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anko3263 赤ゆ十連発(後編)
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ankoss
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『赤ゆ十連発(後編)』 35KB
虐待 家族崩壊 姉妹 赤ゆ 透明な箱 現代 虐待人間 うんしー 4作目です
「どぼじで……どぼじでごんなごどぉ……」(長女れいむ)
「ゆ……ゆっくちにげるのじぇ……」(次女まりさ)
「やじゃああああ! いだいのやじゃああああああああ!」(次女れいむ)
「ゆっゆっゆっゆっ……」(三女まりさ)
「ゆびぃ……いじゃいの……きょわい……きょわいよ……」(四女まりさ)
三女れいむちゃんは、電子レンジで三度のチン♪ で爆死した。
長女まりさちゃんは、画鋲だらけのカプセルで転がされて死んだ。
四女れいむちゃんは、使い捨てカイロで熱された上にぺーろぺーろ攻撃を喰らって瀕死。
末娘まりさちゃんは、沸騰したお湯に真っ逆さま。溶けて死んだ。
末娘れいむちゃんは、唐辛子エキスで腫れたあにゃるが凍ったうんうんで裂けて死んだ。
残り五匹。
さて、次はどうするかな――――何かして欲しいこと、ある?
『赤ゆ十連発(後編)』
5:六匹目 次女まりさ 虐待道具:高所
俺はその虐待道具を手早く組み立てた。
「たかいたかいはゆっくりできないよ!」という名前の観察虐待道具である。とはいえ、構造は単純だ。家庭で
も日曜大工で作れるような代物だ。
まず、長い棒。終端には、これを立たせるための足場がついている。これを普通に立たせる。先端の方は鋭く
尖っている。これはいわゆる「串刺し」にするためにそうなっているらしい。
だが、今回は串刺しではない。
その先端にオプションのテーブルをセットする。テーブルは普通の大きさの赤ゆっくりが乗って少しはみ出て
しまう程度のものだ。材質も滑りやすく、ぴょんと跳ぶだけで着地時には激しく滑る。
さて問題。
この場所に、赤ゆっくりをそっと載せたらどうなるでしょうか?
「えーと。次女まりさちゃーん」
「ゆびぃ!? やじゃ! やじゃやじゃやじゃ! いだいのやじゃああああああああああ! ぐぞじじい! じ
ね! しんじまえ! せいっさいされろぉぉぉぉぉっ!」
あらあら随分とまあスレてしまって。
まあ、この状況じゃ仕方ないよねー。でも、今回はそれほど痛い思いをしなくて済むかもよ?
問答無用とばかりに、次女まりさを摘み上げた。
「ゆびいいいいいいいいい! おねえじゃ! おねじゃ! だじゅげで! たじゅげでええええ! ゆっくじ!
ゆっくじいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「ゆぅ……まりちゃぁ……まりちゃぁぁ!」
長女れいむだけが、ぴこぴこともみあげを動かしているが、それだけ。まあ、手が届く位置でもなし。
壁にぶつかったところで無駄だ、ということはよく理解しているようだし。
「ゆがあああ! ほんきだじぇええ! たぢゅげろおおお! むれのりぃだぁになるまりじゃがいなげれば、せ
がいのそんしつなんだじぇえええええええええええええええええええ!」
うーん。一つ確実になったのは、こいつらがいた群れには確実にアホのぱちゅりーがいるってことだな。
チェックしておこうっと。
「ゆ゛! ゆ゛! ゆぅぅぅ! いやじゃっ いやじゃっ いやじゃああああ! いきじゃい! まりじゃいき
じゃいいいい!」
「大丈夫だよ、まりさ」
「なにがだいちょうぶなのじぇ!? そういってちゃ、いもーちょもおねえしゃんもみんなちんじゃったじぇ!」
「ほら、まりさ。お前への虐待……もとい、制裁はここに居ることだ」
「ゆ?」
きょとんとしたまりさを、高台に載せた。前後左右、一歩でも体をズラしたら落ちてちゅぶれる(笑)ような
高台に、だ。
「ゆ、ゆ、ゆうううううううううううううううううううううう!? にゃんにゃのじぇえええええ!」
「おいおい、暴れると落ちるぞ? 落ちるとそれはもう痛いぞ。あいつらなんか目じゃないくらい痛いぞ?」
これは本当である。落ちて潰れる、そこまではいいが死ぬか生きるかは落ち方次第というのが、この高台のゆ
っくりできないところなのだ。
上手く落ちれば、痛みもほとんどなく死ぬ。
……が、下手な落ち方をすると餡子が少しずつ漏れていくという拷問のような死に方をする。
「ゆ゛ ゆ゛ ゆ゛ゆ゛……いやじゃ……まりちゃ……こんなゆっくちできないとこ……いやじゃ……」
「他の連中が終わったら、アトラクションを追加してあげるからねー」
そう言い残して、俺は次女まりさを放置した。ゆぴゆぴと可愛らしい鳴き声をあげるまりさを、俺はもう少し
で「かわいがりっ」してしまうところだった。
6:七匹目 次女れいむ 虐待道具:テレビ+ビデオ 接着剤
今は昔、ポケモンショックという事件をご存知だろうか。
全国の子供を恐怖のどん底に叩き落とし、アホな大人たちが「ポケモンが悪いんじゃね?」「ポケモンが悪い
みたい」「ポケモンのせい」と右往左往した事件である。
概要はいたって簡単だ。当時、アニメーションで多用されていた「パカパカ」と呼ばれる背景色の点滅が、非
常に激しいものだった上に、色合い的にも最悪の組み合わせだったために、全国の子供たちがてんかんを起こし
てしまったという事件だ。
「あのときは本当参ったよなぁ。アニメーションの点滅が、ものすごい勢いで規制されてなー」
「…………」
訳の分からない話をする俺は、きっと次女れいむにとってはさぞゆっくりできてなかったに違いない。
「で、だ。せっかくだからお前にも最高の環境で、その点滅を担当してもらおうと思ってな」
「ゆ……ぴ……?」
用意したのは17インチの小さなテレビとビデオデッキ。黒い布、さっき使った糊ではなく、より粘着力の強
い瞬間接着剤と定規。おっと、忘れちゃいけないナイフもね。
「まずは、見落としがないように瞼を切り落としまーす」
「ゆびぃ!?」
小さくて可愛い両の瞼をさっくりと切り落とす。これでもう、彼女は二度と目を閉じることはできない。
「続いて接着剤と定規を使ってテレビから離れたりしないよう、しっかりと接着しまーす」
「あづづづづづ!? やめじぇ! やめじぇええええ! れいみゅをはなじでえええええええ!」
「駄目♪ そして、俺たちにまで影響がこないように黒い布を被せまーす」
黒い布に包まれた次女れいむは、暗闇の恐ろしさにガタガタと震えている。
「ゆ゛……ゆぅ……くりゃい……きょわい……」
「大丈夫だよー。今から明るくするからねー。最後! ビデオテープをデッキに挿入して……スタート!」
「ゆ? あかるくなっちゃ……ゆう!?」
次女れいむはホッと息をつく暇もなく、すぐに不快感に身をよじった。
「ちきゃちきゃするう! ぴきゃぴきゃしゃんがぴきゃぴきゃしゅぎてゆっくぢできないよぉ゛ぉ゛!」
ビデオの内容は、ただひたすら赤色が激しく点滅するだけ。
それだけに、何の楽しみもない。瞼がないから、目を閉じることもできない。接着剤のせいで、動くこともで
きない。限界まで顔をひねって目を逸らそうとするのが関の山。それでも、片方の目から無数の光が飛び込んで
くる。
「はっはっは、駄目じゃないか。テレビはちゃんと見なきゃな」
そう言って、俺は次女れいむの頭を両手の指でがっちり固定した。
ちかちか。
ちかちか。
ちかちかちかちかちかちか。
「ゆぎぃ!? いじゃい! きもぢわりゅいいい! やめじぇ! やめじぇえええ! れいみゅぎもぢばるいよ
ぉぉぉぉ!」
「あじゃまいじゃい! あだまいじゃいのぉ! ぴきゃぴきゃしゃんがいじめりゅうううう!」
「おっ……おごっ……ゆぐっ……ゆぐぐっ……ゆっ ゆっ ゆっ……っゆうううう! ぎもぢわりゅいいいいい
いいいい! えーろえーろ! えーろえーろ!」
「ぴかぴがっ! ぴがぴがあああっ! ぴかぴかあああああっ! おえ゛え゛え゛え゛え゛! ぎぼぢばるい゛
ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛」
「おぼぉ゛……い゛びぃ゛…………ぐぎょ…………ぎょぎょぎょぎょyごyごよぎょぎょぎょぎょぎょ!」
光の洪水が、次女れいむの目と餡子を犯す。
てんかんのように、びくんびくんと痙攣しては餡子を吐き出し続けた。
だが、目の前の光がある以上吐いても吐いても楽になるはずもない。
次女れいむは賢くも、餡子を吐き続ければ永遠にゆっくりしてしまうと分かっている。だから、どうにか食べ
ようとするが、口に入れた端からそれ以上の量を吐き出していた。
そうして、怒濤の光が中枢餡に異常を起こさせたらしく――。
「おびょびょyぼよびょびょぼ! ぐぎょぎょぎょぎょぎょぎょyごぎょぎょyごyご! pび! おびびび!」
なんか、変な鳴き声になっていたので、ビデオを停止して次女れいむを取り出した。
次女れいむは未熟ゆのように目が左右に絶え間なく動き、へらへら笑いながら餡をちょっとずつ吐き出してい
た。どうやら、“廃ゆ”になってしまったらしい。
「おびょびょびょびょびょ……ぐえ……げぶっ……」
もみあげをぴこぴこと必死になって動かす様がたまらない。なので、こいつも先ほどの皮剥きれいむと同じく
放置プレイ。ま、そのうち死ぬだろ。
7:八匹目 九匹目 三女まりさ 四女まりさ 虐待道具:USB接続扇風機 接着剤
さて、次は――。
予め起動しておいたノートパソコンにUSB接続式の扇風機を繋ぐ。この扇風機、何とも無駄なことに回転数
をPC側でかなり細かく変更できるところが特徴だ。
透明な箱の中身は、死にかけを除くとまりさ二のれいむ一となっていた。
「よーし。それじゃ、次はお前等だ」
「ゆぅ!? ま、まっじぇ! まっじぇえええええ! まりじゃじにだぐない! まりじゃぢゃんとずるがらあ
あああああああ!」
「ゆび! おかあああああじゃああああん! おがあああああああじゃあああああん! どぼぢで! どぼぢで
だずげでぐれないのおおおおおお!」
「そ そうだよ……おかあしゃん! れいみゅたちのおかあしゃん! たすけて! このおにいしゃんをせいっ
さいしてよおおおおおおおお!」
あっはっは。
お母さんはちょっと今、助けられるような状況にないんだよなあ。まあでも、呼びかける分には構わないよ?
