ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3308 お兄さん検証中
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ankoss
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『お兄さん検証中』 38KB
虐待 ギャグ 小ネタ 愛情 実験 都会 透明な箱 現代 愛護人間 虐待人間 5作品7本目
*注意書きをよく読んでから、読むか考えて頂けると幸いです。
・考察コメディ物(のつもり)です。
・コメディ前提で読んで下さい。
・死ぬゆっくり、死なないゆっくりが出てきます。
・他作者様の設定を使った部分があります。
・他作者様の設定の否定をしているわけではありません、ネタになりそうだなと思っただけです。
・括弧表記は『人間』「ゆっくり」です。
・ゆっくりの知能は感じの有無で表しています。
・ちょっとだけHENTAIあり。
・作者はanko2370『虐待の無い世界の鬼意山』
anko2386『ゆっくりしていない二匹の旅(上)』
anko2387『ゆっくりしていない二匹の旅(下)』
anko2417『四匹の子ゲス(前編)』
anko2418『四匹の子ゲス(後編)』
anko2738『一斉駆除の現場』
を書いた者です。感想板で先に過去作をあげてほしいとのお声がありましたので、書かせていただきます。
・武求!
以上の事を踏まえても「読んでも良い」と思われた方、どうぞごゆっくりとお楽しみ下さい。
突然だが俺は現在、おうち宣言をしたゆっくり一家を次の瞬間には捕獲し、心が折れるまで殴った後、謎の技術の結晶として有名な
“透明な箱”に入れて、これからどのような“ゆ虐”の限りを尽くそうか考えている。
ゲス発言が絶えないと思われた三分前が嘘のように親子とも許しを請うている。
勿論、窓ガラスを割られて侵入されたなんて間の抜けた話ではない。
窓を開けておいてわざと侵入させたのだ……だから、制裁ではなく虐待である。
親れいむ、親まりさ、子ゆが3、赤ゆが5といった、少々多めではあるが、スタンダードゆっくりファミリーだ。
赤ゆはこれから淘汰されて、減る予定だったのだろう。
「さてと、これからお前達を虐待する!」
「「ゆぎゃああぁぁぁぁぁ!! ゆるじでぐだざいぃぃぃぃ!!」」
「「「なんなのそのせんっげんはぁぁぁぁぁぁ!!」」」
「「「「「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
「そこのぱちゅりーたすけてねぇぇぇぇぇぇぇ!」
親れいむが、褪めたとも、残酷とも取れない、そもそも興味はないが視界に映っているので目線だけは追ってましたといった表情で、
その家族を机の上から見つめる、我が家の飼いぱちゅりーに気づき助けを求める。
しかし、本気で興味がなかったのだろう、親れいむが三回ほど先ほどの台詞を繰り返し、他の家族も同調し始めた所で、やっとれいむ
達が自分に話しかけているのだと気付いたらしい。
「むきゅ?……いや、無理よ、ぱちぇはぱちぇなのよ、れいむやまりさほど体力は無いし、二匹に無理なモノはとてもとても」
ぱちゅりーは自分が下に見られることも構わず、熟々と嘘八百を並べ、「諦めなさい」と締めくくった。
実際の所、うちのぱちゅりーは強い。
腕っ節とかではなく根性があるというのか、俺が虐待鬼意山を始めたばかりの頃、テックニックも経験も足らず虐待に失敗した個体で、
以降気に入って飼っている。
何せ、生まれたときから俺に出会う迄の10ヶ月の間に、生まれる前から何故か親の呪詛を胎教に育ち、生まれ落ちても先代ゲス長の
子供と呼ばれ群で迫害され、所属した10群と12のゆっくりプレイスは悉く壊滅(開発、天災、ゲスの襲撃、鬼意山など)し、街でも
一斉駆除の憂き目に遭い、俺の所に転がり込んできたときには、極で且つ強度の“死にたがり”になっていた奴だ。
もはや本ゆんが死神的な何かを持っているのかもしれない。
足を焼き、目を抉り、皮を半分溶かし、れいぱーに襲わせ、無理矢理出来た子供も目の前で潰し、遂に身体がパックリと割れ生クリー
ムがいざ漏れるという時も
「むきゅ~……これで死ねるのかしら……?」
と、ため息をつくばかり。
心を折らず、死にたがっているモノを殺す事に何の興奮も抱けない俺は、こいつ俺の求める形で屈服させるために、そのころは友人に
薦められて悪い遊びに軽く手を出している位の“ゆ虐”に友人以上にどっぷり浸かり、その為に当時の仕事をクビになり、現在は市役所
の特殊生物対策課駆除係という、一応は公務員といったレベルの底辺な仕事に就き(あるだけましだが)、こいつの目の前でこいつが恐
怖を感じる“虐待とは何なのかを探る虐待”を別のゆっくりで続け、そしてぱちゅりーに何の感慨も恐怖も興味も抱かせずに多くのゆっくり
が無駄に命を落とすのである。
やはり、死神かもしれない。
……まあ、こちらは全部俺の責任なのだが。
今では気心の知れた同居ゆんとして生活しているため、ペットとして登録した。
かなり順当に銀バッチまで取り、金やプラチナも夢じゃないと思ったが、本ゆんが要らないといったので銀止まりだ。
まあ、ペットは家族だが人間ではないし、これを一緒にするとどんな動物のペットでも良くないので、力関係の誇示のためにも俺が必
要を感じたら取らせるだけだ。
そんな事を思いながら、透明の箱から赤まりちゃを取り出し、あんよを切り落として円盤状の板に貼り付ける。
「ゆんやぁぁぁぁぁ!! いじゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「「おぢびじゃぁぁぁぁぁぁぁん!!」」
「「「ゆわあぁぁん!! いもうぢょがぁぁぁぁぁ!!」」」
「「「「おねいじゃぁぁぁぁぁ!!」」」」
有難味を一切感じない立体音響の中で、俺はゆっくり達にその円盤状の板――ルーレットを見える位置に設置する。
『この巨大なユーギャックホイールが、今日のゆっくりの運命を決める~!!』
実際、そんなには巨大ではないけれど。
「お兄さん、ジャン○ルTVのクッキングホイールはただのルーレット、ルーレットマンが付いてるのは『だいじょう○だぁ』の人間ルー
レットよ」
『あれ、岡○とか貼り付けられてなかったっけ?』
「「じゃあなんでおぢびぢゃんのあんよぎっだのぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」
『ごめん、間違いだ、誰にでも有る、気にするな!』
「「なっとくできるわけないでじょおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」
「「「「「「「ゆんやぁぁぁぁぁ!! おがおぎゃごわいいぃぃぃぃ!!」」」」」」」
俺のサムズアップ爽やか笑顔に対して、親ゆっくりは罵声を浴びせるばかりだ。
ていうか、俺の笑顔で泣き出してる子ゆ達、失礼だろ。
『まあ、虐待することに変わりはないし……よっ』
俺がまりさの付いたままのルーレットを軽く弾いて回転させる。
ベアリングに気を遣ったので良く回る。
「ゆぎょぎょぎょ!! ひゃやいよおおおぉぉぉ!! ゆっぎゅりざぜウボァァァ!!」
「「おでぃぶぅいゃぢゃあああああぁぁぁぁぁん!!」
まりさが餡子を吐いたあたりでルーレットが止まる。
そこに示された虐待内容は……
『……水攻め』
「水攻めね」
今回ルーレットに書き出した斬新且つ革命的なゆ虐の中で、なんかマスが余ったから書いたオーソドックスな外れの目が出てしまった。
『なんだよ、こんなんすぐ溶けるだけじゃんかぁ……これならただの饅頭を水に沈めた方がまだ有意義だぜ』
「何一つ有意義さが見出せない喩えね……その行為の何が面白いのかしら?」
『だって、ゆっくりって異常に溶けるの早k……』
俺はあることに気付いてしまった。
1:赤ゆと市販の饅頭比べ「お水編」その1
『ぱちゅりー先生! ゆっくりは溶けるのが早すぎると思います!』
「むきゅ! 誰が先生か! まだ二歳よ! ……でも、ゆっくりはお饅頭だから水に溶けるわよ」
『…………本当にそれが理由か?』
「むきゅ?」
俺が掌の上に赤れいむを乗せる。先ほどまで「りぇいみゅちゅよいんぢゃよ! ぷきゅううぅぅぅ!!」などとふざけたことを言って
いたので、皮膚に傷を付けないようにデコピンしてはジュースを掛け、再び屈服させた。
『お前、のーびのーびしろ』
「ゆうぅん……にょーびにょーび……」
『なぜ饅頭が伸びる!?』
これは寧ろぱちゅりーに叫んだのだが、赤れいむがおそろしーしーを手の上でしたので、気分的に不愉快なのでリボンを破っておく。
何か喚かれる前に、口を押さえる。
『饅頭の皮は基本蒸してあるはずだ! 伸びるはずもない! 生の小麦粉の生地ではない! なのに小麦粉を塗りつければ傷が癒え、そ
れでいて食らいつけば旨いかどうかはともかく饅頭の確かな食感!』
「むきゅ、そうn……なんで今、味について言及したの? まあいいわ、そうね、でも伸びているときは身体が大福になってるって聞い
たことがあるわ」
『大福に小麦粉塗るのか! あれ表面餅だぞ! 米だ米! 小麦から米に変わる上に、生の小麦粉塗り込んで傷治るってなんだよ!』
「なら、オレンジジュースなんて饅頭に一切合切関係ないのに普通に使っt……むきゅ、オーケー、判った、余計なこと言わないから睨
まないでちょうだいな」
俺のメンチ切りに、ぱちゅりーは冷静だが、背後のゆっくり家族が「ゆっくりできない」だの騒いでいやがる。失礼な。
確かにゆっくりに嘗められないように、頭を大きく見せるためにアフロにしてから、『アロハでアフロの鬼瓦』と呼ばれ、たびたび職
務質問で職業を聞かれるようになったが……そんな泣くこと無いだろ、主に顔が怖いとか言うな! こっちが泣くわ! なんだよ職業の
訊き方が暴○団orその他って!
「で? 結局何がしたいのかしら?」
『うむ、饅頭とゆっくりの違いを検証していきたいと思う!』
俺は100円ショップで買った饅頭と大福、及び加工所の作ったゆっくり饅頭を取り出した。
「「「ゆぅうう!! あまあまだぁぁぁぁぁ!!」」」
『黙れ、殺すぞ』
「お兄さんは本気よ」
「「「ゆっくりりがいじまじじゃああああああああ!!」」」
……俺が登場したり喋っただけでゆっくりが驚いたり怖がったりするのはアフロのせいだと思いたい。
アフロになる前からだけど。
あと、ぱちゅりー余計なこと言うな、事実だけど。
早速水槽に水を張ったモノに敷居を作り、ゆっくりが暴れたときの影響が出ないようにする。
そして、その上に、赤れいむ、饅頭、大福、加工所饅頭を吊し、同時に落下できるようにする。
重さ、大きさもほぼ同じ饅頭が、今、地獄へ向けて落下する……内訳は4分の1だが。
『食べ物を知的欲求のために粗末にすることをお許し下さい、南無南無……』
「むきゅ、お兄さんは命を粗末にすることを悔い改めなさいな」
『そこはもう諦めたので、地獄に行ってから後悔します! ガ○ゾーンの横の辺りで』
「ガデさんは光○郎は待ってても、お兄さんは待ってないわよ」
「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! おがあぢゃぁぁぁん!!」
「「おぢびぢゃあああぁぁぁぁん!!」」
ちびや親れいむ、まりさの叫びを無視して会話と作業を進める俺たち。
『それでは、3、2、1、ゆんやー!』
「むきゅ、ゆんやー」
ぱちゅりーが紐を引くと、同時に赤れいむと饅頭の足場が無くなる。
「ゆんやああぁぁぁ!! おしょりゃ……! がぼっ! おみじゅしゃ……ゆっきゅ……でぎ! がぼ!」
早速溺れだす赤れいむと、静かに沈む大福、以外と浮かんでいる饅頭と加工所饅頭。あ、でも沈み始めた。
「れいみゅ! ちにたくないよ! おみじゅしゃんしぇーしゃいしゅ! げぶ! ぶきゅぅぅぅぅぅぅ!!」
赤れいむはぷくーをした為浮かんでいる。これは思わぬ僥倖であろう。しかし、無意味にケツとあんよを振り回していたため――
「れいみゅのあんよしゃんぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
赤れいむの底の部分が溶けて破れてしまった。そこからあんこが流出していく。更に、ぷくーを止めて叫んだため、沈み始める。
「あんこしゃん! でていかないぢぇにぇ! がぼぼ……! お、おびょれりゅぅぅぅ!! げばぼ!」
暫くすると大量の餡子の塊が、赤れいむの身体から流れ出ようとし始め、赤れいむの顔は痩せこけてしまい、目玉の片方は餡子に引き
ずられて陥没、片方は皮に残って飛び出していた。
「もっぢょ……ゆっぎゅ……」
ずるん!
