ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3550 ゆっくりつみをあがなうよ!(前編)
最終更新:
ankoss
-
view
『ゆっくりつみをあがなうよ!(前編)』 24KB
虐待 制裁 改造 お家宣言 子ゆ ゲス 虐待人間 長くなりました
虐待 制裁 改造 お家宣言 子ゆ ゲス 虐待人間 長くなりました
「それじゃ、ちょっとお留守番お願いねー。香里はいい子にしてるのよ」
「おかーさん、いってらっちゃい」
「ゆっくりるすをまかされたよ! おねえさん、きをつけてね!」
慌てた様子で出て行く母親を、三歳の娘とゆっくりれいむはにこやかに見送った。このれい
む、飼いゆっくりであるがただの飼いゆっくりではない。
「おかーさん、いってらっちゃい」
「ゆっくりるすをまかされたよ! おねえさん、きをつけてね!」
慌てた様子で出て行く母親を、三歳の娘とゆっくりれいむはにこやかに見送った。このれい
む、飼いゆっくりであるがただの飼いゆっくりではない。
金バッジをつけているのは当然として、彼女はもともとペットとしてのゆっくりを販売する会社で、何百頭ものゆっくりたちを育てた育児のエキスパートなのである。
さすがに歳もあって、多数の赤ゆっくりを育てることが体力的に難しくなり、彼女はシング
ルマザーである女性社員に引き取られた。
ルマザーである女性社員に引き取られた。
彼女は社員の娘である香里のベビーシッター的な役割をしつつ、飼い主と育児についてゆっ
くり語り合うという、まさに悠々自適のゆん生を送っていた。
くり語り合うという、まさに悠々自適のゆん生を送っていた。
赤ん坊の我が侭や、天真爛漫さといったものはゆっくりでも人間でも、本質的には変わらな
い。手を焼かされることはあるが、だからこそ愛おしい。
そんなことを、毎日話した。飼い主がれいむに教えられることも度々あったという。
い。手を焼かされることはあるが、だからこそ愛おしい。
そんなことを、毎日話した。飼い主がれいむに教えられることも度々あったという。
無論、ゆっくりに全面的に任せる訳にもいかず、出かけるときは近所に住む祖父母に預けて
いたのだが――今回はたまたま祖父たちが留守の際に急用ができてしまい、やむなく二〇分ほ
ど留守にした、という案配だ。
いたのだが――今回はたまたま祖父たちが留守の際に急用ができてしまい、やむなく二〇分ほ
ど留守にした、という案配だ。
もっとも、これまで何度もあったことなのでれいむも飼い主も気にはしていない。鍵を掛け
ていれば問題ないし、防犯装置もある。ボタンを押せば、警備会社がやってくるまで五分だ。
「おなか、すいた」
娘の言葉に、れいむが頷いた。
「ゆ。そういえばそろそろおやつさんのじかんだね。かおりちゃんは、ここでゆっくりまって
てね」
「うんー」
香里が頷き、おもちゃで遊びだしたのを見て取ってかられいむはダイニングへと向かった。
れいむ用に紐がついている戸棚があり、ゆんしょと引っ張れば中から香里とれいむ用のおや
つが出てくる。
「ゆふん。きょうのおやつさんはばーむくーへんだね。かおりちゃんのだいすきなおかしさん
だよ!」
バームクーヘンの載った皿を咥え、れいむは体を押しつけて棚扉を戻した。
ぴょんぴょん跳ねながら、れいむは香里のもとへと戻る。
「ゆっくり、ゆっくり! かおりちゃん、きょうのおやつさんはばーむくーへ――――」
皿が音を立てて落ちた。
座った香里の目の前に居たのは――。
ていれば問題ないし、防犯装置もある。ボタンを押せば、警備会社がやってくるまで五分だ。
「おなか、すいた」
娘の言葉に、れいむが頷いた。
「ゆ。そういえばそろそろおやつさんのじかんだね。かおりちゃんは、ここでゆっくりまって
てね」
「うんー」
香里が頷き、おもちゃで遊びだしたのを見て取ってかられいむはダイニングへと向かった。
れいむ用に紐がついている戸棚があり、ゆんしょと引っ張れば中から香里とれいむ用のおや
つが出てくる。
「ゆふん。きょうのおやつさんはばーむくーへんだね。かおりちゃんのだいすきなおかしさん
だよ!」
バームクーヘンの載った皿を咥え、れいむは体を押しつけて棚扉を戻した。
ぴょんぴょん跳ねながら、れいむは香里のもとへと戻る。
「ゆっくり、ゆっくり! かおりちゃん、きょうのおやつさんはばーむくーへ――――」
皿が音を立てて落ちた。
座った香里の目の前に居たのは――。
「「「「ここをまりさたちのゆっくりプレイスにするよ!!」」」」
大柄なまりさと番らしいれいむ。そしてみかんと同じ大きさの子れいむと子まりさという
スタンダードな組み合わせの山から下りてきたばかりの野生ゆっくり一家だった。
スタンダードな組み合わせの山から下りてきたばかりの野生ゆっくり一家だった。
混乱しつつ、れいむはどうしてこうなったのかを必死で考える。
(なんで? どうして? おまどさんはちゃんとしめていたよ……?)
外に出かけるとき、当然ながら母親はきちんと窓を閉めていた。だが、一つだけ失念してい
ることがあった。それは、窓は内側からなら自由に開けられるということ。
そして、三歳になる香里にはベランダの鍵を開けるくらいには成長していたのだ。
全てにおいて、巡り合わせが悪かったとしか言いようがない。
(なんで? どうして? おまどさんはちゃんとしめていたよ……?)
外に出かけるとき、当然ながら母親はきちんと窓を閉めていた。だが、一つだけ失念してい
ることがあった。それは、窓は内側からなら自由に開けられるということ。
そして、三歳になる香里にはベランダの鍵を開けるくらいには成長していたのだ。
全てにおいて、巡り合わせが悪かったとしか言いようがない。
香里が窓を開けられることに気付けば、母親はドアストッパーを買ってそれを防いでいただ
ろう。
たまたま、れいむがおやつを取りに行ったときにまりさ一家が現れなければ、れいむが香里
を止めていただろう。
ゆっくりという存在に抵抗なく生きてきた香里でなければ、まりさたちが現れても鍵を開け
ようとはしなかっただろう。
ろう。
たまたま、れいむがおやつを取りに行ったときにまりさ一家が現れなければ、れいむが香里
を止めていただろう。
ゆっくりという存在に抵抗なく生きてきた香里でなければ、まりさたちが現れても鍵を開け
ようとはしなかっただろう。
だが、現実は庭にまりさ一家が現れたことで香里は彼らに興味を持ってしまい、窓のロック
を外してしまった。
まりさ一家は乱入して、その家が非常に広くゆっくりとしていることを知って、早速おうち宣言することにした。
を外してしまった。
まりさ一家は乱入して、その家が非常に広くゆっくりとしていることを知って、早速おうち宣言することにした。
おうち宣言は、他のゆっくりや人間が目の前にいるときは無効?