「お……か……おかあしゃ……」
「ゆ……おか……おかあしゃ……」
軽くデコピンしつつ、三女まりさのあんよに接着剤を塗って、扇風機の羽根にくっつけた。四女まりさちゃん
はしばらく待機。
「ゆぅ……あんよしゃんがむじゅむじゅしゅるよ……うごけにゃいよ……」
「まりしゃ……まりしゃああ……」
三女まりさと四女まりさはすんすんと泣いている。せっかくなので特等席で見せてあげようと、俺は四女まり
さを手に持った。動くとちょっぴりくすぐったい。
「じゃ、いくぜ?」
そろそろ頃合いだと、俺はPCから扇風機を起動させた。
「ゆ? うごいちぇるよ?」
ゆっくりと……一ゲージずつ、回転数を上げていく。
「ゆうう……きもちぇいいのじぇ……すぃーさんにのってるみたいじぇ……」
「すぃー? まりちゃもすぃーにのりちゃい! おにいしゃん! まりちゃものりゅうう!」
「はっはっは。お前は後で乗せてあげるからな。はい、更に回転数上げちゃおう」
「ゆびゅ!? す すぃーさんはやしゅぎるじぇ! もっちょゆっきゅりしちぇええ!」
「…………ゆ? まりちゃ…………?」
はーい回転数倍! 倍! 倍!
いわゆる「強」状態となった扇風機の羽根の上。それに三女まりさは翻弄されていた。帽子がどこかに吹き飛
ぶが、さすがにまりさもこの状況では帽子などに構っていられないらしい。
「ゆびゃあああああああああああああああああ! いだいいだいいだいだいぢああいだだだだだあいああああっ!
ちびじぇるううううううう! まりぢゃがぎびびびびいびびびびびいいb! ぎゃわいいい! まりじゃがあ
あああ! いだいいだいだいいあぢあぢあだだだあああああああああああああああい!」
「びゅんびゅんずるううううううううう! ぎもぢばるいいいいい! やあああfうぇふぁfうぇあfわふぁ!
だずげえええええええええ! おがあああじゃあああああああああああああああああ! だずげでえええええ
えええええええええええええええ!」
「ちぎっ! ちぎいいいいいいいいいいいいいいい!!! まりじゃ! まりじゃぢぎげるううううううううう
うううううう! じゃだああああああああああ! おうじいいいいい! まりじゃのおうじいいいいいいい!」
「おぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! いだいいだいいだいおぜながざんがああ
ああああ! おぜながざんがいじゃいいじゃいいじゃいいいいいいいいいいいいいい!」
お?
背中が痛い?
さすがにこの回転ではよく見えないが……三女まりさの暴れくねり方がなんか妙なような……。
「ざげるううううううう! まりじゃのおぜながじゃんがざげじゃううううううううううううう! やじゃやじ
ゅあやうじゃやじゃやじゃああああああああ! おうぢいいいい! おうぢがえるううううううううううううう
ううううううううう!」
「ゆ゛……! ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ
゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!」
あ。
三女まりさの背中が避け、すぽーんと黒い餡子が飛び出した。この勢いではさすがにどうすることもできず。
俺たちの肩を飛び越えて、壁に直撃した。
「も…………………………ど………………………………ゆ…………………………………………びゅ」
最後に。微かに断末魔をあげて、三女まりさはお亡くなりになりました。
「……」
「お、どうしたまりちゃ? お前もすぃーに乗りたいんだろ? ちょっと待ってろよ」
「や…………………………やじゃああああああああああああああああ! まりちゃじにだぐない! やじゃやじ
ゃやじゃやじゃやじゃああああああああああああああああああ! おがああじゃああああん! おねええしゃあ
ああああん!」
「まりちゃああああああ! まりちゃあああああ! やべでぐだじゃい! おにいじゃん! やめでぐだじゃい
いいいいいいいいいいいいいいい!」
「遠慮すんなって。はい、あんよに塗り塗り~♪」
「う……あ……あああああ……」
三女まりさの貼りついたあんよの上に、載せられた四女まりさはおそろしーしーを垂れ流しっぱなしだった。
安心しろよ、まりさ。同じ虐待を二度繰り返すことはないんだぜ、俺は?
限界まで回転数を上げた扇風機の虐待はこれで完了。
次は「一定の回転数でまりさを翻弄する」虐待に移行する。
「やじゃ……やじゃあ……」
「よし、ぐるぐるするぞー」
「やじゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
回転が始まった。
最初はゆっくり。だがさすがにあの結末は餡子に刻まれたのか、四女まりさは震えて泣き続けるだけだ。
回転数が上がるにつれて、さらにその悲鳴は激しくなる。
「じにだぐない……! まりじゃじにだぐないい! だずげでえええ! だずげでええええええ……!」
うん、これくらいかな?
千切れない程度の速度に設定すると、俺はしばらくまりさを放置することにした。
ついでに特等席で見せてやろうと、長女れいむを摘み上げる。
「まりじゃあああああ! ゆっくぢだよ! ゆっくぢすればだいじょうびゅだよお!」
「おねえ……じゃ……! まりちゃ……まりちゃゆっくぢずるよおお! じでるよおおおお!」
回転しながら、まりさの眉がきりっと上がった……ような気がしないでもない。
「まりじゃ! だいじょうびゅ!?」
「ゆ! まりじゃへいきなのじぇ! おねえじゃんのまりじゃはぎっどよわがっだのじぇ!」
回転数を上げたくなるような発言どうもありがとう四女まりさ君。
まあでも、次第にそうはいってられなくなるんだけどね。
十分経過。
「…………」
「ゆ~ゆゆ~……まりちゃ……がんばっじぇっ……」
「ゆううう~ゆゆ~♪ まりちゃへいきなのじぇ……!」
二十分経過。
「んー。ゆーチューブになんか面白いのきてないかなー? えーと……『ゆっくりを乗馬ましーんっではっする
っに責め立ててみた』? 面白そうじゃないか」
「ま……まりじゃ……? まりじゃ……だいじょうびゅ……?」
「ゆび……ゆべ……だ……じょ……だい……じょびゅ……」
「畜生釣りだったあああああ! でいぶが乗ったところを見たってはっするっも何ともねええんだよおおおおお
お! きもいいいい! 主に全身きもいいいいいいい!」
三十分経過。
「へー……ぱちゅりーがBLに走ると中のクリームが腐臭を放つようになって、同じぱちゅりーでもゆっくりでき
なくなるのか。勉強になるなー……」
「まりじゃあああああああああああああああああああ! おにいじゃん! まりじゃをだずげでぐだざい! ま
りじゃがへんなんですうう!」
「ゆぴぴぴぴぴいーーーーー! ぴぴぴぴぴぴーーーーーーーーーー!」
「お、三十分で駄目になったか」
この原因は、言わずとしれた扇風機である。先ほどのように物凄い勢いで吹き飛ぶことはないものの、ずっと
振り回されていたのだから、中の餡子がゆっくりと片側に偏り始めたのだ。やわい赤ゆっくりである。
中枢餡ごと移動しているに違いない。
一旦、扇風機を停止する。
「ゆべ……ゆひ……」
先ほどのポケモンフラッシュで廃ゆになった次女れいむ同様、四女まりさもすっかり廃ゆになってしまった。
ただし、餡子は吐かない。
俺はあんよに、そっと接着剤のはがし液を塗ってまりさを解放した。だが、そのまりさは長女れいむが怯えて
あとずさるほど奇怪な姿になっていた。
餡子が片側に集中しているせいで、歩くのもままならない。一方はみっちり餡子が詰まっているのに、もう一
方はスカスカだ。口元は開き、だらしなく餡子を垂れ流している。
あ、そうか。
ゾンビに似ているんだ、こいつら。
そっと指で皮をつつくと、ひにゃんと凹んでしまった。わはははは、笑えるツラだ。
「まりじゃあああ……まりちゃああああああ! わきゃる? まりちゃのおねえしゃんのれいみゅだよ……」
解放してやった長女れいむが、すーりすーりを試みる。が、餡子が偏った四女まりさにとって、すーりすーり
は痛く苦しいだけであろう。
「ゆびーーーーーっ! ゆびっ! ゆびっ、ゆびびっ!」
「ゆゆ!? どぼぢでいやいやちゅるのぉぉぉ! ぷーらぷーらしちゃだめだよおお!」
あはははは。ただでさえ、先ほどまで接着剤で貼りついていたあんよだ。剥がれたといってもろくに歩けやし
ないだろう。その上、偏った餡子のせいでバランスが取れない。
まるで起き上がりこぼしのように、ふらついては倒れ倒れてはふらついている。
じゃ、こいつも無事に生き残ったことを祝して、お仲間にしてあげよう。
「ゆひっ、ゆひっ、ゆびびび……いじゃいよぉ……ちゃむいよぉぉぉぉぉ……」
皮を剥がされ、餡子の塊になった四女れいむはずっと泣きっぱなしだ。後でオレンジジュースでも掛けてやる
か。痛いだけだと思うけど。
「…………ゆ…………」
ポケモンフラッシュで餡子を吐きっぱなしだった次女れいむは虫の息だ。時折、ビクッ! ビクッ! と痙攣
しているあたりが、まだ生きているという唯一の証だ。
乾いた眼球のせいで泣くこともできず、そうかといって餡子に叩き込まれた強烈な光は、未だ彼女を苦しめて
いる。
そのお隣に、偏り餡子の奇形まりしゃちゃんを置く。彼女も無事に生き残った。これからは充実したゆん生を
全うしてほしいなぁ、と心から願う次第である。
「さて……」
俺は危うく忘れかけていた次女まりさがどうなったか、調べることにした。
「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」
次女まりさはガタガタと震えている。無理もない、この高さから落ちれば「とってもいちゃいいちゃい」どこ
ろで済まないのは確実だ。
だが、動かないだけというのもまた難しい。
ほんの少し体がずれれば落ちる寸前までいってしまう。おまけに、流れた体液(涙とおそろしーしー)が床を
滑りやすくさせていた。
「きょわいよぉぉぉ……おぢだぐにゃいよおおおおお……」
面白いのでしばらく観察。
まりちゃはどうやら、うんうんをしたくなったようだが体を動かすことができないので、うんうんを必死に堪
えているようだ。ひょっとしたら、先ほど悲惨な最期を遂げた末のうんうんれいむのことが頭に浮かんでいるの
かもしれない。
「う……うんうんしゃんは……ででごないでねっ……」
だが、便意を我慢するというのは人間でも相当な苦痛なのだ。
「いじゃいよぉ……ぽんぽんしゃんがいじゃいよぉぉぉ……」
赤まりちゃ程度が耐えられるはずもない。
「う゛……びいい……! でりゅ……うんうんでちゃう……! やだぁ……でちゃくないいいい! ゆ゛! ゆ
がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
あにゃるからうんうんが垂れ流される。だが、あにゃるを床に貼り付けていたせいで行き場のなくなったうん
うんが、次女まりさのおしり周りにべっとりとこびりついた。
「うぇぇぇえ……ぎぼぢわるいぃぃ……まりちゃ……ちゃんとうんうんできるにょにぃ……」
「よう、まりさ。お困りのようだな」
そろそろ見るだけというのも飽きてきたので、俺は次女まりさに話しかけた。
彼女はウルウルとした瞳で俺に、わずかに頭を下げる。この状況では、それすらも死に繋がる行為だ。
「たずげじぇ……たずけじぇぐだじゃい……まりちゃ……きょわいきょわいでちゅ……」
「……」
俺はそっと、USB接続型扇風機を手に取るとタンスの上に置いた。ケーブルを外しても、電池で動くタイプ
なので問題ない。
「ゆ……?」
「まりちゃちゃん。暑いだろ?」
「ゆゆ? ……べ、べつにあちゅくなんか……」
「遠慮すんなって! 俺とまりちゃちゃんの仲じゃないか! ほら、体が吹き飛ぶくらいに強い風を送ってあげ
るからね!」
「…………………………………………………………………ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!
