ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4276 だいりしゅっさん 後編その1
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『だいりしゅっさん 後編その1』 55KB
制裁 不運 自業自得 群れ ゲス 希少種 自然界 独自設定 ナナシ作
制裁 不運 自業自得 群れ ゲス 希少種 自然界 独自設定 ナナシ作
*はじめに。
前回は私の認識不足により、様々な方に余計な手間を与えてしまったことを、この場を借りてお詫びいたします。
特に代理アップをしてくれた方は本当にありがとうございました。
あれから一週間ぐらい、あーでもないこーでもないといろいろいじった結果、無事この場所へたどり着くことができました。
今後はこのようなことがないように努めたいと思います。
前回は私の認識不足により、様々な方に余計な手間を与えてしまったことを、この場を借りてお詫びいたします。
特に代理アップをしてくれた方は本当にありがとうございました。
あれから一週間ぐらい、あーでもないこーでもないといろいろいじった結果、無事この場所へたどり着くことができました。
今後はこのようなことがないように努めたいと思います。
ナナシ
前回のあらすじ
長ぱちゅりーは早々に事件を収束させるため、まりさたちを群れから追放することを決意する。
しかしこれを聞いたれいむは、そんなことをしたらまりさを自分の奴隷にできなくなると怒り狂い、
幹部みょん幹部ちぇんを抱き込んで、長ぱちゅりーを長の座から引きずり落とす計画を画策する。
そんなれいむのたくらみにいち早く気付いた長ぱちゅりーは、このままでは群れがれいむによって支配されてしまうと焦り、
幹部みょん幹部ちぇんたちにれいむと手を切るようにと要求する。
しかし長ぱちゅりーは交渉の際に、怒りのあまり幹部二匹に高圧的な態度に出てしまい、
また幹部みょんが誤解から自分らをはめようとしていると勘違いしたこともあり、交渉は完全に決裂。
もはや打つ手なしと思われた長ぱちゅりーは最後の手段として、ゆっくりえいきを群れの呼ぶことを決意する。
はたしてゆっくりえいきとは、いかなるゆっくりなのか?
そしてこの事件はいかなる収束を見せるのだろうか?
長ぱちゅりーは早々に事件を収束させるため、まりさたちを群れから追放することを決意する。
しかしこれを聞いたれいむは、そんなことをしたらまりさを自分の奴隷にできなくなると怒り狂い、
幹部みょん幹部ちぇんを抱き込んで、長ぱちゅりーを長の座から引きずり落とす計画を画策する。
そんなれいむのたくらみにいち早く気付いた長ぱちゅりーは、このままでは群れがれいむによって支配されてしまうと焦り、
幹部みょん幹部ちぇんたちにれいむと手を切るようにと要求する。
しかし長ぱちゅりーは交渉の際に、怒りのあまり幹部二匹に高圧的な態度に出てしまい、
また幹部みょんが誤解から自分らをはめようとしていると勘違いしたこともあり、交渉は完全に決裂。
もはや打つ手なしと思われた長ぱちゅりーは最後の手段として、ゆっくりえいきを群れの呼ぶことを決意する。
はたしてゆっくりえいきとは、いかなるゆっくりなのか?
そしてこの事件はいかなる収束を見せるのだろうか?
群れの内の某所。
「ゆゆ!きいたきいた?れいのはなし!」
「きいたよ!おさが、えいきをこのむれによぶってはなしでしょう!なんだかおもしろいことになってきたねぇ!」
「ゆふん!まりささまは、なんだかきにいらないのぜ!そもそもえいきって、なんなのぜ?」
「ゆゆ!そんなこともしらないの!えいきはねぇ、すっごくえらいゆっくりなんだよぉ!」
「ふん、どれだけえらいのかしらないけれど、
ありすは、そんなえたいのしれない、いなかものに、このとかいはなむれのじけんの、はんだんをあおぐというのはどうかとおもうけど!」
「ゆふふ!しんぱいしなくても、えいきがきたって、いまのげんじょうはうごかないよ!
あれは、おさぱちゅりーのわるあがきだって、みんなうわさでいってたもん!おさはもうおしまいだよ!」
「ゆへへへ!そうなのぜ!あのなまいきなおさも、これでおわりなのぜ!
そしてこれだけのしったいをおかして、むれにめいわくをかけたんだぜぇ!
じけんがおわったら、おさは、せっさいがとうぜんなのぜ!
ゆへへ!そしたらこのまりささまが、じきじきにたっぷりと、いたぶってやるのぜぇ!」
「ゆほほほ!それはあの、はんにんのまりさとしてもおなじことよ!
ようは、れいむのおちびちゃんに、しょくりょうさえとどければいいんでしょ?
つまり、それいがいのじかんは、このありすのすっきりどれいにして、なんのもんだいもないってことよねぇ!
いままでのつみをつぐなわせるために、たーっぷりこのありすがとかいはなあいをそそぎこんであげるわ!」
「ゆゆ!それはたのしみだねぇ!はやく、はんけつがでないかなぁ!れいむ、はやくせいっさいしたいよぉ!」
「きいたよ!おさが、えいきをこのむれによぶってはなしでしょう!なんだかおもしろいことになってきたねぇ!」
「ゆふん!まりささまは、なんだかきにいらないのぜ!そもそもえいきって、なんなのぜ?」
「ゆゆ!そんなこともしらないの!えいきはねぇ、すっごくえらいゆっくりなんだよぉ!」
「ふん、どれだけえらいのかしらないけれど、
ありすは、そんなえたいのしれない、いなかものに、このとかいはなむれのじけんの、はんだんをあおぐというのはどうかとおもうけど!」
「ゆふふ!しんぱいしなくても、えいきがきたって、いまのげんじょうはうごかないよ!
あれは、おさぱちゅりーのわるあがきだって、みんなうわさでいってたもん!おさはもうおしまいだよ!」
「ゆへへへ!そうなのぜ!あのなまいきなおさも、これでおわりなのぜ!
そしてこれだけのしったいをおかして、むれにめいわくをかけたんだぜぇ!
じけんがおわったら、おさは、せっさいがとうぜんなのぜ!
ゆへへ!そしたらこのまりささまが、じきじきにたっぷりと、いたぶってやるのぜぇ!」
「ゆほほほ!それはあの、はんにんのまりさとしてもおなじことよ!
ようは、れいむのおちびちゃんに、しょくりょうさえとどければいいんでしょ?
つまり、それいがいのじかんは、このありすのすっきりどれいにして、なんのもんだいもないってことよねぇ!
いままでのつみをつぐなわせるために、たーっぷりこのありすがとかいはなあいをそそぎこんであげるわ!」
「ゆゆ!それはたのしみだねぇ!はやく、はんけつがでないかなぁ!れいむ、はやくせいっさいしたいよぉ!」
ざわ…ざわ…。
長ぱちゅりーと幹部みょん幹部ちぇんたちの交渉決裂から二日後の今日。
群れのゆっくりたちは、とある事件の談議に盛り上がっていた。
その話の内容とは言うまでもなく例のまりさの事件のことだ。
群れ内ではまた新たな噂がゆっくりたちの間で広まっていたのである。
その噂とは以下の様なものであった。
長ぱちゅりーと幹部みょん幹部ちぇんたちの交渉決裂から二日後の今日。
群れのゆっくりたちは、とある事件の談議に盛り上がっていた。
その話の内容とは言うまでもなく例のまりさの事件のことだ。
群れ内ではまた新たな噂がゆっくりたちの間で広まっていたのである。
その噂とは以下の様なものであった。
再び事件の続報である。
かねてから群れを騒がせてた前代未聞のあの事件。
そう、まりさのおちびちゃん奴隷化事件に新たな動きがあったようである。
かねてから群れを騒がせてた前代未聞のあの事件。
そう、まりさのおちびちゃん奴隷化事件に新たな動きがあったようである。
つい先日までの状況についておさらいしておくと、まりさの刑について意見が割れている状態だった。
具体的には、長ぱちゅりーのまりさたちを群れの外へ追放すべきという刑と、被害者れいむ、幹部ちぇんみょんたちによる、
まりさたちをれいむのおちびちゃんのために働かすという刑の二つが争っている状況である。
そしてこれはそのまま長VS幹部という群れの権力争いの構図でもあった。
常識的に考えればこの戦いは群れの最高権力者でもある長のほうが優勢であると思えるであろう。
なぜなら、幹部はしょせん長を補佐する立場でしかないのだから、長に意見するなど通常はあり得ないことだからだ。
具体的には、長ぱちゅりーのまりさたちを群れの外へ追放すべきという刑と、被害者れいむ、幹部ちぇんみょんたちによる、
まりさたちをれいむのおちびちゃんのために働かすという刑の二つが争っている状況である。
そしてこれはそのまま長VS幹部という群れの権力争いの構図でもあった。
常識的に考えればこの戦いは群れの最高権力者でもある長のほうが優勢であると思えるであろう。
なぜなら、幹部はしょせん長を補佐する立場でしかないのだから、長に意見するなど通常はあり得ないことだからだ。
しかしである。
実際にふたを開けてみれば、今現在の状況は圧倒的に幹部陣営が優位である。
なぜか?
それは前回の噂でもお伝えした通りである。
長ぱちゅりーのやっていることは無茶苦茶なのに対し、被害者れいむと幹部二匹がしている主張は至極まっとうであり、
非常に正しいものだからである。
ゲスゆっくりばかりのクズな群れならばともかく、ここは善良なゆっくりたちが集まる正義の群れ。
ゆっくりたちは自らの頭で考え、善の道を選択する。
ゆえに正しい意見が支持され、ゲスな意見は退けられるのは当然のことである。
愚かな長ぱちゅりーはそのことを理解していなかったようだ。
実際にふたを開けてみれば、今現在の状況は圧倒的に幹部陣営が優位である。
なぜか?
それは前回の噂でもお伝えした通りである。
長ぱちゅりーのやっていることは無茶苦茶なのに対し、被害者れいむと幹部二匹がしている主張は至極まっとうであり、
非常に正しいものだからである。
ゲスゆっくりばかりのクズな群れならばともかく、ここは善良なゆっくりたちが集まる正義の群れ。
ゆっくりたちは自らの頭で考え、善の道を選択する。
ゆえに正しい意見が支持され、ゲスな意見は退けられるのは当然のことである。
愚かな長ぱちゅりーはそのことを理解していなかったようだ。
こうしてこのまま事件は一件落着かと思えたその時、どうしても長の座を守りたい長ぱちゅりーは苦し紛れの一手を放った。
なんと事件の判断を仰ぐために、ゆっくりえいきをこの群れの招くと発表したのだ。
ゆっくりえいきとは、知るゆっくりぞ知る、ゆっくりの神である。
何でも、どうしても群れのゆっくりたちのみで解決できない事件が起こった場合、その事件を裁くものとしてゆっくり裁判を行うゆっくりだといわれている。
そしてその召還方法は、代々群れの長にのみ伝わっているものらしい。
なんと事件の判断を仰ぐために、ゆっくりえいきをこの群れの招くと発表したのだ。
ゆっくりえいきとは、知るゆっくりぞ知る、ゆっくりの神である。
何でも、どうしても群れのゆっくりたちのみで解決できない事件が起こった場合、その事件を裁くものとしてゆっくり裁判を行うゆっくりだといわれている。
そしてその召還方法は、代々群れの長にのみ伝わっているものらしい。
この発表をした長ぱちゅりーに対し、群れのゆっくりたちはその困惑を強めた。
そんなことをしなくとも、事件の判決は明らかなはずである。
なぜわざわざそんな手間のかかることをするのか、理解に苦しむというわけだ。
実際この処置に対し、これは長ぱちゅりーが少しでも長く長の地位にいるための時間稼ぎではないか?
という意見も多数群れ内で出ており、長ぱちゅりーに対するゆっくりたちの呆れと嘲笑の視線は日々増してきている。
また中には、事件後に長ぱちゅりーのせいっさいを望む声も高まってきており、今回のえいき召還は、
長ぱちゅりーにとって、起死回生の一手どころか、完全にみずからの首を絞める結果となっているようだ。
とにもかくにもこの事件にたする最終的な決断は、近日中に行われるゆっくり裁判に委ねられた。
一体いかなる判決が下されるのか、今後も目が離せない状況である。
そんなことをしなくとも、事件の判決は明らかなはずである。
なぜわざわざそんな手間のかかることをするのか、理解に苦しむというわけだ。
実際この処置に対し、これは長ぱちゅりーが少しでも長く長の地位にいるための時間稼ぎではないか?
という意見も多数群れ内で出ており、長ぱちゅりーに対するゆっくりたちの呆れと嘲笑の視線は日々増してきている。
また中には、事件後に長ぱちゅりーのせいっさいを望む声も高まってきており、今回のえいき召還は、
長ぱちゅりーにとって、起死回生の一手どころか、完全にみずからの首を絞める結果となっているようだ。
とにもかくにもこの事件にたする最終的な決断は、近日中に行われるゆっくり裁判に委ねられた。
一体いかなる判決が下されるのか、今後も目が離せない状況である。
以上群れの噂より抜粋。
「むきゅう!やれやれね!」
所変わってここは長ぱちゅりーのおうち。
今ここで、一仕事を終えた長ぱちゅりーは、ふーっと長い息を吐き出した。
ちょうど長ぱちゅりーは、ゆっくりえいきを群れへと呼ぶための複雑な儀式を終えたところであったのだ。
それを示すように、長ぱちゅりーの背後には複雑な模様が描かれた一本の幅の広い棒が突き立てられている。
これは、いわば目印だった。
どういう仕組かは不明だが、群れに代々伝わっているこの珍妙な棒を頼りにゆっくりえいきは群れにやってくるらしいのだ。
今ここで、一仕事を終えた長ぱちゅりーは、ふーっと長い息を吐き出した。
ちょうど長ぱちゅりーは、ゆっくりえいきを群れへと呼ぶための複雑な儀式を終えたところであったのだ。
それを示すように、長ぱちゅりーの背後には複雑な模様が描かれた一本の幅の広い棒が突き立てられている。
これは、いわば目印だった。
どういう仕組かは不明だが、群れに代々伝わっているこの珍妙な棒を頼りにゆっくりえいきは群れにやってくるらしいのだ。
「ふう!これでもう、あともどりはできないわね!」
えいきを群れの呼ぶためにはこの棒を突き立てる他にも決められた手順で、決められた儀式を行う必要がある。
そして一度その儀式を終えるともはや取り消しはできない。
長ぱちゅりーはすでに儀式を終えているため、もはやいかなる手段をもってしてもえいきがやってくることは阻止できないのだ。
そして一度その儀式を終えるともはや取り消しはできない。
長ぱちゅりーはすでに儀式を終えているため、もはやいかなる手段をもってしてもえいきがやってくることは阻止できないのだ。
「むきゅ!まさかこのさいごのしゅだんをつかうことになるとはね!