でかいうんうんでもするように、餡子の塊が水中に出て、水に溶けた。
「「おでぃびぢゃあああああああ」」
「「「いもうちょぎゃあああああ」」」
「「「おねえぢゃあああああああ」」」
あ、ルーレットの赤まりさだけは、すでに自分が忘れられてることで暗くなってる。いや死んでるのかアレ。
さて、結果は――大福は水槽の底に鎮座したまま、饅頭はやや表面がボソボソと溶けている箇所もあるが溶けきるには三日はかかりそ
うな状態……いや、かき混ぜでもしない限りは暫くこの形状のままだろう。加工所饅頭は、未だに静かに沈下している最中だった。
勿論溶けて等いない。
赤れいむが水に溶けた程度で、水中の糖分が飽和(水溶液にはなっていないが)するほど狭くもない。
この結果をひとしきり眺めた後、ぱちゅりーに尋ねる。
『ぱちゅりー……どう思う?』
「……単に暴れたからって可能性もあるわ。検証材料が必要ね……最低二回」
『なぁに、ほぼ同条件の残弾は三個ある』
「「「ゆひぃぃぃぃ……!!」」」
2:赤ゆと市販の饅頭比べ「お水編」その2
市販の饅頭など、先ほどと同じラインナップの菓子三つを準備する間、先ほど水に沈んだ饅頭をぱちゅりーに食べさせ、水でグズグズ
になった赤ゆは、親ゆっくりに食べさせた。
ぱちゅりーは多少水越しに付いた死臭でまいるほどヤワではない。
しかし、親ゆ二匹は今にも吐き出しそうになるのを耐えている。
『さて、饅頭に穴を空けたぞ、擬似あにゃるだ』
「締まらないわねぇ……」
『確かに括約筋ならぬ、あにゃる括約餡がないから閉まらないな』
上手いこと言ったつもりかという、ぱちゅりーの冷たい視線を浴びながら俺は秘蔵のアイテムを取り出す。
『ぺけぺけん! ピンクロ~タ~(×3)!』
お、今のセルフSEと物真似はかなり似てたぞ!
ぱちゅりー! つっこみ処だぞ! と、期待しつつぱちゅりーに視線をやると、
「彼女無し童貞のお兄さんが、なぜ三つもローターさんを持っているのかって事には……つっこんだ方が良い?」
『再起不能になるから止めて下さい!』
言葉のナイフを振り下ろされた。
『まあいいや、擬似あにゃるにローターを突っ込んで……ええのんか~? ええのんか~?』
「なんか、もう……お兄さん気持ち悪すぎて、お兄さん自体が可哀想になってきたわ」
『現実に引き戻すなよ! 客観的に見ないことで、折れやすいナイーブハートを支えてるんだから!』
なんにせよ、暴れるゆっくりを擬似的に再現した、“ぶるぶる饅頭”が完成した。
これで、赤ゆとの差を見極めるのだ。
『正確にゆっくりの動きを再現したわけでもないんだが』
「ある程度は仕方ないわよ、それが再現できる技術力がお兄さんにあったら、どれほど奇人でも、技術職から窓際公務員補佐(非正規雇
用)なんてジョブチェンジしてないはずよ」
『すっぴんじゃないだけましでしょぉぉぉぉぉ! どうしてそんな事言うのぉぉぉぉぉ!!』
早速先ほどと同じように、赤まりさを水槽の上にセットする。
「ゆんやぁぁぁぁ!! おかーしゃぁぁぁん!」
「「おちびぢゃぁぁぁぁぁん!!」」
この家族の子供、いつも助けを求めるの母親だな……と、父親役の親まりさに同情しつつ、気付いていないようなのであえて口には出
さない。本来なら其処を突いて家族崩壊を狙っても良いが、実験には邪魔だ。
『お、そうだ、帽子取り上げとかないと』
「ゆわぁぁぁん!! おぼうししゃんがにゃきゃったらぷーきゃぷーきゃできにゃいぃぃぃ!!」
おお、「ゆっくりできない」じゃなくて、浮かべないことを考えてたのか。なかなか危機回避能力が高いな。人間宅侵入に加わった時
点で無用の長物だが。
『それでは3、2、1、ゆんやー!』
「ゆんやー」
「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
水に落ちる菓子と赤まりさ。すると……
「まりしゃの……すーぴゃー……ごーきゅごー……がぼぼ!」
水槽の水を飲む気だコイツ……。しかも、最近とんと聞かなくなった宣言をしてから。
「たいみゅ、はj……ごぼ……ごーきゅごーきゅ」
しかも、途中で諦めやがった。
しかしながら、当然水槽の水は飲みきれる量ではなく。
「ごーきゅ、……ごぶ! しーしーで……りゅ……うんうんも……がぼ!」
中身が水っぽくなった赤まりさは口とあにゃるとしーしー穴及びまむまむから、黒っぽい水を吐いて、皮だけになった。
『意外と浮かんでたけどな……』
「沈むことより、水を飲む苦しさが勝ったからじゃない?」
『……意識しなければ沈まないのかよ』
俺の言葉にぱちゅりーは暫し思いに耽り。
「まあ、思い込みの力……って事で」
『そんな“だいたい守矢のせい”みたいに言われてもなぁ』
3:赤ゆと市販の饅頭比べ「お水編」その3
今度の赤れいむは口を早速小麦粉で塞いだ。
すでに、蒸し上げた饅頭皮になっている。和菓子屋に謝れ。
こいつは親ゆっくりに、いつのまにかグズグズになってしまった饅頭と赤ゆっくりを混ぜたモノを与えている最中、泣いている親に対
してあまあま寄越せとか、ゲスだの罵ったあげく。
「おねーしゃんたちもあまあまをひとりじめしにいったんぢゃね! じゅるいよ!」
と、目の前で起きた惨劇を忘れて生きていこうとしていたので、折角だから本ゆんの望み通り、姉たちと同じ場所に連れて行った。
最初は文句がありそうだったが、水槽の上に来た時点で何か思い出したのか、泣きながらゆっくり流の土下座をしていた。
まあ、問答無用で落としたけど。
『ゆんやー!』
「ゆんやー」
「……っ……!」
……悲鳴も上がらないので、ただ観察するだけである。
『おお、ぶりんぶりん動いてる、生理的嫌悪感を催すなぁ』
「でも、市販の饅頭さんの表面の方が先に剥がれたわ……細かい振動だものねぇ」
『大福は変な亀裂があにゃるから……擬似あにゃるはダメかな……』
「……」
『……』
本当に見ているだけである。
『おい、死にたがりのむきゅう』
「お兄さんとぱちぇがジュビロ信者に殺されても文句がないなら、その呼び方で良いわ」
『“バリ○ッチ”しようぜ』
「あからさまに人数が足りないわよ、“数字”で良いじゃない、親指とぱちぇの二房の髪の毛で出来るわよ」
『でもリズムは“バ○チッチ”な』
「むきゅ」
そんなこんなしている内に、赤れいむは溶けた。
一部が破けると、一瞬で解かれ溶けた。
皮も形を残さず。
『うむ、他の饅頭類はまだ形を残しているのに』
「擬似あにゃるさんより根性無しね」
「「おでぃびぢゃぁぁぁああん……」」
4:赤ゆと市販の饅頭比べ「お水編」その4
最後の実験は赤ゆを動けないようにして水に落とす実験だ。動かない普通の饅頭のことは最初の実験で判っているので、赤まりさだけ
を手に取る。
「やめちぇね! まりしゃつよいんだよ!」
いつもなら適当に聞いてやって、ぷくーさせたりして心をへし折るのだが、今の俺には実験が優先され、赤まりさの戯言など右から左、
何処吹く風である。
ゆ虐お道具箱にしている煎餅の一斗缶から待ち針を取り出す。
「ゆ! ……やめちぇね! ちくちくしゃんをまりしゃにちかぢゅけにゃいぢぇにぇ!」
『プスッとな』
「ゆ”!!」
中枢餡のほんの僅かを削るように針を刺す。
「まりしゃのおきゃらだがうごかにゃいんだじぇ」
目から涙は流しているが、筋肉代わりの殆どの餡子が動かなくなり、動けない処か声に抑揚が無く、無感情な音が響くだけだった。
そんな無表情赤まりさを水槽に乗せる。
『3、2、1、ゆんやー!』
「ゆんやー」
「ゆんやあ」
水面でも水底でもなく、水槽の中間くらいに浮かんでいる。
『……チッチッチッチバ○ッチッチ、3』
「むきゅ」
バリッチッ○開始数秒で赤まりさが溶けた。
『うおぉぉぉぉぉ! 早ぇ!? どんだけ俺にバリッチッ○チやらせたくねぇんだよ! 賢者も戦略練れねぇだろ、こんな短時間じゃ!』
「お兄さん、伏せ字の使い方が間違ってるわ」
『俺がミドリ○タZならキレてるな!』
「お兄さん、伊○院さんはオペラ座の大○人さんのナビゲーターよ」
まあ、一頻り結果が出たので、咳払い一つの後に結果を述べる。
『結果発表!』
「どんどん、ぱふぱふ」
『今回の実験結果!』
「だららららららららららららららら……」
『それは!』
「ダン」
全くやる気は伝わってこないが、効果音をちゃんと入れてくれるぱちゅりーに感謝しつつ、すでにお互いに判りきったことを言う。
『ゆっくりは、饅頭以上に溶けやすい!』
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
『この結果をどう思われます、ぱちゅりーさん』
「思い込みの力ね、溶けると思い込んでるから余計に早いのよ」
…………。
『……もう思い込みを理由にしとけばゴ○ゴムの仕業レベルで的中するんじゃない? それ』
5:実験前に用意しよう
さて、こうなってくると、いくつか疑問に感じたことを実践してみたくなるが、健全な赤ゆが居なくなったため、次に使えるのは子ゆ
となる。詰まるところソフトボールサイズだ。そんな市販の饅頭は余り見かけない。
中華まんという手もあるが、何となく違う気がする。
『というわけで、今練った生地で包んだ餡子を蒸し焼いきにして、ソフトボールサイズの饅頭作ってます!』
「むきゅぅ、どうでも良いことにのみ使われる努力と労力と情熱……か」
『そんなこと気にしていたら鬼意山は務まらないぞぱちゅりー! 精進せよ!』
「目指してないし、女の子なのよ一応」
饅頭が出来上がる前に、使えそうな物がないか、お隣の実験鬼威惨の所へ相談に行く事にしている。
「お隣の音形さんね」
『そうだ、オトナリさんだ。ぱちゅりーも行くか』
「むきゅ。ぱちぇも疑問があるのよ。連れて行って」
俺はぱちゅりーを頭に乗せると、庭から垣根を跨いでお隣に侵入する。
こうしないと、飼いゆ狙い鬼異山対策と野良ゆ侵入対策のトラップに引っかかってしまうのだ。
途中でゆっくりを大量に潰してから配達に来た郵便屋さんが網に掛かっていたのは良い思い出である。
『おーとなーりくーん、あーそーぼー!』
『小学生か! 開いてるから入れー』
部屋に入ると、胴付きやら、希少種やら、首無しやら沢山居る。
更にキャタピラ付き、パラボラ付き、頭三つ付きの犬型きめぇ丸など、珍種と改造ゆっくりのオンパレードだ。