残念ながら、それは守られた試しがない。
彼らはこのゆっくりとした家を、ゆっくり気に入ってしまったのだ。
ならば、こんな小さな(知っての通り、ゆっくりたちは顔を基準に『大きさ』を決める。
まりさにとって、香里はおちびちゃんである)人間に住まわせるのはもったいないだろう。
いやむしろ、自分たちにこのゆっくりプレイスは捧げられるべきだ。
捧げない場合はゲスとして制裁もやむを得ない。
そんな超法規的解釈が、餡子脳の内部でなされたのだった。
残念ながら、それは守られた試しがない。
彼らはこのゆっくりとした家を、ゆっくり気に入ってしまったのだ。
ならば、こんな小さな(知っての通り、ゆっくりたちは顔を基準に『大きさ』を決める。
まりさにとって、香里はおちびちゃんである)人間に住まわせるのはもったいないだろう。
いやむしろ、自分たちにこのゆっくりプレイスは捧げられるべきだ。
捧げない場合はゲスとして制裁もやむを得ない。
そんな超法規的解釈が、餡子脳の内部でなされたのだった。
「ここはまりさたちのゆっくりプレイスになったんだよ!
れいむとにんげんさんはすぐにでていってね!」
ぷくー、とまりさが膨らんだ。番のれいむや子ゆっくりたちも合わせて膨らむ。
(……これは、まずいね)
飼いれいむの方は比較的落ち着いている。
長年、ありとあらゆるゆっくりに携わってきた彼女は「ゲス」より善良であっても「馬鹿」
の方が数段タチが悪いと知っている。
特に、都会の毒々しさに染まったゆっくりたちよりも、山や森で生きてきたゆっくりの方が
凶暴である。
彼らは、自分たちゆっくり以外の価値を絶対に認めようとしないからだ。
ゆっくり殺しはゆっくりできないという癖に「せいっさい」と銘打てば、
どんな残酷なリンチもやってのける。
れいむとにんげんさんはすぐにでていってね!」
ぷくー、とまりさが膨らんだ。番のれいむや子ゆっくりたちも合わせて膨らむ。
(……これは、まずいね)
飼いれいむの方は比較的落ち着いている。
長年、ありとあらゆるゆっくりに携わってきた彼女は「ゲス」より善良であっても「馬鹿」
の方が数段タチが悪いと知っている。
特に、都会の毒々しさに染まったゆっくりたちよりも、山や森で生きてきたゆっくりの方が
凶暴である。
彼らは、自分たちゆっくり以外の価値を絶対に認めようとしないからだ。
ゆっくり殺しはゆっくりできないという癖に「せいっさい」と銘打てば、
どんな残酷なリンチもやってのける。
れいむは落ち着いて、まず香里の安全が第一だと判断した。
「ゆ、ゆっくりわかったよ。ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ。
れいむたちはすぐにでていくね」
そう言って、れいむは香里の服の袖を引っ張った。
「かおりちゃん。ちょっとれいむといっしょにこっちにきてね。ゆっくりでいいからね……」
その言葉にカッとなったまりさが叫んだ。
「ゆっくりしないでね! すぐにでていってね!」
あまりの大声に、香里は途端に恐怖に襲われ泣き出した。
癇癪を起こし、そこらにあったおもちゃをぽいぽい手当たり次第に投げ始める。
「か、かおりちゃん! おちついてね! ほーら、べろべろばー! べろべろばー!」
「ゆがあああああああああ! うるさああああいいい! ゆっくりしずかにし――ゆべぇ!?」
「ゆ、ゆっくりわかったよ。ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ。
れいむたちはすぐにでていくね」
そう言って、れいむは香里の服の袖を引っ張った。
「かおりちゃん。ちょっとれいむといっしょにこっちにきてね。ゆっくりでいいからね……」
その言葉にカッとなったまりさが叫んだ。
「ゆっくりしないでね! すぐにでていってね!」
あまりの大声に、香里は途端に恐怖に襲われ泣き出した。
癇癪を起こし、そこらにあったおもちゃをぽいぽい手当たり次第に投げ始める。
「か、かおりちゃん! おちついてね! ほーら、べろべろばー! べろべろばー!」
「ゆがあああああああああ! うるさああああいいい! ゆっくりしずかにし――ゆべぇ!?」
香里が投げたおもちゃが、まりさの顔面を直撃した。
たちまち番や子ゆっくりたちが大騒ぎする。
たちまち番や子ゆっくりたちが大騒ぎする。
「ゆゆ! まりさあああああ! だいじょうぶううう!? しっかりしでえええ!?」
「ゆあああん! おとおしゃああああん!」
「よくもやっだねえええええ!」
まりさが、帽子の中から鋭く尖った木の枝を取り出した。
「ゆあああん! おとおしゃああああん!」
「よくもやっだねえええええ!」
まりさが、帽子の中から鋭く尖った木の枝を取り出した。
――まずい!
「かおりちゃんっっ!!! すぐにこっちにきて!」
その強い言葉に、ようやく香里が立ち上がった。れいむは香里の服を引っ張りながら、咄嗟
の判断でトイレに誘導する。
「ゆがあああああああああああああああ!
ゆっくりしてるゆっくりをきずつけるやつはせいっさいするよおおおおお!」
その強い言葉に、ようやく香里が立ち上がった。れいむは香里の服を引っ張りながら、咄嗟
の判断でトイレに誘導する。
「ゆがあああああああああああああああ!
ゆっくりしてるゆっくりをきずつけるやつはせいっさいするよおおおおお!」
「「「ゆっゆおーーーー!」」」
――だめ、このままではおいつかれちゃう!
れいむはトイレのドアを開けた香里に叫んだ。
「どあをしめてね! ぜったいにあけないでね!」
「わ、わかったっ」
理想的には鍵を掛けて欲しかったが、香里には難しいだろう。
ドアがきちんとしまれば、ドアノブをひねることができないまりさたちには、絶対に開けら
れない。これでひとまず、最大の目的は果たした。
だが……もう一つの目的である防犯装置のボタンを押そうにも、トイレのドアから離れる訳
にはいかなかった。
万が一のことを考えて、ここから離れることは絶対にできなかったのだ。
「かおりちゃん! ぜったいにあけちゃだめだよ! ぜったいだよ!」
「うん……!」
れいむはトイレのドアを開けた香里に叫んだ。
「どあをしめてね! ぜったいにあけないでね!」
「わ、わかったっ」
理想的には鍵を掛けて欲しかったが、香里には難しいだろう。
ドアがきちんとしまれば、ドアノブをひねることができないまりさたちには、絶対に開けら
れない。これでひとまず、最大の目的は果たした。
だが……もう一つの目的である防犯装置のボタンを押そうにも、トイレのドアから離れる訳
にはいかなかった。
万が一のことを考えて、ここから離れることは絶対にできなかったのだ。
「かおりちゃん! ぜったいにあけちゃだめだよ! ぜったいだよ!」
「うん……!」
「れいむ! ゆっくりどいてね! そのにんげんのおちびちゃんはせいっさいするよ!
