ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4550 じんぐるべーゆ
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『じんぐるべーゆ』 16KB
愛で 7作目。季節ネタ
愛で 7作目。季節ネタ
☆がっつり愛で。虐待なし。箸休め程度にどうぞ。
☆季節物。
☆ネタ被りあったらすみません。
☆季節物。
☆ネタ被りあったらすみません。
完全に浮いている。
ゴンドラに同乗したカップルやグループが私をちらちら見ては何かをこらえている。
何をこらえているか私はわかっている。私のこの服装を笑うことを、彼らは我慢している。
何をこらえているか私はわかっている。私のこの服装を笑うことを、彼らは我慢している。
完全に時代遅れな真っ赤なウェア、足には古く、本格仕様のスキー板。背中には小さなリュックを背負っている。
私は間違いなく、このスキー場から浮いている。
別に笑われたり嘲笑されたりが好きでこういうものを着ているわけでもない。
ただ私には、これしかスキーウェアがなかったというだけだ。
じんぐるべーゆ
「若さ」というのは周りを過度に気にして、他人を笑いたがる。
私の個人的な考えでしかないが。
私の個人的な考えでしかないが。
それは個々の性格の問題ではなく、人間という大きなカテゴリの中で、若い層はそうしたがる傾向にある、という意味だ。
肉体的な若さを持つ人間だけではなく、精神的に若い人間もそうだ。
肉体的な若さを持つ人間だけではなく、精神的に若い人間もそうだ。
私自身も若い頃はそういう風にしてきた気がするので、笑う彼らを咎めたり怒ったりという気にはなれなかった。
君等もあと20年ぐらい経つとこうなるんだよ。と、自分を慰める意味でそう思ってみた。
とはいっても、ゴンドラの窓に映る姿は自分で見ても少し滑稽に見える。
私はかなり久々にスキーをしに、わざわざ有給を使ってここに来ている。
昔は、当時最新だったこのウェアと板でバリバリ滑り、悪友たちとナンパ紛いのことをして遊んでいた。
その更に昔、私がいた高校ではスキー部があった。
本当に雪しかないような街で生まれ、雪を除け、雪を歩き、雪に囲まれながらの学生生活だった。
私はそのスキー部に所属していて、県選抜の大会にも選ばれるくらいスキーに打ち込んでいた。
当時の私に才能があったのかは分からないが、今となってはそれはどちらでも良く、いい思い出の一つとして私の中にあった。
当時の私に才能があったのかは分からないが、今となってはそれはどちらでも良く、いい思い出の一つとして私の中にあった。
そのスキー部の同期たちから連絡があった。
【久しぶりに行こうじゃないか、いつものところで待ってるよ】…と。
このゲレンデは、私達が部活動の際いつも使っていたゲレンデだった。
若い私達はここのてっぺんからコーチに次々と蹴り落とされては、必死に滑り降りていた。
急斜面を滑るよりも、コーチに蹴られることのほうが怖かったような気がする。
急斜面を滑るよりも、コーチに蹴られることのほうが怖かったような気がする。
そのシゴキは今になっても忘れることは出来ないし、たまに同窓会なんかで集まるとそれは他のメンバーたちも同じようだった。
そういう意味で、ここのてっぺんは私達にとって強烈な印象を持つ場所だった。
そこに集まろう、というのだから、皆随分やる気なのだろう。私はその知らせを受けて年甲斐もなくときめいた。
そこに集まろう、というのだから、皆随分やる気なのだろう。私はその知らせを受けて年甲斐もなくときめいた。
私は勇んでこのゲレンデに来たが、様子はすっかり変わっていた。
麓にある綺麗で大きい建物は、私が通っていたころはもっと小さかった。
ゴンドラも昔はもっと揺れて、いつか落ちてしまうのではないかと不安だったものだが、今乗っているものは揺れも殆ど無く快適だ。
ゴンドラも昔はもっと揺れて、いつか落ちてしまうのではないかと不安だったものだが、今乗っているものは揺れも殆ど無く快適だ。
コースも拡大されたようで、一々マップを見なくては「いつもの場所」にたどり着くことすらできそうに無かった。
ゴンドラの外を見ると空は一面灰色で覆われていて、雪がちらちらと降ってきていた。
かつてと変わらないのは空と雪くらいなのかもしれない。
私の格好同様に変わらないものを見つけたように思えて、少し安心した。
