ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3497 うんうんおちび
最終更新:
ankoss
-
view
『うんうんおちび』 37KB
観察 思いやり 愛情 家族崩壊 同族殺し 駆除 番い 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 独自設定 うんしー ぺにまむ うんうんSS とかいはうんうん
【1:れいむとまりさの腐った日々】
れいむとまりさは幼なじみだった。
そして二匹とも、赤ゆっくりと子ゆっくりが大好きだった。
おちびちゃんを一杯つくって、山ほどのおちびちゃんにかこまれて、いつまでもゆっくりしていたい。
そんなあまあまな夢とともに、つがいとなった二匹であった。
公園に住み着いていたれいむとまりさは、そんなゆっくりドリームを掴むため都会にやってきた。
都会ならご飯があり、ご飯があればいっぱいおちびちゃんを作れると思ったのだ。
しかし経験も才能も根気もない上ゆっくりである二匹にはなにもできず
犬猫やゆっくりのフンが混ざったゴミ袋から、腐りまくったゴミばかりを食べる
糞のような生活に甘んじるしかなかった。
それでも夢へ向けて頑張っていられた二匹は、未来のしあわせのために頑張っていた。
そしておちびちゃんいっぱいの幸せな家庭を築く。
しかし最悪なことに、この街の個体数調整政策により強制的に去勢手術をされてしまったのだ。
「ゆがあああ!! やべろおおお!! やべろおお゛お゛!!!!」
「はいはいゆっくりゆっくり」
ぺにぺにを切断され、まむまむを焼かれ、額に焼印を押されたのである。
手術(というより作業か?時給950円)は30秒で終わった。
おでこには奇妙な「去勢済」マーク。
この街に住むゆっくりはみーんな去勢されてしまう。
問答無用で殺さないだけまだ優しい方であるが、去勢はゆっくりにかなりのストレスを与える。
そしてたったこれだけのことで二匹のゆん生は狂い始めた。
「どぼぢででいぶたちだげこんないじわるざれるのぉ……?」
「ばりざたち、ゆっくりじたいだげなのにぃ……、ゆえ、ゆえぇぇ」
自分たちは宇宙で一番不幸なゆっくりだ。
二匹はそう思い込んだ。
去勢された日は涙が枯れるまで泣き、すっきりを試みたがあかちゃんはできなかった。
「あがちゃ……ゆびぃいいい!!」
「ど、どぼぢでなのぉおぉぉお゛……」
ぺにぺにがないからすりすりですっきりするのだが、
いくら絶頂してもあかちゃんの"あ"の字もない。
落ち着いたらつくろうと思っていた二人のおちびちゃん。
ゆっくりドリームが泡と消え、絶望の日々が始まった瞬間であった。
次の日の朝。
まりさとれいむは自慢のダンボールハウスから這いでて、砂利まみれの公園の床を歩きまわっていた。
ゴミや雑草を集めて、今日のご飯を手に入れなければならない二匹は、
森にいた頃の三倍の時間を使ってなんとか生きていけた。
れいむは公園の中で雑草を集める。お花には手をつけてはいけない。
これは食料調達であるが、それと同時にゆっくりに課された義務でもあった。
そしてまりさはゴミ捨て場でゴミの調達を行う。
ゴミ捨て場を領地にしているゲスグループのご機嫌をとってなんとか許可をもらい、
狩りで得たごはんのうち、糞まずくて病気になりそうな半分だけがまりさに与えられる。
どちらも全身の筋肉餡を酷使する非常に苦しい労働だ。
おちびちゃんさえいれば、もう少し頑張れるのに。
そうつぶやいても何にもならなかった。
次の日も、次の日も、つらい狩りを行わなければならなかった。
いつになったらこの地獄から開放されるのだろう。
まりさはいらいらを貯めこみ、よく物にあたるようになっていた。
「ゆ゛……」
まりさはおてんとさんを睨んだ。
ここ最近、気温がどんどん上がっている。
汗まみれになって死んでしまうのではないかと思う日もあった。
「すごじぐらい゛すずしくじでね゛!! ばりざおごるよ!!」
憎らしい太陽さんに、ぷくーでなけなしの反撃をするしかなかったが、
「ぷぐうううううう!!!」
太陽さんはすずしい顔でさんさんと輝いていた。
さんさんさん!!
「まいっだ!? まいっだらどっかいってね!! すぐでいいよ!!!!」
まりさは数十分太陽と格闘を続けたが、
なんの効果もなく、やがて根負けして泣き出してしまった。
近所のおっさんにうるせえと怒鳴られ、ストレスで餡子を吐いたが
いたわってくれるおちびちゃんはいなかった。
れいむもれいむでかなりのストレスをかかえていた。
「おちびちゃん、おちびちゃん、どぼぢでできないのぉ~♪」
雑草集めを担当していたれいむは、そんな虚しい歌を歌いながらぶちぶちと雑草をもぐ。
歌う歌がこんなでは、元気も出ない。周りで作業しているゆっくりもゆっくりできなくなる。
あるありすなど、ぺにぺにをちぎられたあの日を思い出し、泣きはじめてしまった。
「いいかげんにしろよー!!」
「ゆぶべ!?」
れいむはあまりにもうるさかった。
同じく雑草を集めていたちぇんに体当たりされてしまった。
ちぇんは眉間にシワを寄せ、れいむを見下ろす。
おでこにはれいむと同じ去勢済みのマークがあった。
去勢され、その上ゆっくりできない環境で休みない労働を強いられていたゆっくりたちは、
ぶつけどころのない怒りの感情をもやもやとためこんでいた。
しかし吹き飛ばされたれいむも負けていたい。
「ゆがあああ!! ぶざげるなあああ!! でいぶはがわいぞうなんだああああ!!!!」
ちぇんとれいむの大乱闘になってしまった。
売り言葉に買い言葉、罵倒に次ぐ罵倒。
愛で派が見たら即死するような糞ワードの数々でこきおろす。
「しねっ! ゆっくりしね!!」
「そっちこそしんでねー!! わかってねー!!」
体当たりの応酬でチョコとあんこが飛び散りまくる。
周りのゆっくりに仲裁され、一応喧嘩は終わった。
「れいむはゆっくりできないよー!!」
「ちぇんこそゆっくりできないね!! しねばいいのに!!」
こんな争いは日常茶飯事である。
おちびちゃんという希望を失って、れいむとまりさは絶望にたたき落とされた。
しかしおちびちゃんを欲しているのはれいむとまりさだけではなかったのだ。
公園中、いや街中のゆっくりが去勢され、おちびちゃんに恋焦がれていた。
しかしどうにもならない。
人間のお医者さんにかかることもできない野良は、去勢されれば最後なのである。
ゆっくりたちはすっきりを繰り返すが、やがては無意味であることに気づき、
すっきりする気力も失ってしまった。
毎日が地獄だった。
れいむもまりさも、だんだんとゆっくりできなくなっていた。
いつ非ゆっくり症を引き起こしてもおかしくない。
あんよを砂だらけにする毎日。
故郷の森もどこにあるかわからない。
しかし去勢されて一ヶ月ほどたった頃だろうか。
二匹の生活に、ひとつの変化があったのだ。
【2:れいむとまりさのおちびちゃん】
れいむたちの生活は相変わらずからっぽであった。
じりじりと蝉が鳴く、太陽さんが消えても気温は35度という最高クラスの熱帯夜だった。
れいむとまりさのストレスは限界ぎりぎりまでに達していた。
すっきりしても、すっきりしてもおちびちゃんはできない。
おちびちゃんはゆっくりにとって最高のゆっくりであるのに、
「おちびちゃんつくろうよ……」
「どうやって……? むりだよ……?」
二匹はダンボールハウスの中でため息を付いた。
土ほこりにまみれたのべっとりとした汗が、二匹の肌をつたう。
「まりさ、うわささんをきいたんだよ……」
暑さと食料不足、そして厳しい縄張り争いからゆっくりはゆっくりできなくなり、
おちびちゃんはますます求められていた。
おちびちゃんに関するさまざまな噂が流れ始めていたのだ。
こうすればおちびちゃんが出来る。
ああすればおちびちゃんが出来る。
それらは全てなんの根拠もないバカな噂だったが、
