ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3299 ゆっくりとの出会い
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ankoss
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『ゆっくりとの出会い』 8KB
愛で 現代 虐待描写無し 短い上に啓発臭いですが。
愛で 現代 虐待描写無し 短い上に啓発臭いですが。
「ゆっくりしていってね!」
少しだけ残業を終えて帰る夜道、不意に足元から声がした。
ヒッと微かに息を呑む。
一人で帰る夜道に突然声をかけられるなんて、恐怖以外の何物でもない。
まして突然足元からである。心臓の鼓動が早まる。
ヒッと微かに息を呑む。
一人で帰る夜道に突然声をかけられるなんて、恐怖以外の何物でもない。
まして突然足元からである。心臓の鼓動が早まる。
「ゆっくりしていってねっ!!」
私が反応しなかったからか、先ほどより大きな声がした。
何かおかしい。汗ばみ震える手でケータイを取り出し足元を照らす。
この高さから声が聞こえるとなると、道路に人が寝転んでいるのだろうか。
どんな姿勢であろうとも危ない人間には違いない。
刺激しないようにと、離れながらケータイの画面を声がした辺りに恐る恐る向けた。
そこにあったのは黒い帽子を被った生首だった。
何かおかしい。汗ばみ震える手でケータイを取り出し足元を照らす。
この高さから声が聞こえるとなると、道路に人が寝転んでいるのだろうか。
どんな姿勢であろうとも危ない人間には違いない。
刺激しないようにと、離れながらケータイの画面を声がした辺りに恐る恐る向けた。
そこにあったのは黒い帽子を被った生首だった。
生首に声をかけられたという恐怖で少し泣きそうになる。
まだはっきりと見えなかったが、微かに動いてすらいる。
落ち着くためにも深めに呼吸をすると、数日前から続いているニュースを思い出した。
ゆっくりと連呼するため通称ゆっくりという、人間の顔をしたお饅頭が現れたという。
発見当初こそ騒がれたが、何処にでも存在していることがわかったので報道熱は一気に冷めた。
とは言っても毎日一度はゆっくりについての記事やテレビを見る程度注目されているのだが。
私は初めオカルトの一種かと思い見ないようにしていた。
もちろん今は実在すると認識していたが、未だに実物を見たことは無かったのである。
まだはっきりと見えなかったが、微かに動いてすらいる。
落ち着くためにも深めに呼吸をすると、数日前から続いているニュースを思い出した。
ゆっくりと連呼するため通称ゆっくりという、人間の顔をしたお饅頭が現れたという。
発見当初こそ騒がれたが、何処にでも存在していることがわかったので報道熱は一気に冷めた。
とは言っても毎日一度はゆっくりについての記事やテレビを見る程度注目されているのだが。
私は初めオカルトの一種かと思い見ないようにしていた。
もちろん今は実在すると認識していたが、未だに実物を見たことは無かったのである。
「ええと、あなたがゆっくり?」
「まりさはまりさだよ!ゆっくりしていってね!」
「あっ!ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていってね!」
「まりさはまりさだよ!ゆっくりしていってね!」
「あっ!ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていってね!」
このゆっくりはまりさと言うらしい。
私の返事に満足したのか、ゆっくりー言いながらと嬉しそうな顔でこっちを見つめている。
ゆっくりしていってね。この言葉はゆっくりにとって大変重要な言葉と聞いていた。
人間からでも、機械からでもこの言葉が聞こえると反射的に同じ言葉を返す。
ゆっくりできる、しあわせーになれる魔法の言葉だというのだ。
私の返事に満足したのか、ゆっくりー言いながらと嬉しそうな顔でこっちを見つめている。