私は最初のゴンドラを降りると、ぼんやりと覚えているコースをたどって、更に上へと向かうゴンドラ乗り場を目指した。
そのコースのちょうど中盤あたりに差し掛かると、空がだんだんと吹雪いてきているのに気付いた。
そのコースのちょうど中盤あたりに差し掛かると、空がだんだんと吹雪いてきているのに気付いた。
学生時代から愛用していたゴーグルはすぐに曇ってしまい、滑るごとにその役割を果たさなくなっていった。
曇りを拭いては滑り、滑っては拭きを繰り返してなんとか進んでいたのだが、天候は更に悪化していった。
ついにはわずか2m先も見えなくなり、私は進行の中断を余儀なくされた。
逸る気持ちを抑えられず、約束の時間よりかなり早めに来てしまったのが逆に正解だったかもしれない。
少し様子を見て、天候に合わせて進もう。こう強い風も長くは続かないだろうと予想もしていた。
なだらかなコースの端の木の影でやり過ごしていると、徐々に風が弱まってきた。
この隙に一気に乗り場まで行ってしまおう。
そうして立ち上がろうとする私の足元の雪が、突然崩れ始めた。
驚く暇も無かった。
私は雪で隠されていたらしい大きな穴に落っこちてしまい、腰をしたたかに打ち付けてしまった。
雪に覆われていない、土の地面がそこにあった。
腰をさすりながら辺りを見回すと、大量のゆっくりたちが呆然と私を見つめているのが分かった。
大体30匹くらいだろうか、土に塗れた薄汚い格好を見るとおそらく野生の群れだろう。
私は、落ちた先にゆっくりがいた事に別段驚くことはなかった。
最近現れたらしいこの生物の多くを知っているわけではないが、人間に直接的な害をなす生物ではないというのはテレビや新聞で聞いたことがある。
ゆっくりは何匹いようが人間の脅威になることは殆ど無いし、不意に遭遇したとしても常に人間側に主導権があるのはわかっていた。
ゴミ捨て場を荒らすものや街の景観を損ねるものを町内会の清掃当番の時に駆除することはあったが、それ以外では私の方から彼らに近づくようなことはなかった。
それが今、偶然ではあるが初めて彼らに「私の方から会いに来てしまった」。
『…やあ、すまんね。君等の家を壊してしまったようだ』
ゆっくりの群れは未だ私を呆然と見ていた。
その時気付いたのだが、私が落ちたこの「おうち」は随分暖かく、何より広かった。
その時気付いたのだが、私が落ちたこの「おうち」は随分暖かく、何より広かった。
平均的な身長の私がぎりぎり直立できるくらいの高さで、私が落ちてきた地点から奥は見えなかった。
ゆっくりのサイズを鑑みるとこれは相当な規模のもので、どうやってこの穴蔵を作り上げたのかが気になった。
ゆっくりたちはどうやら集団で越冬または冬眠をしていたらしく、中央には食料と思しき草や虫などが一塊になっていた。
彼らは私の呼びかけに応えることはなく、ただただ私を見つめるだけだった。
ゆっくりにとって脅威たる人間が上から落ちてきたのだから、無理もないことなのかもしれない。
『えーと……すぐに出るよ。』
私はそう言って落ちてきた穴を見上げると、その時やっと一匹のゆっくりが声を上げた。
「しゃ、しゃ、しゃんたしゃんにゃにょじぇえええええええええええええええええええええええ!!!!!!」
「ゆっゆっゆっゆぅぅぅ~~~~~~ん!!まりさ、まりさああああああ!!!おきてええええ!!さんたさんがきたんだよおおおおおおおおおおお!!!!おきてねえええええ!!!」
「ゆゆゆううううう!!さんたさんなのぜ!!!まりさたちはやっぱりいいゆっくりだったのぜええ!!!!!」
「わかるよーーっ!!ちぇんたちはみんないいこにしてたんだよーーっっ!!!わかるよーっ!!」
「しゃんたしゃんゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!れいみゅ、いいこにしてちゃんぢゃよ???」
「まりさもいいこにしてたのぜーっ!!」
怒涛の勢いで私に呼びかけ始めたゆっくりたちは、皆興奮していた。
土の部屋が彼らの叫びで震え、天井からぱらぱらと土が降ってきた。
「みんな、ゆっくりしずかにするのぜ!!かべさんがくずれちゃうよ!!!」
私は何が起こったのかわからずただただ驚いていると、暗がりで見えなかった穴蔵の奥から声がした。
のそりのそりと暗闇からゆっくりと現れたのは、とても大きいまりさだった。