丁度、新種のゆっくりの調整が終わったらしい。
『おう、良く来たな、新品を見に来たか』
『それもついでに頼む』
ついでかよ、と言いつつ嬉しそうにれいむを台の上に乗せる。
こいつに協力を要請する場合は、コイツの“作品”を見なければ、交渉が始まらない。
「むきゅ、おとなりのお兄さん、そのれいむはなぁに?」
「れいむはれいむだよ。ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね」
『こいつはな、中途半端に知能を高めたシリーズ第12弾“音痴なくせに歌が好きだが、自分の音痴さが理解できてしまいゆっくりでき
ないれいむ”だ』
『「うわー嫌がらせが地味ー」』
俺とぱちゅりーは同じ感想に至ったらしい。
しかし、俺らの発言は無かったかのように音形は話を進める。
『本来、ゆっくり――主にれいむは人間の音程とは違った感覚を持っている上、それでいて歌が好きなわけだが、その中で仲間内からも
すこぶる音痴と評判のれいむに、みすちーやぷりずむなんちゃらの聴覚器官の餡子を移植したのが、このれいむだ!』
『すると、自分の歌声が不快に感じるって訳だな』
「ざっつらいと」
『お前が言うのかよ』
れいむはふんぞり返っている。とてもゆっくりできていないとは思えない。
『なんか自信満々だぞコイツ』
『うむ、先ほど妙案が浮かんだそうだ』
「むきゅ、聞いてみたいわ」
「ゆふん! せつめいしてもいい?」
二人と一匹が頷く。
「たしかにれいむはじぶんのおうたさんではゆっくりできなくなったよ、けれど、だれかにきかせるまんぞくかんがなくなったわけじゃ
あないよ!」
『そんなジャイ○ンリサイタル理論嫌だなぁ』
「ゆふん! まだおわりじゃないよ! でも、あいてがふかいになっちゃたら、おたがいゆっくりできないよね? でもおうたはうたい
たい! だから、じょうたつできないなら、ごまかすほうほうをつかうんだよ」
「どうやって?」
れいむが胸に当たるであろう部分を大きく張る。
「へたなのが ぜんてい のおうたにすればいいんだよ! さっそくうたうね」
『梅酒のCMソングもまともに歌えないのにか?』
『まさか本当にジャ○アン歌う気じゃあないだろうな、あれ、TVで再現してるから意外と普通の歌d……』
「ときをこえーろ! そらをかけーろ! このほーしのためー!」
『テメェ! 饅頭! 表に出ろぉぉぉ!! ぶっ殺してやる!!!!』
「落ち着いて、お兄さん、れいむにしては音が取れてるわ」
『原曲を綺麗に再現してるな、改造にこんな盲点があるとは』
怒り狂う俺を横目にれいむの歌を褒める一人と一匹。
『テメェら、BLA○K馬鹿にしてんのかぁ、ゴラァ!』
『良いじゃないか、翌年には同じ主役に汚される番組だ』
『てめっ……R○ディスってんじゃねぇぞ! てつ○馬鹿にすんな! ステーキに○Xのマーク書いてくれたんだぞ!!』
俺はしばしエキサイトし、極度に恐がりのゆうかにゃんに変なトラウマを植え付けるまで暴れた。
~小休止~
『だからさ……俺の青春って言うか、俺のディスティニーだったんだよ……』
「うんうん、お兄さん、落ち着いたかしら」
「わかるよー、お兄さんは太陽の子に勇気を貰ったんだねぇ……」
俺は自分ちのぱちゅりーと、さとりの特性を持った“本当によくわかってしまうちぇん”に慰められて漸く落ち着きを取り戻した。
『で、お前何しに来たんだっけ?』
潰れたれいむを回収しながら、音形が聞く。
『ああ……今ビデオカメラ壊れてるから、記録係が欲しくて、“記憶力の良いれいむ”貸してほしくて、今どこの公園にいる? それと
も死んだ?』
『いや、番が死んで裏の空き地に戻ってるよ』
『そうか、ぱちゅりーは何か用があるんだろう?』
「むきゅ! 胴付きの構造に詳しくて、ぱちぇレベルにも判りやすく説明できるゆっくりは居る」
これは遠回しに“音形、てめぇに聞くと蘊蓄長くて意味わかんねぇから代先用意しろよ”という意味合いで、音形の解説を暗に断って
いる。
『それなら同じく裏の空き地に流れてきたまっちょりーが居るよ』
「むきゅ! 聞いてみるわ」
『ほんじゃなー』
6:実験前に用意しようⅡ
裏の空き地と言うが、空き地ではなく音形が実験ゆっくりを飼っている私有地を空き地風に整えているだけである。いくつかの場所に
音形宅への抜け道があり、また、空き地中央に人間大のドスがおり、中枢餡をいじられ生きたいという欲求と、ドススパークのエネルギ
ーを利用した謎の自爆技で、不法侵入した虐待お兄さんにアッツアツの餡子をばらまく瞬間が最高にゆっくり出来るという認識により、
常に恐怖と武者震いを続けている。ちなみに先代ドスもモヒカンに地味に重傷な火傷を負わせたが、私有地に火炎放射器と釘バットを持
ち込んだ何とも間抜けなモヒカンは、あわれその場で御用となった。
まあ、所有者はその場のゆっくりが全滅しても、その結果を書き残すだけだろうが。
俺はある段ボールの入り口らしき部分を叩く。
「ゆ? あ、人間さんは、私を改造した音形さんのお隣のお兄さんだね、七ヶ月と三日ぶりだね、元気だった」
段ボールから顔を出したのは、先に述べた記憶力の良いれいむ。
基本的に実験は野良として街に放たれるのだが、時たま番が死んだり子が死んだり、子が巣立ったりで此処に戻ってくる。
公園の群れなどでは、知恵袋の伝説のれいむ として持て囃されてはいる。膨大な記憶から様々な死亡フラグを回避する術を知っている
――否、覚えているからだ。
しかし、教えたゆっくりがそれを活かせるかどうかは別の問題。
歩く死亡フラグのゆっくりが、れいむの知識を忘れるのも茶飯事なら、れいむの知らないパターンで死ぬ場合も多い。
その度にその知識と共に、死んだゆっくりのことも忘れられなくなるのである。
その為、れいむは疲れ切った顔をしている。
『今年はみょんと番になったんだっけ?』
「みょんはフラフラした動きの人間さんのスィーに轢かれたよ――飲酒運転さんっていうんだって、人間さんもゆっくりできない物らし
いね、スィーも電信柱さんにぶつかってたよ」
『ちびは?』
「今年は何とかふたりだけだね……ゆカビが身体の中から進行するなんて、れいむ初めて見たよ、食べてた草が悪かったらしいけど、食
べさせた112種類の草さんの中で、その後も食べた35種類を除いた77種類に原因があるんだろうけど……それでみょんに似たおち
びちゃん以外、7匹みんなね……ゆカビが原因なのは2番目のまりさとの5回目の子供全員と、最初のありすとの3回目の子供の次女と
五女以来だから焦っちゃたよ」
……記憶力が良すぎるのも考え物だな。今現在、れいむは死んだおちびちゃんとやらは、それぞれどんな特徴があって、どんな性格で、
何が好きで、どんな趣味があったか話しているので、気が済むまで聞いてやっている。
「ところで人間さんは何か用?」
『うん、これかられいむに死ぬゆっくりの様子を見て欲しいんだ』
「……それは後々役に立ちそう?」
『どうかな? 人間にはこんな酷い奴が居るって具体例にはなるんじゃない?』
「判ったよ」
刃向かっても得がないのを知っているのも時には損だな。
そう思ってぱちゅりーの居る方を見ると……なんだありゃ、熊か? 熊を殺す柔術家か?
柔道着を着込んだ何かが立っていた。
「武求ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
そいつが雄叫びを上げた。
「良いわ! その向上心! でももっと熱くなれよぉぉぉぉぉぉぉ!! 無究ぅぅぅぅぅ!!」
「むきゅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
そいつはウチの可愛いぱちゅりーにダブルバイセップス・フロントからサイドチェスト、更にラッドスプレット・バックからアドミナ
ブル・アンド・サイの四連続コンボを見せながら、何か指導している。
お願いだから変なこと教えるなよ。
すでにその爽やかさが突き抜けてキモい事この上ないが、それも突き抜けて一周回って爽やかな笑顔と、気持ちの悪い筋肉のしなやか
な躍動が、PTAだったらヒステリー起こしそうなくらい教育に悪そうなんだから(憶測)。
「武に心を求めるのよ! この世に究極など存在しない! 夢のように爽やかなれ! 夢級ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「むきゅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
もう何言ってるのか全然判らないけど、一応聞いてみる。
『あの……キミが、いえ、貴女がまっちょりー?』
「无九? そうよ私が『うートイレトイレ! うほ! 良い美少年! 盛りの付いた拳闘士』略して『もりけん(笑)』のぱちゅりーよ」
こいつもゆっくりなのか。
HENTAIの理想型“胴付き”にカテゴライズされるのか。
っていうか、近くで見たら道着に『Z○Nの安トークライヴ』って書いてあるけど。
「ぱちゅりーが私に、胴付きの事を聞きたいらしいのよね! だから、教えていたの!」
『はぁ』
「胴付きなんて思い込みってね!」
『思い込みの力って“ハ○ヒの能力のせい”ってレベルで便利な言葉だな。』
「だってお兄さん、胴付きの中身は餡子、パチェに至っては生クリームよ!」
そこで気付く。
ハッとした俺の手を自らの上腕に当てるまっちょりー。
「見ろやこの筋餡!」
『か……かっちかちだ……!』
いや、表面が硬質化していたとして、しかしこの重さと体格を支えるにはまず骨格が必要になる筈。
しかし、ぱちゅりーの中身はありすのカスタードクリームより形状維持力は高いが、きめ細かく潰れやすい生クリームだ。
「むきゅううう!!」
ウチのぱちゅりーもそこに気付いて驚愕している。
「さらに、ぱちぇにはサブミッションは基本的に利かないわ!」
『「なんだってぇぇーーー!!?」』
「ぱちぇの中には、骨の継ぎ目も筋肉の境もない。つまり……!」
まっちょりーの腕がぐねぐね動き、指も腕も関節部が曲がってはいけない方向に曲がり、関節がない場所も曲がり、また元に戻った。
「関節など! 存在しない!」
王者の技が――利かないとでも言うのか……っ!