ゆっくりには思い込みの力という最終兵器がある。
「あかちゃんは、おけつすっきりでも、できるんだよ」
まりさは顔を赤らめてつぶやいた。
れいむはにっこりわらってうなずいた。
「ゆ、やってみようよ」
れいむの目には信じる者の炎が宿っていた。
まりさもそのれいむの確信を得たような表情を見てるとだんだんと自信が湧いてきて、
まりさもへんてこりんな噂を信じてしまった。
れいむとまりさの思い込みが一致した瞬間だった。
思い込みが一致すれば、時には大きなことも起こる。
まりさはれいむをじっと見た。
汗にまみれた今日のれいむはじっとりと匂い立つような大人の魅力があった。
ちゅんちゅん。
そしておちびちゃんは本当に生まれた。
「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」」」」
「おちびちゃん!!」 「ゆぅーん!! どのこもかわいいよぉ!!」
思い込みの力は偉大であった。
二匹は去勢されていたため、もみあげとおさげであにゃるを掘りあうという
フェティッシュなプレイとなったが、効果は抜群だった。
徹底的に去勢されたはずのれいむのあにゃるからおちびちゃんが生まれたのだ。
あのすっきりから三日経っていなかった。
ダンボールハウスを這うあかちゃんゆっくり。
夢のような気分になった二匹であった。
しかし二匹のおちびちゃんは、普通のおちびちゃんに比べどこか奇妙だった。
れいむの生んだ赤ゆはれいみゅとまりちゃだったが、
どれもうんこ色で、うんこみたいなゴミまでついているのだ。
その上ゆっくりにしか嗅ぎ取れないウンウミンという物質も、肌から放出されていた。
つまりゆっくりからすれば非常に大便臭い。
おそらくこれはこの赤ゆたちがうんうん餡子の突然変異で生まれたもので、
ゆっくりになってもうんうんとしての性質が残っているからだった。
普通のゆっくりからこんなものが生まれれば、両親は顔を真っ青にして潰すだろうが、
れいむとまりさにとってはそんなことはどうでもよく、おちびちゃんが生まれた喜びがむしろ大きかった。
「まりちゃといっちょにかけっきょしようにぇ!!」
「ゆゆぅん! まけにゃいよ☆」
「れいみゅのだんちゅはちゅてきだよ☆☆☆」ぶりぶり
「うんうんしていっちぇにぇ!!!」
こりょこりょする可愛い姿は、逆立ちしてもあかちゃんである
ちょっとうんうんくさいけれど、そんなことはどうでもいい。
「まりさ、おちびちゃんかわいいね!!」
「ゆん! すっっっごくゆっくりしてるよ!!!」
爆発しそうな喜びが溢れ、二匹はうれちーちーを漏らした。
放物線を描いた尿は、太陽の光を浴びて虹を作るのだった。
そしてその幸せは公園から街全体へと広がりはじめた。
「すっきりー!!」
「ずっぎりいいい!!!」
「すっきり!」「んほおおすっきりいいい!!!」「ちゅっきり……ゆ゛っ」
「すっぎりいいいい」「すっきりすっきりすっきり!!!!!」
「すっきりできるよぉおおお!!!」「すっきりいいすきいいい!!!」
れいむとまりさの間におちびちゃんが生まれた!
二匹は去勢されたって話なのに!
れいむとまりさが自慢して回ったおかげで、あにゃるすっきりで
おちびちゃんが出来るという話は数日で街中に広まった。
「ゆううう!! おちびちゃんだあああ!!!」
「ぱちぇの! ぱちぇのおちびちゃん!!!」
去勢されおちびちゃんを永遠に失ったはずのゆっくりたちは、
あっという間にかわいいおちびちゃんを手に入れることとなった。
夢のような出来事に、だれもが泣いた。
どれもうんうんくさいが、そのことには誰も触れなかった。
「ゆふふ、おちびちゃんはとかいはね!」
「ありちゅはこーでぃにぇーとをちゅりゅわ!!」
目が死んだ陰気な成体ゆっくりしかいなかった公園でも、
各家庭ごとに六匹以上のあかちゃんがいるというのが普通になり、
「ゆっくちこーりょこーりょしゅりゅよ!!」
「ゆええぇえん!! おにぇーちゃんまっちぇー!!」
おめめはキラキラ、毎日が楽しくて仕方がないというほどになった。
ダンボールハウスからはたのしい笑い声やおうたの音痴な響きが聞こえるようになり、
遊具などはうんこ色のおちびちゃんたちが占拠し、笑顔溢れ部楽しい場所となった。
「みんなゆっくりしてるね!!」
「ゆふふ、れいむとまりさのおかげだね」
ダンボールハウスの中から二匹がにこにこしながら見ていた。
ハウスの奥には八匹のかわいいおちびちゃん。
れいみゅ4まりちゃ4みんなたべちゃいたいぐらいかわいらしい。
すーやすーやと眠っているが、もうすぐお昼だ、すぐ起きるだろう。
最初は気になった臭いも、暮らしているうちに慣れてしまった。
今では笑顔ですーりすーりするようになっている。
その様子を見つめながら、まりさはれいむに言った。
「それじゃあそろそろかりにいってくるよ!!」
「ゆ、いってらっしゃい!!」
まりさにとって狩りは一転楽しいものになった。
かわいいおちびちゃんにいっぱいむーしゃむーしゃさせる。
むーしゃむーしゃしているところを見て、まりさもゆっくりする。
自分がおちびちゃんをゆっくりさせてあげているのだという感触を得るだけで、
ヘブン状態になることができた。
今のまりさは文字通り、おちびちゃんから元気を得て働いているのだ。
「びーりびーりするよっ!」
鋭く研いだ樹の枝でゴミぶくろを破るまりさ。
この危険な瞬間ですら楽しくて仕方がない。
「ゴミ捨て場を荒らすんじゃねえ!!! 糞が!!!」
清掃員さんにおもいっきり蹴り飛ばされても
「ゆ、ゆ、ゆふ、ゆふ、ゆふふふふふふふ……」
にたにた笑い、奇妙な声を漏らすだけだった。
苦労すれば苦労するほどおちびちゃんのために働いているという実感が得られるのだろう。
苦しめば苦しむほどハイになるドマゾまりさになってしまっていた。
人間さんも不気味がって手出できず、ゴミを片付けて去っていってしまい、
まりさはたっぷりとエサの入った帽子を、毎日持ち帰ることが出来た。
れいむもれいむで今を満喫していた。
「ゆぅ~♪ ゆっくりしていってねぇ~♪」
「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇぇ~♪」」」
オーロラのような歌声で歌っていると思い込んでいるれいむ。
おちびちゃんもそれにあわせてゆらゆらと、ナルシストの表情でたゆたっている。
その顔を見て幸せになったれいむは、
デスメタルのおにいさんのように身体をぶよよとさせ、ビートを刻む。
れいむの幸せはどんどん膨らんでいった。
ほっこり笑う。
ダンボールハウスはしあわせハウスであった。
「ゆぅぅ、おちびちゃんたちはおうたのてんさいだね!!!」
「ゆゆん! それほどでもありゅよ!!」
「ゆっくちれいみゅのおうちゃによいちれてにぇ!!」
おちびちゃんたちはおしりをぷりぷりしながらおかーさんにすりよる
自分が一番ゆっくりできるとすりよってくる。
糞色のおちびちゃんたちはれいむの宝物。
ぺーろぺーろだって厭わない。
れいむも今が最高に幸せだった。
そして夜になれば楽しいディナーのお時間だ。
今日はピザの切れ端、すっぱいブドウ、臭い米、ティッシュペーパー、雑草。
「ゆぅううん!! すっごいごうかだよおおお!!!」
「ゆゆん、おちびちゃんとれいむのために、まりさがんばったよ!!」
「「「ゆっくちいただきまーちゅ!!」」」
まりさの自慢をよそに、おちびちゃんたちはごはんにむしゃぶりついている。
あるれいみゅはこーろこーろところがって、ごはんの山に突っ込んだ。
そこでおいしいものまみれになってとろけた表情で食料を貪った。
四匹のおちびちゃんはピザをひっぱりあってほほえましい。
ぶどうの中のちょーーーーーっとしかない甘みも、糞野良を幸せにするには十分。
ティッシュペーパーにかじりつくまりちゃは、ほっぺたに紙をため、
ハムスターのようになってにやにやしている。
かわいい!