ほんとうに、このてだけはつかいたくなかったけど、もはやこのじけんはぱちぇのてにはおえないわ!
えいきなら、どんなけっかになろうとも、あのれいむが、むざいになるというはんけつだけはださないはず!
げすのてに、このむれをわたすわけにはいかない!
たとえぱちぇがさばかれることになったとしても!」
ほんとうに、このてだけはつかいたくなかったけど、もはやこのじけんはぱちぇのてにはおえないわ!
えいきなら、どんなけっかになろうとも、あのれいむが、むざいになるというはんけつだけはださないはず!
げすのてに、このむれをわたすわけにはいかない!
たとえぱちぇがさばかれることになったとしても!」
ゴクリとのどを鳴らし、覚悟を新たにする長ぱちゅりー。
えいき決しては自分の味方ではない。
むしろその存在は諸刃の剣。
ゆっくりえいきは、ゲスゆっくりのみを自動的に始末してくれる都合のいい道具ではないのだ。
えいきが裁くのはあくまでの罪を犯したゆっくり。
つまりえいきが罪だと判断すれば、どんな善良なゆっくりでも裁かれるのである。
今回の事件に当てはめれば、自分やまりさも裁かれる可能性が高いということだ。
えいき決しては自分の味方ではない。
むしろその存在は諸刃の剣。
ゆっくりえいきは、ゲスゆっくりのみを自動的に始末してくれる都合のいい道具ではないのだ。
えいきが裁くのはあくまでの罪を犯したゆっくり。
つまりえいきが罪だと判断すれば、どんな善良なゆっくりでも裁かれるのである。
今回の事件に当てはめれば、自分やまりさも裁かれる可能性が高いということだ。
まりさについては、前回散々考えたように代理出産=奴隷売買とえいきが判断すれば制裁の対象になるであろうし、
自分については、まりさたちや群れのみんなに、意図的に真実を伝えなかったということが罪と判断される可能性がある。
もちろんまりさは、自分が奴隷売買をしているという自覚など露程もなかったであろうし、
自分だって真実を隠したのは群れのために良かれと思っての行動である。
だがそんなことは一切の関係がない。
それが罪と判断すれば、一切の慈悲なく裁きを与える。それがゆっくりえいきなのだ。
自分については、まりさたちや群れのみんなに、意図的に真実を伝えなかったということが罪と判断される可能性がある。
もちろんまりさは、自分が奴隷売買をしているという自覚など露程もなかったであろうし、
自分だって真実を隠したのは群れのために良かれと思っての行動である。
だがそんなことは一切の関係がない。
それが罪と判断すれば、一切の慈悲なく裁きを与える。それがゆっくりえいきなのだ。
だが、それでいい。
いや、そうでなくては困る。
本来ならばそれくらいの厳正さがなければ、裁くなどという行為は行ってはなららないのだ。
ゆっくりはなにかあると、すぐせいっさい!せいっさい!と騒ぎ出すが、ゆっくりがゆっくりを裁くということはそう単純な話ではない。
あるいは、そういったゆっくり特有の安直さを戒めるための最後の砦こそが、ゆっくりえいきという神の存在理由なのかもしれなかった。
だからこそ細々とではあるが、いつまでも廃れずにこの群れにはえいきを呼び出す方法が伝承されてきたのだ。
ゆっくりが、本当の意味でのゆっくりを失わないためにも!
いや、そうでなくては困る。
本来ならばそれくらいの厳正さがなければ、裁くなどという行為は行ってはなららないのだ。
ゆっくりはなにかあると、すぐせいっさい!せいっさい!と騒ぎ出すが、ゆっくりがゆっくりを裁くということはそう単純な話ではない。
あるいは、そういったゆっくり特有の安直さを戒めるための最後の砦こそが、ゆっくりえいきという神の存在理由なのかもしれなかった。
だからこそ細々とではあるが、いつまでも廃れずにこの群れにはえいきを呼び出す方法が伝承されてきたのだ。
ゆっくりが、本当の意味でのゆっくりを失わないためにも!
「むきゅ!それにしても、みょんたちは、あいかわらずむだなことをしているようね!」
えいきのことはとりあえず脇に置いておくとして、今の群れの現状に考えを巡らせる長ぱちゅりー。
相変わらず群れでは自分を叩き、幹部みょんたちを持ち上げる噂が広まっているようだ。
もちろん幹部みょんたちが意図的に流させたものであろう。
まったくバカの一つ覚えというやつだ。
すでに状況は変わってきているというのに。
この作戦が有効だったのは、事件が群れ内のみで完結している時の話だ。
ある意味で完全な部外者であるえいきの前では、こういった噂による印象操作、捏造の類は一切意味を持たないということに気付いていないのだろう。
相変わらず群れでは自分を叩き、幹部みょんたちを持ち上げる噂が広まっているようだ。
もちろん幹部みょんたちが意図的に流させたものであろう。
まったくバカの一つ覚えというやつだ。
すでに状況は変わってきているというのに。
この作戦が有効だったのは、事件が群れ内のみで完結している時の話だ。
ある意味で完全な部外者であるえいきの前では、こういった噂による印象操作、捏造の類は一切意味を持たないということに気付いていないのだろう。
とはいえ今流されているこの噂から気になる点もあった。
それは今回の噂の内容は、長である自分対幹部ということがやたら強調されており、
前回まであった被害者れいむを賛美するコメントがほとんどないということだ。
恐らくこれは、ゲスれいむと幹部みょんたちの密接な連携が途切れたことを意味しているのだろう。
近い将来、自分たちが長となったときに起こるであろうゲスれいむとの対決を意識して、
必要以上にゲスれいむの人気が、群れ内で高まらないように調節しているのかもしれない。
交渉が決裂したあの日、幹部みょんは自らが長になり、その邪魔になるようならばれいむも消し去ると宣言した。
そしてどうやらそれは本気だったようである。
それは今回の噂の内容は、長である自分対幹部ということがやたら強調されており、
前回まであった被害者れいむを賛美するコメントがほとんどないということだ。
恐らくこれは、ゲスれいむと幹部みょんたちの密接な連携が途切れたことを意味しているのだろう。
近い将来、自分たちが長となったときに起こるであろうゲスれいむとの対決を意識して、
必要以上にゲスれいむの人気が、群れ内で高まらないように調節しているのかもしれない。
交渉が決裂したあの日、幹部みょんは自らが長になり、その邪魔になるようならばれいむも消し去ると宣言した。
そしてどうやらそれは本気だったようである。
まあ、今となってはそれもどうでもいい話か。
今の自分できるのは、ただ待つことのみである。
最早覚悟はできている。
たとえ自らが裁かれることになったとしてだ。
それにもう疲れた。
今回がいい引き際なのだろう。
裁かれるというのならそれもいし、そうでなくても、この事件の後に自分は長を引退するつもりだ。
長なんてまっぴらだ。そしてもう二度とごめんだ。
それにしても、まったくなんだってゲスは皆、長なんて厄介な仕事を進んでやりたがるのだろう?
そればっかりは本当に理解できない。
今の自分できるのは、ただ待つことのみである。
最早覚悟はできている。
たとえ自らが裁かれることになったとしてだ。
それにもう疲れた。
今回がいい引き際なのだろう。
裁かれるというのならそれもいし、そうでなくても、この事件の後に自分は長を引退するつもりだ。
長なんてまっぴらだ。そしてもう二度とごめんだ。
それにしても、まったくなんだってゲスは皆、長なんて厄介な仕事を進んでやりたがるのだろう?
そればっかりは本当に理解できない。
「むきゅう」
長ぱちゅりーは深い深いため息をついたのだった。
「みょん!むれのみんなの、はんのうはどうだみょん!」
「わかるよー!ばっちりだよー!みーんな、ちぇんたちをしじしてくれてるよー!」
「みょん!とりあえずはよていどおりということだみょんね!」
「わかるよー!ばっちりだよー!みーんな、ちぇんたちをしじしてくれてるよー!」
「みょん!とりあえずはよていどおりということだみょんね!」
所変わってここは幹部ちぇんのおうち。
今ここで、幹部みょんと幹部ちぇんは作戦会議を開いていた。
自分たちがこれから長として、群れの覇権を握るにはどうすればいいのか。
そのための重要な会議だった。
今ここで、幹部みょんと幹部ちぇんは作戦会議を開いていた。
自分たちがこれから長として、群れの覇権を握るにはどうすればいいのか。
そのための重要な会議だった。
「これでとりあえずのもんだいは、おさがよんだ、れいのえいきってゆっくりだけというわけだみょんね!」
「わかるよー!このちょうしだったら、そのえいきってやつがくるまえに、ちぇんたちがおさになれるんじゃないかなー!
そしたら、ゆっくりさいばんのはなしも、なしになるかもよー!」
「いや、さすがにそれはむりだみょん!
おさは、ゆっくりさいばんで、こんかいのじけんのしまつをつけると、むれのみんなにだいだいてきにはっぴょうしてしまったみょん!
そしてむれのみんなは、このさいばんのけっかを、たのしみにしている!
こうなってしまったいじょう、いまむりやりおさのざにおさまっても、こんどはむれのれんちゅうがなっとくしないみょん!
つまり、えいきがくるまえに、おさのこうたいは、ありえないということだみょん!」
「わからないよー!となると、やっぱりげんじょうでのさいだいのもんだいは、そのえいきってことになるんだねー!」
「そのとおりだみょん!」
「わかるよー!このちょうしだったら、そのえいきってやつがくるまえに、ちぇんたちがおさになれるんじゃないかなー!
そしたら、ゆっくりさいばんのはなしも、なしになるかもよー!」
「いや、さすがにそれはむりだみょん!
おさは、ゆっくりさいばんで、こんかいのじけんのしまつをつけると、むれのみんなにだいだいてきにはっぴょうしてしまったみょん!
そしてむれのみんなは、このさいばんのけっかを、たのしみにしている!
こうなってしまったいじょう、いまむりやりおさのざにおさまっても、こんどはむれのれんちゅうがなっとくしないみょん!
つまり、えいきがくるまえに、おさのこうたいは、ありえないということだみょん!」
「わからないよー!となると、やっぱりげんじょうでのさいだいのもんだいは、そのえいきってことになるんだねー!」
「そのとおりだみょん!」
ちぇんとの会話に幹部みょんは頷いた。
そう、現状は上手くいっているのだ。
問題はあの長ぱちゅりーが呼んだという、ゆっくりえいきのことだ。
長ぱちゅりーがえいきを呼ぶと言い出したのは一昨日のあの時、長ぱちゅりーにはっきりと絶縁を叩きつけたときのことだ。
あのとき長ぱちゅりーは、自分らに向かって「これでぱちぇもあなたたちもおしまいね」と言った。
これは一体どういう意味なのか?
そう、現状は上手くいっているのだ。
問題はあの長ぱちゅりーが呼んだという、ゆっくりえいきのことだ。
長ぱちゅりーがえいきを呼ぶと言い出したのは一昨日のあの時、長ぱちゅりーにはっきりと絶縁を叩きつけたときのことだ。
あのとき長ぱちゅりーは、自分らに向かって「これでぱちぇもあなたたちもおしまいね」と言った。
これは一体どういう意味なのか?
そもそも、そのゆっくりえいきという存在が得体がしれない。
ゆっくりを裁くというゆっくりの神。その召還方法は代々長にのみ口伝されている。
そんな風な噂くらいなら幹部みょんも聞いたことがあるが、その実態はやはり謎だ。
始めは長ぱちゅりーが、苦し紛れの時間稼ぎのためにでたらめを言っているのかとも思ったが、群れのゆっくりたちに大々的に来ると約束した以上、
でたらめではなく実在するゆっくりだと判断すべきだ。
とすれば、早急に手を打つ必要があるのだが、正体不明のゆっくりに対していかなる備えをせよというのか?
ゆっくりを裁くというゆっくりの神。その召還方法は代々長にのみ口伝されている。
そんな風な噂くらいなら幹部みょんも聞いたことがあるが、その実態はやはり謎だ。
始めは長ぱちゅりーが、苦し紛れの時間稼ぎのためにでたらめを言っているのかとも思ったが、群れのゆっくりたちに大々的に来ると約束した以上、
でたらめではなく実在するゆっくりだと判断すべきだ。
とすれば、早急に手を打つ必要があるのだが、正体不明のゆっくりに対していかなる備えをせよというのか?
いや、ここは弱気になってはだめだ。
自分はもうすでの後戻りできないところまできているのだ。
だったら……。
自分はもうすでの後戻りできないところまできているのだ。
だったら……。
「ちぇん!ぶかのゆっくりたちに、うわさをながさせるのはもうじゅうぶんだみょん!
もう、みょんたちの、ぜったいてきなにんきはくずれようがないみょん!
かわりに、いまから、ゆっくりさいばんにむけて、みなに、せんとうじゅんびをさせておくみょん!」
「ゆえええ!わからないよー!
どういうことなの!
まさかえいきをやるきなの?」
もう、みょんたちの、ぜったいてきなにんきはくずれようがないみょん!
かわりに、いまから、ゆっくりさいばんにむけて、みなに、せんとうじゅんびをさせておくみょん!」
「ゆえええ!わからないよー!
どういうことなの!
まさかえいきをやるきなの?」
自分に驚きの目を向けてくる幹部ちぇん。
「みょん!おちつくみょん!そいういうてんかいもありえるということだみょん!
さいわいそのえいきとかいうゆっくりは、よそもの!
きえたところで、このむれのゆっくりは、だれもこまらないみょん!」
「い、いや、さすがにそれはまずいんじゃないかなー!
かりにもえいきは、ゆっくりのかみさまって、はなしだよー!
それがこのむれで、えいえんにゆっくりさせられたって、しれたら、
ほかの、かみとかがだまってないんじゃ……」
「ゆふふふ!あんしんするみょん!
けすといっても、それはあくまでさいしゅうしゅだんだみょん!
そのえいきって、ゆっくりがどれほどのものかしらないけれど、どうせあのぱちゅりーみたいに、あたまでっかちで、
えらそうにしているだけの、みかけだおしのゆっくりにちがいないんだみょん!