「まあ、そのまま捻り殺しに掛かれば良いだけなんだけど」
『ですよねー』
7:お空を
『密林玄翁!』
「お兄さん、今日はジャ○グルTV推しなの?」
家に帰ってきた俺とぱちゅりーは、れいむと共にあの家族の子ゆっくりをシーソーの端に足焼きと口塞ぎ、中枢餡を一部破壊し、先ほ
どと同じように動けなくして置いたものや、つるされた子ゆっくり等を見ていた。
『残り容量の問題もあるからサクサク行くぜ!』
「メタい!」
最初の子ゆっくりの横には同じ大きさの饅頭。シーソーのこちら側を勢いよく叩けば同じ方向に飛ぶはずだ。
『そいや!』
子ゆっくりと饅頭が同じように飛ぶ。悲鳴が聞こえないのが難点。
地面に落下すると、饅頭は潰れて餡子が僅かばかり砕け散ったが、とんだ子ゆっくりはのまりさは、完全に爆ぜて、水っぽい餡子の跡
が残った。
『……これは、体内の水分……砂糖水のせいか』
「むきゅ、砂糖は餡子から出るのよ、脳内麻薬みたいに糖はぱちぇ達の中で増えるし、水分は普通の饅頭より多めでも、これじゃ水風船
よ」
どちらかと言えば、血しぶきのイメージに近い気もするが、ぱちゅりーは兎も角、手伝ってくれるれいむに変な知識を植え付けたくな
い。
『れいむ』
「まりさの方がお饅頭さんより平均して2センチ下をとんでた位だよ」
高さ衝撃による物でも無いらしい。
確認するため、ロボピッ○ャに饅頭と子まりさを詰めて、自宅の生け垣とは別のコンクリートブロック塀に向かって発射する。
饅頭は爆散。
子まりさは黒い染みとなってしまった。ビチャって音と共に。
『よし、次だ!』
吊された子れいむと同じ大きさの小麦粉を蒸しただけの塊。重さは明らかに小麦の方が軽い。それを子れいむには頭に乗せたりして覚
えさせている。
更に、小麦粉の塊を何度か子れいむの目の前で手から落として見せ、速度を覚えさせる。
そして、つるしてあるロープに、同時に切れるように鋏を当てる。
『いくぞ、3、2、1、ゆんやー!』
基本的に重さが違っても同じ形状サイズの物は同時に落ちるという。しかし、実際は風圧、重量の差、掛かるべき力などの要因で結果
は変わってくる。
それでも、今回は子ゆっくりが落ちても痛くないであろうマットの上で、しかも150センチ程度という高さから落としたので、そこま
で違いは出ないはずだが、子れいむは高速飛行物体のように落下した。
自分は小麦玉より重いという思い込みからか小麦玉の5倍は速いであろう落下をした。
そして、赤ゆでも潰れない条件で爆ぜた。
ぎりぎり致命傷には至らなかったのか、口が開き。
「れいむのあんよじゃんぎゃなぐなっぢゃっだぁぁぁぁぁぁぁぁ!! おがぁぁじゃぁぁぁぁん!」
と、喚いている。
無くなったのはあんよじゃなくて、下半身の表面とギリギリ致死量にならない餡子だ。
『うっさいわ。密林玄翁』
「ゆぎゅ!」
子れいむを完全に潰した。
『ぱちゅりー先生、どう思う?』
「先生ちゃうわ。むきゅ、思い込みの力その物ね」
「ゆん、そうだね」
『なんか、ミノフ○キー粒子レベルで便利な言葉だな』
8:蹴り飛ばす
「ぼうおうぢにがえらじでぐだぢゃいいいぃぃぃぃぃぃ!!」
泣き喚くまりさを縁側に置く。勿論ボールを固定するリングに乗せて動けないようにして。
成体サイズなので、この場合は蹴りだろう。
ほぼ同じサイズ同じ重さ、飴細工の髪と白玉の目をいれた、俺特性成体サイズの勿体ない饅頭を横にセットする。
「ゆゆ!? 変わっだまりざなんだぜぇぇぇ!! ゆっぐりじでいっでね!」
『これからお前を外まで蹴り飛ばす。生きていたら逃げても良いぞ』
「ほんどでずがぁ!? ありばどうございまずぅぅぅぅぅ!」
俺は先ほどの空き地に狙いを付けて、蹴り込む準備をする。
どうか、まりさの落ちる先に、罪のない改造ゆっくりがいないことを祈って。
『せいやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
「ゆぷぎゃ!? おそらっ……げぺらっ!」
数メートル飛んで空き地に落下したらしい。ボール固定用の輪っかを持って行かれたのはちょっと勿体なかったか。
続いて自分で作った饅頭にシューt……
『ゆがぁ!!』
ゆっくりみたいな悲鳴をあげてしまった。
全然飛ばねぇ! そりゃそうだよ、バスケットボール大の中に餡子がぎっしり詰まってるんだもん。
持った感じも重い感じがしたけど、まりさは苦もなく持てるのに、こいつはずっしり来といて、同じ重さだもんな。
訳判らん。
親指のつま先から血が出ているって事しか、今は理解できない。
縁側の上にポテッと転がったまりさモドキ饅頭を睨みながら、ぱちゅりーに向き直る。
「思い込みよ」
聞く前に答えられた。
『そん……ぁな……ATフィー○ドみたぃな……』
「ゆぅぅ! お兄さん、無理してお決まりの突っ込み入れなくて大丈夫だよ!」
れいむ、優しいなお前。
さて、思うところの実験はし尽くし、逆にこれ以上実験を続けるならゆっくりの頭数が足りない。
なぜか、こういった事をしている最中に、別のゆっくりが家に来たと言うことはあまり無いし、話としても聞いたことがない。それも
ゆっくりならではの思い込みか。
こうなれば、元親れいむも邪魔なだけなので、コイツも空き地に放り込むことにする。
「でいぶをだじゅげでぐだざぁぁぁぁぁぁぁぃぃいいい!」
『わかった。向こうの空き地に放り込んでやるから、好きに生きろ』
「ありがどうごじゃいまずぅぅぅぅぅ!! やさしくなげでねぇぇぇぇぇぇ!」
いちいちむかつくことを言うよなコイツ。
ここから塀の向こうまでゆっくりを投げ込んだ回数は数知れない。失敗などまず起きない距離だ。
ただ、向こうには改造された捕食種もいるから、その後の事は知らない。
『ほらよ!』
「ゆぎゃぁ!!」
『「「!?」」』
俺と二匹は驚きを隠せないといった表情で全員顔を見合わせる。
れいむは、まるで重い物を腕力のない人間が投げたときのような不可思議な軌道を描き、尚且つ拘束でブロック塀にぶつかり、速度に
見合わない餡飛沫をあげて爆ぜたのだ。
まさか、今までの家族のルール無用の(一方的な)残虐ファイトっぷりを見て、自分の末路を無意識下で認識してしまったのだろうか。
つまりこれは――
『……ぱちゅりー』
「ぱちゅりー?」
「…………思い込みよ」
『もう、ゲッ○ー線みたいな物だと思っとけば良い?』
9:つまるところ
ゆっくりの周りの不思議は、ゆっくりの思い込みに依存する形になっているのだと推測し、全国の虐待お兄さんと、ゆっくり対策グッ
ツ販売業者には悪いが、少しでもゆっくりの害に遭っている人間と、そこから始まる誤解で死ぬゆっくりを減らすため、全国の制裁鬼意
山など有志を募ってある実験を試みたのである。
様々な群れのゆっくり、街中、公園、路地裏、山村、山中問わず、――本当に様々な所でほぼ同時期に三ヶ月単位で実験を行った。
それは、ゲスゆを差し出させ、それを群れの前で実験道具にするというものだ。
群れにしてみれば、ゲスは一年通してどんどん生まれ、ゆっくりできない“せいっさい”を他者が買って出てくれるのだから、渡りに
船と言わんばかりにソイツらを差し出してきた。
それで、群れの目の前で3つの事をしてみせるのである。
一つ目はゆっくり対策用の強化ガラスに石を咥えて突撃させるのである。
自信満々で突撃したゆっくりは、中枢餡を咥えていた石が中途半端に刺さり、苦しんだ後絶命する。
二つ目は生のお野菜の恐怖を教える。
大根おろしを先に辛い物だと認識して嘗めさせ悶絶、その後大根を嬉々として丸かじりしている所に大根おろしの製造方法をみせるの
である。
また、ゆっくりが自分より強固だと認識している“けっかい”や段ボールに人参などを良い角度で落とす(ポイントは先に段ボールを
水でしならせたり、底面をくんでいない状態にしておくこと)。これで、けっかいや段ボールを壊すほど野菜が堅いと認識させた上で、
ゲスの頭に人参をぶっ刺したり、歯を折ったりする。
三つ目は落ちている人間のあまあまは恐ろしいと認識させる。
ゲスでは無いゆっくりに普通のお菓子をあげ、ゲスにはフィルム会社の作った美容薬品のゼリーを与える。
ゲスは旨そうに口に含んだ後「うめ! めっちゃぱn……これあまあまにゃのにどくはいっちぇる!」と良いながら悶絶する。
人間のあまあまが、ゆっくりできるとは限らないと教える。
まあ、これは増長する余地を大きく残しているが、飼いゆがお菓子を食べられなくなったら、それはそれで哀れ。
だからといって、ゆっくりを過剰保護する気もないので、そこら辺は虐待鬼意山でやりたい人が居ればやればいいと思う。
基本週末で有志が全国で一斉に行い、暇のある奴は週に何回か行ったのだろうが、それでも予想より遙かに早く、二ヶ月もしない内に
結果が現れだした。
別に強化ガラスで出来ているわけでもない家の窓ガラスで死んでいる野良ゆ。
畑に降りるゆっくりが減り、居ても野菜の一つを囓った時点で死んでいる。
ゴミを荒らすゆっくりが減った。最大の目的が無くなったために、意欲が沸かないのだろう。
全部が全部、全く害が出なくなったわけでもないが、なるほどゆっくりの思い込みを利用した結果が出たわけだ。
これは、生まれたときからゆっくりが“加工所”という言葉を拒絶したりするのに気付いて考えた方法だった。
なにせ、ペット用ゆっくりは加工場生まれも多く、親から引き継いだ記憶だとしたら、野良で生まれた者で駆除などを生き延びたゆっ
くりの記憶に寄る物だとしても、異常なまでに数が多いと思ったからだ。
しかし、加工所の売り上げに響くようなことをして、生活などを狙われないか気にしていたのだが、各市町村からの表彰など、警察や
消防からも表彰され、金一封だけでかなりの額になり、それをゆっくり駆除にこれまで貢献した加工所と今回のことで被害に遭った皆様
にと、幾らかを自分の手に残してばらまくと、一応は問題なく済んだらしい。
加工所は別のゆっくり被害用の商品開発に着手し、所長なる人物から手紙で“これ以上はNG”といった旨の連絡を貰って手打ちは済
んだらしい。それ以上に人間に物乞いをするゆっくりも増えたので、そちらの対策グッズが飛ぶように売れているらしい。
流石、商人はタダでは起き上がらない。
あと、過激愛護団体や逆恨みの鬼意山未満の虐待派が、逆恨みして家に乗り込んでくる事があるが、予想は付いていたので、予め音形
に頼んで、家にアル○ックなど目じゃないセキュリティーを手元に残った金で作って貰った。
半年前も基地外じみた、意味不明の博愛主義を叫ぶ金属バットを持った博愛という言葉からかけ離れた姿の人物が、ネットに捕まった
まま警察に連行された。
しかし、とある愛護団体がその逮捕者から裏付けを取って、なんやかんやの罪状で構成員全員逮捕と相成ってからは、随分と平穏にな
った。
それと、うちにも幾らか変化があった。
あの記憶力の良いれいむが我が家の一員になったこと。
なんと、蹴り飛ばしたまりさがれいむの家を着地で潰したらしく、その日の夜は雨。
仕方なくれいむを家に入れたまま、雨は一週間続き、いつの間にか胴付きになっていたれいむは我が家の家事手伝いになった。
胴付きになったからと言って、れいむに対する対応は変わらないが、ぱちゅりーはしきりにうらやましそうに質問を繰り返している。
胴付きに憧れがあるらしいが、れいむには掃除・片付けなどを手伝って貰う以外は変わりないので、記憶力の方が絶対的に役立つ。
そして、あのまりさ。
数日後に、以前所属していた公園の群れを引き連れて来たので、報復に来たかと思いきや。俺を救ゆん主だと言い始めた。
なんとあのれいむはでいぶで、俺が初っぱなに心を折るまで群れの暴君だったらしい。
そんな雰囲気、今回の話の何処からも感じなかったが、父親のまりさを子供に奴隷として教え込んでいたというのは思い当たる節があ
る。アイツらは母親にしか助けを求めなかったから。
そして、俺を殺す気だったそうだ。ゆっくりに殺せるかと笑いかけたが、まりさが“枝さん”と称して取り出したコンバットナイフは
少々肝が冷えた。もちろんまりさの意向通り処分。
なんとも都合の良い展開だ。これもお前らの思い込みか?
まりさは空き地で助けてくれた、はくろーけんテクニックが凄いと評判の改造尺八みょんと番になり、毎日お盛んらしい。
新長のありすは俺を天国に行けるといったが、まあ、地獄で受ける刑罰が軽くなるくらいはあるかもしれんな。神ならぬ俺には判らな
いが。
今日もどこかでゆっくりの思い込みによる面白い出来事が起きているかもしれない。
「そもそも加工所の謎技術の透明な箱って……もしかして」
気付いてはいけないこともあると、ぱちゅりーの言葉を無視して俺は今日も部屋の窓を開けっ放しにした。
10:胴付きになりたいわけ(ちょっとだけHENTAI)
『ぱちゅりーはどうして胴付きになりたいんだ?』
「むきゅ……だってお兄さん、ぱちぇは中がクリームだから、お口もまむまむも、あにゃるも一緒だなっていうから……」
まあ、何といじらしい事。気にしていると思わなかったよ、マジごめん。
「でも、お師匠様にクリームの無限の可能性を教わったわ! お口でも今まで以上にお兄さんを喜ばせるわ!」
師匠ってまっちょりーか。アイツ余計なこと教えやがって。
その晩、俺は心の中で叫んだ。
まっちょりーGJ!
「武究! ごっどぶれす・ゆー!」
アトガキ:
いざとなったら武究に頼る事にしてます。途中まで考えてたゆっくり発電所ネタが不謹慎で使えなくなったから……。
音形出てきたあたりから別の話やし。
鬼意山が童貞発言は、人間に対してと言うことです。
DX怪人ファイルは無し! 武究!