これはゆっくりとしてゆっくりただしいことなんだからね!」
「まりさ、うるさいよ! ここがまりさのゆっくりプレイス? ざんっねんだね!
ここはれいむのゆっくりプレイスなんだよ!」
「ゆぐぎぎぎぎぎぎ!! なにいっでるのおおおおお!
さっきおうちせんっげんしたでしょおおおおお!? そんなごどもわからない、この
げすがああああああああああああああ!」
「ばっっっかじゃないの! れいむのおうちはね! おうちせんげんむこうなんだよっ。
ゆっくりしているゆっくりはみんなしっていることなんだよ!
ゆぷぷぷぷっ! ゆっくりしてないゆっくりなんだね、まりさたちは!」
「ゆがああああああああああ! じっ、じねえええええええええええええええええええええ!」
これはゆっくりとしてゆっくりただしいことなんだからね!」
「まりさ、うるさいよ! ここがまりさのゆっくりプレイス? ざんっねんだね!
ここはれいむのゆっくりプレイスなんだよ!」
「ゆぐぎぎぎぎぎぎ!! なにいっでるのおおおおお!
さっきおうちせんっげんしたでしょおおおおお!? そんなごどもわからない、この
げすがああああああああああああああ!」
「ばっっっかじゃないの! れいむのおうちはね! おうちせんげんむこうなんだよっ。
ゆっくりしているゆっくりはみんなしっていることなんだよ!
ゆぷぷぷぷっ! ゆっくりしてないゆっくりなんだね、まりさたちは!」
「ゆがああああああああああ! じっ、じねえええええええええええええええええええええ!」
どん、と思っていた以上に強烈な反動と共に、れいむはトイレのドアに叩きつけられた。
「ゆ、ぐっ……」
意識があっという間に遠のく。
「れいむーっ、れいむーっ!」
「どあを……ゆぐっ……あけちゃ……だめだよ……!」
そう言って、れいむはもう口を開くまいと唇を強く噛んだ。
悲鳴を聞いた香里が、間違ってもドアを開けないようにと。
れいむを取り囲んだ一家は、一斉に凶暴な表情で告げた。
「ゆ、ぐっ……」
意識があっという間に遠のく。
「れいむーっ、れいむーっ!」
「どあを……ゆぐっ……あけちゃ……だめだよ……!」
そう言って、れいむはもう口を開くまいと唇を強く噛んだ。
悲鳴を聞いた香里が、間違ってもドアを開けないようにと。
れいむを取り囲んだ一家は、一斉に凶暴な表情で告げた。
「「「「ゆっくりしてないれいむをせいっさいするよ!!!!!!」」」」
(ゆ……よかった……)
制裁対象が香里かられいむに変わったことに、れいむは微かに笑った。
制裁対象が香里かられいむに変わったことに、れいむは微かに笑った。
●
●
●
「れいむ……れいむ! しっかりして!」
「ゆ……おね……さん……?」
「大丈夫よ! オレンジジュースをかけたからね!」
残念なことに、今のれいむにとってオレンジジュースは痛みを和らげるだけの
代物に過ぎない。
あんよが潰れ、餡子が大量にはみ出していた。片目は抉られ、あにゃるとまむまむは
鋭い枝で切り刻まれていた。
まりさの巨体でのしかかられ、皮はあちこちがべこべこだった。
れいむがそれでも悲鳴をあげなかったのは、奇跡に等しい。
十分以上の制裁タイムに耐えきったのも、やはり奇跡だろう。
「ゆ……かおり……ちゃんは……」
「無事よ! 無事だから! れいむ! れいむお願いだから目を開けて!」
「ゆ……ゆっくり……よがっだ……よ……」
目を開くと、泣き顔の飼い主と香里が見える。
あのまりさたちは……ああ、ダンボールに押し込まれたらしい。
暴れているのが声で分かる。
「ゆ……おね……さん……?」
「大丈夫よ! オレンジジュースをかけたからね!」
残念なことに、今のれいむにとってオレンジジュースは痛みを和らげるだけの
代物に過ぎない。
あんよが潰れ、餡子が大量にはみ出していた。片目は抉られ、あにゃるとまむまむは
鋭い枝で切り刻まれていた。
まりさの巨体でのしかかられ、皮はあちこちがべこべこだった。
れいむがそれでも悲鳴をあげなかったのは、奇跡に等しい。
十分以上の制裁タイムに耐えきったのも、やはり奇跡だろう。
「ゆ……かおり……ちゃんは……」
「無事よ! 無事だから! れいむ! れいむお願いだから目を開けて!」
「ゆ……ゆっくり……よがっだ……よ……」
目を開くと、泣き顔の飼い主と香里が見える。
あのまりさたちは……ああ、ダンボールに押し込まれたらしい。
暴れているのが声で分かる。
「ごめ……なさ……。おやつ……とりに……いこうと……」
「分かってるから! 喋らなくていいから!」
「かおり……ちゃ……こわがって……おねえさんが……いないと……」
「大丈夫、香里はもう泣いてないから! ね、だから……」
「お、おねぇ……さん。おね、がい……きいて……くれる……?」
「いいわよ。何でも聞くわ! あまあま? オレンジジュースならまだたくさん……」
れいむはゆっくりと首を横に振った。
「れいむ……が……いなく……なったら……あたらし……ゆっくり……は……れいむの
……おちびちゃんたち……おね……がい……したい……の……」
「れい、む……?」
「みん……な……いいこに……そだてた……じしん、あるから……かおりちゃんの
そばで……ゆっくり……して……ほし……」
「れいむ! だめ! れいむでなきゃ……」
「れいむ……すっごくしあわせーな……ゆんせい……だったよ……。にんげんさんも……ゆっ
くりも……みんな……やさしくて……」
れいむは目を閉じて、自分のゆん生を振り返る。
小さな頃、販売会社の一ゆっくりとして生まれた彼女はおかざりに傷があったせいで、ペッ
トショップから仕入れを拒否された。
成績が比較的優秀だったため、処分するのももったいないと判断されて、赤ゆっくりたちの
教育に回された。
適職だったのだろう。彼女が引退するまでに育てたゆっくりは実に一千匹を越える。
社長さんに表彰されたことすらあるのだ。
それが終わって、新しい飼い主の下で悠々自適の生活を送っていた。
ゆっくりとしては、一万匹に一匹いるかいないかという穏やかなゆん生だったろう。
おまけに、最後までゆっくりとして「だいじなおちびちゃん」を守ることができたのだ。
これほど嬉しいことは、他にない。
「分かってるから! 喋らなくていいから!」
