
滑稽な悲鳴が響き渡った。
「ほいっと」
男はまたでいぶの一部を放り投げごみ箱に投げ捨てる。
ごみ箱の中で何か弾けた音がしたが気にしない。
「あともう少し…かな?」
男はでいぶを見て呟く。
「ゆ゛…ゆ゛う゛ぅ…!?」
それにでいぶは戦慄し、恐怖し、絶望する。
この世の全ての頂点に立つという妄想を現実と思い込むでいぶが初めて感じる自身ではどうしようもない脅威。
この瞬間でいぶのアイデンティティは音を立てて壊れた。
言葉でも手段でもなくただただ純粋な善意と力によって。
「ど…どうじで…」
男を自分とは違う領域の生物としかでいぶは思えなかった。
人間とゆっくりの差ではない。
もっと違う何かを男から感じた。
だから尋ねた。
本当にこの男が何者なのかを見極める為に…。
いやそこまででいぶは考えてなかったのかもしれない。
質問すれば男は答えてくれる。
悪いと思ってしている訳ではないのだから。
そうでなくても理由がわからないまま蹂躙されるのを良しとする者はいない。
だから自分の窮状を訴えかけるのは当然と言えば当然だ。
もっとも、理由がわかっても蹂躙されるのを良しとなんてしないだろうが。
「どうじ…べ…ごんなごどずぶの…?」
「ん…?」
でいぶが尋ねた言葉に男は怪訝な顔をする。
男からすればでいぶがこうなる理由等わかりきってるも同然だったのだから。
「何って可愛くなくしてあげてるんだよ」
男は満面の笑みで告げた。
「…ゆ?」
あまりにも明るい口調で告げられたその言葉にでいぶはまた呆然とする。
そんなでいぶの反応を尻目に男は話を続ける。
「だってれいむは“可愛く”って可哀相なんだよね?なら、可愛くなくなれば可哀相じゃなくなるよね?だから俺が可愛くなくしてあげるよ」
つまりはでいぶからすればかわいい+かわいそう=かわいくてかわいそうが男にはかわいい=かわいそうと認識されてしまったのだ。
「ゆう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?」
でいぶは混乱した。
男の言っている言葉の意味がわからない。
けどこのまま何もしなければゆっくり出来なくなるのはわかりきっていた。
何として逃げようと足掻く。
だがそれは無駄でしかない。
「ご、ごべんなざい!!あやばりばずがだやべでぐばはい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」
でいぶは必死に懇願する。
しかしそれも男には通じなかった。
「何言ってるんだい?
君が謝る事なんて何も無いんだよ」
男は笑う。優しげに。
だがその笑みはでいぶにとって絶望しか感じられなかった。
「それじゃ…次はリボンを破かせてもらうよ」
「ゆ、ゆう゛う゛う゛う゛どお゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」
「可愛いから」
でいぶの疑問に男は即答する。
男の顔からは慈愛の笑みが浮かべられていた。
そこにあるのは純然たる善意だけだった。
でいぶは理解した。
彼は虐待お兄さんや保健所のようなゆっくり出来ない人間じゃない。
もっとおぞましい何かだ。
でいぶは後悔した。何でこんな化け物に話し掛けてしまったのだろうかと…。
「やだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛はなじでえ゛ええ゛え゛え゛え゛え!!?」
あらん限りの叫び声を上げた。
このままでは可愛くなくなる。
それはでいぶにとって死にも等しいものだ。
一片の迷いもなく男はでいぶを可愛くなくす。
それに抗う術をでいぶは持ち合わせていない。
助けてくれる者等いない。
かつてつがいだったまりさはごはんももってこれないゲスだったからせいっさいした。
おちびちゃんはおなかがすいたしゲスだったからせいっさいした。
だからもうでいぶを助けてくれる者なんていない。
「それじゃいくよ」
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
明るい声と悲痛に満ちた声が響き渡ったのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ゆぴィ…ゆひぃ…」
ボロボロにされたでいぶだと思われる物体はずーりずーりしながら夜の公園を這う。
リボンは裂けてダメージジーンズみたいな変な味が生まれ、左目は潰れ、そこから変に切り傷っぽいものも付けられて死線を越えたような風格を生み出していた。
だが中身は何も変わらずでいぶのままだ。
「ゆぎ…ゆぐぅ…」
でいぶはボロボロ涙を流す。
どうして可愛かった自分がこんな目に遭うのかわからない。
男に対しては既に天災のようなどうしようもないもの的な考えだった。
復讐する気にすらならない。
完全に屈服、萎縮してしまっていた。
「もう…やば…」
ずりずりと這っていく。
その後には垂れ流されているしーしーか涙かわからない砂糖水が道となっている。
「おう゛ぢ…がえぶ…」
でいぶはおうちへ帰ろうと動く。
ゆっくり出来る場所である我が家に帰ろうと向かっている。
だが、
「なかなかとかいはなおうちね!!」
「そうなんだぜ!まりさがみつけたおうちなんだぜ!!」
でいぶが住んでいた段ボールのお家には会った事もないゆっくりが占領していた。
ほぼ半日以上いなかったのだ。
ゆっくりが住み着かない方がおかしい。
「ゆ゛…ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
だがそんな事もわからないでいぶは思わず叫び声を上げる。
その声はでいぶのお家を占領していたありすとまりさの家族にも届いた。
「ゆ?なんだかゆっくりしてないいなかものがいるわ!!?