虐待 ギャグ 小ネタ 愛情 実験 都会 透明な箱 現代 愛護人間 虐待人間 5作品7本目
*注意書きをよく読んでから、読むか考えて頂けると幸いです。
・考察コメディ物(のつもり)です。
・コメディ前提で読んで下さい。
・死ぬゆっくり、死なないゆっくりが出てきます。
・他作者様の設定を使った部分があります。
・他作者様の設定の否定をしているわけではありません、ネタになりそうだなと思っただけです。
・括弧表記は『人間』「ゆっくり」です。
・ゆっくりの知能は感じの有無で表しています。
・ちょっとだけHENTAIあり。
・作者はanko2370『虐待の無い世界の鬼意山』
anko2386『ゆっくりしていない二匹の旅(上)』
anko2387『ゆっくりしていない二匹の旅(下)』
anko2417『四匹の子ゲス(前編)』
anko2418『四匹の子ゲス(後編)』
anko2738『一斉駆除の現場』
を書いた者です。感想板で先に過去作をあげてほしいとのお声がありましたので、書かせていただきます。
・武求!
以上の事を踏まえても「読んでも良い」と思われた方、どうぞごゆっくりとお楽しみ下さい。
突然だが俺は現在、おうち宣言をしたゆっくり一家を次の瞬間には捕獲し、心が折れるまで殴った後、謎の技術の結晶として有名な
“透明な箱”に入れて、これからどのような“ゆ虐”の限りを尽くそうか考えている。
ゲス発言が絶えないと思われた三分前が嘘のように親子とも許しを請うている。
勿論、窓ガラスを割られて侵入されたなんて間の抜けた話ではない。
窓を開けておいてわざと侵入させたのだ……だから、制裁ではなく虐待である。
親れいむ、親まりさ、子ゆが3、赤ゆが5といった、少々多めではあるが、スタンダードゆっくりファミリーだ。
赤ゆはこれから淘汰されて、減る予定だったのだろう。
「さてと、これからお前達を虐待する!」
「「ゆぎゃああぁぁぁぁぁ!! ゆるじでぐだざいぃぃぃぃ!!」」
「「「なんなのそのせんっげんはぁぁぁぁぁぁ!!」」」
「「「「「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
「そこのぱちゅりーたすけてねぇぇぇぇぇぇぇ!」
親れいむが、褪めたとも、残酷とも取れない、そもそも興味はないが視界に映っているので目線だけは追ってましたといった表情で、
その家族を机の上から見つめる、我が家の飼いぱちゅりーに気づき助けを求める。
しかし、本気で興味がなかったのだろう、親れいむが三回ほど先ほどの台詞を繰り返し、他の家族も同調し始めた所で、やっとれいむ
達が自分に話しかけているのだと気付いたらしい。
「むきゅ?……いや、無理よ、ぱちぇはぱちぇなのよ、れいむやまりさほど体力は無いし、二匹に無理なモノはとてもとても」
ぱちゅりーは自分が下に見られることも構わず、熟々と嘘八百を並べ、「諦めなさい」と締めくくった。
実際の所、うちのぱちゅりーは強い。
腕っ節とかではなく根性があるというのか、俺が虐待鬼意山を始めたばかりの頃、テックニックも経験も足らず虐待に失敗した個体で、
以降気に入って飼っている。
何せ、生まれたときから俺に出会う迄の10ヶ月の間に、生まれる前から何故か親の呪詛を胎教に育ち、生まれ落ちても先代ゲス長の
子供と呼ばれ群で迫害され、所属した10群と12のゆっくりプレイスは悉く壊滅(開発、天災、ゲスの襲撃、鬼意山など)し、街でも
一斉駆除の憂き目に遭い、俺の所に転がり込んできたときには、極で且つ強度の“死にたがり”になっていた奴だ。
もはや本ゆんが死神的な何かを持っているのかもしれない。
足を焼き、目を抉り、皮を半分溶かし、れいぱーに襲わせ、無理矢理出来た子供も目の前で潰し、遂に身体がパックリと割れ生クリー
ムがいざ漏れるという時も
「むきゅ~……これで死ねるのかしら……?」
と、ため息をつくばかり。
心を折らず、死にたがっているモノを殺す事に何の興奮も抱けない俺は、こいつ俺の求める形で屈服させるために、そのころは友人に
薦められて悪い遊びに軽く手を出している位の“ゆ虐”に友人以上にどっぷり浸かり、その為に当時の仕事をクビになり、現在は市役所
の特殊生物対策課駆除係という、一応は公務員といったレベルの底辺な仕事に就き(あるだけましだが)、こいつの目の前でこいつが恐
怖を感じる“虐待とは何なのかを探る虐待”を別のゆっくりで続け、そしてぱちゅりーに何の感慨も恐怖も興味も抱かせずに多くのゆっくり
が無駄に命を落とすのである。
やはり、死神かもしれない。
……まあ、こちらは全部俺の責任なのだが。
今では気心の知れた同居ゆんとして生活しているため、ペットとして登録した。
かなり順当に銀バッチまで取り、金やプラチナも夢じゃないと思ったが、本ゆんが要らないといったので銀止まりだ。
まあ、ペットは家族だが人間ではないし、これを一緒にするとどんな動物のペットでも良くないので、力関係の誇示のためにも俺が必
要を感じたら取らせるだけだ。
そんな事を思いながら、透明の箱から赤まりちゃを取り出し、あんよを切り落として円盤状の板に貼り付ける。
「ゆんやぁぁぁぁぁ!! いじゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「「おぢびじゃぁぁぁぁぁぁぁん!!」」
「「「ゆわあぁぁん!! いもうぢょがぁぁぁぁぁ!!」」」
「「「「おねいじゃぁぁぁぁぁ!!」」」」
有難味を一切感じない立体音響の中で、俺はゆっくり達にその円盤状の板――ルーレットを見える位置に設置する。
『この巨大なユーギャックホイールが、今日のゆっくりの運命を決める~!!』
実際、そんなには巨大ではないけれど。
「お兄さん、ジャン○ルTVのクッキングホイールはただのルーレット、ルーレットマンが付いてるのは『だいじょう○だぁ』の人間ルー
レットよ」
『あれ、岡○とか貼り付けられてなかったっけ?』
「「じゃあなんでおぢびぢゃんのあんよぎっだのぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」
『ごめん、間違いだ、誰にでも有る、気にするな!』
「「なっとくできるわけないでじょおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」
「「「「「「「ゆんやぁぁぁぁぁ!! おがおぎゃごわいいぃぃぃぃ!!」」」」」」」
俺のサムズアップ爽やか笑顔に対して、親ゆっくりは罵声を浴びせるばかりだ。
ていうか、俺の笑顔で泣き出してる子ゆ達、失礼だろ。
『まあ、虐待することに変わりはないし……よっ』
俺がまりさの付いたままのルーレットを軽く弾いて回転させる。
ベアリングに気を遣ったので良く回る。
「ゆぎょぎょぎょ!! ひゃやいよおおおぉぉぉ!! ゆっぎゅりざぜウボァァァ!!」
「「おでぃぶぅいゃぢゃあああああぁぁぁぁぁん!!」
まりさが餡子を吐いたあたりでルーレットが止まる。
そこに示された虐待内容は……
『……水攻め』
「水攻めね」
今回ルーレットに書き出した斬新且つ革命的なゆ虐の中で、なんかマスが余ったから書いたオーソドックスな外れの目が出てしまった。
『なんだよ、こんなんすぐ溶けるだけじゃんかぁ……これならただの饅頭を水に沈めた方がまだ有意義だぜ』
「何一つ有意義さが見出せない喩えね……その行為の何が面白いのかしら?」
『だって、ゆっくりって異常に溶けるの早k……』
俺はあることに気付いてしまった。
1:赤ゆと市販の饅頭比べ「お水編」その1
『ぱちゅりー先生! ゆっくりは溶けるのが早すぎると思います!』
「むきゅ! 誰が先生か! まだ二歳よ! ……でも、ゆっくりはお饅頭だから水に溶けるわよ」
『…………本当にそれが理由か?』
「むきゅ?」
俺が掌の上に赤れいむを乗せる。先ほどまで「りぇいみゅちゅよいんぢゃよ! ぷきゅううぅぅぅ!!」などとふざけたことを言って
いたので、皮膚に傷を付けないようにデコピンしてはジュースを掛け、再び屈服させた。
『お前、のーびのーびしろ』
「ゆうぅん……にょーびにょーび……」
『なぜ饅頭が伸びる!?』
これは寧ろぱちゅりーに叫んだのだが、赤れいむがおそろしーしーを手の上でしたので、気分的に不愉快なのでリボンを破っておく。
何か喚かれる前に、口を押さえる。
『饅頭の皮は基本蒸してあるはずだ! 伸びるはずもない! 生の小麦粉の生地ではない! なのに小麦粉を塗りつければ傷が癒え、そ
れでいて食らいつけば旨いかどうかはともかく饅頭の確かな食感!』
「むきゅ、そうn……なんで今、味について言及したの? まあいいわ、そうね、でも伸びているときは身体が大福になってるって聞い
たことがあるわ」
『大福に小麦粉塗るのか! あれ表面餅だぞ! 米だ米! 小麦から米に変わる上に、生の小麦粉塗り込んで傷治るってなんだよ!』
「なら、オレンジジュースなんて饅頭に一切合切関係ないのに普通に使っt……むきゅ、オーケー、判った、余計なこと言わないから睨
まないでちょうだいな」
俺のメンチ切りに、ぱちゅりーは冷静だが、背後のゆっくり家族が「ゆっくりできない」だの騒いでいやがる。失礼な。
確かにゆっくりに嘗められないように、頭を大きく見せるためにアフロにしてから、『アロハでアフロの鬼瓦』と呼ばれ、たびたび職
務質問で職業を聞かれるようになったが……そんな泣くこと無いだろ、主に顔が怖いとか言うな! こっちが泣くわ! なんだよ職業の
訊き方が暴○団orその他って!
「で? 結局何がしたいのかしら?」
『うむ、饅頭とゆっくりの違いを検証していきたいと思う!』
俺は100円ショップで買った饅頭と大福、及び加工所の作ったゆっくり饅頭を取り出した。
「「「ゆぅうう!! あまあまだぁぁぁぁぁ!!」」」
『黙れ、殺すぞ』
「お兄さんは本気よ」
「「「ゆっくりりがいじまじじゃああああああああ!!」」」
……俺が登場したり喋っただけでゆっくりが驚いたり怖がったりするのはアフロのせいだと思いたい。
アフロになる前からだけど。
あと、ぱちゅりー余計なこと言うな、事実だけど。
早速水槽に水を張ったモノに敷居を作り、ゆっくりが暴れたときの影響が出ないようにする。
そして、その上に、赤れいむ、饅頭、大福、加工所饅頭を吊し、同時に落下できるようにする。
重さ、大きさもほぼ同じ饅頭が、今、地獄へ向けて落下する……内訳は4分の1だが。
『食べ物を知的欲求のために粗末にすることをお許し下さい、南無南無……』
「むきゅ、お兄さんは命を粗末にすることを悔い改めなさいな」
『そこはもう諦めたので、地獄に行ってから後悔します! ガ○ゾーンの横の辺りで』
「ガデさんは光○郎は待ってても、お兄さんは待ってないわよ」
「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! おがあぢゃぁぁぁん!!」
「「おぢびぢゃあああぁぁぁぁん!!」」
ちびや親れいむ、まりさの叫びを無視して会話と作業を進める俺たち。
『それでは、3、2、1、ゆんやー!』
「むきゅ、ゆんやー」
ぱちゅりーが紐を引くと、同時に赤れいむと饅頭の足場が無くなる。
「ゆんやああぁぁぁ!! おしょりゃ……! がぼっ! おみじゅしゃ……ゆっきゅ……でぎ! がぼ!」
早速溺れだす赤れいむと、静かに沈む大福、以外と浮かんでいる饅頭と加工所饅頭。あ、でも沈み始めた。
「れいみゅ! ちにたくないよ! おみじゅしゃんしぇーしゃいしゅ! げぶ! ぶきゅぅぅぅぅぅぅ!!」
赤れいむはぷくーをした為浮かんでいる。これは思わぬ僥倖であろう。しかし、無意味にケツとあんよを振り回していたため――
「れいみゅのあんよしゃんぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
赤れいむの底の部分が溶けて破れてしまった。そこからあんこが流出していく。更に、ぷくーを止めて叫んだため、沈み始める。
「あんこしゃん! でていかないぢぇにぇ! がぼぼ……! お、おびょれりゅぅぅぅ!! げばぼ!」
暫くすると大量の餡子の塊が、赤れいむの身体から流れ出ようとし始め、赤れいむの顔は痩せこけてしまい、目玉の片方は餡子に引き
ずられて陥没、片方は皮に残って飛び出していた。
「もっぢょ……ゆっぎゅ……」
ずるん!