こういった大きいゆっくりを「ドス」と呼ぶらしいことは知っていたのだが、実物を見たのは初めてだし、こんなに重量感あるものだとは思わなかった。
ドスまりさの体長は私とほぼ同じくらいだろうか、かなり大きい。
流石にこのサイズとなると脅威になりえるので、私は少し身構えた。
ドスまりさは、騒ぐのをやめたゆっくりたちを挟んで、私のほうを見た。
ドスまりさは、騒ぐのをやめたゆっくりたちを挟んで、私のほうを見た。
するとドスまりさは元々真ん丸だった目を更に真ん丸にした。
「さ、さんたさんだああああああああああ!!!!!!!!!!!」
ドスまりさの野太い叫びは部屋中をビリビリと震わせ、それにつられて今まで黙っていたゆっくりたちも再び騒ぎ始めた。
一斉に私の足元に近寄ってきたゆっくりたちは、皆私を歓迎しているようだった。
私は彼らに何を言うべきか困っていると、ドスまりさが改めて私に挨拶をした。
「さんたさん、ゆっくりしていってね。」
私はその時やっと、誤解されていることに気付いた。
このゆっくりたちは、私をサンタクロースだと思っている。
赤い服。季節は冬。それなりの年齢。考えようによっては、上から落ちてくるのだってそういう要素があったのかもしれない。
私は奇しくも、彼らにとってのサンタクロースたる条件を適度に満たしてしまっていた。
『いや、えーと、私は…』
私がどう弁解していいかわからないでいると、それに被さるようにしてドスまりさが言った。
「みんな!ゆっくりしてたらだめなのぜ!さんたさんがこまってるでしょおおおお?」
その呼びかけでゆっくりたちは私の足元に群がるのをやめ、ドスまりさの方を見た。
ゆっくりたちをひと通り見渡した後、ドスまりさは声を落ち着けて言った。
ゆっくりたちをひと通り見渡した後、ドスまりさは声を落ち着けて言った。
「みんな、きょうはさんたさんがきたから、ぱーてぃーさんをやるのぜ!」
その宣言に群れは色めき立ち、小さい子ゆっくりたちはあまりの嬉しさに失禁してしまっていた。うれしーしーというやつか。
「でも、きょうはさんたさんのうぇるかむっぱーてぃーさんなのぜ!さんたさんをみんなでおもてなしするのぜー!!!」
ドスまりさが続けてこう言った。
「「「「「「「「ゆっゆおーっっ!!!!」」」」」」」」
群れのゆっくりたちは雄叫びをあげ、それぞれバラバラに跳ねていった。
私は展開の速さについていけず呆然としていた。
「ちょっとおやすみしてまっててね!まりさたち、ほんとにいいこにしてたのぜ。さんたさんがくるってしんじてたから、いつでもぱーてぃーさんができるように、すこしずつだけどごはんさんをとっておいてたのぜ!」
ドスまりさが私にニコニコと話しかけた。
「ささ、まりさのうえにすわるのぜ!」
そう言ってドスまりさは私の目の前で寝転んだ。
私は申し訳ない気がしたが、ドスまりさの勢いにどうにも負けてしまって腰掛けると、ドスまりさの体がとても柔らかく座り心地のいいことがわかった。
「ゆふふ、さんたさん、ゆっくりしていってね!」
ドスまりさは、私の下で嬉しそうにそう言っていた。
どうやら、もうサンタクロースで通すしかないようだ。
諦めた私はなるべく彼らの期待を裏切らないよう、サンタクロースらしい振る舞いをすることに徹した。
『まりさはいい子にしてたかな?』
横たわるドスまりさに尋ねる。
「してたのぜ!にんげんさんのおてつだいも、たまにしてるのぜ!」
『お手伝い?』
「そうだよ!ゆきさんがないとき、どすすぱーくでじゃまなきさんをたおしたり、にんげんさんといっしょにのらどうぶつさんをおいはらったりしてるのぜ!」
地域ゆっくり、というものなのだろうか?地域とはいってもここは山のスキー場だ。雇われとか、そういう類のものなのだろうか?とにかく、この群れは春になると人間たちの仕事を手伝っているらしい。
『そうか、いい子にしてたんだな。』
「ゆふ、そうなのぜ!にんげんさんからきいたのぜ、ずっといいこにしてたらさんたさんがくるって!」
「さんたさんはとってもゆっくりしたにんげんさんで、まりさたちといっしょにいっぱいゆっくりしてくれるにんげんさんだってことをおしえてもらったのぜ!まりさたちみんな、さんたさんにあいたかったのぜー!」
『そうかそうか。』
「このおうちも、どすすぱーくでつくったのぜ。がんばっておてつだいをしてたら、にんげんさんがここにみんなのおうちをつくっていいっていってくれたのぜ!