「かおり……ちゃ……こわがって……おねえさんが……いないと……」
「大丈夫、香里はもう泣いてないから! ね、だから……」
「お、おねぇ……さん。おね、がい……きいて……くれる……?」
「いいわよ。何でも聞くわ! あまあま? オレンジジュースならまだたくさん……」
れいむはゆっくりと首を横に振った。
「れいむ……が……いなく……なったら……あたらし……ゆっくり……は……れいむの
……おちびちゃんたち……おね……がい……したい……の……」
「れい、む……?」
「みん……な……いいこに……そだてた……じしん、あるから……かおりちゃんの
そばで……ゆっくり……して……ほし……」
「れいむ! だめ! れいむでなきゃ……」
「れいむ……すっごくしあわせーな……ゆんせい……だったよ……。にんげんさんも……ゆっ
くりも……みんな……やさしくて……」
れいむは目を閉じて、自分のゆん生を振り返る。
小さな頃、販売会社の一ゆっくりとして生まれた彼女はおかざりに傷があったせいで、ペッ
トショップから仕入れを拒否された。
成績が比較的優秀だったため、処分するのももったいないと判断されて、赤ゆっくりたちの
教育に回された。
適職だったのだろう。彼女が引退するまでに育てたゆっくりは実に一千匹を越える。
社長さんに表彰されたことすらあるのだ。
それが終わって、新しい飼い主の下で悠々自適の生活を送っていた。
ゆっくりとしては、一万匹に一匹いるかいないかという穏やかなゆん生だったろう。
おまけに、最後までゆっくりとして「だいじなおちびちゃん」を守ることができたのだ。
これほど嬉しいことは、他にない。
「おねえさん……。かおりちゃんといっしょに……ゆっくり、してね……」
れいむはそう言って、静かに目を閉じた。
「れいむ……れいむ……!」
飼い主である母親と香里は、れいむを抱き締めて泣きじゃくった。
れいむはそう言って、静かに目を閉じた。
「れいむ……れいむ……!」
飼い主である母親と香里は、れいむを抱き締めて泣きじゃくった。
『ゆっくりつみをあがなうよ!』(前編) マンネリあき
「――という経緯があって、持ち込まれたのがこのまりさ一家です」
白衣を着た野暮ったい中年男……通称『博士』と呼ばれる男は、そう言ってゆへんと胸を張
るまりさ一家を紹介した。
「死ねオラァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」
マンネリ君、というニックネームをつけられた青年は、躊躇いなくまりさを蹴った。
虐待用の何もない真っ白な部屋を、まりさはおそらをとんでるみたい、と言う暇もなく吹っ
飛んだ。
「ゆび!? ゆぼ! ゆべえええええ!」
「まりざあああああああああああああ!」
「「おとおおしゃああああああああああああああああああん!」」
白衣を着た野暮ったい中年男……通称『博士』と呼ばれる男は、そう言ってゆへんと胸を張
るまりさ一家を紹介した。
「死ねオラァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」
マンネリ君、というニックネームをつけられた青年は、躊躇いなくまりさを蹴った。
虐待用の何もない真っ白な部屋を、まりさはおそらをとんでるみたい、と言う暇もなく吹っ
飛んだ。
「ゆび!? ゆぼ! ゆべえええええ!」
「まりざあああああああああああああ!」
「「おとおおしゃああああああああああああああああああん!」」
何メートルか吹き飛んだまりさは、餡子を漏らしつつ泣き喚く。
「ゆっぶびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?
どぼじでえええええええええ! どぼじでごんなごどおおおおおおおおおおお!」
「五月蠅い! 黙れ! そして死ね! このクソゲスどもが!」
青年はどちらかというと涙脆い方である。また、おうち宣言で苦労させられたこともあり、
この手のゲス行動に関しては人一倍厳しい。
さらに博士の聞くも涙語るも涙的ナレーションで、テンション最高潮だ。
まりさは泣き喚きながら反論する。
「どこがなのおお!? まりざだぢ、げずじゃないいいいい!
げずなのは、あのれいむとにんげんのほうなのにいいいいいいい!
りふじんだよおおおおお! せかいがてきいろだよおおおおおおおおおおおお!」
「ゆわああああん! まりざあああ! れいむだぢがゆっぐりじでるがら、
みんながいじめるよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「ゆんやああああああ! おとうしゃあああん! おかあしゃあああん!
にゃかないでええええ……! まりちゃもきゃなしいいよおおおお……!」
「れいみゅも……れいみゅもとってもとってもかなしいよぉ…………!」
「こ、い、つ、ら……!」
青年は早くもブチ切れ寸前である。
虐待する際、世の中の理不尽を嘆くゆっくりは極めて多い。
だが、こいつらは「理不尽だよおお」などと嘆く資格はないはずなのだ。
「ゆっぶびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?
どぼじでえええええええええ! どぼじでごんなごどおおおおおおおおおおお!」
「五月蠅い! 黙れ! そして死ね! このクソゲスどもが!」
青年はどちらかというと涙脆い方である。また、おうち宣言で苦労させられたこともあり、
この手のゲス行動に関しては人一倍厳しい。
さらに博士の聞くも涙語るも涙的ナレーションで、テンション最高潮だ。
まりさは泣き喚きながら反論する。
「どこがなのおお!? まりざだぢ、げずじゃないいいいい!
げずなのは、あのれいむとにんげんのほうなのにいいいいいいい!
りふじんだよおおおおお! せかいがてきいろだよおおおおおおおおおおおお!」
「ゆわああああん! まりざあああ! れいむだぢがゆっぐりじでるがら、
みんながいじめるよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「ゆんやああああああ! おとうしゃあああん! おかあしゃあああん!