ゆっくりしていってね。この言葉はゆっくりにとって大変重要な言葉と聞いていた。
人間からでも、機械からでもこの言葉が聞こえると反射的に同じ言葉を返す。
ゆっくりできる、しあわせーになれる魔法の言葉だというのだ。
それにしても、こんなに幸せそうな顔は久々に見た気がした。
就職してからというもの忙しい日々、ゆっくりできない毎日であった。
最近の私は上辺だけの愛想笑いしかしていない。
たった一言だけで、見ているこちらも頬が緩みつられて笑ってしまいそうになる笑顔のゆっくり。
対照的なのだ、今の私とゆっくりは。
就職してからというもの忙しい日々、ゆっくりできない毎日であった。
最近の私は上辺だけの愛想笑いしかしていない。
たった一言だけで、見ているこちらも頬が緩みつられて笑ってしまいそうになる笑顔のゆっくり。
対照的なのだ、今の私とゆっくりは。
これまでの私の人生は順風満帆だった。
両親や親友に恵まれ、一流の大学にも入学できた。
容姿も平均以上と自負できる位はあり、何をやっても上手くいく気がしていた。
けれど歯車が一つ合わなくなっただけで、全ては上手く回らなくなる。
今まで歯車はしっかり嵌めて貰えていた。
自分でパーツを嵌める様になってから難しくなる。
大学に入り社会に出てから気づかされた、自分が矮小な存在だと。
私も会社から見ればちっぽけな歯車なのだ。
懸命に手を伸ばしていないと回らない、そんな歯車。
気づいたらそんな風に感じてしまった。考えてしまった。
両親や親友に恵まれ、一流の大学にも入学できた。
容姿も平均以上と自負できる位はあり、何をやっても上手くいく気がしていた。
けれど歯車が一つ合わなくなっただけで、全ては上手く回らなくなる。
今まで歯車はしっかり嵌めて貰えていた。
自分でパーツを嵌める様になってから難しくなる。
大学に入り社会に出てから気づかされた、自分が矮小な存在だと。
私も会社から見ればちっぽけな歯車なのだ。
懸命に手を伸ばしていないと回らない、そんな歯車。
気づいたらそんな風に感じてしまった。考えてしまった。
ゆっくりは何を考えているのだろうか。
幸せそうな顔をしながら、体を伸ばして左右にゆさゆさ振っているまりさに尋ねてみる。
幸せそうな顔をしながら、体を伸ばして左右にゆさゆさ振っているまりさに尋ねてみる。
「まりさはどうやって生活しているの?」
「ゆっくりしてるよ!」
「ご飯はどうしてるの?」
「まりさはゆっくりしたものをたべるよ!」
「じゃあ寝るところは?」
「まりさはゆっくりしたところでねるよ!」
「ゆっくりしてるよ!」
「ご飯はどうしてるの?」
「まりさはゆっくりしたものをたべるよ!」
「じゃあ寝るところは?」
「まりさはゆっくりしたところでねるよ!」
単純だからこそ幸せなのだと思った。
複雑な人間には難しいことなんだろうか。
複雑な人間には難しいことなんだろうか。
「おねえさんはゆっくりしてるね!」
「え、あ、ありがとう」
「ゆっくりしていってね!」
「うん、ゆっくりしていってね」
「え、あ、ありがとう」
「ゆっくりしていってね!」
「うん、ゆっくりしていってね」
街灯も疎らでケータイの明かりしか無い夜道。
それでもまりさの笑顔は眩しく感じるほどである。
私と話す度、虫の声が聞こえる度、ケータイで照らす度。
何に対してもゆっくりしていると言い、楽しそうに笑っている。
気づいたら、私も笑っていた。
難しく思うことなんてないんだ、笑うなんて単純なことなんだ。
ゆっくりしたまりさを見ているとそう思えてきた。
それでもまりさの笑顔は眩しく感じるほどである。
私と話す度、虫の声が聞こえる度、ケータイで照らす度。
何に対してもゆっくりしていると言い、楽しそうに笑っている。
気づいたら、私も笑っていた。
難しく思うことなんてないんだ、笑うなんて単純なことなんだ。
ゆっくりしたまりさを見ているとそう思えてきた。
「まりさは本当にゆっくりしてるね。ねぇ、家に遊びに来ない?」
「ゆ!おねえさんはゆっくりしてるね!
まりさはゆっくりあそびにいくよ!」
「・・・まりさ、ありがとう」
「ゆっ?」
「ゆ!おねえさんはゆっくりしてるね!