どうやら、ドスまりさたちを手伝わせている人間がサンタの存在を吹き込んだようだ。
『よしよし。偉いな。いい子だ。』
「ゆふふふ、いいこにしてたのぜー!」
「…あっ!さんたさんごめんなさいのぜ!さむいのぜ??」
ドスまりさは急に立ち上がり、私は体から落っこちてしまった。
どうやら私が開けた穴を塞ごうとしているらしい。
どうやら私が開けた穴を塞ごうとしているらしい。
「つちさんぺーたぺーた!ぺーたぺーた!」
ドスまりさは地面の土を舐めて、それで少しずつ穴を塞いでいた。
ドスまりさは地面の土を舐めて、それで少しずつ穴を塞いでいた。
振り落とされてしまった私は苦笑いしつつそれを見守った。
そうして穴の半分ほどが塞がった頃、一匹のちぇんがドスまりさに報告をしにきた。
「おさ、ぱーてぃーさんのじゅんびができたんだよー!!!!!!」
パーティーはとても賑やかだった。
ゆっくりたちは各々の得意なものを見せ、私をもてなした。
「ゆっくり~のひ~♪まったり~のひ~♪」
れいむたちは歌を歌い、まりさたちはそれに合わせて一生懸命踊った。
れいむたちは歌を歌い、まりさたちはそれに合わせて一生懸命踊った。
ありすたちやちぇんたちもそれに合わせて体を揺らし、ぱちゅりーたちはその踊りと私の表情を交互に見ては嬉しそうにしていた。
歌も踊りも上手いとは言えなかったが、私を楽しませたいという気持ちは十分に伝わってきた。
私の提案でゆっくりたちと簡単なゲームもした。
しりとりをしてみたが、ゆっくりたちは単語に「~さん」をつけるので何度やってみてもすぐに終わってしまった。
残念がっているゆっくりたちに、私は歌を教えてみた。
ゆっくりたち、特にれいむたちは私の歌を目をキラキラさせて聞いて、必死に真似ようとしていた。
「じんぐるべーゆじんぐるべーゆ♪…」
人間にとっては音痴そのもので聞くに堪えないものだったが、ゆっくりたちは実に幸せそうにその歌を歌っていた。
私はその顔を眺めながら手拍子をして、教えた歌を聴いた。
大きな葉の上に乗った芋虫やら枯れ草やらは流石に食べることは出来なかったが、気持ちがとても満たされた。
私の椅子代わりになっているドスまりさも、その間ずっとニコニコしているようだった。
途中でドスまりさから降りて地面にあぐらをかくと、ドスまりさは狼狽えた。
「さ、さんたさん?どうしたのぜ?まりさ、ゆっくりできないのぜ?」
『まりさも楽しむと良い。ずっとそのままじゃ、辛いだろう。』
私がそう諭してやるとドスまりさは顔をパッと明るくさせて、私に体を近づけ、擦りつけた。
「すーりすーり!さんたさんだいっすきなのぜ~!」
その時私はサンタクロースの役割の一つをやっと思い出した。プレゼントだ。
背負ってきたリュックの中に、非常用のカンパンやらチョコレートやらがあった。
『さてみんな、メリークリスマス!私からクリスマスプレゼントだよ。』
「「「「「ぷれぜんとさん!!!???」」」」」
私がそれらを取り出すと、群れは歓喜の渦に包まれた。
二つ入っていた魚の缶詰のうち一つを開け、全てのゆっくり一匹一匹に行き渡るよう、少しずつ指で千切ってはすくって食べさせた。
食べてから感動で固まってしまうまりさや、全て味わおうとして私の指を丁寧に舐めるちぇんなど反応は様々だった。
カンパンも同じように細かく砕き、皿に載せていった。
氷砂糖とチョコレートは群れの全てに行き渡らせる手立てが思い浮かばなかったので、ドスまりさにまとめて渡した。
『君に渡したわけじゃなくて、群れのみんなの代表として君に渡したんだよ。きちんと皆で分けあって食べるんだよ。』
「ゆゆん!ゆっくりりかいしたのぜ!」
『食べ物に困ったときに食べるようにしなさい。贅沢な食べ方をしたら駄目だよ。』
「「「「「「「「「「ゆわーい!さんたさんありがとー!!」」」」」」」」」
私はゆっくりたちの返事に目を細めたが、それと同時にあることに気がついた。
私がここに来た時にはあった、草や虫の山が無くなっている。
少し疑問に思い、ドスまりさに尋ねてみた。
『まりさ、食べ物はどれくらい残っているんだい?』
「………ゆゆゆゆゆ!!!!!」
「………ゆゆゆゆゆ!!!!!」
私の質問で何かに気付いたのか、まりさは驚き辺りをきょろきょろと見回した。
「……ぱーてぃーさんでぜんぶたべちゃったみたいなのぜ………」
呆れてしまった。それほどまでにサンタを心待ちにしていたのか。
私を迎えるこのパーティーを盛大なものにするために、全ての備蓄を食べきってしまったらしい。