ちょっとおどしをかければ、すぐにびびってみょんたちのいいなりになるにちがいないみょん!」
「わっ、わかるよー!そうだね!そのとおりだよー!
ちぇんたちがいっせいにかかれば、いくらえいきだって、てもあしもでないはずだよね!」
「そうだみょん!そうだみょん!
それに、いざとなれば、このむれいちばんのゆうしゃであるこのみょんが、じきじきにはくろーけんで、まっぷたつにしてやるみょん!
なにかもんだいがあるようなら、えいきのしいんは、じこ、とでもしておけばいいだけのはなしだみょん!
なにもおそれることはないんだみょん!」
さいわいそのえいきとかいうゆっくりは、よそもの!
きえたところで、このむれのゆっくりは、だれもこまらないみょん!」
「い、いや、さすがにそれはまずいんじゃないかなー!
かりにもえいきは、ゆっくりのかみさまって、はなしだよー!
それがこのむれで、えいえんにゆっくりさせられたって、しれたら、
ほかの、かみとかがだまってないんじゃ……」
「ゆふふふ!あんしんするみょん!
けすといっても、それはあくまでさいしゅうしゅだんだみょん!
そのえいきって、ゆっくりがどれほどのものかしらないけれど、どうせあのぱちゅりーみたいに、あたまでっかちで、
えらそうにしているだけの、みかけだおしのゆっくりにちがいないんだみょん!
ちょっとおどしをかければ、すぐにびびってみょんたちのいいなりになるにちがいないみょん!」
「わっ、わかるよー!そうだね!そのとおりだよー!
ちぇんたちがいっせいにかかれば、いくらえいきだって、てもあしもでないはずだよね!」
「そうだみょん!そうだみょん!
それに、いざとなれば、このむれいちばんのゆうしゃであるこのみょんが、じきじきにはくろーけんで、まっぷたつにしてやるみょん!
なにかもんだいがあるようなら、えいきのしいんは、じこ、とでもしておけばいいだけのはなしだみょん!
なにもおそれることはないんだみょん!」
それだけ言うと、幹部みょんはそばに突き刺してあったはくろーけん(ただの木の棒)を口で引き抜き、思い切り横なぎに振り払った。
ブンと風を切る音が響き、それが心地いい。
今日も絶好調だ。
そうとも、自分は幹部であると同時に、群れ最強のゆっくりでもあるのだ、そして将来の長でもある。
幼いころからのライバルであった幹部ちぇんでさえ、純粋な戦闘では一度も自分に勝ったことはない。
どこの馬の骨とも知らないえいきとかいうゆっくりなどに、万が一でも後れを取るはずもないのだ。
のこのことやっくるえいきに、この群れを支配しているのが、いったい誰なのかということを直々にわからせてやる。
そう、ゆっくり裁判など本来は必要ないのだ!
なぜならこの群れのすべてを決めるのは自分だからだ。
ブンと風を切る音が響き、それが心地いい。
今日も絶好調だ。
そうとも、自分は幹部であると同時に、群れ最強のゆっくりでもあるのだ、そして将来の長でもある。
幼いころからのライバルであった幹部ちぇんでさえ、純粋な戦闘では一度も自分に勝ったことはない。
どこの馬の骨とも知らないえいきとかいうゆっくりなどに、万が一でも後れを取るはずもないのだ。
のこのことやっくるえいきに、この群れを支配しているのが、いったい誰なのかということを直々にわからせてやる。
そう、ゆっくり裁判など本来は必要ないのだ!
なぜならこの群れのすべてを決めるのは自分だからだ。
まあ、向こうも神としても建前があるから、100歩譲って形だけのゆっくり裁判はやらせてやってもいい。
だがその結果はすでに決まっている。
判決は、まりさとありすは奴隷売買の罪で有罪!さらに長も群れを混乱に陥れた罪で有罪だ!
そしてその刑は、まりさとありすは、れいむのおちびちゃんのために食料をあつめ、それ以外の時間は群れの連中のストレス解消用奴隷ゆっくり!
長ぱちゅりーは、むれ総出でのせいっさいの末この群れを永久追放!
これは決定事項だ。
それ以外の判決はこのみょん様が一切認めない!
だがその結果はすでに決まっている。
判決は、まりさとありすは奴隷売買の罪で有罪!さらに長も群れを混乱に陥れた罪で有罪だ!
そしてその刑は、まりさとありすは、れいむのおちびちゃんのために食料をあつめ、それ以外の時間は群れの連中のストレス解消用奴隷ゆっくり!
長ぱちゅりーは、むれ総出でのせいっさいの末この群れを永久追放!
これは決定事項だ。
それ以外の判決はこのみょん様が一切認めない!
「わかるよー!
それじゃあついでに、れいむもいっしょにやっちゃう?」
「みょん?」
それじゃあついでに、れいむもいっしょにやっちゃう?」
「みょん?」
幹部みょんが裁判について考えているところへ、横から幹部ちぇんがれいむもこの際同時に始末しては?と提案してくる。
なるほど、確かにあのれいむはもう用済み、もとい危険な存在だ。
長ぱちゅりーが言っていたように、いつか必ず自分らに不利益をもたらす疫病神となりうるであろう。
いつまでも生かしておく理由などあろうはずもない。
だが、
なるほど、確かにあのれいむはもう用済み、もとい危険な存在だ。
長ぱちゅりーが言っていたように、いつか必ず自分らに不利益をもたらす疫病神となりうるであろう。
いつまでも生かしておく理由などあろうはずもない。
だが、
「いや、いまのだんかいで、れいむとことをおこすのはうまくないみょん。
そもそも、ゆっくりさいばんのないようは、あくまでれいむと、まりさのどれいばいばいのもんだいなんだみょん!
これでもし、いまれいむがきえれば、さいばんそのものがひらかれず、さいあく、みょんたちがおさになるちゃんすもうしなわれることになるみょん!
あのれいむをしまつするのは、あくまでみょんたちがおさになったあとだみょん!
いまは、えいきのみにしゅうちゅうすべきだみょん!」
そもそも、ゆっくりさいばんのないようは、あくまでれいむと、まりさのどれいばいばいのもんだいなんだみょん!
これでもし、いまれいむがきえれば、さいばんそのものがひらかれず、さいあく、みょんたちがおさになるちゃんすもうしなわれることになるみょん!
あのれいむをしまつするのは、あくまでみょんたちがおさになったあとだみょん!
いまは、えいきのみにしゅうちゅうすべきだみょん!」
そう幹部みょんは答えた。
れいむをいつか消すのは決定事項だが、それを今してしまうと、自分が長になるチャンスと長ぱちゅりーを群れから追い出すチャンスを失ってしまうことになりかねない。
それは上手くないのだ。
しょせんれいむなど、事件の影響で一時的に人気になっただけのただのゆっくりにすぎない。
もともと幹部という地位があった自分たちはとはまるで違う。
自分たちが噂を流すのをやめた今、その人気だっていつまでもつか。
それにれいむには自分らが長になったとには、幹部の地位を約束してある。
今慌てて消さなくとも、しばらくはそれに満足しておとなしくしているだろう。
だったら、まず確実に長になることが先決なのだ。
れいむをいつか消すのは決定事項だが、それを今してしまうと、自分が長になるチャンスと長ぱちゅりーを群れから追い出すチャンスを失ってしまうことになりかねない。
それは上手くないのだ。
しょせんれいむなど、事件の影響で一時的に人気になっただけのただのゆっくりにすぎない。
もともと幹部という地位があった自分たちはとはまるで違う。
自分たちが噂を流すのをやめた今、その人気だっていつまでもつか。
それにれいむには自分らが長になったとには、幹部の地位を約束してある。
今慌てて消さなくとも、しばらくはそれに満足しておとなしくしているだろう。
だったら、まず確実に長になることが先決なのだ。
「わかったよー!それじゃ、ぶかのみんなに、せんとうじゅんびをしておくようにいっておくよー!」
「まかせたみょん!」
「まかせたみょん!」
これで全ての準備は整った。
えいきだかなんだかしらないが、来るなら来てみるがいい。
そして己の無力さを知るがいい。
長ぱちゅりーや、裁判をしにやってくるというえいきは勘違いをしているのだ。
群れを支配するのに必要なのは、長ぱちゅりーやえいきのような何の役にも立たないような正義や知性ではない。
絶対的な力なのだ。
そう、この世は所詮力なのだ。
そして自分はその力を持っている。
多くの部下を従え、自身も最強のゆっくり。
その武力の前では賢さなど何の意味もない。
何が賢者だ、何が神だ。
この群れにやってきたら、力によって、群れのゆっくりたちの前で惨めに這いつくばらせてやる。
自分がこの群れを支配する日は近い。
えいきだかなんだかしらないが、来るなら来てみるがいい。
そして己の無力さを知るがいい。
長ぱちゅりーや、裁判をしにやってくるというえいきは勘違いをしているのだ。
群れを支配するのに必要なのは、長ぱちゅりーやえいきのような何の役にも立たないような正義や知性ではない。
絶対的な力なのだ。
そう、この世は所詮力なのだ。
そして自分はその力を持っている。
多くの部下を従え、自身も最強のゆっくり。
その武力の前では賢さなど何の意味もない。
何が賢者だ、何が神だ。
この群れにやってきたら、力によって、群れのゆっくりたちの前で惨めに這いつくばらせてやる。
自分がこの群れを支配する日は近い。
「むーしゃ!むーしゃ!しあわせええええええ!」
「むーちゃ!むーちゃ!ちあわちぇぇぇぇぇぇ!」
「むーちゃ!むーちゃ!ちあわちぇぇぇぇぇぇ!」
所変わってここはれいむのおうち。
れいむは今、食事の真っ最中であった。
くっちゃくっちゃとわざとらしく音を立てながら、でかい口に大量に食料を押し込み、周囲につばや涎をまき散らしながら豪快に食す。
そしてそんなれいむを真似して、子れいむもまたこれでもかと下品に食料を食い散らかしている。
人間が見れば、思わず顔しかめて目を背けたくなるような醜悪さだった。
だがそれは所詮人間から見た場合の価値観でしかなく、ゆっくりからすればこの食事風景はとんでもなくゆっくりしている、とそう評価できるものであった。
最近はとんと数が減ってきたゆっくりらしいゆっくり。
その究極の理想の姿がここにあった。
くっちゃくっちゃとわざとらしく音を立てながら、でかい口に大量に食料を押し込み、周囲につばや涎をまき散らしながら豪快に食す。
そしてそんなれいむを真似して、子れいむもまたこれでもかと下品に食料を食い散らかしている。
人間が見れば、思わず顔しかめて目を背けたくなるような醜悪さだった。
だがそれは所詮人間から見た場合の価値観でしかなく、ゆっくりからすればこの食事風景はとんでもなくゆっくりしている、とそう評価できるものであった。
最近はとんと数が減ってきたゆっくりらしいゆっくり。
その究極の理想の姿がここにあった。
ちなみにこの二匹が今食べている食料は、もちろんれいむが狩りでとってきたものではなく、すべて群れの他のゆっくりからの贈り物だった。
凶悪事件の被害者であるれいむと、そのおちびちゃんである子れいむ。
この悲劇の親子に対し、群れのゆっくりたちは食料の援助を惜しまなかった。
もちろん一匹一匹からの寄付の量はそれほどでもなかったが、それでも沢山のゆっくりがいればその量は大量となる。
そんなわけで食料にはまるで困ることのない二匹の親子は、これぞゆっくりだといわんばかりに終始笑顔であり、幸せそのものだった。
凶悪事件の被害者であるれいむと、そのおちびちゃんである子れいむ。
この悲劇の親子に対し、群れのゆっくりたちは食料の援助を惜しまなかった。
もちろん一匹一匹からの寄付の量はそれほどでもなかったが、それでも沢山のゆっくりがいればその量は大量となる。
そんなわけで食料にはまるで困ることのない二匹の親子は、これぞゆっくりだといわんばかりに終始笑顔であり、幸せそのものだった。
「ゆふふふふ!ゆっくりしてるね!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
自分のおちびちゃんの、はしゃぐさまを見て微笑むれいむ。
すべてが計画通り、いやそれ以上の結果だ。
始めはただあの憎くっきまりさを奴隷にするだけの計画だったが、
あのアホな幹部たちのおかけでさらなる飛躍が可能となった。
すべてが計画通り、いやそれ以上の結果だ。
始めはただあの憎くっきまりさを奴隷にするだけの計画だったが、
あのアホな幹部たちのおかけでさらなる飛躍が可能となった。
まあ、えいきとかいう、よくわからないゆっくりの登場は流石に計算外だったが、計画には何の変更もない。
いまさらどこの誰がこようと、それは大した問題ではないのだ。
いまさらどこの誰がこようと、それは大した問題ではないのだ。
「ゆふふふふ!まったくどいつもこいつもまるでわかっちゃいないねぇ!
そうでしょ?おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
そうでしょ?おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
れいむの問いかけに嬉しそうに応える子れいむ。
それに満足げに頷くれいむ。
それに満足げに頷くれいむ。
そう、やつらは何もわかっちゃいないのだ。
まりさも、長ぱちゅりーも、幹部みょん、幹部ちぇんも、そしてこれからやってくるというえいきだって、きっとわかっていないのだ。
みな勘違いをしている。
この世で一番大切なこと、それは正義や知性、ましてや力などでは断じてない。
ゆっくりだ!
ゆっくりこそがこの世の真理であり、また絶対のものだということを連中は知らないのだ。
まりさも、長ぱちゅりーも、幹部みょん、幹部ちぇんも、そしてこれからやってくるというえいきだって、きっとわかっていないのだ。
みな勘違いをしている。
この世で一番大切なこと、それは正義や知性、ましてや力などでは断じてない。
ゆっくりだ!
ゆっくりこそがこの世の真理であり、また絶対のものだということを連中は知らないのだ。
「ゆふぅ!まったく、こんなかんたんなこともわからないなんて、ほんとだめだめだよねぇ!
これはもう、れいむがむれのおさになって、みんなをみちびいていかなきゃいけないって、ことだよ!
そうだよねぇ?おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
これはもう、れいむがむれのおさになって、みんなをみちびいていかなきゃいけないって、ことだよ!