でかいうんうんでもするように、餡子の塊が水中に出て、水に溶けた。
「「おでぃびぢゃあああああああ」」
「「「いもうちょぎゃあああああ」」」
「「「おねえぢゃあああああああ」」」
あ、ルーレットの赤まりさだけは、すでに自分が忘れられてることで暗くなってる。いや死んでるのかアレ。
さて、結果は――大福は水槽の底に鎮座したまま、饅頭はやや表面がボソボソと溶けている箇所もあるが溶けきるには三日はかかりそ
うな状態……いや、かき混ぜでもしない限りは暫くこの形状のままだろう。加工所饅頭は、未だに静かに沈下している最中だった。
勿論溶けて等いない。
赤れいむが水に溶けた程度で、水中の糖分が飽和(水溶液にはなっていないが)するほど狭くもない。
この結果をひとしきり眺めた後、ぱちゅりーに尋ねる。
『ぱちゅりー……どう思う?』
「……単に暴れたからって可能性もあるわ。検証材料が必要ね……最低二回」
『なぁに、ほぼ同条件の残弾は三個ある』
「「「ゆひぃぃぃぃ……!!」」」
2:赤ゆと市販の饅頭比べ「お水編」その2
市販の饅頭など、先ほどと同じラインナップの菓子三つを準備する間、先ほど水に沈んだ饅頭をぱちゅりーに食べさせ、水でグズグズ
になった赤ゆは、親ゆっくりに食べさせた。
ぱちゅりーは多少水越しに付いた死臭でまいるほどヤワではない。
しかし、親ゆ二匹は今にも吐き出しそうになるのを耐えている。
『さて、饅頭に穴を空けたぞ、擬似あにゃるだ』
「締まらないわねぇ……」
『確かに括約筋ならぬ、あにゃる括約餡がないから閉まらないな』
上手いこと言ったつもりかという、ぱちゅりーの冷たい視線を浴びながら俺は秘蔵のアイテムを取り出す。
『ぺけぺけん! ピンクロ~タ~(×3)!』
お、今のセルフSEと物真似はかなり似てたぞ!
ぱちゅりー! つっこみ処だぞ! と、期待しつつぱちゅりーに視線をやると、
「彼女無し童貞のお兄さんが、なぜ三つもローターさんを持っているのかって事には……つっこんだ方が良い?」
『再起不能になるから止めて下さい!』
言葉のナイフを振り下ろされた。
『まあいいや、擬似あにゃるにローターを突っ込んで……ええのんか~? ええのんか~?』
「なんか、もう……お兄さん気持ち悪すぎて、お兄さん自体が可哀想になってきたわ」
『現実に引き戻すなよ! 客観的に見ないことで、折れやすいナイーブハートを支えてるんだから!』
なんにせよ、暴れるゆっくりを擬似的に再現した、“ぶるぶる饅頭”が完成した。
これで、赤ゆとの差を見極めるのだ。
『正確にゆっくりの動きを再現したわけでもないんだが』
「ある程度は仕方ないわよ、それが再現できる技術力がお兄さんにあったら、どれほど奇人でも、技術職から窓際公務員補佐(非正規雇
用)なんてジョブチェンジしてないはずよ」
『すっぴんじゃないだけましでしょぉぉぉぉぉ! どうしてそんな事言うのぉぉぉぉぉ!!』
早速先ほどと同じように、赤まりさを水槽の上にセットする。
「ゆんやぁぁぁぁ!! おかーしゃぁぁぁん!」
「「おちびぢゃぁぁぁぁぁん!!」」
この家族の子供、いつも助けを求めるの母親だな……と、父親役の親まりさに同情しつつ、気付いていないようなのであえて口には出
さない。本来なら其処を突いて家族崩壊を狙っても良いが、実験には邪魔だ。
『お、そうだ、帽子取り上げとかないと』
「ゆわぁぁぁん!! おぼうししゃんがにゃきゃったらぷーきゃぷーきゃできにゃいぃぃぃ!!」
おお、「ゆっくりできない」じゃなくて、浮かべないことを考えてたのか。なかなか危機回避能力が高いな。人間宅侵入に加わった時
点で無用の長物だが。
『それでは3、2、1、ゆんやー!』
「ゆんやー」
「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
水に落ちる菓子と赤まりさ。すると……
「まりしゃの……すーぴゃー……ごーきゅごー……がぼぼ!」
水槽の水を飲む気だコイツ……。しかも、最近とんと聞かなくなった宣言をしてから。
「たいみゅ、はj……ごぼ……ごーきゅごーきゅ」
しかも、途中で諦めやがった。
しかしながら、当然水槽の水は飲みきれる量ではなく。
「ごーきゅ、……ごぶ! しーしーで……りゅ……うんうんも……がぼ!」
中身が水っぽくなった赤まりさは口とあにゃるとしーしー穴及びまむまむから、黒っぽい水を吐いて、皮だけになった。
『意外と浮かんでたけどな……』
「沈むことより、水を飲む苦しさが勝ったからじゃない?」
『……意識しなければ沈まないのかよ』
俺の言葉にぱちゅりーは暫し思いに耽り。
「まあ、思い込みの力……って事で」
『そんな“だいたい守矢のせい”みたいに言われてもなぁ』
3:赤ゆと市販の饅頭比べ「お水編」その3
今度の赤れいむは口を早速小麦粉で塞いだ。
すでに、蒸し上げた饅頭皮になっている。和菓子屋に謝れ。
こいつは親ゆっくりに、いつのまにかグズグズになってしまった饅頭と赤ゆっくりを混ぜたモノを与えている最中、泣いている親に対
してあまあま寄越せとか、ゲスだの罵ったあげく。
「おねーしゃんたちもあまあまをひとりじめしにいったんぢゃね! じゅるいよ!」
と、目の前で起きた惨劇を忘れて生きていこうとしていたので、折角だから本ゆんの望み通り、姉たちと同じ場所に連れて行った。
最初は文句がありそうだったが、水槽の上に来た時点で何か思い出したのか、泣きながらゆっくり流の土下座をしていた。
まあ、問答無用で落としたけど。
『ゆんやー!』
「ゆんやー」
「……っ……!」
……悲鳴も上がらないので、ただ観察するだけである。
『おお、ぶりんぶりん動いてる、生理的嫌悪感を催すなぁ』
「でも、市販の饅頭さんの表面の方が先に剥がれたわ……細かい振動だものねぇ」
『大福は変な亀裂があにゃるから……擬似あにゃるはダメかな……』
「……」
『……』
本当に見ているだけである。
『おい、死にたがりのむきゅう』
「お兄さんとぱちぇがジュビロ信者に殺されても文句がないなら、その呼び方で良いわ」
『“バリ○ッチ”しようぜ』
「あからさまに人数が足りないわよ、“数字”で良いじゃない、親指とぱちぇの二房の髪の毛で出来るわよ」
『でもリズムは“バ○チッチ”な』
「むきゅ」
そんなこんなしている内に、赤れいむは溶けた。
一部が破けると、一瞬で解かれ溶けた。
皮も形を残さず。
『うむ、他の饅頭類はまだ形を残しているのに』
「擬似あにゃるさんより根性無しね」
「「おでぃびぢゃぁぁぁああん……」」
4:赤ゆと市販の饅頭比べ「お水編」その4
最後の実験は赤ゆを動けないようにして水に落とす実験だ。動かない普通の饅頭のことは最初の実験で判っているので、赤まりさだけ
を手に取る。
「やめちぇね! まりしゃつよいんだよ!」
いつもなら適当に聞いてやって、ぷくーさせたりして心をへし折るのだが、今の俺には実験が優先され、赤まりさの戯言など右から左、
何処吹く風である。
ゆ虐お道具箱にしている煎餅の一斗缶から待ち針を取り出す。
「ゆ! ……やめちぇね! ちくちくしゃんをまりしゃにちかぢゅけにゃいぢぇにぇ!」
『プスッとな』
「ゆ”!!」
中枢餡のほんの僅かを削るように針を刺す。
「まりしゃのおきゃらだがうごかにゃいんだじぇ」
目から涙は流しているが、筋肉代わりの殆どの餡子が動かなくなり、動けない処か声に抑揚が無く、無感情な音が響くだけだった。
そんな無表情赤まりさを水槽に乗せる。
『3、2、1、ゆんやー!』
「ゆんやー」
「ゆんやあ」
水面でも水底でもなく、水槽の中間くらいに浮かんでいる。
『……チッチッチッチバ○ッチッチ、3』
「むきゅ」
バリッチッ○開始数秒で赤まりさが溶けた。
『うおぉぉぉぉぉ! 早ぇ!? どんだけ俺にバリッチッ○チやらせたくねぇんだよ! 賢者も戦略練れねぇだろ、こんな短時間じゃ!』
「お兄さん、伏せ字の使い方が間違ってるわ」
『俺がミドリ○タZならキレてるな!』
「お兄さん、伊○院さんはオペラ座の大○人さんのナビゲーターよ」
まあ、一頻り結果が出たので、咳払い一つの後に結果を述べる。
『結果発表!』
「どんどん、ぱふぱふ」
『今回の実験結果!』
「だららららららららららららららら……」
『それは!』
「ダン」
全くやる気は伝わってこないが、効果音をちゃんと入れてくれるぱちゅりーに感謝しつつ、すでにお互いに判りきったことを言う。
『ゆっくりは、饅頭以上に溶けやすい!』
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
『この結果をどう思われます、ぱちゅりーさん』
「思い込みの力ね、溶けると思い込んでるから余計に早いのよ」
…………。
『……もう思い込みを理由にしとけばゴ○ゴムの仕業レベルで的中するんじゃない? それ』
5:実験前に用意しよう
さて、こうなってくると、いくつか疑問に感じたことを実践してみたくなるが、健全な赤ゆが居なくなったため、次に使えるのは子ゆ
となる。詰まるところソフトボールサイズだ。そんな市販の饅頭は余り見かけない。
中華まんという手もあるが、何となく違う気がする。
『というわけで、今練った生地で包んだ餡子を蒸し焼いきにして、ソフトボールサイズの饅頭作ってます!』
「むきゅぅ、どうでも良いことにのみ使われる努力と労力と情熱……か」
『そんなこと気にしていたら鬼意山は務まらないぞぱちゅりー! 精進せよ!』
「目指してないし、女の子なのよ一応」
饅頭が出来上がる前に、使えそうな物がないか、お隣の実験鬼威惨の所へ相談に行く事にしている。
「お隣の音形さんね」
『そうだ、オトナリさんだ。ぱちゅりーも行くか』
「むきゅ。ぱちぇも疑問があるのよ。連れて行って」
俺はぱちゅりーを頭に乗せると、庭から垣根を跨いでお隣に侵入する。
こうしないと、飼いゆ狙い鬼異山対策と野良ゆ侵入対策のトラップに引っかかってしまうのだ。
途中でゆっくりを大量に潰してから配達に来た郵便屋さんが網に掛かっていたのは良い思い出である。
『おーとなーりくーん、あーそーぼー!』
『小学生か! 開いてるから入れー』
部屋に入ると、胴付きやら、希少種やら、首無しやら沢山居る。
更にキャタピラ付き、パラボラ付き、頭三つ付きの犬型きめぇ丸など、珍種と改造ゆっくりのオンパレードだ。