あんなのがそばにいたらとかいはなありすのおちびちゃんのきょういくにわるいわ!!」
そう言いながらありすは自分の下腹部を背を向けて隠す。
「そのとおりだぜ!いままりさがせいっさいするからありすはそこでゆっくりしてるんだぜ!!」
にんっしん中らしいありすの前でいいところを見せようとまりさはでいぶに向かっていく。
「ぞごはでいぶのおうぢだあ゛あ゛あ゛!!!」
お家を奪われた怒りで自分のダメージも忘れてでいぶはまりさに体当たりをしようとする。
しかし、
「ごちゃごちゃうるさいんだぜ!!!」
「ゆんびゅう゛う゛!!?」
傷だらけの身体でまりさに勝てる訳もなく吹き飛ばされる。
「ここはまりさのおうちなんだぜ!!」
「ゆ…ぎぃ…ぞごは…でいぶのおう…」
「まだわからないかなんだぜ。このでいぶはばかなんだぜ!!」
まりさはそんなでいぶに向けて踏み付けを行う。
「ゆぎぃ!?げびい!?ごびい!?」
一撃で満身創痍となったでいぶにまりさは容赦なく踏み付けを何度も行う。
「…ゅ…」
「ようやくしんだんだぜ」
何回かの踏みつけの後、まりさはでいぶが踏み付けても反応しなくなったようなのでようやく攻撃をやめる。
「あそこはまりさのおうちなんだぜ。ばかなでいぶはゆっくりりかいするんだぜ」
そう言ってまりさは去って行った。
「ゆ…ごぉ…」
でいぶの口から呻き声が漏れる。
どうやらまだ生きていたようだ。
だが言葉を話す事ももう出来ない。意識があるだけだ。
「ゆ…ぃ…」
でいぶはそれに気付かない。
身体は潰れ、中の餡子は漏れ、もうすぐ死ぬ状況だ。
「…ゃ…だ…」
だがそれでもでいぶの生への執着は並々ならぬものであった。
だがそんなでいぶに対して近付いて来る者達がいた。
「ゅ…!?」
でいぶにちくりと痛みが走る。
するとそれを起因に様々な部位から鋭い痛みが走る。
「………!?」
動く事すら出来ないでいぶにはそれを確認する術はない。
『いだい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?』
でいぶの叫びはでいぶの中にしか響かない。
そうして音も無いままでいぶに攻撃してくる存在。
それはゆっくりにとっての天敵、蟻だった。
蟻は瞬く間にでいぶを埋め尽くし、黒い塊に変貌させる。
目や口、傷口からどんどん侵入していく蟻達。
それを拒否する術はでいぶにはない。
「…………!!?」
動く事すら叶わないでいぶはそのまま蟻の栄養源という大役を担っていく。
生きたまま蟻の餌食となっていくでいぶ。
その姿は可愛くはないがある意味では可哀相ではあった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「おちびちゃんたち!きょうはおひっこしをするわよ!!」
「「「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!!」」」
でいぶの家を占領していたありすとまりさのつがいがその家を後にし、街中を跳ねている。。
三匹の子供が生まれた二匹は段ボールの家では手狭だと判断して引っ越す事に決めたのだ。
「こんどはもっとゆっくりしたおうちをみつけるんだぜ!!」
そう言うまりさの頭の中には人間のお家を奪う考えしかなかった。
「ゆゆ~んおひっきょしたのしみじゃにぇ!!」
「おひっきょししちゃらときゃいはにゃこーでぃにぇーちょしようね!!」
新たに誕生したありす達は新しいお家に思いを馳せていた。
すると、
「ゆ!あんなところにちょうどいいいりぐちがあるんだぜ!!」
すると窓が割れて侵入が容易となった家を発見した。
その近くには踏み台となる粗大ごみがあり、簡単に侵入できそうだ。
「ちょうどいいんだぜ!あそこをあたらしいおうちにするんだぜ!!」
「なかなかとかいはなおうちね!