にゃかないでええええ……! まりちゃもきゃなしいいよおおおお……!」
「れいみゅも……れいみゅもとってもとってもかなしいよぉ…………!」
「こ、い、つ、ら……!」
青年は早くもブチ切れ寸前である。
虐待する際、世の中の理不尽を嘆くゆっくりは極めて多い。
だが、こいつらは「理不尽だよおお」などと嘆く資格はないはずなのだ。
「はいストップ。えーとですね、れいむの飼い主様からのリクエストで
『殺さなくてもいい、だがせめて罪を自覚して欲しい』
とのことなんですよね。だから、いいですか? このまりさ一家は――」
『殺さなくてもいい、だがせめて罪を自覚して欲しい』
とのことなんですよね。だから、いいですか? このまりさ一家は――」
「 絶 対 に 殺 し ま せ ん 」
博士はそう言って満面の笑みを浮かべた。
青年は背筋がぞくりとした。
「……殺さないんですか」
「ええ、絶っっっっっっっっ対に殺しません。彼らを寿命で死なせるのが目標ですよ、僕は」
目の前の中年男――通称『博士』がこう言うということは。
「 死 ん だ 方 が マ シ 」という目に遭わせるということなのだ。
青年は背筋がぞくりとした。
「……殺さないんですか」
「ええ、絶っっっっっっっっ対に殺しません。彼らを寿命で死なせるのが目標ですよ、僕は」
目の前の中年男――通称『博士』がこう言うということは。
「 死 ん だ 方 が マ シ 」という目に遭わせるということなのだ。
「さて、マンネリ君。飼い主さんも実は彼らに『罰』を自覚させようとしました。
ですが失敗した、何故だと思います」
「そりゃ、ゲスだからでしょ」
「まりさはゲスじゃ……ゆべっ!」
博士はさりげなく、まりさを踏んづけた。
「ハズレです。正解は――――『このまりさ一家が、アホだから』です」
「アホ……ですか」
「東京者なら、バカと言い直した方がいいでしょうか。いや、バカにしているのだから
逆ですかね? まあ、どちらでもいいや」
「まりさは……ばかじゃない……」
「じゃあまりさ君はアホですね。まあ、それはともかくとして。
罪を自覚する、悪いことをしたと思う。これは、ある程度の知能が必要な行動です。
賢い犬や猫が、悪いことをしたようにしょんぼりするのを見たことがあるでしょう?
彼らは人間と生活する上での「ルール」を理解しており、それに反したことを申し訳ないと
考えているのです。
逆に、昆虫や魚が『悪いことをしたなあ』と反省はしませんよね?」
ですが失敗した、何故だと思います」
「そりゃ、ゲスだからでしょ」
「まりさはゲスじゃ……ゆべっ!」
博士はさりげなく、まりさを踏んづけた。
「ハズレです。正解は――――『このまりさ一家が、アホだから』です」
「アホ……ですか」
「東京者なら、バカと言い直した方がいいでしょうか。いや、バカにしているのだから
逆ですかね? まあ、どちらでもいいや」
「まりさは……ばかじゃない……」
「じゃあまりさ君はアホですね。まあ、それはともかくとして。
罪を自覚する、悪いことをしたと思う。これは、ある程度の知能が必要な行動です。
賢い犬や猫が、悪いことをしたようにしょんぼりするのを見たことがあるでしょう?
彼らは人間と生活する上での「ルール」を理解しており、それに反したことを申し訳ないと
考えているのです。
逆に、昆虫や魚が『悪いことをしたなあ』と反省はしませんよね?」
「しかし、餡子脳の呼び名が高いゆっくりでも『ごめんなさい』と……ああ、あれは鳴き声で
すか」
「いいえ、鳴き声なんかじゃありませんよ。皆さん、ゆっくりの謝罪は鳴き声だって片付けて
いますけど、あれはそうじゃありません。あれはちゃんとした、正真正銘の謝罪です」
「へ? だけど……」
「正真正銘の謝罪ですが。謝罪が真摯であればあるほど、それは『ゆっくりできない行為』に
なります。はい、バカなゆっくりが『ゆっくりできない行為』を強制された場合、どうなりま
すか?」
「忘れます」
「そうです。彼らは本気で『ごめんなさい悪かったです』と謝った一秒後に、それを忘れてい
るのです。うんうんやしーしーを排出していると、そこに厭な記憶も混ぜて更に忘れやすくし
ますね」
「鳴き声より、ある意味で最低な認識だなー……」
「で、彼らはそんな中でも極めつけのバカなので。
そもそも罪を自覚するということがありえません。
彼らはどれほど痛めつけて殺しても、『我が生涯にただ一度の汚れもなし』みたいに考えて
聖人気取りですよ」
青年は頭を押さえた。
「聞けば聞くほどに苛立たしい生き物ですね、こいつら」
「ですから、まず彼らを賢くしてあげましょう」
博士はそう言って、にんまり笑った。
すか」
「いいえ、鳴き声なんかじゃありませんよ。皆さん、ゆっくりの謝罪は鳴き声だって片付けて
いますけど、あれはそうじゃありません。あれはちゃんとした、正真正銘の謝罪です」
「へ? だけど……」
「正真正銘の謝罪ですが。謝罪が真摯であればあるほど、それは『ゆっくりできない行為』に
なります。はい、バカなゆっくりが『ゆっくりできない行為』を強制された場合、どうなりま
すか?」
「忘れます」
「そうです。彼らは本気で『ごめんなさい悪かったです』と謝った一秒後に、それを忘れてい
るのです。うんうんやしーしーを排出していると、そこに厭な記憶も混ぜて更に忘れやすくし
ますね」
「鳴き声より、ある意味で最低な認識だなー……」
「で、彼らはそんな中でも極めつけのバカなので。
そもそも罪を自覚するということがありえません。
彼らはどれほど痛めつけて殺しても、『我が生涯にただ一度の汚れもなし』みたいに考えて
聖人気取りですよ」
青年は頭を押さえた。
「聞けば聞くほどに苛立たしい生き物ですね、こいつら」
「ですから、まず彼らを賢くしてあげましょう」
博士はそう言って、にんまり笑った。
●
●
●
「やべろおおおお! はなしてねっ、はなしてえええええええええええええ!」
「まりさああああああああああああ! まりさにてをださないでええええええええええええ!」
「やめちぇね! まりちゃおこりゅよ! ぷくーしゅるよ!」
「れいみゅもぷくー……あ、あ、あ、やめちぇえええええええええええ!」
「まりさああああああああああああ! まりさにてをださないでええええええええええええ!」
「やめちぇね! まりちゃおこりゅよ! ぷくーしゅるよ!」
「れいみゅもぷくー……あ、あ、あ、やめちぇえええええええええええ!」
「はーい、まりさくーん。いいですかー?