丁度、新種のゆっくりの調整が終わったらしい。
『おう、良く来たな、新品を見に来たか』
『それもついでに頼む』
ついでかよ、と言いつつ嬉しそうにれいむを台の上に乗せる。
こいつに協力を要請する場合は、コイツの“作品”を見なければ、交渉が始まらない。
「むきゅ、おとなりのお兄さん、そのれいむはなぁに?」
「れいむはれいむだよ。ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね」
『こいつはな、中途半端に知能を高めたシリーズ第12弾“音痴なくせに歌が好きだが、自分の音痴さが理解できてしまいゆっくりでき
ないれいむ”だ』
『「うわー嫌がらせが地味ー」』
俺とぱちゅりーは同じ感想に至ったらしい。
しかし、俺らの発言は無かったかのように音形は話を進める。
『本来、ゆっくり――主にれいむは人間の音程とは違った感覚を持っている上、それでいて歌が好きなわけだが、その中で仲間内からも
すこぶる音痴と評判のれいむに、みすちーやぷりずむなんちゃらの聴覚器官の餡子を移植したのが、このれいむだ!』
『すると、自分の歌声が不快に感じるって訳だな』
「ざっつらいと」
『お前が言うのかよ』
れいむはふんぞり返っている。とてもゆっくりできていないとは思えない。
『なんか自信満々だぞコイツ』
『うむ、先ほど妙案が浮かんだそうだ』
「むきゅ、聞いてみたいわ」
「ゆふん! せつめいしてもいい?」
二人と一匹が頷く。
「たしかにれいむはじぶんのおうたさんではゆっくりできなくなったよ、けれど、だれかにきかせるまんぞくかんがなくなったわけじゃ
あないよ!」
『そんなジャイ○ンリサイタル理論嫌だなぁ』
「ゆふん! まだおわりじゃないよ! でも、あいてがふかいになっちゃたら、おたがいゆっくりできないよね? でもおうたはうたい
たい! だから、じょうたつできないなら、ごまかすほうほうをつかうんだよ」
「どうやって?」
れいむが胸に当たるであろう部分を大きく張る。
「へたなのが ぜんてい のおうたにすればいいんだよ! さっそくうたうね」
『梅酒のCMソングもまともに歌えないのにか?』
『まさか本当にジャ○アン歌う気じゃあないだろうな、あれ、TVで再現してるから意外と普通の歌d……』
「ときをこえーろ! そらをかけーろ! このほーしのためー!」
『テメェ! 饅頭! 表に出ろぉぉぉ!! ぶっ殺してやる!!!!』
「落ち着いて、お兄さん、れいむにしては音が取れてるわ」
『原曲を綺麗に再現してるな、改造にこんな盲点があるとは』
怒り狂う俺を横目にれいむの歌を褒める一人と一匹。
『テメェら、BLA○K馬鹿にしてんのかぁ、ゴラァ!』
『良いじゃないか、翌年には同じ主役に汚される番組だ』
『てめっ……R○ディスってんじゃねぇぞ! てつ○馬鹿にすんな! ステーキに○Xのマーク書いてくれたんだぞ!!』
俺はしばしエキサイトし、極度に恐がりのゆうかにゃんに変なトラウマを植え付けるまで暴れた。
~小休止~
『だからさ……俺の青春って言うか、俺のディスティニーだったんだよ……』
「うんうん、お兄さん、落ち着いたかしら」
「わかるよー、お兄さんは太陽の子に勇気を貰ったんだねぇ……」
俺は自分ちのぱちゅりーと、さとりの特性を持った“本当によくわかってしまうちぇん”に慰められて漸く落ち着きを取り戻した。
『で、お前何しに来たんだっけ?』
潰れたれいむを回収しながら、音形が聞く。
『ああ……今ビデオカメラ壊れてるから、記録係が欲しくて、“記憶力の良いれいむ”貸してほしくて、今どこの公園にいる? それと
も死んだ?』
『いや、番が死んで裏の空き地に戻ってるよ』
『そうか、ぱちゅりーは何か用があるんだろう?』
「むきゅ! 胴付きの構造に詳しくて、ぱちぇレベルにも判りやすく説明できるゆっくりは居る」
これは遠回しに“音形、てめぇに聞くと蘊蓄長くて意味わかんねぇから代先用意しろよ”という意味合いで、音形の解説を暗に断って
いる。
『それなら同じく裏の空き地に流れてきたまっちょりーが居るよ』
「むきゅ! 聞いてみるわ」
『ほんじゃなー』
6:実験前に用意しようⅡ
裏の空き地と言うが、空き地ではなく音形が実験ゆっくりを飼っている私有地を空き地風に整えているだけである。いくつかの場所に
音形宅への抜け道があり、また、空き地中央に人間大のドスがおり、中枢餡をいじられ生きたいという欲求と、ドススパークのエネルギ
ーを利用した謎の自爆技で、不法侵入した虐待お兄さんにアッツアツの餡子をばらまく瞬間が最高にゆっくり出来るという認識により、
常に恐怖と武者震いを続けている。ちなみに先代ドスもモヒカンに地味に重傷な火傷を負わせたが、私有地に火炎放射器と釘バットを持
ち込んだ何とも間抜けなモヒカンは、あわれその場で御用となった。
まあ、所有者はその場のゆっくりが全滅しても、その結果を書き残すだけだろうが。
俺はある段ボールの入り口らしき部分を叩く。
「ゆ? あ、人間さんは、私を改造した音形さんのお隣のお兄さんだね、七ヶ月と三日ぶりだね、元気だった」
段ボールから顔を出したのは、先に述べた記憶力の良いれいむ。
基本的に実験は野良として街に放たれるのだが、時たま番が死んだり子が死んだり、子が巣立ったりで此処に戻ってくる。
公園の群れなどでは、知恵袋の伝説のれいむ として持て囃されてはいる。膨大な記憶から様々な死亡フラグを回避する術を知っている
――否、覚えているからだ。
しかし、教えたゆっくりがそれを活かせるかどうかは別の問題。
歩く死亡フラグのゆっくりが、れいむの知識を忘れるのも茶飯事なら、れいむの知らないパターンで死ぬ場合も多い。
その度にその知識と共に、死んだゆっくりのことも忘れられなくなるのである。
その為、れいむは疲れ切った顔をしている。
『今年はみょんと番になったんだっけ?』
「みょんはフラフラした動きの人間さんのスィーに轢かれたよ――飲酒運転さんっていうんだって、人間さんもゆっくりできない物らし
いね、スィーも電信柱さんにぶつかってたよ」
『ちびは?』
「今年は何とかふたりだけだね……ゆカビが身体の中から進行するなんて、れいむ初めて見たよ、食べてた草が悪かったらしいけど、食
べさせた112種類の草さんの中で、その後も食べた35種類を除いた77種類に原因があるんだろうけど……それでみょんに似たおち
びちゃん以外、7匹みんなね……ゆカビが原因なのは2番目のまりさとの5回目の子供全員と、最初のありすとの3回目の子供の次女と
五女以来だから焦っちゃたよ」
……記憶力が良すぎるのも考え物だな。今現在、れいむは死んだおちびちゃんとやらは、それぞれどんな特徴があって、どんな性格で、
何が好きで、どんな趣味があったか話しているので、気が済むまで聞いてやっている。
「ところで人間さんは何か用?」
『うん、これかられいむに死ぬゆっくりの様子を見て欲しいんだ』
「……それは後々役に立ちそう?」
『どうかな? 人間にはこんな酷い奴が居るって具体例にはなるんじゃない?』
「判ったよ」
刃向かっても得がないのを知っているのも時には損だな。
そう思ってぱちゅりーの居る方を見ると……なんだありゃ、熊か? 熊を殺す柔術家か?
柔道着を着込んだ何かが立っていた。
「武求ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
そいつが雄叫びを上げた。
「良いわ! その向上心! でももっと熱くなれよぉぉぉぉぉぉぉ!! 無究ぅぅぅぅぅ!!」
「むきゅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
そいつはウチの可愛いぱちゅりーにダブルバイセップス・フロントからサイドチェスト、更にラッドスプレット・バックからアドミナ
ブル・アンド・サイの四連続コンボを見せながら、何か指導している。
お願いだから変なこと教えるなよ。
すでにその爽やかさが突き抜けてキモい事この上ないが、それも突き抜けて一周回って爽やかな笑顔と、気持ちの悪い筋肉のしなやか
な躍動が、PTAだったらヒステリー起こしそうなくらい教育に悪そうなんだから(憶測)。
「武に心を求めるのよ! この世に究極など存在しない! 夢のように爽やかなれ! 夢級ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「むきゅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
もう何言ってるのか全然判らないけど、一応聞いてみる。
『あの……キミが、いえ、貴女がまっちょりー?』
「无九? そうよ私が『うートイレトイレ! うほ! 良い美少年! 盛りの付いた拳闘士』略して『もりけん(笑)』のぱちゅりーよ」
こいつもゆっくりなのか。
HENTAIの理想型“胴付き”にカテゴライズされるのか。
っていうか、近くで見たら道着に『Z○Nの安トークライヴ』って書いてあるけど。
「ぱちゅりーが私に、胴付きの事を聞きたいらしいのよね! だから、教えていたの!」
『はぁ』
「胴付きなんて思い込みってね!」
『思い込みの力って“ハ○ヒの能力のせい”ってレベルで便利な言葉だな。』
「だってお兄さん、胴付きの中身は餡子、パチェに至っては生クリームよ!」
そこで気付く。
ハッとした俺の手を自らの上腕に当てるまっちょりー。
「見ろやこの筋餡!」
『か……かっちかちだ……!』
いや、表面が硬質化していたとして、しかしこの重さと体格を支えるにはまず骨格が必要になる筈。
しかし、ぱちゅりーの中身はありすのカスタードクリームより形状維持力は高いが、きめ細かく潰れやすい生クリームだ。
「むきゅううう!!」
ウチのぱちゅりーもそこに気付いて驚愕している。
「さらに、ぱちぇにはサブミッションは基本的に利かないわ!」
『「なんだってぇぇーーー!!?」』
「ぱちぇの中には、骨の継ぎ目も筋肉の境もない。つまり……!」
まっちょりーの腕がぐねぐね動き、指も腕も関節部が曲がってはいけない方向に曲がり、関節がない場所も曲がり、また元に戻った。
「関節など! 存在しない!」
王者の技が――利かないとでも言うのか……っ!