そうだよねぇ?おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
れいむの問いかけに、またも嬉しそうに返事をする子れいむ。
今のれいむの目的。
それは群れの長になることだった。
長になることにより、失われたゆっくりを取り戻すのだ。
それは群れの長になることだった。
長になることにより、失われたゆっくりを取り戻すのだ。
以前の自分はまるでダメダメだった。
毎日毎日ゆっくりできない日々。
まさに生きる屍だった。
だが、おちびちゃんが生まれてから変わった。
地上最強にゆっくりしている、れいむのおちびちゃん。
そのおかげで、れいむもまたとんでもなくゆっくりできるようになった。
おちびちゃんを一目見たその瞬間、れいむのゆっくりは解放されたのだ。
それと同時に今まで見えていない物が見えてきた。
この群れはまったくゆっくりしていない。
自分とおちびちゃん以外のゆっくりがまるでゆっくりしていない。
これじゃだめだ!
ゆっくりはゆっくりしなければならない。
これはこの世の真理なのだ。
ではなぜこの群れはゆっくりしていないのか?
長ぱちゅりーだ!
あのぜんぜんゆっくりしていない、くだらないゆっくりが群れを仕切っているからこういうことになる。
でもだからといって、幹部みょん幹部ちぇん、ましてやあのまりさなどが長をやるのは論外だ。
どいつもこいつもゆっくりしていない。この群れのゆっくりたちは皆そうだ。
じゃあ自分がやるしかないじゃないか。
長になるんだ!
毎日毎日ゆっくりできない日々。
まさに生きる屍だった。
だが、おちびちゃんが生まれてから変わった。
地上最強にゆっくりしている、れいむのおちびちゃん。
そのおかげで、れいむもまたとんでもなくゆっくりできるようになった。
おちびちゃんを一目見たその瞬間、れいむのゆっくりは解放されたのだ。
それと同時に今まで見えていない物が見えてきた。
この群れはまったくゆっくりしていない。
自分とおちびちゃん以外のゆっくりがまるでゆっくりしていない。
これじゃだめだ!
ゆっくりはゆっくりしなければならない。
これはこの世の真理なのだ。
ではなぜこの群れはゆっくりしていないのか?
長ぱちゅりーだ!
あのぜんぜんゆっくりしていない、くだらないゆっくりが群れを仕切っているからこういうことになる。
でもだからといって、幹部みょん幹部ちぇん、ましてやあのまりさなどが長をやるのは論外だ。
どいつもこいつもゆっくりしていない。この群れのゆっくりたちは皆そうだ。
じゃあ自分がやるしかないじゃないか。
長になるんだ!
れいむが長になった暁には、今までのゆっくりできない掟はすべて撤廃し、どんどんゆっくりできる掟を作っていく。
人間の住処があるという、山のふもとへ領土を拡大するのもいいだろう。
すべてはゆっくりのものとなるのだ。
人間の住処があるという、山のふもとへ領土を拡大するのもいいだろう。
すべてはゆっくりのものとなるのだ。
そもそも群れで一番ゆっくりしている自分が群れの長となるのは必然だと言えるし、そのための準備はすでに整っている。
このままいけば間違いなく長ぱちゅりーは失脚し、長の座は空位となるだろう。
これはもう決まっていることだ。
なぜなら、群れで一番ゆっくりしているこのれいむの決めたことだからだ。
これはもう絶対だ。
このままいけば間違いなく長ぱちゅりーは失脚し、長の座は空位となるだろう。
これはもう決まっていることだ。
なぜなら、群れで一番ゆっくりしているこのれいむの決めたことだからだ。
これはもう絶対だ。
すると次に起こると予想されるのは、幹部みょんか幹部ちぇん、もしくはその両方が長の座に就くことだろう。
これが普通だ。
だがそうはいかない。
長ぱちゅりーが長の座から転落したその瞬間、すぐさまれいむは群れの長へと立候補するのだ。
これが普通だ。
だがそうはいかない。
長ぱちゅりーが長の座から転落したその瞬間、すぐさまれいむは群れの長へと立候補するのだ。
きっと、幹部みょん幹部ちぇんは度胆を抜かれることだろう。
事前にあいつらとは、れいむを幹部にするようにという約束が交わされている。
つまりは、れいむが長に立候補するとは夢にも思っていないということだ。
てっきりなんの障害もなしに、自分たちが長になれると思い込んでいた幹部二匹が慌てふためく様子を想像すると笑いがこみあげてくる。
だいたいれいむは群で一番ゆっくりしているゆっくりなのだ。
その自分が幹部ごときの地位などで満足できるはずもあるまい。
というかそもそも、もしあの連中が無事に長になれたとしても、れいむに弱みを握られるということに気付いていなかったのだろうか?
多分そうなんだろう。
だからあいつらはアホなのだ。
事前にあいつらとは、れいむを幹部にするようにという約束が交わされている。
つまりは、れいむが長に立候補するとは夢にも思っていないということだ。
てっきりなんの障害もなしに、自分たちが長になれると思い込んでいた幹部二匹が慌てふためく様子を想像すると笑いがこみあげてくる。
だいたいれいむは群で一番ゆっくりしているゆっくりなのだ。
その自分が幹部ごときの地位などで満足できるはずもあるまい。
というかそもそも、もしあの連中が無事に長になれたとしても、れいむに弱みを握られるということに気付いていなかったのだろうか?
多分そうなんだろう。
だからあいつらはアホなのだ。
まあ、あるいはもしかすると、奴らが長になった後で、れいむを消すという段取りがあったのかもしれない(今流れている噂はなんだか変だった。あれほど念入りに言ってあったれいむを称えるコメントが入っていない)が、
だがどちらにしろ、遅い遅い。
やつらは長になることなく、表舞台から退場していただくことになる。
だがどちらにしろ、遅い遅い。
やつらは長になることなく、表舞台から退場していただくことになる。
もし仮にれいむ、幹部みょん、幹部ちぇんの三匹から長を選べと言われれば、群れの皆は絶対に自分を選ぶ。
間違いない。
その根拠はある。
それは前回のまりさの騒動の時に実証済みのことだ。
間違いない。
その根拠はある。
それは前回のまりさの騒動の時に実証済みのことだ。
あの日、れいむが群れの広場でまりさを追い詰めたあの時。
周りにいたゆっくりたちからすれば、れいむとまりさの状況は完全に五分だったはずだ。
まりさが持っていた大量の食料も所詮は状況証拠にすぎず(というか冷静に考えればあれで犯人扱いするほうがどうかしている)、
れいむの主張とまりさの主張、そのどちらが真実かを明確に判断する材料はあの場にはなかった。
にもかかわらず群れのゆっくりたちはれいむを支持し、まりさを悪者と決めつけた。
なぜか?
答えは簡単だ。
それはれいむの主張のほうが、ゆっくりできるからだ。
周りにいたゆっくりたちからすれば、れいむとまりさの状況は完全に五分だったはずだ。
まりさが持っていた大量の食料も所詮は状況証拠にすぎず(というか冷静に考えればあれで犯人扱いするほうがどうかしている)、
れいむの主張とまりさの主張、そのどちらが真実かを明確に判断する材料はあの場にはなかった。
にもかかわらず群れのゆっくりたちはれいむを支持し、まりさを悪者と決めつけた。
なぜか?
答えは簡単だ。
それはれいむの主張のほうが、ゆっくりできるからだ。
長ぱちゅりーVSれいむ、みょん、ちぇんの戦いだって同じことだ。
本来ならば長であるぱちゅりーのほうが圧倒的優位なはずなのに、実際は群れのみんなは、れいむにたちを圧倒的支持している。
これは、長ぱちゅりーの示したまりさの刑よりも、れいむが示した刑のほうが、よりゆっくりできると群れの皆が判断した結果なのだ。
本来ならば長であるぱちゅりーのほうが圧倒的優位なはずなのに、実際は群れのみんなは、れいむにたちを圧倒的支持している。
これは、長ぱちゅりーの示したまりさの刑よりも、れいむが示した刑のほうが、よりゆっくりできると群れの皆が判断した結果なのだ。
そう!この結果こそが真実なのだ。
確かにれいむは嘘をついた。それは間違いない。
さらに真実を言っているのはまりさの側であり、また本来の正義とやらも長ぱちゅりーの側にあるのかもしれない。
だがそんな『真実』や『正義』とやらは何の意味もない。
それこそ、うんうん程の価値もない。
ゆっくりだ!
どれだけゆっくりしていたかこそが大事なことなのだ。
れいむはそれをわかっていた。
だからこそ勝利できたのだ。
まりさにも長ぱちゅりーにも。
確かにれいむは嘘をついた。それは間違いない。
さらに真実を言っているのはまりさの側であり、また本来の正義とやらも長ぱちゅりーの側にあるのかもしれない。
だがそんな『真実』や『正義』とやらは何の意味もない。
それこそ、うんうん程の価値もない。
ゆっくりだ!
どれだけゆっくりしていたかこそが大事なことなのだ。
れいむはそれをわかっていた。
だからこそ勝利できたのだ。
まりさにも長ぱちゅりーにも。
ただただ真実を主張すれば、みんなわかってくれると思い込んでいたまりさ。
それが正しいことだと信じて、むりやり刑を確定しようとした長ぱちゅりー。
ダメだダメだ。
全然ゆっくりしていない。
だから勝てないんだよ!
そんなんじゃ甘いよ?
れいむの勝ちだね!
そして次も必ず勝つ!
それが正しいことだと信じて、むりやり刑を確定しようとした長ぱちゅりー。
ダメだダメだ。
全然ゆっくりしていない。
だから勝てないんだよ!
そんなんじゃ甘いよ?
れいむの勝ちだね!
そして次も必ず勝つ!
近いうちにあるだろう長の座をかけた幹部みょん幹部ちぇんとの直接対決でも勝敗は見えている。
れいむは長に立候補する際に、みんながゆっくりできる掟を同時に提案するつもりだ。
対して幹部みょん幹部ちぇんはどうだろうか?
予想外のれいむの立候補に対し、おろおろすることしかできないのではないか?
大体奴らは自分らが幹部だというだけで、次期長になれると思い込んでいるような小物たちだ。
恐れるに足りない。
群れのゆっくりたちは今までと同じように、必ずゆっくりとしたれいむを支持することは間違いない。
れいむの長就任は確定したようなものだ。
れいむは長に立候補する際に、みんながゆっくりできる掟を同時に提案するつもりだ。
対して幹部みょん幹部ちぇんはどうだろうか?
予想外のれいむの立候補に対し、おろおろすることしかできないのではないか?
大体奴らは自分らが幹部だというだけで、次期長になれると思い込んでいるような小物たちだ。
恐れるに足りない。
群れのゆっくりたちは今までと同じように、必ずゆっくりとしたれいむを支持することは間違いない。
れいむの長就任は確定したようなものだ。
「ゆっふっふっ!
かんっぺきだよ!かんっぺきなけいかくだよ!
そうだよね!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「ゆーん!でもねぇ!おさになるまえに、ゆっくりさいばんとかいうのがあるんだよねぇ!
めんどくさいねぇ!まったくゆっくりできないよ!
そうでしょ!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
かんっぺきだよ!かんっぺきなけいかくだよ!
そうだよね!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「ゆーん!でもねぇ!おさになるまえに、ゆっくりさいばんとかいうのがあるんだよねぇ!
めんどくさいねぇ!まったくゆっくりできないよ!
そうでしょ!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
少々げんなりした表情をするれいむ。
近々開かれるというゆっくり裁判。
そしてゆっくりえいきという存在。
流石にこればかりはれいむの想定の埒外だった。
無論れいむは裁判という行為自体はなんら恐れてどいない。
なぜなら負けるなどとは、全く考えていないからだ。
れいむのやることはいつもと変わらない
ただゆっくりするだけだ。
それだけで勝ちは確定しているのだ。
予定には何の変更もない。
そしてゆっくりえいきという存在。
流石にこればかりはれいむの想定の埒外だった。
無論れいむは裁判という行為自体はなんら恐れてどいない。
なぜなら負けるなどとは、全く考えていないからだ。
れいむのやることはいつもと変わらない
ただゆっくりするだけだ。
それだけで勝ちは確定しているのだ。
予定には何の変更もない。
とはいえ、自分を差し置いてゆっくりの神と呼ばれているえいきの存在が気にならないかと言えば嘘になる。
えいきはいったいどんなゆっくりなのか?
まあ、罪を裁くというくらいなのだから、自分の敵であることは間違いないだろう。
そして、あのゆっくりできない屁理屈屋の長ぱちゅりーが最後の手段として頼みにするくらいだから、
やはり幹部みょんのように力で何でも解決しようとするような脳筋バカではなく、正義とやらで物事を治めていくような理屈タイプと見るべきか。
えいきはいったいどんなゆっくりなのか?
まあ、罪を裁くというくらいなのだから、自分の敵であることは間違いないだろう。
そして、あのゆっくりできない屁理屈屋の長ぱちゅりーが最後の手段として頼みにするくらいだから、
やはり幹部みょんのように力で何でも解決しようとするような脳筋バカではなく、正義とやらで物事を治めていくような理屈タイプと見るべきか。
とすれば、幹部みょんたちのように、ゆっくりを餌に一時的に操るようなことは難しいだろう。
このタイプの連中はゆっくりとは対極の位置にいる。
群れで唯一れいむのゆっくりをはねのけた長ぱちゅりーのように、あくまでれいむのゆっくりを否定し続けるであろう。
つまり裁判のでの直接対決は避けられないということだ。
このタイプの連中はゆっくりとは対極の位置にいる。
群れで唯一れいむのゆっくりをはねのけた長ぱちゅりーのように、あくまでれいむのゆっくりを否定し続けるであろう。
つまり裁判のでの直接対決は避けられないということだ。
「ゆふふふふ!ゆっくりのかみかぁ!
あんがいこれは、いいきかいかもしれないねぇ!」
あんがいこれは、いいきかいかもしれないねぇ!」
そう!これはれいむの力を見せつけるいい機会だ。
ゆっくり裁判は、公平を期すために群れの全ゆっくりの前で行われる。
つまりそこは、れいむのフィールドだということだ。
ゆっくりは、よりゆっくりとしたゆっくりの数が多ければ多いほどその力が強化されていく。
そして群れのゆっくりたちは、この事件を通してれいむがとった行動のおかげで、徐々にゆっくりとしたゆっくりに変貌しつつある。
その確かな手ごたえが、群れのゆっくりたちの会話の節々から感じられるのだ。
とすれば、裁判では群れのゆっくり全員がえいきの敵になるということだ。
観衆の前で、神を名乗る愚かなゆっくりを辱めてやるのも面白いかもしれない。
そしてこの裁判で勝利することで、自らのゆっくりは神すらも上回るということを証明するのだ。
ゆっくり裁判は、公平を期すために群れの全ゆっくりの前で行われる。
つまりそこは、れいむのフィールドだということだ。
ゆっくりは、よりゆっくりとしたゆっくりの数が多ければ多いほどその力が強化されていく。
そして群れのゆっくりたちは、この事件を通してれいむがとった行動のおかげで、徐々にゆっくりとしたゆっくりに変貌しつつある。
その確かな手ごたえが、群れのゆっくりたちの会話の節々から感じられるのだ。
とすれば、裁判では群れのゆっくり全員がえいきの敵になるということだ。
観衆の前で、神を名乗る愚かなゆっくりを辱めてやるのも面白いかもしれない。
そしてこの裁判で勝利することで、自らのゆっくりは神すらも上回るということを証明するのだ。
「ゆふふふふ!これはこれでいいかもしれないねぇ!