とかいはなこーでぃねーとができそうだわ!!」
「はやきゅはいりょうね!」
「ゆっきゅりゆっきゅり!!」
家族からの同意も得、まりさ達は人間の家に侵入する事に決定した。
まりさとありすはおちびちゃんを口に入れて家へと難無く侵入した。
部屋の中はカーペットが敷かれておりなかなか住みやすそうだった。
まりさ達は口に入れていたおちびちゃん達を出してお家宣言した。
「なかなかゆっくりできそうなへやなんだぜ!」
「きょきょにゃらゆっきゅちちちぇにゃいきゃじぇしゃんみょきょないね!!」
「さすがありすのだーりんね!!」
「あちょはきょのいえにょにんげんをどりぇいにちゅればきゃんぺきだにぇ!!」
「ときゃいはにはどりぇいがひちゅじゅひんにぇ!!」
散々騒ぎ立てるゆっくり一家。
だがまりさ達はそれで満足しない。
人間のお家はこんなもんじゃないと元飼いゆっくりであった親ありすは知っていた。
「おちびちゃんたち!!これでまんぞくするようじゃとかいはとはいえないわ!!
あのどあさんのむこうにもっととかいはなおへやがあるはずよ!!」
親であるありすは何の根拠も無く断言する。
だが子供達はその言葉を疑いもせずに信じる。
「ゆーそれはときゃいはじゃわ!!」
「はやきゅいきましょ!ときゃいはなおへやぎゃみちゃいわ!!」
「それじゃおとうさんがせんとうにたつんだぜ!!
ばかなにんげんがおちびちゃんにおそいかかってたくさんがいちけがでもしたらたいへんなのぜ!!!」
「ゆゆう!さすがとかいはありすのだーりんね!とってもとかいはよ!!」
親であるまりさがそう言ってドアの前に立つ。
そして、
「じゃまなまどさんはゆっくりしないでさっさとどくんだぜ!!」
とドアに命令した。
木製のドアに音声で開くように命令するのは流石に無茶である。開く訳が無い。
しかしそれに対して怒り出すまりさ。
「まりさのめいれいをむじするなああああああ!!!」
まりさは叫ぶ。
だがドアは動かない。
「ゆぎいいいいいい!!!まりさのいうこときかないどあはせいっざいするんだぜ!!!」
まりさは叫ぶ。だが当然通じない。
それに湯葉並に脆いまりさの堪忍袋の緒は簡単に切れた。
「もういいんだぜ!!さっさとじゃまなどあはしぬんだぜ!!」
そう叫んでドアに体当たりを始めるまりさ。
「ゆゆう、まりしゃみょやりゅよ!!」
それにつられて体当たりをしだす子供の中で唯一のまりさ種である赤まりさ。
「とかいはすぎるのにもほどがあるわまりざぁ!!!」
「ときゃいは!ときゃいは!」
その後ろで騒ぐありす共。
何度か体当たりするとその思いが通じたのかドアが開かれた。
だが体当たりに夢中になっているまりさ二匹はそれに気付かず動いたドアに体当たりを仕掛けようとし、
「おわぁッ!!?」
素っ頓狂な声と共にその声の主である男の持つトウガラシスプレーをまりさ二匹は全身で浴びたのだった。
その結果、
「ゆごお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
目が飛び出そうな位見開き、大粒の涙を滝のように流す。
そして、口から餡子を滝のように吐き出した。
「ゆぎゅえ゛え゛え゛え゛え゛……」
赤まりさはあっという間に中身と皮の二つに分かれ死んだ。
何が起きたか理解する暇も無かっただろう。
親まりさは原形を保ったままだが長くは無いだろう。
そんな中、
「またやっちゃったよ…」
と数日前にでいぶを可愛く無くした人物と同一の男が憂鬱げに呟いた。
この時点で生き残ったありす達の末路はロクなものにならないと決まったようなものものだった……。
END
あとがき
最初の頃の感じを出したかったのに変な方向へ向かってしまった。
今回の話も他の天然あきの書いたSSと関連しているのでそれも見てもらえると
幸いです。
それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。
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天然あき
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男の会社への帰り道、一匹のでいぶが話し掛けてきた。
「ん、何かな?」
でいぶの出合い頭の暴言に眉一つ動かさず笑顔で反応する。
すると、
「でいぶはおちびちゃんがしんじゃってかわいぞうなんだよ!!だからやさしくしなくちゃいけないんだよ!!!」
でいぶはでいぶとしてはあまりにテンプレな発言をしながら持ち主のいなくなった小さい帽子とリボンを見せる。
ここで普通の人間ならば無視、虐待お兄さんならヒャッハーと言って虐待する所だがこの男はそのどちらとも違う行動をした。
「それは可哀相に…こんな物でいいならどうぞ」
そう言って鞄の中にある潰れた菓子パンをプレゼントする。
男は菓子パンは常に常備しているのだ。
「ゆ、ゆううううううう!!?