あなたの体は今、ラムネ注射によって局所麻酔されています。
通常、麻酔をするのは当然ながら『とっても痛いことをする場所』に限られます。
ですが、まりさくんはれいっがいです」
あなたの体は今、ラムネ注射によって局所麻酔されています。
通常、麻酔をするのは当然ながら『とっても痛いことをする場所』に限られます。
ですが、まりさくんはれいっがいです」
そう言いつつ、博士がすーっと背中にメスを刺し入れた。
「ぎゃぼぼぼぼぼぼ! いだいっ! いだいいいいいいいいいっ!」
自由になる目と口とおさげだけが、ひたすら揺れる。
だが、体は微動だにしない。あんよもあにゃる周辺も、腹部も、顔も、そのほとんどにラム
ネの注射を打たれていたせいで、完全に麻痺している。
なのに、引き裂かれる背中だけは痛覚ありのままなのだ。
「うびっ! うぼっ! うべええええ!」
「さて、マンネリ君。餡子を取ってください」
「あいあいさー。うわあ……もったいねえなあ」
「小豆の最高峰、丹波大納言ですよー。丹精込めて作られたものです。
いやあ、これを使うなんてホントもったいないですねー」
笑いながら、博士は慎重にまりさの餡子を交換していく。
「賢くするのに、手っ取り早くするのは餡子の質を高めることです。けれど、餡子は全体で記
憶も兼ねています。全て交換したら本気で『何もかも』忘れてしまいます」
「どうするんですか?」
「半分交換します。そうして、空白部分に記憶が浸透するのを待ちます」
「ゆっ、ゆっ、ゆっ……」
「変な声出してますが」
「オレンジジュースを念のため注射しておきましょうか。
さて、やるべきことはもう一つ」
自由になる目と口とおさげだけが、ひたすら揺れる。
だが、体は微動だにしない。あんよもあにゃる周辺も、腹部も、顔も、そのほとんどにラム
ネの注射を打たれていたせいで、完全に麻痺している。
なのに、引き裂かれる背中だけは痛覚ありのままなのだ。
「うびっ! うぼっ! うべええええ!」
「さて、マンネリ君。餡子を取ってください」
「あいあいさー。うわあ……もったいねえなあ」
「小豆の最高峰、丹波大納言ですよー。丹精込めて作られたものです。
いやあ、これを使うなんてホントもったいないですねー」
笑いながら、博士は慎重にまりさの餡子を交換していく。
「賢くするのに、手っ取り早くするのは餡子の質を高めることです。けれど、餡子は全体で記
憶も兼ねています。全て交換したら本気で『何もかも』忘れてしまいます」
「どうするんですか?」
「半分交換します。そうして、空白部分に記憶が浸透するのを待ちます」
「ゆっ、ゆっ、ゆっ……」
「変な声出してますが」
「オレンジジュースを念のため注射しておきましょうか。
さて、やるべきことはもう一つ」
博士はそう言って、その薬剤を取り出した。
「ゆぎぃ!? ごぼおおおお! おぼ! おぼおぼぼぼぼぼ!」
「大丈夫ですよー。ちょっとぬーりぬーりしているだけですからねー。
痛くないですよー。いや、痛いか。ごめんごめん、はっはっは」
「大丈夫ですよー。ちょっとぬーりぬーりしているだけですからねー。
痛くないですよー。いや、痛いか。ごめんごめん、はっはっは」
その様子を、番であるれいむと子れいむ、子まりさは特等席――最前列で無理矢理見物させ
られていた。
「やべでえええええ! れいむのあいするまりさをいじめないでえええええええ!」
「ぷきゅーするよおおおお! するんだよおおおお! してるのにどぼじででえええええええ
ええ! どぼじでじなないのおおおおおおおおおお!」
「まりちゃゆるしゃないよ! じぇったい! じぇったいにゆるしゃないよー!」
青年がニヤニヤ笑いながら、彼らに教えてやることにした。
「安心しろ。お前等も同じ手術を受けることになるんだからさ」
「ゆびぃ!?」
ぷしゃー、と家族は一斉におそろしーしーを噴出した。
世界で一番強くて、一番ゆっくりしているはずの父まりさがあれだけ泣き叫び、奇声をあげ
るような『いたいいたい』ことを、自分たちがされて耐えられるだろうか?
「ゆ……ゆ、ゆんやああああ! いちゃいのいやああ! いやああああああ!」
「ゆんやー! ゆんやああああ! おかあしゃあああん! おかああしゃああああん!」
「おちびちゃあああん! なかないでええええ! おかあさんも……おかあさんもこわいよお
おお!」
られていた。
「やべでえええええ! れいむのあいするまりさをいじめないでえええええええ!」
「ぷきゅーするよおおおお! するんだよおおおお! してるのにどぼじででえええええええ
ええ! どぼじでじなないのおおおおおおおおおお!」
「まりちゃゆるしゃないよ! じぇったい! じぇったいにゆるしゃないよー!」
青年がニヤニヤ笑いながら、彼らに教えてやることにした。
「安心しろ。お前等も同じ手術を受けることになるんだからさ」
「ゆびぃ!?」
ぷしゃー、と家族は一斉におそろしーしーを噴出した。
世界で一番強くて、一番ゆっくりしているはずの父まりさがあれだけ泣き叫び、奇声をあげ
るような『いたいいたい』ことを、自分たちがされて耐えられるだろうか?
「ゆ……ゆ、ゆんやああああ! いちゃいのいやああ! いやああああああ!」
「ゆんやー! ゆんやああああ! おかあしゃあああん! おかああしゃああああん!」
「おちびちゃあああん! なかないでええええ! おかあさんも……おかあさんもこわいよお
おお!」
「はい、まりさは終わりました。いやー、よく耐えましたね。凄く痛かったでしょうけど、頑
張って生きてくれました。頑張りましたまりさくん。さ、どいてくださいね」
「ゆ……ゆひ……ゆひい……」
びくびくと痙攣するまりさをほっぽりだし、博士は次のゆっくりの処置に取りかかった。
張って生きてくれました。頑張りましたまりさくん。さ、どいてくださいね」
「ゆ……ゆひ……ゆひい……」
びくびくと痙攣するまりさをほっぽりだし、博士は次のゆっくりの処置に取りかかった。
「ゆびゃああああああああ! いじゃい! いじゃいいいい! あんこしゃん! れいむのゆ
っくりしたあんこさんとらないでえええええええええええええ!」
っくりしたあんこさんとらないでえええええええええええええ!」
「ゆんやああああ! いちゃいよおおお! いたいよおおおお! まりさのせなかさんが、い
ちゃいいちゃいだよおおおお! やめでえええええ!」
ちゃいいちゃいだよおおおお! やめでえええええ!」
「ごめんなざいごめんなざいごめんなざいいいいい! れいみゅがわるかっちゃでしゅうう!