ゆっくりのかみをなのるえいきが、どんなかおをするのかたのしみだねぇ!そうでしょ!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
ゆっくりのかみをなのるえいきが、どんなかおをするのかたのしみだねぇ!そうでしょ!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
れいむの問いかけに対し、子れいむは終始ニコニコしたままだった。
それから数日後
ついにその日はやってきた。
それはよく晴れた昼下がり。
なんとはなしに空を見上げた一日のゆっくりが、突然叫んだ。
ついにその日はやってきた。
それはよく晴れた昼下がり。
なんとはなしに空を見上げた一日のゆっくりが、突然叫んだ。
「ゆゆ!あれはなに!」
その声につられて周りのゆっくりたちも次々と空を見上げる。
そこには……。
そこには……。
「あれはなんだ!」
「とりだ!」
「ひこうきだ!」
「いや、ゆっくりえいきだあああああああああああ!」
「とりだ!」
「ひこうきだ!」
「いや、ゆっくりえいきだあああああああああああ!」
突如空に現れた謎の物体(それは人間が見れば木製の小舟の形をしていると気付くのだが、山に住んでいるゆっくりが船の存在を知るはずもない)に、
慌てふためくゆっくりたち。
その物体の上には二匹の見慣れないゆっくりが乗っていた。
慌てふためくゆっくりたち。
その物体の上には二匹の見慣れないゆっくりが乗っていた。
そのうちの一匹は船の後方部分にいる赤髪のツインテールが特徴のゆっくり。
この船を操縦しているのは位置的にはどうやら彼女のようだ。
しかしだがどういうわけか、口から涎を垂らしながらすっかりと眠りこけているように見える。
どう見ても居眠り運転だ。
まあ、きっと空は地上と違って障害物が少ないので、いったん方向さえ定めてしまえばあとは適当に運転してもなんとかなるのだろう。
そんなことよりも、注目すべきはもう一匹の方だった。
船の中央部分にどっしりと構えて、群れを空から見下ろしているゆっくり。
緑色の髪に、派手な装飾がなされた見事な帽子。
そしてなによりその超然としたその態度。
誰に教えられることなく、群れのゆっくりたちは瞬時に理解した。
あのゆっくりこそがゆっくりえいきだと。
この船を操縦しているのは位置的にはどうやら彼女のようだ。
しかしだがどういうわけか、口から涎を垂らしながらすっかりと眠りこけているように見える。
どう見ても居眠り運転だ。
まあ、きっと空は地上と違って障害物が少ないので、いったん方向さえ定めてしまえばあとは適当に運転してもなんとかなるのだろう。
そんなことよりも、注目すべきはもう一匹の方だった。
船の中央部分にどっしりと構えて、群れを空から見下ろしているゆっくり。
緑色の髪に、派手な装飾がなされた見事な帽子。
そしてなによりその超然としたその態度。
誰に教えられることなく、群れのゆっくりたちは瞬時に理解した。
あのゆっくりこそがゆっくりえいきだと。
どんなゆっくりがやってくるだろうと、悪い意味で面白半分に期待していた群れのゆっくりたちは、この空から船にのってやってくる、という登場方法に度胆を抜かれた。
だがこれは考えてみれば当然の移動手段だ。
特別な手順を踏んで呼べば、全国どの群れにも現れるというゆっくりえいき。
その移動手段が徒歩なはずもない。
少し考えれば飛んでくるか、あるいは突然ワープしてくるかのどちらかしかないことは簡単に予想がつく。
とはいえやはり、実際に堂々と空を飛んで登場してくるというインパクトは桁違いでだった。
その常識はずれの振る舞いに、広場にいるゆっくりたちは今、自分らが対峙している相手はやはり神なのだということをあらためて認識した。
だがこれは考えてみれば当然の移動手段だ。
特別な手順を踏んで呼べば、全国どの群れにも現れるというゆっくりえいき。
その移動手段が徒歩なはずもない。
少し考えれば飛んでくるか、あるいは突然ワープしてくるかのどちらかしかないことは簡単に予想がつく。
とはいえやはり、実際に堂々と空を飛んで登場してくるというインパクトは桁違いでだった。
その常識はずれの振る舞いに、広場にいるゆっくりたちは今、自分らが対峙している相手はやはり神なのだということをあらためて認識した。
さて、そうこういっているうちに、船は徐々に高度を下げていき、やがて群れの広場の中心部へと着陸する。
そして船からゆっくりと地面に降り立つえいき。
ザザザッと波が割れるように、ゆっくりたちが船から距離をとる。
そんなゆっくりたちからの恐れや畏怖、好奇の視線をものともせず、えいきは堂々と第一声を放った。
そして船からゆっくりと地面に降り立つえいき。
ザザザッと波が割れるように、ゆっくりたちが船から距離をとる。
そんなゆっくりたちからの恐れや畏怖、好奇の視線をものともせず、えいきは堂々と第一声を放った。
「みなさんはじめまして、ゆっくりえいきです。
もうご存知かと思いますが、このたびはゆっくり裁判のためにこの群れに来ました。
さっそくですが、この群れの長はいますか?」
「はっ、はひぃ!」
もうご存知かと思いますが、このたびはゆっくり裁判のためにこの群れに来ました。
さっそくですが、この群れの長はいますか?」
「はっ、はひぃ!」
えいきの呼びかけに、緊張のためか上ずった声で返事をする長ぱちゅりー。
慌ててゆっくりたちの集団からとびだし、えいきの前へと進み出る。
慌ててゆっくりたちの集団からとびだし、えいきの前へと進み出る。
「むっ、むきゅ!えんろはるばる、よ、ようこそおいでくださいました!
このむれのおさをしている、ぱっぱちぇです!どっ、どうかよろしくおねがいします!」
このむれのおさをしている、ぱっぱちぇです!どっ、どうかよろしくおねがいします!」
えいきの前に出た長ぱちゅりーはしろもどろになりがらあいさつし、深々と、それこそ顔を地面にこすり付けるように頭を下げた。
そんな長ぱちゅりーの様子をみて、えいきは、
そんな長ぱちゅりーの様子をみて、えいきは、
「こちらこそよろしくおねがいします。
そんなにかしこまらなくてもいいですよ」
そんなにかしこまらなくてもいいですよ」
と、ややくだけた口調で言った。
その柔らかいしゃべり方に安心したのか、ほっ、と体の力を抜く長ぱちゅりー。
どうやら早々に不評をかうような事態は避けられたらしい。
なんといっても相手は神なのだ。
無礼な態度を取り、いきなり制裁!なんてことになったら目も当てられない。
とはいえこのえいきは、見た感じそういった横暴なことはしないタイプではないかな、と長ぱちゅりーは想像した。
その柔らかいしゃべり方に安心したのか、ほっ、と体の力を抜く長ぱちゅりー。
どうやら早々に不評をかうような事態は避けられたらしい。
なんといっても相手は神なのだ。
無礼な態度を取り、いきなり制裁!なんてことになったら目も当てられない。
とはいえこのえいきは、見た感じそういった横暴なことはしないタイプではないかな、と長ぱちゅりーは想像した。
「むきゅ!それでは、このむれのげんじょうをせつめいしたいとおもいますので、
まずはぱちぇのおうちまでおこしください!」
「ええ、お願いします」
まずはぱちぇのおうちまでおこしください!」
「ええ、お願いします」
長ぱちゅりーが今群れで問題になっている事件の説明をするため、えいきをおうちへと招こうとしたその時である。
「やいやいやい!ちょっとまつみょん!」
けたたましい叫び声が広場に響いた。
皆一斉に声がした方に振り返る。
するとそこには、幹部みょん幹部ちぇんとその部下たち多数が、広場へとなだれ込んでくるところであった。
皆一斉に声がした方に振り返る。
するとそこには、幹部みょん幹部ちぇんとその部下たち多数が、広場へとなだれ込んでくるところであった。
さて、時をわずかに遡り、えいきが群れの大地に降り立つ数分前。
「わかるよー!きた!きたよー!
ついにえいきがこのむれにやってきたよー!」
「みょん!ついにきたみょんか!」
ついにえいきがこのむれにやってきたよー!」
「みょん!ついにきたみょんか!」
幹部みょんのおうちに、幹部ちぇんが急ぎやってきた。
どうやら、えいきがついにこの群れにやってきたらしい。
どうやら、えいきがついにこの群れにやってきたらしい。
「それで、いまどこにいるみょんか?
むれのいりぐちみょん?」
むれのいりぐちみょん?」
やってきた幹部ちぇんに、えいきの現在地を訊ねる。
すると、幹部ちぇんは、やや複雑な表情をして言った。
すると、幹部ちぇんは、やや複雑な表情をして言った。
「それが……どうやらむれのひろばのじょうくうに、とんでいるみたいなんだよー!」
「みょん!?」
「みょん!?」
幹部ちぇんからの報告を聞き、慌てておうちを出て広場の方の空を見上げてみる。
すると確かに空に謎の物体が浮いており、それがゆっくりと静かに降下してきているのが見える。
あの物体に乗っているゆっくりがえいきというわけか。
すると確かに空に謎の物体が浮いており、それがゆっくりと静かに降下してきているのが見える。
あの物体に乗っているゆっくりがえいきというわけか。
「みょん!そらをとんでくるなんて、ふざけたやつだみょん!」
思わず忌々しげに呟く幹部みょん。
目立とうとしやがって。
空が飛べるからと言って、自分は偉いとでもいうつもりか?
ふざけるな!
その辺の駄ゆっくりなら、あの姿を見て恐れ敬うところだろうが、自分はごまかせないぞ!
自分はこの程度ではビビったりしない。
だいたいあれは、えいきがすごいのではなく、空を飛んでいるあの乗りもがすごいのだ。
恐れるに足りない。
そうだ、あの乗り物もえいきから奪ってしまえばいい。
空が飛べるからと言って、自分は偉いとでもいうつもりか?
ふざけるな!
その辺の駄ゆっくりなら、あの姿を見て恐れ敬うところだろうが、自分はごまかせないぞ!
自分はこの程度ではビビったりしない。
だいたいあれは、えいきがすごいのではなく、空を飛んでいるあの乗りもがすごいのだ。
恐れるに足りない。
そうだ、あの乗り物もえいきから奪ってしまえばいい。
「ちぇん!ぜんぶかに、きんきゅうしょうしゅうだみょん!
ひろばにのりこむみょん!
さっそくこのむれのるーるってやつを、あのおやまのたいしょうに、おしえてやるみょん!」
「わかるよー!そういうとおもって、すでにぶかたちにはしょうしゅうをかけてあるよー!」
「みょん!それでこそだみょん!さすがはみょんとおなじ、しょうらいのおさだみょん!
じゅんびができしだい、すぐしゅっぱつだみょん!」
ひろばにのりこむみょん!
さっそくこのむれのるーるってやつを、あのおやまのたいしょうに、おしえてやるみょん!」
「わかるよー!そういうとおもって、すでにぶかたちにはしょうしゅうをかけてあるよー!」
「みょん!それでこそだみょん!さすがはみょんとおなじ、しょうらいのおさだみょん!
じゅんびができしだい、すぐしゅっぱつだみょん!」
こうして幹部みょんは、自分たちの勝利を疑うことなく、出陣の号令をかけたのだった。
そして……。
「やいやいやい!ちょっとまつみょん!」
広場にたどり着いた幹部みょんは、えいきを見るなりそう言い放った。
今までえいきに注目していたゆっくりが一斉に振り返る。
そしてまた、えいきと思われる緑色の髪をしたゆっくりもまた幹部みょんを見る。
唯一見慣れない赤毛のゆっくりのみが、幹部みょんの方向を向かず何故か「zzz」といびきをかいて寝ていたが、
ま、こいつはどうでもいい。どうせ下っ端かなにかだろう。
今までえいきに注目していたゆっくりが一斉に振り返る。
そしてまた、えいきと思われる緑色の髪をしたゆっくりもまた幹部みょんを見る。
唯一見慣れない赤毛のゆっくりのみが、幹部みょんの方向を向かず何故か「zzz」といびきをかいて寝ていたが、
ま、こいつはどうでもいい。どうせ下っ端かなにかだろう。
「えいきだかなんだからしらないけど、このむれのかんぶである、みょんさまにあいさつなしとはどういうつもりだみょん!
かみだなんだと、えらそうにしておきながら、さいていげんのるーるすらまもれない、ゆっくりのくずみょんか!
さっさとあたまをさげて、このみょんさまに、あいさつするみょん!」
「わかるよー!これだからいなかものは、れいぎがなってないんだよねー!
おっと、ありすみたいなこといっちゃったよー!」
かみだなんだと、えらそうにしておきながら、さいていげんのるーるすらまもれない、ゆっくりのくずみょんか!
さっさとあたまをさげて、このみょんさまに、あいさつするみょん!」
「わかるよー!これだからいなかものは、れいぎがなってないんだよねー!
おっと、ありすみたいなこといっちゃったよー!」
まずは先制パンチとばかりに、えいきに威圧的に接する幹部みょん幹部ちぇん。
とにかく始めが肝心なのだ。
幹部みょんたちの目的は、力によりえいきを屈服させ、これから行われる裁判の結果を意のままに操ることにある。
ここであいてに舐められず、かつ恐怖心を与えることができれば、以後の駆け引きが格段にやりやすくなるわけであり、
これはその第一歩というわけだ。
とにかく始めが肝心なのだ。
幹部みょんたちの目的は、力によりえいきを屈服させ、これから行われる裁判の結果を意のままに操ることにある。
ここであいてに舐められず、かつ恐怖心を与えることができれば、以後の駆け引きが格段にやりやすくなるわけであり、
これはその第一歩というわけだ。
だが肝心のえいきは、幹部みょんたちの態度に恐れるでも不快な顔をするでもなく、まるで無表情だった。
別に幹部みょんのことを無視しているわけではない。
えいきはちゃんとこちらを向いている。
にもかかわらずまったくリアクションがない。
まるで「お前程度の存在には、いちいち注意をはらう価値もない」と言わんばかりであった。
そんなえいきの態度は、幹部みょんをイラつかせた。
別に幹部みょんのことを無視しているわけではない。
えいきはちゃんとこちらを向いている。
にもかかわらずまったくリアクションがない。
まるで「お前程度の存在には、いちいち注意をはらう価値もない」と言わんばかりであった。
そんなえいきの態度は、幹部みょんをイラつかせた。
「ほらほら!どしたんだみょん!だまってちゃ、わからないみょん!