はやくよこしてね!ゆっくりしないでよこしてね!!」
それを見た途端でいぶは目を開いてよだれを垂れ流す。
「はいどうぞ」
男は迷いなくそれをでいぶに渡した。
「うっめ!これめっちゃうめ!!」
瞬く間にジャムパンを食い尽くすでいぶ。
するとふてぶてしい顔で男の方へ向き、
「こんなんじゃぜんぜんたりないよ!!!はやくかわいいでいぶにもっとたくさんあまあまもってきてね!!!」
と更に催促して来た。
男はそれに戸惑いの顔を浮かべた。
それはもう菓子パンを持っていないからではない。
「でいぶってかわいいの?」
でいぶが可愛いと言った事に関してだった。
すると、
「とうぜんでじょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!でいぶはうちゅういぢがわいいんだよお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!みればわがるでじょお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
自身のプライドを傷つけられたでいぶは半狂乱で叫ぶ。
だが男はそんなでいぶの様子を気にも留めておらず、
「それじゃあかわいいってゆっくりできる事だよね?」
「あたりばえでじょお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
「そっか…ならかわいそうじゃないね」
「ゆ!!?」
可哀相じゃない。
その言葉にでいぶは反応する。
「なにいってるの!?でいぶはかわいぞうなんだよお゛お゛お゛お゛!!!」
でいぶは叫ぶ。
自分は可哀相だから優しくされなければならないという固定観念があるでいぶからすればアイデンティティが崩壊すると同義であった。
「でも可愛いんでしょ。可愛いって事はいい事だよね。
いい事ってことはゆっくり出来るって事だね。
だったら可愛いって事はゆっくり出来るって事だよね。
ならやっぱり可哀相じゃないじゃん」
「ゆゆゆううう!!?」
でいぶには訳がわからない。
でいぶはおちびちゃんをうしなってかわいそうなのにかわいいからかわいそうじゃない?
でいぶは混乱をどんどん深めていく。
本来ならば可愛いから可哀相じゃないという訳ではないのだが、短絡思考のゆっくりではその結論には辿り着けない。
ゆっくりには100か0かしかない。
特にでいぶ等のタイプにはそれは顕著だ。
だから本来ならば穴だらけの男の言葉も論破できないでいた。
「ゆぐ…でいぶはがわいぞうなんだよ…でもがわいいんだよ…」
でいぶは苦し紛れに言う。
「うん、だからね。可愛いならゆっくり出来るよね?かわいそうじゃないよね?
それとも本当は可愛くないの?そうじゃなきゃ可愛いって事は本当はゆっくり出来ないのかな?」
だが男はまるで子供のようにでいぶを責め立てる。
そこに悪意はない。
この男は本気でそう思っているのだ。
人間にそのルールが適応するとは思っていなかったが、かつて男と出会ったゆっくりれいむは可愛いから大事にされるべきとか言うゆっくりと会ってる為、可愛さがゆっくりにとっては一番大事と思い込んでいたのだ。
だからこんな事を言っているのだ。
一方そんな事も露知らずでいぶは混乱の色をどんどん強めていった。
「でいぶは…かわいぞう…がわいい…?」
同じ言葉を何度も繰り返すでいぶ。
こういう場合ゆっくりは自分に都合よく解釈していく。
でいぶは…かわいそう…かわいい…かわいそう…かわいい…かわいい…かわいそう…かわいくて…かわいそう…かわいくてかわいそう!!