やはりうんうんみたいな色だとか、そういうことはどうでもいいのだ。
まだまだ暑いこのごろであるが、そんなものふっとんでしまうぐらいおちびちゃんたちはゆっくりしていた。
「ゆひょおおおお!!!」
ヘブン状態になったれいむは、食事もそこそこに公園へ躍り出た。
そこでぴょんぴょん奇妙な踊りを踊り、叫ぶ。
「ゆっくりのかみさま!! れいむたちにしあわせーをくれてありがとう!!!」
まりさも飛び出す。同じくキメた顔をしている。
「まりさもしあわせーだよ!! こんなにしあわせでごめんねえええええ!!!」
それを聞いた他のゆっくりたちも、
我も我もとダンボールハウスを抜け出し、草むらから顔を出して、
「「「ゆっくりのかみさまありがとう!!! ゆっくりしていってね!!!」」」
おちびちゃんもまねをする。
「れいみゅきゃわいくっちぇごみぇんにぇ!!!」
「うんうんしちぇいっちぇにぇ!!!」
「んひょおおお!!!」
「ゆっくちいいいいんぽ!!!!!」
深夜0時になっても、ゆっくりたちの歓喜の声は収まらなかった。
ある者は二度目三度目のあなるすっきりを行い、しあわせーを倍増させようとし、
そのうちおほしさまの下での乱交パーティーが始まった。
激しい嬌声は夜遅くまで響き、朝まで止むことはなかった。
ここ十日間で、ゆっくりはおちびちゃんのいる幸せを取り戻すことができた。
しかし人間さんから見ればどうだろう。
ゆっくりが十倍に増え、騒音が一層ひどくなった。
おちびちゃんと言われるうんこ色のゴミは、街の景観を最悪にした。
おちびちゃんのためだとかなんとかいって、ゴミを漁るゆっくりも増えたし、
公園中の花も引っこ抜かれてしまった。
道路にはゆっくりの死骸があふれ、ドライブをするだけで最悪な気分になる。
しかし役所のゆっくり課は、まるで全く動揺していないかのように静かである。
「いつものアレですな」
「まあ、アレをやっておけば収まるでしょう」
事実、人間さんたちは全く動じていなかった。
人間さんにはゆっくりを始末するためのノウハウがある。
思い込みの力で起こった騒動なんて、まったくありふれたものであった。
【3:れいむとまりさの最後のゆっくり】
鳥のさえずりが聞こえる。
人々の足音が聞こえる。
じんわりと暑い空気があたりにただよっている。
朝十時は人間さんにとって活動の時間だが、
ゆっくりならばようやく目を覚ましはじめる時間であった。
「あにゃるからうまれるなんて、ゆっくりじゃないよ!」
「あにゃるからでてくるのはうんうんだけだよ!! うんうんははやくしんでね!!」
スピーカー付きの車が一軒家とマンションの間を縫って走行していた。
スピーカーから流れるのは、加工所で録音させたドスの声である。
「ゆ゛っ! ゆぎぃいい!!!」
あるありすの家で、最初の異変が起こった。
ありすのかわいいおちびちゃんたちが、身体を捩って苦しみ始めたのだ。
からだをぐーねぐーねさせて、脂汗できもいぐらい濡れている。
「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ……」
痙攣を始めるありちゅ。もちろんうんうん色。
他の赤ゆたちも茶色く変色し始めている。
「ばりざあああ!! あかちゃんがへんなのおお!!」
「ゆ゛うううう!??? どぼぢでおちびちゃんいただっでるんだぜえええ!!??」
もちろん異変はありすの家だけにとどまらない。
あにゃるから生まれた赤ゆたちは、ドスの声を聞いて皆苦しみ始めている。
街中で絨毯作戦が行われていた。
そしてれいむとまりさの住む公園にも人間たちはやってきた。
ドスの声を出すスピーカーを持った加工所職員が、ひとりだけで公園に入ってきた。
「うんうんはおとなしくうんうんとしていきてればいいんだよ!!」
「きたないうんうんはきもちわるいからしんでね!!」
かけっこして遊びまわっていたのか、外に出ている赤ゆも多い。
みなドスの声を聞いて苦しんでいる。
「どす!! どこにいるの!? へんなことをいうのはやめてね!!!」
「やべでえええええ!! おちびぢゃんがいだがっでるよおおお!!!!」
「ゆがあああああ!!!! どぼぢでぞんなごどいぶのおおお!!!???」
「やべろおおおおお!!!!!!!」
ダンボールハウスから、耳がちぎれそうな悲鳴があがる。
おちびちゃんは苦しんでいるが、親ゆたちはどうしたらいいのかわからず、
ただ声しか聞こえないドスの鳴き声に反応してやめろやめろと叫ぶばかり。
すでに狂った赤ゆもいれば、死んでしまった赤ゆもいる。
ドスの声を聴かせるというのは、思い込みの力をこじらせて
厄介事を起こしたゆっくりへの対処法として最善のものだ。
ゆっくりを守ってくれるゆっくりしたドス。
そのドスに思い込みを否定させることによって、思い込みの力を断ちきるのだ。
「そんなものおちびちゃんじゃないよ!!! うんうんだよ!!!」
「うんうんはうんうんだよ!! ゆっくりじゃないよ!!!」
「うんうんはゆっくりのふりをするのはやめてね!! すみやかにしんでね!!!」
こうすることで、赤ゆっくりをうんうんに戻してしまうのである。
力なく崩れていく赤ゆたちの身体。
すでにうんうんになってしまったゆっくりもいる。
「ゆ……ぢぃ……」
「うんう……ぢゃ……にゃ……」
「あ゛あ゛あ゛!!! おぢびぢゃんがあああ!!!!」
「う゛んうんになっぢゃっだあああああああ!!!!」
親子の思い込みの力が尽きた時点で、うんうん赤ゆは大便と化す。
力なく倒れ、発狂する親ゆっくりも少なくなかった。
「ゆぴぴ~♪ うんうん! うんうん!」
「あかちゃああぺーろぺーろおぉうへへへへ」
うんうんに体を擦り付けたり、うんうんをなめたりしている。
こいつらはもうダメだろう。
れいむとまりさの一家も例外ではなかった。
ダンボールハウスの外でこのクソ暑い中日向ぼっこをしていた一家であったが、
そんな幸せはもう半刻前のこと、阿鼻叫喚のクソ地獄の中にいる。
れいむとまりさの八匹のおちびちゃん。
そのうち末っ子のれいみゅはストレスで息を引きとってしまった。
「がんばって!! おちびちゃんはうんうんじゃないよ!!」
必死の形相で歯茎をむき出しにし、絶叫するれいむ。
なんとかはげまして、悪いドスの攻撃を乗り切るんだ!
おちびちゃんを死なせてなるものか!
この子たちはあにゃるから生まれたけど、それでもゆっくりなんだ!
そんな思いもこの状況ではうまく言葉にならなかった。
「おちびちゃん! ゆっくりだよ! ゆっくりするんだよ!!!」
まりさも心のそこからおちびちゃんを思い、守ろうとする。
だって家族だから。この幸せは誰にも渡さない。
「ゆっくち、ゆっくちしゅりゅよ……」
「ゆひぃ、ゆひぃ……」
れいむたちは今回の件で最初に赤ゆを生み出したゆっくりだった。
だから思い込みはこの公園、いやこの街全てを見ても一番強いと言えた。
だからなんとか七匹のおちびちゃんを守り続けていられるのだ。
「みんなそれはうんうんだよ!!!」
「うんうんでゆっくりするのはへんたいさんだけだよ!! ゆっくりできないよ!!!」
「めをさましてね!! それはうんうんだよ!!!!」
ドスが叫ぶ。
スピーカーの奥から、ドスの大きな声が公園の端々にまで広がってゆく。
今度の叫びは親ゆっくりたちに向けられたものだ。
うんうんで遊ぶおままごとはやめろと、ドスは言っている。
ゆっくりのリーダーであるはずのドスが言っている。
「でいびゅうんうんになりだぐないいいいい!!!!」
パァン!!