私があげたプレゼントだって、所詮は人間一人分のものだ。
それで一冬凌ごうにも、高が知れている。
それで一冬凌ごうにも、高が知れている。
「ゆ……で、でもがんばるのぜ!まりさがおそとにでてかりするのぜ!!だから…だいじょうぶなのぜー!」
ドスまりさに手伝ってもらい穴蔵から出ると、空はすっかり晴れていた。
真っ白な世界が、太陽の光を受けてとても眩しい。私は思わず目を細めた。
ドスまりさと群れは、名残惜しそうに私を見送っていた。
「さんたさん!まりさたち、これからかりをがんばって、つぎのふゆさんもさんたさんをまってるのぜ!」
「これからもにんげんさんのおてつだいをいっぱいして、いいこにしてるのぜー!」
「みんな、さんたさんにありがとうをいおうね!」
「「「「さんたさん、ありがとうー!!!」」」」
私は敢えて彼らに別れの挨拶はせず、ゴンドラ乗り場を目指した。
山の頂上付近へ通じるゴンドラを降りると、そこには懐かしい顔ぶれが揃っていた。
彼らは皆揃って赤いウェアを着ていて、それは私と同じものだ。
この真っ赤なウェアは、うちのスキー部のユニフォームなのだ。
『随分遅かったじゃないか。』
『まさかここまで来る途中でバテてたんじゃないだろうなあ。』
『キャプテンがそれじゃあ困るなあ~。』
『ははは、そんなんじゃコーチに蹴っ飛ばされるぞ、キャプテンくん!』
『老けたんじゃないかあ?』
『まさかここまで来る途中でバテてたんじゃないだろうなあ。』
『キャプテンがそれじゃあ困るなあ~。』
『ははは、そんなんじゃコーチに蹴っ飛ばされるぞ、キャプテンくん!』
『老けたんじゃないかあ?』
集合時間から少し遅れた私を皆からかっていた。
私が今までの事情を軽く説明すると、旧友たちは揃って笑った。
『はは、サンタね!お前ももうジジイだしなあ!』
『俺も手伝ってやろうか。プレゼント、足りなかったんだろう?』
『僕にも一枚噛ませてくれよ。』
『それじゃあまず、プレゼントを仕入れなきゃあな。とりあえず麓の売店まで競争だ。』
『無理するなよ。年寄りの冷や水って言葉もあるしな。』
『まだそんな年じゃないわ。よし、行くぞお。』
一人の合図で、旧友たちは次々に斜面へ飛び込んでいった。
するりするりと山を下ってプレゼントを買いに行く「サンタクロースたち」の赤装束が、見下ろす真っ白な世界にとても映えて見える。
私が彼らを追って滑り出すとその色は交じり合い、他の全ての色を置き去りにするように流れていった。
「「「「「「………………。」」」」」」
穴蔵のまりさたちは、お菓子を沢山抱えてやってきた「サンタクロースたち」にとても驚いた。
「「「「「「……じんぐるべーゆ♪じんぐるべーゆ♪すっずがーなゆ~♪」」」」」」
その表情はすぐ笑顔に変わり、彼らは私が教えた歌を一斉に歌い始めていた。
おしまい
今までに書いたもの
anko4491 鬼(き)ゆん
anko4495 おいしゃさんありすとすっきりしたおみず
anko4509 さくやの世界
anko4515 ゆつぼかずら
anko4523 14日分の友情
anko4546 廃墟にて
anko4495 おいしゃさんありすとすっきりしたおみず
anko4509 さくやの世界
anko4515 ゆつぼかずら
anko4523 14日分の友情
anko4546 廃墟にて
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ありがちなネタですね…。
重ね重ね、ネタ被りがありましたら申し訳ありません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ありがちなネタですね…。
重ね重ね、ネタ被りがありましたら申し訳ありません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
メリークリスマス!
~~~以下私事~~~
anko4523 14日分の友情に挿絵さんが!!!!ゆつぼかずらに引き続きこんなぺーぺーの書くSSに挿絵を描いていただけるなんて、恐縮の至りです……。
本当に本当に嬉しいクリスマスプレゼントです!!!
これからもなんとかかんとか良い物書けるよう頑張ります!!!!!
これからもなんとかかんとか良い物書けるよう頑張ります!!!!!
挿絵作者様、本当にありがとうございました!
それでは、良いお年を!
それでは、良いお年を!