もうなまいきいいましぇんっ、もうあまあまほしがりましぇん! もう……もう……ゆんや
ああああああああ!」
もうなまいきいいましぇんっ、もうあまあまほしがりましぇん! もう……もう……ゆんや
ああああああああ!」
三匹の処置も終わらせ、博士は彼らを向かい合わせた。
「さて、と。一時間くらい経てば、変化が起きるはずです。それまでは待っていましょうか」
うーす、と青年は応じて部屋から出て行った。
「さて、と。一時間くらい経てば、変化が起きるはずです。それまでは待っていましょうか」
うーす、と青年は応じて部屋から出て行った。
「ゆっぐ、ゆっぐ、ゆぐぅ……いたかったよ……」
「おちびちゃあん……すーりすーりしようね……」
「ゆんやあ……いちゃい……いちゃいよぉ……」
「ゆぐぐぐ……ごめんなしゃい……ごめんなしゃい……」
「おちびちゃあん……すーりすーりしようね……」
「ゆんやあ……いちゃい……いちゃいよぉ……」
「ゆぐぐぐ……ごめんなしゃい……ごめんなしゃい……」
「ひどいよ……まりさたち……なんにもしてないのにね……」
「ゆっくりしてないげすに……せいさいしただけなのに……」
「りふじんだにぇ……」
「あやまっちぇるのに……ぜんっぜんきいちぇくれにぇい……」
「ゆっくりしてないげすに……せいさいしただけなのに……」
「りふじんだにぇ……」
「あやまっちぇるのに……ぜんっぜんきいちぇくれにぇい……」
「ゆえええん、ゆえええん……!」
「ゆびい! ゆびいい……!」
「ゆああああん! ゆあああああん!」
「ゆーーっ! ゆうううううっ!」
「ゆびい! ゆびいい……!」
「ゆああああん! ゆあああああん!」
「ゆーーっ! ゆうううううっ!」
自分たちに降りかかった突然の、理不尽な不幸を嘆き続けて一時間。
まりさたちは、体が何となくむずむずし始めていた。
「ゆ……ゆ? まりさ、からだのちょうしが……へん、だよ」
最初は不安に感じていたまりさたちだが、その顔が喜びに変わる。
どことなく靄がかかっていたような思考が、急にハッキリするようになったのだ。
「ゆゆ! れいむ! まりさ……まりさ、あたまがよくなったきがするよ!」
「れいむも! れいむもあたまがよくなったみたい!」
「まりちゃも! まりちゃもずのうめいっせきになったよ!」
「れいみゅもだよ! れいみゅもしこうさんがくりあに……なっ……」
まりさたちは、体が何となくむずむずし始めていた。
「ゆ……ゆ? まりさ、からだのちょうしが……へん、だよ」
最初は不安に感じていたまりさたちだが、その顔が喜びに変わる。
どことなく靄がかかっていたような思考が、急にハッキリするようになったのだ。
「ゆゆ! れいむ! まりさ……まりさ、あたまがよくなったきがするよ!」
「れいむも! れいむもあたまがよくなったみたい!」
「まりちゃも! まりちゃもずのうめいっせきになったよ!」
「れいみゅもだよ! れいみゅもしこうさんがくりあに……なっ……」
喜んだのも束の間、まりさ一家は徐々に自分たちが何故ここにやってきたのか、理解しよう
としていた。
「ま……まりさたち……」
「にんげんさんのおうちに……はいって……」
「ゆっくりしていたれいむを……せいっさいして……」
「せいっさい……じゃないよ……あれは……ゆっくり……ごろし……」
としていた。
「ま……まりさたち……」
「にんげんさんのおうちに……はいって……」
「ゆっくりしていたれいむを……せいっさいして……」
「せいっさい……じゃないよ……あれは……ゆっくり……ごろし……」
「「「「ゆあああああああああああああああああああああああ!!!!」」」」
びたんびたんと、物凄い勢いで四匹のゆっくりたちが暴れ始めた。
その声を聞きつけて、二人が再び部屋にやってきた。
「お。餡子の記憶が混ざり合ったみたいですね」
その声を聞きつけて、二人が再び部屋にやってきた。
「お。餡子の記憶が混ざり合ったみたいですね」
さて、ゆっくりの中身は餡子やクリームであり、頭の良さというのは餡子の『質』によって
決定される。ついでに言うと、この質はゆっくり自身が向上心を持つことによって高められる。
金・銀・銅バッジのペットゆっくりたちは、知識を得てマナーを学ぶことで餡子やクリーム
の『質』を高めていくのだ。
(なお、この場合の質とは甘みではない)
決定される。ついでに言うと、この質はゆっくり自身が向上心を持つことによって高められる。
金・銀・銅バッジのペットゆっくりたちは、知識を得てマナーを学ぶことで餡子やクリーム
の『質』を高めていくのだ。
(なお、この場合の質とは甘みではない)
では、「三流ゆっくりたちの餡子を入れ替えて一流に仕立て上げる」ことは可能なのだろう
か? 答えはイエスであり、ノーである。
それはともかくとして、まずはまりさ一家をご覧に入れよう。
「ゆゆ! にんげんさん! にんげんさん! まりさたちめがさめました!
ゆっぐりじでまぜんでじだ! ごめんなさい! ごめんなさああああああああああい!」
「れいむもごめんなさい! ゆっくりしているゆっくりをせいっさいとしょうして、こ、こ、
ころしてしまいましたっ!」
「ゆんやああああああ! ごめんなしゃいいいいい!」
「ゆっぐりじでまぜんでじだあああああああああああ!」
「うーん、僕に謝って貰っても困りますね。僕はあのれいむの飼い主じゃないので」
「あやまりだいでず! せいっさいされてもかまいまぜんっ!」
「だったら、カメラ越しに謝りますか? きっと、飼い主さんに伝わりますよ」
か? 答えはイエスであり、ノーである。
それはともかくとして、まずはまりさ一家をご覧に入れよう。
「ゆゆ! にんげんさん! にんげんさん! まりさたちめがさめました!
ゆっぐりじでまぜんでじだ! ごめんなさい! ごめんなさああああああああああい!」
「れいむもごめんなさい! ゆっくりしているゆっくりをせいっさいとしょうして、こ、こ、
ころしてしまいましたっ!」
「ゆんやああああああ! ごめんなしゃいいいいい!」
「ゆっぐりじでまぜんでじだあああああああああああ!」
「うーん、僕に謝って貰っても困りますね。僕はあのれいむの飼い主じゃないので」
「あやまりだいでず! せいっさいされてもかまいまぜんっ!」
「だったら、カメラ越しに謝りますか? きっと、飼い主さんに伝わりますよ」
「まりざだぢがまぢがっでまじだ!」
「あんなにゆっぐりじでいるれいむをごろじでじまっでごめんなざい!」
「せいっさいされてももんくいいましぇん!」
「ゆんやあ……ゆんやああああ!」
「あんなにゆっぐりじでいるれいむをごろじでじまっでごめんなざい!」
「せいっさいされてももんくいいましぇん!」
「ゆんやあ……ゆんやああああ!」
「「「「ごめんなざあああああああああああああい!」」」」
「はい、いいですよー。飼い主さんは、きっとあなたたちのことを許してくれるでしょうねえ」
「よがっだ……よがっだねえ……れいむ……」
まりさはそう言って、泣きながら家族とすーりすーりを交わした。
やっと自分たちの犯した罪を償うことができた。
これでまた、ゆっくりできる。ごめんなさいしたからもう大丈夫。
「よがっだ……よがっだねえ……れいむ……」
まりさはそう言って、泣きながら家族とすーりすーりを交わした。
やっと自分たちの犯した罪を償うことができた。
これでまた、ゆっくりできる。ごめんなさいしたからもう大丈夫。
「じゃ、ここから先はマンネリ君のターンです。死んだ方がマシという虐待をされるので、頑
張ってくださいねー」
「うーし、やるぜー。超やっちゃうぜー? 今回はノリに乗ってるぜー?」
張ってくださいねー」
「うーし、やるぜー。超やっちゃうぜー? 今回はノリに乗ってるぜー?」
「ゆ?」「ゆゆ?」「ゆゆ……?」「ぎゃく…………たい?」
目をぱちぱちさせていたまりさ一家は、その言葉を理解すると一斉に抗議の声をあげた。
「どぼじでええええええええええ! どぼじでなのおおおお!」
「れいむだぢじゃんとあやまったよおおおお! つぐなっだよおおおおおお!」
「これいじょうないほどしゃざいじだよおおおお!」
「どぼじでええええええええええ! どぼじでなのおおおお!」
「れいむだぢじゃんとあやまったよおおおお! つぐなっだよおおおおおお!」
「これいじょうないほどしゃざいじだよおおおお!」
「ええ、謝罪はしましたよね。ごめんなさいと。でも、それと贖罪は別物ですよ。
ごめんなさい反省しました、それを心の底から言うことはとても大切です。
だけど、それだけで赦されない罪というのもあるのですよー?」
ごめんなさい反省しました、それを心の底から言うことはとても大切です。
だけど、それだけで赦されない罪というのもあるのですよー?」
「ぞんなごどないっ! まりざだぢいっばいないだもん! つみはつぐなっだっ!」
「つぐなっだ!」
「つぐなっだよおお!」
先ほど、「三流ゆっくりの餡子を入れ替えて一流に仕立て上げる」ということが可能か?