れいむとまりさの大切なおちびちゃん。
れいみゅの一匹が変色してうんうんになり、そのまま破裂した。
ゆっくりの糞があたり一面のダンボールハウスにふりそそぐ。
「ゆわあああ!!! ぐざいいいい!!!」
「うんうんざんあっぢいっでええええ!!!!」
れいむの可愛いおちびちゃんに対する、あまりにもひどい暴言。
「ゆがあああ!!! でいぶのあかぢゃんはぐざぐないいいいい!!!!!」
発狂したようにぴょんぴょん跳ねた。
糞れいみゅ破裂。
その映像的インパクトは水面の波のように公園一帯に広がっていった。
目の前でうんうんになるれいみゅをみた赤ゆたちの半分は、
自分もああなるのではないかと思ってしまった。
途端、思い込みの力は切れた。
抗えないうんうん化の波が、赤ゆを襲う。
「ばりちゃ、うんう……ゆ゛っ」
「ぱちゅは……」
「わがらにゃ……ぃ……」
「ああああああああ!!!!!!」
「でいぶのおちびちゃん!!! ゆっぐり!!! ゆっぐりいいい!!!!!」
「わがらっ!!! わがらないいい!!!」
今ので相当のゆっくりがうんこになった。
そろそろ全ての赤ゆを失った親たちも出てきていて、
力なく倒れ、焦点の合わない目で虚空を見つめる姿が痛々しい。
「おたべなさい……」
「おたべなさい……」
子を失って自殺をはかるゆっくりたちもいる。
生首饅頭は本物のおまんじゅうになるが、すぐにうんことまじり食べられなくなってしまった。
「ぼっちょ……」
「ゆびぃいいぃ……」
「ゆっぐりじ……ぃ……」
「ぎびぃ……」
れいむとまりさのおちびちゃんは、姉妹の死を間近で見てしまった。
それを見せられて耐えられるおちびちゃんはほとんどいなかった。
おぼうしとおりぼんがますます茶色くなり、
端っこからうんこのかたまりになってぼろぼろくずれてゆく。
「べーろべーろ!! べーろべーろ!!」
「おぢびぢゃんあああああ!! ゆっぐりじでよおおおお!!!」
そしてその努力もむなしく、
真ん中からぱっくり割れ、うんうんになってしまった。
れいむとまりさのおちびちゃんも、もう一匹しか残っていない。
うんうんを前にしたれいむ。
そのもみあげはとうとう怒りで震え始めた。
「どすうううう!!! どごだああああ!!!」
「ゆっぐりじないででてごいいいい!!!!!」
叫ぶゆっくり。
もうおちびちゃんも殆ど死んでしまった。
かくなる上はドスを探し出してせいっさいするしかない!!!
「うんうんをあかちゃんとおもいこむなんて、ばかなの? しぬの?」
「だばれええええええええ!!!! ぷくううううう!!!!」
きょろきょろと血走った目でれいむはあたりを見回す。
まりさもおちびちゃんを失い、半べその顔であたりを探す。
正気を保っている親ゆっくりたちも動揺だ。
ちぇんもみょんも、ありすにぱちゅりーも、声の主を探している。
おちびちゃんを殺したドゲスはどこだ!
「うんうんはきえろ!!! いきるかちなし!!! うんこはいっしょうといれにいればいいよ!!」
「まちじゅうのめいわくだよ!!!! おかーさんもおとーさんもめいわくしてるよ!!!」
「しねしねしね!!! しね!!! しねし……」
突然ドスの暴言が止んだ。
「虹黒公園、駆除完了終わりました」
遅い。
何もかもが遅かった。
人間さんはうんうん赤ゆの駆除を完了し、スピーカーを止めたのだった。
車を発信させ、また次の地点へ走り去ってしまった。
いきなり止まったドスの声。
のこったのはそこらじゅうに散らばるうんうん。
発狂した親ゆ、自殺した親ゆの死体、死にかけの赤ゆ、そしてわずかな生存者。
緑で覆われていたこの公園も、たった数十分であんこまみれ、
死臭とうんうん臭がただよい、しあわせの面影は全くなかった。
「ゆううぅ……、どすのやつ……!!」
「つぎにあっだらころじでやるぅ……!!」
とはいえ災害は過ぎ去った。
安堵はあった。
しかし悔しさと悲しさで、親ゆたちの餡子はゆっくりできなくなった。
それでもれいむとまりさには嬉しさがあった。おちびちゃんを守ることが出来たといううれしさだ。
もちろん多くの親ゆがおちびちゃんを一匹も守りきれなかったから、
そのうれしさを味わえるのも一部のゆっくりだけであったのだが。
れいむとまりさは残ったれいみゅにぺーろぺーろしようと近づいた。
ただ一匹だけ残ったれいみゅは、二匹の顔を見てやっと苦しさから解放されたような
ゆっくりした表情を見せてくれた。
「ゆぴいぃ、こわかっちゃよおお!!!」
ぴとっ
そしてすーりすーり。
三匹の親子はそれぞれの命を確かめ合うように
あったかい家族のすーりすーりをした。
他のゆっくりに見せつけるように、こってりと、愛情深く。
「もうだいじょうぶだよぉ、おちびちゃん!!」
「そうだよ!! へんなどすはおとーさんのぷくーでおいはらってやったよ!!」
ほころぶように、笑みをこぼす赤れいみゅ。
茶色くてちょっとヘンだけど、あにゃるから生まれたけど、
それでも大事な家族なんだ。
れいむとまりさとれいみゅちゃんは困難を一つ乗り越え、
以前よりも愛情を深めていた。
「おとーしゃん、おかーしゃん」
赤れいみゅが恥ずかしそうに二匹の顔を見上げる。
「なぁに? おちびちゃん!」
「れいみゅ、おなきゃがすいちゃよ……」
緊張の糸が切れて、おなかがすいているのを思い出したらしい。
赤ゆは食べる子、食べて大きくなっていくのだから。
「ゆっ! そうだね!」
まりさはおさげで涙を拭った。もう後ろを向いている場合じゃない。
「れいむがうでによりをかけてあさごはんをつくるよ!!! あまあまもつけちゃうよ!!!」
死んでしまったおちびちゃんは残念だけど、
あの子たちのぶんまで三人で生きればいいじゃないか。
今日のぶんを取り戻すだけのゆっくりをしよう!
親れいむ、親まりさ、二匹は顔を見合わせて誓い合った。
「ゆわーい! あみゃあみゃ! あみゃびゃぶゆ゛ばっ!!??」
グチャア
突然のことであった。
れいみゅのいたはずの場所に、ゆっくりのあんよがあった。
その大きな饅頭がゆっくりとその体をどけると、
圧死したれいみゅの死体が、地面にシミをつくっていた。
もみあげがぴくぴくと反射運動をしているが、この饅頭はもう生きていない。
「しねぇ……」
その饅頭は、ありすだった。
「ありすをさしおいて、おちびちゃんとゆっくりするやつは、しねぇ……」
「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」」
その後、れいむとまりさがおちびちゃんを授かることは二度となかった。
ドスの声が頭に染み付き、あにゃるすっきりをしても
おちびちゃんが出来ると思い込むことができなくなってしまったのだ。
それは他のゆっくりも同じ。
またかつてのような無味乾燥な毎日が戻ってきてしまったわけだ。
残ったおちびちゃんもわずかにいたが、
その多くは誘拐されて行方知れずになったり、取り合いになってちぎれてしまったり、
嫉妬に狂った子無しゆっくりに殺されたりしてそのうちいなくなってしまった。
取り残された親ゆの多くは死んだような気分のまま生き続けるか、
自殺しておそらのゆっくりぷれいすに旅立つか、その選択を迫られた。
れいむとまりさは後者に属するだろう。
二匹の夢見たゆっくりドリームは、所詮夢にすぎなかった。
しばらくはダンボールハウスで以前のように暮らしていたが、
ゆっくりすることさえそのうち虚しくなり、おちびちゃんと同じ場所に行くことにした。
おたべなさいをしてまんじゅうになり、
ぱっくり割れて茶色いあんこが露出する。
おたべなさいをした二匹のあんこは明るい茶色であり、
その色はうんうんと区別がつかなかった。
さく・とかいはうんうん
たまには投稿しようかと思って短めのをかいたよ
次は妄想ゆっくりゲーSSかうどんげHENTAISS[r-18ろだむけ]をかくよ
・最近の過去作さん
anko2697 地獄の横断歩道
anko2363 まりちゃはゆっぐぢしてるにょにいいい!!! (後)