でいぶが覚醒する。
「ん?」
でいぶの自信の満ちた表情に男も気付く。
そんな男に向けてでいぶは叫んだ。
「でいぶはかわいくってかわいそうなんだよ!!だからじじいはさっさとあまあまもってきてね!!!」
「!!?」
その言葉によって男の身体に電流が走る。
でいぶはそれを自分の聡明さに驚愕してると思い込んだ。
「ゆっふーん。でいぶのせかいさいこうほうのあんこさんにおどろくのはむりはないけど…」
でいぶは男にあまあまの提出の催促をしようとするがその言葉の途中で遮られた。
「…そんなに自分を卑下しなくって…いいんだよ…」
男の言葉によって…。
「ゆゆ!?」
でいぶは自分の言葉を止められた不快さよりも男の異様な状態に驚いた。
男は号泣しながら微笑んでいた。
でいぶには訳がわからない。
その訳の分からなさはでいぶに恐怖を抱かせた。
だが男はそんなでいぶの様子を気にもせず涙を流しながら告げた。
「可愛い事は決して可哀相な事じゃないよ…だからそこまで自分を追い詰めなくていいんだよ…」
男はでいぶを両手に掴んで持ち上げる。
「ゆうううう!!?おぞらをとんでるみだい゛い゛い゛い゛い゛!!?じゃなぐで!ぎだないでべざばぶなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
でいぶは叫ぶ。
今まで馬鹿にしてた男に掴まれ何も出来ないのだ。
その屈辱は大きなものだった。
だがそんな叫びも男の耳には入らない。入っても認識しない。
「君は悪くない…けど…もしそれでも可哀相だって言うのなら…」
「はなぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!
でいぶはがわいぞうなんだあ゛あ゛あ゛あ゛!!!だからやざじぐじろお゛お゛お゛お゛お゛!!!」
互いに話を聞いていないようだ。
だが、
「…そうか…わかった…それが君の答えだね…なら…」
でいぶの言葉を聞いた途端男が悲しそうな表情に変わり、
「俺が責任を持って可愛くなくしてあげるよ」
「ゆびゅう゛ぅ!!?」
男の宣言と同時に地面に叩き付けられるでいぶ。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛いぢゃい゛い゛い゛い゛い゛!!?」
でいぶの泣き叫ぶ声が響く。
「まだ愛嬌っぽさがありそうな感じがするね…」
そう言って男はでいぶの揉み上げを掴む。
「ゆぎい゛い゛い゛!!?」
遠慮なくひきちぎった。
「うーん…なんていうかキモカワイイとかも言われそうだな…」
男はそう言いながら揉み上げを投げて器用にごみ箱に捨てた。
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?
でいぶのぷりでぃでぴゅあぴゅあなおりぼんざんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
れいむ種にとって揉み上げはリボン程とは言わないまでも大事なアイデンティティの一つだ。
わさわさしたり手の代用品として使うのもいる。
それを奪われたのだ、泣き叫ぶのも無理はない。
だが男はそれを知らない。
「前も思ったけどやっぱり目が可愛いと結構補えちゃうな…よし取ろう」
「ゆゆううう!!?」
でいぶはその言葉に衝撃が走る。
男がどうしてでいぶの目を取ろうと考えたのかわからないがでいぶ自身に危機が
訪れているのを本能的にでいぶは理解した。
「ゆっぐりじないででいぶはにげ…はなじぇええええええ!!?」
だが逃げようとするとそれよりも早くでいぶは男に捕まった。
「それじゃこれから目を取るけど左右どっちがいい?」
「ゆぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛はなぜぐぞじじい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
生殺与奪を握られているのにも気付かず暴れ続けるでいぶ。
しかし男はそんなでいぶの為に本気で考えていた。
「う~ん…出来れば自分で選んでほしかったんだけど…仕方ない、左にしよう」
男はそう言ってあまりにあっさりとでいぶの左目に指を突き刺し左目の眼球を引っこ抜いた。
スポーンと景気よく。
「ゆ…?」
あまりにもさりげなく、そして素早い行動に左目が二度と使い物にならなくなった事もわからずでいぶは呆然としていた。
そして一拍おいた後、
「でいぶのおつきさまよりまるぐでたいようみだいにかがやぐおめめがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
滑稽な悲鳴が響き渡った。
「ほいっと」
男はまたでいぶの一部を放り投げごみ箱に投げ捨てる。
ごみ箱の中で何か弾けた音がしたが気にしない。
「あともう少し…かな?」
男はでいぶを見て呟く。
「ゆ゛…ゆ゛う゛ぅ…!?」
それにでいぶは戦慄し、恐怖し、絶望する。
この世の全ての頂点に立つという妄想を現実と思い込むでいぶが初めて感じる自身ではどうしようもない脅威。
この瞬間でいぶのアイデンティティは音を立てて壊れた。
言葉でも手段でもなくただただ純粋な善意と力によって。