いいでじゅ! まりちゃおかぜしゃんいりまぢぇん! おかぜじゃんはあっちいってくだちゃい!」
この次女まりさは賢い。どうやら、自分がどういう状況に追い込まれたかを悟ったらしい。
まあでも、悟ったからといってどうにかなるものではないのだけどね。
「スイッチオン」
タンスのすぐ傍に高台を移して、風が直撃するように調整する。ぶおおおおん、という不気味な音と共に扇風
機が次女まりさの体を少しずつ動かしていく。
「ゆ……び……やじゃ……やじゃああああ! じにだぐない……まりじゃ……じにだぐない……!」
ぶおおおおおおおおおおおおおおおお。
風は無情に、まりちゃの体を動かしていく。
「おか……じぇ……しゃん……やめちぇね……まりちゃ……いちゃいいちゃい……いやじゃ……やめちぇ……や
めちぇええええええええ!」
「がんばれまりさ! がんばれまりさ! そら、長女れいむちゃんも応援するんだ!」
俺はまたもれいむを摘み上げた。
「ゆびっ!? ま、まりちゃちっかりちちぇ!」
「おね……じゃ……まりちゃ……きょわい……」
「だいじょうびゅ! がんばちぇ! がんばちぇえええええええ!」
次女まりさは必死になって考えた結果、とうとう最後の手に打って出た。
「ゆび!」
テーブルの端に、噛みついたのだ。
「ゆぅ! きょれでみょうあんちんだにぇ! まりちゃはおちちぇいちゃいいちゃいちなくてすむんだにぇ!」
ドヤ顔の長女れいむ。
まりさも動かなくなった自分にようやく安心したのだろう。目をつむっている。
「んー……まあ、まりさは動かないだろうな。まりさは」
「ゆ?」
俺は無言で、次女まりさのおかざり……ウィッチハットを指差した。
(ゆゆゆ!? まりちゃのおぼうちしゃん! うごいちゃだめだよ! ゆっくちできなくなっちゃうよ!)
まりさは自分のおぼうしがズレていくのを感じるらしく、絶望的な表情を浮かべていた。
ゆっくりにとっておかざりは命に等しい。特に、こういう赤ゆにとってはあって当然のものだ。これがなけれ
ば、ゆっくりは個ゆっくり認識ができない。ベタな言い方をすれば、魂のようなものなのかもしれない。
(おぼうちしゃん! まりちゃのおぼうちしゃん! もどっちぇ! もどっちぇええええええええ!)
「まりちゃのおぼうちしゃん! まりちゃにもどってえええええええええ!」
ず。
ず、ず。
ずずずずず。
すぽーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。
次女まりさの頭から帽子が脱げ、風に流されて吹っ飛んでいった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ
゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
長女れいむの悲鳴。
(お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お
゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!)
次女まりさの苦悶の表情。
だが、この次女まりさはとても優秀なゆっくりだった。
こんな状況にあってもなお、テーブルにしっかりと噛みついていた。やるな、俺はてっきり悲鳴をあげて帽子
を追いかけると思ったのだが。
「まりちゃ! ちっかりちて! まりちゃはまりちゃぢゃからね! おねえしゃんはまりちゃのことちゃんどわ
がるからねえ!? まりちゃはおかざりなくてもとっでもゆっぐりじでるよおおおおお!」
そして、長女れいむも相当に優秀だ。
「おかざりのないゆっくりがいるよ! おおぶざまぶざま」くらいの展開は予想していたんだが。長女れいむは
どうやら、おかざりが無い程度で認識できなくなる訳ではないらしい。
「おねえしゃんはまりちゃがだいちゅきだきゃらね! ゆっくちちてるまりじゃがだいじゅぎいいいい!」
(おねえ……しゃん……)
次女まりさは、感動の涙を流している。長女れいむも、感動の涙を流している。
さあ。
さあ、材料は揃ってしまったぞ。
れいむ。
言っちゃえ、れいむ。
あの言葉を言っちゃえ、言いたいだろ? 言いたくて言いたくて仕方ないだろ?
さあ。
さあ、さあ、さあ!
「まりちゃ!」
(おねえしゃん!)
ゆ っ く り し て い っ て ね !
あー……言っちゃった(笑)
「ゆっぐりじでいっで――――――――――――――――――――――――――――――――ゆ?」
「ゆ゛ゆ゛?」
長女れいむと次女まりさは、きょとんとした表情で見つめ合う。
長女れいむは俺の手のひらで、そして次女まりさは…………空中で。
不意に、まりさの眉がキリッと釣り上がった。
「おそらをとんじぇるみちゃ…………………………ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ
゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ
゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
ひゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。
べたん。
「ゆ? ゆ? ゆ? どぼじで? どぼじでまりちゃが……」
「わははははは! そりゃ、そりゃお前が……ぷっ……ゆっくりしていってね、なんて……ぶふふっ……言う
からだろ……どわはははは! ホントに言っちゃうとは思わなかったわ!」
「ゆ゛……ゆううううううううううううううううううううううううううううう!? まりちゃ! まりちゃ!
まりじゃああああああああああああああああああああああああああ! ゆっぐり! ゆっぐりいいいいいいいい
いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「れいむ。お前は本当に馬鹿だなー! わはははは!」
「ゆがああああああああああああああああああ!?」
俺はれいむを、次女まりちゃの飛び降り死体の傍へ下ろしてやった。
「まりしゃ……まりしゃああああ……!」
「ゆ゛……ぐ……じ………………」
「まりしゃ……ぺーろぺーろしゅるよ……ぺーろぺーろしゅれば……にゃおるよ……」
その言葉に、想像を絶する激痛に悶えていた次女まりさが長女れいむを睨んだ。
「じねぇ……まりじゃを……ごろじだ……れいみゅは……じ、ね……」
「ゆびいいいいいいいいいいい!? ちぎゃうよおおお! まりちゃをごろじだのはれいみゅじゃないよおお!」
「いやいや、お前が『ゆっくりしていってね』なんて言うからだろ」
「うぞじゃああああああああああ! うぞじゃあああああ! れいみゅはまりちゃをころちてなんかない! な
いんだああああああ!」
「じ、ね……じね、じね、じねぇ……」
じたばたしていた長女れいむの表情が、不意に冷たくなった。
「れいみゅにちゅみをきしぇるようなまりちゃはいもーちょなんかじゃないよ!」
「お?」
ずりずりと長女れいむが瀕死の次女まりさに近づき――。
「ゆ゛ っ゛ ぐ り゛ じ ね゛ !」
頭に飛び乗った。
「ゆびょ!?」
即死だった。うーん、元々ゲス化の徴候があったのか。それとも、この度重なる苦労のせいで発狂したのか。
まあ、どうでもいいことではある。
これで全ての虐待は終了。後片付けを残すのみだ。
「ゆ? ゆゆ? おにいしゃん……これでおわりゅの?」
俺の手のひらで、長女れいむは喜びの表情を浮かべる。
「ああ。終わりだよ。俺はもう、お前に痛いことは何もしないよ」
そう言って、俺は最後に残った道具を取り出した。
それは、何の変哲もない透明な箱。
ただし、サイズは小さい。赤ゆっくりが一匹入ってそれで満杯というレベルだ。ぷくーすらもできない狭さ。
8:十匹目 長女れいむ
俺は長女れいむを透明な箱に入れた。タンスの上に置いて、後は放置を決め込むことにする。
さーて、片付け片付け。
9:十一匹目 ???