という問いにあやふやに答えなくてはならなかった理由が、これである。
「つぐなっだ!」
「つぐなっだよおお!」
先ほど、「三流ゆっくりの餡子を入れ替えて一流に仕立て上げる」ということが可能か?
という問いにあやふやに答えなくてはならなかった理由が、これである。
今、まりさ一家はこれまでのゆん生でありえないくらいに頭が良い。
恐らく、十程度なら楽に数えられるだろうし、倫理観というものもそれなりに習得している。
だが――所詮、三流は三流なのだ。
触れれば死ぬ中枢餡。ここには、人格ならぬ『ゆん格』を司る餡子が入っている。
この中枢餡を入れ替えることだけは不可能だ。ほんの少し損傷しただけで、永遠にゆっくり
しかねない。
(高度な外科手術を施す施設があれば別だ。とある鬼意山が、あるゲスまりさをあまりに
も気に入ったため、あらゆる虐待を施しては体を入れ替えるという凄まじいことをやっている
らしい ※1)
恐らく、十程度なら楽に数えられるだろうし、倫理観というものもそれなりに習得している。
だが――所詮、三流は三流なのだ。
触れれば死ぬ中枢餡。ここには、人格ならぬ『ゆん格』を司る餡子が入っている。
この中枢餡を入れ替えることだけは不可能だ。ほんの少し損傷しただけで、永遠にゆっくり
しかねない。
(高度な外科手術を施す施設があれば別だ。とある鬼意山が、あるゲスまりさをあまりに
も気に入ったため、あらゆる虐待を施しては体を入れ替えるという凄まじいことをやっている
らしい ※1)
そして、このまりさ一家のゆん格は『ゆっくりできないことを極度に嫌う』である。
これは、当然ゆっくりなら誰もが持っていて然るべきものだが、彼らの「ゆっくりできない」
行為は実に幅広い。普通のゆっくりと比較しても幅広すぎる。
これは、当然ゆっくりなら誰もが持っていて然るべきものだが、彼らの「ゆっくりできない」
行為は実に幅広い。普通のゆっくりと比較しても幅広すぎる。
(賢い野生ゆっくりの場合)
「いまのうちにふゆのごはんさんをためこまなきゃ、ゆっくりできなくなるよね!」
「いまのうちにふゆのごはんさんをためこまなきゃ、ゆっくりできなくなるよね!」
(愚かな野生ゆっくりの場合)
「ふゆのごはんさんをためこむのにいっしょうけんめいになるなんて、ゆっくりできないね!」
「ふゆのごはんさんをためこむのにいっしょうけんめいになるなんて、ゆっくりできないね!」
そう、愚かなゆっくりは行為に対する結果の予測ができない。
目先の「ゆっくり」が全てで、それを消費すれば次のゆっくりするものを探そうとする。
障害物は全て敵。
それは、時に『ゆっくりできない』ことをいった群れのゆっくりたちすら該当する。
目先の「ゆっくり」が全てで、それを消費すれば次のゆっくりするものを探そうとする。
障害物は全て敵。
それは、時に『ゆっくりできない』ことをいった群れのゆっくりたちすら該当する。
(賢いゆっくりの場合)
「ふゆさんはきびしいけど、たくさんのごはんさんがあるからだいじょうぶ!
ゆっくりのんびりはるをまつよ!」
「ふゆさんはきびしいけど、たくさんのごはんさんがあるからだいじょうぶ!
ゆっくりのんびりはるをまつよ!」
(愚かなゆっくりの場合)
「どぼじでしょくりょうがないのおおお!
ゆっくりできないいい! できないよおおおおおおおおお!」
「どぼじでしょくりょうがないのおおお!
ゆっくりできないいい! できないよおおおおおおおおお!」
ゆん格レベルでそういう考えが染みついているのだ。
さて、この場合のまりさ一家ではあるが――。
さて、この場合のまりさ一家ではあるが――。
まりさ一家は罪を記憶し、自覚した。
悪いことをしたと考え、謝罪した。
ここまでは良い。だが、ここからが問題だ。
「罪を自覚し、謝罪する」……これはとてもゆっくりできないことだ。
だが、忘れようにも質の良い餡子のせいで忘れられない。
となると、次はこうである。中枢餡の指令により、都合の良い解釈をするのだ。
悪いことをしたと考え、謝罪した。
ここまでは良い。だが、ここからが問題だ。
「罪を自覚し、謝罪する」……これはとてもゆっくりできないことだ。
だが、忘れようにも質の良い餡子のせいで忘れられない。
となると、次はこうである。中枢餡の指令により、都合の良い解釈をするのだ。
「ゆっくりれいむを殺してしまった。でも謝罪した、反省もした。だから罪は償った」
「償った罪は、忘れてしまっても構わない。むしろ、殺したれいむの分までゆっくりと生きて
行こう」
「償った罪は、忘れてしまっても構わない。むしろ、殺したれいむの分までゆっくりと生きて
行こう」
そんな感じの思考パターンである。
当然ながら、それでは神が許しても青年は許さない。
ちなみに博士からはこう言われている。
「殺さなければ、両目を抉らなければ、何をやっても構いませんよー。
ただし、廃ゆにならないように気をつけてください。
最終目標は……『アレ』なので」
当然ながら、それでは神が許しても青年は許さない。
ちなみに博士からはこう言われている。
「殺さなければ、両目を抉らなければ、何をやっても構いませんよー。
ただし、廃ゆにならないように気をつけてください。
最終目標は……『アレ』なので」
青年は、残酷な笑みで震える彼らの一匹を摘み上げ――――。
(後編へ続く)