anko2363 まりちゃはゆっぐぢしてるにょにいいい!!! (前)
anko2317 赤ゆのたのちいイス取りゲーム (後)
anko2316 赤ゆのたのちいイス取りゲーム (中)
anko2315 赤ゆのたのちいイス取りゲーム (前)
anko2271 ゆっくりたちの地雷行進
観察 思いやり 愛情 家族崩壊 同族殺し 駆除 番い 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 独自設定 うんしー ぺにまむ うんうんSS とかいはうんうん
【1:れいむとまりさの腐った日々】
れいむとまりさは幼なじみだった。
そして二匹とも、赤ゆっくりと子ゆっくりが大好きだった。
おちびちゃんを一杯つくって、山ほどのおちびちゃんにかこまれて、いつまでもゆっくりしていたい。
そんなあまあまな夢とともに、つがいとなった二匹であった。
公園に住み着いていたれいむとまりさは、そんなゆっくりドリームを掴むため都会にやってきた。
都会ならご飯があり、ご飯があればいっぱいおちびちゃんを作れると思ったのだ。
しかし経験も才能も根気もない上ゆっくりである二匹にはなにもできず
犬猫やゆっくりのフンが混ざったゴミ袋から、腐りまくったゴミばかりを食べる
糞のような生活に甘んじるしかなかった。
それでも夢へ向けて頑張っていられた二匹は、未来のしあわせのために頑張っていた。
そしておちびちゃんいっぱいの幸せな家庭を築く。
しかし最悪なことに、この街の個体数調整政策により強制的に去勢手術をされてしまったのだ。
「ゆがあああ!! やべろおおお!! やべろおお゛お゛!!!!」
「はいはいゆっくりゆっくり」
ぺにぺにを切断され、まむまむを焼かれ、額に焼印を押されたのである。
手術(というより作業か?時給950円)は30秒で終わった。
おでこには奇妙な「去勢済」マーク。
この街に住むゆっくりはみーんな去勢されてしまう。
問答無用で殺さないだけまだ優しい方であるが、去勢はゆっくりにかなりのストレスを与える。
そしてたったこれだけのことで二匹のゆん生は狂い始めた。
「どぼぢででいぶたちだげこんないじわるざれるのぉ……?」
「ばりざたち、ゆっくりじたいだげなのにぃ……、ゆえ、ゆえぇぇ」
自分たちは宇宙で一番不幸なゆっくりだ。
二匹はそう思い込んだ。
去勢された日は涙が枯れるまで泣き、すっきりを試みたがあかちゃんはできなかった。
「あがちゃ……ゆびぃいいい!!」
「ど、どぼぢでなのぉおぉぉお゛……」
ぺにぺにがないからすりすりですっきりするのだが、
いくら絶頂してもあかちゃんの"あ"の字もない。
落ち着いたらつくろうと思っていた二人のおちびちゃん。
ゆっくりドリームが泡と消え、絶望の日々が始まった瞬間であった。
次の日の朝。
まりさとれいむは自慢のダンボールハウスから這いでて、砂利まみれの公園の床を歩きまわっていた。
ゴミや雑草を集めて、今日のご飯を手に入れなければならない二匹は、
森にいた頃の三倍の時間を使ってなんとか生きていけた。
れいむは公園の中で雑草を集める。お花には手をつけてはいけない。
これは食料調達であるが、それと同時にゆっくりに課された義務でもあった。
そしてまりさはゴミ捨て場でゴミの調達を行う。
ゴミ捨て場を領地にしているゲスグループのご機嫌をとってなんとか許可をもらい、
狩りで得たごはんのうち、糞まずくて病気になりそうな半分だけがまりさに与えられる。
どちらも全身の筋肉餡を酷使する非常に苦しい労働だ。
おちびちゃんさえいれば、もう少し頑張れるのに。
そうつぶやいても何にもならなかった。
次の日も、次の日も、つらい狩りを行わなければならなかった。
いつになったらこの地獄から開放されるのだろう。
まりさはいらいらを貯めこみ、よく物にあたるようになっていた。
「ゆ゛……」
まりさはおてんとさんを睨んだ。
ここ最近、気温がどんどん上がっている。
汗まみれになって死んでしまうのではないかと思う日もあった。
「すごじぐらい゛すずしくじでね゛!! ばりざおごるよ!!」
憎らしい太陽さんに、ぷくーでなけなしの反撃をするしかなかったが、
「ぷぐうううううう!!!」
太陽さんはすずしい顔でさんさんと輝いていた。
さんさんさん!!
「まいっだ!? まいっだらどっかいってね!! すぐでいいよ!!!!」
まりさは数十分太陽と格闘を続けたが、
なんの効果もなく、やがて根負けして泣き出してしまった。
近所のおっさんにうるせえと怒鳴られ、ストレスで餡子を吐いたが
いたわってくれるおちびちゃんはいなかった。
れいむもれいむでかなりのストレスをかかえていた。
「おちびちゃん、おちびちゃん、どぼぢでできないのぉ~♪」
雑草集めを担当していたれいむは、そんな虚しい歌を歌いながらぶちぶちと雑草をもぐ。
歌う歌がこんなでは、元気も出ない。周りで作業しているゆっくりもゆっくりできなくなる。
あるありすなど、ぺにぺにをちぎられたあの日を思い出し、泣きはじめてしまった。
「いいかげんにしろよー!!」
「ゆぶべ!?」
れいむはあまりにもうるさかった。
同じく雑草を集めていたちぇんに体当たりされてしまった。
ちぇんは眉間にシワを寄せ、れいむを見下ろす。
おでこにはれいむと同じ去勢済みのマークがあった。
去勢され、その上ゆっくりできない環境で休みない労働を強いられていたゆっくりたちは、
ぶつけどころのない怒りの感情をもやもやとためこんでいた。
しかし吹き飛ばされたれいむも負けていたい。
「ゆがあああ!! ぶざげるなあああ!! でいぶはがわいぞうなんだああああ!!!!」
ちぇんとれいむの大乱闘になってしまった。
売り言葉に買い言葉、罵倒に次ぐ罵倒。
愛で派が見たら即死するような糞ワードの数々でこきおろす。
「しねっ! ゆっくりしね!!」
「そっちこそしんでねー!! わかってねー!!」
体当たりの応酬でチョコとあんこが飛び散りまくる。
周りのゆっくりに仲裁され、一応喧嘩は終わった。
「れいむはゆっくりできないよー!!」
「ちぇんこそゆっくりできないね!! しねばいいのに!!」
こんな争いは日常茶飯事である。
おちびちゃんという希望を失って、れいむとまりさは絶望にたたき落とされた。
しかしおちびちゃんを欲しているのはれいむとまりさだけではなかったのだ。
公園中、いや街中のゆっくりが去勢され、おちびちゃんに恋焦がれていた。
しかしどうにもならない。
人間のお医者さんにかかることもできない野良は、去勢されれば最後なのである。
ゆっくりたちはすっきりを繰り返すが、やがては無意味であることに気づき、
すっきりする気力も失ってしまった。
毎日が地獄だった。
れいむもまりさも、だんだんとゆっくりできなくなっていた。
いつ非ゆっくり症を引き起こしてもおかしくない。
あんよを砂だらけにする毎日。
故郷の森もどこにあるかわからない。
しかし去勢されて一ヶ月ほどたった頃だろうか。
二匹の生活に、ひとつの変化があったのだ。
【2:れいむとまりさのおちびちゃん】
れいむたちの生活は相変わらずからっぽであった。
じりじりと蝉が鳴く、太陽さんが消えても気温は35度という最高クラスの熱帯夜だった。
れいむとまりさのストレスは限界ぎりぎりまでに達していた。
すっきりしても、すっきりしてもおちびちゃんはできない。
おちびちゃんはゆっくりにとって最高のゆっくりであるのに、
「おちびちゃんつくろうよ……」
「どうやって……? むりだよ……?」
二匹はダンボールハウスの中でため息を付いた。
土ほこりにまみれたのべっとりとした汗が、二匹の肌をつたう。
「まりさ、うわささんをきいたんだよ……」
暑さと食料不足、そして厳しい縄張り争いからゆっくりはゆっくりできなくなり、
おちびちゃんはますます求められていた。
おちびちゃんに関するさまざまな噂が流れ始めていたのだ。
こうすればおちびちゃんが出来る。
ああすればおちびちゃんが出来る。