テレビやビデオを片付け、ノートパソコンを片付け、透明な箱は洗って片付けて。
生き残り組三匹を延命させるためにオレンジジュースを降り注ぎ、そっとティッシュに載せた。
そして。
部屋の片隅で、これまでの虐待を全て眺めさせられていた親れいむの元へと向かった。
最初から、ずっとこいつは此処に居たのだ。
「いよっ」
マジックミラーを手早く片付けると、親れいむの悲惨な状況が露わになった。
あんよは例によって炭化するほど焼かれている。
のーびのーびもできないように、体中に針をぷーすぷーすされている。
もみあげは当然のように引き千切られている。
瞼を閉じることができないよう、当然のように切り取られている。
そして口には、ガムテープをガチガチに貼っていた。
俺を見た途端、親れいむは殺意にぷるぷる震えて睨んだ。
睨み続ければ俺が死ぬ、そんな果てしない夢を掴んでいるらしい。
ガムテープを一気に引き剥がした。途中途中で皮が剥がれて餡子が漏れたが、まあ許容範囲だ。成体のゆっく
りはそうそう死にはしない。
「ぎゃばああああ!」
口が開いた途端、親れいむは大きく口を開けて中のものを吐き出そうとした。
「んべっ! んべべっ! まりちゃああ! れいみゅうう! ででぎでえええええ!」
「無理無理。もう食っちゃっただろお前」
赤ゆから成長した子れいむと子まりさの二匹。俺はそいつを口の中に放り込んだ上で、ガムテープで口を塞い
でおいたのだ。
「ぶべーーーーーーっ! ぶべべべべええええっ! ……ゆ?」
ころん、と黒い塊と白い塊が出てきた。
親れいむの表情が輝く。
「まりじゃあああ! れいみゅううう」
「いや、それただのおかざりだろ」
黒い塊は、まりさのおぼうし。白いのは、れいむのりぼんだ。
「……………………ゆ゛ううううああああああああ!」
親れいむが俺を睨む。
「どぼじでごんなごどじだんだあああああああああああああああああ! ゆっぐりごろじいいいい! くぞじじ
いいいいいいい!」
俺はにっこり笑って、その理由を……彼らを虐待するに足る理由を懇切丁寧に説明してやることにした。
「お前、森で俺と出会ったときのこと覚えてるか?」
「ゆ゛ぐあああああ! わずれるもん゛があああああああああああああああああああああ!」
俺の家の近くにある雑木林。
そこには小規模なゆっくりの群れがあった。このれいむもその群れの一員であった。
どうやら、番いであるまりさは永遠にゆっくりしてしまったらしく、れいむはしんぐるまざーとなって、子ゆ
っくり二匹と赤ゆっくり十匹を育てていたらしい。
もちろん、れいむ一匹では無理だ。
なので、群れのみなに少しずつ食料を分け与えて貰っていた。
普通ならば、れいむは間違いなくでいぶ化する。
だが、奇跡的にもれいむは賢いれいむだった。しんぐるまざーででいぶ化するのではなく、一刻も早く子ゆっ
くりと赤ゆっくりを育て、狩りをさせようとしたのである。
赤ゆ十匹が雑木林に整列した。
子ゆっくり二匹が周囲を警戒するように、そして赤ゆがどこかに行かないように見張っている。
親れいむは赤ゆたちに言った。
「おちびちゃん! れいむたちにはおとうしゃんがいないよ! それはゆっくりわかってね!」
「ゆ」
「ゆうう……」
何匹かが啜り泣くが、れいむは心を鬼にして続ける。
「むれのみんなが、れいむたちをかわいそうだとおもってごはんさんをわけてくれてるよ! でも、それにたよ
っているとなまけものさんになっちゃうからね! なまけものさんはゆっくりできないよ!」
「ゆび! れいみゅなみゃけものじゃないよ!」
「まりちゃもそうだじぇ!」
十匹が口々に自分はなまけものじゃないとアピールする。それを見て、親れいむは満足げに目を細めた。
「ゆふん。だから、おちびちゃんたちはちょっとだけはやいけど。かりのおてつだいをしなきゃいけないよ!
だいじょうぶ、おかあさんやおねえちゃんがついているからね!」
「「「「「「「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」」」」」」」
そうして、親れいむの授業が始まった。親れいむ自体、狩りは得意な方ではなかったが群れの狩りが得意なち
ぇんやみょん、まりさに教えを受けて知識は蓄えていた。
「いもむしさんはとってもゆっくりできるよ!」
「ちょうちょさんはおちびちゃんにはむりだから、おかあさんにおしえてね!」
「けむしさんはいたいいたいだよ!」
「このあまあまさんは、とっておこうね!」
親れいむは小さな雑木林を縦横無尽に駆け回る赤ゆたちを見て満足していた。
これなら大丈夫。
愛しいまりさがいなくても、自分でちゃんと育てられる。
「ゆゆ? おかあしゃん!」
長女れいむが、母に駆け寄る。
「ゆ? どうしたのかな、おちびちゃん!」
「むこうにいるのはにゃに?」
「ゆ、あれは…………あれは、にんげんさんだね!」
長女れいむと母の会話が気になったらしく、赤ゆたちが見る見る内に親の元へと集まってくる。
「にんげんしゃん?」
「にんげんしゃんって?」
「ゆゆ……へんなゆっくりだよ……」
赤ゆの知識の乏しさに親れいむは溜息をつく。
まあ、当然だろう。
今まで人間さんを見たことなど一度もないのだから。
「よくきいて! にんげんさんはゆっくりじゃないよ! ゆっくりはゆっくりしているけど、にんげんさんはゆ
っくりしてないんだよ!」
「ゆっくち……ちてない?」
「そうだよ! にんげんさんはゆっくりしてないきものなんだよ! ゆっくりたちとはちがうんだよ!」
「ゆゆ……わかっちゃよ、おかあしゃん!」
「ゆゆ~……ゆっくちしてないなんてかわいちょだよね!」
親れいむはその言葉を聞いて、満足げに頷いた。
「そうだよ! にんげんさんはかわいそうなんだよ! ゆっくりでよかったね!」
「「「「「「「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」」」」」」」
その言葉を聞いた俺は、迷わずラムネスプレーを取り出した。
「……な? だから虐待したんだよ。これでお前も納得しただろ」
親れいむは納得してくれたか、と思ったが……どうやらそうではない。唖然としているらしい。
「ふ……ふ……ふじゃげるなああああああああああああああああああああ! そんな! ぞんなごどで! ぞん
なごどいっだだげでええええええ!」
「いやいや重要だよ、お前。ゆっくりは人間さんじゃない。ゆっくりはゆっくりしているが、人間さんはゆっく
りしていない。まあ、ここまでは百歩譲って良いとしよう。可哀想……と言ったのも実はまあいいんだ」
「にゃんでえええ! ぞれじゃあああ! ぞれじゃあなんでえええ!」
「お前は一つ、大事なことを教え忘れている。人間さんはな、怖いってことだ」
「ゆ……!」
「お前が教えなかったせいで、あいつらはいつか子ゆっくりになって行動範囲が広がったあと、ゆっくりしてな
い人間を見下げた言動を取るようになるだろ?」
「ゆ……ぞんな、ごどっ……」
「だって、お前が割とそんな感じだったからなあ。お前、ゆっくりが人間を馬鹿にしちゃあいかんよ。人間さん
はゆっくりしてない。ゆっくりしてないこわいこわいいきもの。せめてそう教えておけば、いつか人間とゆっく
りの格差ってやつも理解しただろうに」
「ゆがアアアアアアアアアアアア! うるざあああああああああああああああい! ごろじでやる……ごろじで
やるうううううううううううう!」
「はい平手打ち」
すぱーん、すぱーん、すぱーん!
「ゆびいいい! いじゃい! いじゃいあいいいいいいい!」
「人間を舐めたゆっくりはな、どうしたってこういう目に遭うんだよ」
「うぐ……ぎ……」
「反省はしてない。心も折れてない……か。よし、ならこうしよう」
俺は生き残った三匹をまとめて口の中に放り込み、ガムテープで塞いだ。
(やべ……やべえろおおおおおお! やべでえええええええええええええええええええええ!)
「ゆ……ゆ……」
剥き出しの餡子で想像を絶する激痛を味わう四女れいむ。
「…………」
ポケモンフラッシュで餡子を吐き出すだけ吐き出し、すっからからんになりつつある次女れいむ。
「ゆぴぴぴぴ! ゆぴょーーーー!」
この中では唯一元気な、片側偏り四女まりさ。
全員、遅いか早いかの違いだけで後は溶けるだけだ。俺は成体ゆっくり用の大きな箱の中に親れいむを放り込
んだ。それから、先ほどの長女れいむを親れいむのすぐ傍に移動させる。
これで、最終工程終了。
後は待つだけである。
――それから、瞬く間に時間が過ぎた。
「くるちい……くるちいよお……おかあしゃん……たずげでよおお……」
狭い透明な箱に放り込まれた長女れいむは、涙を流し続けている。
目の前には、優しかった母れいむ。
彼女も涙を流し、たんたんと何度も何度も箱に頭をぶつけていた。
お互いの声は聞こえない。
親れいむは口を塞がれているし、長女れいむの声は小さくて箱の中からは届かない。
だから。
お互いにただ泣くしかない。
一日が過ぎ、長女れいむの顔色が次第に悪くなってきた。
「おにゃか……すいちゃ……おにゃか……」
しーしーもうんうんも垂れ流し。
だが、それ以上に長女れいむは空腹に責め立てられていた。
(ぐぞにんげんっ!!!!! ごはんざんを! おぢびじゃんにごはんざんをよごぜええええええええええ!)
あんよが焼かれているにも関わらず、精一杯に暴れようとする親れいむ。
「ゆぴ……ゆぴぴ……おにゃが……おにゃがああああ……」
泣いている。ただ泣いている。
親れいむも泣いて泣いて泣いている。
口の中の三匹は、とうに親れいむの腹に収まっていたので、幾分かマシだった。
(おじゃべなじゃい! おじゃべなじゃああい! おじゃべえええええ!)
狂ったようにおたべなさいをしようとする親れいむ。しかし、口が塞がれていてはどうしようもない。ただ、
長女れいむが死ぬのを待つしかない。
「ど……じで……たずげで……ぐれない……の……」
ぱくぱくと長女れいむが口を開く。
油断なく観察を続けていた俺は、そろそろ頃合いかと長女れいむを箱から取り出した。
「おじょ……ら……」
(やべろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ざわるなああああああああああああああ!)
俺はそっと、親れいむの背後に長女れいむを下ろしてやった。
(おぢびじゃ! おぢびじゃああああん!)
「おか……じゃ……………………じ、ね……………………」
(…………………………………………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………ゆ?)
「じね……ゆっぐぢ……ざぜない……おやは……じね……じね……じね……」
長女れいむは大きく息を吸い――渾身の力を篭めて叫んだ。
「しィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ
ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ
ィィねェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ
ェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」
がはっと餡子を吐き出し、長女れいむは息絶えた。
――ぽきん。
そして。
母親であったれいむの、心が折れた。
雑木林。
小さなこの林にはゆっくりの小規模な群れがある。その中に、人間さんに捕まっていたれいむがいる。
善良な野生ゆっくりである彼らは、れいむのために幾許かの食料を分け与えていた。
そして、こう子供たちに言い聞かせるのだ。
「いい、おちびちゃん? にんげんさんはね、とってもつよくてとってもこわくてとってもゆっくりできないん
だよ? さからったら……ああなっちゃうからね」
「ゆぴ……ゆぴぴぴぴ……ゆぴ~♪」
親れいむは、死臭を放つ十二のおかざりにすーりすーりを繰り返す。頬皮が既にちぎれ、餡子が剥き出しにな
っているのも構わずに……。
赤ゆっくりたちはそれを見て、心底餡子が冷えるのを感じていた。
親の言葉に、頭を縦に何度も何度も振った。
「ゆっくちりかいちたよ……」
親れいむは、体を張って群れのおちびちゃんたちに教育を施していたのであった。
<あとがき>
赤ゆが空から降ってきてくれねえかなあ
あと、ガシャポンで年齢が分かると指摘されてちょっと泣いた。
過去の作品
anko3216 愛するでいぶ
anko3238 ゆ虐思考
anko3257 赤ゆ十連発(前編)
虐待 家族崩壊 姉妹 赤ゆ 透明な箱 現代 虐待人間 うんしー 4作目です
「どぼじで……どぼじでごんなごどぉ……」(長女れいむ)
「ゆ……ゆっくちにげるのじぇ……」(次女まりさ)
「やじゃああああ! いだいのやじゃああああああああ!」(次女れいむ)
「ゆっゆっゆっゆっ……」(三女まりさ)
「ゆびぃ……いじゃいの……きょわい……きょわいよ……」(四女まりさ)
三女れいむちゃんは、電子レンジで三度のチン♪ で爆死した。
長女まりさちゃんは、画鋲だらけのカプセルで転がされて死んだ。
四女れいむちゃんは、使い捨てカイロで熱された上にぺーろぺーろ攻撃を喰らって瀕死。
末娘まりさちゃんは、沸騰したお湯に真っ逆さま。溶けて死んだ。
末娘れいむちゃんは、唐辛子エキスで腫れたあにゃるが凍ったうんうんで裂けて死んだ。
残り五匹。
さて、次はどうするかな――――何かして欲しいこと、ある?