「ど…どうじで…」
男を自分とは違う領域の生物としかでいぶは思えなかった。
人間とゆっくりの差ではない。
もっと違う何かを男から感じた。
だから尋ねた。
本当にこの男が何者なのかを見極める為に…。
いやそこまででいぶは考えてなかったのかもしれない。
質問すれば男は答えてくれる。
悪いと思ってしている訳ではないのだから。
そうでなくても理由がわからないまま蹂躙されるのを良しとする者はいない。
だから自分の窮状を訴えかけるのは当然と言えば当然だ。
もっとも、理由がわかっても蹂躙されるのを良しとなんてしないだろうが。
「どうじ…べ…ごんなごどずぶの…?」
「ん…?」
でいぶが尋ねた言葉に男は怪訝な顔をする。
男からすればでいぶがこうなる理由等わかりきってるも同然だったのだから。
「何って可愛くなくしてあげてるんだよ」
男は満面の笑みで告げた。
「…ゆ?」
あまりにも明るい口調で告げられたその言葉にでいぶはまた呆然とする。
そんなでいぶの反応を尻目に男は話を続ける。
「だってれいむは“可愛く”って可哀相なんだよね?なら、可愛くなくなれば可哀相じゃなくなるよね?だから俺が可愛くなくしてあげるよ」
つまりはでいぶからすればかわいい+かわいそう=かわいくてかわいそうが男にはかわいい=かわいそうと認識されてしまったのだ。
「ゆう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?」
でいぶは混乱した。
男の言っている言葉の意味がわからない。
けどこのまま何もしなければゆっくり出来なくなるのはわかりきっていた。
何として逃げようと足掻く。
だがそれは無駄でしかない。
「ご、ごべんなざい!!あやばりばずがだやべでぐばはい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」
でいぶは必死に懇願する。
しかしそれも男には通じなかった。
「何言ってるんだい?
君が謝る事なんて何も無いんだよ」
男は笑う。優しげに。
だがその笑みはでいぶにとって絶望しか感じられなかった。
「それじゃ…次はリボンを破かせてもらうよ」
「ゆ、ゆう゛う゛う゛う゛どお゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」
「可愛いから」
でいぶの疑問に男は即答する。
男の顔からは慈愛の笑みが浮かべられていた。
そこにあるのは純然たる善意だけだった。
でいぶは理解した。
彼は虐待お兄さんや保健所のようなゆっくり出来ない人間じゃない。
もっとおぞましい何かだ。
でいぶは後悔した。何でこんな化け物に話し掛けてしまったのだろうかと…。
「やだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛はなじでえ゛ええ゛え゛え゛え゛え!!?」
あらん限りの叫び声を上げた。
このままでは可愛くなくなる。
それはでいぶにとって死にも等しいものだ。
一片の迷いもなく男はでいぶを可愛くなくす。
それに抗う術をでいぶは持ち合わせていない。
助けてくれる者等いない。
かつてつがいだったまりさはごはんももってこれないゲスだったからせいっさいした。
おちびちゃんはおなかがすいたしゲスだったからせいっさいした。
だからもうでいぶを助けてくれる者なんていない。
「それじゃいくよ」
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
明るい声と悲痛に満ちた声が響き渡ったのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ゆぴィ…ゆひぃ…」
ボロボロにされたでいぶだと思われる物体はずーりずーりしながら夜の公園を這う。
リボンは裂けてダメージジーンズみたいな変な味が生まれ、左目は潰れ、そこから変に切り傷っぽいものも付けられて死線を越えたような風格を生み出していた。
だが中身は何も変わらずでいぶのままだ。
「ゆぎ…ゆぐぅ…」
でいぶはボロボロ涙を流す。
どうして可愛かった自分がこんな目に遭うのかわからない。
男に対しては既に天災のようなどうしようもないもの的な考えだった。
復讐する気にすらならない。
完全に屈服、萎縮してしまっていた。
「もう…やば…」
ずりずりと這っていく。
その後には垂れ流されているしーしーか涙かわからない砂糖水が道となっている。
「おう゛ぢ…がえぶ…」
でいぶはおうちへ帰ろうと動く。
ゆっくり出来る場所である我が家に帰ろうと向かっている。
だが、
「なかなかとかいはなおうちね!!」
「そうなんだぜ!まりさがみつけたおうちなんだぜ!!」
でいぶが住んでいた段ボールのお家には会った事もないゆっくりが占領していた。
ほぼ半日以上いなかったのだ。
ゆっくりが住み着かない方がおかしい。
「ゆ゛…ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
だがそんな事もわからないでいぶは思わず叫び声を上げる。
その声はでいぶのお家を占領していたありすとまりさの家族にも届いた。
「ゆ?なんだかゆっくりしてないいなかものがいるわ!!?
