ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3677 ゆっくりだまってね!
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『ゆっくりだまってね!』 4KB
虐待 観察 いたづら 仲違い 実験 子ゆ 透明な箱 黙るフォイ
虐待 観察 いたづら 仲違い 実験 子ゆ 透明な箱 黙るフォイ
「……ゆぅ、ねぇまりしゃ……おはなち……おはなちちようよぅ……」
蚊の鳴くようなか細い声が響く。
部屋の壁の下に空いた僅かな隙間に向けて口を寄せ、体を地面に擦りつけるようにしてれいむが声をかけている。
「ねぇ……おはなち……おはなち……ゆっく、ち……」
手探りで何かを探すような声に、しかし返事が返ることは無かった。
やがて声はひくひくとしゃくりあげるように変わり、いよいよ嗚咽が交じってくる。
「ゆぐっ……おはなち……ゆっくちできにゃい……ゆっく……」
「うるしゃいのじぇえええ!」
突然、部屋の壁を震えさせる程の怒声が響いた。
れいむは竦み上がる。
声には強烈な敵意が含まれていたからだ。
ぷくーを威嚇ではなく「敵意の表明」というだけであれ程に恐れるゆっくり。
基本的に、世界の全てが自分に対して友好的と考える彼らは悪意や敵意に対して非常に弱い。
怒鳴り声の声量よりも、それが自分に向けられたものであるということが何より辛かった。
だが、それでもれいむはどこか救いを得たような顔を作る。
ゆっくりとは同時に孤独を異様に恐れるものでもある。
比喩ではなく、ゆっくりにとって孤独とは本当に死に至る病だ。
一匹でおかれたゆっくりは精神的なストレスから、やがてころりと死んでしまう。
文字通り、命懸けなのだ。
故に、ぶつけられた敵意より、相手が居ることが確認できた喜びが勝った。
「ゆっ!ごめんねまりちゃ!ゆっくちちていっ……」
ばん!
慌てて言葉をつなごうとしたれいむは壁越しに思い切り叩かれた。
壁の向こうでまりさが体当たりをしたのだ。
壁に張り付くように顔を付けていたため、壁越しとは言え衝撃は強烈だった。
そして何より、無言と物理的な攻撃の合わせ技はれいむの心をへし折っていった。
「ゆっ……ゆぐっ……」
ばん!ばん!ばん!
近づこうにも、壁は激しい音を立てて震動している。
向こうで鬼気迫る表情で壁に体当たりを繰り返しているであろうまりさの顔が浮かぶ。
もうれいむは声をかける気力を失っていた。
それほどに激しい拒絶だった。
「ゆぐっ……ゆぐっ……ゆっくちできにゃい……」
今日も、同じ。
「どうちて……れいみゅにゃんにもわるいことしちぇないのに……」
れいむは壁から離れると、部屋の反対側へ移動し泣きながら餌を食べた。
壁を叩く音はしばらく続いていたがやがて止まり、もう声も音もすることはなかった。
その夜。
「ゆぅ……れいみゅ……れいみゅ……」
まただ。
「れいみゅ……まりちゃなのじぇ……」
またあいつだ。
「れいみゅ……おはなち……ゆっくちおはなちちたいのじぇ……」
その声が聞こえてきたとき、れいむの寝ぼけた頭で感じることはただただ「怒り」だった。
毎晩毎晩、夜になって自分が寝入った頃になると壁を隔てた場所からまりさの声がするのだ。
壁の下には僅かな隙間があり、そこに口を付けてぼそぼそぼそぼそといつまでも声をかけてくる。
鬱陶しい。そして忌々しい。
寝ることを最大の楽しみの一つするゆっくりにとって、睡眠の妨害は万死に値する大罪だ。
しかし、毎晩繰り返されるのでもうわかっている。
こいつはその大罪を決してやめないのだ。
一縷の望みをかけて、まずは怒鳴りつけてやる。
「うるちゃいよ!れいみゅのすーや!すーや!をじゃまするなんちぇとんだげちゅだね!」
これで一時黙るのだが、すぐにより大声で馴れ馴れしく話しかけてくるのだ。
もう本当にうんざりしているが、やはり今夜も変わらない。
「れいみゅ!れいみゅ!ごめんだじぇ!でもいっちょにゆっくちおはなちちようにぇ!」
しぶしぶとれいむは壁に向かい、壁の向こうで何やら喚いている愚か者へ向かって思い切り体当たりをしてやる。
「れいみゅ!きいちぇる!?まりちゃは……」
ばぁん!
ゆぐっ、と声が聞こえた気がする。
大方、壁に付けていた顔をのけぞらせているのだろう。
良い気味だ。
本当ならもっと追撃をしたいところだが、それよりも今は眠りたい。
そもそもこんな愚か者に構って、自分のゆっくりを削るなどあってはならない事なのだ。
壁の向こうから聞こえてくる微かな嗚咽を確認すると、満足気にれいむは再び眠りに落ちた。
その夜はもう妨害はなかった。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「しかし、こいつらも飽きないもんだなぁ……」
大型の水槽を覗き込みながら、男が呟いた。
水槽には子れいむと子まりさが一匹ずつ入っている。
ただし、二匹の間には仕切りがあり互いの姿は見えない。
この仕切りは地面との間にごく僅かな隙間が開けてあり、銭湯の男湯女湯のように声だけなら通すことができる。
そして、タイマーで管理された照明が、仕切りの部屋を交互にそれぞれ十二時間ずつ照らすようになっている。
擬似的に昼と夜を作り出しているのだ。
当然、片方が夜の時はもう片方は昼だ。
そしてゆっくりは壁の向こうに別の個体が居ることを知っている。
こうしてやると、自分が起きている間は延々と相手を呼び続け、相手を怒らせて泣く泣く引き下がる。
泣きながら餌を食べ、そして涙を浮かべたまま壁を見つめて夜を待つ。
それが、夜になれば今度は立場が逆になる。
寝ていたところを起こされると今度は、まるで昼間の事などなかったかのように怒り狂い、相手を黙らせる。
これを延々と繰り返していた。
「それほど寝たいとか会話とかの欲求が強いのかね?」
男は虐待の幅を広げるための課題を見つけたようで、満足気だった。
何より、一度お膳立てしてやると後は延々と自分たちで自滅していく様子は当初の予定より楽しかった。
「まだ改良の余地もあるみたいだし、こいつらまだ持ちそうだしもうしばらく楽しませてね」
男は楽しげにつぶやくと、水槽の上蓋を閉めた。