『赤ゆ十連発(後編)』
5:六匹目 次女まりさ 虐待道具:高所
俺はその虐待道具を手早く組み立てた。
「たかいたかいはゆっくりできないよ!」という名前の観察虐待道具である。とはいえ、構造は単純だ。家庭で
も日曜大工で作れるような代物だ。
まず、長い棒。終端には、これを立たせるための足場がついている。これを普通に立たせる。先端の方は鋭く
尖っている。これはいわゆる「串刺し」にするためにそうなっているらしい。
だが、今回は串刺しではない。
その先端にオプションのテーブルをセットする。テーブルは普通の大きさの赤ゆっくりが乗って少しはみ出て
しまう程度のものだ。材質も滑りやすく、ぴょんと跳ぶだけで着地時には激しく滑る。
さて問題。
この場所に、赤ゆっくりをそっと載せたらどうなるでしょうか?
「えーと。次女まりさちゃーん」
「ゆびぃ!? やじゃ! やじゃやじゃやじゃ! いだいのやじゃああああああああああ! ぐぞじじい! じ
ね! しんじまえ! せいっさいされろぉぉぉぉぉっ!」
あらあら随分とまあスレてしまって。
まあ、この状況じゃ仕方ないよねー。でも、今回はそれほど痛い思いをしなくて済むかもよ?
問答無用とばかりに、次女まりさを摘み上げた。
「ゆびいいいいいいいいい! おねえじゃ! おねじゃ! だじゅげで! たじゅげでええええ! ゆっくじ!
ゆっくじいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「ゆぅ……まりちゃぁ……まりちゃぁぁ!」
長女れいむだけが、ぴこぴこともみあげを動かしているが、それだけ。まあ、手が届く位置でもなし。
壁にぶつかったところで無駄だ、ということはよく理解しているようだし。
「ゆがあああ! ほんきだじぇええ! たぢゅげろおおお! むれのりぃだぁになるまりじゃがいなげれば、せ
がいのそんしつなんだじぇえええええええええええええええええええ!」
うーん。一つ確実になったのは、こいつらがいた群れには確実にアホのぱちゅりーがいるってことだな。
チェックしておこうっと。
「ゆ゛! ゆ゛! ゆぅぅぅ! いやじゃっ いやじゃっ いやじゃああああ! いきじゃい! まりじゃいき
じゃいいいい!」
「大丈夫だよ、まりさ」
「なにがだいちょうぶなのじぇ!? そういってちゃ、いもーちょもおねえしゃんもみんなちんじゃったじぇ!」
「ほら、まりさ。お前への虐待……もとい、制裁はここに居ることだ」
「ゆ?」
きょとんとしたまりさを、高台に載せた。前後左右、一歩でも体をズラしたら落ちてちゅぶれる(笑)ような
高台に、だ。
「ゆ、ゆ、ゆうううううううううううううううううううううう!? にゃんにゃのじぇえええええ!」
「おいおい、暴れると落ちるぞ? 落ちるとそれはもう痛いぞ。あいつらなんか目じゃないくらい痛いぞ?」
これは本当である。落ちて潰れる、そこまではいいが死ぬか生きるかは落ち方次第というのが、この高台のゆ
っくりできないところなのだ。
上手く落ちれば、痛みもほとんどなく死ぬ。
……が、下手な落ち方をすると餡子が少しずつ漏れていくという拷問のような死に方をする。
「ゆ゛ ゆ゛ ゆ゛ゆ゛……いやじゃ……まりちゃ……こんなゆっくちできないとこ……いやじゃ……」
「他の連中が終わったら、アトラクションを追加してあげるからねー」
そう言い残して、俺は次女まりさを放置した。ゆぴゆぴと可愛らしい鳴き声をあげるまりさを、俺はもう少し
で「かわいがりっ」してしまうところだった。
6:七匹目 次女れいむ 虐待道具:テレビ+ビデオ 接着剤
今は昔、ポケモンショックという事件をご存知だろうか。
全国の子供を恐怖のどん底に叩き落とし、アホな大人たちが「ポケモンが悪いんじゃね?」「ポケモンが悪い
みたい」「ポケモンのせい」と右往左往した事件である。
概要はいたって簡単だ。当時、アニメーションで多用されていた「パカパカ」と呼ばれる背景色の点滅が、非
常に激しいものだった上に、色合い的にも最悪の組み合わせだったために、全国の子供たちがてんかんを起こし
てしまったという事件だ。
「あのときは本当参ったよなぁ。アニメーションの点滅が、ものすごい勢いで規制されてなー」
「…………」
訳の分からない話をする俺は、きっと次女れいむにとってはさぞゆっくりできてなかったに違いない。
「で、だ。せっかくだからお前にも最高の環境で、その点滅を担当してもらおうと思ってな」
「ゆ……ぴ……?」
用意したのは17インチの小さなテレビとビデオデッキ。黒い布、さっき使った糊ではなく、より粘着力の強
い瞬間接着剤と定規。おっと、忘れちゃいけないナイフもね。
「まずは、見落としがないように瞼を切り落としまーす」
「ゆびぃ!?」
小さくて可愛い両の瞼をさっくりと切り落とす。これでもう、彼女は二度と目を閉じることはできない。
「続いて接着剤と定規を使ってテレビから離れたりしないよう、しっかりと接着しまーす」
「あづづづづづ!? やめじぇ! やめじぇええええ! れいみゅをはなじでえええええええ!」
「駄目♪ そして、俺たちにまで影響がこないように黒い布を被せまーす」
黒い布に包まれた次女れいむは、暗闇の恐ろしさにガタガタと震えている。
「ゆ゛……ゆぅ……くりゃい……きょわい……」
「大丈夫だよー。今から明るくするからねー。最後! ビデオテープをデッキに挿入して……スタート!」
「ゆ? あかるくなっちゃ……ゆう!?」
次女れいむはホッと息をつく暇もなく、すぐに不快感に身をよじった。
「ちきゃちきゃするう! ぴきゃぴきゃしゃんがぴきゃぴきゃしゅぎてゆっくぢできないよぉ゛ぉ゛!」
ビデオの内容は、ただひたすら赤色が激しく点滅するだけ。
それだけに、何の楽しみもない。瞼がないから、目を閉じることもできない。接着剤のせいで、動くこともで
きない。限界まで顔をひねって目を逸らそうとするのが関の山。それでも、片方の目から無数の光が飛び込んで
くる。
「はっはっは、駄目じゃないか。テレビはちゃんと見なきゃな」
そう言って、俺は次女れいむの頭を両手の指でがっちり固定した。
ちかちか。
ちかちか。
ちかちかちかちかちかちか。
「ゆぎぃ!? いじゃい! きもぢわりゅいいい! やめじぇ! やめじぇえええ! れいみゅぎもぢばるいよ
ぉぉぉぉ!」
「あじゃまいじゃい! あだまいじゃいのぉ! ぴきゃぴきゃしゃんがいじめりゅうううう!」
「おっ……おごっ……ゆぐっ……ゆぐぐっ……ゆっ ゆっ ゆっ……っゆうううう! ぎもぢわりゅいいいいい
いいいい! えーろえーろ! えーろえーろ!」
「ぴかぴがっ! ぴがぴがあああっ! ぴかぴかあああああっ! おえ゛え゛え゛え゛え゛! ぎぼぢばるい゛
ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛ぎぼぢばるい゛」
「おぼぉ゛……い゛びぃ゛…………ぐぎょ…………ぎょぎょぎょぎょyごyごよぎょぎょぎょぎょぎょ!」
光の洪水が、次女れいむの目と餡子を犯す。
てんかんのように、びくんびくんと痙攣しては餡子を吐き出し続けた。
だが、目の前の光がある以上吐いても吐いても楽になるはずもない。
次女れいむは賢くも、餡子を吐き続ければ永遠にゆっくりしてしまうと分かっている。だから、どうにか食べ
ようとするが、口に入れた端からそれ以上の量を吐き出していた。
そうして、怒濤の光が中枢餡に異常を起こさせたらしく――。
「おびょびょyぼよびょびょぼ! ぐぎょぎょぎょぎょぎょぎょyごぎょぎょyごyご! pび! おびびび!」
なんか、変な鳴き声になっていたので、ビデオを停止して次女れいむを取り出した。
次女れいむは未熟ゆのように目が左右に絶え間なく動き、へらへら笑いながら餡をちょっとずつ吐き出してい
た。どうやら、“廃ゆ”になってしまったらしい。
「おびょびょびょびょびょ……ぐえ……げぶっ……」
もみあげをぴこぴこと必死になって動かす様がたまらない。なので、こいつも先ほどの皮剥きれいむと同じく
放置プレイ。ま、そのうち死ぬだろ。
7:八匹目 九匹目 三女まりさ 四女まりさ 虐待道具:USB接続扇風機 接着剤
さて、次は――。
予め起動しておいたノートパソコンにUSB接続式の扇風機を繋ぐ。この扇風機、何とも無駄なことに回転数
をPC側でかなり細かく変更できるところが特徴だ。
透明な箱の中身は、死にかけを除くとまりさ二のれいむ一となっていた。
「よーし。それじゃ、次はお前等だ」
「ゆぅ!? ま、まっじぇ! まっじぇえええええ! まりじゃじにだぐない! まりじゃぢゃんとずるがらあ
あああああああ!」
「ゆび! おかあああああじゃああああん! おがあああああああじゃあああああん! どぼぢで! どぼぢで
だずげでぐれないのおおおおおお!」
「そ そうだよ……おかあしゃん! れいみゅたちのおかあしゃん! たすけて! このおにいしゃんをせいっ
さいしてよおおおおおおおお!」
あっはっは。
お母さんはちょっと今、助けられるような状況にないんだよなあ。まあでも、呼びかける分には構わないよ?