あんなのがそばにいたらとかいはなありすのおちびちゃんのきょういくにわるいわ!!」
そう言いながらありすは自分の下腹部を背を向けて隠す。
「そのとおりだぜ!いままりさがせいっさいするからありすはそこでゆっくりしてるんだぜ!!」
にんっしん中らしいありすの前でいいところを見せようとまりさはでいぶに向かっていく。
「ぞごはでいぶのおうぢだあ゛あ゛あ゛!!!」
お家を奪われた怒りで自分のダメージも忘れてでいぶはまりさに体当たりをしようとする。
しかし、
「ごちゃごちゃうるさいんだぜ!!!」
「ゆんびゅう゛う゛!!?」
傷だらけの身体でまりさに勝てる訳もなく吹き飛ばされる。
「ここはまりさのおうちなんだぜ!!」
「ゆ…ぎぃ…ぞごは…でいぶのおう…」
「まだわからないかなんだぜ。このでいぶはばかなんだぜ!!」
まりさはそんなでいぶに向けて踏み付けを行う。
「ゆぎぃ!?げびい!?ごびい!?」
一撃で満身創痍となったでいぶにまりさは容赦なく踏み付けを何度も行う。
「…ゅ…」
「ようやくしんだんだぜ」
何回かの踏みつけの後、まりさはでいぶが踏み付けても反応しなくなったようなのでようやく攻撃をやめる。
「あそこはまりさのおうちなんだぜ。ばかなでいぶはゆっくりりかいするんだぜ」
そう言ってまりさは去って行った。
「ゆ…ごぉ…」
でいぶの口から呻き声が漏れる。
どうやらまだ生きていたようだ。
だが言葉を話す事ももう出来ない。意識があるだけだ。
「ゆ…ぃ…」
でいぶはそれに気付かない。
身体は潰れ、中の餡子は漏れ、もうすぐ死ぬ状況だ。
「…ゃ…だ…」
だがそれでもでいぶの生への執着は並々ならぬものであった。
だがそんなでいぶに対して近付いて来る者達がいた。
「ゅ…!?」
でいぶにちくりと痛みが走る。
するとそれを起因に様々な部位から鋭い痛みが走る。
「………!?」
動く事すら出来ないでいぶにはそれを確認する術はない。
『いだい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?』
でいぶの叫びはでいぶの中にしか響かない。
そうして音も無いままでいぶに攻撃してくる存在。
それはゆっくりにとっての天敵、蟻だった。
蟻は瞬く間にでいぶを埋め尽くし、黒い塊に変貌させる。
目や口、傷口からどんどん侵入していく蟻達。
それを拒否する術はでいぶにはない。
「…………!!?」
動く事すら叶わないでいぶはそのまま蟻の栄養源という大役を担っていく。
生きたまま蟻の餌食となっていくでいぶ。
その姿は可愛くはないがある意味では可哀相ではあった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「おちびちゃんたち!きょうはおひっこしをするわよ!!」
「「「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!!」」」
でいぶの家を占領していたありすとまりさのつがいがその家を後にし、街中を跳ねている。。
三匹の子供が生まれた二匹は段ボールの家では手狭だと判断して引っ越す事に決めたのだ。
「こんどはもっとゆっくりしたおうちをみつけるんだぜ!!」
そう言うまりさの頭の中には人間のお家を奪う考えしかなかった。
「ゆゆ~んおひっきょしたのしみじゃにぇ!!」
「おひっきょししちゃらときゃいはにゃこーでぃにぇーちょしようね!!」
新たに誕生したありす達は新しいお家に思いを馳せていた。
すると、
「ゆ!あんなところにちょうどいいいりぐちがあるんだぜ!!」
すると窓が割れて侵入が容易となった家を発見した。
その近くには踏み台となる粗大ごみがあり、簡単に侵入できそうだ。
「ちょうどいいんだぜ!あそこをあたらしいおうちにするんだぜ!!」
「なかなかとかいはなおうちね!
とかいはなこーでぃねーとができそうだわ!!」
「はやきゅはいりょうね!」
「ゆっきゅりゆっきゅり!!」
家族からの同意も得、まりさ達は人間の家に侵入する事に決定した。
まりさとありすはおちびちゃんを口に入れて家へと難無く侵入した。
部屋の中はカーペットが敷かれておりなかなか住みやすそうだった。
まりさ達は口に入れていたおちびちゃん達を出してお家宣言した。
「なかなかゆっくりできそうなへやなんだぜ!」
「きょきょにゃらゆっきゅちちちぇにゃいきゃじぇしゃんみょきょないね!!」
「さすがありすのだーりんね!!」
「あちょはきょのいえにょにんげんをどりぇいにちゅればきゃんぺきだにぇ!!」
「ときゃいはにはどりぇいがひちゅじゅひんにぇ!!」
散々騒ぎ立てるゆっくり一家。
だがまりさ達はそれで満足しない。
人間のお家はこんなもんじゃないと元飼いゆっくりであった親ありすは知っていた。
「おちびちゃんたち!!これでまんぞくするようじゃとかいはとはいえないわ!!