「まあ、そのまま捻り殺しに掛かれば良いだけなんだけど」
『ですよねー』
7:お空を
『密林玄翁!』
「お兄さん、今日はジャ○グルTV推しなの?」
家に帰ってきた俺とぱちゅりーは、れいむと共にあの家族の子ゆっくりをシーソーの端に足焼きと口塞ぎ、中枢餡を一部破壊し、先ほ
どと同じように動けなくして置いたものや、つるされた子ゆっくり等を見ていた。
『残り容量の問題もあるからサクサク行くぜ!』
「メタい!」
最初の子ゆっくりの横には同じ大きさの饅頭。シーソーのこちら側を勢いよく叩けば同じ方向に飛ぶはずだ。
『そいや!』
子ゆっくりと饅頭が同じように飛ぶ。悲鳴が聞こえないのが難点。
地面に落下すると、饅頭は潰れて餡子が僅かばかり砕け散ったが、とんだ子ゆっくりはのまりさは、完全に爆ぜて、水っぽい餡子の跡
が残った。
『……これは、体内の水分……砂糖水のせいか』
「むきゅ、砂糖は餡子から出るのよ、脳内麻薬みたいに糖はぱちぇ達の中で増えるし、水分は普通の饅頭より多めでも、これじゃ水風船
よ」
どちらかと言えば、血しぶきのイメージに近い気もするが、ぱちゅりーは兎も角、手伝ってくれるれいむに変な知識を植え付けたくな
い。
『れいむ』
「まりさの方がお饅頭さんより平均して2センチ下をとんでた位だよ」
高さ衝撃による物でも無いらしい。
確認するため、ロボピッ○ャに饅頭と子まりさを詰めて、自宅の生け垣とは別のコンクリートブロック塀に向かって発射する。
饅頭は爆散。
子まりさは黒い染みとなってしまった。ビチャって音と共に。
『よし、次だ!』
吊された子れいむと同じ大きさの小麦粉を蒸しただけの塊。重さは明らかに小麦の方が軽い。それを子れいむには頭に乗せたりして覚
えさせている。
更に、小麦粉の塊を何度か子れいむの目の前で手から落として見せ、速度を覚えさせる。
そして、つるしてあるロープに、同時に切れるように鋏を当てる。
『いくぞ、3、2、1、ゆんやー!』
基本的に重さが違っても同じ形状サイズの物は同時に落ちるという。しかし、実際は風圧、重量の差、掛かるべき力などの要因で結果
は変わってくる。
それでも、今回は子ゆっくりが落ちても痛くないであろうマットの上で、しかも150センチ程度という高さから落としたので、そこま
で違いは出ないはずだが、子れいむは高速飛行物体のように落下した。
自分は小麦玉より重いという思い込みからか小麦玉の5倍は速いであろう落下をした。
そして、赤ゆでも潰れない条件で爆ぜた。
ぎりぎり致命傷には至らなかったのか、口が開き。
「れいむのあんよじゃんぎゃなぐなっぢゃっだぁぁぁぁぁぁぁぁ!! おがぁぁじゃぁぁぁぁん!」
と、喚いている。
無くなったのはあんよじゃなくて、下半身の表面とギリギリ致死量にならない餡子だ。
『うっさいわ。密林玄翁』
「ゆぎゅ!」
子れいむを完全に潰した。
『ぱちゅりー先生、どう思う?』
「先生ちゃうわ。むきゅ、思い込みの力その物ね」
「ゆん、そうだね」
『なんか、ミノフ○キー粒子レベルで便利な言葉だな』
8:蹴り飛ばす
「ぼうおうぢにがえらじでぐだぢゃいいいぃぃぃぃぃぃ!!」
泣き喚くまりさを縁側に置く。勿論ボールを固定するリングに乗せて動けないようにして。
成体サイズなので、この場合は蹴りだろう。
ほぼ同じサイズ同じ重さ、飴細工の髪と白玉の目をいれた、俺特性成体サイズの勿体ない饅頭を横にセットする。
「ゆゆ!? 変わっだまりざなんだぜぇぇぇ!! ゆっぐりじでいっでね!」
『これからお前を外まで蹴り飛ばす。生きていたら逃げても良いぞ』
「ほんどでずがぁ!? ありばどうございまずぅぅぅぅぅ!」
俺は先ほどの空き地に狙いを付けて、蹴り込む準備をする。
どうか、まりさの落ちる先に、罪のない改造ゆっくりがいないことを祈って。
『せいやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
「ゆぷぎゃ!? おそらっ……げぺらっ!」
数メートル飛んで空き地に落下したらしい。ボール固定用の輪っかを持って行かれたのはちょっと勿体なかったか。
続いて自分で作った饅頭にシューt……
『ゆがぁ!!』
ゆっくりみたいな悲鳴をあげてしまった。
全然飛ばねぇ! そりゃそうだよ、バスケットボール大の中に餡子がぎっしり詰まってるんだもん。
持った感じも重い感じがしたけど、まりさは苦もなく持てるのに、こいつはずっしり来といて、同じ重さだもんな。
訳判らん。
親指のつま先から血が出ているって事しか、今は理解できない。
縁側の上にポテッと転がったまりさモドキ饅頭を睨みながら、ぱちゅりーに向き直る。
「思い込みよ」
聞く前に答えられた。
『そん……ぁな……ATフィー○ドみたぃな……』
「ゆぅぅ! お兄さん、無理してお決まりの突っ込み入れなくて大丈夫だよ!」
れいむ、優しいなお前。
さて、思うところの実験はし尽くし、逆にこれ以上実験を続けるならゆっくりの頭数が足りない。
なぜか、こういった事をしている最中に、別のゆっくりが家に来たと言うことはあまり無いし、話としても聞いたことがない。それも
ゆっくりならではの思い込みか。
こうなれば、元親れいむも邪魔なだけなので、コイツも空き地に放り込むことにする。
「でいぶをだじゅげでぐだざぁぁぁぁぁぁぁぃぃいいい!」
『わかった。向こうの空き地に放り込んでやるから、好きに生きろ』
「ありがどうごじゃいまずぅぅぅぅぅ!! やさしくなげでねぇぇぇぇぇぇ!」
いちいちむかつくことを言うよなコイツ。
ここから塀の向こうまでゆっくりを投げ込んだ回数は数知れない。失敗などまず起きない距離だ。
ただ、向こうには改造された捕食種もいるから、その後の事は知らない。
『ほらよ!』
「ゆぎゃぁ!!」
『「「!?」」』
俺と二匹は驚きを隠せないといった表情で全員顔を見合わせる。
れいむは、まるで重い物を腕力のない人間が投げたときのような不可思議な軌道を描き、尚且つ拘束でブロック塀にぶつかり、速度に
見合わない餡飛沫をあげて爆ぜたのだ。
まさか、今までの家族のルール無用の(一方的な)残虐ファイトっぷりを見て、自分の末路を無意識下で認識してしまったのだろうか。
つまりこれは――
『……ぱちゅりー』
「ぱちゅりー?」
「…………思い込みよ」
『もう、ゲッ○ー線みたいな物だと思っとけば良い?』
9:つまるところ
ゆっくりの周りの不思議は、ゆっくりの思い込みに依存する形になっているのだと推測し、全国の虐待お兄さんと、ゆっくり対策グッ
ツ販売業者には悪いが、少しでもゆっくりの害に遭っている人間と、そこから始まる誤解で死ぬゆっくりを減らすため、全国の制裁鬼意
山など有志を募ってある実験を試みたのである。
様々な群れのゆっくり、街中、公園、路地裏、山村、山中問わず、――本当に様々な所でほぼ同時期に三ヶ月単位で実験を行った。
それは、ゲスゆを差し出させ、それを群れの前で実験道具にするというものだ。
群れにしてみれば、ゲスは一年通してどんどん生まれ、ゆっくりできない“せいっさい”を他者が買って出てくれるのだから、渡りに
船と言わんばかりにソイツらを差し出してきた。
それで、群れの目の前で3つの事をしてみせるのである。
一つ目はゆっくり対策用の強化ガラスに石を咥えて突撃させるのである。
自信満々で突撃したゆっくりは、中枢餡を咥えていた石が中途半端に刺さり、苦しんだ後絶命する。
二つ目は生のお野菜の恐怖を教える。
大根おろしを先に辛い物だと認識して嘗めさせ悶絶、その後大根を嬉々として丸かじりしている所に大根おろしの製造方法をみせるの
である。
また、ゆっくりが自分より強固だと認識している“けっかい”や段ボールに人参などを良い角度で落とす(ポイントは先に段ボールを
水でしならせたり、底面をくんでいない状態にしておくこと)。これで、けっかいや段ボールを壊すほど野菜が堅いと認識させた上で、
ゲスの頭に人参をぶっ刺したり、歯を折ったりする。
三つ目は落ちている人間のあまあまは恐ろしいと認識させる。
ゲスでは無いゆっくりに普通のお菓子をあげ、ゲスにはフィルム会社の作った美容薬品のゼリーを与える。
ゲスは旨そうに口に含んだ後「うめ! めっちゃぱn……これあまあまにゃのにどくはいっちぇる!」と良いながら悶絶する。
人間のあまあまが、ゆっくりできるとは限らないと教える。
まあ、これは増長する余地を大きく残しているが、飼いゆがお菓子を食べられなくなったら、それはそれで哀れ。
だからといって、ゆっくりを過剰保護する気もないので、そこら辺は虐待鬼意山でやりたい人が居ればやればいいと思う。
基本週末で有志が全国で一斉に行い、暇のある奴は週に何回か行ったのだろうが、それでも予想より遙かに早く、二ヶ月もしない内に
結果が現れだした。
別に強化ガラスで出来ているわけでもない家の窓ガラスで死んでいる野良ゆ。
畑に降りるゆっくりが減り、居ても野菜の一つを囓った時点で死んでいる。
ゴミを荒らすゆっくりが減った。最大の目的が無くなったために、意欲が沸かないのだろう。
全部が全部、全く害が出なくなったわけでもないが、なるほどゆっくりの思い込みを利用した結果が出たわけだ。
これは、生まれたときからゆっくりが“加工所”という言葉を拒絶したりするのに気付いて考えた方法だった。
なにせ、ペット用ゆっくりは加工場生まれも多く、親から引き継いだ記憶だとしたら、野良で生まれた者で駆除などを生き延びたゆっ
くりの記憶に寄る物だとしても、異常なまでに数が多いと思ったからだ。
しかし、加工所の売り上げに響くようなことをして、生活などを狙われないか気にしていたのだが、各市町村からの表彰など、警察や
消防からも表彰され、金一封だけでかなりの額になり、それをゆっくり駆除にこれまで貢献した加工所と今回のことで被害に遭った皆様
にと、幾らかを自分の手に残してばらまくと、一応は問題なく済んだらしい。
加工所は別のゆっくり被害用の商品開発に着手し、所長なる人物から手紙で“これ以上はNG”といった旨の連絡を貰って手打ちは済
んだらしい。それ以上に人間に物乞いをするゆっくりも増えたので、そちらの対策グッズが飛ぶように売れているらしい。
流石、商人はタダでは起き上がらない。
あと、過激愛護団体や逆恨みの鬼意山未満の虐待派が、逆恨みして家に乗り込んでくる事があるが、予想は付いていたので、予め音形
に頼んで、家にアル○ックなど目じゃないセキュリティーを手元に残った金で作って貰った。
半年前も基地外じみた、意味不明の博愛主義を叫ぶ金属バットを持った博愛という言葉からかけ離れた姿の人物が、ネットに捕まった
まま警察に連行された。
しかし、とある愛護団体がその逮捕者から裏付けを取って、なんやかんやの罪状で構成員全員逮捕と相成ってからは、随分と平穏にな
った。
それと、うちにも幾らか変化があった。
あの記憶力の良いれいむが我が家の一員になったこと。
なんと、蹴り飛ばしたまりさがれいむの家を着地で潰したらしく、その日の夜は雨。
仕方なくれいむを家に入れたまま、雨は一週間続き、いつの間にか胴付きになっていたれいむは我が家の家事手伝いになった。
胴付きになったからと言って、れいむに対する対応は変わらないが、ぱちゅりーはしきりにうらやましそうに質問を繰り返している。
胴付きに憧れがあるらしいが、れいむには掃除・片付けなどを手伝って貰う以外は変わりないので、記憶力の方が絶対的に役立つ。
そして、あのまりさ。
数日後に、以前所属していた公園の群れを引き連れて来たので、報復に来たかと思いきや。俺を救ゆん主だと言い始めた。
なんとあのれいむはでいぶで、俺が初っぱなに心を折るまで群れの暴君だったらしい。
そんな雰囲気、今回の話の何処からも感じなかったが、父親のまりさを子供に奴隷として教え込んでいたというのは思い当たる節があ
る。アイツらは母親にしか助けを求めなかったから。
そして、俺を殺す気だったそうだ。ゆっくりに殺せるかと笑いかけたが、まりさが“枝さん”と称して取り出したコンバットナイフは
少々肝が冷えた。もちろんまりさの意向通り処分。
なんとも都合の良い展開だ。これもお前らの思い込みか?
まりさは空き地で助けてくれた、はくろーけんテクニックが凄いと評判の改造尺八みょんと番になり、毎日お盛んらしい。
新長のありすは俺を天国に行けるといったが、まあ、地獄で受ける刑罰が軽くなるくらいはあるかもしれんな。神ならぬ俺には判らな
いが。
今日もどこかでゆっくりの思い込みによる面白い出来事が起きているかもしれない。
「そもそも加工所の謎技術の透明な箱って……もしかして」
気付いてはいけないこともあると、ぱちゅりーの言葉を無視して俺は今日も部屋の窓を開けっ放しにした。
10:胴付きになりたいわけ(ちょっとだけHENTAI)
『ぱちゅりーはどうして胴付きになりたいんだ?』
「むきゅ……だってお兄さん、ぱちぇは中がクリームだから、お口もまむまむも、あにゃるも一緒だなっていうから……」
まあ、何といじらしい事。気にしていると思わなかったよ、マジごめん。
「でも、お師匠様にクリームの無限の可能性を教わったわ! お口でも今まで以上にお兄さんを喜ばせるわ!」
師匠ってまっちょりーか。アイツ余計なこと教えやがって。
その晩、俺は心の中で叫んだ。
まっちょりーGJ!
「武究! ごっどぶれす・ゆー!」
アトガキ:
いざとなったら武究に頼る事にしてます。途中まで考えてたゆっくり発電所ネタが不謹慎で使えなくなったから……。
音形出てきたあたりから別の話やし。
鬼意山が童貞発言は、人間に対してと言うことです。
DX怪人ファイルは無し! 武究!