「お……か……おかあしゃ……」
「ゆ……おか……おかあしゃ……」
軽くデコピンしつつ、三女まりさのあんよに接着剤を塗って、扇風機の羽根にくっつけた。四女まりさちゃん
はしばらく待機。
「ゆぅ……あんよしゃんがむじゅむじゅしゅるよ……うごけにゃいよ……」
「まりしゃ……まりしゃああ……」
三女まりさと四女まりさはすんすんと泣いている。せっかくなので特等席で見せてあげようと、俺は四女まり
さを手に持った。動くとちょっぴりくすぐったい。
「じゃ、いくぜ?」
そろそろ頃合いだと、俺はPCから扇風機を起動させた。
「ゆ? うごいちぇるよ?」
ゆっくりと……一ゲージずつ、回転数を上げていく。
「ゆうう……きもちぇいいのじぇ……すぃーさんにのってるみたいじぇ……」
「すぃー? まりちゃもすぃーにのりちゃい! おにいしゃん! まりちゃものりゅうう!」
「はっはっは。お前は後で乗せてあげるからな。はい、更に回転数上げちゃおう」
「ゆびゅ!? す すぃーさんはやしゅぎるじぇ! もっちょゆっきゅりしちぇええ!」
「…………ゆ? まりちゃ…………?」
はーい回転数倍! 倍! 倍!
いわゆる「強」状態となった扇風機の羽根の上。それに三女まりさは翻弄されていた。帽子がどこかに吹き飛
ぶが、さすがにまりさもこの状況では帽子などに構っていられないらしい。
「ゆびゃあああああああああああああああああ! いだいいだいいだいだいぢああいだだだだだあいああああっ!
ちびじぇるううううううう! まりぢゃがぎびびびびいびびびびびいいb! ぎゃわいいい! まりじゃがあ
あああ! いだいいだいだいいあぢあぢあだだだあああああああああああああああい!」
「びゅんびゅんずるううううううううう! ぎもぢばるいいいいい! やあああfうぇふぁfうぇあfわふぁ!
だずげえええええええええ! おがあああじゃあああああああああああああああああ! だずげでえええええ
えええええええええええええええ!」
「ちぎっ! ちぎいいいいいいいいいいいいいいい!!! まりじゃ! まりじゃぢぎげるううううううううう
うううううう! じゃだああああああああああ! おうじいいいいい! まりじゃのおうじいいいいいいい!」
「おぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! いだいいだいいだいおぜながざんがああ
ああああ! おぜながざんがいじゃいいじゃいいじゃいいいいいいいいいいいいいい!」
お?
背中が痛い?
さすがにこの回転ではよく見えないが……三女まりさの暴れくねり方がなんか妙なような……。
「ざげるううううううう! まりじゃのおぜながじゃんがざげじゃううううううううううううう! やじゃやじ
ゅあやうじゃやじゃやじゃああああああああ! おうぢいいいい! おうぢがえるううううううううううううう
ううううううううう!」
「ゆ゛……! ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ
゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!」
あ。
三女まりさの背中が避け、すぽーんと黒い餡子が飛び出した。この勢いではさすがにどうすることもできず。
俺たちの肩を飛び越えて、壁に直撃した。
「も…………………………ど………………………………ゆ…………………………………………びゅ」
最後に。微かに断末魔をあげて、三女まりさはお亡くなりになりました。
「……」
「お、どうしたまりちゃ? お前もすぃーに乗りたいんだろ? ちょっと待ってろよ」
「や…………………………やじゃああああああああああああああああ! まりちゃじにだぐない! やじゃやじ
ゃやじゃやじゃやじゃああああああああああああああああああ! おがああじゃああああん! おねええしゃあ
ああああん!」
「まりちゃああああああ! まりちゃあああああ! やべでぐだじゃい! おにいじゃん! やめでぐだじゃい
いいいいいいいいいいいいいいい!」
「遠慮すんなって。はい、あんよに塗り塗り~♪」
「う……あ……あああああ……」
三女まりさの貼りついたあんよの上に、載せられた四女まりさはおそろしーしーを垂れ流しっぱなしだった。
安心しろよ、まりさ。同じ虐待を二度繰り返すことはないんだぜ、俺は?
限界まで回転数を上げた扇風機の虐待はこれで完了。
次は「一定の回転数でまりさを翻弄する」虐待に移行する。
「やじゃ……やじゃあ……」
「よし、ぐるぐるするぞー」
「やじゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
回転が始まった。
最初はゆっくり。だがさすがにあの結末は餡子に刻まれたのか、四女まりさは震えて泣き続けるだけだ。
回転数が上がるにつれて、さらにその悲鳴は激しくなる。
「じにだぐない……! まりじゃじにだぐないい! だずげでえええ! だずげでええええええ……!」
うん、これくらいかな?
千切れない程度の速度に設定すると、俺はしばらくまりさを放置することにした。
ついでに特等席で見せてやろうと、長女れいむを摘み上げる。
「まりじゃあああああ! ゆっくぢだよ! ゆっくぢすればだいじょうびゅだよお!」
「おねえ……じゃ……! まりちゃ……まりちゃゆっくぢずるよおお! じでるよおおおお!」
回転しながら、まりさの眉がきりっと上がった……ような気がしないでもない。
「まりじゃ! だいじょうびゅ!?」
「ゆ! まりじゃへいきなのじぇ! おねえじゃんのまりじゃはぎっどよわがっだのじぇ!」
回転数を上げたくなるような発言どうもありがとう四女まりさ君。
まあでも、次第にそうはいってられなくなるんだけどね。
十分経過。
「…………」
「ゆ~ゆゆ~……まりちゃ……がんばっじぇっ……」
「ゆううう~ゆゆ~♪ まりちゃへいきなのじぇ……!」
二十分経過。
「んー。ゆーチューブになんか面白いのきてないかなー? えーと……『ゆっくりを乗馬ましーんっではっする
っに責め立ててみた』? 面白そうじゃないか」
「ま……まりじゃ……? まりじゃ……だいじょうびゅ……?」
「ゆび……ゆべ……だ……じょ……だい……じょびゅ……」
「畜生釣りだったあああああ! でいぶが乗ったところを見たってはっするっも何ともねええんだよおおおおお
お! きもいいいい! 主に全身きもいいいいいいい!」
三十分経過。
「へー……ぱちゅりーがBLに走ると中のクリームが腐臭を放つようになって、同じぱちゅりーでもゆっくりでき
なくなるのか。勉強になるなー……」
「まりじゃあああああああああああああああああああ! おにいじゃん! まりじゃをだずげでぐだざい! ま
りじゃがへんなんですうう!」
「ゆぴぴぴぴぴいーーーーー! ぴぴぴぴぴぴーーーーーーーーーー!」
「お、三十分で駄目になったか」
この原因は、言わずとしれた扇風機である。先ほどのように物凄い勢いで吹き飛ぶことはないものの、ずっと
振り回されていたのだから、中の餡子がゆっくりと片側に偏り始めたのだ。やわい赤ゆっくりである。
中枢餡ごと移動しているに違いない。
一旦、扇風機を停止する。
「ゆべ……ゆひ……」
先ほどのポケモンフラッシュで廃ゆになった次女れいむ同様、四女まりさもすっかり廃ゆになってしまった。
ただし、餡子は吐かない。
俺はあんよに、そっと接着剤のはがし液を塗ってまりさを解放した。だが、そのまりさは長女れいむが怯えて
あとずさるほど奇怪な姿になっていた。
餡子が片側に集中しているせいで、歩くのもままならない。一方はみっちり餡子が詰まっているのに、もう一
方はスカスカだ。口元は開き、だらしなく餡子を垂れ流している。
あ、そうか。
ゾンビに似ているんだ、こいつら。
そっと指で皮をつつくと、ひにゃんと凹んでしまった。わはははは、笑えるツラだ。
「まりじゃあああ……まりちゃああああああ! わきゃる? まりちゃのおねえしゃんのれいみゅだよ……」
解放してやった長女れいむが、すーりすーりを試みる。が、餡子が偏った四女まりさにとって、すーりすーり
は痛く苦しいだけであろう。
「ゆびーーーーーっ! ゆびっ! ゆびっ、ゆびびっ!」
「ゆゆ!? どぼぢでいやいやちゅるのぉぉぉ! ぷーらぷーらしちゃだめだよおお!」
あはははは。ただでさえ、先ほどまで接着剤で貼りついていたあんよだ。剥がれたといってもろくに歩けやし
ないだろう。その上、偏った餡子のせいでバランスが取れない。
まるで起き上がりこぼしのように、ふらついては倒れ倒れてはふらついている。
じゃ、こいつも無事に生き残ったことを祝して、お仲間にしてあげよう。
「ゆひっ、ゆひっ、ゆびびび……いじゃいよぉ……ちゃむいよぉぉぉぉぉ……」
皮を剥がされ、餡子の塊になった四女れいむはずっと泣きっぱなしだ。後でオレンジジュースでも掛けてやる
か。痛いだけだと思うけど。
「…………ゆ…………」
ポケモンフラッシュで餡子を吐きっぱなしだった次女れいむは虫の息だ。時折、ビクッ! ビクッ! と痙攣
しているあたりが、まだ生きているという唯一の証だ。
乾いた眼球のせいで泣くこともできず、そうかといって餡子に叩き込まれた強烈な光は、未だ彼女を苦しめて
いる。
そのお隣に、偏り餡子の奇形まりしゃちゃんを置く。彼女も無事に生き残った。これからは充実したゆん生を
全うしてほしいなぁ、と心から願う次第である。
「さて……」
俺は危うく忘れかけていた次女まりさがどうなったか、調べることにした。
「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」
次女まりさはガタガタと震えている。無理もない、この高さから落ちれば「とってもいちゃいいちゃい」どこ
ろで済まないのは確実だ。
だが、動かないだけというのもまた難しい。
ほんの少し体がずれれば落ちる寸前までいってしまう。おまけに、流れた体液(涙とおそろしーしー)が床を
滑りやすくさせていた。
「きょわいよぉぉぉ……おぢだぐにゃいよおおおおお……」
面白いのでしばらく観察。
まりちゃはどうやら、うんうんをしたくなったようだが体を動かすことができないので、うんうんを必死に堪
えているようだ。ひょっとしたら、先ほど悲惨な最期を遂げた末のうんうんれいむのことが頭に浮かんでいるの
かもしれない。
「う……うんうんしゃんは……ででごないでねっ……」
だが、便意を我慢するというのは人間でも相当な苦痛なのだ。
「いじゃいよぉ……ぽんぽんしゃんがいじゃいよぉぉぉ……」
赤まりちゃ程度が耐えられるはずもない。
「う゛……びいい……! でりゅ……うんうんでちゃう……! やだぁ……でちゃくないいいい! ゆ゛! ゆ
がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
あにゃるからうんうんが垂れ流される。だが、あにゃるを床に貼り付けていたせいで行き場のなくなったうん
うんが、次女まりさのおしり周りにべっとりとこびりついた。
「うぇぇぇえ……ぎぼぢわるいぃぃ……まりちゃ……ちゃんとうんうんできるにょにぃ……」
「よう、まりさ。お困りのようだな」
そろそろ見るだけというのも飽きてきたので、俺は次女まりさに話しかけた。
彼女はウルウルとした瞳で俺に、わずかに頭を下げる。この状況では、それすらも死に繋がる行為だ。
「たずげじぇ……たずけじぇぐだじゃい……まりちゃ……きょわいきょわいでちゅ……」
「……」
俺はそっと、USB接続型扇風機を手に取るとタンスの上に置いた。ケーブルを外しても、電池で動くタイプ
なので問題ない。
「ゆ……?」
「まりちゃちゃん。暑いだろ?」
「ゆゆ? ……べ、べつにあちゅくなんか……」
「遠慮すんなって! 俺とまりちゃちゃんの仲じゃないか! ほら、体が吹き飛ぶくらいに強い風を送ってあげ
るからね!」
「…………………………………………………………………ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!