ああぁん!びびって、くちもきけないみょんかぁ!」
ああぁん!びびって、くちもきけないみょんかぁ!」
声を荒げ、えいきへと滲み寄っていく幹部みょん。
周りにいるゆっくりたちは、ゴクリと生唾をのみ込み不安そうな顔をしながら、あるいはニヤニヤと何かを期待しながら、それを黙って見つめている。
周りにいるゆっくりたちは、ゴクリと生唾をのみ込み不安そうな顔をしながら、あるいはニヤニヤと何かを期待しながら、それを黙って見つめている。
「おらぁ!なんとかいったらだどうだみょん!」
そして幹部みょんがあと一歩という距離にまで詰め寄った次の瞬間。
「みょん!むししてんじゃないみょん!」
幹部みょんは思い切り大地を蹴りつけ跳躍した。
周りにいたゆっくりたちが「あっ!」と声を上げる。
えいきへむかって、不意打ちぎみに体当たりをおみまいしたのだ。
周りにいたゆっくりたちが「あっ!」と声を上げる。
えいきへむかって、不意打ちぎみに体当たりをおみまいしたのだ。
ドン!
幹部みょんの体に、体当たりした際特有の衝撃が走る。
自分が跳ね返る感覚ではない、相手を吹き飛ばす際に感じる感触だ。
やった!命中だ!手ごたえありだ。
自分が跳ね返る感覚ではない、相手を吹き飛ばす際に感じる感触だ。
やった!命中だ!手ごたえありだ。
「ゆぴぃぃぃぃ!いだいよおおおおおおおおおおおおおお!わがらないよおおおおおおおおおおお!」
直後に聞こえてくるクッソ情けない叫び声。
見ろよ!聞いたか!あのショッボイ声を!
普段、神だなんだとかえばってるくせに、ちょっと手を上げたらすぐこのざま。
自分の一撃によって、さっそく化けの皮が剥がれたというわけだ。
ちょろい!ちょろい!
なぁ、そうだよなぁ、ちぇん!
見ろよ!聞いたか!あのショッボイ声を!
普段、神だなんだとかえばってるくせに、ちょっと手を上げたらすぐこのざま。
自分の一撃によって、さっそく化けの皮が剥がれたというわけだ。
ちょろい!ちょろい!
なぁ、そうだよなぁ、ちぇん!
「わがらないよおおおおおおお!なにするのおおおおおおおおおおおおおお!」
「……みょん?」
「……みょん?」
だが、ここへきて幹部みょんは事態の異常さに気付く。
よく見ると、自分の前で無様に転がっているのはえいきではなく幹部ちぇんだ。
そして肝心のえいきは相も変わらず無表情で自分たちのことを見ている。
なんだ?何が起こった?一体どうなっている?
幹部みょんは混乱した。
よく見ると、自分の前で無様に転がっているのはえいきではなく幹部ちぇんだ。
そして肝心のえいきは相も変わらず無表情で自分たちのことを見ている。
なんだ?何が起こった?一体どうなっている?
幹部みょんは混乱した。
どうやら状況から考えて、自分の体当たりが命中したのは、えいきではなく幹部ちぇんらしい。
しかしそんなことあり得るか?
自分は外さないよう、えいきの目と鼻の先まで接近してから体当たりをしかけたのに、なんでそれが幹部ちぇんに当たってるんだ?
百歩譲ってえいきが自分の体当たりを避けたというならわかる。
だが、それが自分の真後ろにいたはずの幹部ちぇんに命中するというのは絶対におかしい。
考えられない!どうなってるんだ!
しかしそんなことあり得るか?
自分は外さないよう、えいきの目と鼻の先まで接近してから体当たりをしかけたのに、なんでそれが幹部ちぇんに当たってるんだ?
百歩譲ってえいきが自分の体当たりを避けたというならわかる。
だが、それが自分の真後ろにいたはずの幹部ちぇんに命中するというのは絶対におかしい。
考えられない!どうなってるんだ!
答えを求めておろおろとあたりを見回す幹部みょん。
だが、困惑しているのは自分だけではなく周りのゆっくりたちも同じようで、みな呆気にとられていた。
だが、困惑しているのは自分だけではなく周りのゆっくりたちも同じようで、みな呆気にとられていた。
「みょん!ずるいみょん!いったいなに……うっ!」
このわけのわからない憤りをぶつけようと、再びえいきに詰め寄ろうとしたその瞬間、
幹部みょんに悪寒が走った。
それは殺気などという生易しいものじゃなかった。
明確な死の気配。
それが幹部みょんにまとわりついている。
幹部みょんに悪寒が走った。
それは殺気などという生易しいものじゃなかった。
明確な死の気配。
それが幹部みょんにまとわりついている。
「なっ……にが……」
何もされてないはずなのに巨大な何かに押さえつけられるような重圧を感じる。
体中からとめどなく冷や汗が流れ出てくる。
かつてないほどのゆっくりできなさが、自分を覆っている。
そして幹部みょんは気づく。
その気配の正体に。
あの赤毛のゆっくりだった。
ついさっきまで能天気にいびきをかいていたはずのあの赤毛のゆっくりが、片目を開けこちらを睨みつけている。
その視線はさながら死そのものだった。
体中からとめどなく冷や汗が流れ出てくる。
かつてないほどのゆっくりできなさが、自分を覆っている。
そして幹部みょんは気づく。
その気配の正体に。
あの赤毛のゆっくりだった。
ついさっきまで能天気にいびきをかいていたはずのあの赤毛のゆっくりが、片目を開けこちらを睨みつけている。
その視線はさながら死そのものだった。
「ゆっ、ゆひぃ!たっ、たすけて!」
わけもわからず、恐怖心からつい許しを請うような声が口から出てしまう。
だが、次の瞬間ヒュッと何かが風を切るような音がきこえたかと思うと、
だが、次の瞬間ヒュッと何かが風を切るような音がきこえたかと思うと、
ブチッ!
「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!」
幹部みょんの右頬が突然えぐれた。
いや、違う。
何かが高速で飛んできて、それが頬にかすったのだ。
超高速で飛んできたそれは、かすっただけで幹部みょんの右頬をわずかに削り取り、それで突然えぐれたように見えたのだ。
いや、違う。
何かが高速で飛んできて、それが頬にかすったのだ。
超高速で飛んできたそれは、かすっただけで幹部みょんの右頬をわずかに削り取り、それで突然えぐれたように見えたのだ。
そして当たり前のことだが、頬が削られて痛い。
超痛い。
だが幹部みょんは痛みよりも恐怖が勝った。
一体自分に何が起こったのかまるでわからないのである。
超痛い。
だが幹部みょんは痛みよりも恐怖が勝った。
一体自分に何が起こったのかまるでわからないのである。
「ひいいいぃぃぃぃぃぃぃ!」
ブシャアアアアア!
幹部みょんの下半身から下品な音を立て、汚物がまき散らされる。
あまりの恐怖に、おそろしーしをぶちかましたのだ。
力で脅そうとしていた連中に逆に怯え、群れ中のゆっくりの前で失禁までかましてしまう。
これ以上ないくらいの失態だった。
だがそんなことどうでもよくなるくらい幹部みょんは恐怖に打ち震えていた。
ブルブルと怯えることしかできない情けないゆっくり。
そしてそんな憐れで矮小なゆっくりを、赤毛のゆっくりは無慈悲にも始末しようと……。
あまりの恐怖に、おそろしーしをぶちかましたのだ。
力で脅そうとしていた連中に逆に怯え、群れ中のゆっくりの前で失禁までかましてしまう。
これ以上ないくらいの失態だった。
だがそんなことどうでもよくなるくらい幹部みょんは恐怖に打ち震えていた。
ブルブルと怯えることしかできない情けないゆっくり。
そしてそんな憐れで矮小なゆっくりを、赤毛のゆっくりは無慈悲にも始末しようと……。
「やめなさい、こまち!」
と、ここでえいきは静止の声を上げた。
「へーい!」
この緊迫した場にそぐわぬ気の抜けた返事で赤毛のゆっくりが答え、再び目をつぶる。
するとそれだけで、いままで幹部みょんを襲っていた死の重圧がかき消えた。
やはりなにもかもがあの赤毛のゆっくりの仕業だったのだ。
するとそれだけで、いままで幹部みょんを襲っていた死の重圧がかき消えた。
やはりなにもかもがあの赤毛のゆっくりの仕業だったのだ。
「むっ、むっきょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!おまえたち、なんてことおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ここにきてようやく長ぱちゅりーが悲鳴のような声を上げながら、幹部二匹を叱責する。
ついさっきまであまりに予想外の事態に完全にフリーズ状態だったのだ。
ついさっきまであまりに予想外の事態に完全にフリーズ状態だったのだ。
「もうっしわけありません!
うちのむれのかんぶが、とんだそそうを!
ほんっとうにすいません!むっきょおおおおおおおおおお!」
うちのむれのかんぶが、とんだそそうを!
ほんっとうにすいません!むっきょおおおおおおおおおお!」
再び長ぱちゅりーは、えいきの前で顔を地面にこすり付けるように頭を下げた。
群れへやってきたお偉いさんに対して、群れのゆっくりが暴力沙汰を起こす。
よく考えなくても大問題である。
普通なら即座に責任者の首が飛んでもおかしくない事態だ。
よく考えなくても大問題である。
普通なら即座に責任者の首が飛んでもおかしくない事態だ。
だがえいきは先ほどと同様、やはり不快や苛立ちの表情を出さず、むしろ軽く微笑みすらしながら言った。
「いえ、きにしなくていいですよ。
そうですか群れの幹部の方でしたか。
あまりにも品位がないので、群れの外からはぐれゆっくりが襲撃してきたのかと思いました。
改めて初めまして。
ゆっくりえいきです。
今回ゆっくり裁判をすることになりました。
短い間ですがどうかよろしく」
そうですか群れの幹部の方でしたか。
あまりにも品位がないので、群れの外からはぐれゆっくりが襲撃してきたのかと思いました。
改めて初めまして。
ゆっくりえいきです。
今回ゆっくり裁判をすることになりました。
短い間ですがどうかよろしく」
そして幹部みょんに軽く会釈する。
「ひぃ、みょっ、みょん!わっ、わかればいいんだみょん!」
ずりずりと数歩後ずさりながら、これを精一杯の威厳をこめて受ける幹部みょん。
だが、自分が垂れ流したしーしーにまみれた状態では威厳もなにもあったもんじゃない。
この二匹の正反対の状況を目にし、群れのゆっくりたちは思った。
器が違う。
この場にいたどのゆっくりもが、さらには幹部みょんたちの部下のゆっくりたちでさえそう感じていた。
だが、自分が垂れ流したしーしーにまみれた状態では威厳もなにもあったもんじゃない。
この二匹の正反対の状況を目にし、群れのゆっくりたちは思った。
器が違う。
この場にいたどのゆっくりもが、さらには幹部みょんたちの部下のゆっくりたちでさえそう感じていた。
「むっ、むきょ!それではあらためて、ぱちぇのおうちへとあんないさせていただきます!
どうぞ!どうぞこちらへ!」
どうぞ!どうぞこちらへ!」
これ以上の厄介ごとはごめんだとばかりに、急ぎえいきたちを先導しようとする長ぱちゅりー。
「わかりました。
行きますよ、こまち!」
「へーい!」
行きますよ、こまち!」
「へーい!」
それに続いて移動するえいきと赤毛のゆっくりであるこまち。
後に残されたのは、幹部みょんにふっとばされて倒れたままの幹部ちぇんと、自らの汚物にまみれたままの幹部みょん。
それを冷ややかな目線で見つめる野次馬のゆっくりたちと、気まずそうな表情の幹部の部下ゆっくりたち。
後に残されたのは、幹部みょんにふっとばされて倒れたままの幹部ちぇんと、自らの汚物にまみれたままの幹部みょん。
それを冷ややかな目線で見つめる野次馬のゆっくりたちと、気まずそうな表情の幹部の部下ゆっくりたち。
誰の目にも勝敗は明らかだった。
いや、最早勝負にすらなってなかった。
実力が違いすぎるのだ。
いや、最早勝負にすらなってなかった。
実力が違いすぎるのだ。
「ゆぐぐぐぐ!こんな、こんなばかなことが……」
呆然と呟く幹部みょん。
これは夢ではないか?そう思いたかった。
しかし、謎の攻撃によってわずかに削り取られた右頬がじんじんと激しく痛み、これが現実だと激しく主張している。
これが夢でないのだというなら、あんな、あんな化け物相手にどうやって戦えというのだ。
幹部みょんは目の前が真っ暗になりわけがわからなくなった。
ただ一つわかっていることは、力によりえいきを脅し、裁判を意のままに操るという愚かな計画は盛大に失敗したということだけであった。
これは夢ではないか?そう思いたかった。
しかし、謎の攻撃によってわずかに削り取られた右頬がじんじんと激しく痛み、これが現実だと激しく主張している。
これが夢でないのだというなら、あんな、あんな化け物相手にどうやって戦えというのだ。
幹部みょんは目の前が真っ暗になりわけがわからなくなった。
ただ一つわかっていることは、力によりえいきを脅し、裁判を意のままに操るという愚かな計画は盛大に失敗したということだけであった。
そして、その夜。
ここはれいむのおうち。
ここはれいむのおうち。
「むーしゃ!むーしゃ!しあわせええええええ!」
「むーちゃ!むーちゃ!ちあわちぇぇぇぇぇぇ!」
「むーちゃ!むーちゃ!ちあわちぇぇぇぇぇぇ!」
相変わらずれいむ親子は、おうち内に大量にある食料を下品に食していた。
ここ数日のれいむ親子の行動パターンは一貫している。
寝る、食う、ゆっくりする。
ほとんどこれだけだ。
それは、えいきがこの群れへやってきたこの日も変わることがない。
ここ数日のれいむ親子の行動パターンは一貫している。
寝る、食う、ゆっくりする。
ほとんどこれだけだ。
それは、えいきがこの群れへやってきたこの日も変わることがない。
「ゆふぅ!ゆっくりしてるねぇおちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
ワンパターンな会話を繰り返すれいむと子れいむ。
いつもならほとんどこれだけで会話が終わるところだが、しかし今日はもう少しだけバリエーションに富んでいた。
いつもならほとんどこれだけで会話が終わるところだが、しかし今日はもう少しだけバリエーションに富んでいた。
「そういえばきょう、れいのえいきがむれにやってきたらしいね!