それらは全てなんの根拠もないバカな噂だったが、
ゆっくりには思い込みの力という最終兵器がある。
「あかちゃんは、おけつすっきりでも、できるんだよ」
まりさは顔を赤らめてつぶやいた。
れいむはにっこりわらってうなずいた。
「ゆ、やってみようよ」
れいむの目には信じる者の炎が宿っていた。
まりさもそのれいむの確信を得たような表情を見てるとだんだんと自信が湧いてきて、
まりさもへんてこりんな噂を信じてしまった。
れいむとまりさの思い込みが一致した瞬間だった。
思い込みが一致すれば、時には大きなことも起こる。
まりさはれいむをじっと見た。
汗にまみれた今日のれいむはじっとりと匂い立つような大人の魅力があった。
ちゅんちゅん。
そしておちびちゃんは本当に生まれた。
「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」」」」
「おちびちゃん!!」 「ゆぅーん!! どのこもかわいいよぉ!!」
思い込みの力は偉大であった。
二匹は去勢されていたため、もみあげとおさげであにゃるを掘りあうという
フェティッシュなプレイとなったが、効果は抜群だった。
徹底的に去勢されたはずのれいむのあにゃるからおちびちゃんが生まれたのだ。
あのすっきりから三日経っていなかった。
ダンボールハウスを這うあかちゃんゆっくり。
夢のような気分になった二匹であった。
しかし二匹のおちびちゃんは、普通のおちびちゃんに比べどこか奇妙だった。
れいむの生んだ赤ゆはれいみゅとまりちゃだったが、
どれもうんこ色で、うんこみたいなゴミまでついているのだ。
その上ゆっくりにしか嗅ぎ取れないウンウミンという物質も、肌から放出されていた。
つまりゆっくりからすれば非常に大便臭い。
おそらくこれはこの赤ゆたちがうんうん餡子の突然変異で生まれたもので、
ゆっくりになってもうんうんとしての性質が残っているからだった。
普通のゆっくりからこんなものが生まれれば、両親は顔を真っ青にして潰すだろうが、
れいむとまりさにとってはそんなことはどうでもよく、おちびちゃんが生まれた喜びがむしろ大きかった。
「まりちゃといっちょにかけっきょしようにぇ!!」
「ゆゆぅん! まけにゃいよ☆」
「れいみゅのだんちゅはちゅてきだよ☆☆☆」ぶりぶり
「うんうんしていっちぇにぇ!!!」
こりょこりょする可愛い姿は、逆立ちしてもあかちゃんである
ちょっとうんうんくさいけれど、そんなことはどうでもいい。
「まりさ、おちびちゃんかわいいね!!」
「ゆん! すっっっごくゆっくりしてるよ!!!」
爆発しそうな喜びが溢れ、二匹はうれちーちーを漏らした。
放物線を描いた尿は、太陽の光を浴びて虹を作るのだった。
そしてその幸せは公園から街全体へと広がりはじめた。
「すっきりー!!」
「ずっぎりいいい!!!」
「すっきり!」「んほおおすっきりいいい!!!」「ちゅっきり……ゆ゛っ」
「すっぎりいいいい」「すっきりすっきりすっきり!!!!!」
「すっきりできるよぉおおお!!!」「すっきりいいすきいいい!!!」
れいむとまりさの間におちびちゃんが生まれた!
二匹は去勢されたって話なのに!
れいむとまりさが自慢して回ったおかげで、あにゃるすっきりで
おちびちゃんが出来るという話は数日で街中に広まった。
「ゆううう!! おちびちゃんだあああ!!!」
「ぱちぇの! ぱちぇのおちびちゃん!!!」
去勢されおちびちゃんを永遠に失ったはずのゆっくりたちは、
あっという間にかわいいおちびちゃんを手に入れることとなった。
夢のような出来事に、だれもが泣いた。
どれもうんうんくさいが、そのことには誰も触れなかった。
「ゆふふ、おちびちゃんはとかいはね!」
「ありちゅはこーでぃにぇーとをちゅりゅわ!!」
目が死んだ陰気な成体ゆっくりしかいなかった公園でも、
各家庭ごとに六匹以上のあかちゃんがいるというのが普通になり、
「ゆっくちこーりょこーりょしゅりゅよ!!」
「ゆええぇえん!! おにぇーちゃんまっちぇー!!」
おめめはキラキラ、毎日が楽しくて仕方がないというほどになった。
ダンボールハウスからはたのしい笑い声やおうたの音痴な響きが聞こえるようになり、
遊具などはうんこ色のおちびちゃんたちが占拠し、笑顔溢れ部楽しい場所となった。
「みんなゆっくりしてるね!!」
「ゆふふ、れいむとまりさのおかげだね」
ダンボールハウスの中から二匹がにこにこしながら見ていた。
ハウスの奥には八匹のかわいいおちびちゃん。
れいみゅ4まりちゃ4みんなたべちゃいたいぐらいかわいらしい。
すーやすーやと眠っているが、もうすぐお昼だ、すぐ起きるだろう。
最初は気になった臭いも、暮らしているうちに慣れてしまった。
今では笑顔ですーりすーりするようになっている。
その様子を見つめながら、まりさはれいむに言った。
「それじゃあそろそろかりにいってくるよ!!」
「ゆ、いってらっしゃい!!」
まりさにとって狩りは一転楽しいものになった。
かわいいおちびちゃんにいっぱいむーしゃむーしゃさせる。
むーしゃむーしゃしているところを見て、まりさもゆっくりする。
自分がおちびちゃんをゆっくりさせてあげているのだという感触を得るだけで、
ヘブン状態になることができた。
今のまりさは文字通り、おちびちゃんから元気を得て働いているのだ。
「びーりびーりするよっ!」
鋭く研いだ樹の枝でゴミぶくろを破るまりさ。
この危険な瞬間ですら楽しくて仕方がない。
「ゴミ捨て場を荒らすんじゃねえ!!! 糞が!!!」
清掃員さんにおもいっきり蹴り飛ばされても
「ゆ、ゆ、ゆふ、ゆふ、ゆふふふふふふふ……」
にたにた笑い、奇妙な声を漏らすだけだった。
苦労すれば苦労するほどおちびちゃんのために働いているという実感が得られるのだろう。
苦しめば苦しむほどハイになるドマゾまりさになってしまっていた。
人間さんも不気味がって手出できず、ゴミを片付けて去っていってしまい、
まりさはたっぷりとエサの入った帽子を、毎日持ち帰ることが出来た。
れいむもれいむで今を満喫していた。
「ゆぅ~♪ ゆっくりしていってねぇ~♪」
「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇぇ~♪」」」
オーロラのような歌声で歌っていると思い込んでいるれいむ。
おちびちゃんもそれにあわせてゆらゆらと、ナルシストの表情でたゆたっている。
その顔を見て幸せになったれいむは、
デスメタルのおにいさんのように身体をぶよよとさせ、ビートを刻む。
れいむの幸せはどんどん膨らんでいった。
ほっこり笑う。
ダンボールハウスはしあわせハウスであった。
「ゆぅぅ、おちびちゃんたちはおうたのてんさいだね!!!」
「ゆゆん! それほどでもありゅよ!!」
「ゆっくちれいみゅのおうちゃによいちれてにぇ!!」
おちびちゃんたちはおしりをぷりぷりしながらおかーさんにすりよる
自分が一番ゆっくりできるとすりよってくる。
糞色のおちびちゃんたちはれいむの宝物。
ぺーろぺーろだって厭わない。
れいむも今が最高に幸せだった。
そして夜になれば楽しいディナーのお時間だ。
今日はピザの切れ端、すっぱいブドウ、臭い米、ティッシュペーパー、雑草。
「ゆぅううん!! すっごいごうかだよおおお!!!」
「ゆゆん、おちびちゃんとれいむのために、まりさがんばったよ!!」
「「「ゆっくちいただきまーちゅ!!」」」
まりさの自慢をよそに、おちびちゃんたちはごはんにむしゃぶりついている。
あるれいみゅはこーろこーろところがって、ごはんの山に突っ込んだ。
そこでおいしいものまみれになってとろけた表情で食料を貪った。
四匹のおちびちゃんはピザをひっぱりあってほほえましい。
ぶどうの中のちょーーーーーっとしかない甘みも、糞野良を幸せにするには十分。
ティッシュペーパーにかじりつくまりちゃは、ほっぺたに紙をため、
ハムスターのようになってにやにやしている。
かわいい!