まりさはゆっくりあそびにいくよ!」
「・・・まりさ、ありがとう」
「ゆっ?」
ボソッと呟いたので聞き取れなかったようだ。
まりさは体を傾けて暫く考えていたようが、すぐに遊びにいくことを喜んで跳ねていた。
まりさは体を傾けて暫く考えていたようが、すぐに遊びにいくことを喜んで跳ねていた。
それからまりさを自分の部屋に招きいれた。
明るいところでみると結構汚れていたので最初に綺麗にしてあげた。
もちもちした肌をウェットティッシュで拭いてやると、くすぐったいようでうねうねと捩れるのが面白い。
髪は洗ってあげたかったが、ゆっくりは水気に弱いのでよく絞った布で拭いてあげたりして綺麗にした。
歯を磨いてあげたり、帽子も拭いてあげたりして清潔になった。
綺麗になったまりさに鏡をみせてやると、自分と思わなかったのか鏡に移ったまりさを褒めていた。
返事をしない鏡に向かって褒めたり伸びたり膨らんだりと忙しなく動いていた。
その相手はまりさ自身だと伝えるとびっくりした顔をした。
まりさは、綺麗になったのがそんなに嬉しかったのか狭い室内を動き回った。
机にぶつかって物が頭に落ちて泣いたり、お菓子を食べて幸せそうにしていたり。
そんなまりさはずっと見ていても飽きなかった。
明るいところでみると結構汚れていたので最初に綺麗にしてあげた。
もちもちした肌をウェットティッシュで拭いてやると、くすぐったいようでうねうねと捩れるのが面白い。
髪は洗ってあげたかったが、ゆっくりは水気に弱いのでよく絞った布で拭いてあげたりして綺麗にした。
歯を磨いてあげたり、帽子も拭いてあげたりして清潔になった。
綺麗になったまりさに鏡をみせてやると、自分と思わなかったのか鏡に移ったまりさを褒めていた。
返事をしない鏡に向かって褒めたり伸びたり膨らんだりと忙しなく動いていた。
その相手はまりさ自身だと伝えるとびっくりした顔をした。
まりさは、綺麗になったのがそんなに嬉しかったのか狭い室内を動き回った。
机にぶつかって物が頭に落ちて泣いたり、お菓子を食べて幸せそうにしていたり。
そんなまりさはずっと見ていても飽きなかった。
部屋で遊ぶだけのつもりだった。
でも寂しさからか私は勇気を振り絞って声に出した。
まりささえよかったら一緒にくらさない、もちろんいやならいいよ、などと言い淀んでしまった。
はっきりしない私の言葉だったが、まりさは私と暮らすことを快諾してくれた。
おねえさんはゆっくりできるから、と言ってくれた。
私はまりさにありがとうと返した。
自分の口から出たと思えないくらい自然に出た言葉だった。
でも寂しさからか私は勇気を振り絞って声に出した。
まりささえよかったら一緒にくらさない、もちろんいやならいいよ、などと言い淀んでしまった。
はっきりしない私の言葉だったが、まりさは私と暮らすことを快諾してくれた。
おねえさんはゆっくりできるから、と言ってくれた。
私はまりさにありがとうと返した。
自分の口から出たと思えないくらい自然に出た言葉だった。
それから私とまりさと、二人で暮らし始めた。
ゆっくりはどういう生活なのかわからなかったので手探りだったが、それも楽しかった。
最初に寝床にセーターを使ってもらったら、毛布を買ってあげた今でもセーターに包まって寝ている。
初日にトイレを考えずに会社に行ってしまったので、帰ってきたらカーペットが餡子だらけだった。
モノを壊したり汚したりしたときはしっかり叱った。
けれど潤んだ目でゆっくりしていってねと言われると根負けして許してしまう。
落としていた鷹の爪をまりさが食べてしまったときは、会社に遅刻するまで看病した。
ゆっくりは大抵小麦粉とオレンジジュースで治る。
知っている今でも辛いものは食べなくなった。
ゆっくりはどういう生活なのかわからなかったので手探りだったが、それも楽しかった。
最初に寝床にセーターを使ってもらったら、毛布を買ってあげた今でもセーターに包まって寝ている。
初日にトイレを考えずに会社に行ってしまったので、帰ってきたらカーペットが餡子だらけだった。
モノを壊したり汚したりしたときはしっかり叱った。
けれど潤んだ目でゆっくりしていってねと言われると根負けして許してしまう。
落としていた鷹の爪をまりさが食べてしまったときは、会社に遅刻するまで看病した。
ゆっくりは大抵小麦粉とオレンジジュースで治る。
知っている今でも辛いものは食べなくなった。
それまでの退屈な日々が嘘のようで、溢れるほどの思い出に満ちた毎日だった。
まりさを抱えながらテレビを見るのが夕食後の日課になっている。
今日もまりさを抱えてチャンネルを回していると突然、
今日もまりさを抱えてチャンネルを回していると突然、
「ゆ!まりさはゆっくりかえるよ!」
まりさは私の腕の中から降りるとドアに向かっていった。
急だったので驚いたが、まりさが変わった行動をすることはよくある。
それでも帰るというのが気になったので声をかけることにした。
急だったので驚いたが、まりさが変わった行動をすることはよくある。
それでも帰るというのが気になったので声をかけることにした。
「まりさ急にど「おねえさんにみつからないようにするよ!そろーりそろーり」