いいでじゅ! まりちゃおかぜしゃんいりまぢぇん! おかぜじゃんはあっちいってくだちゃい!」
この次女まりさは賢い。どうやら、自分がどういう状況に追い込まれたかを悟ったらしい。
まあでも、悟ったからといってどうにかなるものではないのだけどね。
「スイッチオン」
タンスのすぐ傍に高台を移して、風が直撃するように調整する。ぶおおおおん、という不気味な音と共に扇風
機が次女まりさの体を少しずつ動かしていく。
「ゆ……び……やじゃ……やじゃああああ! じにだぐない……まりじゃ……じにだぐない……!」
ぶおおおおおおおおおおおおおおおお。
風は無情に、まりちゃの体を動かしていく。
「おか……じぇ……しゃん……やめちぇね……まりちゃ……いちゃいいちゃい……いやじゃ……やめちぇ……や
めちぇええええええええ!」
「がんばれまりさ! がんばれまりさ! そら、長女れいむちゃんも応援するんだ!」
俺はまたもれいむを摘み上げた。
「ゆびっ!? ま、まりちゃちっかりちちぇ!」
「おね……じゃ……まりちゃ……きょわい……」
「だいじょうびゅ! がんばちぇ! がんばちぇえええええええ!」
次女まりさは必死になって考えた結果、とうとう最後の手に打って出た。
「ゆび!」
テーブルの端に、噛みついたのだ。
「ゆぅ! きょれでみょうあんちんだにぇ! まりちゃはおちちぇいちゃいいちゃいちなくてすむんだにぇ!」
ドヤ顔の長女れいむ。
まりさも動かなくなった自分にようやく安心したのだろう。目をつむっている。
「んー……まあ、まりさは動かないだろうな。まりさは」
「ゆ?」
俺は無言で、次女まりさのおかざり……ウィッチハットを指差した。
(ゆゆゆ!? まりちゃのおぼうちしゃん! うごいちゃだめだよ! ゆっくちできなくなっちゃうよ!)
まりさは自分のおぼうしがズレていくのを感じるらしく、絶望的な表情を浮かべていた。
ゆっくりにとっておかざりは命に等しい。特に、こういう赤ゆにとってはあって当然のものだ。これがなけれ
ば、ゆっくりは個ゆっくり認識ができない。ベタな言い方をすれば、魂のようなものなのかもしれない。
(おぼうちしゃん! まりちゃのおぼうちしゃん! もどっちぇ! もどっちぇええええええええ!)
「まりちゃのおぼうちしゃん! まりちゃにもどってえええええええええ!」
ず。
ず、ず。
ずずずずず。
すぽーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。
次女まりさの頭から帽子が脱げ、風に流されて吹っ飛んでいった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ
゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
長女れいむの悲鳴。
(お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お
゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!)
次女まりさの苦悶の表情。
だが、この次女まりさはとても優秀なゆっくりだった。
こんな状況にあってもなお、テーブルにしっかりと噛みついていた。やるな、俺はてっきり悲鳴をあげて帽子
を追いかけると思ったのだが。
「まりちゃ! ちっかりちて! まりちゃはまりちゃぢゃからね! おねえしゃんはまりちゃのことちゃんどわ
がるからねえ!? まりちゃはおかざりなくてもとっでもゆっぐりじでるよおおおおお!」
そして、長女れいむも相当に優秀だ。
「おかざりのないゆっくりがいるよ! おおぶざまぶざま」くらいの展開は予想していたんだが。長女れいむは
どうやら、おかざりが無い程度で認識できなくなる訳ではないらしい。
「おねえしゃんはまりちゃがだいちゅきだきゃらね! ゆっくちちてるまりじゃがだいじゅぎいいいい!」
(おねえ……しゃん……)
次女まりさは、感動の涙を流している。長女れいむも、感動の涙を流している。
さあ。
さあ、材料は揃ってしまったぞ。
れいむ。
言っちゃえ、れいむ。
あの言葉を言っちゃえ、言いたいだろ? 言いたくて言いたくて仕方ないだろ?
さあ。
さあ、さあ、さあ!
「まりちゃ!」
(おねえしゃん!)
ゆ っ く り し て い っ て ね !
あー……言っちゃった(笑)
「ゆっぐりじでいっで――――――――――――――――――――――――――――――――ゆ?」
「ゆ゛ゆ゛?」
長女れいむと次女まりさは、きょとんとした表情で見つめ合う。
長女れいむは俺の手のひらで、そして次女まりさは…………空中で。
不意に、まりさの眉がキリッと釣り上がった。
「おそらをとんじぇるみちゃ…………………………ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ
゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ
゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
ひゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。
べたん。
「ゆ? ゆ? ゆ? どぼじで? どぼじでまりちゃが……」
「わははははは! そりゃ、そりゃお前が……ぷっ……ゆっくりしていってね、なんて……ぶふふっ……言う
からだろ……どわはははは! ホントに言っちゃうとは思わなかったわ!」
「ゆ゛……ゆううううううううううううううううううううううううううううう!? まりちゃ! まりちゃ!
まりじゃああああああああああああああああああああああああああ! ゆっぐり! ゆっぐりいいいいいいいい
いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「れいむ。お前は本当に馬鹿だなー! わはははは!」
「ゆがああああああああああああああああああ!?」
俺はれいむを、次女まりちゃの飛び降り死体の傍へ下ろしてやった。
「まりしゃ……まりしゃああああ……!」
「ゆ゛……ぐ……じ………………」
「まりしゃ……ぺーろぺーろしゅるよ……ぺーろぺーろしゅれば……にゃおるよ……」
その言葉に、想像を絶する激痛に悶えていた次女まりさが長女れいむを睨んだ。
「じねぇ……まりじゃを……ごろじだ……れいみゅは……じ、ね……」
「ゆびいいいいいいいいいいい!? ちぎゃうよおおお! まりちゃをごろじだのはれいみゅじゃないよおお!」
「いやいや、お前が『ゆっくりしていってね』なんて言うからだろ」
「うぞじゃああああああああああ! うぞじゃあああああ! れいみゅはまりちゃをころちてなんかない! な
いんだああああああ!」
「じ、ね……じね、じね、じねぇ……」
じたばたしていた長女れいむの表情が、不意に冷たくなった。
「れいみゅにちゅみをきしぇるようなまりちゃはいもーちょなんかじゃないよ!」
「お?」
ずりずりと長女れいむが瀕死の次女まりさに近づき――。
「ゆ゛ っ゛ ぐ り゛ じ ね゛ !」
頭に飛び乗った。
「ゆびょ!?」
即死だった。うーん、元々ゲス化の徴候があったのか。それとも、この度重なる苦労のせいで発狂したのか。
まあ、どうでもいいことではある。
これで全ての虐待は終了。後片付けを残すのみだ。
「ゆ? ゆゆ? おにいしゃん……これでおわりゅの?」
俺の手のひらで、長女れいむは喜びの表情を浮かべる。
「ああ。終わりだよ。俺はもう、お前に痛いことは何もしないよ」
そう言って、俺は最後に残った道具を取り出した。
それは、何の変哲もない透明な箱。
ただし、サイズは小さい。赤ゆっくりが一匹入ってそれで満杯というレベルだ。ぷくーすらもできない狭さ。
8:十匹目 長女れいむ
俺は長女れいむを透明な箱に入れた。タンスの上に置いて、後は放置を決め込むことにする。
さーて、片付け片付け。
9:十一匹目 ???