むれのれんちゅうがうわさをしてたよ!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
むれのれんちゅうがうわさをしてたよ!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
特別な用事がないかぎり、一日のほとんどをおうちで過ごすれいむだが、わずかな時間外に出る時がある(主にうんうんとしーしーをするため)。
その時にれいむは、えいきがやってきたこと、そしてその際に起こった事件のことを小耳にはさんだのだ。
その時にれいむは、えいきがやってきたこと、そしてその際に起こった事件のことを小耳にはさんだのだ。
「どうやらあのかんぶみょん、かんぶちぇんが、えいきにけんかをうったそうだね!
でも、かいりうちにあっちゃったんだってね!
ゆぷぷぷぷ!ばかなれんちゅうだねぇ!
まるでゆっくりしてないよ!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
でも、かいりうちにあっちゃったんだってね!
ゆぷぷぷぷ!ばかなれんちゅうだねぇ!
まるでゆっくりしてないよ!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
今群れ内では、今日の昼ごろに起こった事件での幹部みょん幹部ちぇんの失態で大盛り上がりだった。
無論この噂は、幹部みょんたちお得意の戦術によって意図的に捏造された噂ではない。
事件を目のあたりにしたゆっくりたちによって、正真正銘本当に口コミで広がった噂である。
その内容は、今年一番の期待外れゆっくり、群れ一番の勇者(笑)睨まれただけでしーしーを漏らす、失禁(笑)幹部、満足に戦うことすらできないザコゆ、
やられるためだけにでてきたかませ、なんにもしないうちに気絶した群れ一番の知恵者(笑)、所詮被害者れいむに便乗しただけの主体性のないクズ幹部、
こんな恥をさらしたのだから事件後のせいっさいは確定、などなど
散々な言われようだった。
もちろん今までコツコツ積み上げてきた人気は一気にがた落ち。
こんな奴らが本当に次期長で大丈夫か?と疑問の声が上がっている始末。
無論この噂は、幹部みょんたちお得意の戦術によって意図的に捏造された噂ではない。
事件を目のあたりにしたゆっくりたちによって、正真正銘本当に口コミで広がった噂である。
その内容は、今年一番の期待外れゆっくり、群れ一番の勇者(笑)睨まれただけでしーしーを漏らす、失禁(笑)幹部、満足に戦うことすらできないザコゆ、
やられるためだけにでてきたかませ、なんにもしないうちに気絶した群れ一番の知恵者(笑)、所詮被害者れいむに便乗しただけの主体性のないクズ幹部、
こんな恥をさらしたのだから事件後のせいっさいは確定、などなど
散々な言われようだった。
もちろん今までコツコツ積み上げてきた人気は一気にがた落ち。
こんな奴らが本当に次期長で大丈夫か?と疑問の声が上がっている始末。
そしてこの展開はれいむにとっては非常に好都合だった。
幹部連中の人気が下がれば下がるほど、後に行われる長を決める選挙で自分が優位になるからだ。
もうあの幹部二匹は駄目だろう。
れいむの長就任は確定したも同然だ。
幹部連中の人気が下がれば下がるほど、後に行われる長を決める選挙で自分が優位になるからだ。
もうあの幹部二匹は駄目だろう。
れいむの長就任は確定したも同然だ。
「ゆっふっふっふー!まったくこわいくらいにうまくいくねぇ!
そうでしょ!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
そうでしょ!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
まったくもって計画は超順調であった。
れいむが特に行動を起こさなくても、ただゆっくりしているだけでれいむにとって有利な状況が勝手に転がり込んでくる。
いや、違うな。
ほかの連中はあまりにもゆっくりできない行動ばかりするので、必然的に失敗して転げ落ちていくのだ。
やはりゆっくりこそが最強なのだ。
そしてガイヤがれいむにゆっくりしろと囁いているのだ。
れいむが特に行動を起こさなくても、ただゆっくりしているだけでれいむにとって有利な状況が勝手に転がり込んでくる。
いや、違うな。
ほかの連中はあまりにもゆっくりできない行動ばかりするので、必然的に失敗して転げ落ちていくのだ。
やはりゆっくりこそが最強なのだ。
そしてガイヤがれいむにゆっくりしろと囁いているのだ。
と、そんなことをれいむが考えていると、
「御免下さい。
れいむはいますか」
「ゆゆ?」
れいむはいますか」
「ゆゆ?」
おうちの外かられいむを呼ぶ声が聞こえてきた。
何なんだこんな夜中に。ゆっくりできないなぁ!
何なんだこんな夜中に。ゆっくりできないなぁ!
「なんなの!れいむはいまいそがしいんだよ!
用があるならあとにしてね!」
用があるならあとにしてね!」
苛立たしげに声を上げるれいむ。
しかし外のゆっくりは先ほどと変わらぬ口調で続ける。
しかし外のゆっくりは先ほどと変わらぬ口調で続ける。
「まあまあ、そう言わずに、一度会ってもらえませんか?
大してお時間は取らせませんよ」
大してお時間は取らせませんよ」
静かだが、その内に強い意志を感じる声だった。
目的を達成するまでは絶対に引かない。
下手すりゃ明日の朝までこの場から離れない。
そんな予感をれいむに抱かせるに十分な雰囲気を待っていた。
目的を達成するまでは絶対に引かない。
下手すりゃ明日の朝までこの場から離れない。
そんな予感をれいむに抱かせるに十分な雰囲気を待っていた。
「ああ、もうわかったよ!めんどくさい!
だれだかわからないけど、ようがあるなら、はいってきてね!」
だれだかわからないけど、ようがあるなら、はいってきてね!」
結局れいむは、すぐに折れた。
言葉の通りめんどくさかったからだ。
深い意味はない。さっさと要件とやらを済ませて帰ってもらえばいいだけのことだった。
言葉の通りめんどくさかったからだ。
深い意味はない。さっさと要件とやらを済ませて帰ってもらえばいいだけのことだった。
「そうですか。
それでは失礼します」
それでは失礼します」
言葉とともにおうちへ入ってくるゆっくり。
その姿を見た瞬間、さすがのれいむも息をのんだ。
その姿を見た瞬間、さすがのれいむも息をのんだ。
「ゆなっ!お、おまえは!」
緑の髪、派手な帽子、威厳に満ちた顔。
噂に聞いた通りの姿形。
噂に聞いた通りの姿形。
「はじめまして、ゆっくりえいきです。
このたびはこの群れのゆっくり裁判を行うことになりました。
以後お見知りおきを」
このたびはこの群れのゆっくり裁判を行うことになりました。
以後お見知りおきを」
入ってきたゆっくりはそう軽く挨拶した。
なんと、れいむのおうちへと訪ねてきたきたゆっくりは、えいきだったのだ。
なんと、れいむのおうちへと訪ねてきたきたゆっくりは、えいきだったのだ。
「なっ、なんで」
呆然として当然の疑問を口にするれいむ。
「長ぱちゅりーから今回の事件における詳細な事情を聞きました。
その結果、この事件の中心ゆん物は、れいむ、あなただと判断しました。
なので裁判の前に一度、この目でどういったゆっくりなのか直接見ておこうと思いまして。
話で聞いただけではわからないこともありますから」
その結果、この事件の中心ゆん物は、れいむ、あなただと判断しました。
なので裁判の前に一度、この目でどういったゆっくりなのか直接見ておこうと思いまして。
話で聞いただけではわからないこともありますから」
そう静かに答えるえいき。
「ゆぐっ……。
ふーん!あっ、そう!
そりゃわざわざごくろうさんだねぇ!そうでしょ、おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
ふーん!あっ、そう!
そりゃわざわざごくろうさんだねぇ!そうでしょ、おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
突然の事態に一瞬慌てたれいむだが、しかしすぐさま冷静さを取り戻す。
気圧されてはいけない。
ゆっくりだ!
ゆっくりするんだ!
気圧されてはいけない。
ゆっくりだ!
ゆっくりするんだ!
まずは相手がどの程度ゆっくりしたゆっくりなのかを調べることが大事だ。
落ち着いたれいむは、無遠慮にえいきの全身をなめまわすように観察する。
その結果出した結論、それは
落ち着いたれいむは、無遠慮にえいきの全身をなめまわすように観察する。
その結果出した結論、それは
「だめだね!
ぜんっぜんゆっくりしてないよ!」
「ん?」
ぜんっぜんゆっくりしてないよ!」
「ん?」
このえいきとかいうゆっくりはまったくゆっくりしていない。
それがれいむが出した結論だった。
それがれいむが出した結論だった。
「ゆっくりのかみ、とかいうから、どれくらいゆっくりしたゆっくりなのかとおもっていたら、
とんだきたいはずれだよ!
れいむのあしもとにもおよばないよ!」
「私がゆっくりしていない?
ふふっ、確かにそれはそうかもしれませんね」
とんだきたいはずれだよ!
れいむのあしもとにもおよばないよ!」
「私がゆっくりしていない?
ふふっ、確かにそれはそうかもしれませんね」
れいむの侮辱とすらとれる言葉に対して、しかしえいきは微笑すらして余裕で返す。
そんなえいきの様子を見て、れいむは舌打ちしたくなった。
通常ゆっくりにとって、ゆっくりしてないと宣言することは、最大限の侮辱なのだ。
だというのに、このえいきとかいうゆっくりはまるで堪えた様子がない。
もはや呆れを通して気味が悪かった。
そんなえいきの様子を見て、れいむは舌打ちしたくなった。
通常ゆっくりにとって、ゆっくりしてないと宣言することは、最大限の侮辱なのだ。
だというのに、このえいきとかいうゆっくりはまるで堪えた様子がない。
もはや呆れを通して気味が悪かった。
「わらってるんじゃないよ!ばかにしてるの!
だいたいねぇ!じけんのことで、おまえがれいむのとこへ、くることじたいおかしいんだよ!
このじけんのはんにんは、あのげすまりさでしょおおおおおおおおお!
それを、ひがいしゃである、このれいむのところにくるのはおかしいでしょうがあああああああ!」
だいたいねぇ!じけんのことで、おまえがれいむのとこへ、くることじたいおかしいんだよ!
このじけんのはんにんは、あのげすまりさでしょおおおおおおおおお!
それを、ひがいしゃである、このれいむのところにくるのはおかしいでしょうがあああああああ!」
やや激昂ぎみの口調でれいむが言い放つ。
えいきは、長ぱちゅりーの話を聞いてここまで来たと言っていた。
つまり、れいむがまりさを騙した事情を知っているはずである。
だが、そんな『事実』は関係ない。
れいむはあくまで、被害者の立場を通すつもりだった。
なぜならばその方がゆっくりできるからだ。
えいきは、長ぱちゅりーの話を聞いてここまで来たと言っていた。
つまり、れいむがまりさを騙した事情を知っているはずである。
だが、そんな『事実』は関係ない。
れいむはあくまで、被害者の立場を通すつもりだった。
なぜならばその方がゆっくりできるからだ。
「確かにすべての出来事の発端、いわゆる引き金となったのは、あのまりさの行動なのかもしれません。
しかしそれはあくまできっかけにすぎません。
その後に起こった意図的な、あるいは偶発的におこったさまざまな事象の中心には、れいむ、
すべてあなたがかかわっているのです。
その意味で、この事件の中心ゆん物はあなたをおいてほかにない。
すなわちこれは、あなたの事件なのですよ、れいむ」
しかしそれはあくまできっかけにすぎません。
その後に起こった意図的な、あるいは偶発的におこったさまざまな事象の中心には、れいむ、
すべてあなたがかかわっているのです。
その意味で、この事件の中心ゆん物はあなたをおいてほかにない。
すなわちこれは、あなたの事件なのですよ、れいむ」
やや興奮気味のれいむとは対照的に、えいきは静かに語った。
だがれいむは怯まない。
だがれいむは怯まない。
「ゆふん!だとしてもそれがどうしたっていうの!
ゆっくりはねぇ!ゆっくりすることこそがぜったいのせいぎなんだよぉ!
ほおぉら!このとってもゆっくとした、おちびちゃんがみえないの?」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
ゆっくりはねぇ!ゆっくりすることこそがぜったいのせいぎなんだよぉ!
ほおぉら!このとってもゆっくとした、おちびちゃんがみえないの?」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
れいむは見せつけるようにして、子れいむをえいきの前へと押し出す。
「ええ、見えますよ」
その瞬間、えいきは無表情になり、何もない虚空を見つめ言った。
「罪なき憐れな魂の残滓がね」
「はぁ?」
「はぁ?」
急に何言ってんだコイツ?
頭がおかしいのか?
憐れ?こんなにもおちびちゃんはゆっくりしているのに?
まったくこんなゆっくりしてない奴がゆっくりの神だなんてふざけてる!
こんな調子ではこれから開かれる裁判だって楽勝にちがいない。
頭がおかしいのか?
憐れ?こんなにもおちびちゃんはゆっくりしているのに?
まったくこんなゆっくりしてない奴がゆっくりの神だなんてふざけてる!