やはりうんうんみたいな色だとか、そういうことはどうでもいいのだ。
まだまだ暑いこのごろであるが、そんなものふっとんでしまうぐらいおちびちゃんたちはゆっくりしていた。
「ゆひょおおおお!!!」
ヘブン状態になったれいむは、食事もそこそこに公園へ躍り出た。
そこでぴょんぴょん奇妙な踊りを踊り、叫ぶ。
「ゆっくりのかみさま!! れいむたちにしあわせーをくれてありがとう!!!」
まりさも飛び出す。同じくキメた顔をしている。
「まりさもしあわせーだよ!! こんなにしあわせでごめんねえええええ!!!」
それを聞いた他のゆっくりたちも、
我も我もとダンボールハウスを抜け出し、草むらから顔を出して、
「「「ゆっくりのかみさまありがとう!!! ゆっくりしていってね!!!」」」
おちびちゃんもまねをする。
「れいみゅきゃわいくっちぇごみぇんにぇ!!!」
「うんうんしちぇいっちぇにぇ!!!」
「んひょおおお!!!」
「ゆっくちいいいいんぽ!!!!!」
深夜0時になっても、ゆっくりたちの歓喜の声は収まらなかった。
ある者は二度目三度目のあなるすっきりを行い、しあわせーを倍増させようとし、
そのうちおほしさまの下での乱交パーティーが始まった。
激しい嬌声は夜遅くまで響き、朝まで止むことはなかった。
ここ十日間で、ゆっくりはおちびちゃんのいる幸せを取り戻すことができた。
しかし人間さんから見ればどうだろう。
ゆっくりが十倍に増え、騒音が一層ひどくなった。
おちびちゃんと言われるうんこ色のゴミは、街の景観を最悪にした。
おちびちゃんのためだとかなんとかいって、ゴミを漁るゆっくりも増えたし、
公園中の花も引っこ抜かれてしまった。
道路にはゆっくりの死骸があふれ、ドライブをするだけで最悪な気分になる。
しかし役所のゆっくり課は、まるで全く動揺していないかのように静かである。
「いつものアレですな」
「まあ、アレをやっておけば収まるでしょう」
事実、人間さんたちは全く動じていなかった。
人間さんにはゆっくりを始末するためのノウハウがある。
思い込みの力で起こった騒動なんて、まったくありふれたものであった。
【3:れいむとまりさの最後のゆっくり】
鳥のさえずりが聞こえる。
人々の足音が聞こえる。
じんわりと暑い空気があたりにただよっている。
朝十時は人間さんにとって活動の時間だが、
ゆっくりならばようやく目を覚ましはじめる時間であった。
「あにゃるからうまれるなんて、ゆっくりじゃないよ!」
「あにゃるからでてくるのはうんうんだけだよ!! うんうんははやくしんでね!!」
スピーカー付きの車が一軒家とマンションの間を縫って走行していた。
スピーカーから流れるのは、加工所で録音させたドスの声である。
「ゆ゛っ! ゆぎぃいい!!!」
あるありすの家で、最初の異変が起こった。
ありすのかわいいおちびちゃんたちが、身体を捩って苦しみ始めたのだ。
からだをぐーねぐーねさせて、脂汗できもいぐらい濡れている。
「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ……」
痙攣を始めるありちゅ。もちろんうんうん色。
他の赤ゆたちも茶色く変色し始めている。
「ばりざあああ!! あかちゃんがへんなのおお!!」
「ゆ゛うううう!??? どぼぢでおちびちゃんいただっでるんだぜえええ!!??」
もちろん異変はありすの家だけにとどまらない。
あにゃるから生まれた赤ゆたちは、ドスの声を聞いて皆苦しみ始めている。
街中で絨毯作戦が行われていた。
そしてれいむとまりさの住む公園にも人間たちはやってきた。
ドスの声を出すスピーカーを持った加工所職員が、ひとりだけで公園に入ってきた。
「うんうんはおとなしくうんうんとしていきてればいいんだよ!!」
「きたないうんうんはきもちわるいからしんでね!!」
かけっこして遊びまわっていたのか、外に出ている赤ゆも多い。
みなドスの声を聞いて苦しんでいる。
「どす!! どこにいるの!? へんなことをいうのはやめてね!!!」
「やべでえええええ!! おちびぢゃんがいだがっでるよおおお!!!!」
「ゆがあああああ!!!! どぼぢでぞんなごどいぶのおおお!!!???」
「やべろおおおおお!!!!!!!」
ダンボールハウスから、耳がちぎれそうな悲鳴があがる。
おちびちゃんは苦しんでいるが、親ゆたちはどうしたらいいのかわからず、
ただ声しか聞こえないドスの鳴き声に反応してやめろやめろと叫ぶばかり。
すでに狂った赤ゆもいれば、死んでしまった赤ゆもいる。
ドスの声を聴かせるというのは、思い込みの力をこじらせて
厄介事を起こしたゆっくりへの対処法として最善のものだ。
ゆっくりを守ってくれるゆっくりしたドス。
そのドスに思い込みを否定させることによって、思い込みの力を断ちきるのだ。
「そんなものおちびちゃんじゃないよ!!! うんうんだよ!!!」
「うんうんはうんうんだよ!! ゆっくりじゃないよ!!!」
「うんうんはゆっくりのふりをするのはやめてね!! すみやかにしんでね!!!」
こうすることで、赤ゆっくりをうんうんに戻してしまうのである。
力なく崩れていく赤ゆたちの身体。
すでにうんうんになってしまったゆっくりもいる。
「ゆ……ぢぃ……」
「うんう……ぢゃ……にゃ……」
「あ゛あ゛あ゛!!! おぢびぢゃんがあああ!!!!」
「う゛んうんになっぢゃっだあああああああ!!!!」
親子の思い込みの力が尽きた時点で、うんうん赤ゆは大便と化す。
力なく倒れ、発狂する親ゆっくりも少なくなかった。
「ゆぴぴ~♪ うんうん! うんうん!」
「あかちゃああぺーろぺーろおぉうへへへへ」
うんうんに体を擦り付けたり、うんうんをなめたりしている。
こいつらはもうダメだろう。
れいむとまりさの一家も例外ではなかった。
ダンボールハウスの外でこのクソ暑い中日向ぼっこをしていた一家であったが、
そんな幸せはもう半刻前のこと、阿鼻叫喚のクソ地獄の中にいる。
れいむとまりさの八匹のおちびちゃん。
そのうち末っ子のれいみゅはストレスで息を引きとってしまった。
「がんばって!! おちびちゃんはうんうんじゃないよ!!」
必死の形相で歯茎をむき出しにし、絶叫するれいむ。
なんとかはげまして、悪いドスの攻撃を乗り切るんだ!
おちびちゃんを死なせてなるものか!
この子たちはあにゃるから生まれたけど、それでもゆっくりなんだ!
そんな思いもこの状況ではうまく言葉にならなかった。
「おちびちゃん! ゆっくりだよ! ゆっくりするんだよ!!!」
まりさも心のそこからおちびちゃんを思い、守ろうとする。
だって家族だから。この幸せは誰にも渡さない。
「ゆっくち、ゆっくちしゅりゅよ……」
「ゆひぃ、ゆひぃ……」
れいむたちは今回の件で最初に赤ゆを生み出したゆっくりだった。
だから思い込みはこの公園、いやこの街全てを見ても一番強いと言えた。
だからなんとか七匹のおちびちゃんを守り続けていられるのだ。
「みんなそれはうんうんだよ!!!」
「うんうんでゆっくりするのはへんたいさんだけだよ!! ゆっくりできないよ!!!」
「めをさましてね!! それはうんうんだよ!!!!」
ドスが叫ぶ。
スピーカーの奥から、ドスの大きな声が公園の端々にまで広がってゆく。
今度の叫びは親ゆっくりたちに向けられたものだ。
うんうんで遊ぶおままごとはやめろと、ドスは言っている。
ゆっくりのリーダーであるはずのドスが言っている。
「でいびゅうんうんになりだぐないいいいい!!!!」
パァン!!