あのどあさんのむこうにもっととかいはなおへやがあるはずよ!!」
親であるありすは何の根拠も無く断言する。
だが子供達はその言葉を疑いもせずに信じる。
「ゆーそれはときゃいはじゃわ!!」
「はやきゅいきましょ!ときゃいはなおへやぎゃみちゃいわ!!」
「それじゃおとうさんがせんとうにたつんだぜ!!
ばかなにんげんがおちびちゃんにおそいかかってたくさんがいちけがでもしたらたいへんなのぜ!!!」
「ゆゆう!さすがとかいはありすのだーりんね!とってもとかいはよ!!」
親であるまりさがそう言ってドアの前に立つ。
そして、
「じゃまなまどさんはゆっくりしないでさっさとどくんだぜ!!」
とドアに命令した。
木製のドアに音声で開くように命令するのは流石に無茶である。開く訳が無い。
しかしそれに対して怒り出すまりさ。
「まりさのめいれいをむじするなああああああ!!!」
まりさは叫ぶ。
だがドアは動かない。
「ゆぎいいいいいい!!!まりさのいうこときかないどあはせいっざいするんだぜ!!!」
まりさは叫ぶ。だが当然通じない。
それに湯葉並に脆いまりさの堪忍袋の緒は簡単に切れた。
「もういいんだぜ!!さっさとじゃまなどあはしぬんだぜ!!」
そう叫んでドアに体当たりを始めるまりさ。
「ゆゆう、まりしゃみょやりゅよ!!」
それにつられて体当たりをしだす子供の中で唯一のまりさ種である赤まりさ。
「とかいはすぎるのにもほどがあるわまりざぁ!!!」
「ときゃいは!ときゃいは!」
その後ろで騒ぐありす共。
何度か体当たりするとその思いが通じたのかドアが開かれた。
だが体当たりに夢中になっているまりさ二匹はそれに気付かず動いたドアに体当たりを仕掛けようとし、
「おわぁッ!!?」
素っ頓狂な声と共にその声の主である男の持つトウガラシスプレーをまりさ二匹は全身で浴びたのだった。
その結果、
「ゆごお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
目が飛び出そうな位見開き、大粒の涙を滝のように流す。
そして、口から餡子を滝のように吐き出した。
「ゆぎゅえ゛え゛え゛え゛え゛……」
赤まりさはあっという間に中身と皮の二つに分かれ死んだ。
何が起きたか理解する暇も無かっただろう。
親まりさは原形を保ったままだが長くは無いだろう。
そんな中、
「またやっちゃったよ…」
と数日前にでいぶを可愛く無くした人物と同一の男が憂鬱げに呟いた。
この時点で生き残ったありす達の末路はロクなものにならないと決まったようなものものだった……。
END
あとがき
最初の頃の感じを出したかったのに変な方向へ向かってしまった。
今回の話も他の天然あきの書いたSSと関連しているのでそれも見てもらえると
幸いです。
それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。
過去に作ったSS
anko379 『おかざりがないとゆくりできないよ!』
anko400 『きゃわいきゅってぎょめんにぇ!!』
anko436『れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!』
anko492『大好きだよ』
anko548『おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね!』
anko624『元銀バッジまりさの末路 上』
anko649『元銀バッジまりさの末路 中』
anko741 『かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上』
anko742 『かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 下』
anko780 『おうちのなかでかわれなくてごめんね!!』
anko789 『元銀バッジまりさの末路 下 』
anko864 『あまあまおいてさっさとでてってね!!』
anko918 『雨の日はゆっくり遊ぼう』
anko998 『すっきりしたいわあああああ!!』
anko1037 『元銀バッジまりさの末路 終の1』
anko1038 『元銀バッジまりさの末路 終の2』
anko1067 『切断マジック(?) 』
anko1096 『ゆっくり祭『どんど焼き』』
anko1132 『すないぱーうどんげ養成所の最終試験』
anko1154 『すないぱーうどんげ養成所の最終試験 その2』
anko1177 『犬小屋と殺虫剤』
anko1205 『あみゃあみゃもっちぇきょいくちょじじい!!』
anko1286 『ゆっくりをハサミで切るだけの話』
anko1318 『必然の死』
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