こんな調子ではこれから開かれる裁判だって楽勝にちがいない。
「ゆふん!なんのつもりかしらないけど、れいむはぜったいまけないよ!」
れいむは胸を張った。
それは勝利宣言だった。
そうだ!はじめからこんなやつに負けるはずもないのだ。
まったくちょっとでも警戒していた自分がバカらしくなる。
れいむはもともとあった勝利への確信をさらに濃くした。
それは勝利宣言だった。
そうだ!はじめからこんなやつに負けるはずもないのだ。
まったくちょっとでも警戒していた自分がバカらしくなる。
れいむはもともとあった勝利への確信をさらに濃くした。
「負ける?何のことです?」
そんなれいむの態度にえいきは一瞬キョトンとしたが、すぐに「あぁ」と納得顔になった。
「どうもあなたは裁判のことを勝ちとか負けとか勘違いをしているようですね。
裁判とは上から下へ一方的に行われるものであり、決して勝負ではありません。
咎人は裁かれ、冤罪のそしりを受けた者はその名誉を回復する。
そこには優越などはないのです。
ただ事実があるだけ。ただそれだけの話なのです」
裁判とは上から下へ一方的に行われるものであり、決して勝負ではありません。
咎人は裁かれ、冤罪のそしりを受けた者はその名誉を回復する。
そこには優越などはないのです。
ただ事実があるだけ。ただそれだけの話なのです」
そう滔々と語るえいき。
だがそんなえいきを、れいむはフンと鼻で笑う。
やはりコイツはわかっていない。
所詮こいつも長ぱちゅりーやまりさと同じだ。
何よりも大切なことを理解していない。
れいむの敵ではないのだ。もう話は十分だろう。
このえいきとかいうゆっくりの底は知れた。
だがそんなえいきを、れいむはフンと鼻で笑う。
やはりコイツはわかっていない。
所詮こいつも長ぱちゅりーやまりさと同じだ。
何よりも大切なことを理解していない。
れいむの敵ではないのだ。もう話は十分だろう。
このえいきとかいうゆっくりの底は知れた。
「ゆふん!まあどうでもいいよ、そんなことはさ!」
「そうですか。
ですが、どうもさきほどから、あなとは微妙に会話の趣旨がずれているように感じます。
わずかな齟齬が、のちに大きな誤解を生みだすこともあるのす。
ですので、きちんと説明するにこしたことはありません」
「よけいなおせわだよ!
はなしはもうすんだんでしょ!だったらかえってね!
れいむいそがしいんだよ!」
「……ふむ。
そうですね。
もう私の用も済みました。
では、明日のゆっくり裁判でお会いしましょう。おやすみなさい」
「そうですか。
ですが、どうもさきほどから、あなとは微妙に会話の趣旨がずれているように感じます。
わずかな齟齬が、のちに大きな誤解を生みだすこともあるのす。
ですので、きちんと説明するにこしたことはありません」
「よけいなおせわだよ!
はなしはもうすんだんでしょ!だったらかえってね!
れいむいそがしいんだよ!」
「……ふむ。
そうですね。
もう私の用も済みました。
では、明日のゆっくり裁判でお会いしましょう。おやすみなさい」
月並みの別れの言葉とともに、れいむのおうちを去っていくえいき。
そんなえいきの後ろ姿にれいむは、ベーと舌を出した。
そんなえいきの後ろ姿にれいむは、ベーと舌を出した。
「まったくとんでもなくゆっくりしてないゆっくりだったよ!
このむれでいちばんゆっくりしてない、おさぱちゅりーよりもゆっくりしてないんじゃないの?
あんなんでれいむにかとうだなんて、おろかなはなしだよね!
そうでしょ、おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
このむれでいちばんゆっくりしてない、おさぱちゅりーよりもゆっくりしてないんじゃないの?
あんなんでれいむにかとうだなんて、おろかなはなしだよね!
そうでしょ、おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
子れいむは相も変わらず、終始笑顔のままだった。
それから少し時間が流れ、夜も更けて深夜。
群れのすべてのゆっくりが寝静まったころ。
群れの端の方にある小高い丘に静かにたたずむえいき。
そしてそんなえいきに後ろから近づく影があった。
群れのすべてのゆっくりが寝静まったころ。
群れの端の方にある小高い丘に静かにたたずむえいき。
そしてそんなえいきに後ろから近づく影があった。
「どーもえいき様。
どうでした?群れの様子は?」
どうでした?群れの様子は?」
影は気さくな調子でえいきに話しかけてくる。
その正体はゆっくりこまちだった。
その正体はゆっくりこまちだった。
「そうですね。全体的に見て、あまり善良な群れとは言い難いですね」
ちらり、とやってきたこまちを振り返るでもなく目の端で確認すると、えいきはそっけなく言った。
「この事件に対する、群れのゆっくりたちの態度があまりよろしくないように感じます。
群れで起こった重大事件に関心を持つこと自体は問題ないのですが、その興味の方向性がよくない。
本来ならばなぜそういった事件が起きてしまったのか?再発を防ぐにはどうすればいいのか?などのことに対して注目すべきはずなのに、
この群れのゆっくりたちが気にしているのは、どのゆっくりが制裁されるのか?またその制裁方法は何か?そしてその制裁には自分は参加できるのか?
そんなことばかり気にしている。彼らにとって事件は娯楽なのでしょう。
そしてさらに、そんな自分たちのことを正義であり善良だと思い込んでいる。
ハッキリ言って危険な兆候です。
群れ全体がゲス化する二歩手前といったところでしょうか」
「あー。
やっぱりえいき様もそう思います?この群れなんだか雰囲気悪いですもんねー」
群れで起こった重大事件に関心を持つこと自体は問題ないのですが、その興味の方向性がよくない。
本来ならばなぜそういった事件が起きてしまったのか?再発を防ぐにはどうすればいいのか?などのことに対して注目すべきはずなのに、
この群れのゆっくりたちが気にしているのは、どのゆっくりが制裁されるのか?またその制裁方法は何か?そしてその制裁には自分は参加できるのか?
そんなことばかり気にしている。彼らにとって事件は娯楽なのでしょう。
そしてさらに、そんな自分たちのことを正義であり善良だと思い込んでいる。
ハッキリ言って危険な兆候です。
群れ全体がゲス化する二歩手前といったところでしょうか」
「あー。
やっぱりえいき様もそう思います?この群れなんだか雰囲気悪いですもんねー」
昼間の出来事を思い出しながら、こまちがしみじみと言う。
昼間、自分たちが群れに到着したときに、襲い掛かってきた幹部だとかいうゆっくり。
こまちはけっこう長くこの仕事をしているが、あの行動には内心驚かされたものだった。
そりゃ自分たちは群れのゆっくりからすれば完全な部外者なわけで、しかもゆっくり裁判などという、ゆっくりできなさそうなものを開きにやってくるのだ。
敵意の視線を向けらることはしょっちゅうだし、それに慣れてはいる。
しかし、いきなり襲い掛かってこられることなどめったにないのだ。
こまちはけっこう長くこの仕事をしているが、あの行動には内心驚かされたものだった。
そりゃ自分たちは群れのゆっくりからすれば完全な部外者なわけで、しかもゆっくり裁判などという、ゆっくりできなさそうなものを開きにやってくるのだ。
敵意の視線を向けらることはしょっちゅうだし、それに慣れてはいる。
しかし、いきなり襲い掛かってこられることなどめったにないのだ。
あのえいき様にいきなり体当たりしてきたゆっくり。
たしか幹部みょんだったか?
自分のゆっくり限定で距離を操る能力により、後方へと移動させた後に弾幕で威嚇して黙らせた(まあえいき様ならあの程度の体当たりではびくともしなかっただろう)が、
あいつの目つきと態度は、何でもかんでも力で解決してしまおうというゲス特有の短絡思考によるものだった。
おそらく自分らを力で屈服させて言うことを聞かせようとしたのだろう。
それこそどこの群れにも所属していないような弱肉強食を生きる完全野生のゆっくりならともかく、群れというコミュニティに属するゆっくりとしてはあり得ない行動だ。
正直えいき様が止めなかったら、あのまま仕留めていた。
たしか幹部みょんだったか?
自分のゆっくり限定で距離を操る能力により、後方へと移動させた後に弾幕で威嚇して黙らせた(まあえいき様ならあの程度の体当たりではびくともしなかっただろう)が、
あいつの目つきと態度は、何でもかんでも力で解決してしまおうというゲス特有の短絡思考によるものだった。
おそらく自分らを力で屈服させて言うことを聞かせようとしたのだろう。
それこそどこの群れにも所属していないような弱肉強食を生きる完全野生のゆっくりならともかく、群れというコミュニティに属するゆっくりとしてはあり得ない行動だ。
正直えいき様が止めなかったら、あのまま仕留めていた。
だが、長ぱちゅりーの話によると、幹部みょんは確かに少し乱暴で短絡的なところはあったものの、
あそこまで浅はかなゆっくりではなかったという話だ。
これはつまり、群れのゲス化傾向の顕著な表れと言えるかもしれない、とこまちは考えていた。
あそこまで浅はかなゆっくりではなかったという話だ。
これはつまり、群れのゲス化傾向の顕著な表れと言えるかもしれない、とこまちは考えていた。
「やっぱり、えいき様が言っていた、事件の中心にいるっていうゲスれいむの影響ですかい?」
「はい。
どうにも、この事件の中心ゆん物である、れいむというゲスにつられて、群れ全体のモラルが著しく低下しつつあるように感じます。
群れで流れていた噂にも少なからず作為的なものを感じましたしね。
潜在的にあまり賢くないというのもありますが……。
それに対して長ぱちゅりーといえば単体としては優秀ですが、やや統率力に欠けるようですね。
平時ならそれで問題なかったのでしょうが、今回のような大きな事件を治めるのは難しかったのでしょう。
幹部に至っては論外ですね。
あれは地位や権力を持たせてはいけないタイプのゆっくりです。
あげくれいむに引きずられてゲス化し、昼間の強行手段にでるありさま。
まったくなにをやっているんだか」
「はい。
どうにも、この事件の中心ゆん物である、れいむというゲスにつられて、群れ全体のモラルが著しく低下しつつあるように感じます。
群れで流れていた噂にも少なからず作為的なものを感じましたしね。
潜在的にあまり賢くないというのもありますが……。
それに対して長ぱちゅりーといえば単体としては優秀ですが、やや統率力に欠けるようですね。
平時ならそれで問題なかったのでしょうが、今回のような大きな事件を治めるのは難しかったのでしょう。
幹部に至っては論外ですね。
あれは地位や権力を持たせてはいけないタイプのゆっくりです。
あげくれいむに引きずられてゲス化し、昼間の強行手段にでるありさま。
まったくなにをやっているんだか」
呆れ気味にえいきが言う。
全くだとこまちも思った。
全くだとこまちも思った。
「そういえば、その例のれいむの様子はどうでした?」
「別に、普通でしたよ」
「ありゃ、そうなんですか?
えいき様がわざわざ様子を見に行くなんて言い出すから、よっぽど難儀なれいむかと思ったんですけどねえ」
「別に、普通でしたよ」
「ありゃ、そうなんですか?
えいき様がわざわざ様子を見に行くなんて言い出すから、よっぽど難儀なれいむかと思ったんですけどねえ」
こまちは、長ぱちゅりーのおうちでのことを思い出しながら言う。
長ぱちゅりーから一通りの説明を受けた後、えいきはしばし無言で考えてから、れいむに会いに行くと言い出したのだ。
普段のえいきならこんなことをしない。
それだけにこまちは今回のれいむは何か特別な相手なのでは、と勘ぐったのだった。
長ぱちゅりーから一通りの説明を受けた後、えいきはしばし無言で考えてから、れいむに会いに行くと言い出したのだ。
普段のえいきならこんなことをしない。
それだけにこまちは今回のれいむは何か特別な相手なのでは、と勘ぐったのだった。
「あのれいむ自体は別段特別なことはなにもありません。
たまたま幸運に恵まれただけの、どこにでもいるゲスです。
まあ、若干悪知恵が働くことは認めますがね。
ですがそれだけです。
私が気になったのは別のことなのです」
「というと?」
「こまち、あなたは気になりませんでしたか?
あの長ぱちゅりーの話の中で一つだけ確定していない描写があったことに。
長ぱちゅりーは事件の全貌を把握しているつもりのようでしたが、それは勘違いなのです。
ある重要な点を見落としています。
そしてその点とは、事と次第によっては、この事件を根本的にひっくり返してしまうほどの事実となり得るのです。
私はその事実確認のために、れいむのおうちへと赴いたのです」
「ひえー!そうだったんですか!
あたいはそんなの全然気づきませんでしたよ」
「まあ、そうかもしれませんね。
こう言っては何ですが、よほど注意していなければ気付かないことです。
また、もし仮に気付いたとしても、事実確認は私かあなたの能力でなければできないことです。
それを一介の群れの長に求めるのも酷な話でしょう」
たまたま幸運に恵まれただけの、どこにでもいるゲスです。
まあ、若干悪知恵が働くことは認めますがね。
ですがそれだけです。
私が気になったのは別のことなのです」
「というと?」
「こまち、あなたは気になりませんでしたか?
あの長ぱちゅりーの話の中で一つだけ確定していない描写があったことに。
長ぱちゅりーは事件の全貌を把握しているつもりのようでしたが、それは勘違いなのです。
ある重要な点を見落としています。
そしてその点とは、事と次第によっては、この事件を根本的にひっくり返してしまうほどの事実となり得るのです。
私はその事実確認のために、れいむのおうちへと赴いたのです」
「ひえー!そうだったんですか!
あたいはそんなの全然気づきませんでしたよ」
「まあ、そうかもしれませんね。
こう言っては何ですが、よほど注意していなければ気付かないことです。
また、もし仮に気付いたとしても、事実確認は私かあなたの能力でなければできないことです。
それを一介の群れの長に求めるのも酷な話でしょう」
そこまで言ったところで、えいきはこまちに向かって振り向いた。
「さて、こまち。
それを踏まえた上であなたに仕事です」
「えっ?
ちょ、今からですか?」
「そう今からです」
「そっ、そんなー!
今はもう夜ですよ!満月ですよ!
夜は寝るものと相場がきまってるものでしょうが!」
「うるさい!」
「きゃん!」
「あなたは昼間にあれだけ昼寝したでしょうが!まだ寝たりないんですか!いいから今から私の言うことをよく聞きなさい。
わかりましたね!」
「へーい」
「返事は『はい』です」
「はい!
とほほほほ……」
それを踏まえた上であなたに仕事です」
「えっ?
ちょ、今からですか?」
「そう今からです」
「そっ、そんなー!
今はもう夜ですよ!満月ですよ!
夜は寝るものと相場がきまってるものでしょうが!」
「うるさい!」
「きゃん!」
「あなたは昼間にあれだけ昼寝したでしょうが!まだ寝たりないんですか!いいから今から私の言うことをよく聞きなさい。
わかりましたね!」
「へーい」
「返事は『はい』です」
「はい!
とほほほほ……」
こまちはついてないなと思いながら、えいきの話を聞き、仕事へと取り掛かったのだった。
そして夜が明ける。
いよいよゆっくり裁判が開かれる時が来たのであった。
いよいよゆっくり裁判が開かれる時が来たのであった。
つづく
ナナシ作