れいむとまりさの大切なおちびちゃん。
れいみゅの一匹が変色してうんうんになり、そのまま破裂した。
ゆっくりの糞があたり一面のダンボールハウスにふりそそぐ。
「ゆわあああ!!! ぐざいいいい!!!」
「うんうんざんあっぢいっでええええ!!!!」
れいむの可愛いおちびちゃんに対する、あまりにもひどい暴言。
「ゆがあああ!!! でいぶのあかぢゃんはぐざぐないいいいい!!!!!」
発狂したようにぴょんぴょん跳ねた。
糞れいみゅ破裂。
その映像的インパクトは水面の波のように公園一帯に広がっていった。
目の前でうんうんになるれいみゅをみた赤ゆたちの半分は、
自分もああなるのではないかと思ってしまった。
途端、思い込みの力は切れた。
抗えないうんうん化の波が、赤ゆを襲う。
「ばりちゃ、うんう……ゆ゛っ」
「ぱちゅは……」
「わがらにゃ……ぃ……」
「ああああああああ!!!!!!」
「でいぶのおちびちゃん!!! ゆっぐり!!! ゆっぐりいいい!!!!!」
「わがらっ!!! わがらないいい!!!」
今ので相当のゆっくりがうんこになった。
そろそろ全ての赤ゆを失った親たちも出てきていて、
力なく倒れ、焦点の合わない目で虚空を見つめる姿が痛々しい。
「おたべなさい……」
「おたべなさい……」
子を失って自殺をはかるゆっくりたちもいる。
生首饅頭は本物のおまんじゅうになるが、すぐにうんことまじり食べられなくなってしまった。
「ぼっちょ……」
「ゆびぃいいぃ……」
「ゆっぐりじ……ぃ……」
「ぎびぃ……」
れいむとまりさのおちびちゃんは、姉妹の死を間近で見てしまった。
それを見せられて耐えられるおちびちゃんはほとんどいなかった。
おぼうしとおりぼんがますます茶色くなり、
端っこからうんこのかたまりになってぼろぼろくずれてゆく。
「べーろべーろ!! べーろべーろ!!」
「おぢびぢゃんあああああ!! ゆっぐりじでよおおおお!!!」
そしてその努力もむなしく、
真ん中からぱっくり割れ、うんうんになってしまった。
れいむとまりさのおちびちゃんも、もう一匹しか残っていない。
うんうんを前にしたれいむ。
そのもみあげはとうとう怒りで震え始めた。
「どすうううう!!! どごだああああ!!!」
「ゆっぐりじないででてごいいいい!!!!!」
叫ぶゆっくり。
もうおちびちゃんも殆ど死んでしまった。
かくなる上はドスを探し出してせいっさいするしかない!!!
「うんうんをあかちゃんとおもいこむなんて、ばかなの? しぬの?」
「だばれええええええええ!!!! ぷくううううう!!!!」
きょろきょろと血走った目でれいむはあたりを見回す。
まりさもおちびちゃんを失い、半べその顔であたりを探す。
正気を保っている親ゆっくりたちも動揺だ。
ちぇんもみょんも、ありすにぱちゅりーも、声の主を探している。
おちびちゃんを殺したドゲスはどこだ!
「うんうんはきえろ!!! いきるかちなし!!! うんこはいっしょうといれにいればいいよ!!」
「まちじゅうのめいわくだよ!!!! おかーさんもおとーさんもめいわくしてるよ!!!」
「しねしねしね!!! しね!!! しねし……」
突然ドスの暴言が止んだ。
「虹黒公園、駆除完了終わりました」
遅い。
何もかもが遅かった。
人間さんはうんうん赤ゆの駆除を完了し、スピーカーを止めたのだった。
車を発信させ、また次の地点へ走り去ってしまった。
いきなり止まったドスの声。
のこったのはそこらじゅうに散らばるうんうん。
発狂した親ゆ、自殺した親ゆの死体、死にかけの赤ゆ、そしてわずかな生存者。
緑で覆われていたこの公園も、たった数十分であんこまみれ、
死臭とうんうん臭がただよい、しあわせの面影は全くなかった。
「ゆううぅ……、どすのやつ……!!」
「つぎにあっだらころじでやるぅ……!!」
とはいえ災害は過ぎ去った。
安堵はあった。
しかし悔しさと悲しさで、親ゆたちの餡子はゆっくりできなくなった。
それでもれいむとまりさには嬉しさがあった。おちびちゃんを守ることが出来たといううれしさだ。
もちろん多くの親ゆがおちびちゃんを一匹も守りきれなかったから、
そのうれしさを味わえるのも一部のゆっくりだけであったのだが。
れいむとまりさは残ったれいみゅにぺーろぺーろしようと近づいた。
ただ一匹だけ残ったれいみゅは、二匹の顔を見てやっと苦しさから解放されたような
ゆっくりした表情を見せてくれた。
「ゆぴいぃ、こわかっちゃよおお!!!」
ぴとっ
そしてすーりすーり。
三匹の親子はそれぞれの命を確かめ合うように
あったかい家族のすーりすーりをした。
他のゆっくりに見せつけるように、こってりと、愛情深く。
「もうだいじょうぶだよぉ、おちびちゃん!!」
「そうだよ!! へんなどすはおとーさんのぷくーでおいはらってやったよ!!」
ほころぶように、笑みをこぼす赤れいみゅ。
茶色くてちょっとヘンだけど、あにゃるから生まれたけど、
それでも大事な家族なんだ。
れいむとまりさとれいみゅちゃんは困難を一つ乗り越え、
以前よりも愛情を深めていた。
「おとーしゃん、おかーしゃん」
赤れいみゅが恥ずかしそうに二匹の顔を見上げる。
「なぁに? おちびちゃん!」
「れいみゅ、おなきゃがすいちゃよ……」
緊張の糸が切れて、おなかがすいているのを思い出したらしい。
赤ゆは食べる子、食べて大きくなっていくのだから。
「ゆっ! そうだね!」
まりさはおさげで涙を拭った。もう後ろを向いている場合じゃない。
「れいむがうでによりをかけてあさごはんをつくるよ!!! あまあまもつけちゃうよ!!!」
死んでしまったおちびちゃんは残念だけど、
あの子たちのぶんまで三人で生きればいいじゃないか。
今日のぶんを取り戻すだけのゆっくりをしよう!
親れいむ、親まりさ、二匹は顔を見合わせて誓い合った。
「ゆわーい! あみゃあみゃ! あみゃびゃぶゆ゛ばっ!!??」
グチャア
突然のことであった。
れいみゅのいたはずの場所に、ゆっくりのあんよがあった。
その大きな饅頭がゆっくりとその体をどけると、
圧死したれいみゅの死体が、地面にシミをつくっていた。
もみあげがぴくぴくと反射運動をしているが、この饅頭はもう生きていない。
「しねぇ……」
その饅頭は、ありすだった。
「ありすをさしおいて、おちびちゃんとゆっくりするやつは、しねぇ……」
「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」」
その後、れいむとまりさがおちびちゃんを授かることは二度となかった。
ドスの声が頭に染み付き、あにゃるすっきりをしても
おちびちゃんが出来ると思い込むことができなくなってしまったのだ。
それは他のゆっくりも同じ。
またかつてのような無味乾燥な毎日が戻ってきてしまったわけだ。
残ったおちびちゃんもわずかにいたが、
その多くは誘拐されて行方知れずになったり、取り合いになってちぎれてしまったり、
嫉妬に狂った子無しゆっくりに殺されたりしてそのうちいなくなってしまった。
取り残された親ゆの多くは死んだような気分のまま生き続けるか、
自殺しておそらのゆっくりぷれいすに旅立つか、その選択を迫られた。
れいむとまりさは後者に属するだろう。
二匹の夢見たゆっくりドリームは、所詮夢にすぎなかった。
しばらくはダンボールハウスで以前のように暮らしていたが、
ゆっくりすることさえそのうち虚しくなり、おちびちゃんと同じ場所に行くことにした。
おたべなさいをしてまんじゅうになり、
ぱっくり割れて茶色いあんこが露出する。
おたべなさいをした二匹のあんこは明るい茶色であり、
その色はうんうんと区別がつかなかった。
さく・とかいはうんうん
たまには投稿しようかと思って短めのをかいたよ
次は妄想ゆっくりゲーSSかうどんげHENTAISS[r-18ろだむけ]をかくよ
・最近の過去作さん
anko2697 地獄の横断歩道
anko2363 まりちゃはゆっぐぢしてるにょにいいい!!! (後)
anko2363 まりちゃはゆっぐぢしてるにょにいいい!!! (前)
anko2317 赤ゆのたのちいイス取りゲーム (後)
anko2316 赤ゆのたのちいイス取りゲーム (中)
anko2315 赤ゆのたのちいイス取りゲーム (前)
anko2271 ゆっくりたちの地雷行進