音を立てないように慎重に進んでいくまりさ。
私に見つかって欲しくないようなので、気づいてない振りをして耳だけ傾ける。
するすると静かに移動する音が聞こえる。
玄関に辿り着いたのか音が止まった。
ガチャリ。
えっ、と思った。
なんで、と思った。
私に見つかって欲しくないようなので、気づいてない振りをして耳だけ傾ける。
するすると静かに移動する音が聞こえる。
玄関に辿り着いたのか音が止まった。
ガチャリ。
えっ、と思った。
なんで、と思った。
慌てて玄関にいくとまりさの姿は無かった。
代わりにドアがバタンと閉まる音が私を出迎えた。
まりさには届くはずが無い。
しかし実際にドアが開いたのだ。
あれこれ考えるまでもなく素足のまま玄関を出る。
一つしかない階段を下りる。
道路まで隠れ場所もない一本道、だというのに見つからない。
右の曲がり角まで走る、見つからない。
反対側かもしれない、走る、見つからない。
代わりにドアがバタンと閉まる音が私を出迎えた。
まりさには届くはずが無い。
しかし実際にドアが開いたのだ。
あれこれ考えるまでもなく素足のまま玄関を出る。
一つしかない階段を下りる。
道路まで隠れ場所もない一本道、だというのに見つからない。
右の曲がり角まで走る、見つからない。
反対側かもしれない、走る、見つからない。
まりさは見つからなかった。
深夜に走り回っても見つからなかった。
まりさは帰らなかった。
ずっと待っていても帰ってこなかった。
深夜に走り回っても見つからなかった。
まりさは帰らなかった。
ずっと待っていても帰ってこなかった。
「ゆっくりしていってね!」
足元から声が聞こえた。
もう見なくてもわかる。
ゆっくりだ。
もう見なくてもわかる。
ゆっくりだ。
「ゆっくりしていってね」
返事をしてあげるとそのゆっくりは幸せそうな顔をした。
私はその顔を横目で見ながら歩き続ける。
まりさが帰ってくることは無かった。
まりさが消えた後日ゆっくりは世間に溢れ、初めはまりさじゃないか逐一確認してしまっていた。
しかし探しながらも、不思議ときっと見つからないと感じていた。
私はその顔を横目で見ながら歩き続ける。
まりさが帰ってくることは無かった。
まりさが消えた後日ゆっくりは世間に溢れ、初めはまりさじゃないか逐一確認してしまっていた。
しかし探しながらも、不思議ときっと見つからないと感じていた。
最近気づいたことがある。
いや、まりさが気づかせてくれたことがある。
自身をちっぽけな歯車に例えて悲観していたが歯車は重要なのだ。
例えちっぽけな歯車でも必要なのだ。
部品一つ無くなるだけで、全体が回らなくなるということだ。
確かに替えはきく。
しかし単純でも簡単でもない。
いや、まりさが気づかせてくれたことがある。
自身をちっぽけな歯車に例えて悲観していたが歯車は重要なのだ。
例えちっぽけな歯車でも必要なのだ。
部品一つ無くなるだけで、全体が回らなくなるということだ。
確かに替えはきく。
しかし単純でも簡単でもない。
まりさがいなくなり、私の胸の中にはぽっかりと穴が開いてしまった。
ほんの暫くの間一緒にいたまりさ。
私の中で存在が膨らんでいたまりさ。
人に話せばたかがゆっくりのことと笑われるかもしれない。
それでも私にとっては大事な思い出だ。
まりさが居た穴には、今では思い出が詰まっている。
ほんの暫くの間一緒にいたまりさ。
私の中で存在が膨らんでいたまりさ。
人に話せばたかがゆっくりのことと笑われるかもしれない。
それでも私にとっては大事な思い出だ。
まりさが居た穴には、今では思い出が詰まっている。
だけど、私が止まるわけではない。
必要であることは必須であるというわけではない。
私にとってまりさは大切な存在である。
だから、私はもう止まらない。
必要であることは必須であるというわけではない。
私にとってまりさは大切な存在である。
だから、私はもう止まらない。
一緒にいた時間は長い人生の中での極僅かだった。
けれど、まりさとの出会い。それ自体が幸せだったのだ。
けれど、まりさとの出会い。それ自体が幸せだったのだ。
あとがき
前作が凄い評判で戸惑ってしまいました。
お礼にSSを書こうと思ったのですが、愛でのストックがないのでお恥ずかしい蔵出しをすることにしました。
我ながら啓発臭くてどうしようかと思いますねコレ。
お礼にSSを書こうと思ったのですが、愛でのストックがないのでお恥ずかしい蔵出しをすることにしました。
我ながら啓発臭くてどうしようかと思いますねコレ。
ペットのような主従関係だけがゆっくりとの共存ではない。
もっと人間に近い、友達のような付き合いもできるのでは、と考えることもあります。
もっと人間に近い、友達のような付き合いもできるのでは、と考えることもあります。
anko3250 ゆうかと一人暮らし
anko3225 びじんのゆ~愛で~
anko3152 コンポストはゆっくりできる
anko3098 対ゆ販売会
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