テレビやビデオを片付け、ノートパソコンを片付け、透明な箱は洗って片付けて。
生き残り組三匹を延命させるためにオレンジジュースを降り注ぎ、そっとティッシュに載せた。
そして。
部屋の片隅で、これまでの虐待を全て眺めさせられていた親れいむの元へと向かった。
最初から、ずっとこいつは此処に居たのだ。
「いよっ」
マジックミラーを手早く片付けると、親れいむの悲惨な状況が露わになった。
あんよは例によって炭化するほど焼かれている。
のーびのーびもできないように、体中に針をぷーすぷーすされている。
もみあげは当然のように引き千切られている。
瞼を閉じることができないよう、当然のように切り取られている。
そして口には、ガムテープをガチガチに貼っていた。
俺を見た途端、親れいむは殺意にぷるぷる震えて睨んだ。
睨み続ければ俺が死ぬ、そんな果てしない夢を掴んでいるらしい。
ガムテープを一気に引き剥がした。途中途中で皮が剥がれて餡子が漏れたが、まあ許容範囲だ。成体のゆっく
りはそうそう死にはしない。
「ぎゃばああああ!」
口が開いた途端、親れいむは大きく口を開けて中のものを吐き出そうとした。
「んべっ! んべべっ! まりちゃああ! れいみゅうう! ででぎでえええええ!」
「無理無理。もう食っちゃっただろお前」
赤ゆから成長した子れいむと子まりさの二匹。俺はそいつを口の中に放り込んだ上で、ガムテープで口を塞い
でおいたのだ。
「ぶべーーーーーーっ! ぶべべべべええええっ! ……ゆ?」
ころん、と黒い塊と白い塊が出てきた。
親れいむの表情が輝く。
「まりじゃあああ! れいみゅううう」
「いや、それただのおかざりだろ」
黒い塊は、まりさのおぼうし。白いのは、れいむのりぼんだ。
「……………………ゆ゛ううううああああああああ!」
親れいむが俺を睨む。
「どぼじでごんなごどじだんだあああああああああああああああああ! ゆっぐりごろじいいいい! くぞじじ
いいいいいいい!」
俺はにっこり笑って、その理由を……彼らを虐待するに足る理由を懇切丁寧に説明してやることにした。
「お前、森で俺と出会ったときのこと覚えてるか?」
「ゆ゛ぐあああああ! わずれるもん゛があああああああああああああああああああああ!」
俺の家の近くにある雑木林。
そこには小規模なゆっくりの群れがあった。このれいむもその群れの一員であった。
どうやら、番いであるまりさは永遠にゆっくりしてしまったらしく、れいむはしんぐるまざーとなって、子ゆ
っくり二匹と赤ゆっくり十匹を育てていたらしい。
もちろん、れいむ一匹では無理だ。
なので、群れのみなに少しずつ食料を分け与えて貰っていた。
普通ならば、れいむは間違いなくでいぶ化する。
だが、奇跡的にもれいむは賢いれいむだった。しんぐるまざーででいぶ化するのではなく、一刻も早く子ゆっ
くりと赤ゆっくりを育て、狩りをさせようとしたのである。
赤ゆ十匹が雑木林に整列した。
子ゆっくり二匹が周囲を警戒するように、そして赤ゆがどこかに行かないように見張っている。
親れいむは赤ゆたちに言った。
「おちびちゃん! れいむたちにはおとうしゃんがいないよ! それはゆっくりわかってね!」
「ゆ」
「ゆうう……」
何匹かが啜り泣くが、れいむは心を鬼にして続ける。
「むれのみんなが、れいむたちをかわいそうだとおもってごはんさんをわけてくれてるよ! でも、それにたよ
っているとなまけものさんになっちゃうからね! なまけものさんはゆっくりできないよ!」
「ゆび! れいみゅなみゃけものじゃないよ!」
「まりちゃもそうだじぇ!」
十匹が口々に自分はなまけものじゃないとアピールする。それを見て、親れいむは満足げに目を細めた。
「ゆふん。だから、おちびちゃんたちはちょっとだけはやいけど。かりのおてつだいをしなきゃいけないよ!
だいじょうぶ、おかあさんやおねえちゃんがついているからね!」
「「「「「「「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」」」」」」」
そうして、親れいむの授業が始まった。親れいむ自体、狩りは得意な方ではなかったが群れの狩りが得意なち
ぇんやみょん、まりさに教えを受けて知識は蓄えていた。
「いもむしさんはとってもゆっくりできるよ!」
「ちょうちょさんはおちびちゃんにはむりだから、おかあさんにおしえてね!」
「けむしさんはいたいいたいだよ!」
「このあまあまさんは、とっておこうね!」
親れいむは小さな雑木林を縦横無尽に駆け回る赤ゆたちを見て満足していた。
これなら大丈夫。
愛しいまりさがいなくても、自分でちゃんと育てられる。
「ゆゆ? おかあしゃん!」
長女れいむが、母に駆け寄る。
「ゆ? どうしたのかな、おちびちゃん!」
「むこうにいるのはにゃに?」
「ゆ、あれは…………あれは、にんげんさんだね!」
長女れいむと母の会話が気になったらしく、赤ゆたちが見る見る内に親の元へと集まってくる。
「にんげんしゃん?」
「にんげんしゃんって?」
「ゆゆ……へんなゆっくりだよ……」
赤ゆの知識の乏しさに親れいむは溜息をつく。
まあ、当然だろう。
今まで人間さんを見たことなど一度もないのだから。
「よくきいて! にんげんさんはゆっくりじゃないよ! ゆっくりはゆっくりしているけど、にんげんさんはゆ
っくりしてないんだよ!」
「ゆっくち……ちてない?」
「そうだよ! にんげんさんはゆっくりしてないきものなんだよ! ゆっくりたちとはちがうんだよ!」
「ゆゆ……わかっちゃよ、おかあしゃん!」
「ゆゆ~……ゆっくちしてないなんてかわいちょだよね!」
親れいむはその言葉を聞いて、満足げに頷いた。
「そうだよ! にんげんさんはかわいそうなんだよ! ゆっくりでよかったね!」
「「「「「「「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」」」」」」」
その言葉を聞いた俺は、迷わずラムネスプレーを取り出した。
「……な? だから虐待したんだよ。これでお前も納得しただろ」
親れいむは納得してくれたか、と思ったが……どうやらそうではない。唖然としているらしい。
「ふ……ふ……ふじゃげるなああああああああああああああああああああ! そんな! ぞんなごどで! ぞん
なごどいっだだげでええええええ!」
「いやいや重要だよ、お前。ゆっくりは人間さんじゃない。ゆっくりはゆっくりしているが、人間さんはゆっく
りしていない。まあ、ここまでは百歩譲って良いとしよう。可哀想……と言ったのも実はまあいいんだ」
「にゃんでえええ! ぞれじゃあああ! ぞれじゃあなんでえええ!」
「お前は一つ、大事なことを教え忘れている。人間さんはな、怖いってことだ」
「ゆ……!」
「お前が教えなかったせいで、あいつらはいつか子ゆっくりになって行動範囲が広がったあと、ゆっくりしてな
い人間を見下げた言動を取るようになるだろ?」
「ゆ……ぞんな、ごどっ……」
「だって、お前が割とそんな感じだったからなあ。お前、ゆっくりが人間を馬鹿にしちゃあいかんよ。人間さん
はゆっくりしてない。ゆっくりしてないこわいこわいいきもの。せめてそう教えておけば、いつか人間とゆっく
りの格差ってやつも理解しただろうに」
「ゆがアアアアアアアアアアアア! うるざあああああああああああああああい! ごろじでやる……ごろじで
やるうううううううううううう!」
「はい平手打ち」
すぱーん、すぱーん、すぱーん!
「ゆびいいい! いじゃい! いじゃいあいいいいいいい!」
「人間を舐めたゆっくりはな、どうしたってこういう目に遭うんだよ」
「うぐ……ぎ……」
「反省はしてない。心も折れてない……か。よし、ならこうしよう」
俺は生き残った三匹をまとめて口の中に放り込み、ガムテープで塞いだ。
(やべ……やべえろおおおおおお! やべでえええええええええええええええええええええ!)
「ゆ……ゆ……」
剥き出しの餡子で想像を絶する激痛を味わう四女れいむ。
「…………」
ポケモンフラッシュで餡子を吐き出すだけ吐き出し、すっからからんになりつつある次女れいむ。
「ゆぴぴぴぴ! ゆぴょーーーー!」
この中では唯一元気な、片側偏り四女まりさ。
全員、遅いか早いかの違いだけで後は溶けるだけだ。俺は成体ゆっくり用の大きな箱の中に親れいむを放り込
んだ。それから、先ほどの長女れいむを親れいむのすぐ傍に移動させる。
これで、最終工程終了。
後は待つだけである。
――それから、瞬く間に時間が過ぎた。
「くるちい……くるちいよお……おかあしゃん……たずげでよおお……」
狭い透明な箱に放り込まれた長女れいむは、涙を流し続けている。
目の前には、優しかった母れいむ。
彼女も涙を流し、たんたんと何度も何度も箱に頭をぶつけていた。
お互いの声は聞こえない。
親れいむは口を塞がれているし、長女れいむの声は小さくて箱の中からは届かない。
だから。
お互いにただ泣くしかない。
一日が過ぎ、長女れいむの顔色が次第に悪くなってきた。
「おにゃか……すいちゃ……おにゃか……」
しーしーもうんうんも垂れ流し。
だが、それ以上に長女れいむは空腹に責め立てられていた。
(ぐぞにんげんっ!!!!! ごはんざんを! おぢびじゃんにごはんざんをよごぜええええええええええ!)
あんよが焼かれているにも関わらず、精一杯に暴れようとする親れいむ。
「ゆぴ……ゆぴぴ……おにゃが……おにゃがああああ……」
泣いている。ただ泣いている。
親れいむも泣いて泣いて泣いている。
口の中の三匹は、とうに親れいむの腹に収まっていたので、幾分かマシだった。
(おじゃべなじゃい! おじゃべなじゃああい! おじゃべえええええ!)
狂ったようにおたべなさいをしようとする親れいむ。しかし、口が塞がれていてはどうしようもない。ただ、
長女れいむが死ぬのを待つしかない。
「ど……じで……たずげで……ぐれない……の……」
ぱくぱくと長女れいむが口を開く。
油断なく観察を続けていた俺は、そろそろ頃合いかと長女れいむを箱から取り出した。
「おじょ……ら……」
(やべろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ざわるなああああああああああああああ!)
俺はそっと、親れいむの背後に長女れいむを下ろしてやった。
(おぢびじゃ! おぢびじゃああああん!)
「おか……じゃ……………………じ、ね……………………」
(…………………………………………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………ゆ?)
「じね……ゆっぐぢ……ざぜない……おやは……じね……じね……じね……」
長女れいむは大きく息を吸い――渾身の力を篭めて叫んだ。
「しィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ
ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ
ィィねェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ
ェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」
がはっと餡子を吐き出し、長女れいむは息絶えた。
――ぽきん。
そして。
母親であったれいむの、心が折れた。
雑木林。
小さなこの林にはゆっくりの小規模な群れがある。その中に、人間さんに捕まっていたれいむがいる。
善良な野生ゆっくりである彼らは、れいむのために幾許かの食料を分け与えていた。
そして、こう子供たちに言い聞かせるのだ。
「いい、おちびちゃん? にんげんさんはね、とってもつよくてとってもこわくてとってもゆっくりできないん
だよ? さからったら……ああなっちゃうからね」
「ゆぴ……ゆぴぴぴぴ……ゆぴ~♪」
親れいむは、死臭を放つ十二のおかざりにすーりすーりを繰り返す。頬皮が既にちぎれ、餡子が剥き出しにな
っているのも構わずに……。
赤ゆっくりたちはそれを見て、心底餡子が冷えるのを感じていた。
親の言葉に、頭を縦に何度も何度も振った。
「ゆっくちりかいちたよ……」
親れいむは、体を張って群れのおちびちゃんたちに教育を施していたのであった。
<あとがき>
赤ゆが空から降ってきてくれねえかなあ
あと、ガシャポンで年齢が分かると指摘されてちょっと泣いた。
過去の作品
anko3216 愛するでいぶ
anko3238 ゆ虐思考
anko3257 赤ゆ十連発(前編)